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中国における会計制度の継承 と発展

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中国における会計制度の継承 と発展

一 国 際 会 計 基 準 の 影 響 を 中 心 と し て ‑

TheSuccessionandDevelopmentofanAccountingSysteminChina

‑An EmphasisontheInfluenceofInternationalAccountingStandards一

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士後期課程

妻 玉 英

YuyingJiang

序 章 研究の 目的 と論述の展開 第 1節 研究の意義 と目的

中国は、海外か らの投資対象国 として最 も注 目 されている国の一つである。 しか し中国に対す る 投資環境 は大 きく変化 してお り、中国投資 を考 え る外 国企業 は中国の情勢 を注視す る必要 がある。

近年では会計制度改革 による 「合弁企業会計法」、

「外 資企業会計法」等 が改正 され、外資 に対す る 優遇措置 が廃止 され る方向に進 んでお り、「内国 民待遇」の実施す なわち外資企業 と中国の内資企 業 との差別的制限の撤廃が進め られている。

本論文 は、 この ような中国における会計制度 に つ いて、特 に国際会計基準の影響 を中心 として、

その継承 と発展 に焦点 を当てて研究す ることを目 的 としている。

まず第1には、 中国 における会計制度 の発展 を歴 史的 に考察す る。1949年10月1日、 中華 人民共和 国が成立 した。その後 中国は、1952年 までに新民 主主義経済体制 を試 み たが、1953年 に第1次5ヵ 年国民経済計画 を実施 し、社会主義への移行 を始 めた。それか ら経済改革が提起 された1978年 まで は、計画経済体制 が実施 されていた。計画経済体

制の もとで、会計制度 は、政府 が企業 を経営す る とい う 「一国一企業」の管理責任会計のシステム として発展 して きた。1949年か ら1978年 に至 るま での中国の会計制度の形成 ・変遷過程 を、その社 会的 ・経済的環境 との関連 において考察す ること

とす る。

次 に第2には、中国における企業改革 と会計制 度 の進化 につ いて分析す る。1979年以来、「経済 改革」や 「対外開放」政策 を実施 し、計画経済体 制か ら計画的市場経済体制へ移行 した。 この時期 の企業会計制度 の変遷 には、2つ の大 きな流 れが ある。一つ は、1983年 における「合弁企業会計規則

の設定 と1992年 「外資系企業会計規則」及び 「会 社会計規則」の設定の段階である。もう一つは、「会 計法」の制定や業種別会計規則 の改訂 を経て、「企 業会計基準」 に至 る流れである。 ここでは、国内 一般企業の改革過程 における企業会計制度の展開 につ いて検討 し、 中国の会計制度 が どの よ うに、

また、いかなる要 因により進化 して きたかを明 ら かにす る。

そ して第3には、現代会計制度の確立過程 とそ の特質 を明 らか にす る。1992年 に入 ってか ら中 国の経済改革 ・開放 は、「社会主義市場経済」へ

(2)

5 2

神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報』第

8

2 0 0 4

3

と大 き く進展 して きてい る。財政部 は

1 9 9 2

年 に

「企業財務通則」及び 「企業会計基準」 を公表 し、

1 9 9 3

年か ら 「企業会計基準」 を中心 とす る新 しい 会計規制体系 を実施 され ることになった。 まず、

社会主義市場経済体制 の構想 に適合 した現代企 業会計制度 を確立することの背景 と確立の過程及 びその内容 を考察 し、それによって現代 中国の企 業会計制度の特質 を明確にす る。 ここでは、外資 系企業会計規則 と同時期の 「国営工業企業会計規 則」、そ してIASとを比較 し、国際化の視点か ら、

中国の企業会計制度の特徴 を明 らかにす る。

最後 に第4には、中国における会計制度の変貌 について論述す る。外国投資企業 の会計制度 は、

2 0 0 2

年に大幅に改正 され、外国投資企業は 「企業 会計制度」が適用 されることとなった

。2 0 0 1

年で は、中国の企業会計制度 は、外国投資企業 に対す る外国投資企業会計制度、株式有限会社 に対する

「企業会計制度」株式有限会社以外の中国企業 (有 限責任会社等)に対す る業種別会計制度の3本立 てであった。今回の改正により、中国の企業会計 制度は外国投資企業 と株式有限会社 に対する企業 会計制度 と、その他の中国国内企業に対する業種 別会計制度の2本立てとなった。

従来の中国会計制度に関す る研究は、中国の会 計制度 ・会計変革 について明 らかにす るものの、

中国の伝統的会計制度の特質 とその継承 とい う視 点での考察がほとんど行われていない。 日本 をは じめとす る先進諸国の会計制度の影響や最近の国 際会計基準の導入過程において、中国会計制度が その過程で何 をどのように継承 しているのか、あ るいは継承すべ きかを正 しく分析 ・吟味すること は、今後の中国会計制度のあり方 を決定するうえ で極めて重要 なことである。本論文は、で きる限 り、オ リジナルなデータをもとに、中国会計制度 の継承 とその問題点を分析 し、そ して、中国会計 制度の発展 とその課題 を考究することとする。

第2節 論述の構成 と展開

本論文は、前節で述べた研究 目的を達成す るた めに、大 きく三部か ら構成 されている。

まず第一部は、中国の経済発展 と会計制度につ いて考察す る。東 アジアでは、これまで右肩上が りの経済発展 を遂 げて きたが

、1 9 9 6

年か ら通貨 ・ 金融危機 に見舞われ、厳 しい経済運営 を迫 られて いる。アジア最大の経済大国である日本 も国内経 済の低迷 を打開す ることに力を注いでいる。 しか しなが ら、中国だけは

1 9 9 7

年 に約

9%、1 9 9 8

年 に は78%の経済成長率 を維持 した。中国経済の高 度成長は、相互依存関係が強 まる今 日の世界にお いて、周辺のアジア諸国のみな らず、環太平洋諸 国にも影響 を及ぼ し始めている。

以上の経済発展 を背景 として、中国における会 計制度の改革 が進め られ、企業制度 が整備 され、

それに伴 って会計法規 の制定が大 きく進展 した。

各章の論点は、次の とお りである。

第1章 は、中国における経済発展 と会計制度 に ついて研究す る。第

2

章 は、中国における会計制 度の形成 と発展 である。第3章 は、中国における 会計制度 と開示規定である。ここでは、中国にお ける会計制度の概要、中国における会計法及び会 計業務について述べ る。

次に第二部では、中国の会計制度 に及ぼす国際 会計基準の影響 について分析する。中国は

1 9 7 8

年 末か ら、「対外開放」政策の もとで、外資導入 を 奨励 し、経済の国際化 を進めて きた。その過程で 合弁企業 をは じめ とす る外資系企業 が急速に増 え て きて、企業会計にもその影響が及んでいる。出 資、外貨換算、無形資産、配当などの会計処理は、

新 しい会計の課題である。元来、中国の企業会計 制度は、市場原理 を否定 とす る計画経済体制の も とに発展 したものであり、長年にこれ らの問題 を 資本主義会計固有の内容 とみな し、その解決につ いては未経験であった。外資導入 を促進するため に、財政部は

、1 9 8 5

年 に 「合弁企業会計規則」 を 確定 し、外資系企業会計の制度化 を試みた。そ し て

1 9 9 2

年に経済発展の進展に即 して、中国の会計 制度 も著 しく改革 が進んでいる。

第4章 は、国際会計基準 の創設 と発展、 コア ・ スタンダー ドの承認及びIAS概念 フレームワーク について論 じる。この点は、中国の会計制度の継

(3)

承 と発展 を研究す るためには必要不可欠である。

第5章 は、中国の会計制度の新展開 と国際会計基 準の影響 につ いて論述す る。第6章 は、持分制企 業会計制度に及ぼす国際会計基準の影響 について 検討す る。 ここでは、「会社会計規則」 を中心に、

