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(1)

「宮崎市地震津波対策インフラ構想」

~安全・安心を未来につなぐ、緑と大地のスクラム構想~

(第1版)

平成25年10月

宮崎市

(大淀川河口から市街地を望む) 日向灘(太平洋) 大 淀 川 宮崎港

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≪目次≫

はじめに 災害に強い安全・安心なまちを目指して ・・・・・・・・・・・・・・・ 1 第1章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」策定の背景と目的等 1-1 構想策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1-2 構想の目的・役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1-3 「宮崎市地震津波対策インフラ 構想検討会」 ・・・・・・・・ 4 1-4 構想を取りまとめる上での基本的な条件等 ・・・・・・・・ 5 第2章 現状分析と問題・課題の整理 2-1 宮崎市の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (1)人口 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (2)土地利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 (3)建物分布 ・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (4)標高 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 (5)過去の地震津波記録 ・・・・・・・・・・・・12 (6)現在の宮崎市の地震・津波対策 ・・・・・・・14 2-2 分析・検討地区の類型化と地区区分 ・・・・・・・・・・・15 2-3 宮崎市における津波想定(L2津波) ・・・・・・・・・・18 (1)津波の想定 ・・・・・・・・・・・・・・・・18 (2)津波の挙動 ・・・・・・・・・・・・・・・・22 (3)津波による被害予測 ・・・・・・・・・・・・26 2-4 避難に時間を要するエリアの予測 ・・・・・・・・・・・・28 2-5 宮崎市の地震津波対策上の問題・課題 ・・・・・・・・・・30

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第3章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」に対する検討会の提言 3-1 目指すべき方向性について ・・・・・・・・・・・・・・・33 3-2 インフラが備えるべき機能について ・・・・・・・・・・・34 3-3 副次的・多重的な減災効果を考慮した津波対策について ・・34 3-4 対策のパターン及び減災効果について ・・・・・・・・・・35 3-5 インフラ整備のイメージについて ・・・・・・・・・・・・35 3-6 具体の対策事業について ・・・・・・・・・・・・・・・・35 3-7 宮崎市に望む今後の取り組み姿勢について ・・・・・・・・36 (参考) 検討会における委員からの主なご意見等 ・・・・・・・37 第4章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」 4-1 基本コンセプト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 4-2 導入を目指すインフラの機能 ・・・・・・・・・・・・・・42 (1)全体構想 ・・・・・・・・・・・・・・・・・42 (2)地域別構想 ・・・・・・・・・・・・・・・・45 4-3 副次的・多重的な減災効果を考慮した津波対策について・・・60 (1)対策と効果のイメージ ・・・・・・・・・・・60 (2)シミュレーション結果の例 ・・・・・・・・・61 4-4 対策パターンの想定及び減災効果の想定について ・・・・・63 (1)対策の実施パターン ・・・・・・・・・・・・63 (2)実施パターンによる減災効果の予測 ・・・・・66 4-5 インフラ整備のイメージについて ・・・・・・・・・・・・73 (1)方向性のイメージ ・・・・・・・・・・・・・73 (2)イメージ・パース ・・・・・・・・・・・・・74 4-6 具体的な対策事業の検討について ・・・・・・・・・・・・75 4-7 構想の実現に向けて(今後の検討体制と課題) ・・・・・・75 【資料編】 資料1 避難に時間を要すると予測される区域 ・・・・・・・・・・77 資料2 木造建築物の分布状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・79

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はじめに

~災害に強い安全・安心なまちづくりを目指して~

未曽有の大災害となった 2011 年 3 月の東日本 大震災は、防災に対する私たちの意識を根底から 覆す衝撃的な出来事でありました。 過去、宮崎市においても甚大な被害をもたらし た 1662 年の「外所(とんどころ)地震」につい ては、将来世代に警鐘を絶やさないという先人の 知恵により、50 年おきに供養碑を建てるという形 で受け継がれてきました。地震発生から約 350 年 の時を経て、現代に生きる私たちは、ある意味危 機感を失いつつあったのではないかと大いに反省をし、地震・津波災害に対する 備えについて改めて意を強くしたところです。 このような状況のもと、本市では東日本大震災以降、関係部局による「宮崎市 地震・津波対策推進会議」を立ち上げ、18 分野 64 施策(平成 25 年 5 月現在) に上る対策をとりまとめ、鋭意取り組んでいるところであり、特に平成 25 年度 からは「市民の命を守る事業」として、地震・津波等に対する総合防災対策に重 点的に取り組んでいます。また、国・県におかれましても、当面する課題に対す る施策を実施していただいております。 今回、このような取組みとも連携した地震津波対策に資するインフラ整備(ハ ード対策)のあり方について、効果的な対策となるよう、学識者のご意見を踏ま えた構想を取りまとめました。 長期にわたる経済の低迷や少子・超高齢社会を迎える今日、 国・県・市とも厳 しい財政状況にありますが、それでも避けて通れないのが防災対策であり、効率 的・効果的な対策の実施については、今後行政機関はもとより、市民や関係団体 等との連携が何よりも重要な課題となってまいります。 いかにして災害から「市民の命と財産」を守っていくのか、我々に課せられた 課題には大きなものがありますが、災害に強い安全・安心なまちづくりを目指す ため、それぞれの主体における英知を結集し、この構想の実現に向けてのご理解 とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 平成25年10月

宮崎市長

戸敷 正

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第1章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」

策定の背景と目的等

1-1 構想策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1-2 構想の目的・役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1-3 「宮崎市地震津波対策インフラ構想検討会」 ・・・・・・・・ 4 1-4 構想を取りまとめる上での基本的な条件等 ・・・・・・・・ 5

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第1章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」策定の背景と目的等

1-1 構想策定の背景 平成 23(2011)年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震(※以下「東日本 大震災」という。)では、これまでの想定をはるかに超えた巨大な地震・津波が 発生し、東北・関東地方の太平洋沿岸部に甚大な被害をもたらした。 東北・関東地方太平洋沿岸部は、明治 29(1896)年 6 月の明治三陸地震による津 波災害、昭和 8(1933)年 3 月の昭和三陸地震による津波災害など、過去に度重な る津波被害を被っており、地域防災計画の策定や防波堤の建設などの各種防災計 画の立案とその実践による防災対策が進められてきたが、それでも東日 本大震災 による地震・津波被害は甚大であった。これについては、想定を上回る規模の範 囲が震源域となったこと、特に防潮堤などのインフラによる防災対策が却って住 民の危機意識の低下を招いたこと等、様々な要因が指摘されている。 国は東日本大震災を受け、南海トラフ巨大地震の想定地震・津波を見直すため、 内閣府に「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(以下「内閣府モデル検討会」 という。)を立上げ検討に着手し、次いで平成 23 年 12 月には「津波防災地域づ くりに関する法律」(以下「法」という。)を制定し、発生すれば甚大な被害を もたらす最大クラスの津波に関しては、多種多様なハードとソフト施策の組み合 わせによる「多重防御による減災」に重きを置き、地域づくり・まちづくりの視 点も踏まえた対策に取り組んでいくこととされた。 その後、平成 24 年 8 月には「内閣府モデル検討会」が南海トラフ巨大地震に よる被害想定を、更に平成 25 年 2 月には法に基づき、宮崎県が南海トラフ巨大 地震と日向灘地震双方を考慮した「津波浸水想定」を公表したが、いずれも全国 最大クラスの浸水域になることが想定されるに至った。 ※ 東 日 本 大 震 災 は 、 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 と そ れ に 伴 っ て 発 生 し た 巨 大 津 波 、 及 び そ の 後 の 余 震 に よ り 引 き 起 こ さ れ た 大 規 模 地 震 災 害 の 総 称 で あ る 。 1-2 構想の目的・役割 本市では、東日本大震災以降ソフト対策を中心に、様々な地震・津波対策を検 討・推進されてきたが、インフラ整備(ハード対策)については、市としての地 震・津波対策の指針となるべきものがなく、今後の地震津波対策に係る総合的な インフラ整備の方向性が不明確であった。 このため、「宮崎市地震津波対策インフラ構想検討会」を立ち上げ、宮崎市の 地形や都市機能の分布状況、都市活動を支える様々なインフラ及び公共施設等の 整備・立地状況等を踏まえ、市域全体を俯瞰する「マクロの視点」から、地震津 波対策に資するインフラ整備に関する提言を取りまとめていただき、これを受け、 今後のインフラ整備に関する関係機関等との協議・調整、あるいは国・県への要

