九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
ハイキサツマイモノシリョウカチョウセイギジュツ ノコウチク
深澤, 秀夫
九州大学大学院生物資源環境科学府
https://doi.org/10.15017/21696
出版情報:Kyushu University, 2011, 博士(農学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
廃棄サツマイモの飼料化調製技術の構築
Development of a Novel Processing Technique for Using Sweet PO回toesfor Feed
深 津 秀 夫
2012
Summary
About 2‑3% of sweet po旬toesare wasted annua11y. In仕usstudy, 1 report a few drying techniques to convert waste sweet potatoes into useful feed.官 官
process involves a few s挺ps
,
with a sun drying旬chniqueas the cen仕als均 加 血.eprocedure, followed by a heated air flow dryin
, g
and an oil heated decompression drying steps to retain the desirable characteristics of sweet potatoes.官 官seprocessing techniques were implemented in an eco・feedfield健 闘ng.
官¥esun drying technique costs less, has few processing s恒psand yields high叩la1itysweet potat促l sfor feed. It captu陀sall四quirementsof the natura1 sun drying process in a plastic green house. An effective way for血is method is to shred the sweet potatoes.官 官 carryingcapacity of the shredded sweet potaωes is 30% of the plastic container and the containers can be stacked up on multiple racks
,
utilizing less space. They can be dried for 7 or 8 days in norma1 or winter weather conditions and血.eirmoisture content is reduced from 70% to 8% w.b.百usstep is followed by a heated air flow technique to retain betanized starch during processing仕omraw potato to dried matter. Research on drying characteristics
,
such as temperature and moisture ratio,
has led to血e determination血ata constant drying rate period is necessary for fine cut roots of sweet potatoes during heated air flow drying.官 官 bestair moistu肥 ratio for retaining the good qua1ity of the elements without deterioration is determined as 0.015 m3/s・kg(water)討 anair blow temperatu四 of600C.Reducing the air blow temperature gradua11y仕oman initia1 temperature of 80 oC to 55 oC is an e.任ectivemethod to retain betanized starch.
官 官 出irdstep is to su
同
ectthe shredded sweet po旬toesto oil heating and decompression. This technique has high mean moisture reduction rate(94.8%w.b./hr) and yields good quality feed.
In summary, sweet potatoes can be proces挺 dfrom a raw form to dried matter by a low‑cost sun drying method, followed by a gradual heated air drying and an oil heating technique.官 官 民 techniqueshave been proposed to small pig farmers with a workable plan.
Key Words feed, heated‑air dryin
, g
oil heating and decompression dryin, g
pl節目cgreen house
,
sun dryin, g
sweet po恒to目 次
緒 百三::
一
. . . . Eコ第 I章 従来の技術, 先行研究と技術目標・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 1.圏内におけるサツマイモの乾燥方法・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2.アフリカにおけるキャッサパの乾燥方法・・・・・・・・・・・・ 6 第 E章 サツマイモの天日乾燥技術の開発・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
1 . 材 料 形 状 選 択 の た め の 基 礎 実 験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 1 )実験方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 ( 1 ) 供 試 材 料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 ( 2 ) 実 験 装 置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 ( 3 ) 設 定 条 件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 2 )結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 ( 1 )細切いもの形状, 積 載 量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 ( 2 )乾燥過程, 乾 燥 後 見 か け 密 度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 3 )考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 2.実 用 化 実 験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 1 )実験方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 ( 1 ) 供 試 材 料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 ( 2 ) 実 験 装 置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 ( 3 ) 設 定 条 件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 ( 4 ) 成分分析, 噌 好 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 2 )結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
1
( 1 ) 積 載 容 量 の 違 い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 ( 2 ) 撹 枠 操 作 の 有 無 に よ る 違 い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
( 3 )飼料成分, 噌 好 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 3 )考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 第 皿 章 サツマイモの通風加熱乾燥法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 1.静 置 式 乾 燥 に よ る 基 礎 実 験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 1 )実験方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 ( 1 ) 供 試 材 料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 ( 2 ) 実 験 装 置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45 ( 3 ) 設 定 条 件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 ( 4 ) ア ン ト シ ア ニ ン の 定 量 測 定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 2 )結果および考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 ( 1 ) 送風量, 送 風 温 度 と 乾 燥 特 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 ( 2 ) 乾 燥 工 程 で の 品 温 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 ( 3 ) ア ン ト シ ア ニ ン 含 有 率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 ( 4 )アントシアニンを保持する送風温度操作・・・・・・・・ 55 2. 回 転 通 気 乾 燥 機 に よ る 実 験 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 1 )実験方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. . . .. 57 ( 1 ) 供 試 材 料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 ( 2 ) 実 験 装 置 .. . . .. 57 ( 3 ) 設 定 条 件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
( 3 ) 実 用 施 設 の 処 理 工 程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64
第N章 油温減圧乾燥法によるサツマイモ飼料の開発・・・・・・ 69 1 . 実 験 方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 69 1 ) 供 試 材 料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 69 2 ) 実 験 装 置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 3 ) 設 定 条 件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 4 ) 成分分析, 噌 好 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 2. 結 果 お よ び 考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73 1 ) 運 転 経 過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73 2 ) 乾 燥 経 過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73 3 ) 噌好性, 飼 料 成 分 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78
4 ) 油 温 減 圧 式 乾 燥 シ ス テ ム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80 第V章 総 合 考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 第VI章 総 括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 89 謝 辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92 文 献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 93
m
緒 言
わ が 国 の サ ツ マ イ モ の 栽 培 面 積 は 4万 500ha, 生 産 量 は 103万 t弱 で あ る (2009年). 消 費 者 の 食 生 活 の 変 化 に よ っ て 需 要 は 減 少 傾 向 に あ る が , 栽 培 面 積 , 生 産 量 と も 横 ば い 状 況 を 維 持 し て い る . そ の な か で , 九 州 南 部 の 鹿 児 島 県 , 宮 崎 県 の 両 県 合 わ せ た 生 産 量 は , 全 国 の 半 分 を 占 め て い る (2009年). そ の 主 な 用 途 は , 青 果 用 39% , 焼 酎 用 22% , で ん 粉 原 料 用 16% , 加 工 食 品 用 9%
(2007年 ) で , 焼 酎 用 , 加 工 用 が 横 ば い , 青 果 用 , で ん 粉 原 料 用 は 漸 減 の 現 状 に あ る . さ ら に 世 界 で は 中 国 が 最 大 の 生 産 国 で , 世 界 の 生 産 量 の 約 8割 を 産 出 し て お り , そ の 用 途 も 飼 料 用 に 半 分 が 供 せ ら れ て い る . サ ツ マ イ モ は 飼 料 と し て 極 め て 優 れ た 作 物 で , 国 内 で も 茎 葉 や 塊 根 の 生 食 給 与 や サ イ レ ー ジ の 形 で 自 給 飼 料 と し て 利 用 さ れ て き た . し か し , 飼 料 と し て 給 与 す る に は , 収 穫 か ら 貯 蔵 に 至 る ま で 多 く の 労 力 を 要 し , 購 入 飼 料 よ り も 割 高 に な る た
め , サ ツ マ イ モ の 飼 料 利 用 は , ほ と ん ど 行 わ れ な く な っ た . か つ て 有 畜 農 業 の 時 代 に は 多 く の 農 家 で , 豚 の 餌 と し て サ ツ マ イ モ の 茎 葉 , 塊 根 が 広 く 利 用 さ れ て い た ( 島 袋 1989). 豚 に と っ て サ ツ マ イ モ は 噌 好 性 の 高 い 餌 で , 甘 い サ ツ マ イ モ は 生 で も 煮 て も よ く 食 べ た ( 兵 頭 2009). 人 間 の 保 存 食 と し て の サ ツ マ イ モ 塊 根 の 利 用 を み る と , 蒸 し 切 干 し 甘 し ょ ( 干 し い も , 蒸 し 切 干 し )
輪 切 り か サ イ コ ロ 状 に 切 っ て , 10日 ほ ど 天 日 に 干 す と 出 来 上 が る . し か し , 農 家 の 家 内 生 産 物 で 品 質 が 劣 る た め 衰 退 傾 向 に あ る (野本 2005, 江 間 2008). 飼 料 と し て も 蒸 し 切 干 し と 生 切 干 し が あ り , 前 者 の 方 が デ ン プ ン の 消 化 性 が 高 い ( 祐 森 2004)が , 工 程 数 や 労 力 が か か る た め コ ス ト 面 で 不 利 で あ る . し た が っ て , 飼 料
と し て は 生 切 干 し の 形 態 が 多 か っ た .
