電磁気学 Ⅱ
Electromagnetics Ⅱ
山田 博仁
共振器と導波路
6/21 講義分
今後のスケジュール
(
案)
案 1
・ 本日 (第 10 回目 ) 電磁波の共振器と導波路
・ 6/28( 木 )( 第 11 回目 ) 光導波路と光共振器 (第 3 回レポート出 題 )
・ 7/5( 木 )( 第 12 回目 ) 電磁ポテンシャルとゲージ変換
・ 7/11( 水 )( 第 13 回目 ) ? 電気双極子による電磁波の放射 (第 3 回 レポート〆切 )
・ 7/19( 木 )( 第 14 回目 ) 点電荷による電磁波の放射
・ 7/26( 木 ) 定期試験 ?
7/12( 木 ) は休講にします。そこでご相談ですが、
第 13 回目の講義を 7/11( 水 )の 4 講目 (14:40 ~ ) または 5 講目 (16:20 ~ ) に開催できますか ? ダメなら、第 13 回目以降の日程 を 1 週間繰り下げます。
・ 7/19( 木 )( 第 13 回目 ) 電気双極子による電磁波の放射 (第 3 回 レポート〆切 )
・ 7/26( 木 )( 第 14 回目 ) 点電荷による電磁波の放射
・ 8/2( 木 ) 定期試験 ?
案 2
完全導体による電磁波の反 射
完全導体 (σ = ∞) 表面における電磁波の境界条件は、
0
t E
完全導体 E = 0
En ≠ 0 導体表面に
電荷が現れ る場合があ る
電場の法線成 分 En は必ず しもゼロでは ない
完全導体
Ht ≠ 0 導体表面に
電流が流れ る場合があ る
磁場の接線成 分 Ht は必ず しもゼロでは ない
0 B
変動磁場 静磁場
0 0 B
完全導体
Bn = 0
変動磁場の法線 成分 Bn はゼロ
0 B
変動磁場 静磁場
0 0 B 静磁場に対
しては必ず しもゼロで ない
完全導体
σ =∞ 界面での電場の 接線成分 Et はゼ ロ
E = 0
t
B
E
rot より
完全導体内では
E = 0 、従って rot E = 0 従って、電磁波は完全導体内
には進入できず、全反射され る
何故なら、
ie = σE より
、 E = 0 で ないと無限 大の電流が 流れること になる
0
n B より、
より、
電場 E
表面に高さ無限小の微小円柱を考
え、 Gaussの法則を適用すると分
かる
界面に高さ無限 小の長方形を考 え、Ampere- Maxwellの法則 を適用すると分 かる
完全導体による電磁波の反 射
cos( ) cos( )
1
) cos(
) cos(
0 0
0 0
t kz E
t kz Z E
H H
H
t kz E
t kz E
E E
E
r i
ry iy
y
r i
rx ix
x
z < 0 の領域を固有インピーダンス Z の媒質が占め、 x-y (z = 0) 平面を境 にして z > 0 の領域の完全導体と接しているとする。そこに、 x 方向に 電場ベクトルを有する角周波数 ω の正弦電磁波が、媒質中 (z < 0) から 導体界面に対して垂直入射する場合を考え、電場と磁場を入射波と反射波 の和として表せば、
0 z
完全導体 媒質 : Z
Erx
入射波 反射波 x
Hiy Eix
Hry
k は電磁波の波数
完全導体中への透過波は存在しないため、導体表 面即ち z = 0 において、 Ex = 0 であるから、
0 0
0 r
i E
E
従って、媒質中の電磁場は、
E kz t
t Z kz
E t
kz Z E
H
t kz
E t
kz E
t kz E
E
i i
i y
i i
i x
cos 2 cos
) cos(
) 1 cos(
sin sin
2 ) cos(
) cos(
0 0
0
0 0
0
反射波の磁界は -y 方向を向いてい る
となる。
完全導体による電磁波の反
射 反射端 ( 導体表面 ) 入射波 反射波 定在波 λ
定在波の節の位置 定在波の腹の位置
出展: http://www8.plala.or.jp/ap2/chishiki/teizaiha.html
電場の節
2
n k
z n (n = 0, 1, 2 ‥ )
磁場の節
2 2
1
n z
2 2
1
n z
電場の腹
2
n k
z n
磁場の腹
z = 0 z
(n = 0, 1, 2 ‥ )
(n = 0, 1, 2 ‥ )
(n = 0, 1, 2 ‥ ) 電場
電場の節は、 kz = nπ (n は整数 ) の関係から求められ、
受電端を短絡した場合に対応
参考
)
伝送線路の場合との比 較xs x=0
短絡 βx = 0
2
2
3
2 2
5
3
電圧 電流 全反射
0
t
4
t 2
t 4 3
t
t
定在波 送電端 Vs
x Z0
xs
Vx Ix Is
V0= 0 I0
x = 0
受電端 短絡 無損失線路 (α = 0)
t x
I I
t x
I Z V
x x
sin cos
cos sin
0 0 0
波の反射と定在 波
ωt = 0
2
4
4 3
λ
x
+x 方向に進行する波 反射波 反射端 定在波 = 進行波 + 反射波
電磁波の共振
平行平板共振器 (Fabry-Perot 共振器 )器
完全導体による平行平面で挟まれ た空間に存在する電磁波はどのよ うに表される ?