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望・提案のベース(土台)となる基本的な構想(以下、「インフラ構想」又は「構 想」という。)を策定したものである。 1-3 「宮崎市地震津波対策インフラ構想検討会」 インフラ構想に対するご提言をいただくため、以下のように「宮崎市地震津波 対策インフラ構想検討会」を組織した。 ◆表1:委員構成 氏 名 役 職 専 門 岡 村 眞 高知大学総合研究センター 特任教授 地震地質学 千 田 昇 大分大学 名誉教授 地形学 塚 原 健 一 九州大学大学院工学研究院 教授 防災計画学 ◎出 口 近 士 宮崎大学工学部 教授 地域・都市計画学 村 上 啓 介 宮崎大学工学部 准教授 水工学 (◎委員長、五十音順) ≪検討会開催の経緯≫ ○第1回検討会 平成 25 年 3 月 27 日 ○第2回検討会 平成 25 年 6 月 3 日 ○第3回検討会 平成 25 年 7 月 18 日(最終) ◆写真1:検討会の開催状況

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1-4 構想を取りまとめる上での基本的な条件等 今回の構想は、以下のような基本的な条件のもと検討を行うこととした。 津波高は、東日本大震災以前の中央防災会議及び県想定の波源モデルを 基に、現在の宮崎市津波ハザードマップで 示されている津波高とし、最 大 約 5m と す る 。 マ グ ニ チ ュ ー ド は 「 宮 崎 県 地 震 被 害 想 定 調 査 報 告 書 (H9.3)」 及び「宮 崎 市防災アセ スメン ト 調査報告書 (H15.3)」に基づ き 日向灘南部を震源とする 7.5 とする。 ※正式なL1津波高が示されていないため、今後、新たなL1津波高 が公表された場合には、その津波で再検証を行う。 (1)L1津波⇒東日本大震災発生以前に、宮崎市の対策の対象とされてき た地震・津波とする。 (2)L2津波⇒宮崎県が設定した地震・津波( H25.2.13 公表)とする。 1 検討の対象とする地震・津波の規模 (1)L1津波⇒人命の保護に加え・財産の保護、地域経済活動の安定化、 効率的な生産拠点の確保 (2)L2津波⇒住民等の生命を守る事を最優先として、住民等の避難を軸 に、避難のし易さの確保や、被災後の迅速な被災地支援、 復旧・復興等までも含めた、ハード・ソフト両面の施策を 柔軟に組み合わせた「多重防御」 2 対策の考え方 注:中央防災会議に設置された「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に 関する専門調査会」の報告によれば、今後の津波対策は、「あらゆる可能性を考慮 した最大クラスの津波(以下、「L2津波」又は単に「L2」という。)」と「発 生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波(以下、「L1津波」 又は単に「L1」という。)」に区分して対策を検討することとされた。

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第2章 現状分析と問題・課題の整理

2-1 宮崎市の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (1)人口 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (2)土地利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 (3)建物分布 ・・・・・・・・・・・・・・・・・10 (4)標高 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 (5)過去の地震津波記録 ・・・・・・・・・・・・12 (6)現在の宮崎市の地震・津波対策 ・・・・・・・14 2-2 分析・検討地区の類型化と地区区分 ・・・・・・・・・・・15 2-3 宮崎市における津波想定(L2津波) ・・・・・・・・・・18 (1)津波の想定 ・・・・・・・・・・・・・・・・18 (2)津波の挙動 ・・・・・・・・・・・・・・・・22 (3)津波による被害想定 ・・・・・・・・・・・・26 2-4 避難に時間を要するエリアの予測 ・・・・・・・・・・・・28 2-5 宮崎市の地震津波対策上の問題・課題 ・・・・・・・・・・30

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第2章 現状分析と問題・課題の整理

2-1 宮崎市の現状 (1)人口 ①人口推計 第4次宮崎市総合計画において、本市の人口は、平成 24 年の約 40.2 万人か ら、平成 34 年には約 39.6 万人(減少率 1.5%)に減少すると予測されている。 災害時要援護者となる可能性が高い老年人口( 65 歳以上の人口)は、平成 24 年の約 8.9 万人から、平成 34 年には約 11.6 万人(増加率 29.8%)に増加する 見込みである。また、災害時において、救援・ 救護活動に参加することが望ま れる生産年齢人口( 15 歳以上~65 歳未満の人口)については、平成 24 年に約 25.5 万人から、平成 34 年には約 22.7 万人(減少率 10.8%)に、更に年少人口 (15 歳未満の人口)も、平成 24 年の約 5.9 万人から、平成 34 年には約 5.4 万 人(減少率 8.6%)に減少する見込みである。 以上により、本市においては、災害時要援護者となる可能性の高い老年人口 の人口構成割合が増加する傾向にあるとともに、現在の救援・救護活動に参加 することが望まれる生産年齢人口及び次世代の救援・救護活動に参加する こと が望まれる年少人口が減少する傾向にあることを、これからの地震津波対策に は留意する必要がある。 ◆表2:宮崎市の人口推計 年 次 H 24 年 増 減 H24→ H29 H 29 年 ( 推 計 ) 増 減 H29→ H34 H 34 年 ( 推 計 ) 増 減 H24→ H34 総 数 402,436 -0.3% 401,280 -1.2% 396,438 -1.5% 年 少 人 口 58,658 -3.8% 56,423 -5.0% 53,602 -8.6% ( ~ 14 歳 ) 構 成 比 14.6% -0.5 14.1% -0.6 13.5% -1.1 生 産 年 齢 人 口 254,621 -6.4% 238,306 -4.7% 227,066 -10.8% ( 15 歳 ~ 64 歳 ) 構 成 比 63.3% -3.9 59.4% -2.1 57.3% -6.0 老 年 人 口 89,157 19.5% 106,551 8.7% 115,770 29.8% ( 65 歳 ~ ) 構 成 比 22.1% 4.4 26.5% 2.7 29.2% 7.1 う ち 75 歳 以 上 人 口 (45,161) 14.6% (51,763) 13.1% (58,560) 29.7% 構 成 比 11.2% 1.7 12.9% 1.9 14.8% 3.6 単 位 : 人 備 考:基 準 人 口 を 平 成 24 年 10 月 1 日 現 在 の 現 住 人 口 と し 、同 時 点 の 住 民 基 本 台 帳 人 口( 5 歳 階 級 別 人 口 )、 国 立 社 会 保 障 ・ 人 口 問 題 研 究 所 発 表 資 料 等 を 基 に コ ー ホ ー ト 要 因 法 に よ り 推 計 。 平 成 24 年 の 区 分 別 人 口 は 、 同 年 10 月 1 日 現 在 の 現 住 人 口 と 住 民 基 本 台 帳 人 口 の 総 数 の 比 率 を 、 住 民 基 本 台 帳 人 口 の 区 分 別 人 口 に 乗 じ て 推 計 。

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②人口分布 本市の 100mメッシュの人口分布状況は図1のとおり。 本市においては大淀川沿いに居住人口が集中している。 大淀川以北では、国道 10 号沿線の佐土原町から住吉、花ヶ島地区にかけて、 また、宮崎神宮や県総合文化公園が立地する平地周辺に比較的居住人口が多い。 大淀川以南では、宮崎空港周辺及び国道 220 号西側に比較的居住人口が多い。 清武川から加江田川においては、学園木花台を中心に比較的居住人口が多い。 加江田川以南では、日向灘沿岸部に比較的居住人口が少なくなっており、青 島・こどものくに周辺では比較的居住人口が多く、青島以南においては日向灘 沿岸部に比較的居住人口の少ない地区が分散している。 津波による浸水が想定されている地域で人口分布が多いのは、大淀川河口・ 宮崎港周辺、八重川周辺、青島の一部となっている。 ◆図 1:人口分布(推計) 宮崎 神 宮 一 ツ 瀬 川 石 崎 川 大淀 川 清 武 川 加 江 田 川 青 島 宮 崎 空 港 宮 崎 港