持分制企業会計制度の構造を分析 し、株式会社の 視点か ら中国の企業会計制度の特質 を明確にす る。

そ して第三部では、中国における会計制度の継 承 を明 らかに し、その発展の方向を探 ることとす る。第7章 は、中国における監査制度 について研 究する。中国における国際的な監査制度 を目指 し た公認会計士による監査制度か始 まったのは1980 年からである。現在の公認会計士監査制度は20年 が経過 したが、公認会計士に関連す る法律の成立 と監査基準が整備 されてからまだ 日が浅い。ここ では、 これ までば らつ きのみ られた会計監査が、

今後は整備 された法制度や監査基準 に即 して実施 されることととな り、そのあり方 を検討する。

第8章は、中国における上場企業のデ ィスクロー ジャーの研究である。中国の経済改革は 「上か ら の改革」であり、指導階層が命令経済の体制に見 切 りを付 け、見 える手 による資源配分 を徐々に諦 めるプロセスで もある。長い試行錯誤 を経て、「市 場 は決 して完壁で理想的な仕組みではないが、 リ スクに対処するのに一応機能す る」 との認識は中 国で徐々に浸透 してきた。株式会社制度や株式上 場制度 を整備 し、資本市場 を育成すれば、これま で行政の許認可制度 と国有銀行 を中心 とする間接 金融制度がもたらした資源配置の歪みが是正 され、

より効率的な資本配分が期待 される。本章はデ ィ スクロージャーに焦点 を当て、投資家が合理的投 資行動 を通 じて企業 ・経営者 を選別 し、企業統制 の改善 と効率的資本配分に働 くための情報開示の あ り方 を検討する。

最後 に第9章 は、中国における会計制度の継承 と発展について考察す る。中国は、中華人民共和 国が成立 したときか ら、最終的には共産主義の実 現 を目指 して、物動計画に基づ く計画経済体制 を とって きたが、その後、1978年末か ら、計画経済 に市場原理 を導入 し、計画的市場経済 を経て、資

源配置に関 し市場が基礎的役割 を果たす社会主義 市場経済体制の確立に至 って きた。経済体制のこ のような激 しい変化に影響 され、企業会計制度 は、

計画経済体制における 「一国一企業」の企業制度 に適合 した管理責任会計の制度か ら、市場経済体 制における 「所有 と経営の分離」の企業制度 に適 合する受託責任会計の制度 に発展 して きている。

このような管理責任会計か ら受託責任会計への 転換 は、また、「一国一企業」 とい う巨大企業 に おける内部管理会計か ら、市場経済 を前提 とす る 個々の企業実体における財務報告会計への転換 と みることができる。それは、中国の企業会計制度 の特質 を規定す る構造変革であると考 え られ る。

本章は、この構造変革 を糸 口として、中国の企業 会計制度の特質 を整理 し、中国における会計制度 の継承 と発展 を探求することとす る。

第一部 中国の経済発展 と会計制度 第 1章 中国会計制度を取 り巻 く環境要因 第 1節 計画経済から市場経済への移行

中国 において 「社会主義経済」 を実行す ると い うことは、社会主義公有制の下で、国家が計画 経済 を実行することであった。 このことは国家の 基本理念 として中国の憲法に も明示 されていた。

1949年10月1日に中華 人民共和 国が成立 したが、

その後の中国は、三段階の経済発展 を歩んで きた。

第一段階 :1949年か ら1952年 までに新民主主義経 済 を試みたが、1953年 に第一次5ヵ年 計画 を実施 し、社会主義への移行 を始 めた。それか ら経済改革が提起 された 1978年 までは、計画経済が採 られてい た。

第二段階 :1979年以来 「経済改革」や「対外 開放」

政策 を実施 し、計画経済か ら計画的市 場経済へ移行 した。

第三段階 :1992年に入 ってか ら中国の経済改革 は

「社会主義市場経済」へ と進展 して き ている。

中国は、1992年の部小平氏の南方視察講話にお

(4)

54 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第8 2004年3月 いて、次の4点の発表 が行われた。すなわち、①

計画 と市場はいずれ も経済発展の手段であ り、計 画経済は社会主義 と等 しくない。②社会主義社会 の生産力の発展 に有利 か否か、国民生活水準の向 上に有利か否か、社会主義国家の総合的国力の発 展 に有利か否か といった

3

つの有利 な理念判断 を 基準に して<、「改革 ・開放」 を推 し進 め る。③ 貧富格差 を消滅するという社会主義の理念 を押 さ えている限 り、計画経済の割合の多少及び市場経 済の割合の多少は関係 ない。外国の現代的 ・先進 的経営方式、管理方式 を積極的に導入 して も何の 支障 もない。④今の有利 なチ ャンスを失わず、数 年 ごとに経済成長 を1段階ずつ上昇 させ、総合国 力 を増強 させなければな らない。

「社会主義市場経済」 における特徴 と しては、

①公有制主体の体制、②労働 に応 じた分配の原則、

③計画 と市場におけるマクロ経済規制、が挙げら れ る。

このような改革 ・開放政策の加速及び社会主義 市場経済の発展によって、企業 あるいは会計制度 への影響 としては、第‑に外資導入や証券市場の 国際化 を促進す るために、国際会計制度 が必要 と なること、第二 に従来の画一的な企業 自主権の賦 与 と経営責任の明確化、とい う企業改革政策に役 立つ会計制度が求め られ ること、第三 に国家によ るマクロ管理の必要性からも、国家 として統一 さ れた会計制度が必要 となって きたこと、が挙げら れ る。つ まり 「改革 ・開放」の加速 と 「社会主義 市場経済」の発展 との2つの条件 によ り、中国に おける会計制度 は内部か らも外部か らも改革 を迫

られることになったのである。

第 2節 「会計法」制定の社会的 ・経済的背景

「会計法」は、1985年1月21日に第6期人大第9回 会議で可決 された ものである。それは、会計改革 の中で制定 されたが、理由は会計改革だけではな い。「会計法」制定の理由は、当時の社会 的 ・経 済的背景の もとで要求 されたものであった。

(1)政治的背景

「会計法」制定の要 因には、まず、文化大革命

の時期に法律制度の不完備 による社会秩序の崩壊 とい う苦い経験 が挙げ られ る。文革の苦 しい経験 を背景 として、第5期人大第2回会議に提出 された 国務院総理の 「政府工作報告」では、法律秩序の 強化の方針が打 ち出 された。

そ して、政府組織法 ・選挙法 ・裁判所組織法 ・ 検事院組織法 ・刑法 ・刑事訴訟法 ・合弁企業法な

どが次々と改正 ・制定 され、引 き続 き国籍法 ・合 弁企業所得税法 ・個人所得税法 ・婚姻法なども改 正 ・制定 された。 このように法律 によって国を管 理 ・統制するとい う政治的な動 きがあって 「会計 法」の制定に関す る提案が提出 されたわけである。

(2)経済的背景

「会計法」制定 の第2の要 因 と しては、当時の 企業経営が管理面で混乱状態にあったことが挙げ られ る。1966年 に発動 された文革の もとでは、会 計制度 を含む社会的生産 に必要な規則 ・規制は労 働人民 を管理す るものとされてお り、すべて無用 の もの として破壊 された。多 くの企業においては 会計機構が撤去 され、会計担当者が生産 ラインに 出向 させ られ、会計が完全に運用で きない状態に あった。このような混乱状態は1977年文革が結末 してか らも、 しば らく続いていた。これには、会 計の基本的法律がな く、会計規則 を正 しく行 うこ とがで きないか らであると判断 された。 このよう な経済的背景で 「会計法」の制定が迫 られた。

(3)制度的背景

国全体が

1

つの「企業」とされ、政府 はこの「企業

の所有者であると同時に経営者で もあり、直接経 営で企業活動に介入 し、監督 している。 したがっ て、この経済構造には独立 した監査部門が存在 し ない。そこでは、国全体が1つの利益 中心点であり、

よって一つの会計単位 とす る会計構造が形成 され ることになる。

当時の経済構造の下では、会計担当者がその職 責 を執行することは極めて困難であった。その難 しさは会計担当者の二重身分、すなわち国家の代 理人 としての職責 と、企業の従業員 としての職権 の衝突 に原因があ り、 さらに会計担当者の直面 し ていた問題が軽微違法事件、及び犯罪 と判断 しか

