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男子性分化に必要な因子 精巣決定因子 ;SRY 遺伝子 原始生殖細胞 ; 卵黄嚢部から生殖提に移動し 胚細胞となる Muller 管抑制因子 : セルトリ細胞より分泌され Muller 管 ( 子宮 卵管など ) の発生を抑制する テストステロン (T): ライディッヒ細胞より分泌され Wolff

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『男性不妊症』

ー男性不妊症の原因、検査ー

国際医療福祉大学病院リプロダクションセンター 岩 本 晃 明 生殖補助医療胚培養分野講義 平成27年5月16、23日 5月16日(土) 5・6限 乃木坂スクール #13「エンブリオロジスト必須講座/基礎からわかる不妊治療の実際」 (生殖補助医療胚培養臨床系講座Ⅰ/生殖補助医療胚培養基礎系講座Ⅰ) 第4回 岩本 晃明 先生(国際医療福祉大学大学院)

男性の性分化について知っておこう

男性としての性分化 ◇男性の染色体 46XY 女性の染色体 46XX すなわち Y染色体の存在下に内性器・外性器の男性化が行わ れて初めて成立する この内外性器の発生や分化誘導は男性 ホルモンなくして遂げられない 胎生期に男性ホルモンが分泌されないと内外性器は女性化して しまう。 生殖腺の分化 ◇生殖原基は中腎と背側腸間膜との間に生殖堤として認め られる。さらに原始生殖索を形成。この生殖索が原始生殖細胞 を取り込んで両性的な未分化生殖腺となる。 精巣の分化

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2

男子性分化に必要な因子

• 精巣決定因子;SRY遺伝子 • 原始生殖細胞;卵黄嚢部から生殖提に移動し、 • 胚細胞となる。 • Muller管抑制因子:セルトリ細胞より分泌されMuller 管(子宮・卵管など)の発生を抑制する。 • テストステロン(T):ライディッヒ細胞より分泌され Wolff管(精巣上体・精嚢)の発達を促す。 • ジヒドロテストステロン(DHT);Tは泌尿生殖洞・外陰 などの標的臓器で5α-還元酵素の作用でDHTに転換 され、前立腺・陰茎・陰嚢の形成を促す。 内生殖器の分化 図説泌尿器科学講座 メジカルビューより引用 未分化期の生殖管は両 性的であり中腎管である Wolff管と傍中腎管である Muller管との双方を有す る。 Wolff管は精巣上体、精管、 精嚢、射精管になる。 Muller管は子宮、卵管、膣の 上1/3を形成する。

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Ewing LL, et al. Int Rev Physiology. 1980;22:41-115. 600 400 200 100 0 胎児期 新生児期 思春期 成人期 老人期 A B C 600 400 200 100 0

A ANNUAL B DAILY C PULSATILE

800 – 600 – 400 – 200 – 800 – 600 – 400 – 200 – 800 – 600 – 400 – 200 – テ ス ト ス テ ロ ン (n g/ dL ) 3 MONTHS6 9 6 12 18 hours 2 4 6 8 12 hours

男性ホルモンン(テストステロン)

一生涯の分泌パターン

環境ホルモンの影響

総テストステロン、フリーT,Bioavailable T

bioavailable testosterone free testosterone albumin free testosterone free testosterone 1-2%

free testosterone – albumin Complex 26-65% free testosterone – SHBG Complex 35-75% SHBG + + Total testosterone

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4

加齢による血中男性・女性ホルモンの変化

10 20 30 40 50 60 70 年齢 血 中 エ ス ト ロ ゲ ン 血 中 フ リ ー テ ス ト ス テ ロ ン 女性更年期 男性更年期

生殖路の解剖

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精巣 精細管 精細管内部 精母細胞 精原細胞 セルトリ細胞 精子 精細管基底膜

