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心 不 全 患 者 ( + チ ェー ンストー クス呼 吸 を 伴 う閉 塞 性 睡 眠 時 無 呼 吸 ) に対 す る ASV(adaptive servo-ventilation)の効果(110406)
心不全+睡眠時無呼吸の患者。後方病院の指示にて ASV で加療中。その効果について勉強し てみる。学生と一緒に抄読会。
その前に、文献 1 を読んで、ASV の基本事項を確認。(ごく簡単にまとめると、ASV は CPAP や BiPAP の弱点を補う、より自然で柔軟な呼吸を提供する賢い呼吸器というイメージだ)
慢性心不全に睡眠時呼吸障害の合併が多いことが知られている。
睡眠時呼吸障害として、睡眠中に起こる上気道の閉塞に起因する閉塞性睡眠時無呼吸と、
中枢性無呼吸低呼吸と換気量が漸増漸減するパターンの過呼吸とを周期的に繰り返すチェ ーンストークス呼吸が挙げられ、CHF 患者ではこれらが混在することが多い。
閉塞性睡眠時無呼吸のみの場合は持続気道陽圧:CPAP が有効であると考えられる。
チェーンストークス呼吸の場合、周期的に無呼吸低呼吸と過呼吸という相反する呼吸様式が 両極端に繰り返されることに加え、睡眠周期などによって閉塞性睡眠時無呼吸が混在するこ となどから、睡眠時呼吸障害すべてを改善させるのは困難である。
最近ではチェーンストークス呼吸のみならず、混在する閉塞性睡眠時無呼吸をも治療可能な 陽圧呼吸療法として ASV(adaptive servo-ventilation)というデバイスの有効性も報告された。
(ASV とは)これまでの bi‐level PAP と同様に吸気時気道陽圧(inspiratory positive airway pressure : IPAP) と呼気時気道陽圧(expiratory positive airway pressure : EPAP)を供給す るとともに、無呼吸時には設定した呼吸回数に応じてバックアップ換気を行うものである。
これに加え ASV は IPAP を設定した最大(IPAP max)から最小(IPAP min)の範囲で自動的に 調節し、その時に見合った圧支持(Pressure Support:PS;[IPAP]-[EPAP])を付加し、無呼 吸時には最大の PS を加え、過呼吸時には最小限の PS を加えるなどの自動調節が可能で ある。
さらに全くの無呼吸時のバックアップ換気も固定の呼吸回数に応じたものでなく、その時の呼 吸状態に合わせてバックアップの頻度や圧の加え方などを自動調節する。
(参考文献 1 より引用)
基本を押さえたところで、文献 2 を公式どおり読んでいく。
●PECO
P : patients with CHF with coexisting obstructive sleep apnea and Cheyne-Stokes
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devices during the 3-month study period
つまり、睡眠時無呼吸、チェーンストークス呼吸を伴ううっ血性心不全患者(NYHAⅡ以上、
EF50%未満)の患者に対して、ASV を施行すると、CPAP を施行する場合と比較して、3 ヵ月間の呼 吸イベント、心機能、機器へのコンプライアンスが改善するかどうかを検討した研究であることが 分かる。
真のエンドポイントかどうか微妙な部分もあるが、少なくとも臨床イベントや患者の症状と直結す るような指標なので改善の意義は少なくないと思う。
●妥当か
抄録中に randomly assigned とあるが、ITT 解析は行われていない。ただし、脱落は 1 例のみ。
結果を大きく左右するような脱落では無い。
One patient in the ASV group withdrew for personal reasons and failed to complete the trial, leaving 30 patients for complete analysis.
●結果
AHI は ASV 群でより減少している。また、LVEF も ASV 群で改善。脱落も少ないし、QOL も改善 しているようだ。
こうなると、CPAP との差は歴然と思う。
Although both devices decreased respiratory events, ASV more effectively suppressed respiratory events (ΔAHI [apnea-hypopnea index], −35.4±19.5 with ASV; −23.2±12.0 with CPAP, P<0.05).
Compliance was significantly greater with ASV than with CPAP (5.2±0.9 versus 4.4±1.1 h/night, P<0.05). The improvements in quality-of-life and left ventricular ejection fraction were greater in the ASV group (ΔLVEF [left ventricular ejection fraction], +9.1±4.7% versus +1.9±10.9%).
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心不全患者で、チェーンストークス呼吸を伴うような睡眠時無呼吸を認めたら、ASV を考慮した いと思う。
参考文献
1. 葛西隆敏.新しい陽圧呼吸 ASV(adaptive servo-ventilation) .CARDIAC PRACTICE, 20(1) : 27-34, 2009.
2. Kasai T, Usui Y, Yoshioka T, Yanagisawa N, Takata Y, Narui K, Yamaguchi T, Yamashina A, Momomura SI; JASV Investigators. Effect of flow-triggered adaptive servo-ventilation compared with continuous positive airway pressure in patients with chronic heart failure with coexisting obstructive sleep apnea and Cheyne-Stokes respiration. Circ Heart Fail. 2010 Jan;3(1):140-8.