The Japan Nursing Library Association
NII-Electronic Library Service
The Japan Nurslng Llbrary Assoclatlon
看護
と情 報 2015
;VDI . 22
:3 − 8
一
母 性 看 護 学
大 槻 優 子
00TSUKI
Yuko
(Tsukuba
lnternatienal
University
), Maternal
Nursing .
Ntirsing
andJnforma
tion
2015
;22
:3 − 8
キ
ー
ワー
ド:母 性、
看 護 教 育,
カ リ キュ ラム1. 母 性 看護
につい て1, 母 性
と は母
性 と
は『 広 辞 苑 』
1)に よ ると 「 女 性
が母
と して持
っ てい る
性 質
。 ま た, 母
た るも
の」 と
さ れ, 世 界 保 健 機
関World
Health
Organization ( WHO )
の 母性 保 健 委 員 会
で は「 母 性
と は, 現
に子
どもを 産
み育
て ているも
の の ほか ,
将 来 子
どもを 産
み育
てるべき存 在 ,
お よ び過 去
に おい てそ
の役 目
を果
た し た もの」
と定 義
し てい る。
2)わ が 国 で は1966 ( 昭和 41 ) 年
に厚
生省
が 公示
し た 母 子保 健 法
の実 施 要 領
にお
いて, 思 春 期
か ら更 年 期
に わ た る期 間
にあ
る女 性 を母 1 生保 健
の対 象
と し た。学 術 用 語
と し て「 母 性」 と
い
う言 葉
の定 義
が明 確
に さ れている と は 言い難
いが「
子を産 み 育
て てい る 生物 学 的
な女 性
であ
るこ と に よ る特 質 」
という狭 義
の概
念 か ら 心 理・ 社 会
的特
性 が 拡大
し,
どの
年 代
の女 性
にも 存在 す
る概 念 と
し て解 釈
さ れ ている。
3〕
日本
の母 性 研 究
の第 一
人者
であ
る大
日向
は「
母性 と
いう 用 語
が, 研 究
上の概 念 と
して最 も 確 固
た る地 位 を 占
め てい るの は, 医 学 分 野 及
びそ
の近 接 領 域
であ
る。… 中 略
…
。 ま た
母 性 看 護 学 , 母 性 栄 養 学
という名称 も 存 在
し てい る
」
4 )と 述べ てい る。 大
日向
がいう 「 確
固 た る地位 を 占
めて い る
近 接 領 域 」
と して看 護 学
も含
ま れ てい る と捉 え
る こ と が でき
る。 次項
で は看護学
に おけ
る母 性 看 護 学
の誕
生 と 変 遷
につ い て み ていく
こと と す
る。 2 . 母 性看 護学
の誕生
と変 遷
1967 (
昭和 42 )年
に, 保 健 婦 助 産 婦 看 護 婦 養 成 所 指 定 規 則
が大 幅
に改
正 さ れ( 第 1 次 改
正) , 専
門科
目とし て看 護 学
が独
立 し, 臨 床実 習
が各 学科
目 の授 業
に組
み込 ま
れた 。
こ の改 正
に よっ て専 門科
目と し
て, 看 護 学 総 論 成
人
看護学 , 小 児看 護学 ,
母性看 護学
が配 置
さ れ, 「 看 護 」
の
視 点
から学 問 と
し て体 系 的
に教 育
し ていく基 盤 が 確 立
さ れ た。
し た がっ て 母性 看 護 学 領 域
は そ れま
での「産 婦
人科 学 及
び看 護 法 」
か ら「 母 性 看 護 学 」
という専 門 科
目 と して教 育
を行 う
こ と とな
っ た。
その後 1989 ( 平
成 元) 年
の第 2 次 改 正 , 1996 ( 平 成 8 )年
の第 3 次 改
正, 2009 ( 平 成 21 ) 年
の第 4 次改
正 を経
て現 在
に至 っ て いる( 図 1 )
i’
)。
母 性 看 護 学
に特 化 し
て みる と, 第 1 次 改
正では講 義 ・ 科
目
の「 母 性 看 護 学 概 論 」 15 時 間 , 「 母 性 保 健 」 75 時 間 ,