精巣内の構造

乏精子症 正常 正常者・男子不 妊症症例のさま ざまな 精巣組織像

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6

精子形成・精子発生模式図

無精子症 無精子症 図1:精子の発生 図1:精 無精子症 田中温の図を引用

不 妊 症 の 頻 度

妊娠希望夫婦の

10~15%が不妊症

41% 11% 女性のみ 男女とも 男性のみ 不明 不妊症(WHO 調査) 24% 24% 半分は 男性が原因

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男性不妊診療の一般的な認識

これまで不妊は女性の問題とされ、現在に至ってもいまだ 一般通念として世に憚るものと思われる。一方男性不妊は 不妊カップルの約半数に認められることは生殖医療従事者 の間では常識である。 この一般通念と生殖医療従事者の常識の乖離は男性因子 を原因とする不妊に対する生殖医療においてすら女性が 主体となって治療を受けている現状から生じているものと思 われる。本邦では人口あたりのARTを行う生殖医療機関は 諸外国に比べて多いのに対し不妊治療に泌尿器科医師が 少ない背景から、男性因子を正確に評価した上で治療が なされる機会に乏しい。

男性不妊の患者数は?

• 20歳から40歳の男性の人口は約1800万人

• 2/3が結婚されるとして1200万人のカップル

• 8-10カップルに1カップルが不妊である

• 不妊の原因が男性因子=女性因子の割合

• 従って60万人~80万人の男性不妊患者が存

在する。

従って決して少ない患者数ではない。

推定

(8)

8

パ ー ト ナ ー 年 齢 分 布

50歳 〜40 7% 39歳 〜30 67% 29歳 〜20 26% 20〜29歳 30〜39歳 40〜50歳

造精機能障害の原因

精子形成障害

a. 特発性 (原因不明)

62%

b. 精索静脈瘤

30%

c. 染色体異常 (Klinefelter症候群など)

3%

d. 停留精巣

2%

e. 内分泌障害(

ゴナドトロピン欠損症、男性ホルモン低下症 高プロラクチン血症など

2%

f. 精巣炎

1%

g. その他

(9)

男子不妊症の病因

造精機能障害 1,248 83.0 % 原因不明 700 (56.1 %) 46.5 % 精索静脈瘤 448 (35.9 %) 29.8 % その他 100 ( 8.0 %) 6.6 % 精路因子 206 13.7 % 性機能障害(射精障害,勃起障害) 50 3.3 % (平成10年度厚生科学分担研究 ー白井班ーより)

男性不妊症の原因を検索するルーチン検査

1.問診 2.理学的所見 ;身長、体重長、指極長 視診: 顎ひげ、腋毛、恥毛の状態 外性器の発育度 触診: 精巣サイズ、精巣上体 精管、精索静脈瘤、前立腺 3.精液検査 ; 精液量、精液濃度、精子運動率、 精子形態 4.内分泌検査 ; FSH、LH、T

(10)

10

類宦官症

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男子不妊症造精機能障害で

明らかになっている原因疾患精索静脈瘤

精索静脈瘤 (第3度) 精索静脈瘤 (第3度)

(12)

12 精索静脈瘤発症の解剖学的な位置関係 左内精静脈 カテーテル コイル 右大腿静脈 カテーテル 左精巣 左内精静脈

精索静脈瘤の原因の一つ:解剖学的理由

(13)

造精機能障害の種類

• 無精子症 精液中に精子を認めないーーー決して諦めてはいけない • 乏精子症 精液中に精子が2000万以下の状態 • 精子無力症 精子の運動が悪い状態 運動率50%未満 • 精子奇形症 奇形率が15%以上 WHOの基準にもとづいて 妊娠は精子側の問題だけでなく卵の性質も重要である。 高度乏精子症であっても妊娠する、精子が沢山あっても妊娠しないこともある。

無精子症の病態

閉塞性無精子症ーー精路通過障害 非閉塞性無精子症 Ⅰ原発性精巣機能低下症--精巣自体の障害 FSH,LHが高値 Ⅱ 続発性精巣機能低下症ーー視床下部・下垂体 FSH,LHが低値

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14

無精子症:閉塞性・非閉塞性無精子症

閉塞性無精子症(精子の通り道が詰まっている)

【原因疾患】 ・先天性両側精管欠損症 ・小児期鼠径ヘルニア手術時精管結紮 ・原因不明の精巣上体レベルでの閉塞 ・原因不明の両側精管狭窄 ・両側精巣上体炎 ・精嚢奇形を含む精嚢部・射精管狭窄