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(2)土地利用 本市には、宮崎広域都市計画区域(線引き)及び田野都市計画区域(非線引き) が設定されており、市中心部から同心円状に拡大した市街化区域と、合併前の旧 市町村の中心地に飛び地状の市街化区域が設定されている。 土 地利 用 の状況を 見 ると、 大 淀川沿 い 、石崎 川沿い、清 武川沿 い南、国道 10 号沿線に住宅用地を中心とした市街地が広がっており、さらに加江田川南から青 島周辺にかけて住宅用地が広がっている。また、青島以南においては、旧漁村集 落と考えられる住宅用地が分布している。 商業用地は、主に橘通り周辺、国道 10 号沿線、青島周辺に分布しており、宮崎 港近辺には大規模商業施設が立地している。 工業用地については、 宮崎港・宮崎空港とい った重要物流拠点周辺 に分布している。 宮崎港周辺を除く、 日向灘沿岸部において は、松林を中心とした 保安林が連続しており、 宮崎市らしい景観を形 成している。 津波による浸水が想 定されている区域の主 な農地については、一 ツ瀬川右岸、宮崎空港 南の国道 220 号沿線、 加江田川左岸等がある。 津波による浸水が想 定されている地域で都 市的土地利用が多いの は、大淀川河口・宮崎 港周辺、八重川周辺、 青島周辺となっており、 その他の海岸付近は山 林・農地等となってい る。 ◆図2:土地利用現況 一 ツ 瀬 川 石 崎 川 大淀 川 清 武 川 加 江 田 川 青 島 宮 崎 空 港 宮 崎 港

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(3)建物分布 本市の建物分布状況は図3のとおり。 分布状況を見ると、大淀川周辺、石崎川周辺、住吉地区、花ヶ島地区などの 国道 10 号沿線や、宮崎神宮・県総合文化公園周辺に多い。 また、大淀川以南では、宮崎空港北側、県道中村木崎線沿線東側に建物が多 い。木花地区については、JR 木花駅周辺や学園都市、青島地区では青島漁港 周辺が多くなっている。 津波による浸水が想定されている地域で建物が多いのは、人口分布と同様、 大淀川河口・宮崎港周辺、八重川周辺、青島の一部となっている。 ◆図3:建物の分布(無壁舎を除く) 一 ツ 瀬 川 石 崎 川 大淀 川 清 武 川 加 江 田 川 青 島 宮 崎 空 港 宮 崎 港 宮崎 神 宮

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(4)標高 本市の標高は、沿岸部周辺及び日向灘に直流する河川の河口周辺は低く、西側 に行く程高くなっており、市街地の中心部は概ね 3~10mとなっている。 特に標高が低いのは、一ツ瀬川・大淀川河口(右岸)、宮崎港西側、国道 220 号南バイパス周辺(本郷南方、郡司分)、県総合運動公園周辺が 3m未満となっ ている。石崎浜から一ツ葉海岸にかけて、また、赤江海岸周辺は概ね 10m以下の 帯状の丘陵地となっている。佐土原町石崎浜から一ツ葉海岸のうち、一ツ葉有料 道路の北側から山崎町にか けては、前記丘陵地の背後 に 沿 う よ う に 10~20m以 下、所によっては 20m超の 丘陵が連なっており、また、 同様に佐土原町市街地の東 側にも、帯状の 10~20m以 下の丘陵地があり、津波防 災上極めて重要な地形を有 している。 その他の海岸部について は、青島市街地が 3~5m以 下となっている。 日南海岸沿いは、大部分 が海岸線から急勾配に競り 上 が っ た 20m 超 の 山 地 と なっており、平地は少ない ものの、人家が立地してい る平地は 5m以下が多くな っている。 石 崎 川 ◆図4:宮崎市標高概要図 一 ツ 瀬 川 青 島 宮 崎 空 港 清 武 川 加 江 田 川 大淀 川 宮 崎 港

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(5)過去の地震津波記録 県内の主な地震・津波に関する主な記録は以下のとおり。 年 月 日 ・時 刻 震 源 地 規 模 被 害 概 況 1662 年 10 月 31 日 ( 寛 文 2 年 9 月 20 日 ) 午 前 0 時 頃 ( 外 所 地 震 ) 日 向 ・ 大 隅 ・ 北 緯 : 31.7° ・ 東 経 : 132.0° M=7.6 佐 土 原 で 城 破 損 、潰 家 800 余 、死 多 少( 推 定 震 度 6 強 )。別 府 湊 で 破 船 10 余 隻 、穀 類 約 6,000 潮 に 濡 れ る 。日 向 那 珂 郡 の 沿 岸 7 ヶ 村 、 周 辺 約 32km の 田 畑 8,500 石 余 の 地 没 し て 海 と な る 。 青 島 付 近 で 約 1m 地 盤 が 沈 下 。 宮 崎 沿 岸 で の 津 波 の 高 さ は 4~ 5m。 死 者 15 名 。 赤 江 村 は 津 波 の 被 害 を 受 け た た め 、 田 吉 村 に 移 っ た 。 加 江 田 神 社 が 海 没 し た た め 、 現 在 の 車 坂 地 内 に 移 さ れ た 。 堀 切 峠 で 山 崩 れ が 発 生 。 1707 年 10 月 28 日 ( 宝 永 4 年 10 月 4 日 ) ( 宝 永 南 海 道 地 震 ) M=8.6 堤 防 2,200 間 破 損 、 潰 家 410、 半 潰 335、 死 1、 田 畑 に 潮 入 る 。 津 波 高 さ 2 m 1769 年 8 月 29 日 明 和 6 年 7 月 28 日 日 向 ・豊 後 、 肥 後 (豊 後 水 道 ) ・ 北 緯 32.3° ・ 東 経 132.0° M=7.4 七 ッ 時 大 地 震 、村 角 町 、北 中 4 軒 程 崩 れ る 。南 中 2 軒 、其 外 北 中 稍 々 く ず れ 、 村 角 に て 前 代 未 聞 と 沙 汰 す 。 1854 年 12 月 23 日 ( 寛 永 7 ( 安 政 1 ) 年 11 月 4 日 ) 安 政 東 海 地 震 東 海 ・ 東 山 ・ 南 海 諸 道 ・ 北 緯 : 34.0° ・ 東 経 : 137.8° M= 8.4 宮 崎 郡 で 潰 家 11、 半 壊 210、 役 所 向 破 損 、 橋 損 傷 10、 山 崩 れ 7 1854 年 12 月 24 日 ( 寛 永 7 ( 安 政 1 ) 年 11 月 5 日 ) 安 政 南 海 地 震 畿 内・東 海・東 山・北 陸・ 南 海 ・ 山 陰 山 陽 道 ・ 北 緯 : 33.0° ・ 東 経 : 135.0° M=8.4 1931 年 11 月 2 日 ( 昭 和 6 年 ) 午 後 7 時 03 分 日 向 灘 ・ 北 緯 : 32.25° ・ 東 経 : 132.63° M=7.1 震 度 5 。 宮 崎 ・ 都 城 ・ 佐 土 原 ・ 生 目 な ど で 被 害 が 大 き く 、 死 者 1 、 負 傷 者 29、全 壊 家 屋 4、半 壊 家 屋 10、 破 損 家 屋 46、 橋 梁 破 損 5、 地 割 れ 、 道 路 損 壊 、 山 滑 り 、 地 滑 り 。 ( 数 字 は 県 全 域 ) 1939 年 3 月 20 日 ( 昭 和 14 年 ) 午 後 0 時 22 分 日 向 灘 ・ 北 緯 : 32.28° ・ 東 経 : 131.97° M=6.5 宮 崎 県 で 死 者 1、 傷 1、 家 屋 半 壊 1、煙 突 倒 壊 3、道 路 崩 壊 7、小 津 波 あ り 。 1941 年 11 月 19 日 ( 昭 和 16 年 ) 午 前 1 時 46 分 ( 日 向 灘 沖 地 震 ) 日 向 灘 ・ 北 緯 : 32.02° ・ 東 経 : 132.08° M=7.2 最 大 震 度 5 。 宮 崎 で は ほ と ん ど の 家 の 壁 に 亀 裂 や 剥 落 が 見 ら れ 、 煉 瓦 煙 突 も 1 本 倒 れ た 。 津 波 が 日 向 灘 沿 岸 を 襲 っ た が 最 大 の 波 の 高 さ 1m( 細 島 ・ 青 島 ・ 宿 毛 ) で 船 舶 に 若 干 の 被 害 ( 青 島 で 漁 船 3~ 4 隻 転 覆 ) が あ っ た 程 度 1946 年 12 月 21 日 ( 昭 和 21 年 ) 午 前 4 時 19 分 南 海 地 震 南 海 道 沖 ・ 北 緯 : 33.03° ・ 東 経 : 135.62° M=8.0 宮 崎 県 で 傷 1、 住 家 半 壊 1、 非 住 家 半 壊 2、家 屋 浸 水 265、船 舶 損 失 2、 道 路 損 傷 2、 橋 梁 損 傷 3。 高 潮 ・ 津 波 で 内 海 沿 岸 に 被 害 ◆表3:県内の主な地震津波に関する記録