「 母 性疾 患 と 看護 」 30 時
間, 「 実 習 」
が210 時 間 ( 4 週 間 ) と
いう
カ リ キュ ラムであ
った
。次
に第 2 次 改 正
に より変 化
し た点
は, 「 母 性 保 健 」
が75 時 間 か ら 30 時 聞 , 「 母 性 疾 患 と 看護」
が「
母性 臨 床 看 護 」
に科
目名
が変 更
にな り 30 時
間 か ら75 時
間と な
っ てい る。
さ ら に, 「 実 習 」
は「臨 床
実 習 」 と科
目名
が変 更
し, 時 間数 が 210 時 間 か ら 135 時 間
( 3
週 間)
に減 少
し ている。 第 3 次 改 正
で は,
これま
で教 育
科
目と
し てい たも
のを教 育 内 容
に改
め, ま
た時
間表 記
であ
った も
のを単 位 表 記
とし た 。
こ の3 次 改 正
に より , 母 性看 護学
に おけ
る講 義 ・ 演
習 が4 単 位 , 「 臨 地 実 習 」 2 単 位
( 2
週間 ) と
なり , 第 4 次改 正
でも
この内 容
が継 続
さ れ現 在
に至
っ ている( 表 1 ) 。
3 , 母 性看護
にお け
る基 盤 と な る 考 え 方
1 )
リプ
ロ ダ ク テイブ・
ヘ ルス/
ライ
ツリ プロダ ク ティブ
・
ヘ ル ス は「
人 間の生 殖
シ ス テムお
よ び
そ の機 能 と活 動 過 程
のす
べ て の側 面
にお
い て,
単
に疾 病 , 障 害 が な
いと
いう
ばか り
でな く , 身 体 的 , 精 神 的 , 社 会 的
に完 全
に良 好 な状 態
にあ
る こと」 ( 1994 年
カ イロ国際
人 口開発 会 議 ) と 定 義
さ れ た6)。 誰 も
が安 全
で満 ち足 り
た性 生 活 を営 む
こと
が でき , 生 殖 能 力
を持
ち, 子
ども を持
つ か持
た ない か,
い つ持
つか, 何
人持
つかを決
め る自 由 を も
つ こと , ま
た産
むと
いう 生 殖 能 力 を持
つ女 性
の生 涯
にわ た
る女 性
の健 康
という概 念
が含 ま
れてい る。
リ
プ
ロダ
ク テイブ・
ライ
ツは,
リ プロ ダ ク ティブ・
ヘ ルスを享 受 す
る権 利 と , 体 と性
に関 す
る女 性
の権 利 OOTSUK
工Yuko
: つ く ば 国 際 大 学 ;〒300 − 0051
y ・
ootsuki @tius .
ac. jp
(受理日:2014 . 11 . 28
>茨 城 県 土 浦 市 真 鍋
6 − 8 − 33
;N工 工
一
Electronlc LlbraryThe Japan Nursing Library Association
The Japan Nursing Library Association
4 看 護
と情 報 2015 VoL22
(時 間)
6 . 000
5
,
0004
,
0eo時 間 数
31000
2 、 OOO
1 , 000
0i 難 蔽 灘 覊 i 攀 ・ 羅 1 灘 iill 灘
槍護の続 舎と実践
驪 灘 野φ
緊、
在宅 暫護論1
在宅眷護論精 神 看 護 学 }老 年雹護学 老入習護学 老奪 晋護 学
.
精神看護 学嚇ら
“
母 性 看 護 学 母 性 看 護 学 母 性 看 護 学 1 母性看護学小児看 護学 i 小児看 護学 小児看 護学
1
小 児 看 護 学成 人 看 護 学 成 人 看 護 学 成 人 看 護 学
「
成 人 看 謾 学看 護学 総 論 基礎 看護学 i 基 礎番護学 塁 礎 看 護 学
駄
3 ・
駄・
碑
献・舮
鉢・岬
.
3.
q2ア:
:
i1 .
η 0 (93里位 ): :23里 位
.
1.
禰
5 .
; 7単 位1. . : :
.
続 合 分野. 胃
門分
野…
臼
.
095.
灘
脾 脾
轗
36単 位
[
〔9901 」
_
嗣.
瞞 。 广69D
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内
885 …
靉
’
灘胛 慝 胛 脾 胛 柵
Zj單 位榊隔
凝胛 慝 , 胛 胛
鵬1灘灘 黻
,,
鑼 驀慝 .