今 日 , サ ツ マ イ モ 塊 根 を 家 畜 の 飼 料 と し て 利 用 す る 場 合 , 貯 蔵 性 , 流 通 性 , 取 扱 い 性 な ど の 是 非 を 考 え る と 乾 材 と し て 調 製 加 工 す る こ と が 現 実 的 で あ る . 慣 行 法 と し て は 前 述 例 の と お り 天 日 乾 燥 法 が あ る も の の , 加 熱 乾 燥 に よ る 機 械 的 調 製 法 は , 食 品 用 と し て は 存 在 す る が , 飼 料 用 と し て は 知 ら れ て い な い . 中 国 か ら 輸 入 さ れ て い る 飼 料 用 乾 燥 サ ツ マ イ モ の 製 法 も 明 ら か で は な い . 加 熱 乾 燥 で の 調 製 は , 天 日 乾 燥 に 比 べ て 短 時 間 で 乾 燥 調 製 で き る が , 燃 料 費 , 動 力 費 を 必 要 と す る . ま た , 機 械 施 設 に 対 す る 初 期 投 資
に 資 金 を 要 し , 規 模 の 大 き さ に よ っ て は 過 大 な コ ス ト 負 担 と な り , 生 産 費 に 見 合 わ な い と い う 危 倶 が あ る .
そ こ で 本 論 で は 天 日 干 し に 範 を 求 め て , 運 転 経 費 の ほ と ん ど か か ら な い 農 業 用 プ ラ ス チ ッ ク ハ ウ ス ( 以 下 , ハ ウ ス と 称 す ) を 利 用 し た サ ツ マ イ モ 塊 根 の 乾 燥 調 製 を 主 と し て 扱 い , 気 象 条 件 等 に よ り 天 日 乾 燥 の み で は 乾 燥 に 至 ら な い 状 況 を 考 慮 し て , 補 助 的 に 加 熱 乾 燥 を 併 用 す る こ と を 想 定 し て 実 験 を 組 み 立 て た . 但 し , 加 熱 乾 燥 法 は 食 品 用 と し て 実 験 し た . ま た , エ コ フ ィ ー ド の 製 造 手 法 の 一 つ で あ る 油 温 減 圧 法 の サ ツ マ イ モ へ の 適 用 の 可 否 に つ い て も検討した.
圃 2‑
農 林 水 産 統 計 (2000'" 2008年 ) に よ れ ば 収 穫 さ れ た サ ツ マ イ モの1.8'" 3.4 % は , 利 用 さ れ ず に 減 耗 , 廃 棄 さ れ て お り , 商 品 性 に 乏 し い 小 い も な ど は 畑 に 取 り 置 か れ る こ と も し ば し ば で , こ れ ら を 含 め る と 約 2'" 4万 tが 利 用 さ れ な い ま ま 廃 棄 さ れ て い る . こ れ ら 利 用 さ れ な い サ ツ マ イ モ 塊 根 を 家 畜 の 飼 料 と し て , 低 コ ス ト で 省 工 程 , 高 品 質 に 加 工 す る た め の 乾 燥 飼 料 化 技 術 の 可 能 性 に つ い て 報 告 す る .
第 I章 従 来 の 技 術 , 先 行 研 究 と 技 術 目 標
本 研 究 の 着 想 は , 九 州 沖 縄 農 業 研 究 セ ン タ ー 都 城 研 究 拠 点 に お い て サ ツ マ イ モ 品 種 育 成 過 程 で 産 出 , 廃 棄 さ れ る 10tトラック 3 台 分 に 相 当 す る 産 業 廃 棄 物 と し て の サ ツ マ イ モ を 有 効 利 用 す る こ
と に あ っ た . さ ら に , 筆 者 が 2001年 に ナ イ ジ エ リ ア 連 邦 共 和 国 国 際 熱 帯 農 業 研 究 所 (IITA) に 滞 在 し た 際 , キ ャ ッ サ パ の 乾 燥 技 術 開 発 に 関 わ り , 乾 燥 保 全 技 術 の 未 熟 か ら 生 じ る キ ャ ッ サ パ の 損 耗 を 防 ぐ た め , ス テ ィ ッ ク 状 に 切 断 し た キ ャ ッ サ パ を 雨 期 で は ロ ー タ リ ー ド ラ イ ヤ ー を 主 に 使 い , 乾 期 に は ハ ウ ス 温 室 を 使 っ た 乾 燥 方 法 を 提 案 し た こ と に あ る. この 二つ の事 例に 通底 する こと は,
コ ス ト を 低 く 抑 え て 品 質 の 高 い 乾 燥 物 を ど の よ う に 作 る か に あ っ た . そ こ で , 化 石 燃 料 等 の 使 用 は 必 要 最 低 限 と し て , 太 陽 光 に よ る 乾 燥 調 製 を 現 在 の 技 術 で 再 構 築 す る こ と を 目 標 と し た . ま た , 不 適 な 気 象 条 件 の 場 合 を 考 慮 し て 加 熱 乾 燥 法 を 補 助 的 に 使 う こ と
を 想 定 し , 現 実 的 対 応 を 検 討 し た . サ ツ マ イ モ の 加 熱 乾 燥 は 昭 和 20年 代 の 食 糧 不 足 の 時 期 を 除 い て ( 江 間 2008) 実 用 的 場 面 が 見 い だ せ な い こ と も あ っ て , 先 行 研 究 が ほ と ん ど な く , 自 ら 試 行 錯 誤を行った.
以 下 , 圏 内 で は ほ と ん ど 消 滅 し て し ま っ た サ ツ マ イ モ の 天 日 乾 燥 法 に つ い て の 先 行 研 究 を 取 り 上 げ る と と も に , 同 じ い も 類 で あ る キ ャ ッ サ パ の 乾 燥 方 法 が 本 研 究 に と っ て 有 益 で あ る と の 観 点 か
ら , 現 地 調 査 を 含 め て 概 観 し た .