非閉塞性無精子症

(精巣そのものにダメージがあって精子が出てこない)

無精子症の原因:非閉塞性無精子症

原発性精巣機能不全

精巣自体に障害が起こって無精子となる 原因不明、 染色体異常;クラインフェルター症候群(47XXY)、 精巣腫瘍・悪性腫瘍に対する抗癌剤・放射線治療 ーー諦めてはいけない! MD-TESEーー

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無精液症・逆行性射精の原因と対策

• 最近増加傾向 精液検査時に取れませんでしたとの患者の 申告に皆さんは“ハイ分かりました”と言う だけで良いです。マスターベーションにより 採精室でストレスで採取出来ない場合、あるいは本 疾患を疑う。 • 原因疾患 脊髄損傷 後腹膜リンパ節隔清術後、糖尿病, 、メタボ 原因不明

低ゴナドトロピン性

男子性腺機能低下症とは

視床下部-下垂体系の機能低下に起因する

性腺機能障害の総称

(16)

16 新生児期の発見率 停留精巣(50%程度)小陰茎(約30%) 藤枝憲二 2004 小児期から成人 思春期発来欠如、二次性徴の発達遅延 ボストン小児病院の思春期遅発症中での MHHは12%,高ゴナドトロピン血症13% Sedlmeyer et al 2002 男性不妊症外来 約1% 間脳下垂体機能異常症の診断と治療の手引き(2001)

(17)

視床下部ー下垂体ー性腺軸による精巣機能のホルモン調節 精巣 視床下部 下垂体

低アンドロゲン血症の鑑別診断

鑑別疾患 T FSH LH 原発性性腺機能低下症 低下/正常 上昇 上昇 続発性性腺機能低下症 低下 低下 低下 LH単独欠損症 低下 正常 低下 FSH単独欠損症 低下/正常 低下 正常

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18 • 臨床所見 – 思春期前の発症では 二次性徴の欠如、外性器の発育不全 – 成人期以降では 不妊症、性欲低下、勃起障害、腋毛・陰毛の減少 外性器発育不全 • 検査所見 – 血中ゴナドトロピンがFSH,LH 1.0mIU/ml未満 – テストステロンが1.0ng/ml – ゴナドトロピン分泌刺激試験で低反応(ただし、視床下部性 では、正常反応を示すことがある) – hCG負荷試験にて性ホルモン分泌反応がある

低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症の診断

MHHの病因-1

• 先天性:

視床下部性;

特発性MHH

Kallmann症候群

Pradaer-Willi症候群

Laurence-Moon-Biedl症候群

下垂体性;

ゴナドトロピン欠損症

LH単独欠損症(fertile eunuch)

FSH単独欠損症

汎下垂体機能低下性小人症

(19)

MHHの病因-2

• 後天性 視床下部・下垂体; 下垂体腺腫 頭蓋咽頭腫 松果体腫 empty sella 外傷・放射線・手術後;薬剤性 脳外傷後 放射線治療後 脳腫瘍術後 高プロラクチン血症

男性不妊症の原因を検索するルーチン検査

1.問診 2.理学的所見 ;身長、体重長、指極長 視診: 顎ひげ、腋毛、恥毛の状態 外性器の発育度 触診: 精巣サイズ、精巣上体 精管、精索静脈瘤、前立腺 3.精液検査 ; 精液量、精液濃度、精子運動率、 精子形態 4.内分泌検査 ; FSH、LH、T

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Evidence Based Medicine (EBM)の考え方に即した生殖 医療の場で、あるいは男性生殖機能の疫学研究において、 精液検査法のより高度な標準化が求められている。その要 求に応えるべく、精液検査標準化ガイドラインワーキンググ ループは平成15年7月にWHOマニュアルに準拠した「精液 検査標準化ガイドライン」を刊行した。発刊から2年を経て 今回、ガイドラインの普及状況ならびに精液検査標準化へ の寄与についてアンケート調査を実施したので、その結果を 報告する。