(5)

ねる規則違反事件であることが重大 な要因であっ た。

上記のような制度的な欠陥に対 し、会計担当者が、

国家利益の観点か らその職場の経済活動 を監視す る職責の執行 をするには、法律上の保証が必要で あることが明白である。

このように政治的 ・経済的 ・制度的な要求 を背景 として、「会計法」が公表 された。

第3節 「会計法」制定の意味

「会計法」の規定は極 めて基本的なル ール を定 めたもので、直接的に会計実務 を追求す るもので はない。また、内容の大半は会計担当者の職責や 職権の規定である。このような 「会計法」は、そ の他の具体的な会計規則の設置に法的根拠 を提供 する基本 として位置付けられているが、行政法令 によって会計 を規制 してきただけに、会計活動 を 法制化する最初の試み として 「会計法」の制定は、

さらに重要 な意味 を持つ と考 えられる。

その背景によって明 らかなように 「会計法」制 定当時の中国では、文革の影響や制度的欠陥など が原因で会計秩序 が混乱 していた。これは大規模 な経済改革が展開 されていたため、会計の役割が 高 く期待 されていた時期だけに重要 な問題であっ た。この間題の解決方法 として、まず会計の代理 人である会計担当者がその職責 を果た し、彼 らが 職責 を果たす ことに対する妨害 を排除 しようとい

う努力が欠かせない。

市場経済 の場合、会計担 当者 が受託者の利益 のために行動 しようとい うことに対す る保証 は、

個々の企業の私事 として受託者が 「代理人の選定 について、その専門的能力や徳性 などを調査 し、

またその行動様式 についてできるだけ明確に指定 す る、 といった方法で」行われて きた。「一国一 企業」の中国では、内部管理制度 としての企業会 計 も社会制度の一環であるか ら、会計組織につい て も法制化の対象 になる。

このように 「会計法」は、会計担当者 が国家利 益の立場か ら会計実務 を行 うことを保障するもの である。「会計法」の制定の意義 は、行政統制体

制における会計代理人の法制化に求めることがで きる。

第4節 「会計法」の内容

「会計法」は、「会計制度 を強化 し、会計担当者 の法による職権行使 を保障 し、会計の国家財政制 度及び財務制度 を維持す ること、社会主義公有財 産を保護すること及び経済管理 を強化 し、経済効 果上昇における役割 を発揮する」 (第1条) ことを 立法趣 旨とす るものである。その内容は次のとお

りである。

第1章 総則

(1)適用範囲 :すべての国有企業及び事業単位 ・ 国家機関 ・社会団体 ・軍隊が、その会計業務 を行 う際は、この法律に従わなければならな い (第

2

条)。

(2)執行 :会計機構及び会計担当者は、この法律 の規定に基づ き会計事務 を行 い、会計処理 を 進め、会計監督 を実施す る (第3条)0 (3)会計管理体制 :国務院財政部は全国の会計事

務 を管理 し、地方財政部門は地方の会計事務 を管理す る (第5条)。全国統一の会計規則 は、

国務院財政部において法律に従 い設定す る。

(2)会計期間 :会計年度は、西暦の1月1日か ら12 月31日までとする (第8条)0

(3)記帳通貨単位 :人民幣の元 を記帳単位 とす る (第9条)0

(4)会計資料に対する要求 :会計証葱 ・会計帳簿 ・ 財務諸表及びその他の会計資料は、真実 ・正 確 ・完全、かつ会計規則の規定に適合 したも のでなければならない (第

1 0

粂)。

(5)会計プロセス :会計機構 は原始証葱 を審査 し、

審査過程の会計伝票 を作成 しなければならな い (第11条)。

(6)財産照合制度 :各企業 は財産照合制度 を整備 し、帳簿記帳 と現物 ・現金 とを一致 させなけ ればならない (第

1

3条)0

(7)財務諸表の提出 :各企業は、帳簿記録に準拠 して財務諸表作成 し、提出す るもの とす る。)0 (8)会計文書 :会計証潰 ・会計帳簿 ・財務諸表及

(6)

5 6

神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第

8

2 0 0 4

3

びその他の会計資料は国家の関係規定に基準 し、保存書類 として保管 しなければならない (第15条)0

第3章 会計監督

各企業の会計機構及び会計担当者 は当該企業の 会計 を監督するもの とす る (第

1 6

条)。 第4章 会計機構及び会計担当者

各企業 は、会計業務の必要性 に応 じて会計機構 を設置 し、その他の機構 に会計担当者 を配置 し、

会計責任者 を指定す る。会計担当者の任免は、

幹部管理権限の規定に準拠する。

第5章 法律責任

違法行為 をしたものに対 し行政処分 を行い、刑 事責任 を追及することがで きる

第2章

中国における会計制度 と開示規定

第 1節 中国における会計制度制定の背景 中国企業会計制度の設定機関である中国財政部 は、国務院の許可 を受け

、1 9 9 2

1

1月

3 0

日に 「企 業会計準則」を公布 した。 この 「企業会計準則」は、

1 9 9 3

7

1

日より全国で施行 されるに至 っている。

この 「企業会計準則」が制定 されることとなった 背景 とは、一言でいえば、経済体制改革 と対外開 放政策の急速な進展に伴って、従来の中国の会計 制度ではマクロ的にもミクロ的にも充分な情報要 求に応 えきれなくなって きた、とい うことである。

その理由の第1は、これ までの会計制度 は、基 本的には所有制別、部門別、業種別に制定 されて お り、異なる所有制や部門、業種の間に統一的に 共通 して遵守 されるべ き会計処理規範がなく、各 種企業によって提供 され る会計資料 も統一制 と比 較可能性 に欠けていたことである。各種企業 につ いて政府 は適切 な情報 を把握す ることがで きず、

これまでの会計制度では適応で きなくなった。す なわち、企業会計制度においても、経済体制改革 と対外開放政策に適合 した体制 を早急に構築す る ことが要請 されたわけである。

第2の理 由は、中国の これ までの会計制度 は、

旧ソ連の計画経済体制に適用 した会計制度 をモデ

ル としていたため、社会主義市場経済下の中国に おいては、 これ を適応で きなかったことである。

そ して、対外経済交流の拡大 として香港やニュー ヨークの証券市場への上場や外資導入 を促進す る ため、国際的な会計慣行に沿 った企業会計準則 が 必要 となったのである。

3

の理 由は

、1 9 8 8

年 に公布 された 「全人民所 有制工業企業法」によって、企業の所有 と経営の 分離が確認 され

、1 9 9 2

7

月の 「全人民所有制工 業企業経営メかこズム転換条例」の公布 によって、

企業の所有 と経営の分離が加速 され たことで あ る。これまでの企業会計制度 は、所有制別、部門 別、業種別 に制定 され、企業の自主的経理 を制限 した画一的なものにとどまり、業種 によって会計 制度が異 なるため、利益分配 などによって企業間 で不公平 が出て きたことや、企業の所有権の関係 が会計制度上明確に反映 されないことなどの問題 があった。 したがって、新 しい経営メカニズムに 適合する会計制度の整備が必要 とされたわけであ る。そ して、「企業会計準則」 を中心 として、新 たな業種別企業会計制度、株式制企業会計制度、

外国投資企業会計制度等の整備が行われてきたわ けである。

(

「企業会計準則」設定の経緯 )

1 9 8 9

1 0

月 財政部会計事務管理司による 「会計

準則研究 グル ープ」の設置 と第1回会 議開催。

1 9 8 9

1

月 中国会計学会 「会計基本理論 と会計 準則研究グループ」による会計準則特 別理論研究討論会の開催 (上海)0

1 9 8 9

3

月 「会計準則研究 グル ープ」 は上海、

漸江、広東、江西等赴 き、会計学の教 授や会計実務の担当者 と討論 し、意見 を求める。

1 9 8 9

1

1月 「会計準則研究 グル ープ」 が 「中華 人民共和国会計準則 (草案)大綱」 を 起草 し、内部討論 に回す。

1 9 9 0

4

月 「会計準則研究 グル ープ」 が 「中華 人民共和国会計準則 (草案)大網」 を 提出。

(7)