n = 1 n = 2 n = 3 完
全 導 体
完 全 導 体
z = 0 z = L
簡単のため、電磁波は x 方向の 電場ベクトルを有する正弦波とし
、 z = 0, L に位置する完全導体面 に対して、垂直に入射しているも のとする。
電界 Ex は、いつの瞬間においても完全導体表面でゼロとなる から、Ex Ei0 cos(kzt)Ei0 cos(kzt) 2Ei0sinkzsint
において、 z = 0, L において Ex = 0 となるためには、
t L z
E n
Ex n
sin
0 sin
(n = 1, 2, 3 ‥ )
2 n
よって、 L L (n = 1, 2, 3 ‥ )
k n
2 であるから、
?
電磁波の導波
平行平板による導波路 (Slab 導波路 )路
完全導体
完全導体
完全導体による平行平面で挟まれた空間に斜めに入射した電磁波は、図の ように反射を繰り返しながら伝搬していく。従って、電磁波の導波路とし て機能する。
電磁波の導波
平行平板による導波路 (Slab 導波路 )路
完全導体
完全導体 d
θ θ
k0 kg
このとき、導波路を伝搬している電磁波の自由空間における波数を k0 と すると、電磁波の伝搬方向での波数 kg は、 kg = k0 cosθ となる。また、
伝搬方向と垂直方向での波数を kt とすると、 kt = k0 sinθ となる。
完全導体による平行平面で挟まれた間隙に入射角度 θ で斜めに入射した 電磁波は、図のように導体表面で全反射を繰り返しながら伝搬していく。
kg = k0 cosθ kt
kt = k0 sinθ 従って、 k02 kg2 kt2
d: 導体間の間隙の距離
電磁波の導波
それぞれの波長との関係は、 k = 2π /λ 路より、
2 2
2 0
1 1
1
t
g
導波路を伝搬することが許されるのは、伝搬方向と垂直方向に対して定在波 条件つまり、 kt 2d = 2qπ (q は自然数 ) の関係が成立するときのみ。
即ち、 q d
t
2
q = 1 q = 2 完全導体
完全導体 d
θ θ
kt = k0 sinθ
q = 1 の時が、伝搬することが許される最低次のモードで、 λt = 2d となる。
λg は導波路内での波の伝搬方向の波長で、管内波長と言う
kt 2qπ
(q = 1, 2, 3, ‥‥ であり、モード番号という )
q = 3
この最低次のモードでは、波長 λ0 が長くなるにつれて、入射角度 θ が大きくなる。
λt λg
λ0
λ0 は自由空間での波長
電磁波の導波 路
完全導体
完全導体 d kt
kc = kt
2π q = 1 λt
従って、伝搬することが許される最も長い自由空間中での波長 λ0 を遮断 (Cutoff) 波長 λc と言い、
d
t q
c ( 1) 2
そして、 θ = π /2 となった時、電磁波の伝搬方向への波数 kg は kg = 0 つま り λg = ∞ となり、もはや電磁波は伝搬しなくなる。
t c
g
, 遮断波長においては、
の関係が成り立つ。
θ θ θ = π /2 となる。
導波管
x
y z
電磁波 ( 特にマイクロ波、ミリ波 ) の伝送には、図のような中空の金属導波 管が用いられることがある。
方形導波管 このような導波管内での電磁波の伝搬を以下で扱う。
導波管の中の電磁場が角周波数 ω で正弦波的に時間変化をする場合を考える。
2 0
2 2 2
2
z z
z k E
y E x
E
波動方程式 より、2 0
2 0
0
t
E E
1 0
2 2 2 2
2 2
2 2
2
t E c
z E y
E x
Ez z z z
つまり、 E(x,y,z) E0(x, y)ej(tz)
E の z 成分 Ez は、
従って、
ただし、 2 2
2
2
k c
: 伝搬定数 ( 複素数 )
( 教科書 p.223 12.8)
c は自由空間での光速度
また、導波管内を z 方向に伝搬定数 γ で伝搬すると仮定する。
導波管
x
y z
方形導波管
2 0
2 2 2
2
z z
z k H
y H x
H
同様に、磁波の波動方程式 より 2 0 H の z 成分 Hz は、
2 0
0
t
H H