‑4 ‑
1 . 圏 内 に お け る サ ツ マ イ モ の 乾 燥 方 法
生 切 干 し の 慣 行 製 法 は , 冨 田 ら ( 1981)によれば約 4~ 5 mm 程 度 の 厚 さ に 輪 切 り し , こ れ を 一 枚 ご と に 重 な ら な い よ う に 広 げ
る か , あ る い は ム シ ロ 上 に 広 げ , 多 段 式 に 行 う か の 方 法 が と ら れ る . し か し , 天 候 に 左 右 さ れ る こ と , 均 質 な も の が 得 ら れ 難 い こ と , か な り の 面 積 を 必 要 と す る こ と が ネ ッ ク と な っ て 処 理 量 が 限 ら れ る こ と が 指 摘 さ れ て い る .
い も の 洗 浄 , 切 断 , 天 日 干 し , 収 納 な ど の 一 連 の 作 業 は , 人 力 で 行 わ れ る . 野 本 (2005) に よ れ ば , サ ツ マ イ モ と い も 切 り 機 を 草 原 に 運 び , 現 地 で い も を 輪 切 り に し , 傾 斜 地 を 利 用 し た 干 し 棚 で 天 日 干 し し た と あ る よ う に , 木 と 竹 製 の 干 し 棚 が 唯 一 の 施 設 で あ っ た . い も の 切 断 に 動 力 切 断 機 を 利 用 す る 程 度 の 機 材 し か な か っ た . さ ら に , 屋 外 で 天 日 干 し に さ れ る の で , 突 然 の 降 雨 の と き の 取 り 込 み や 覆 い か け も 労 力 を 要 し た . そ こ で , 本 論 で は ハ ウ ス を 利 用 し た 天 日 乾 燥 で , 降 雨 の リ ス ク を 回 避 す る こ と を 考 え た . 富 田 ら (1981) は 品 質 の 劣 化 を あ る 程 度 無 視 し , 省 力 的 に 自 然 乾 燥 さ せ る 方 法 と し て , ハ ウ ス 内 で 材 料 の 機 械 的 撹 枠 を 行 っ た 天 日 乾 燥 に よ る 予 乾 材 料 を , 灯 油 式 火 力 乾 燥 機 で 仕 上 げ 乾 燥 す る 試 験 を 実 施 し た . こ の 試 験 で は , 天 日 乾 燥 に 比 べ 工 程 数 が 多 く , 機 械 的 撹 枠 に 要 す る 電 力 , 火 力 乾 燥 に 係 る 燃 料 が 付 加 さ れ て コ ス ト 高 と な る 欠 点 が あ っ た . ま た , 飼 料 と し て 需 要 量 に 足 る 量 を 確 保
乾 燥 2日の合計で 28時 間 で あ っ た . こ れ ら の 研 究 を 踏 ま え , 本 論 で は 乾 燥 に 要 す る 工 程 を 減 ら し , 品 質 を 犠 牲 に す る こ と な く 化 石 燃 料 を 使 わ ず に 天 日 の み で サ ツ マ イ モ を 乾 燥 す る こ と で , 飼 料 用 乾 燥 サ ツ マ イ モ 調 製 技 術 の 開 発 を 目 指 し た .
2. ア フ リ カ に お け る キ ャ ッ サ パ の 乾 燥 方 法
全 世 界 で サ ツ マ イ モ に 比 類 す る 生 産 量 を も っ キ ャ ッ サ パ は , 主 に ア ジ ア , ラ テ ン ア メ リ カ , ア フ リ カ で 栽 培 , 消 費 さ れ , と く に ア フ リ カ で は 根 茎 作 物 の な か で も 最 も 重 要 な 位 置 を 占 め て い る . キャッサパは,さまざまな形態で処理され,食用に供されるため,
そ の 処 理 工 程 は 多 様 で あ る . 煮 た も の は 生 食 用 と し て , ま た , 生 い も を 切 断 , 乾 燥 , 粉 砕 し て 粉 に し た り , す り つ ぶ し , 妙 る と ガ リ と 呼 ば れ る 粒 状 製 品 と な る . ま た , 飼 料 用 と し て 鶏 餌 等 に 供 用 されている (Ntawuruhunga2010) .
調 理 や 加 工 に お い て は 青 酸 毒 性 を 下 げ る 必 要 が あ る . こ の シ ア ン 化 物 は , 根 塊 組 織 の 細 胞 の 破 裂 に よ り 生 成 さ れ る も の で あ る . キ ャ ッ サ パ の 代 表 的 な 加 工 品 は , ガ リ と フ フ と 呼 ば れ る も の で あ る . ガ リ 生 産 で は , 収 穫 直 後 の 根 塊 を 皮 剥 き し , 洗 浄 , す り つ ぶ して, 3 "'" 5日 開 発 酵 さ せ た 後 , 備 で 細 か く し て か ら 釜 で 水 分 が 10
%
w.b.に な る ま で 妙 る . フ フ 生 産 で は , 根 塊 を 皮 む き し , 薄 片 に 切 断 , 水 漬 け し て 柔 ら か く な る ま で 3日 間 ほ ど 発 酵 さ せ , 簡 で 漉 し た 節 下 物 を 食 用 に 調 理 し た り , 保 存 用 に 乾 燥 さ せ る . 一 般 的 に 乾 燥 作 業 は , 材 料 の 初 期 水 分 60"'" 70%
w.b.を 10%
w.b.になるま で 天 日 乾 燥 す る か 釜 の 加 熱 処 理 に よ っ て 行 わ れ る . 主 な 一 次 加 工‑6 ‑
食 品 の 形 状 は , ベ ー ス ト , チ ッ プ ス , 粉 , 粒 で あ る .
発 酵 さ せ ず に 青 酸 毒 性 を 下 げ る た め 1日 間 の 水 漬 け 後 , あ る い は 水 漬 け せ ず に 乾 燥 さ せ て チ ッ プ ス , 粉 に す る キ ャ ッ サ パ 粉 も 広 く 使 わ れ て い る . そ の 作 業 工 程 を 図 1 , 図 2に 示 す . 図 1にある 手 動 式 の 細 切 機 は 構 造 が 簡 易 で , 先 進 地 で は 徐 々 に 普 及 さ れ つ つ あ る . 市 中 の 天 日 乾 燥 場 は , 4 m四 方 の コ ン ク リ ー ト 地 面 に シ ー ト を 敷 い た う え に 材 料 を 薄 層 に 並 べ た も の で , 降 雨 が あ っ て も す ぐ に 取 り 込 め る よ う に な っ て い た . そ の た め に , 小 学 校 に 隣 接 し て 立 地 し , 降 雨 の と き に 生 徒 の 労 力 を 取 り 込 み に 活 用 す る . ま た , 腰 高 さ 胸 高 さ の 乾 燥 棚 を 設 け , そ の 上 で 天 日 乾 燥 す る こ と で 労 力 負 担 を 軽 減 す る 工 夫 も さ れ て い る (Mussagy et. 2009). キヤツ サ パ を 細 切 せ ず , 小 塊 根 の ま ま 乾 燥 さ せ た 一 次 加 工 素 材 も 市 場 で 流 通 し て い る . し か し , キ ャ ッ サ パ 塊 根 は 乾 燥 し に く く , 乾 燥 小 塊 の 表 面 が 乾 燥 し て い て も 中 心 部 は 乾 燥 不 十 分 で あ る こ と も 多 い . し た が っ て , 一 旦 , 細 切 し て 加 工 調 製 す る こ と が 高 品 質 化 の 条 件 と さ れ て お り , 天 日 乾 燥 機 材 の 整 備 と と も に 細 切 作 業 の 機 械 化 が 進 め ら れ て い る .