図表

2‑1

中国における会計制度の法的枠組み

1 9 9 0

9

月 会計事務管理司の

5

名 が会計準則状 況視察のため英国を訪問。

1 9 9 0

1

1月 財政部は 「中華人民共和国会計準則 (草案)大網」 (討論稿) を提出。

1 9 9 1

1

1月 財政部は 「企業会計準則第

1

号一基 本準則 (草案

)

」 を公表 し、関係各部 門ni布 し意見 を求める。

1 9 9 2

2

月 深別市において財政部主催の会計準 則国際研究討論会が開催 され る。

1 9 9 2

6

月 王丙乾財政部長が 「人民 日報」にお いて、大胆に国際経験 を参考に し、会 計準則 を制定 し実施す ることを主張す

る。

1 9 9 2

年7月 財政部の代表がアメ リかに赴 き、世 界銀行に会計準則の技術援助 を求める。

1 9 9 2

1 0

月 財政部が 「会計改革 を深化 させ、会 計活動 を強化 し、経済 をさらに速 く、

良好発に展 させ ることに関す る意見」

を公表 し、会計準則の制定をはっきり と提案す る。

1 9 9 2

1

1月 国務院の許可 を経 て財政部令第

5

号 として 「企業会計準則」が制定 される。

1 9 9 3

年7月 「企業会計準則」 を7月1日より施行。

第 2節 中国における会計制度の枠組み

中国における会計制度の法的枠組みは、「中華 人民共和国会計法」 を基本 として、会計について の基本規則 として 「企業会計準則」が位置 してい る。 さらに、図表

3‑1

に示すように具体的に各種 企業 に適用 され る規則 が位置 している。

各会計法等の公布、施行時期 は次 の とお りで あった。

中華人民共和国会計法

1 9 8 5

1

2 1

日中華人

企業会計準則

業種別企業会計制度

民共和国主席令第

2 1

号 公布

、1 9 8 5

5

1

日施 行

、1 9 9 3

1 2

月修正

1 9 9 2

1 1

1 6

日財政部 公布

、1 9 9 3

7

1

日施 行

1 9 9 2

‑1 9 9 3

年にかけ て、財政部が各業種の 会計制度 を公布 株式制試行企業会計制度

1 9 9 2

5

2 3

日財政部

及び国家経済体制改革 委 員会 公布

、1 9 9 3

1

月1日施行

外国投資企業会計制度

1 9 9 2

6

2 4

日財政部 公布

、1 9 9 2

7

1

日施

中国においては、国家機構 として、全国人民代 表大会常務委員会 とい う国家権力機関が トップに あ り、最高行政府機 関 と して国務院が位置す る。

財政部 は国務院の部門の一つ で ある。会計制度 に関する法律の整備や設定に関 しては、財政部が 司っている。全国人民代表大会常務委員会 は、「中 華人民共和国会計法」 を制定 したが、会計制度に 関する法律の設定 としては、基本的枠組みを定め る役割に過 ぎない。国務院の財政部以外の部門で、

例 えば国家経済対策改革委員会 なども管理事項に 関する会計規制の設定に関与 して きている。

このように、中国における会計制度の設定機関 は多元的であり、財政部 を中心 としなが ら各 レベ ルの政府が統一的指導 に基づ き、階層別 に管理 を 行 うとい う特徴がみ られる。やは りこれは、社会

(8)

58 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第8 2004年3月 主義市場経済への移行段階 における法律の不整備

や、企業会計制度 が国家の財政政策の影響 を受 け て きた とい う背景 があるためであると思 われ る。

中国における会計制度 はマクロ管理の もとで政府 の政策の一環であ り、規制機関 も多元化 している。

3

章 中国 にお け る会 計 制度 の形成 と 発展

第1節 計画経済体制 における会計制度 (1)企業会計制度形成の初期段階

1911年孫文 によ り行 われた 「辛亥革命」以降、

中国のブル ジ ョアジーは封建社会の枠 を越 えて経 済的 ・政治的 ・組織的地位 を獲得 し、都市部にお ける資本主義 の発展 を もた らした。 しか し、「辛 亥革命」以降 も中国は半封建 ・半植民地の性格が 変わ らず、民族資本主義の発展 が遅れ、生産力は 極度 に停滞 し生活水準 は低位 にあった。資本主義 の発展 は、図表3‑1に示 され るように官僚資本主 義及び外国資本が中国の経済 に独 占的 ・支配的地 位 を占めていた状態であった。

このような経済形態の中で、中国における近代 的企業会計 の発展 も極 めて遅れた状態 にあった。

もともと中国では、すでに宋朝 (960年〜1279年) の官庁会計 において 「四柱決算法」 とい う体系 化 した中式簿記が、また清朝初期 (1630年代)前 後、山西地方の民間金銭業、及び商業 に 「龍門帳

が、清朝乾隆 ・嘉慶年 間 (736年〜1820年)一部 の金銭業及び商業では 「四脚帳」 とい う中国独特 の複式簿記がそれぞれ現 われた。また、1905年に 留 日学者察錫勇の 「連環帳譜」が出版 され、同 じ く1907年留 日学者 の謝寮 ・孟森 による 「銀行簿記 学」 が出版 され、海外の貸借複式簿記 を中国に伝 えて きた。 さらに中華民国の時代 に、中国の会計 は、会計士制度 ・政府会計制度 ・会計教育 と会計 出版業及び民間会計の革新 などの側面 において大 きな発展 が見 られた。 しか し、資本主義 が未発達 のため、1949年以前は近代的企業会計 が形成 され るまでには発展 で きなか った。貸借複式簿記 さえ も、外国資本に属 していた工場 ・商社 ・銀行 など の企業及び不平等条約の下で外国人に統制 されて いた税関 ・鉄道 ・郵便事業 などの部門、ならびに 少数の民族資本企業 に適用 されていただけで、多 くの中小企業 には中式簿記、または改良中式簿記 が採用 されていた。

政府 は戦後のインフレーシ ョンを抑制 し社会 ・ 経済秩序 を安定 させ よ うと、まず財政 ・経済の統 一化 を試みた01950年3月3日に、政務院 (国務院 の前身)は 「国家財政経済活動の統一 に関す る規 定」 を発布 し①全国財政収支の統一②全国物資調 達の統一③全国現金管理 の統一 を通 して国営経済 範囲内に中央集権の管理体制 を推 し進めて きた。

( 2

)統一企業会計制度への発展

1949年‑1952年の新民主主義政策が実行 された 図表3‑1主要工業生産高における官僚資本及び外国資本の割合

単位 :%

年度 合計 民族資本 官僚 .外国資本

発電量 1947 100 25.0 75.0 石 炭 1942 100 12.3 87.7 石 油 1943 100

0

100.0

銑 鉄 1943 100 2.7 97.3

1943 100 0.2 99.8 動 力機 1946 100 38.0 62.0 綿 糸 1947 100 56.0 44.0 綿 布 1947 100 27.0 73.0

出所 二統計工業通訊資料室 「我国社会主義=菜化的概況

新華半 月刊、1957年第2、p.56O

(9)

年間に、中国は政治の安定 と経済の回復に全力 を 尽 くし、多 くの各種成果 を達成 したDそ して、政 治の安定 と経済の回復 を背景 として

、1 9 5 2

年に政 府 は

「 1 9 5 3

年か ら第

1

次五 力年計画 を実施する」と 発表 し、新民主主義経済体制に代わって計画経済 体制の導入 を推進 した

。1 9 5 2

1

月に財経蚕は「国 民経済計画編成方法」 を発布 し、計画経済の導入 段階に入 った。

1 9 5 7

年に、国務院は 「工業管理体制の改善に関 す る規定」、「商業管理体制の改善 に関す る規定

ならびに 「財政管理体制の改善に関する規定」 を 公布 し

、1 9 5 8

年か ら一部の工業管理、商業管理及 び財政管理の権限 を地方行政に移行 し、企業 に利 潤留保制度 を導入することに した。経済管理体制 の改革 と共に、会計制度の改革 も問われた。中国 の企業会計制度、特に

