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中国における国際会計基準の調和化

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Academic year: 2021

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神奈川大学大学院経営学研究科『研究年報』第21号 2017年3月  13

研究目的:

 本論では、中国における外国投資企業に対する 会計制度の誕生とその変遷について整理検討する とともに、現在施行されている中国会計基準と国 際会計基準を比較検討することで現行の中国会計 制度の特徴を明らかにし、国際会計基準と調和す るような会計モデル構築の必要性を訴えた。

論文構成:

 第1章では、市場開放以前の中国における会計 制度を取り巻く環境要因を整理した。計画経済体 制、計画的市場経済体制から社会主義市場経済体 制へ転換する過程を分析するとともに、国家の経 済管理に基づく会計制度が、経済の体制転換に 伴って、どのように変更されたかについて分析し た。

 具体的には、1978年以降の「経済改革」や「対 外開放」政策による市場開放以降の会計制度に ついて検討した。1992年には中国投資を検討す る外国企業に対し「外資企業会計法」が制定さ れ、外国投資に対する一定の制定保障があった。

1997年「企業会計基準―関連当事者の関係およ びその取引に関する開示」が実施され、国際会計

基準の本格導入が始まった。

 第2章では、旧企業会計制度と2007年から導 入された新企業会計準則の二つが並行して適用さ れている現行の中国企業会計制度について分析し た。旧企業会計制度日系企業を含むほとんどの外 国投資企業と一部の中国内資企業に適用されてい る。これに対し、新会計準則は上場企業、金融機 関など大中企業に限定して適用されており、公正 価値の採用、固定資産・無形資産の減損の戻入れ 可否等の点で旧企業会計制度との間に違いがあ る。

 新会計準則は企業会計制度と並存しており、

2007年から国内すべての上場企業に強制適用さ れ、2008年から新たに大型国有企業、金融機関、

深圳(シンセン)市に所在する大中型企業に強制 適用された。このような新会計準則の適用範囲が 拡大する中で、現在のようなさまざまな会計規定 体系が並存する局面を打破し、一日も早く新基準 体系による一元化への統合を実現させることが望 まれる。

 第3章では、国際会計基準委員会の設立と組織 を紹介し、国際会計基準の確立過程とその特質を 明らかにした。新会計基準と旧会計基準の差異の

■ 修士論文要旨

中国における国際会計基準の調和化

―IFRSに適合させた新企業会計制度―

The harmonization of the business accounting system in China with IFRS

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

原     方

YUAN, Fang

(2)

14  神奈川大学大学院経営学研究科『研究年報』第21号 2017年3月

分析を通じて、中国会計制度の継承と進化の特徴 を明らかにするとともに、中国の国情に合わせた 新会計基準と国際会計基準との違いを分析した。

 第4章では、国際会計基準への適合状況を分析 することで、中国新会計基準を国際会計基準に調 和させることの重要性を指摘した。特に、①現在 実施している会計基準の補充、②専門会計士の育 成、③監査制度の充実、④良い会計環境整備上の 課題明示、以上4つの課題を明らかにした。

 以上から、国際会計基準に適合する新会計準則 に移行する段階で、専門性、透明性の高い制度を 作り、新基準と国際財務報告基準の同等性を確保 するために、コンバージェンスを進めるべきだと 結論付けた。

参照

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