図1 キャッサパの皮剥きと細切作業
‑8 ‑
図2 キャッサバの天日乾燥
第 E章 サ ツ マ イ モ の 天 日 乾 燥 技 術 の 開 発
1 . 材 料 形 状 選 択 の た め の 基 礎 実 験
基 礎 実 験 で は 乾 燥 さ せ る の に 最 適 な 細 切 形 状 を 選 択 す る た め に , 異 な る 細 切 処 理 を し た 材 料 3種 類 を 用 い て 行 っ た .
1 ) 実 験 方 法 ( 1 ) 供 試 材 料
サ ツ マ イ モ は 九 州 南 部 の 主 力 品 種 で あ る コ ガ ネ セ ン ガ ン で , 九 州 沖 縄 農 業 研 究 セ ン タ ー 都 城 研 究 拠 点 で 収 穫 し た 1個 300 g前 後 の い も を 供 試 し た . 根 菜 洗 浄 機 ( イ ワ セ 鉄 工 , DUWSL75・6) で 水 洗 洗 浄 後 , 合 成 調 理 機 ( 日 本 調 理 機 , 00・41 ) の 角 千 切 り プ レ ー ト , 輪 切 り プ レ ー ト で , 千 切 り , 輪 切 り と し , サ イ ノ 目 切 機 ( 日
本調理機, CBM‑40) でダイス(サイコロ状)に細切した(表1).
慣 行 の 細 切 方 法 は , 処 理 が 簡 易 な 輪 切 り で あ る こ と が 多 い . ( 2 ) 実 験 装 置
使 用 し た ハ ウ ス は , 棟 が 東 西 方 向 , サ ツ マ イ モ 苗 育 苗 用 で 換 気 扇 付 き , 大 き さ は 奥 行 19m,間口 7.4m, 天 高 3mで , 実 験 開 始 時 ご と に 一 般 農 ピ 透 明 フ ィ ル ム を 張 っ た . ハ ウ ス 底 面 に は ブ ル ー シ ー ト を 敷 き , 土 聞 か ら の 影 響 を 軽 減 し た .
材料を載せるパレット(ヤンマー,ナプラトレイ)の内寸は, 595 mm X 300 mm X 26 mmで 内 容 積 4.6Lである.
温 湿 度 の 測 定 は 温 湿 度 ロ ガ ー ( 日 置 電 機 , 3641) を 用 い , 外 気 は 地 上 高 1.5mで 30分 間 隔 で 記 録 し た . ハ ウ ス 内 の 温 湿 度 は , 試 料 の 配 置 高 さ に 準 じ た 地 上 高 30cmで 30分 間 隔 で 記 録 し た . 実 験
‑10 ‑
表 1 切断形状の比較
形 状 タテ ヨコ 厚さ(長さ)重さ (mm) (mm) (mm) (g) ダイス 14.2 14.2 15.0 3.0
輪切り申 66.4 75.3 3.3 15.4 千切り 3.6 2.6 65.0 0.7
*輪切りのタテとヨコは,短径と長径を示す
地 は , 九 州 沖 縄 農 業 研 究 セ ン タ ー 都 城 研 究 拠 点 ( 都 城 市 , 北 緯 31 度 45分 6秒 東 経 131度 0分 47秒 ) で 行 っ た .
含 水 率 は , 湿 量 基 準 の 質 量 百 分 率 で あ る 湿 量 基 準 含 水 率 ( % w.b.) で 表 し た . 学 術 的 に は 乾 量 基 準 含 水 率 ( %d.b.) で 表 す べ
き だ が , 日 本 飼 料 成 分 表 な ど 農 業 分 野 で は 湿 量 基 準 含 水 率 が 慣 用 的 に 使 用 さ れ て い る 状 況 を 踏 ま え , 湿 量 基 準 含 水 率 と し た . 含 水 率の測定は, 105 oC ‑ 24 h炉 乾 法 ( 農 業 機 械 学 会 1987,村田 1993) で行った.見かけ密度は, 5 Lの プ ラ ス チ ッ ク ビ ー カ ー に 材 料 を 満 た し , 正 味 重 量 か ら 求 め た .
( 3 ) 設 定 条 件
パ レ ッ ト に 材 料 が 重 層 と な ら な い よ う に 内 容 積 の ほ ぼ 1 /3の 量 の 材 料 を 載 せ , コ ン テ ナ 箱 を 土 台 に し た 地 上 高 30 cmの 金 属 網 の 上 に 置 き , ハ ウ ス 内 で 天 日 の み に よ っ て 乾 燥 さ せ た . 積 載 量 は , ダイス 260g,輪切り 210g,千切り 180gとした.
2 ) 結 果
( 1 ) 細 切 い も の 形 状 , 積 載 量
表 1,図 3に 示 す よ う に ダ イ ス , 輪 切 り , 千 切 り と も 大 き さ , 形 , 重 さ に 大 き な 差 異 が あ る . 輪 切 り は 慣 行 で 4"" 5 mm厚 と す
るところを, 3.3 mm厚 と し た . 慣 行 で の 野 ざ ら し の 通 風 環 境 下 で は 5 mm厚 で も 乾 燥 で き る が , ハ ウ ス 内 で は 難 し い た め 5 mm厚 よ り 薄 く , か っ 単 体 容 量 を 確 保 す る た め に 3.3mm厚 と 設 定 し た . 重 量 比 で み る と , 輪 切 り は 千 切 り の 22倍 , ダ イ ス は 4倍 と な っ て い る . 乾 燥 前 の 見 か け 密 度 は , ダ イ ス 553g/L,輪切り 395g/L,
‑12 ‑
ダイス 輪切り 千切り
図3 サツマイモ切断形状
千切り 301 gILで,千切りが最もかさがあった.ダイスは,サイ ノ 目 切 り 機 ( ダ イ サ ー ) で サ イ コ ロ 状 に 細 切 し た が , と こ ろ て ん の 天 突 き の よ う に 格 子 状 の 受 け 刃 に 押 し 付 け る 切 り 方 な の で , 粒 状 の 切 り く ず ほ か の 切 断 損 失 が 重 量 比 で 33%発生した.ほかの輪切り,
千 切 り で は , 切 断 損 失 は ほ と ん ど な か っ た . さ ら に , 輪 切 り , 千 切 り で は , 切 断 機 で 連 続 的 に 細 切 作 業 が 可 能 で , ダ イ ス で 発 生 し た 詰 まりもなかった.