Evidence Based Medicine (EBM)の考え方に即した生殖 医療の場で、あるいは男性生殖機能の疫学研究において、 精液検査法のより高度な標準化が求められている。その要 求に応えるべく、精液検査標準化ガイドラインワーキンググ ループは平成15年7月にWHOマニュアルに準拠した「精液 検査標準化ガイドライン」を刊行した。発刊から2年を経て 今回、ガイドラインの普及状況ならびに精液検査標準化へ の寄与についてアンケート調査を実施したので、その結果を 報告する。

精液検査標準化の必要性

同一人における精子数の変動

同一人における精子数の変動

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 S p e rm d e n si ty ( 1 0 6 / m l) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 weeks (WHOマニュアル、1999)

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若年男性の精子濃度

4回の測定における個人内変動 精子濃度の差 例数 % 最高値ー最低値(×106/ml) <30 14 19.5 30-60 25 34.7 >60 33 45.8 合計 72 100.0 1年4回の精液検査における個人内変動値 最低精子濃度と最高精子濃度の分布 最低精子濃 度 n 最高精子濃度(×106/ml) (×106/ml) <20 20-39 40-59 60-79 80-99 100< <10 6 0 3 1 1 0 1 10-19 11 0 4 3 1 0 3 20-39 282 5 6 5 10 40-59 15 - - 0 1 1 13 60-79 5 - - - 0 0 5 80-99 5 - - - - 0 5

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22 0 50 100 150 200 250 精 子 濃 度 (m il l. /m l) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 若年対象者 精子濃度の個人内・個人間の変動 若年者ボランティア45名の1年間12回の検査 0 50 100 150 200 <100 100-200 >200 禁欲期間 (時間) 精 子 濃 度 平 均 値 (× 1 0 6) 禁欲期間によって3群に分けて比較した精子濃度平均値。 各群の精子濃度平均値±SDは、禁欲期間100時間未満:80±65×106/ml、 100時間以上200時間未満:123±95×106/ml、200時間以上:168±137×106/ml すべての群間に有意差があった(P<0.01)。

禁欲期間と精子濃度との関係

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妊婦のパートナーの精子濃度

ー川崎/横浜とヨーロッパ4都市の比較ー

妊婦のパートナーの精子濃度

ー川崎/横浜とヨーロッパ4都市の比較ー 0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 精 子 濃 度 (X 10 6 /m l) 川崎/横浜 コペンハーゲン パリ エジンバラ ツルク 359 349 207 251 275 211 81 157 156 109 禁欲期間(時) 例数 0 20 40 60 80 100 120 140 精 子 濃 度 の 相 対 値 . ( % )

比較のための調整後の精子濃度

ー川崎/横浜とヨーロッパ4都市の比較ー

比較のための調整後の精子濃度

ー川崎/横浜とヨーロッパ4都市の比較ー

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禁欲期間と精子濃度との国際比較

ー ヨーロッパ男性と日本人男性の相違 -

禁欲期間と精子濃度との国際比較

ー ヨーロッパ男性と日本人男性の相違 - Abstinence period (mean/median) Copenhagen: 81/64 h Turku: 109/70 h Edinburgh: 156/82 h Paris: 157/96 h Japan*: 208/134 h (*Kawasaki-Yokohama)

精液検査結果の変動要因

対象者の属性に関する因子 精液検査法に関する因子 人種、年齢、職業、薬物使用・病歴、 健康状態、喫煙・飲酒の習慣、ストレ スの有無、etc. 精液採取法、精液を採取する季節 や気温、精液検査手技、禁欲期間、 検査担当者の個人間・個人内変動、 etc. 条件の統一化 (精子濃度の評価を例に) 検査器具、精液の液化、 希釈、血球計算盤への滴 下量、算定法、算定回数、 統計処理、etc. 方法の標準化 Quality control (QC)

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精液検査標準化

ガイドライン

日 本 泌 尿 器 科 学 会 精液検査標準化ガイ ドライン作成ワーキン ググループ 金原出版株式会社 監修 編集 発行

精液検査標準化ガイドライン骨子

精液検査標準化ガイドライン骨子

1.他施設との治療成績を比較するためにQCが必 須である 2.CASAによる自動化が望まれるが現段階では、 まだ問題がある 3.目視法は訓練に多少時間を要すが、不変で、精 度が高い。 4.精液検査トレーニング用のCD-ROMはQCのた めに大いに利用して頂きたい 1.他施設との治療成績を比較するためにQCが必 須である 2.CASAによる自動化が望まれるが現段階では、 まだ問題がある 3.目視法は訓練に多少時間を要すが、不変で、精 度が高い。 4.精液検査トレーニング用のCD-ROMはQCのた めに大いに利用して頂きたい