Ez と Hz は全く同形で別々の微分方程式に従うことから、 Ez = 0 で Hz ≠ 0 の解と、 Ez ≠ 0 で Hz =0 の解が独立に存在し、一般解はこれらの解の重 ね合わせとして表せる。
Ez = 0 で Hz ≠ 0 の波を、電場成分が進行方 向に垂直なことから (Transverse Electric) TE 波、 Ez ≠ 0 で Hz =0 の波を磁場成分が 進行方向に垂直なことから (Transverse Magnetic) TM 波と呼ぶ。
ところで、 k = 0 の場合には となり、c
z 方向に光速で伝搬する電磁波が期待される。
この場合、 Ez = Hz = 0 であり、
(Transverse Electric Magnetic) TEM 波と
これは同軸ケーブルやレッヘル線の場合で、導波管では呼ぶ。 TEM 波での伝搬形態はない。
波の進行方向のベクトル成分を持たないこと
導波管
方形導波管
電磁場に対する境界条件は、導波管壁で E ・ t = 0 および H ・ n = 0 だから、
導波管の断面を x-y 面にとり、内部の辺長を a, b とする。
Hz = 0 の電磁波、 即ち TM 波について考え ると、 Ez に対する微分方程式の解は、
x
y z
0 b
a )
, 0 (
0
) , 0 (
0
b y
H E
E
a x
H E
E
y z
x
x z
y
t j z y j
k x k j
z Ae e e
E ( x y ) (A は定数 )
t j z j
z e e
b y n a
x A m
E sin sin
で与えられ、この場合の境界条件は、導体 壁 (x = 0, a; y = 0, b) で Ez = 0 となるから
、
(m と n は整数 )
2 2
2 2
2
2
b
n a
m
k c
従って、
(mn ≠ 0)
導波管
方形導波管の例 前式で、整数 m と n がいろいろな値をとれば、それに対応する電磁波の モードが導波管の中に存在する。
一般に、 TE 波に対応するモードを TEmn 、 TM 波に対応するモードを TMmn で表す。
電磁波が導波管の中を z 方向に伝搬するためには、伝搬定数 は実数であ る必要がある。
2 0
2 2
2 k
c
t j z j y z
k x k j
t j z y j
k x k j z
e e
e Ae
e e Ae
E
y x
y x
) (
) (
が実数でない、即ち とすると、 j
がゼロでなければ、これは z 方向に伝搬 するにつれて減衰する波となる。
従って、 z 方向に伝搬する電磁波が存在す るためには、
でなければならない。
導波管
従って、 = 0 のときには電磁波は伝搬できなく (Cutoff) なり、この時の ω の値 ωc は、
となる。
c c ck
c よりも波長の短い電磁波しか伝搬できない。
従って、遮断 (Cutoff) 波長は、
最長の遮断波長は、条件 mn ≠ 0 のもとで k を最小にする TM11 モードの場 合であり、この時の遮断波長は、
2
2 ( / )
) / (
2 2
2
b n a
k m c
f c
c c
c
c
(mn ≠ 0) となり、
2 2 (1/ ) )
/ 1 (
2
b
c a
となる。
一方、 TE 波の場合のカットオフ波長は、c 2bとなる。( ただし、 a < b)( 例題 12.6)
fc は、遮断 (Cutoff) 周波数と呼ばれている
電界 磁界 TM11 モードの電磁界分布
ところで、右の式で与えられる vp を、位相速度 (phase velocity) と
呼ぶ 2
2 2
2 2
1
c p
c c k
v
モードの分散関
方形導波管において、 TM11 モードの分散関係係 (ω とβ の関係 ) を図示すると
2 2
2
c c
β ω
ωc
より、下図のようになる
・ 遮断周波数 ωc においては、
群速度
d
vg d はゼロとなり、
エネルギーや情報としての電磁波 は伝わらない。
位相速度
vg は∞となる。
この傾きは光速度 c
位相速度は、常に光速度 c を超えている ところが、
・ 周波数が高くなると、群速度および 位相速度共に光速度 c に漸近する。
つまり、自由空間での伝搬形態に近くなる