萼 円覈 降
・
夷園 オ 野
o ]3卑 泣
昭和
26
年 昭和42
年(指 定 規 則 制 定 } 〔第
1
次 改 正 }平 成 元 年
(第
2
次 改 正 }平 成
8
年〔第
3
次 改 正 )続 合 分野u2単 炭1
胃
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野 II「3e単包
)萼 円
覈 降
分野に
1早位/ 夷園 オ 野 〔
13摯
位 }平 成
21
年(第
4
次 改 正 }■
基礎 分野鬮
専門塁礎分野口
専 門 分 野 (講義 演習〕靂]
専門 分 野(臨 地 実習}◆ 平 成8年 よ リ巣 位 副 が 採 用 され た
印
臨地 実 習 は 1 里位=
45 時 間 と して 算 出 (看 護 師 等甍 成 所 の運 営に関 丁 る 指導 要 領 につ い て1 図1
看護師3
年課程 教 育 内容の 変 遷保健師助 産師 看護師法60年史 編纂委員会 編
.
保健師助 産師看 護師法60年史.
日 本 看 護 協 会 出 版 会,
2009;
95.
表
1
看護師 教 育 課程 に お け る 母 性 看 護 学 の 変 遷 改 定 年1967 年
(昭秘2
年 )第
1
次 改正1989 年
(平 成弛射 第2
次改 正1996 年
(轍綱 ’
第
3
次改 正時間数 時 問 数
.
単位 数科目名 講
義
実 習 実 習 計
科日名 講
義
実 習臨 地 実 習 計
科団名 講義 実 習
臨 地 実 習 計 母
性 看 護 学
母 性看 護 概論
15i
:
15
母 性看 護 概論 王5
母 性保 健
75 ; 21
・ 母 性保 健30135
看 護 学母 性426
母性疾患と看護 ・・
;
:
315
母 性 臨 床看護
75
間 総
数 時
120210330 120135255 9090
の
2
つ の権 利
から成 り立
っ てい る。 リプ
ロダ
ク ティブ・
ヘ ル ス に ラ
イ
ツ の概 念 を含 め ,
リプ
ロダ
ク ティブ ・
ヘル ス
/
ラ イツ( 性
と生 殖
に 関す
る健 康 / 権
利)
と表
現さ れ るこ
と
が多
い。性
に関 す
る健 康 を 享 受 す
る権 利
であ
る。具 体 的
には , す
べ ての カップ
ル と個 人 が , 自分
たち
の子 ども
の数 出産
間 隔, 出 産 す
る時 期 を 自 由
にか
つ責 任 を も
っ て決 定
でき , そ
のた め
の情 報 と手 段 を 得
る こと
が でき
ると
いう権 利
であ
る♂
2 ) 家
族 中 心の看 護
母 性 看 護
では, 次 世 代
の健
全育 成
のた め に 妊産
婦 およ び 胎
児
の健康 ・ 生 命 を 守
ること
が最 も重 要 と
さ れ るた め
,
妊 産 婦 と胎 児 を一 体
のも
のと
して と らえ
る。 妊
娠 分 娩 産 褥 期
にあ
る女 性
が児
を受 け 入
れ る気 持 ち
や母 親
とし
て の役 割
を受 け入
れ, そ
れ を遂 行 す
る た めに は
, 胎 児 ま
た は新
生児
の父親
との 人間 関 係
や夫婦
の家 庭 環 境
の影 響 が 大 き
い 。し
た がっ て, 出 産 後
に おいて
も新
生児
お よ び母 親
を一 組
の対 象
と し て,
ま た そ の家 族
を1
つ の家 族
シ ス テム と して と らえ 支 援 す
ること が 求 め られ る
。3 )
セ クシュ ア リ テイセ クシ ュ ア リ ティ
sexuality
は, 1964 年
に ア メ リ カ で全 米 性 情 報 ・ 性 教 育 会 議
が設 立 され ,
これ
を契 機
に人 間
の性 を あ ら
わす 用 語
と して定 義
さ れ た。
S}生物 学
的な性 (
sex)
と, 社 会 文 化 的
な性 ( gender ) を包 含
し,
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性 意
識 や性 行
動,
人 間関 係
や その人の考 え 方
な ど も含 む 幅 広
い概 念
であ
る。
母性 看護
の対 象
に関
わ る際
には
, 特
に性 差 ,
セ ク シュ ア リテ ィに 関連
し た 反応 を考 慮
