序 「 教員のキャリア形成 に果たす神奈川大学の役割」
の研 究報告 にあたって
共同研究代表 ・鈴木 そ よ子
神奈川大学教職課程では,横浜キャンパス と 湘南 ひ らつかキャンパスの教員が ともに,2007 年度か ら2009年度 までの 3年間,「教員のキャ
リア形成 に果たす神奈川大学の役割」 とい うテ ーマの もとで共 同研究 を進めて きた。
共 同研究 を始めた背景 には, この間の教 師教 育 をめ ぐる全 国的 な動 向が あ る。2006年 7月 の中央教育審議会答 申を受けて,教員の 「資質 能力」の向上 と教職 に対す る信頼の確立 を目的 とした教員免許更新制が導入 され,教職大学院 が新設 され,教職実践演習が新設 されるな ど, 教師教育 に関す る制度改革が進め られて きた。
これ らは,多 くの大学が組織 として現職教育 に 関わるとい う新 しい事態 をもた らした。
私たちは, この間の教 師教育 をめ ぐる施策が 現場の声 を把握す ることな く進め られているこ とに強い危倶 を覚 えた。そ して, この ような状 況の中で,現職教員が大学 を研修の場 としてみ た ときに望むことや,教員養成教育 に期待す る こと, また,私 たち自身が教員のキャリア形成 のために取 り組 むべ きことを明確 に したい とい う思いで,共同研究 を始めた。 この間の政権交 代 に伴い,政策が さらに大 きく変わろ うとして いるなかで,本共同研究のテーマはよ り一層重 要性 を増 していると考 える。
「序」 に続 いて,共 同研 究の各 メ ンバ ーが3 年間の研究活動のまとめ としての研究成果 を発 表す る。その内容 は総論 と各論か らなっている。
総論 には
,
「Ⅰ 研究 目的 と調査実施概要」「 Ⅱ
質問紙調査結 果の概要」が該 当す る。共同研究の全体像 と質問紙調査,インタビュー調 査の概要, これ らの主な成果 についてまとめて いる。神奈川大学の卒業生 を調査対象 とし,棉 奈川大学の役割 を考 えるための調査であったが, 大学 と小 ・中 ・高等学校教員のキャリア形成 を つな ぐ視点 を導 き出せた と私たちは見ている。
各論 には,「Ⅲ 教 師の学習ニーズの諸相」
「 Ⅳ
教 師がふ り返 る, 自らのキ ャリア形成 に おける壁 とは何であったか」「 Ⅴ
学校 の現状」
「Ⅵ 軽度発達障害 と思 われる子 と学校教 師」
「Ⅶ 現場 の教員 を支援す る‑教員免許更新講 習 (選択 :生徒 指導) を実施 して
‑ 」
「Ⅷ 教 員免許更新講習の取 り組み‑
『教 師が学びあ うコミュニティ』 の展望
‑
」の6論文が該当す る。各論では,調査項 目ごとの分析担当者 としての 立場 を離れて,調査全体 か ら得 た もの を研究者 としての関心 にもとづ き表現す るとい う形で, 論文 を発表 している。質問紙調査の回答か らみ られる傾向やインタビュー調査で直接伺 った話 は,研究において も教職課程運営 において も, これまでの在 り方 を見直 し,新 たな取 り組み を 始める契機 となった。
上記の2報告 と6論文は,研究成果 を公 にす るものであると同時に,多忙 な校務の合間を縫 って,質問紙調査,イ ンタビュー調査 にご協力 いただいた卒業生の方 々への報告で もある。
また,この共同研究は,2007年度か ら3年間, 神奈川大学共同研究奨励助成金 とい う形で本学 か らの支援 を得 て実施で きた ものであることを 言い添 えてお く。
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