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氏 名:砂見 緩子 学 位 の 種 類:博士(看護学)

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Academic year: 2021

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氏 名:砂見 緩子 学 位 の 種 類:博士(看護学)

学 位 記 番 号:甲第 144 号 学位授与年月日:2016 年 9 月 20 日

学位授与の要件:学位規則第 4 条第 1 項該当

論 文 審 査 委 員:主査 吉田 千文(聖路加国際大学教授)

副査 松谷 美和子(聖路加国際大学教授)

副査 中山 和弘(聖路加国際大学教授)

副査 水野 節夫(法政大学教授)

論 文 題 目:新人看護師の職場適応におけるレジリエンスの発動・創生のプロセス 博士論文審査結果

本研究は、新人看護師の職場適応を促す効果的方法を見出すために、強い職務ストレスを経験し つつもそれを克服していくプロセスに着眼し、新人看護師の内的資源としてのレジリエンスの発 動・創生とその関連要因を探求した質的記述的研究である。研究方法には精緻な個別事例の現象把 握と共に事例間の共通性についても浮かび上がらせることのできる事例媒介的アプローチを採用し ている。看護基礎教育卒業後、病院に就職し職場適応を脅かす逆境を体験し、乗り越えて職務を継 続している 3 年以内の看護師 5 人を対象とし、本人の描いた心情曲線をもとに、逆境、そこからの 回復、回復後の体験を半構成インタビューで聞き取った。結果には、5 つの状況的契機に個人的要 因と職場の構造的要因が複合的に作用し合って逆境に陥り、4 局面を経て回復していくというプロ セスの全容が描き出された。新人看護師は、ストレスに対し従来からの内的資源を用いて、忍耐し 強烈な感情を鎮めるという方法で対応を試みるが行き詰り逆境にいたる。他者の共感や承認を実感 できる出来事をきっかけに、自己内省・自己受容、他者への信頼といったレジリエンスを発動・創 生し、さらに職場の人間関係を構築し、経験知 を蓄積することで回復へと向かうことが示された。

審査では、以下の点が指摘された。

1.逆境下におけるレジリエンスの発動・創生の状況を明確に記述すること。

レジリエンスをプロセスとして定義し、逆境に陥り回復するまでを描いているが、心理的に落ち 込み辛い状況を持ちこたえている状況から回復へと跳ね返ってくる状況への転換はいつ、何をき っかけにおこったのか、またその時、新人看護師に何がおこったのかが明確に記述されていな い。レジリエンスはプロセスではなく個人の持つ心的弾性のような特性ではないか。レジリエン スが発動・創生する現象を描写すること。さらに新人看護師がどのように回復していったのかに ついての記述も不足している。回復前の耐える中で培われてきたレジリエンス或いはその種につ いて、また回復し立ち上がり終えた時期のレジリエンスの状況についても丁寧に記述することが 必要である。インタビューにおいてこれらに関する語りを引き出せているか検討し記述するこ と。

2.研究方法論において、事例媒介的アプローチの分析の第一局面を丁寧に記述すること。

分析における第一局面では個別事例でレジリエンスを丁寧にとらえることが重要である。この時

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に特定の事例にしか見られないことと、他の事例にも共通する可能性のあることの両方に目配り することが重要である。この点を加筆修正すること。また、結果にも個別事例の分析結果につい て、心情曲線を提示してわかりやすく提示すること。

3.上記 1.2 の修正によって事例の特殊性や選択バイアスや測定バイアスの一端がより明確になると 考えられる。それについて、新人看護師のストレス研究の知見との比較を行い考察に加筆するこ と。

4.結果の示しかた

分析における「なぞり作業」での研究者の解釈を表す表現が結果の記述でそのまま使われており、

考察が混入しているようなわかりにくさを生じている。結果の示し方をよりわかりやすいものと なるよう修正すること。

これらの指摘事項について個別事例分析結果が新たに加筆され、適切な修正が行われたことが確認 された。

本研究は研究者が自身の看護教育者としての経験の中から独自の着想を得、新人看護師のレジリエ ンス発動の機序を浮かび上がらせ、新人看護師の育成と支援という看護教育学と看護管理学にまた がる領域において今後の実践の変革につながる新たな知見を見出したことが高く評価された。また 看護教育実践をしつつ根気強く時間をかけて取り組んできた研究姿勢、豊富で深みのある語りを引 き出し丁寧に分析した研究力も評価された。

以上により、本論文は、本学学位規程第 5 条に定める博士(看護学)の学位を授与することに値する ものであり、申請者は看護学における研究活動を自立して行うことに必要な高度な研究能力と豊か な学識を有すると認め、論文審査ならびに最終試験に合格と判定する。

参照

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