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同一人における精子数の変動

同一人における精子数の変動

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 S p e rm d e n si ty ( 1 0 6 / m l) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 weeks (WHOマニュアル、1999)

若年男性の精子濃度

4回の測定における個人内変動 精子濃度の差 例数 % 最高値ー最低値(×106/ml) <30 14 19.5 30-60 25 34.7 >60 33 45.8 合計 72 100.0

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1年4回の精液検査における個人内変動値 最低精子濃度と最高精子濃度の分布 最低精子濃 度 n 最高精子濃度(×106/ml) (×106/ml) <20 20-39 40-59 60-79 80-99 100< <10 6 0 3 1 1 0 1 10-19 11 0 4 3 1 0 3 20-39 282 5 6 5 10 40-59 15 - - 0 1 1 13 60-79 5 - - - 0 0 5 80-99 5 - - - - 0 5 100< 2 - - - - - 2 合計 72 0 9 9 9 6 39

精液量測定の標準化

精液量測定の標準化

• 容量液量測定法 -メモリの付いた容器を使用する -容器から精液をシリンジあるいは目盛り付きピペットで吸引し測定する ⇒精液が容器の壁に付着し正確度に欠ける

• 重量測定法(推奨)

精液容器の重量を風袋として差し引いておいて、精 液の入った容器を上皿天秤に載せて重量を測定す る 1.0g=1.0ml 容量と重量の比較:1ml= 1.001-1.013 (平均1.005)g (n=18) • 容量液量測定法 -メモリの付いた容器を使用する -容器から精液をシリンジあるいは目盛り付きピペットで吸引し測定する ⇒精液が容器の壁に付着し正確度に欠ける

• 重量測定法(推奨)

精液容器の重量を風袋として差し引いておいて、精 液の入った容器を上皿天秤に載せて重量を測定す る 1.0g=1.0ml 容量と重量の比較:1ml= 1.001-1.013 (平均1.005)g (n=18)

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重量測定法

重量測定法

容量測定法

容量測定法

0 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 施設A 施設B 施設C 施設D 施設E トレーニング回数 標 準 値 に 対 す る 平 均 偏 差

精子濃度測定の精度管理

各施設の測定値平均偏差の推移

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0 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 技師A 技師B 技師C 技師D 測定回 標 準 値 に 対 す る 平 均 偏 差

精子濃度測定の精度管理

同施設の技師間における測定値平均偏差

精子濃度の測定機器

血球計算板(Bürker Türk型, 改良型Neubauer)

精子濃度の測定機器

血球計算板(Bürker Türk型, 改良型Neubauer) • WHOマニュアルの推奨品である • 検鏡法としてはMakler chamber より正確 • 測定法としては煩雑であるがトレーニングによ りデータが安定する • 訓練を受けた検者が血球計算板で測定した値 は他施設とのデータ比較が可能なので疫学的 調査などの研究目的での使用に適している

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30 0 5 10 15 20 25 30 1 2 3 4 5 6 QCサンプル番号 C V ( % )

精液サンプルの状態と測定結果の変

1 2 3 4 5 6 ★ ★ 汚/精子以外の 粒子が多い 精子濃度

精子濃度の測定機器

Makler chamber

精子濃度の測定機器

Makler chamber

• 簡便、希釈せず原液で測定可能 • 運動率も同時測定可能、しかし運動率が高く出る • ヒト精子の振幅は10μm以上なので運動率測定 には不適である • 試料が流れない深さ20 μm程度のものを使用す べきである • 精子数測定に使わない。 • 正確な値を測定するための器具ではないので施 設によるデータの比較目的には適さない

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精子濃度の測定機器

精子自動分析装置(CASA)