1 9 5 5

年以来の標準勘定計画 は旧ソ連の ものそのまま導入 し、結果 としては中 国の風土 ・文化 と不調和の ところが大いにあった。

これに対応 し財政部は

1 9 5 7

1

1月か ら会計規則 を 公布 し、標準勘定計画の改正 をはじめとしたそれ らの会計規則 は

、1 9 5 8

1

1

日から実施 されたが、

社会の流れは旧ソ連式会計制度の改革 を、極端な 簡略化 を目的 とす る会計改革 に賠めて しまった。

(3

)統一会計制度の第二次改革

1 9 6 2

年体系の整備 によ り、第

1

次会計制度改革 で混乱 した会計秩序 は徐 々に回復 した。 中国経 済は

、1 9 6 5

年には

1 9 5 7

年の レベルを回復 し

、1 9 6 6

年 か ら更 なる発展 を求 めて第3次5ヵ年計画 がス

ター トした。このような経済環境の影響 を受けて、

会計制度改革 は再度、課題 として取 り上げられた。

すなわち、財務部は

1 9 6 4

1 0

月に中央各経済部の 財務会計司 ・局長会議 を開 き、企業会計制度改革 の計画 ・段取 り ・目標 について検討 し

、1 9 6 5

年に

「企業会計改革綱要 (試行草案

)

」 を公表 し、会計 制度改革 に着手 した。

この 「綱要」は改革内容 を含めて

1 2

項 目の改革 方針 を提出 している。その中で、会計規則 ・会計 処理 ・財務諸表について、5つの改革 を求めている。

すなわち、(丑会計規則の改革、(診原価計算方法の 改革、③資金計算方法の改革、④記帳方法の改革

および⑤証葱 ・帳簿 ・勘定科 目 ・財務諸表の改革、

の5改革である。

第2節 計画的市場経済体制 における会計制度 中国は

1 9 7 9

年以来、「経済改革」や 「対外開放」

政策 を実施 し、計画経済体制か ら計画的市場経済 体制へ移行 した。 この時期の企業会計制度の変遷 には、2つの大 きな流れがある。1つには、会計制 度の国際化 とい う改革である。それは

、1 9 8 3

年に 海外か らの直接投資の増加に対処 して 「合弁企業 会計規則」 の設定 を第1段階

、1 9 9 2

年 「外資系企 業会計規則」及び 「会社会計規則」の設定 を第2 段階 として進み

、1 9 9 3

年 「企業会計基準」の実施 段階で国内一般企業 の会計改革 と合流 した。2つ には、経済改革 に対処 して、国内一般企業の会計 制度 を拡充 ・修正 しようとす る改革である。それ は 「会計法」の制定や業種別会計規則の改訂 を経 て、「企業会計基準」の段階に至 った。

1 「世紀の実験」 と会計改革

1 9 7 8

1 2

1 8

日か ら

2 2

日まで に開かれ た第

1 1

3

中全会 では、経済体制 を改革す るとい う方針 が決定 された。 しか し、その時点では、どのよう な経済体制 に改革するかについて、明確な計画が あったわけではな く、「石 を探 りなが ら河 を渡 る

ように改革が始 まったのである。その過程で、中 国は、「計画調節 と市場調節」、「補充的な市場経 済」、「計画的商品経済」、「社会主義初級段階」、「計 画経済 と市場経済の結合」 などの改革構想 に基づ いて数々の試み を行 って きた。

2 1 9 8 5‑8 9

年における企業会計制度の展開 農村改革の成功 を踏 まえて

、1 9 8 4

1 0

月の第

1 2

期3中全会か ら経済改革の重点は都市に移 って き ている。第

1 2

3

中全会 で採択 された 「中共 中央 の経済体制改革 に関す る決定」 (以下 「決定」 と い う)は、社会主義 と商品経済 とは相容れない と い う伝統的な理論 を否定 し、計画的商品経済論 を 提起 した。

企業改革 に伴い、財政部は、新 しい改革措置が 導入 され るたびに個別的な財務 ・会計規定 を設定 し、企業改革 によって生 じた会計問題について規

(10)

6 0

神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第

8

2 0 0 4

3

刺 して きた。社会的な 「所有 と経営の分離」の流 れ を背景に、財政部は

、1 9 8 8

年か ら企業会計基準 の設定 に着手 し

、1 9 9 1

7

2 9

日に 「会計改革綱 質 (試行

)

」 を公表 した。

「会計改革綱要 (試行

)

」は、会計改革の指導方 針、総 目標、基本原則及び会計管理体制、会計制度、

企業会計、コンピュータ会計、公認会計士、会計 担当者、理論研究、会計改革の指導組織 などにつ いて言及 している。 とくに会計‑制度の改革につ いては、①統一的な会計基準 を設定すること、② 基本的、統一的な財務諸表の体系 を確立すること を目標 としてあげている。この 目標の提出は、会 計改革の主軸は、従来の管理責任会計 を修正す る ことか ら、現代の外部報告会計 を確立す ることへ 移行 していることを意味 している

。1 9 9 2

年に入 っ てか ら、財政部は、企業改革の新 しい動向に適合 して

I AS

の内容 を多 く反映 した 「会社会計規則」、

「外資系企業会計規則」及び 「企業会計基準」 を 公表 し、 さらに 「企業会計基準」に準拠 して業種 別会計規則 を全面的に改革 し

、1 9 9 3

7

月か ら中 国大陸全土 に 「資産‑負債+資本」等式 を簿記の 前提 とす る会計 システムを導入 した。

第3節 社会主義市場経済体制における会計制度

1 9 9 2

年 に入 ってか ら中国の経済改革 は、「社会 主義市場経済」へ と進展 して きている。また、企 業改革の 目標 として、現代企業制度の構想が提起 されている。 これ らの環境の変化を背景に、財政 部は

、 1 9 9 2

1

1月

3 0

日に、「企業財務通則」及び 「企 業会計基準」 を公表 し、その後、業種別会計規則 を全面的に改訂 し

、1 9 9 3

7

1

日から 「企業会計 基準」 を中心 とする新 しい会計規制体系 を実施す ることに した。 このように社会主義市場経済の構 想が提起 されてか ら、企業会計制度は、企業会計 の面 では、「資産‑負債+資本」 とい う会計等式 を前提 とし、会計規制の面では基準方式 を採用す る現代企業会計制度へ変質 した。会計改革の方向 は、現代企業会計制度の確立へ急転 した。

社会主義市場経済体制及び現代企業制度の実質 は、全社会 レベルで 「所有 と経営の分離」 を実施

し、国家が最大の株主 として国民経済における最 大の持分 を所有す ることによって公有制 を維持 し、

また、大株主の立場か らマクロ調整 を行い、 ミク ロレベルでは資本主義の企業経営方式 を実施す る ことである。 このような社会主義市場経済体制及 び現代企業制度の導入に対 し、従来の 「一国一企 業」の企業制度に基づ く伝統的な企業会計制度 は、

次の諸問題があり、全面的に改革 されなければな らなくなった。

G)資本維持の問題

②資金分類基準の問題

③資金専用原則の問題

④原価計算の問題 G)損益計算の問題 (参会計規制の問題

以上の6つの問題 は、伝統的な企業会計の主 な 問題 を含んでいる。このように、社会主義市場経 済 と現代企業制度の導入 といった経済基礎への対 応 として、国家財政か ら分離 した企業会計の確立 や会計規制方式の改革が不可欠 とな り、ここに「企 業会計基準」が公表 され、業種別会計規則は全面 的に改訂 され ることとなった