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年 月 日 ・時 刻 震 源 地 規 模 被 害 概 況 1961 年 2 月 27 日 ( 昭 和 36 年 ) 午 前 3 時 10 分 日 向 灘 ・ 北 緯 : 31.36° ・ 東 経 : 131.51° M=7.0 震 度 5 。 大 淀 川 の 国 鉄 鉄 橋 の け た が ず れ 、 レ ー ル は 曲 が り 、 橘 橋 に も ひ び が 入 っ た 。 宮 崎 飛 行 場 の 滑 走 路 に 亀 裂 。地 震 後 小 津 波 あ り( 油 津 34cm、 細 島 45cm) 1968 年 4 月 1 日 ( 昭 和 43 年 ) 午 前 9 時 42 分 1968 日 向 灘 地 震 日 向 灘 ・ 北 緯 : 32°17′ ・ 東 経 : 132°32′ M=7.5 被 害 の 大 き か っ た の は 、 高 知 ・ 愛 媛 の 両 県 で あ る が 、 宮 崎 県 も 被 害 を 受 け て い る 。 宮 崎 県 の 被 害 は 、 負 傷 者 7 、 家 屋 一 部 破 損 1、 道 路 破 損 8、 山 崩 れ 6、船 舶 沈 没 破 損 1 と な っ て い る 。 津 波 の 検 潮 記 録 に よ る 最 大 全 振 幅 は 細 島 工 業 港 198cm、 同 商 業 港 132cm 、 蒲 江 240cm 、 佐 伯 65cm、油 津 66cm、延 岡 27cm で あ る 。 津 波 の 実 測 に よ る 高 さ は 、 土 々 呂 港 1.01m、 北 浦 村 0.78m、 細 島 工 業 港 0.94m、 同 商 業 港 1.20m 1970 年 7 月 26 日 (昭 和 45 年 ) 午 前 7 時 41 分 宮 崎 県 沖 ・ 北 緯 32°04' ・ 東 経 132°02' M=6.7 西 日 本 一 帯 で 人 体 に 感 ず る 強 い 地 震 が 起 こ り 、 特 に 宮 崎 市 で 震 度 が 強 く 、 震 度 5。 起 こ っ た の が 日 曜 日 の 朝 で あ っ た た め 、 家 に い る 人 が 多 く 、 戸 外 に 飛 び 出 す 際 に 転 倒 す る な ど の 負 傷 者 12、 道 路 決 壊 1、 山 が け く ず れ 1。 (宮 崎 署 管 内 ) 1984 年 8 月 7 日 ( 昭 和 59 年 ) 午 前 4 時 06 分 日 向 灘 ・ 北 緯 : 32°22.8′ ・ 東 経 : 132°09.3′ M=7.1 傷 6、 建 物 一 部 破 損 29 棟 、 道 路 損 壊 3 ヵ 所 、 山 ( 崖 ) 崩 れ 12、 鉄 道 被 害 2 津 波 の 高 さ は 延 岡 の 18cm が 最 大 1987 年 3 月 18 日 ( 昭 和 62 年 ) 午 後 0 時 36 分 日 向 灘 ・ 北 緯 : 32°58.2′ ・ 東 経 : 132°03.8′ M=6.6 宮 崎 県 で 死 1、 重 傷 1、 軽 傷 5、 落 石 に よ る 鉄 道 不 通 2 ヵ 所 、道 路 不 通 ま た は 通 行 規 制 33 ヵ 所 、 水 道 損 18 ヵ 所 、 ガ ス 損 傷 3 戸 、 ブ ロ ッ ク 塀 等 損 18 ヵ 所 、 建 物 損 354 ヵ 所 ◆写真2:先人の知恵~「外所地震」を 50 年毎に伝える供養碑 (木花島山地区~最新は 2007 年、7 基目)

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(6)現在の宮崎市の地震・津波対策 現在の本市の地震・津波対策は以下のとおり。なおハード対策を で示す。 (1)地域防災計画 ①地域防災計画の見直し ①防災アセスメント事業 ②津波防災地域づくり法に基づく推進計画の検討 ①住民への啓発 ②津波避難所(平成25年5月以降は「津波避難ビル」)の周知 ③標高表示 ④避難所等への案内標識の設置 ⑤津波ハザードマップの作成(新規) ⑥小・中学校の防災教育の取組の充実 ⑦企業への啓発 ①総合防災訓練の実施(新規) ②各地域における避難訓練等の計画・実施の支援 ③福祉施設等における津波防災計画策定及び避難訓練実施の促進 ①市防災メールの登録拡大 ②携帯電話会社による緊急情報メールの導入 ③緊急放送 ④同報系防災行政無線(新規) ⑤災害時のホームページの代理掲載 ①デジタルMCA無線の設置(新規) ②PHS電話機等の配備 ③消防局における情報伝達の改善 ①要援護者の把握 ②要援護者に対する防災知識の普及啓発 ③要援護者防災行動マニュアル ④地域における要援護者避難支援 ⑤家具の転倒防止 ⑥災害時における外国人への情報伝達(提供) ①自主防災組織の結成の促進 ②自治会・自主防災組織との連絡体制の構築 ③自主防災組織への支援等 ④地域防災リーダーの育成支援(新規) ⑤災害ボランティア養成・スキルアップ支援(新規) ①指定避難所の整理 ②津波避難所(平成25年5月以降は「津波避難ビル」)の協定締結 ③津波避難所(平成25年5月以降は「津波避難ビル」)の夜間・休日における開錠の 問題や施設を破損した場合の対応 ④県の津波浸水想定に伴う津波避難所(平成25年5月以降は「津波避難ビル」)等の 再設定に係る基本方針の改訂 ⑤拠点となる避難所の検討 ⑥福祉避難所の指定 ⑦避難所の身体障がい者用災害時仮設トイレの配置 ①津波避難困難地区の抽出及び避難対策の検討(新規) ②地震発生時の一時避難場所、広域避難場所としての公園整備(新規) ③耐震診断及び耐震改修補助 ④市立小・中学校の屋上へ避難するための整備 ⑤保育所耐震診断(新規) ⑥市総合発達支援センターの避難階段設置(新規) ①津波避難経路等の整備支援 ②通学路等におけるブロック塀の改善 (4)備蓄品の確保 ①備蓄品(食料等)の見直し(新規) (1)構想策定 ①地震津波対策インフラ構想の策定 ①水道管の耐震化 ②下水道の耐震化 ③災害時協力井戸の登録(新規) ①急傾斜地の点検 ②農業用ため池の整備 ①本庁舎の電気設備の改修 ②佐土原総合支所の耐震補強 ③水門整備 ①業務継続計画(BCP)の策定 ②受援計画 ①住民情報システム等のバックアップデータの保管の見直し ②災害時の医療体制 ③遺体の身元確認体制の強化 ④被災者支援システム ⑤災害時の保護者不明の動物保護 ※下線部分   は、平成25年度「市民の命を守る事業」として予算措置されているもの。 (2)行政内の情報伝達 4 地域で取り組む防災対策 (1)要援護者対策 (2)自主防災組織の充実 7 復旧・復興対策 (1)復旧体制の整備 (2)市民への対応体制整備 1 防災に関する計画の策定 2 防災意識醸成 3 情報伝達 (2)推進計画等 (1)啓発 (2)訓練 (1)市民への情報伝達 6 災害に備えた施設等整備 (2)ライフラインの確保 (3)危険箇所の整備・点検 (4)公の施設の整備 (2)一時避難所の確保・整備 (3)避難路の整備 5 避難所・場所の整備 (1)避難所の確保 ◆表4:東日本大震災を踏まえた宮崎市の地震・津波対策 (出 典 :平 成 25 年 5 月 宮 崎 市 地 震 ・ 津 波 対 策 推 進 会 議 )