精子濃度の測定機器

精子自動分析装置(CASA)

• 機種間で同一検体でもデータが相違する ・ 精液中の精子以外の細胞や粒子等との識別が困難 ・ 精子濃度20-50X106/mlの範囲では比較的信頼性があ る ・ 精子濃度の検量線を作成し直線性が得られる範囲内 の 希釈が必要である • Chamberの間隙が狭い(10-20μ)と精子濃度にバ ラツキがでる • 将来的には自動化すべきで高精度の機器の開 発が望まれる

20倍希釈精子の標準画像例

20倍希釈精子の標準画像例

過多 過多 適正 適正 過少 過少

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精子濃度測定の精度を上げるための

検体取り扱い上のキーポイント

精子濃度測定の精度を上げるための

検体取り扱い上のキーポイント

精液の不均一性を除外するために充分な液

化が必要

そのために精液をシリンジでピペッティングし 均一化をはかる

精液の希釈に注意

希釈、混合する時ミキシングのためにVotex mixerを使用してもよい(精子濃度測定時のみ)

精液の不均一性を除外するために充分な液

化が必要

そのために精液をシリンジでピペッティングし 均一化をはかる

精液の希釈に注意

希釈、混合する時ミキシングのためにVotex mixerを使用してもよい(精子濃度測定時のみ)

精子濃度測定法の標準化

ー 検鏡法 -

CD-ROM画像にて検者のトレーニングを行う 1. 適当な濃度に希釈・不動化した精液を血球計算 盤に載せ、その顕微鏡画像をCD-ROMに取り込 む 2. 検者はCD-ROM画像の精子濃度を測定し、測定 値が標準値の10%以内に収まるように訓練する

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精子運動率

精子運動率

Makler chamberを用いて精子濃度測定と同時に運動率を 測定するのは好ましくない • 均一化した精液10μlをスライドグラスに載せ22×22mmの カバーグラスをのせて観察する • 測定するスライドは37℃のウォームプレート上で保温する • 格子を付した顕微鏡モニター上の画面で測定する • 数える精子の数が200個以上になるように測定する視野 の数(4-6)を調整する • 前進運動するA,Bをまず分類し、後にC,Dの精子を分類す る • 3回測定し、その平均値から運動率を算出する

精子運動率測定の標準化

CASAによる運動率測定の自動化に向けて

精子運動率測定の標準化

CASAによる運動率測定の自動化に向けて

1.精子濃縮後、swim down法を用いて運動率100%に 近い精子懸濁液を調整した 2.その半量を50℃に加熱、不動化し運動率0%分画とし た 3.上記分画を混合し、約0,25,50,75,100%となるよう 運動精子懸濁液4X106/mlを調整し、ビデオに取り込ん だ 4.ビデオの画像を5施設で測定した結果、同一あるいは 異なった機種での測定結果はバラツキが大きいことが 1.精子濃縮後、swim down法を用いて運動率100%に 近い精子懸濁液を調整した 2.その半量を50℃に加熱、不動化し運動率0%分画とし た 3.上記分画を混合し、約0,25,50,75,100%となるよう 運動精子懸濁液4X106/mlを調整し、ビデオに取り込ん だ 4.ビデオの画像を5施設で測定した結果、同一あるいは 異なった機種での測定結果はバラツキが大きいことが

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精子運動率測定のための試作標準画像

ー5施設による測定結果の比較ー

精子運動率測定のための試作標準画像

ー5施設による測定結果の比較ー

0 25 50 75 100 0 25 50 75 100 理論値 測 定 値 (%) (%) 0 25 50 75 100 0 25 50 75 100 理論値 測 定 値 C-MEN C-MEN HTM-IVOS HTM-IVOS HTM-S CellSoft (%) (%) %Motility