。1 9 9 3

年企業会計制 度の全面改革 は、企業会計制度 を、「一国一企業」

における管理責任会計か ら企業 を会計主体 とす る 受託責任会計へ移行 させ、変質 をもたらした。 し か し、当時の社会状況の下 にあって、会計制度の 全面改革 は、現代企業会計制度の枠組みだけを作 ることにな らざるをえなかった。結局、企業会計 制度は、国際的に認 め られている会計慣行 を多 く 取 り入れ る一方、利潤分配会計のように、従来の 国営企業の会計慣行 を継承 されたところが多かっ た。

第二部 中国の会計制度 に及ぼす国際会 計基準の影響

第4章 国際会計基準委員会の設立 と国際会計基 準

第1節 国際会計基準委員会の設立 と組織 会計基準の国際的調和化または国際化 を図ろう

(11)

とす る試みや研究 は、最近に始 まった ものではな い。その始 ま りは

、1 9 0 4

年 に開催 され た第

1

回会 計 士国際会議 (ICA)に求 め ることがで きるが、

もっと具体的にいえば

、1 9 5 7

年のアムステル ダム で開催 された第7回ICAにおいて、その議長であっ たオ ランダ会計士協会 の当時の会長Ⅰ・クレイエ ンホフ (Ⅰ.Kraayenhof)氏が、「会計の国際的挑戦」

とい うテーマで、国際的統一化の意義、その可能 性 、その条件、各国の会計基準研究の現状などに つ いて報告 を行 ったことである。

この会議 は、戦後、ほぼ5年 ごとに開催 されたが、

国際的な会計基準確立の必要性 が国際的な場で公 式 にとりあげ られたのは

、1 9 6 2

年ニュー ヨークで 開催 された第8回ICAにおいてである。そ こでは、

「世界経済 と会計」 が統一論題 とされ、この論題 は、

1 9 6 7

年の第

9

回ICAパ リ会議 では、「会計原則の国 際的調和化」 とい う統一論題 として展 開 されたO また

、1 9 6 6

年 には、 イングラン ド・ウェールズ 勅許会計士協会 (ICAEW)の会長 ベ ンソン (H.

Benson)卿 は、 カナ ダ勅許 会計士協 会 (CICA) の年次大会 において、CICAの会長及び アメ リカ 公認会計士協会 の (AICPA)会長 と会合 を行 い、

3ヵ国による国際会計 に関する合同研究機関の設 置の必要性 についての検討会議 を行 った。これ を 受 けて、同年暮、ICAEW、CICA及びAICPAによっ て、関係各国おける会計上の諸問題の比較研究 を 行 い、よって会計基準の世界的統一化 を目的 とす

る会計士国際研究 グル ープ (AISG)が設立 された.

しか し、AISGは、すべて英語圏 か ら構成 され ているとい う組織上の制約か ら、またその活動が 実務上の遵守 を目的 とするものでな く、調査研究 に とどまるものであったところか ら、統一化には 当初 か ら限界 が あった。 そ こで、AISGは

、1 9 7 2

年の第

1 0

回ICAシ ドニー会議 において、各国の会 計基準の現状 につ いての調査研究 に とどまらず、

広 く統一的な会計基準の設定 とその遵守 を求め、

オース トラリア、 フランス、西 ドイツ、オ ランダ、

メキシコ及び 日本の会計士団体に新 しい組織の設 立 を求めた。

これに応 えて設立 されたのが国際会計基準委員

会 (IASC)である。すなわち、IASC

は1 9 7 3

6

月、

オ ース トラ リア、 カナダ、 フランス、西 ドイツ、

日本、メキシコ、オ ランダ、イギ リス及びアイル ラン ドな らびにアメ リカか ら成 る先進

9

ヵ国の

1 6

会計士団体の合意結果 、設立 されたプライベー ト セクターである

。1 9 8 3

年以降 は、国際会計士連盟 (lFAC)の会 員 で あ る各 国の職業 会計士 団体 が IASCの加盟 国 (会 員) に な ってい る

。1 9 9 8

年11 月まで、IASC及びIFACは

1 0 3

ヵ国

、 1 4 3

のメンバ ー を有 している。

第2節 コア ・スタンダー ドの承認 をめぐる各国 の動向

(1) コア ・スタンダー ドの設定

IASCは、急 ピッチでIASの改訂 と新 しいIASの 設定作業 を行 って きたが、 その なかで もと りわ け注 目され るのは、 コア ・ス タンダー ドの設定で ある。lASCによれば、 コア ・ス タンダー ドとは、

クロスボーダーで資金調達 を行 う企業のための包 括的な会計基準であると説明 されている。

1 9 9 5

7

、I O S C

Oは コ ア ・ス タ ンダ ー ドを IASCが完成 したな らば、第1作業部会 (WPl)そ の受入 を検 討 し

、I O S C

Oの専 門委員会 に ク ロス ボーダーで資金調達 を行い、 またグローバル市場 で上場す るための会計基準 と してI

AS

を承認 す る 旨の勧告 を行 うと した。 しか も

、I O S C

Oは

4 0

の 会計基準か ら成 るコア ・ス タンダー ドの リス トを 公表 し、これが完成 したな らば、一括承認す る旨

を明 らかに した。

当初、 コア ・ス タンダー ドは

1 9 9 9

6

月に完成 され る予定 であったが、IASC

は1 9 9 6

3

月に これ を前倒 しし

、1 9 9 8

3

月 まで に完成 させ る と し、

急 ピ ッチで作業 を進 めて きた。IASCは金融商 品 の会計基準 の プ ロジェク トにつ まず いたが、 こ れ を

1 9 9 8

3

月まで に完成 させ るために、一度 は FASB基準 を採用 した うえで、 コア ・ス タンダー ドを公表 す ると報 じた。 しか し、 この シナ リオ はIASC理 事会 に よ り拒否 され、独 自に金融商 品 に関す る会計基準 を設定 し

、1 9 9 8

年 中にはコア ・ ス タンダー ドを完成 す るよ う再 決定 され た. そ

(12)

6 2

神奈川大学大学院経営学研究科 F研究年報j

8

2 0 0 4

3

の結果

、1 9 9 8

6

月に金融商品の認識 と測定 に関 す る公開草案

E6 2

が、 また

1 9 9 8

1 2

月にはこれが

I AS 3 9

として公表 された。

(2)コア ・スタンダー ドの承認 をめ ぐる各国の動 向

I AS 3 9

が公表 され た こ とに よ って、 コア ・ス タンダー ドはほぼ完成 され た とい える。 ちなみ に、 これ まで公表 され た コア ・ス タンダー ドに 基づ いて

I AS

の財務報告 として まとめた ものであ る。 もっとも、 コア ・スタンダー ドが実際にいつ

I OS CO

に承認 され るの かにつ いて は予断 を許 さ ない ところで あ るが、注 目すべ きは

、EU

諸国 を は じめ各国でその受入れについて立場表明が行わ れ るよ うになって きた ことで ある。例 えば

、EU

ではコ ミッシ ョナーが

I AS

と一致 していない会社 法指令 につ いては、その改訂 を検討す る旨を表明 し、 ドイツ及び フランスでは海外 で資金調達する 会社 の国内向け と海外 向 けの連緒財務諸表 は

I AS

に準拠 して作成す るよう商法改正 を行い、イタリ ア、ベル ギーその他 の

EU

諸 国 も ドイツ及び フラ ンスに歩調 を合わせ る予定であるといわれている。

また、イギ リスでは、会計基準審議会

( AS B)