( 2 ) 乾 燥 過 程 , 乾 燥 後 見 か け 密 度
サ ツ マ イ モ の 収 穫 が 終 了 し た 12月 中 旬 に 実 験 を 実 施 し た が , 天 候 は 曇 り , 晴 れ を 基 調 と す る 時 期 に あ た り , ハ ウ ス 内 の 温 度 は 夜 間 は
oCC
近 く ま で 下 が り , 日 中 は 30C C
近 く ま で 上 昇 し た ( 図 4) . そ の 聞 の 相 対 湿 度 は 夜 間 に お い て 高 く , 日 中 は 20% 以 下 に な る こ と も あ っ た . し た が っ て , 乾 燥 材 料 は 日 中 の 低 湿 度 条 件 の も と で 乾 燥 し , 夜 間 に 吸 湿 す る こ と を 繰 り 返 し な が ら 徐 々 に 乾 燥 し て い く . 図 5に 示 す よ う に , 細 切 い も の 含 水 率 変 化 を み る と , 乾 燥 初 期 に 雨 天 日 が あ っ た た め 減 り 方 が 鈍 い が , そ の 後 は 順 調 に 減 少 を つ づ け , ど の 切 断 形 状 で も 5日後の 12月 19日には 10%w.b.以 下 に な っ た . 初 期 含 水 率 は 67% w.b.で , 目 標 の 含 水 率 8 % w.b.ま で は 千 切 り で は 3日 , 輪 切 り で は 4日 , ダ イ ス で は 8日を 要 し た . 乾 燥 の し や す さ は , 千 切 り > 輪 切 り > ダ イ ス の 順 で あ っ た.比表面積は,ダイス 4.2cm2jg,輪切り 5.6cm2jg,千切り 11.8cm2jg
で , こ の 値 の 大 き い 形 状 ほ ど 乾 燥 し や す か っ た . 乾 燥 後 の 製 品 は , い ず れ も 褐 変 や カ ピ の 発 生 も な く 良 好 で あ っ た .
乾 燥 後 の 形 状 は , ダ イ ス は 全 体 的 に 収 縮 し た 状 態 で , 輪 切 り は
ー14‑
包 g g
。'C,%R.H.
g g g
温度,湿度 邑 包 包 さ
o
l ‑ o
‑一 同¥ 宇品
‑M
¥‑
叩
‑M
¥
品目印
‑ 一 同
¥4 mw
明暗亙(油田)
4M
¥
司自由
‑M
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一﹃
図
..t..
︑ノ叫
w M 1 4 3
菌 '離 淘 ' ‑u '
ダイス
一‑0‑‑一輪切り 一 ‑‑‑0‑ー・千切り
80 70 60 50 40 30 20 . a .
主ま 時五 町佃
10
。
12/14 12/15 12/16 12/17 12/18 12/19 12/20 12/21 12/22 (月日)
切断形状別の含水率経時変化
‑16 ‑ 時間
図5
湾 曲 し , 千 切 り も 多 少 の 曲 が り が み ら れ ら た . し た が っ て , 湾 曲 の 程 度 の 大 き い 輪 切 り は , 図 6に み る と お り 乾 燥 後 の 見 か け 密 度 が ほ か の 2種 よ り 低 下 の 割 合 が 大 き か っ た . ま た , 千 切 り は 乾 燥 前 で も 曲 が り が あ る た め , 大 き な 変 化 と は い え な い . 乾 燥 後 の 見 か け 密 度 ( か さ ) の 比 較 を 図 7に示した.
3 ) 考 察
比 表 面 積 の 大 き い 形 状 ほ ど 乾 燥 し や す い こ と が わ か っ た が , 天 日 乾 燥 で は 粉 粒 形 状 で は 適 用 で き な い . ま た , こ の 実 験 で は 材 料 を 1層""3層 に 並 べ た 薄 層 状 態 で あ っ た が , あ る 程 度 の 厚 層 状 態 と し た 場 合 は , 材 料 単 体 の 周 囲 に 空 隙 が な い と 乾 燥 せ ず , 表 層 の み が 乾 燥 す る こ と に な る た め , 静 置 し た 状 態 で は 乾 燥 が 進 ま ず , 撹 枠 等 の 処 理 を 行 う 必 要 が 生 じ る .
見かけ密度は, 3種 の う ち で 千 切 り が 最 も 小 さ く , か さ が あ る た め 容 量 が 大 き く な る が , 厚 層 状 態 と し た と き に 他 の 2種 に 比 べ 材 料 単 体 の 周 囲 に 均 一 に 空 隙 が あ る の で , 乾 燥 に 対 し て 正 に 働 く
と 考 え ら れ る . 一 方 , 見 か け 密 度 の 大 き い 方 が , 貯 蔵 , 搬 送 の 点 で 有 利 で あ り , ダ イ ス が 該 当 す る . し か し , 14 m m角 の 大 き さ の ダ イ ス は 本 実 験 の 薄 層 状 態 で は 目 標 含 水 率 8
%
w.b.に 乾 燥 し た が , 乾 燥 す る ま で に 8日 か か り , 千 切 り , 輪 切 り に 比 べ て 2倍 以 上 の 時 間 を 要 し た . ま た , 実 用 化 実 験 で の 厚 層 状 態 を 想 定 し た 場由 ︒
︒
口博 漏副 司
g/L
印00
品
︒ ︒
見かけ密度
MOO
‑00
Cコ
市川
︑﹁
U戸罫
g c
図
0'¥
回 日
73
鵡 問
問
ドー品
。
。
圃持 痛 硲
市
g
c
図 7 トレーでの天日乾燥と乾燥後の見かけ密度比較
切 断 損 失 と 乾 燥 の し や す さ , 細 切 時 の 作 業 性 を 考 慮 す る と , ダ イ ス , 輪 切 り , 千 切 り の う ち 千 切 り の 形 状 で 乾 燥 さ せ る の が 適 当 で あ る こ と が わ か っ た . こ の 結 果 を も と に , 実 用 に 供 し 得 る よ う パ レ ッ ト 等 の 積 載 法 や 多 く の 処 理 量 に 対 処 す る 方 法 が 課 題 と し て 明 ら か に な っ た .
2. 実 用 化 実 験 1 ) 実 験 方 法 ( 1 ) 供 試 材 料
基 礎 実 験 と 同 じ 1個 300 g前 後 コ ガ ネ セ ン ガ ン を 供 試 し , 合 成 調理機〈日本調理機, GO‑41)の角千切りプレートで厚さ 2.6mm, 幅 3.6mm,長さ 50"""75 m mの 千 切 り と し た .
( 2 ) 実 験 装 置
供 試 し た ハ ウ ス と 設 置 場 所 は , 基 礎 実 験 の も の と 同 様 で あ る . 材料を載せるコンテナ箱(三甲,サンテナー百 ・260)の内寸は, 579 m m X 367 m m X 115 m mで 内 容 積 25.7L, 底 面 は 5m m角 の マ ス 目 が あ り 側 面 に も マ ス 目 が あ る . コ ン テ ナ 箱 に 材 料 を 積 載 す る 量 を , 内 容 積 の 50%, 30 %, 15 %の 3段 階 を 設 け , そ れ ぞ れ 3900g, 2340 g, 1170 gと し , 大 盛 , 中 盛 , 小 盛 と 称 す る . こ の コ ン テ ナ 箱 を 5 段 に 収 容 す る 棚 は , 棚 板 が ス リ ッ ト 状 に な っ て い る メ タ ル ラ ッ ク
(アイリスオーヤマ, MR.,・1818) で , 幅 1800 m m, 奥 行 460 m m, 高さ 1785 m mで あ る . 棚 は , 最 下 段 が 地 上 高 200 m mで 最 上 段 が 1750 m mと し , 等 間 隔 で 5段 の 棚 を 設 け コ ン テ ナ 箱 を 置 い た が , 便 宜 上 , 下 段 , 中 段 , 上 段 の 3箇 所 を 測 定 箇 所 と し た ( 図 8).