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2-2 分析・検討地区の類型化と地区区分 本構想において分析・検討を行うにあたり、本市沿岸部のL2津波によって浸 水が想定される地域を、標高・河川の有無等の地形条件、市街地・集落地・観光 地等の地域特性により類型化を行い、下図のように地区区分を行った。地区類型 については、次ページのとおり。 C-1 C-2 B-1 A-1 A-2 C-3 C-4 B-2 D-1 D-2 ◆図5:地区類型・区分

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A 分類:臨海・流域市街地 【地区概況】 臨海部及び大・中規模の河川流域に広がる市街地。 部分的に人口密度の低い農村集落も散在するが、一般に人口密度の高い市 街地が形成されており、住居だけでなく、商業、業務、工業系施設等が集積 しており、堅牢・高層の建物も比較的多く立地している。 また、宮崎港及び宮崎空港をはじめとする交通結節機能や教育施設、下水 処理場など、重要な公共施設も多く立地しており、広域幹線道路のみならず、 生活道路についても密度及び整備水準が比較的高い地区である。 ≪地区区分≫ ①A-1地区(宮崎港周辺) ②A-2地区(宮崎空港周辺) B 分類:臨海リゾート地 【地区概況】 宮崎市の観光資源が多く立地する地域で、海岸景観を象徴する松林や海浜 が広がる。 このため、現地の地理に不案内な人々も比較的多いと推測される。人口密 度はさほど高くない地域である。 ≪地区区分≫ ①B-1地区(阿波岐原) ②B-2地区(青島)

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C 分類:臨海・流域集落地 【地区概況】 臨海部及び大・中規模の河川流域に広がる集落地。 一部、住宅市街地も形成されているが、主に農村集落となっており、農業 系土地利用が主体となっている地区である。 幹線道路及び生活道路とも密度及び整備水準は低い。また、堅牢・高層の 建物はほとんど見られず、低層の建物が多い。 ≪地区区分≫ ①C-1地区(一ツ瀬川河口周辺) ③C-3地区(南バイパス周辺) ②C-2地区(石崎川河口周辺) ④C-4地区(清武川・加江田川周辺) D 分類:臨海漁村集落地 【地区概況】 臨海部の主に漁村集落地。 水産業が比較的盛んであり、平地は少なく、狭い区域に低層の住宅が固ま るように立地しており、高齢化が著しい地区である。堅牢・高層建物はほと んどない。 幹線道路は国道1本のみであり、背後地は急峻な山地となっている。 ≪地区区分≫ ①D-1地区(青島漁港・白浜周辺) ②D-2地区(内海以南)

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2-3 宮崎市における津波想定(L2津波) (1)津波の想定 ①浸水域 平成24年8月に内閣府が公表した南海トラフ巨大地震の被害想定に、日向 灘で発生する地震を加味し、平成25年2月に宮崎県が公表した「津波浸水想 定」(L2)において、本市は全国トップクラスの 4,010ha が浸水すると予測 されている。(内閣府想定では 3,710ha) 概況としては、人口や各種都市機能 が集積している大淀川河口周辺は、概ね 2~5mの浸水が想定されている。 また、青島以南では概ね 5~10mと浸水深が深くなっており、最大は白浜で は 10~20mと想定されている。 なお、県の津波浸水想定は、内閣府のモデルと県独自モデルのそれぞれの浸 水域を重ね合わせ、最も大きい浸水深を採ったものである。 ◆表5:L2再現シミュレーション実施条件 県の津波想定再現シミュレーション実施条件 ●潮位:朔望平均満潮位 ●河川水量:平水位、または宮崎沿岸の朔望平均満潮位 ●地盤高:地震による地盤沈下を考慮(80 ㎝) ●構造物の取り扱い 構造物 種 類 条件 護岸 耐震や液状化に対する技術的評価結果が無ければ、構造 物無し。 越流時に破壊される。 堤防 耐震や液状化に対する技術的評価結果が無ければ、堤防 高を地震前の 25%の高さする。 越流時に破壊される。 防波堤 耐震や液状化に対する技術的評価結果が無ければ、構造 物無し。 越流時に破壊される。 道路・鉄道 地形として取り扱っている。 水門等 耐震性を有し自動化された施設、常時閉鎖の施設等以外 は開放状態として取り扱う。 建築物 建物の代わりに津波が遡上する時の摩擦(粗度)を設定。

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◎市役所 ●県庁 ◎ ● 一 ツ 瀬 川 石 崎 川 大淀 川 清 武 川 加 江 田 川 青 島 宮 崎 空 港 宮 崎 港 ◆図6:宮崎県津波浸水想定(H25.2.13)

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②沿岸部における最大津波高 県の津波浸水想定では、地域別の詳細の津波高は公表されていない。(平成 25 年 9 月 30 日現在) 本市が同条件による再現シミュレーションを 行った結果、本市沿岸における 最大津波高は、概ね 6m~11m であり、宮崎港内の一部で 3m~6m となった。 なお、県の津波浸水想定では、本市における最大津波高は約 16m とされてい るが、今回の再現シミュレーションにおいては、白浜以南地区で 15m 以上にな るとの予測結果となった。 ◆図7:沿岸部の最大津波高 一 ツ 瀬 川 大淀 川 石 崎 川 清 武 川 加 江 田 川 宮 崎 港 宮 崎 空 港 青 島

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③沿岸部における津波到達時間 県の津波浸水想定では、地域別の詳細の津波到達時間は公表されていない。 (平成 25 年 9 月 30 日現在) 本市が同条件による再現シミュレーションを行った結果、本市沿岸における 津波到達時間は、概ね 25 分~35 分となった。 県の津波浸水想定では、本市における最短津波到達時間は約 18 分となって いるが、本市が行った再現シミュレーションにおいては、小内海地区沿岸と予 測された。 約 1 8 分 一 ツ 瀬 川 石 崎 川 宮 崎 港 大淀 川 宮 崎 空 港 清 武 川 加 江 田 川 青 島 約 2 5 分 約 2 5 分 約 2 5 分 約 2 3 分 約 2 2 分 ◆図8:沿岸部の津波到達時間

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(2)津波の挙動 津波対策を検討する上では、津 波の挙動を把握・理解することが 不可欠である。以下に本市が行っ た県の津波浸水想定の再現シミュ レーションに基づく津波の挙動の 概要を取りまとめる。 ①淀川河口周辺 (A1・A2・B1地区) 大淀川河口周辺では、沿岸に押 し寄せた津波が、大淀川を遡上し ながら堤防を超え浸水域を拡大し ていく。 宮崎港周辺については、港口か ら侵入した津波が新別府川を遡上 しながら堤防を超えるとともに、 東西の埠頭岸壁を超えて浸水域を 拡大していく。 空港周辺では、滑走路北側の保 安林を超え、更に滑走路埋立部か ら進入した津波が滑走路およびそ の北側の市街地に浸水域を拡大していく。 なお、図中の矢印は津波の速さと向きを表している。 ◆図9:大淀川河口周辺の津波の挙動 (地震発生後 35 分後) 日向灘 ◆写真3-2:宮崎空港周辺 宮崎空港 大淀川→ 宮 崎 港 大 淀 川 宮 崎 空 港 大淀川→ 宮崎港 日向灘 ◆写真3-1:大淀川河口周辺

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②清武川・加江田川河口周辺 (C3・C4地区) 清武川・加江田川河口周辺では、 沿 岸 に 押 し 寄 せ た 津 波 が 、 清 武 川・加江田川を遡上しながら堤防 を超え浸水域を拡大していく。特 に木花地区(県総合運動公園周辺) については、河川を越えた津波が 南北から押し寄せる。 海 岸 か ら も 保 安 林 を 超 え て 浸 水 してくるが、浸水としては、河川 からの越流津波による影響が大き い。 なお、図中の矢印は津波の速さ と向きを表している。 ◆図 10:清武川・加江田川河口周辺の津波 の挙動(地震発生後 35 分後) 清 武 川 加 江 田 川 宮 崎 県 総合 運 動 公 園 清武川 加江田川→ 日 向 灘 ◆写真4:清武川・加江田川河口周辺