Motility A+BA+B

【協力施設】 札幌医科大学 横浜市立大学 東邦大学 大阪大学

新規精子運動解析装置の開発

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精子形態評価の標準化

精子形態評価の標準化

• スメアー作成法;クリーンなスライドグラスに新鮮 精液を精子濃度に応じて5-20μl滴下しスメアーを 作る • 染色法;WHOマニュアルではパパ二コロー染色 が推奨。しかし煩雑で手間がかかるため Diff-Quikも推奨される • 精子形態の分類法はKrugerらのstrict criteriaに よるが精子正常形態率で表す。 • スメアー作成法;クリーンなスライドグラスに新鮮 精液を精子濃度に応じて5-20μl滴下しスメアーを 作る • 染色法;WHOマニュアルではパパ二コロー染色 が推奨。しかし煩雑で手間がかかるため Diff-Quikも推奨される • 精子形態の分類法はKrugerらのstrict criteriaに よるが精子正常形態率で表す。

精子形態異常の例

(パパニコロー染色)

精子形態異常の例

(パパニコロー染色)

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36 精液採取 精液量の測定 精液の液化 重量法 1.0g=1.0ml 精子運動率の測定 スライドグラスに10μl 400倍で検鏡 精子濃度の測定 適当な倍率に希釈・不動化し、 血球計算版を使って算定 広口容器にマス ターベーションで採 取 説 明 採取場所・搬送法 禁欲期間 2-7日 37℃、15-60分 シリンジで吸入・排出 精子形態評価 スライドグラスの洗浄、塗沫表本の 作成法、染色法、観察用、形態分 類、正常形態率算定法、etc.

精液検査の手順概要

CD-ROM 画像による トレーニン グ 精液検査標準化ガイドラインにおける

男性不妊症の原因を検索するルーチン検査

1.問診 2.理学的所見 ;身長、体重長、指極長 視診: 顎ひげ、腋毛、恥毛の状態 外性器の発育度 触診: 精巣サイズ、精巣上体 精管、精索静脈瘤、前立腺 3.精液検査 ; 精液量、精液濃度、精子運動率、 精子形態 4.内分泌検査 ; FSH、LH、T

(37)

内分泌疾患の検査

ホルモン欠乏症とホルモン過剰症 分泌されたホルモンは標的細胞に到達して特異的な 受容体を介して作用し情報を伝達する 主として男性不妊症に関わるのは下垂体前葉機能 低下症;FSH,LH,テストステロンの測定 プロラクチンは後葉から分泌⇒性機能と関連 視床下部ー下垂体ー性腺軸による精巣機能のホルモン調節 精巣 視床下部 下垂体

(38)

38

診断確定のための検査

◆下垂体前葉ホルモン分泌刺激試験:負荷試験

◆下垂体MRI

下垂体前葉負荷試験

下垂体前葉機能低下症が疑われる場合には下記の

検査を行い分泌能が十分であるかどうかを診断する

LH,FSH値が低下していた場合には下垂体を直接

刺激する薬剤LHRH液を静注する

手順 まず前採血

LHRH液100μlを静注

注射後15分、30分、60分、90分、120分

と採血する

(39)

下垂体前葉機能負荷試験結果・判定

LHRH単回負荷による対するLH,FSHの反応

下垂体性 無~低反応、視床下部性 無~低反応

この場合には

LHRH連続負荷試験

下垂体性

反応の改善は軽度

視床下部性 多くは反応正常化

内分泌ホルモンの測定結果からの鑑別診断

病態 FSH LH Testosterone Prolactin 正常者 Hypo/Hypo 造精機能障害 Hyper/Hypo プロラクチン産生 正常 低値 高値/正常 高値 正常/低値 正常 低値 正常 高値 正常/低値 正常 低値 正常 正常/低値 低値 正常 正常 正常 正常 高値

(40)

40 Historogical evaluation by Johsen’s Score

(41)

基底膜が著しく肥厚 sertoli cell only

JS: 2 精細管径: 83? m 基底膜: 22? m 基底膜が薄い full spermatogenesis JS: 9 精細管径:146? m 基底膜: 6? m 基底膜が軽度に肥厚

sertoli cell only JS: 2 精細管径: 97? m 基底膜: 9? m JS 精細管径(? m) 基底膜 (? m) R 2.3 98 11 L 2.1 82 12 本症例の精巣組織所見 様々なタイプの精細管が混在してお り、両側ともごく一部分のみに精子 が ある精細管が存在していた

精巣生検において精子が観察された

非閉塞性無精子症の組織像

【右側】

参照

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