‑20‑
積 載 容 量 左 か ら 50%、30%、15%
図8 コンテナ積載状況
温 湿 度 の 測 定 は 温 湿 度 ロ ガ ー ( 日 置 電 機 , 3641)を用い,外気は 地上高1.5mで 30分 間 隔 で 記 録 し た . ハ ウ ス 内 温 湿 度 の 測 定 高 さ は , 下 段 170mm, 中 段 935mm, 上 段 1700mmで 30分 間 隔 で 記 録
した.
( 3 ) 設 定 条 件
材 料 を 充 填 し た コ ン テ ナ 箱 を メ タ ル ラ ッ ク の 5段 の 棚 上 に 配 置 したものを 1棚 と し , ハ ウ ス 内 に 5棚 設 置 し た . コ ン テ ナ 箱 内 の 材 料 は , 日 中 に 毎 日 1回 , 全 量 を ま ん べ ん な く 擾 枠 し た . ま た , 撹 枠 し な い 試 験 区 も 設 け た .
( 4 ) 成 分 分 析 , 晴 好 性
飼 料 成 分 は 粗 蛋 白 質 , 粗 脂 肪 , 組 繊 維 , 粗 灰 分 を 宮 崎 県 JA食 品 開 発 研 究 所 に 依 頼 し て 分 析 し た .
豚 に 給 餌 し た 場 合 の 噌 好 性 は , 2010年春の口蹄疫の発生以降,
部 外 者 は 豚 舎 域 に 入 場 で き な い た め , 萩 原 養 豚 生 産 組 合 ( 都 城 市 ) に 給 餌 を 依 頼 し た の ち , 聞 き 取 り 調 査 を し た . 供 試 豚 は , ラ ン ド レ ー ス 種 と 大 ヨ ー ク シ ャ 一 種 の 雑 種 2歳 の 母 豚 で あ る . 給 餌 法 は , 通 常 の 配 合 飼 料 を 給 餌 し た 後 , サ ツ マ イ モ ス テ ィ ッ ク 状 乾 燥 物 を そ の ま ま と 水 で ふ や か し た 状 態 の も の を 与 え た .
2 ) 結 果
( 1 ) 積 載 容 量 の 違 い
予 備 実 験 の 結 果 を 受 け , 千 切 り 材 料 を 使 っ て 実 験 し た . 外 気 温 湿 度 と ハ ウ ス 内 温 湿 度 を 図 9に示す. 12月中旬 下旬に実施し,
天 候 は 7日間のうち 5日 は 晴 れ だ っ た . 夜 間 の 外 気 湿 度 は 飽 和 状
同 22‑
100 90 80 コdt70
;f. 60 ρ50
題 ; :
制国電 20 10
。
‑10
12/17 12/18 12/19 12/20 12/21 12/22 12/23 12/24 時間(月日)
図
9ハウス内・外気の温湿度
実線はハウス内 点線はハウス外
態 に な る こ と が 多 か っ た が , ハ ウ ス 内 で は 90"‑' 1 00
%
R.H.で 推 移 し た . ハ ウ ス 内 温 度 は , 好 天 日 で は 40t
前後となっており,こ の 間 に 乾 燥 が 進 ん だ . 予 備 実 験 で は 30
t
ま で し か 上 昇 し な か っ た が , こ れ は そ の と き の 天 候 に 依 拠 す る も の と 考 え ら れ る .細 切 し た 千 切 り 材 料 を コ ン テ ナ 箱 に 積 載 し , 毎 日 1回 全 量 撹 枠 し て 乾 燥 さ せ た . 積 載 容 量 の 大 小 に よ る 含 水 率 の 経 時 変 化 を 図 10 示 す . 大 盛 , 中 盛 , 小 盛 の 別 で は , 大 盛 が 最 も 乾 燥 し に く い こ と が 明 ら か で あ っ た . 図 10に よ れ ば , 中 段 , 上 段 , 下 段 の 順 に 乾 燥 し や す く , 中 段 , 上 段 の 差 は 小 さ く , 下 段 と 中 段 , 上 段 の 差 は 大 き い こ と が わ か っ た . 後 述 す る が , ハ ウ ス 内 温 度 の 上 下 差 は 小 さ い が , ハ ウ ス 内 湿 度 の 上 下 差 は 最 大 13 % と 大 き く , 日 中 は 上 段 , 中 段 が 下 段 よ り 湿 度 が 低 い こ と に よ る と 推 察 で き る . 乾 燥 開 始 4日後の 12月 21日 は 降 雨 が あ っ た た め , 乾 燥 速 度 が 停 滞 し た . 乾 燥 後 の 見 か け 密 度 は 中 盛 で 248gILで,予備実験での 183gILよ
り大きくなった.これは,撹搾操作により長めの材料が折れたり,
湾 曲 程 度 が 小 さ く な っ た こ と に よ る と 判 断 し た .
初 期 含 水 率 69
%
w.b.の 大 盛 , 中 盛 , 小 盛 の い ず れ も 7日目の 12 月 24日 に は 所 定 の 含 水 率 8%
w.b.に な っ た が , 好 天 に 恵 ま れ たこ と と 撹 枠 操 作 を 行 っ た こ と に よ っ て 大 盛 で も 乾 燥 が 可 能 で あ っ た . し か し , 冬 期 に お い て は 常 に 好 天 条 件 が 続 く と は 限 ら な い の で , 大 盛 で の 乾 燥 は 不 測 の 危 険 性 が あ る と 考 え る . 中 盛 で は 乾 燥 5
日 後 に は 含 水 率 が 10
%
w.b.以 下 に な っ た が , 大 盛 で は 31%
w.b.で あ っ た . こ の 間 の 乾 減 率 は , 中 盛 で 約 12
%
w.b.l日,大盛で 7.6%
w.b.l日であった.したがって失敗なく乾燥させるには,乾減率‑24 ‑
80
60 . a . 50
主ま時以町・個
70
¥ ﹄ 一
一
¥ h
一
一 喝 一 盛 一
¥ 守 二 中 有 崎 工
b b
自¥一丸¥一小一
40 30 20 10
o
12124 12/23
12/22 12/21
(月日) 12/20
時間 12/19 12/18
12117
積載量別の含水率経時変化 口 下 段 O 中段
<>上段 図 10
を 指 標 と す る と 12
%
w.b.l日以上が目安となる.また,小盛では 積 載 量 が 少 な い の で , 実 用 上 の 取 り 扱 い 量 が 小 さ く , ハ ウ ス 当 た り の 処 理 量 が 減 る . し た が っ て , 乾 燥 上 の リ ス ク が 少 な く , ハ ウ ス 当 た り の 処 理 量 が 確 保 で き る 中 盛 を 選 択 す る こ と に し た .( 2 ) 撹 枠 操 作 の 有 無 に よ る 違 い
コ ン テ ナ 箱 へ の 材 料 積 載 量 を 中 盛 と し て , 材 料 の 撹 枠 の 有 無 に よ る 乾 燥 度 合 い を 実 験 し た . 撹 枠 に 対 し , 撹 枠 し な い も の を 「 静 置 」 と 呼 ぶ . ハ ウ ス 温 室 内 温 湿 度 の 経 時 変 動 を 図 11に示す. 1 月 下 旬 に 実 施 し , 天 候 は 8日間のうち 4日 が 晴 れ だ っ た . 棚 上 の
コ ン テ ナ 箱 の 設 置 位 置 の 上 下 に お け る 温 度 差 は 3
o c
と小さいが,湿 度 の 上 下 差 は 日 中 で 8
%
R.H., 夜 間 で 13%
R.H.と大きかった.乾 燥 さ せ た 材 料 の 含 水 率 の 経 時 変 化 を 図 12に 示 す . 擾 枠 と 静 置 を 比 べ る と 撹 搾 の 方 が 乾 燥 し や す い こ と が わ か る . 乾 燥 開 始 直 後の 1月 19日"w21日 の 天 候 は 曇 り で あ っ た た め , 乾 燥 速 度 が 遅 く , 乾 燥 の 戻 り も 一 部 に み ら れ た . 乾 燥 期 間 の 後 半 は 晴 れ の 割 合 が 高 か っ た の で , 乾 燥 が 進 ん だ . コ ン テ ナ 箱 位 置 の 上 下 差 で 乾 燥 の し や す さ を み る と , 撹 枠 で は 上 段 が 最 も 乾 燥 し , 中 段 と 下 段 の 差 は ほ と ん ど な か っ た . 静 置 で は 乾 燥 開 始 後 3日 間 で は 下 段 , 中 段 , 上 段 のIJ頂 4日 目 以 後 で は 上 段 , 中 段 , 下 段 の 順 で 乾 燥 が 進 ん だ . こ の よ う に 撹 枠 , 静 置 と も 上 段 と 下 段 の 乾 燥 し や す さ の 差 が 確 認 で き た . こ の 原 因 は 図 11に み ら れ る よ う に 下 段 よ り 上 段 の 湿 度 の 振 れ 幅 が 大 き く , 夜 間 は 上 段 の 方 が 下 段 に 比 べ l O
% R
且ほ ど 高 く 推 移 す る が , 日 中 は 反 対 に 最 大 10
%
R.H.ほど低いので,こ の 間 に 乾 燥 が 進 む も の と 推 察 さ れ た . 当 然 , ハ ウ ス 内 の 空 気 の
‑26‑
内6
4・ ・ ・
︐/
nunununununununununununu噌E
4 . ︐ 0
9 8 7 6 5 4 3 2 1 4
. z .