しな け れば
な ら ない。
4 )
セ ルフケ ア母
性 看護
が対 象 と す
る現 象
は, 病気
で は なく 生
理 的な
変 化
であ
る。
し た がっ て, 援 助
と して は疾 病
か らの回復
のた めの援 助
に 比較
して, 疾 病
の予 防
や健 康
の保 持 増 進
の た めの支 援
に重き
が置
か れてい る。具 体 的
には
, 対 象
とな る女 性 が 自 ら
の力
で変 化
に対 応
でき
る,
つ
ま り
セル フケ
ア でき
る よう な支 援 が 求
められ
る。4 , 母 性 看 護
の対 象 と 目標
母 性 看 護
の対 象 は , 狭 義
のと ら え方
では 「 妊 娠 分 娩 産 褥
にあ
る女 性
と胎 児
お よ び新
生 児 と その家 族」
で あ り,
広 義
のと
らえ 方
は「
思春期 , 成 熟期 , 更 年期 ・ 老年 期
にあ
る女 性 」
であ
る。 前者 を
マ タニ テ ィサ イ クル, 後 者 を
ライフサ イ クル と し
,
そ れ ぞ れの 目標
に応 じ た援
助 を実 施
し てい る( 表 2 ・ 表 3 ) 。
表
2
マ タニ ティサ イ クルに お け る 目標・
妊 娠 期 :妊 婦 と胎 児 が 正 常 な 経 過 を た ど り.
妊 婦の家 族 を 含 め た新しい 家族関係 再構 築に向けた支援・
分 娩 期:母 子の生命の安 全に留 意し,
産 婦および家 族が満 足 する出産へ の支 援・
産褥期 :分 娩 時の疲 労を早 期に回復さ せ,
新生児の発 育・
発達に応じた育児 支 援 およ び家 族 関 係 再構 築へ の支 援
表
3
ラ イ フ サ イ ク ル に お け る目標・
思 春 期:月経に関 する健 康 教 育と正しい性教 育・
成 熟 期;妊 娠 出産に対する正しい情 報の提供,
子育て支援,
児 童 虐 待
・ DV
の 予防お よ び 早期発 見へ の支援・
更年期 :心身の調 和 を は か る た め に,
疾 患の予防 お よ び 適切 な治 療を受 ける た めの支 援・
老 年 期:加 齢に伴 う健康 障 害へ の支 援∬
. 母 性 看 護 学 教 育 の 実 際
一
つ くば 国 際大 学 医 療保健 学部 看 護学 科
の例 一
【 母 性 看 護 学 概 論 】
当 学科
で は, 1年 次 後 期
に母 性 看 護 学 概 論
を開 講
してい る
。
その理 由 は,
対象
と な る1 年
生の ほ と ん ど が 思春 期 後 期
の学
生であ り ,
こ の時 期
の健 康 課 題
は多 岐
にわ た るこ と か ら, 学
生自身
の健 康
にも 目
を向 け
る こと を期 待
して いる か らであ
る。
こ の科 目
は2 単 位
で30 時 間
の授 業
で
あ り ,
ね らいお よ び学 習 目標
はP . 7
の表 4
に示 し
た。一
般的
に, 「 概 論 」
という科 目
は具 体 的 な援 助 方 法 を学
ぶ科
目に比較 す
る と,
概念 的
であ り抽 象 的
にな り
やす
い大 槻 母 性 看 護 学 5
た め
, 授 業
で は学
生 が興 味
を示 す
よう
な 教授 方 法
が 必要
であ
る。
そ こ で筆者
は, 講 義
のレ3
を グ ルー
プ ワー
ク とし
, 学 生
が主 体 的
に学
ぶ方 法 を導
入 して いる。
具 体 的
に は, 女性
のラ イフサ イ クル に おけ
る健 康 課 題
と さ れ る12
のテー
マ を提 示
し,
その中
か ら学
生 に希
望す
るテー
マ を選 択
さ せ, 教 員
が グルー
プ編 成
を行
っ ている。
長 年
この方 法 を 行
っ てい る中
で, 1 年 生
の場 合 機 械 的 な
グルー
プ編 成
で は, 学
生の意 欲 が なか な か 上 が らな
い こ と が
分
かっ た。ま
た,
グルー
プ ワー
クに慣
れていな
い
時 期
の学 生 が対 象
であ
るた
め, 好 きな
テー
マを選 択
させ
, 学 生
の意 欲
の向 上
につな げ
ている。グル
ー プ
ワー
クの成
果 は全
員の前
で発 表
し, 自
分 以外
の グルー プ
の発
表 を 各 自
が評 価 表
に沿