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③一ツ瀬川・石崎川河口周辺 (C1・C2・B1地区) 一ツ瀬川河口周辺では、一ツ瀬 川から流入した津波が遡上しなが ら堤防を超え浸水域を拡大してい く。また、一部は海岸保安林を超 えて流入してくる。 石崎川河口周辺では、海岸保安 林を超えて津波が流入し、一部は 石崎川堤防を越え左岸部に拡大し ていく。また、石崎川を遡上した 津波が堤防を超え、市街の一部に 流入する。 なお、図中の矢印は津波の速さ と向きを表している。 一ツ瀬川 佐土原浄化 センター 石崎川 ◆図 11:一ツ瀬川・石崎川河口周辺の津波 の挙動(地震発生後 35 分後) 日 向 灘 一ツ瀬川→ 佐土原浄化センター ◆写真5:一ツ瀬川河口周辺

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④青島以南 (B2・D1・D2地区) 青島以南については、直接海側 から侵入してくるが、河川のある 地域では、河川を遡上した津波が 堤防を越えて進入する。 また、白浜から青島漁港にかけ ての湾入部に津波が集中して押し 寄せる。 なお、平地部が比較的狭小であ るため、浸水面積自体は小さい。 なお、図中の矢印は津波の速さ と向きを表している。 ◆図 12:青島以南の津波の挙動 (地震発生後 30 分後) ◆写真6-1:内海地区 ◆写真6-2:野島地区 ◆写真6-3:小内海地区 日 向 灘 日 向 灘 日 向 灘 内 海 地 区 小 内 海 地 区 野 島 地 区 白 浜 地 区 青 島 漁 港

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(3)津波による被害予測 ①浸水区域内居住人口 浸水深の深さに関わらず、浸水区域内の住民は人命あるいは財産に何らかの 影響を受ける可能性があることから、現在想定されているL2津波の浸水区域 内の居住人口を推計し、地域ごとにまとめた。 津波による影響を受けると想定される居住人口は、居住人口が多く、浸水面 積の広い A 分類(A-1:宮崎港周辺、A-2:宮崎空港周辺)が最も多くな っており、これらの地区での浸水の抑制が本市の大きな課題となる。 なお、国土交通省の「津波浸水想定の手引き(H24.10)」によると、津波浸 水深が 0.3mを超えると、避難行動がとれなくなるとされている。 地区名 0.3m 未満 0.3m~ 1.0m 1.0m~ 2.0m 2.0m~ 5.0m 5.0m~ 10m 10m~ 20m 総計 A-1 3,275 6,532 8,010 6,957 0 0 24,774 A-2 337 1,774 4,691 4,291 0 0 11,093 B-1 36 5 0 0 0 0 41 B-2 1 3 0 326 601 0 931 C-1 131 274 222 21 0 0 648 C-2 164 231 133 15 0 0 543 C-3 228 547 140 84 0 0 999 C-4 133 503 697 636 40 0 2,009 D-1 21 50 49 413 474 32 1,039 D-2 2 9 11 225 258 0 505 総計 4,328 9,928 13,95 3 12,96 8 1,373 32 42,582 ◆表6:津波の影響を受けると予測される地域別の居住人口(単位:人) 【 参 考 】 地 区 区 分 地 区 名 地 区 区 分 地 区 名 A - 1 宮 崎 港 周 辺 C-2 石崎川河口周辺 A - 2 宮 崎 空 港 周 辺 C-3 南バイパス周辺 B - 1 阿 波 岐 原 C-4 清武川・加江田川周辺 B - 2 青 島 D - 1 青 島 漁 港 ・ 白 浜 周 辺 C-1 一ツ瀬川河口周辺 D - 2 内 海 以 南 ( 出 典 : H22 国 勢 調 査 人 口 )

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②家屋への影響予測(木造建築物) 国土交通省の「東日本大震災による津波被災現況調査結果〔第 1 次報告〕」 (平成 23 年 8 月)によると、浸水深が 2m を超える地域では、建物の全壊・ 大規模半壊率が急激に高まることが明らかにな った。 このため、津波による被害を受け易いと考えられる木造建物について、県の 津波浸水想定の 2m を境にそれぞれカウントし、地区ごとにまとめた。 津波の影響を受けると予測される木造家屋被害は、居住人口と同様に A 分類 (A-1:宮崎港周辺、 A-2:宮崎空港周辺)の木造建物の被害が大きくな るが、C 分類の一部(C-4:清武川・加江田川周辺)でも、南北を河川に挟 まれているため、被害がやや大きくなると予測される。また、市街地・集落地 が浸水域に固まって立地しているB分類( B―1:阿波岐原、B―2青島)、 及び津波のせり上がりによって浸水深が深くなる D 分類(D-1:青島漁港・ 白浜周辺、D―2:内海以南 )では、建物被害の割合が高くなると予測される。 なお、本想定では主たる建物、付属建物、倉庫等の別などは考慮していない。 地区名 地区名 木造建物 (全壊・大規模半壊) 浸水深:2.0m 以上 木造建物 (一部損壊・浸水) 浸水深:2.0m 未満 総計 A-1 宮崎港周辺 2,674 6,046 8,720 A-2 宮崎空港周辺 2,448 2,364 4,812 B-1 阿波岐原 24 1 25 B-2 青島 370 22 392 C-1 一ツ瀬川河口周辺 64 467 531 C-2 石崎川河口周辺 6 294 300 C-3 南バイパス周辺 61 715 776 C-4 清武川・加江田川周辺 846 1,229 2,075 D-1 青島漁港・白浜周辺 891 123 1,014 D-2 内海以南 815 70 885 総計 8,199 11,331 19,530 ◆表7:津波の影響が予測される地域別の木造家屋数(単位:棟) ( 出 典 : H20 都 市 計 画 基 礎 調 査 )

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2-4 避難に時間を要するエリアの予測 巨大地震が発生したときに、短時間にどれだけ遠くに 、また、どれだけ高い所 に逃げられるかについては、発生時刻、年齢、避難路の整備状況、建物の倒壊状 況、地域特性等により異なってくるため、今回の構想の中で厳密に想定すること は困難であるが、安全な場所までの避難に時間を要するエリアはどの辺りなのか を想定することは重要である。 図13は、安全な場所に避難するのに 10 分以上を要するエリアを図示したも のである。同図が示すエリアの中で、避難に係るソフト対策だけでは守れない命 をインフラ対策でいかに救うかが、地震津波対策インフラ構想の最大のテーマで ある。 また、現在本市が指定を進めている「津波避難ビル」については、指定基準へ の適合性による指定の限界(全てのビルが基準に合致するわけではない)や、将 来の当該土地利用の変化による指定の永続性の問題等が想起されること、更には 建物の倒壊・流出が避難時の大きな阻害要因となることから、建物被害の最小化 も重要な課題となること等を考慮する必要がある。 なお、現在本市が指定を進めている「津波避難ビル」への避難も想定した上で、 安全な場所に避難するのに 10 分以上を要すると予測される区域の詳細を【資料 編】に掲載する。 ◆写真7:避難の困難が予測される地区のひとつ(一ツ瀬川河口周辺) 一 日向灘 新富町 ツ 瀬 川

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【 注 】 右 図 は 、「 津 波 避 難 ビ ル 等 に 係 る ガ イ ド ラ イ ン 」 ( 内 閣 府 、 平 成 17 年 6 月 )、「南 海トラ フの巨 大 地 震 建 物 被 害・人 的 被 害 想 定 項 目 及 び 手 法 の 概 要 」 ( 内 閣 府 、 平 成 24 年 8 月)等を 踏まえ 、 避 難 時 の 歩 行 速 度 を 45m/分( =0.75m/秒)と 仮定 し 、青 い ラ イ ン で 示 し た 県 の 津 波 浸 水 想 定 区 域 の 外 側 ( 西 側 ) に 避 難 す る の に 10 分以上要 すると 予 測 さ れ る 区 域 を 赤 く 着 色 し た も の で あ る 。 な お 、右 図 に お い て は 、避 難 路 の 有 無 、避 難 経 路 、建 物 倒 壊 等 に よ る 避 難 路 閉 塞 、避 難 路 の 勾 配 等 は 考 慮 さ れ て お ら ず 、あ く ま で も 避 難 に 時 間 を 要 す る 区 域 の 「 目 安 」 と し て 示 し た も の で あ る 。 参 考 資 料 に 詳 細 図 を 掲 載 す る 。 ◆図 13:避難に時間を要する区域 安全な場所への避難に時間を 要すると予測される区域 避難に10分以上要する区域 避難目標ライン(浸水ライン) 安全な場所への避難に時間を 要すると予測される区域 避難に10分以上要する区域 避難目標ライン(浸水ライン) 避難に10分以上要する区域 避難目標ライン(浸水ライン)