g ま
. 0
︒樹 耐炉
︑. 倒蝿
1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 時間(月日)
1/24 1/25 1/26
図 11 ハウス内高さ別温湿度
80 70 60 a 50
; : :
t . .
40設 佃 30
20 10
o
1/18 1/19 1/20 1/21 1/22 1/23 1/24 1/25 1/26 時間(月日)
図 12 撹搾操作と静置での含水率経時変化
。上段 O 中 段 口 下 段
‑28 ‑
強 制 流 通 は な い も の の , ハ ウ ス 内 微 気 象 と し て み る な ら ば 上 層 ほ ど 温 度 は 高 か っ た .
図 12に 示 す 中 段 で 乾 燥 過 程 を 比 較 し て み る と , 前 述 の よ う に 乾 燥 開 始 後 3 日 聞 は 乾 燥 の 進 み が 遅 く 4 日 目 以 降 に 乾 燥 が 進 ん だ こ と が 明 ら か で あ る . 撹 枠 , 静 置 の い ず れ も 初 期 含 水 率 67
%
w.b.が 最 終 的 に は 8日 間 で 目 標 の 含 水 率 8
%
w.b.に 至 り , 乾 燥 が 終了した.( 3 ) 飼 料 成 分 , 晴 好 性
乾 燥 材 料 の 飼 料 と し て の 有 効 性 の 有 無 を 調 べ た . 表 2に 飼 料 成 分 分 析 の 一 般 成 分 に つ い て 示 し た . 粗 蛋 白 質 , 組 脂 肪 , 粗 繊 維 , 組 灰 分 を 日 本 標 準 飼 料 成 分 表 と 比 較 す る と , 組 蛋 白 質 , 粗 脂 肪 , 粗 繊 維 , 含 水 率 が 下 回 り , 粗 灰 分 は 上 回 っ た . こ れ ら の 値 は , サ
ツ マ イ モ の 品 種 , 製 法 等 が 日 本 標 準 飼 料 成 分 表 と は 自 ず と 異 な る の で , 参 考 値 と し て 考 え る と 許 容 範 囲 内 の 数 値 と 判 断 し た .
噌 好 性 の 聞 き 取 り 調 査 に よ れ ば , 豚 に 対 す る 供 試 乾 燥 物 の 食 い 込 み は 極 め て よ か っ た . 水 で ふ や か し た 状 態 ( 図 13) で も 同 じ で , 差 は な か っ た . し た が っ て , 手 間 の か か ら な い ス テ ィ ッ ク 状 乾 燥 物 の ま ま で 給 餌 で き る こ と が わ か っ た .
3 ) 考 察
生 切 干 し の 慣 行 製 法 は , 天 候 に 左 右 さ れ る こ と , 均 質 な も の が
表 2 飼料成分分析値
一般成分 12月24日分 1月 初 日 分 日本標準 飼料成分表 粗蛋白質(%) 2.2 3.3 4.2 組脂肪(%) 0.4 0.4 0.6 組繊維(%) 1.9 1.5 2.1 組灰分(%) 4.3 4.4 3.0 含水率(%w.b.) 8.0 9.6 12.0
‑30 ‑
図 13 噌好性試験で、の加水した餌
で 飼 料 向 け に 調 製 す る こ と を 主 眼 に 技 術 開 発 を 行 っ た .