っ て評 価
を行 う
こと と
し てい る。
こ の評 価
は単 位 認 定
に は 反映
させず , 自
己の振 り返 り と して
活
用 さ せてい る。
ま た, 終 了 後
は グ ルー
ワー
ク での学
び をレポー
ト提 出 さ
せ,
こ の内 容
は科
目の評 価
に加算
して い る。学
生の学
び か ら「自分
の母 親
が更 年 期
なの でそ
の テー
マ を勉 強
し た かっ た
」
と か「 初
めて のグル
ー
プワー
クだっ たけ
ど,
みんな
で考 え
る こ と で視 野
が広 くな
っ た」 な
どの感 想
がみ ら れて いる。【 母 性 看 護 学 援
助論 】 ( 表 5 )
こ の
科 目
は, 女 性
の ライ
フサ イ
クルにお け
る性 と生 殖 機 能
の顕 著 な妊 娠 期 ・ 分 娩 期
および産褥 期
にあ
る女 性
と新
生児 を含 む家 族
の看 護
につ いて学
ぶ科
目 であ
る。 3 年
次 通 年 科
目 であ り ,2 単 位 60 時
間 で講 義
と演 習
を含
む科
目である
。
母 性 看 護 学
の誕
生 と変 遷
で示
し たよう
に,3 年 次 前 期
は
, 「妊 娠 期
の看 護 」 , 「 分 娩 期
の看 護 」 , 「 新 生 児 期
の看 護 」
につ い て学 習 す
る。 こ のな
かで, 子 育
て に おけ
る社 会 資 源
や ソー
シャルサ ポー
トの実 際
につ い て個 人
で調 査
し
レポー ト
にま
と めさ
せて い る。
対 象 地 区
は, 実 習 病 院
の
所 在 地
であ
る土 浦 市 ,
つく
ば市 , 牛 久 市 , 守 谷 市
の4 市
の
中
か ら, 各 自
に選 択
させ る。 さら に提 出
さ れた レ ポー
ト
の中か ら , 各 市 数 人
の レポ ー トを選 択 し , 学 生
が主 体
とな り 「 育 児 支援
ガイ ド」
と して1
冊にま
とめ てい る。
この
「育 児 支 援
ガ イ ド」
は, 4 年 次
の母 性 看 護 学 実 習
で各 自 が 携 帯 し , 受 け持 ち
の母 子
の看 護
に役 立
て てい る。後 期
の授 業
は, 「 産 褥 期
の看 護 」
の講 義
に加 え
て, 技 術 演 習
が入 り , 「妊 婦 ・ 褥 婦
の観 察 」 , 「 妊 婦 疑 似 体 験 」 , 「新
生
児
の観 察
と沐 浴 」 , 「 母 乳 育 児 支援
に お け る援 助 方 法 」 を展 開
し てい る。
さ ら に, 演
習と
し て 周 産期
に お け る 対象
へ のケ アプ
ランを 考 え
る「 看護
過程」
の グ ルー
プワー
ク
を行
っ てい る。 特
に演
習 は4 年 次
の母性 看 護 学
実習
の内容
と関 連 す る た め, 指 導
に おいて は 実 習 施 設の指導
者を
ゲス トス ピー
カー
と し て教 員
と共
に 授業
を行
っ てい る。
N工 工
一
Electronlc LlbraryThe Japan Nursing Library Association
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6 看 護
と情 報 2015
;Vol . 22
【 母 性 看 護 学 実 習 】
(表 6 )
母 性 着 芟 学 実 習
は, 周 産 期 ( 妊 娠 期 ・ 分 娩 期
お よ び産
褥 期 )
にお け
るft 子 , お よ び そ
の家 族
の健 康 状 態 を 査 定
し, 対 象
に応
じた必要
な看 護 実
践能 力 を 養 う
ことを
目的
に
, 2 単 位 2 週 間
の実 習
を行
っ てい る。 こ こ で は. 既
に学
んだ 知 識 と技 術 を基 盤
に, 実 際
に母 子 を受 け持 ち , 才
匕尊 者
と共 に看 隻
を 展 開 す る。 前
述 した よう
に, 看 護 師教 育
課程
に お け る 母性 看 護 学
の変
遷を
み る と, 第 1 次 改 正 時
の
実 習 時 間
は210 時
間 であ
っ たが 現 在
の カ リ キュ ラムで は
2 単 位
で時 間 数
にす
る と90 時 間
に減
少 してい る.