UK‑ GA

APと

I AS

を一致 させ よ うとす る方針 を公表 しているが

、UKGAA

Pの方が

I AS

よ りも優れてい るとい う結論 を得 た場合 には、外 国での

L A S

の テ ス ト状況 をみてか ら再検討す ると し、スイスでは、

多国籍企業の国内向けの財務報告 も

I AS

を用 い る ことを承認 している。 さらに、オース トラリアは 国内基準 を

I AS

に調和化す る方針 を採択 し、カナ ダ、マ レーシア、南 アフ リカなどもオース トラリ アに追随す る模様 である。

また、アラブ首長国連邦 、ケニアなどのアフ リ カの多 くの諸国及びカザフス タン、 ウクライナ等 の旧 ソビエ ト連邦諸国 などでは

、I AS

をその まま 国内基準 とす ることを決定 したとい う。

さらに、各 国 の証券 取 引所 で の

I AS

受入 れ状 況 につ いてい えば、 ロン ドン、 フランクフル ト、

チュー リッヒ、ル クセンブル ク、 タイ、ホンコン、

アムステルダム、 ローマ、マ レーシアなどの証券 取引所では、上場す る外国会社 については無調整

I AS

に準拠す る財務諸表 を受け入れ るとい う。

問題 は、アメ リカと日本である。アメ リカの場 合 には

、I OS CO

による

I AS

の承認 は

S EC

による

I AS

の承認 にはかな らないとみ られてい るので、事態 は さほ ど単純 ではない. また、

I AS

US ‑ GJ

W が 反映 されていることもあって、アメ リカでは 日本 ほ ど

I AS

に ヒー ト・ア ップ していない し、極 めて 冷静であ り、慎重 である。

第3節 国際会計基準の概念 フ レーム適用範囲 と 設定趣 旨

(1)対象範囲

「財務諸表 の作成 と表示 に関す るフレームワー ク」 は、連結財務諸表 を含む一般 目的の財務諸表 (以下 「財務諸表」 とい う) を取 り扱 う。そのよ うな財務諸表 は、少 な くとも牛1回作成表示 され、

広範 な財務諸表利 用者が必要 とす る共通の情報 を 提供する。特殊 目的の財務報告書、例 えば 目論見 書や税務 目的のために作成 され る計算書類 は、原 則 として、本 フレームワークの範囲外である.

財務諸表 は、財務報告 のプロセスの一部 を構成 す る。財務諸表 には、通常、貸借対照表、損益計 算書、財政状態変動表 (例 えばキャッシュ・フロー 計算書、ファン ド・フロー計算書 などの方法で提 示 され ることがある)及び注記、な らびに財務諸 表の必要不可欠な部分 を成す他の計算書や説明資 料 が含まれ る。 さらに財務諸表 には、補足明細表 が含 まれ ることがある。 しか し年次報告書 に含 ま れ る社長 ・会長 による報告書、マネジメン トによ る解説 と分析 などは含 まれない。

本 フレームワークは、公的セクターあるいは私 的セクターに関係 な く、すべての事業体の財務諸 表 に適用 され る。

(2)フレームワーク設定の趣 旨

この フレームワークは、外部の利用者のための 財務諸表の作成 と表示 の基本的枠組み を述べたも のである0本 フレームワーク設定の趣 旨は以下の

とお りである。

I AS C

理事会 が、将来 の国際会計基準 の作成 と 現行の国際会計基準の見直 しを行 う際に役立つ。

(13)

②財務諸表の表示に関する規則、会計基準及び手 続の調和 を促進する際に役立つ。

③各国の会計基準設定主体が国内基準 を作成する 際に役立つ。

①企業等が国際会計基準 を適用する際に役立つ。

⑤財務諸表が国際会計基準に準拠 しているか否か について、監査人が意見を形成する際に役立つ。

⑥財務諸表の利用者が、国際会計基準に準拠 して 作成 された財務諸表に含 まれる情報 を解釈する 際に役立つ。

⑦国際会計基準の形成のプロセスに関 しての情報 を提供できる。

なお、このフレームワークは狭義の国際会計基 準 を構成するものではないことに留意す ること。

I AS

理事会 は、一部、本 フレームワークと国際 会計基準 とが一致 しない場合があることを認識 し ている。その場合には、国際会計基準の規定が本 フレームワークの規定に優先す る.

5

章 中国の会計制度の新展開 と国際 会計基準の影響

第1節 財務会計制度の新展開

1 9 9 3

年の 「企業会計基準」 を中心 とす る会計規 制体系の導入 は、中国に 「資産‑負債+資本」 と い う会計等式を前提 とする企業会計の確立の基盤 を築いた。 しか し、この確立 を目的とす る企業会 計制度の改革 は、環境変化を先取 りす る形で行わ れた改革であり、税引前利潤 を財源 として借入金 を返済するなど、従来の国営企業の会計処理の慣 行 を多 く継承 された。このような問題の解決 を含 めて

、1 9 9 3

年以後 も財政部は、租税制度、金融制 度、企業制度、価格制度などの社会制度の改革に あわせて、社会主義市場経済体制に適合する企業 会計制度の整備 を進めて きている。 このなかで、

1 9 9 4

年の租税制度の改革に伴 う税効果会計の導入 は、企業会計制度 は

I AS

を受 け入れ、会計制度現 代化に大 きく貢献 している。

1 9 9 4

年に、①税法上の統一、②租税負担の公平 性の確保、(9税制の簡素化、(参税収分権の合理化、

⑤利益配分関係の明確化、⑥分配構造の規範化な どを目指 して租税制度の改革が行われた。

1 9 9 4

年の租税制度改革は、法人税 などの主要税 目が

1 9 9 4

1

1

日か ら実施 され るとい うことか ら、

9 4

年税制改革 と名付 けられた。 この

9 4

年税制改革 は、社会主義市場経済における市場による資源の 適切配分 を意図 とした全面改革 であり、次の3つ のシステム改革が含 まれている。

①財政管理制度の改革 (診所得税 と流通税の改革

③国家 と国有企業の利益配分制度の改革 中国では

1 9 8 0

、1 9 8 5

、1 9 8 9

年の

3

回にわたっ て財政制度の改革 と地方政府への権限委譲が行わ れてきた。 また、国税 も地方税 も地方税務局が徴 収 していた。 このため、地方政府 にかな り大 きな 減免税権 を持 たせていた

。9 4

年税制改革 により、

「分税制」 が導入 され、各税 目が中央税 と地方税 と中央地方共通税 に区別 されることにな り、既存 の地方税務局のなかに中央税務局が設置 され、中 央税 は中央税務局、地方税 と中央地方共通税 は地 方税務局で徴収 され ることになった。

第2節 「会計法」の改正 と会計制度の新展開

1 9 9 3

年の企業財務 ・会計制度の改革 は、企業 に 経理 自由を前提 とす る会計 システムを導入 して き たが、自由経理の適切性 を判断 し監督する制度は まだ未整備の状態であった。社会主義市場経済の 構築に向か う各社会制度の改革が本格化にす るに つれて、監査制度、会計士制度の整備が企図 され ている。 さらに

1 9 9 3

年の改革によって

1 9 8 5

年に設 定 した 「会計法」の改正が問題 となり、同法の改 正が行われた。

第3節 外資系企業会計制度に及ぼす国際会計基 準の影響

外資系企業 とは、中国国内に本部 を設立す る合 弁企業、合作企業及び外資企業のことである。外 資企業 は、外国投資者 が

1 0 0

パ ーセ ン ト出資す る ことを特徴 とす るが、合弁企業 と合作企業 は、中 国の企業 と外国投資者 が共同で出資する企業であ

(14)

6 4

神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』 第

8

2 0 0 4

3

月 図表

5 ‑1

合弁企業 と合作企業の比較

合弁 合作

①法的根拠 合弁企業法 合作企業法

②資本回収 合弁期間満了前に資本の回収は 合作期間終了 までに資本の回収 と

できない○ 利子の支払を受ける○

③清算 合弁期間満了時の清算は簿価 ま資比率により配分するoたは時価で計算する純資産 を出 合作期間満了時、で中国側パ ー トナーにすべての資産を譲渡する○は無償 あるいは契約 に定めた条件外資側パー トナー

出所 :焚勇明 W咽 の工業化 と外国資本j文英堂、1992年、p.43O

り、両者の間に次頁の図表

5 ‑1

のように示 されて いるような相違点がみ られ る。

合作企業及び外資企業 は、実務的に 「合弁企業 法」 に準 じていたが合弁企業 に対す る擾遇 を適用 されなかった。 このように合弁企業 を優先す る政 策 をとったのは、改革開放 当初、外国の資本 と先 進技術 によって中国の経済 を振興 させ ようとい う 強い願望 があった ものの、外国の直接投資が一種 の搾取であるとい う認識 も浸透 していたか らであ る。 この ような状況のなかで、合弁企業 は、中国 側 が代表取締役の指定 と投資比率で統制で きるこ とか ら、最優先発展の対象 とされたO例 えば、「合 弁企業法」では、合弁企業の取締役会 には代表取 締役1人 を設 けることと し、中国側 が担 当す ると い う定めがある。 また、明文化 されていないが、