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2-5 宮崎市の地震津波対策上の問題・課題

本市の地震津波対上の問題・課題は以下のとおりである。

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第3章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」

に対する検討会の提言

3-1 目指すべき方向性について ・・・・・・・・・・・・・・・33 3-2 インフラが備えるべき機能について ・・・・・・・・・・・34 3-3 副次的・多重的な減災効果を考慮した津波対策について ・・34 3-4 対策のパターン及び減災効果について ・・・・・・・・・・35 3-5 インフラ整備のイメージについて ・・・・・・・・・・・・35 3-6 具体の対策事業について ・・・・・・・・・・・・・・・・35 3-7 宮崎市に望む今後の取り組み姿勢について ・・・・・・・・36 (参考) 検討会における委員からの主なご意見等 ・・・・・・・37

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第3章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」に対する検討会の提言

第2章を踏まえ、「宮崎市地震津波対策インフラ構想検討会」より、以下のような提 言を頂いた。 3-1 目指すべき方向性について 宮崎市は、太平洋に面する長い海岸線と大淀川をはじめとする大規模河川を有して おり、この立地条件による巨大津波被害に対する高いリスクを背景に、強い危機感を もって地震津波対策に取り組んでいるところであるが、一方視点を転ずれば、この美 しい白砂青松の海岸線や大淀川をはじめとする開放的な河川景観を有していることが、 宮崎を宮崎らしくしていると言っても過言ではなく、宮崎市民はもとより、市外から 訪れる多くの人々に対し、この美しい宮崎市の景観をいたずらに損なうような地震津 波対策は望ましいものとは言えない。 しかしながら、津波対策として人命を守る観点からは、水際における構造物の強化 は避けて通れないことも事実であることから、より強固な地震津波対策インフラ整備 と宮崎らしい景観を、いかに調和させていくかが本構想における大きなテーマとなる。 このため、本検討会としては、宮崎市における地震津波対策インフラ整備について は、可能な限り周辺環境と調和した宮崎らしい整備のあり方を追求すべきと考え、目 指すべき方向性を以下のように提言する。 ≪目指すべき方向性について≫ 宮崎市における地震津波対策インフラについては、全体として、いわゆる「緑 の防波堤」など、できるだけ自然を活かし景観に配慮した地震津波防災のあり 方を追求すべきである。 なお、コンクリートなどによる構造物については、構造物そのものが美しく、 周辺の緑(自然・都市環境)に溶け込んでしっかり大地に根を下ろしている、 というような整備のあり方を目指すべきである。 なお、今後構想の実現に向けて、国・県等と協議が進められると考えるが、 その際、宮崎市が目指す地震津波対策インフラ整備について、市民を含め関係 機関に対し、できだけ分かり易いイメージでアピールできるよう、構想を総称 するネーミングも必要である。

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3-2 インフラが備えるべき機能について 宮崎市における地震津波対策に係るインフラについては、以下のような機能を備え るべきである。 3-3 副次的・多重的な減災効果を考慮した津波対策について L1対策は、「守る(防御)」の観点から進めるものであるが、単に「守る」だけ でなく、「逃げる」対策を主体とするL2津波に対しても副次的効果が期待される。 すなわち、L2津波を「減衰」させ、当該施設背後の浸水域・浸水深の低減や、津波 の到達時間を遅らせる等の効果により、避難し易い環境を確保することが期待される、 というものである。 また、特に津波に対する対策が必要な地域においては、水際と更にその背後におい て多重の減災機能を確保することも考慮して検討すべきであり、以下のように提言す る。 ≪副次的・多重的な減災効果を考慮した津波対策について≫ ①L1対策に係る水際のインフラ整備については、国が提唱する「粘り強い構 造」等の構造強化を追求し、L2津波に対しても、浸水域・浸水深の低減や 津波到達時間の遅延など、副次的な減災効果についても検討を行うことが望 ましい。 ②人口・都市機能の密集地域における減災、更には救援・復旧・復興に不可欠 な道路機能の確保等、特に津波対策が必要と考えられる場合には、水際での 対策と併せて、更にその背後地においても多重防御の検討を行うことが望ま しい。 ≪インフラが備えるべき機能について≫ ①早期避難に資する機能 ②L1津波に対する水際での防御機能 ③L2津波も考慮した救援・復旧・復興に資する道路ネットワーク機能 ④市全体の防災対応力の向上に資する機能 ※なお、避難施設の整備にあたっては、投資効果や維持管理、避難所としての 意識付け等を考慮し、可能な限り「日常使い」が可能になるよう、「逃げる」 だけの単一の機能ではなく、地域のコミュニティ施設等、複数の機能を兼ね 備えた多目的施設として検討することが望ましい。

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3-4 対策のパターン及び減災効果について 対策については、複数のパターンが想定されるとともに、パターンごとに減災効果 も異なってくると考えられるため、以下のとおり提言する。 3-5 インフラ整備のイメージについて 今後、インフラ構想の実現化に向けたコンセンサスを形成する上では、目指す方向 性を分かりやすく伝えることが必要であるため、以下のように提言する。 3-6 具体の対策事業について 想定される具体的な事業については、構想段階で詳細を掲げることは困難と考えら れる。このため、構想の実現化に向けた今後の協議・調整に役立つ資料作成が望まれ ることから、以下のように提言する。 ≪対策のパターン及び減災効果について≫ 想定される複数の対策パターンの違い・考え方、その効果等について、分か り易く比較して提示することが望ましい。 ≪インフラ整備のイメージについて≫ 宮崎市におけるインフラ整備の方向性については、関係機関や市民に対し、 分かりやすく伝えるためのイメージ図等の作成が必要である。 ≪具体の対策事業について≫ ①想定される対策事業の候補は、できるだけ複数案を提示し、関係機関と協議・ 検討しながら、最も効果的・効率的な事業を選択し、優先順位を明らかにし ながら進めていくことが望ましい。 ②事業の大まかなスケジュール、ソフト対策との連携の関係、解決すべき問題・ 課題等についても、できるだけ明らかにしておくことが望ましい。

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3-7 宮崎市に望む今後の取り組み姿勢について 今後、宮崎市が構想の実現に向けた取り組みを進めていくにあたっては、様々な問 題・課題に直面すると考えられるが、現在の法令、制度的枠組みの中だけで議論して いては、結果的として非効率で有効な地震津波対策にならなかった、というようなこ とにもなりかねない。 このようなことを避けるため、関係機関相互の連携をどのように図っていけば、全 体として本インフラ構想を効果的・効率的に実現できるのか、そのためには何を解決 していかなければならないのかを常に追求していく姿勢を堅持しながら、構想の実現 に向けた今後の検討・調整を進めていくことが望まれる。よって、以下のように提言 する。 ≪宮崎市に望む今後の取り組み姿勢について≫ 今後、構想に基づく具体的な地震津波対策の検討にあたっては、「人命を守 る・市民の財産を守る」ことが究極の目的であるという基本的な認識に立ち、 現在の法令・制度的な枠組みに捉われず、必要かつ効果的・効率的な対策はい かにあるべきかという観点から、関係機関及び市民との相互連携を基本とした 取り組みを進めていく必要がある。 なお、東日本大震災ではインフラ整備が市民に過度な安心感を与え、そのた めに避難が遅れ、却って人的被害を拡大したとも指摘されており、そのような ことを繰り返すことのないよう、避難に対する正しい啓発活動や防災教育等の 継続的な実施など、ソフト面での十分な配慮が必要である。 ◆写真8:市民との協働による地震津波防災対策の例 宮城県岩沼市「千年希望の丘」植樹祭の様子(岩沼市HPより)