こ の2 週 間
で充 実 し
た実 習 を展 開 す
る た めに は, 学 内
で の演 習 が 非 當
に重 要
とな
る。写 真 1
は, 病 棟
で母 親
に行 う
「 沐 浴 指 導 」
のロー
ルプレイの場 面
であ
る。 お 互い に
看 護
師 役 患 者 役 を担
い, 実 施 評 価 し準 備 を 行
っ てい る。ま た , 写 真 2
は受 け持 ち
の母 親
と家 族
へ の保 健 指 導
の際
に使
用 した学 生 手 作
りのパ ン フ レ ッ トであ
る。
母 性 看護 学
夬習
で は,
分娩 進 行
中 の産 婦
の看 護 を 学
ぶ機 会
でも
あ り, 本
人 お よ び家 族
の承 諾 を得
て分 娩
に立 ち
会
わ せて頂
い てい る。
ま た, 新
生児
の看護
につ いて は,
全
員
の学
生 が「
で き る」
という 到 達
レベ ル に 目標 を
設定
してい る こ と か ら
, 学
生 は「 新
生児
に触
れ るのがこ わい」
と
言
いなが ら も真 剣
に取 り組
んでい る。 こ のよう な 実 習 を通 し
て, 命
の尊 さ を肌
で感
じ, 自分
の母 親
へ の感 謝
の気 持 ち を抱 く学
生も多 く , 親 子
や家 族
につ い て改
めて考 え
る機 会
とな
っ て い る。さ
らに, 母 性 看 護 学 実 習
を経 験
し たことで, 「 助
産師 」
という
職業
へ の ビ ジョ ンが 明確
に なる学
生 も存 在 す
る。
写真
1
沐 浴の練習 場 面ewwnuaWWWWWWt
ww. .
wu ww − 一写 真
2
学 生が作 成した パ ン フ レッ ト皿
. お
わ り に母
性 看 護 学 と
いう 学
問の誕生
か ら, 当 学 科 を事 例
に 現在
の母 性 看 護 学 教 育
につ い て概 観
し た。 わ が国
の少 子 高 齢 化 社 会
は周
知の と お り で あ り,
高 齢化 社 会
に向
け て看 護
教育 施
設 は毎 年
増加
している 現状
であ
る。
しか し, 教
育 施 設
が増 加
し て も, 丸習 施 設
は そ れ に伴
っ て増 加
し てい る わ け で は ないn
学
生数
が多
く な る一 方
で, 出生 率
が低
いう え
に, 実 習 施 設
が 限 ら れて いる現 状
のな
か で, 質
の
高
い教 育
の工夫
が教 員
に求
め ら れ てい る。
この よう
な現 状
を踏
ま え, 既 成 概 念
に と ら わ れ る こ と な く, 学
生一
人ひ と
り
か専 門 職
と して多様
な 思考
を養 う 基
盤づ く りと
な
る教 育
を目指
していき
たい と考
え る。
The Japan Nursing Library Association
NII-Electronic Library Service
The Japan Nursing Library Association
大 槻 母 性 看 護 学 7
表
4
母性 看護学概 論9〕 授 業概 要
人 と しての性 と生殖の 意義を 理 解 し
,
女性の一
生 を 通 し ての健康の保持・
増 進と母性 機 能 を円 滑に遂 行してい くため の母 性 看 護の機 能お よ び役割につ い て学 習 する
。
母 性お よ び 父性の概 念,
母性の身体 的 (形 態・
機能),
心 理・
社会的 特 性,
ラ イフサ イ クルに おける各 期の対 象の特 徴と健 康 問題 母 性 看護の意 義お よ び目的 等につい て
,
講 義を 主体と し,
視聴 覚 教 材の活用,
グルー
プワ
ー
クを通 し て学 習 する。
回 授 業 項 目 学 習 内 容
・
到 達 目 標1
母 性 看 護の概 念
母 性看護の中核と な る 理 念 母性 看 護の 目的