実務上では

、1 9 8 2

年末 に設立 していた

4 8

社の合弁 企業 の うち

、2 4

社 は中国側の出資比率が

5 0 %

を超 え、出資比率不明の

1

社 を除 き、中国側 の出資比 率 が

5 0%

を下回 った企業 は

、2

社 しかなかった。

合弁企業 の発展 に鑑み、財政部 は

、1 9 8 3

3

1

日に 「合弁企業会計規則 (試行草案

)

」、同年

4

2 8

日に 「合弁工業企業勘定科 目及び財務諸表 (読 行草案

)

」 を発布 し

、1 9 8 3

年 か ら試行す ることに

した。試行草案の実務経験 に基づいて、財政部は、

1 9 8 5

3

4

日と

4

2 4

日に、「合弁企業会計規則」

及び 「合弁工業企業勘定科 目及び財務諸表」、「合 弁旅行業企業勘定科 目及び財務諸表」 を公表 し、

合弁企業会計 を制度化 した。その うちの 「合弁企 業会計規制」 は、「国内に設立す るすべての合弁

企業 に適用 され る」ものであ り、「西側の会計処理 ・ 会計実務の原則及び方法 を多 く吸収 した」内容 と

なってい るO また、外国投資者の理解 を助 けるた め、「合弁企業会計規則」 では、会計原則 、会計 公準及び会計基準 が規定 されている。 これ らの規 定の多 くは、国際的に認 め られてい る会計原則 や 会計慣行 と類似 している。

このよ うな状況のなかで

、1 9 8 6

4

1 2

日に第

6

期人大第4回会議で採択 された 「外資企業法」 が、

同年

1 0

1

1日に 「国務院二十二 ヵ条」 とい う国務 院の 「外国投資の推奨に関す る規定」 が

、1 9 8 8

4

1 3

日に第

7

期人大第

1

回会議 で採択 され た 「合 作企業法」 が実施 され、合弁企業のほかに、合作 企業及び外資企業 にまで法規制 を広 げ、整備 され た。その なかで と くに 「国務院二十二 ヵ条」 は、

外資導入の方向について、①外資導入の重点 を輸 出型、技術先進型産業及びエネルギー開発、交通 と素材生産などのインフラ施設 と基礎産業 に置 く、

②外資導入方式 は単 なる税金減免優遇の供与か ら、

行政、経済、社会 など多面 にわたる投資環境の全 面改善 に移行す るとい う政策 を決定 した。「国務 院二十二 ヵ条」実施後、投資環境 はかな り改善 さ れた。それに反応 して

、1 9 8 6

年下半期か ら、技術 先進型 を中心 に直接投資は再び上昇の傾向 をみせ た。 また

、1 9 8 9

年 か ら外資系企業のなかで、外資 企業の割合 も急速 に上昇 して きた。 このため、合 作企業及び外資企業の会計制度 を整備す る必要 が 生 じた。

一方、「合弁企業会計規則」 の法 的根拠 になる

(15)

「合弁企業法」及びその実施条例 な らび に 「合弁 法人税法」及びその施行細則については

、1 9 8 6

1

1 5

日に 「合弁企業法実施条例」第

1 0 0

、1 9 8 7

1 2

2 1

日に 「合弁企業法実施条例」第

8 6

条の

3

が国務院によって修正 され

、1 9 9 0

4

4

日に第

7

期人大第

3

回会議 において 「合弁企業法」 も修正

された。また

、1 9 9 1

4

9

日に第

7

期人大第

4

回会 設で採択 された 「外資系企業及び外国企業所得税 法」 が、同年

6

3 0

日に国務院によって 「外資系 企業及び外国企業所得税法実施細則」が公表 され、

それによって 「合弁法人税法」及び 「合弁法人税 法施行細則」が廃止 されることになった。 さらに

1 9 9 1

7

2 9

日に財政部は、「会計改革綱要」 を公 表 し、①統一的な会計基準 を設定する、②基本的 かつ統一的な財務諸表の体系 を確立す るとい う目 標の もとで、企業会計制度 を全面的に改革するこ

とを決定 した。

「合弁企業会計規則」 は、企業会計制度の国際 化に先導的かつ重要 な役割 を果た したが、当時の 国内経済環境の影響 と国際化に対す る経験不足の ため、その内容は簡単で、構成 も体系的でなかっ た。 とくに外資系企業 にとって肝心 な外貨換算に ついて問題が多かった。その後財政部は、次々に 補充規定 を設定 して きたが、当今の環境の変化に 伴い、それ らを全面的に改正する必要 に迫 られた。

そのため、財政部は

、1 9 9 2

6

2 4

日に合弁企業、

合作企業及び外資企業の

3

者 を適用対象 とする「外 資系企業会計規則」及び 「外資系工業企業勘定科 目及び財務諸表」、「外資系旅行業企業勘定科 目及 び財務諸表」を公表 し、合弁企業 を対象に した 「合 弁企業会計規則」などを廃止 した。

「外資系企業会計規制」 が公表 された後、財政 部は

1 9 9 2

年11月

3 0

日に 「企業会計基準」及び 「企 業財務通則」 を公表 し、その後 「企業会計基準

に沿 って従来の業種別会計規則 を改訂 し、「企業 財務通則」 に基づいて業種別財務規則 を設定 し、

それ らを

1 9 9 3

7

1

日か らすべての企業 に適用す ることに した。 しか し、実際には、財政部は

1 9 9 3

年6月

2 3

日に 「外資系企業の新会計規制の執行に おける若干の問題 に関する規定」 を公表 し、外資

系企業 は 「企業会計基準」 を準拠すべ きであるが、

具体的な会計処理 について、次の例外 を除 き従来 どお り 「外資系企業会計規則」 に準拠す るとした。

①業種別会計規則 に準 じて口座開設銀行にも財務 諸表 を送付す る。

②小額多量品及び包装物の処理 を業種別会計規則 に準 じる。

③社外投資か ら生 じた収益 または損失は、業種別 会計規則 に準 じて 「投資収益」勘定 を設置 して 個別に計算する。

④棚卸資産の棚卸損益及び廃棄損 は、業種別会計 規則 に準 じてその純損益 を管理費用に計上する。

⑤業種別会計規則 に したがって 「投資者持分」項 目を 「所有者持分」 に名称変更す る。

5

章 持分 制 企 業 会 計 制 度 に及 ぼ す国 際会計基準 の影響

第 1節 持分制企業会計の発展 (1)伝統型持分会計の導入

持分化の初期 において、持分制は、一種 の資金 調達の方法 と認識 され るにす ぎず、消費財の生産 に深 く関わっている農村 の郷鎮企業や都市の第3 次産業 を発展 させ るために進め られて きた。これ

らの集団企業や郷鎮企業 における 「持分」の導入 は、会社制度の導入 とい うより、む しろ協同組合 の形成 とい う意味で行われ、必ず しも株式の発行 や会社への組織変更 に伴 うとは限 らない。

株式 を発行 していた企業のなかで も、株式会社 への組織変更 を伴わない企業が多かった。その発 行 された株式のほ とんどは、「参加か脱退かが自 由で、利率が定期貯金利率 より高 く、満期 日に利 息 を付 けて元金 を返済する」 とい う保証があった。

これに対 し株主には議決権、利益配当請求権及び 残余財産配分請求権がなく、利益の配当について は配当金の場合 もあるが、定め られた配当率によ る株式利息の場合 もあった。これ らの持分制企業 は、元来の資産はそのままで、出資金のみ を持分 とす る財務構造 をとるのが普通である。すなわち、

持分制の導入は会社の設立につながっていなかっ

参照

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