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■(参考)検討会における委員からの主なご意見等

対象項目 委員名 検討会 主なご意見 ○地震津波想定について 岡村委員 第1回 1.地震学は地震が起こった後にどのような現象が起こるかについては明確にできる が、どの程度の地震が起こるかは分からない。 2.国が南海トラフの被害想定を出したが、その地震の規模についても検討会内で全 員が一致したものではない。想定外の地震も十分に起こり得る。 3.L2津波について、「千年に一度」という表現は油断を招く懸念があり、「最大 クラスの津波」と言うべきである。 4.ソフト対策を考える上では、次の津波レベルがわからない以上、最悪を想定して 対策を検討しておくという姿勢が重要。 5.東日本大震災では、河川の津波遡上が想定外だった。北上川では 59 ㎞も遡上し た。大淀川は市街地西部で大きく屈曲しており、堤防を越えた越流、屈曲点から の越流が想定される。一定方向から津波が浸入してくるという考え方はしない方 が良い。 千田委員 第1回 1.今までは、震源域を分割して考えていて、まとまって震源域が動くことは想定さ れてなかった。しかし、大分県の古文書調査などを通じてこれらが連動したとい うことが確認されてきた。 2.大分県でのボーリング調査等により、3,300 年間の間に8回の大津波が確認され た。1番新しいのが宝永地震の津波だった。宝永以降の地震津波は調査地点には 堆積物を運んできていない。このことから次回起こる津波がかなり大規模になる のではないかと結論づけた。 ○市民の防災教育について 岡村委員 第3回 1.宮崎市は地形的に北上川の大川小学校と同じ条件となっているため、河川遡上に よる津波の河川上流部での越流被害には注意して欲しい。シミュレーションの結 果にとらわれず、市民に逃げて頂くことが必要。現在、ハザードマップを出すこ

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- 38 - ○市民の防災教育について 岡村委員 第3回 と自体が誤解を招くとの議論もあることから、結果の出し方には配慮をして欲し い。逃げることに対する、市民の意識を変えて欲しい。 千田委員 第3回 1.整備は必要であるが、岩手県宮古市田老町の堤防のように住民に安心を与えすぎ ないように注意する必要がある。 塚原委員 第3回 1.構想の取りまとめに当たっては、整備ばかりではなく市民に危機感を持ってもら うような記述が必要。 ○対策について 岡村委員 第2回 1.ハード対策を実施してもそれを利活用できるかについてはソフト面での対策が重 要となるため、常にハード対策とソフト対策の進捗をチェックしていくことが必 要。 第3回 1.地震で数分間揺れるので、津波の前に家屋の耐震性の検討が必要である。 2.高知市では浸水地域の地価が半値となり、大手企業は浸水地域外に出ていってい る。一方、高台や浸水区域外の新興住宅地は老齢化している。ここに若い世代が 住むといった民間活力を利用しながら行政が誘導することも必要。 4.住民がまちづくりのなかで防災対策を考えることが必要。 5.宮崎は青い海・空と海岸の緑がイメージ。100 年以上を考えた対策については景 観への配慮、街を分断しないような配慮が必要。 千田委員 第3回 1.大淀川の堤防は昔と変わっていない。粘り強い構造化は早く整備するように要請 して欲しい。 塚原委員 第1回 1.震度5強から6弱の同じ規模の地震に対して、ハイチの地震では 30 万人、中国 四川省では7万人、インドネシアでは 1,200 人、チリでは 500 人と犠牲者に大き な差がある。このことから地震に対する備えが違えば、大きく犠牲者が違うこと がわかる

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- 39 - ○対策について 塚原委員 第1回 2.バングラディシュでは、試行錯誤の末、避難所を学校にしたり、職業訓練センタ ーにしたりすることによって、コミュニティの中で避難所として認識されるよう になった。避難所は日頃から住民がコミュニティの中で使えるものとして整備し ていく必要があると考えられ、行政はこの点を踏まえて施策を講じてほしい。 第3回 1.インフラ整備には時間がかかり、メニューを決定したからといって、すぐに効果 が出るわけではない。市民が避難ビル指定や家屋耐震化等で協力するよう、行政 の弱いところもみせる必要がある。 村上委員 第1回 1.普段住民が避難路として認識している道路が使えないことを想定し、その代替路 をどのように整備するか、道路ネットワークをどうするかを考える必要がある。 第2回 1.橋梁に関しては、津波の浮力による損傷が大きく、清武川や加江田川で破壊され ると、南北交通が断絶されることから、複線化の検討を含め、復旧・復興の妨げ にならないようにして欲しい。 2.本来整備されるべき海岸・河川施設が残っているので、その施設を早期整備する 必要がある。 ○資料の提示方法について 村上委員 第3回 1.資料中、避難がしやすいとされているエリアについても、急峻な山には逃げられ ないので補足説明をつけてほしい。 ○構想のとりまとめについて 出口委員長 第3回 1.本計画は宮崎市が、国、県の枠を超えて有識者の意見を受けてとりまとめたもの である。 2.この構想が計画段階にいき、事業として一貫性をもてるように、宮崎市の思いの 入ったキャッチフレーズを考えて欲しい。

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第4章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」

4-1 基本コンセプト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 4-2 導入を目指すインフラの機能 ・・・・・・・・・・・・・・42 (1)全体構想 ・・・・・・・・・・・・・・・・・42 (2)地域別構想 ・・・・・・・・・・・・・・・・45 4-3 副次的・多重的な減災効果を考慮した津波対策について・・・60 (1)対策と効果のイメージ ・・・・・・・・・・・60 (2)シミュレーション結果の例 ・・・・・・・・・62 4-4 対策パターンの想定及び減災効果の想定について ・・・・・63 (1)対策の実施パターン ・・・・・・・・・・・・63 (2)実施パターンによる減災効果の予測 ・・・・・66 4-5 インフラ整備のイメージについて ・・・・・・・・・・・・73 (1)方向性のイメージ ・・・・・・・・・・・・・73 (2)イメージ・パース ・・・・・・・・・・・・・74 4-6 具体的な対策事業の検討について ・・・・・・・・・・・・75 4-7 構想の実現に向けて(今後の検討体制と課題) ・・・・・・75

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第4章 「宮崎市地震津波対策インフラ構想」

4-1 基本コンセプト 本市の地震津波対策インフラ整備にあたっては、検討会の提言を踏まえ、以下の基本 コンセプトを設定する。 (注) このネーミングは、本市固有の自然環境や景観を活かしながら、あるいは損なわないように、 ソフト対策と連携したハード対策を重層的に組み合わせ、“いち早く逃がす”ということを含め て、将来に向かって“人とまち”を守っていくという方向性を意図しており、本市が現在取り組 んでいる「40 万人スクラムプロジェクト」(40 万市民がスクラムを組んで力を結集し、まちづ くり・地域づくりを進めていく)の考え方にも通じる理念として表現したものである。 ≪基本コンセプト≫ 津波に対しては、避難(逃げる)を第一義としながらも、海岸線や河川等の水 際対策が必要となるが、本市の地震津波対策インフラについては、全体として、 いわゆる「緑の防波堤」など、できるだけ自然を活かした地震津波防災のあり方 を追求する。 なお、コンクリートなどによる構造物については、構造物そのものが美しく、 周辺の緑(自然・都市環境)に溶け込んでしっかり大地に根を下ろしている、と いう整備のあり方を目指す。 なお、本構想を総称して「安全・安心を未来につなぐ、緑と大地のスクラム構 想」とする。(注) (国土交通省HP:「緑の防潮堤」岩沼海岸植樹式実施状況 より) ◆図 14:緑の防波堤イメージ

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4-2 導入を目指すインフラの機能 (1)全体構想 検討会の提言を踏まえ、宮崎市としては以下の4つの機能導入を目指す。 これらの機能導入イメージ及び整備方針を次ページ以降に掲載する。 なお、「粘り強い構造」は壊れないということではなく、施設の機能が一定程度維持さ れるような構造という趣旨である。 ①早期避難のための環境を整備する ②津波の防御ラインを強化する ③救援・復旧・復興を支える道路機能を強化する ④災害対応力を高める ◆図15:港湾施設の「粘り強い構造」(国土交通省HPより) ◆写真9:海岸部に立地する重要施設 (宮崎港) 日向灘 ◆写真 10:海岸部に立地する重要施設 (大淀処理場) 日向灘 宮崎空港

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全 体 構 想 図

◆図 16:全体構想図

大淀川

国道 10 号 国道 219 号

清武川

加江田川

八重川 国 道 10 号 高岡町 田野町

一ツ瀬川

佐土原町 宮崎西 IC 清武 IC

石崎川 西都 IC

宮崎自動車道

清武 JCT 清武町 宮崎 IC 国道 269 号 田野 IC 清武南 IC 国道 220 号 この図は、『理想とする地震津波対策の基本的な方 向性』を取りまとめたものであり、具体の事業・整備区 間等を明示する主旨ではない。 また詳細については、費用対効果や実現性等を含 めて、今後関係機関等との協議・調整が必要であり、 確定したものではない。 県庁 市役所 津波浸水区域(L2)

参照

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