予 備 実 験 に お い て 天 日 乾 燥 に 適 す る 細 切 形 状 を 検 討 し た . そ の 結 果 , 切 断 損 失 が 少 な く て 作 業 性 が 損 な わ れ ず , 乾 燥 速 度 の 大 き か っ た 千 切 り を 選 択 し た . こ れ を 受 け て , 棚 で の 多 段 方 式 に よ る コ ン テ ナ 箱 積 載 で 検 討 を 行 っ た と こ ろ , コ ン テ ナ 箱 の 適 切 な 材 料 積 載 量 は 箱 容 積 の 30% で あ る こ と , 材 料 の 撹 枠 の 有 無 を 問 わ ず 8
日 間 で 目 標 の 含 水 率 8
%
w.b.に 乾 燥 で き る こ と が わ か っ た . 富 田 ら (1981) は 細 切 し た 材 料 を 11月 末 か ら 12月の 16日 間 で も 含 水率は, 20 '"'v 30
%
w.b.ま で し か 下 が ら な か っ た と し て い る . 原 因は ハ ウ ス 内 に 平 面 に 広 げ た た め 材 料 厚 ( 充 填 深 さ ) が 50mmと深 く な っ た た め と 思 わ れ る . 慣 行 法 で は 輪 切 り し た 材 料 を 重 な ら な い よ う に 一 枚 ご と に 広 げ る 方 法 だ が , 冨 田 ら の ハ ウ ス 内 乾 燥 試 験 で は 重 層 の 方 法 を 採 用 し て い る . 実 用 化 実 験 で 積 載 量 の 最 適 値 で あ る 容 量 30
%
( 中 盛 ) と し た と き の 充 填 深 さ は 35 mm, 不 適 で あった 50%
(大盛)では 55 mmであったので, 55 mm以 上 の 充 填 深 さ で は 適 正 な 乾 燥 は 不 可 能 で あ り , 35 mmが 適 当 と 判 断 で き た.渡 辺 (1995) は , 家 畜 ふ ん 尿 の 乾 燥 に お い て 堆 積 高 さ 100 mm で , ハ ウ ス 内 の 乾 燥 床 面 積 当 た り の 水 分 蒸 発 量 を 冬 期 の 南 九 州 域
で 1.5'"'v 2.0 kg/m2・ 日 と 推 計 し て い る . 1.5 kg/m2・日として 5日間
で の 乾 減 率 を 算 出 す る と 13.6
%
w.b./日 と な り , 本 実 験 ( 中 盛 ) で の 12%
w.b./日 を 上 回 る . 家 畜 ふ ん 尿 乾 燥 ハ ウ ス で は , ハ ウ ス の す そ を 開 放 し て 通 風 し て い る た め , 乾 減 率 が 大 き い と 考 え ら れ る .次 に 冨 田 ら (1981) は 畜 糞 乾 燥 用 ハ ウ ス の 機 械 式 撹 枠 装 置 を 用
‑32 ‑
い て 前 述 の 改 良 を 行 っ て 乾 燥 し た 結 果 , 11月 下 旬 の 晴 天 日 3日 を含む 6日間で 1日当たり 9
%
w.b.の含水率の減少が認められ,予 備 乾 燥 を 終 了 し て い る . こ れ に 対 比 し て , 本 実 験 の 実 用 化 実 験 で の 撹 枠 操 作 の 有 無 に つ い て 検 討 す る . 図 11,図 12に 示 す と お り , 乾 燥 開 始 後 3日 聞 は 天 候 が 曇 り で あ っ た た め , こ の 間 の 含 水 率の 1日 当 た り の 減 少 率 は 撹 枠 で 2.9
%
w.b.,静置で1.6%
w.b.で あったのに対し, 4 日目以降の 5 日 間 は 天 候 が 晴 れ を 基 調 と す る も の で あ っ た の で , 撹 枠 で 10.0%
w.b., 静 置 で 10.7%
w.b.であっ た . し た が っ て , 秋 冬 期 に 晴 れ の 天 候 条 件 で は , 10%
w.b.l日程 度 の 乾 減 率 を 得 る こ と が で き る と 判 断 さ れ た . ま た , こ の 結 果 か ら 撹 枠 操 作 の 必 要 は な い と い え る . サ ツ マ イ モ 材 料 の 初 期 含 水 率 は約 70%
w.b.で あ る の で 仕 上 げ 含 水 率 8%
w.b.に す る に は , 晴 天 日 が 続 け ば 6日 前 後 で 乾 燥 で き る . 実 際 に は , 雨 天 , 曇 天 , 晴 天 が 交 錯 す る の で , 本 実 験 の よ う に 乾 燥 期 間 を 8日間とした場合, 4日 間 以 上 の 晴 天 日 が 必 要 で あ る . 12月,...., 1月 の 2カ 月 間 で , 日 中 に 晴 れ た 日 を 九 州 沖 縄 農 業 研 究 セ ン タ ー 都 城 研 究 拠 点 業 務 日 誌 か ら拾い出して, 1日 を 単 位 と し て 晴 れ の 日 の 出 現 割 合 を 求 め た ( 表 3) . そ の 結 果 , 年 ご と の ば ら つ き は あ る も の の , 晴 れ の 出 現 割 合 は 50.0., ..., 80.6 % で , こ の 10年 間 の 平 均 で は 66.3%となった.
し た が っ て , 想 定 す る 乾 燥 期 間 8日間のうち 4日 以 上 晴 れ る 割 合 が 高 い こ と が 明 ら か で あ る . ま た , 都 城 の 平 年 値 か ら 降 水 量 が 最
表 3 晴れの出現割合
西暦年 晴れ 曇り 雨
(%) (%) (%) 2001 59.7 25.8 14.5 2002 58.1 30.6 11.3 2003 80.6 14.5 4.9 2004 75.8 17.7 6.5 2005 75.8 12.9 11.3 2006 66.1 19.4 14.5 2007 50.0 33.9 16.1 2008 67.8 17.7 14.5 2009 66.1 22.6 11.3 2010 62.9 29.0 8.1
岡田園ー司咽園周司輔圃圃・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2001 "‑'
66.3 22.4
2010 11.3
各年 12"‑' 1月の 2カ月間の 1日単位(日中)
‑34 ‑
と っ て は 好 条 件 と な る こ と が わ か っ た .
第E章 の 通 風 加 熱 乾 燥 法 で 後 述 す る よ う に 乾 燥 初 期 に お い て , 恒 率 乾 燥 期 間 が 存 在 す る と 考 え ら れ る が , 天 日 乾 燥 に お い て は ,
① ハ ウ ス 内 で の 空 気 の 流 れ が ほ ぼ 停 滞 し て い る ② 温 度 , 湿 度 が 周 期 的 に 変 動 し , 連 続 し た 一 定 の 温 湿 度 条 件 に な い こ と に よ っ て , 他 の 乾 燥 方 法 に 比 べ 乾 燥 期 聞 が 比 較 的 長 期 に わ た る た め , 全 乾 燥 過 程 に 対 す る 恒 率 乾 燥 期 間 は 実 質 的 に 無 視 で き る . し た が っ て , 天 日 乾 燥 に お い て は , ① 材 料 内 部 の 水 分 が 表 面 へ 移 動 す る ② 表 面 か ら 水 分 が 除 去 さ れ る 過 程 を 経 る 減 率 乾 燥 期 間 に あ る も の と 判 断された.
乾 燥 終 了 後 の 目 標 含 水 率 を 8
%
w.b.と 設 定 し た の は , 日 本 標 準 飼 料 成 分 表 に よ れ ば サ ツ マ イ モ 乾 燥 物 の 含 水 率 は 12%
w.b.とな っ て い る が , よ り 乾 燥 さ せ て 貯 蔵 性 を 高 め る こ と を 考 慮 し た こ と に よ る . ま た , 紫 サ ツ マ イ モ の 千 切 り 乾 燥 物 の 含 水 率 が 約 7%
w.b.で あ る こ と も 考 慮 し た .
乾 燥 終 了 後 の 材 料 の 品 質 は , 褐 変 も な く 良 好 で , 前 述 の と お り 飼 料 の 一 般 成 分 も 日 本 標 準 飼 料 成 分 表 に 準 じ て お り , 十 分 実 用 性
に 耐 え る も の と 判 断 さ れ た .
九 州 南 部 地 域 の 秋 冬 期 聞 と い う 限 定 条 件 で は あ る が , ハ ウ ス 内 で の サ ツ マ イ モ 細 切 物 の 乾 燥 が で き る こ と が 明 ら か に な っ た の で , 労 力 と 生 産 性 を 試 算 し た . 調 製 工 程 は , 収 穫 , 運 搬 , 洗 浄 ,
[ 収 穫 ] 叶 運 搬 l 叶洗浄 l 叶細切 l
ゅ [ 搬 入 l 叶乾燥)叶搬出 l
│乾燥飼料│
図 14 調製工程流れ図
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表4 調製作業の試算
ハウス外寸 奥行 19m 間口 7.4m 天高 3 m 棚配置面積 18 m X 6 m
棚面積(I棚) 1.9 m X 1.24 m
45棚
45棚 =5列X 9行
収納量 [生いも]
1棚当たり 46.8 kg ハウス当たり 2106 kg 作業時間 [洗浄]
ハウス当たり 8.2時間
[乾燥物]
16.9 kg 760 kg
[細切] [搬入出]
7.0時間 15.0時間