母性 看 護の現 状と課 題
母性のと ら え方につ い て考え
,
母 性 看 護の中 核 と なる理 念につ いて理 解でき る。
リ プロ ダ ク テ ィブヘ ル ツ /ラ イツ につ い て理 解できる
。
母 性看 護の 目 的 を 把握し 現状と課 題 につ いて理解できる
。
2
母 子 保 健の変遷 と現状母 子 保 健 統 計 か ら見 た 動向 母 性看 護の歴史と統 計 的
指
標か らその変遷 を知 り,
母性看護
の現 状を 理解できる。 3
母 子保 健に関 する制 度・
法律 母性看護
に 関 す る組織
や法律 ,
母 子保健施 策の観 点か ら 母性看 護の 現状 を理解できる。 4
母性 看 護の対 象理解
一
女性の ライフサ イク ル における形 態
・
機能の変化
女
性のラ イフサ イ クルと家
族生 殖 器の形 態 お よ び 機 能 につ いて 理 解 し
,
と く に 女 性 につ い て は 月 経 周期よ る変化 につ い て理解で き る
。
女 性の ライフサ イク ル の変 化と家 族の発 達の関連か ら
,
母 性 看 護学の対象である女 性の
一
生につ い て 理解できる。 5
母 性 看 護の対象理 解
女 性性の発 達
母 性
・
父性・
親性の発 達母 子 関 係 と愛 着
女性性
,
母性性 と 父 性 性 お よ び 親 性の発 達 過 程 につ い て 理 解 で き る。
母 子 関係 形 成 過程における愛 着行 動
・
母 予 相互作 用に つ い て理解でき る。
授
業 計 画
6
母 性 看護に おける生命 倫 理 生とい のち をめ ぐ る倫理 問 題 につ い て考 え,
看 護 師が行 うべ き倫理的 配慮につ い て理 解 で き る。
7
人 間の生 殖 と性の概 念 人 聞の性 を 示すセ ク シュ アリテ ィ につ い て理 解でき る。
人 間の性の特徴
・
性 行 動に つ い て理 解できる。
8
人 間の生 殖 と性の概 念一
多 様 な性につ いて理 解できる。
9
女 性のラ イフ ステー
ジ各 期の健 康 問 題 女 性のライフ ステー
ジ各 期の特徴と健康 問 題につ い て理 解で きる。 10
ラ イ フ ス テー
ジ各期の健 康 問題につ い て(演習
一
)11
ライフ ス テー
ジ各期の健 康 問題に つ い て(
演習一 )
女 性の ラ イフ ステー
ジ各 期の健康問 題をと り あげ,
課 題 に対 する支 援 方法につ い て グ ルー
ブワー
ク に よ り ま と め ることが で き る。
12
ラ イフス テー
ジ各期の健 康 問 題 につ い て(演 習
一
)13
演習発表一
グ ルー
プワー
ク によりま とめた課 題を発 表し,
女性の ライフ ス テー
ジ各期の健 康 問 題に対 する支 援 方 法につ い て共 有で きる
。 14
演 習 発表一
15
まとめ 母 性 看 護の意 義 お よ び 目 的 を確 認 し,
現 代 社 会 に お け る 母 性 保 健 を め ぐ る 健 康 課 題 につ い てま と め る
。
表
5
母性 看護 学 援 助 論ゆ授 業 概 要
女 性のラ イフサ イ クル にお ける性と 生殖 機 能の顕著 な妊娠
・
分 娩 期および産 褥 期にある女 性と新生児,
その家 族の看 護につ い て 学ぶ。
妊 婦・
産婦・
褥 婦の身体 的・
心理 的変化 と家 族 を含め た対 象の心理・
社 会 的特 性,
および新 生 児の生理的 特徴につ い て知 識 を 習 得 す る。
妊 婦・
褥 婦、
新 生 児の観 察 と 援 助 に 必 要 な看護 技 術 を 習 得 す る。
母 性看護 に お け る ウエ ルネス の視 点 での 看護 過 程の展 開につ い て学 ぶ。
回 授 業 項 目 学 習 内 容
・
到 達 目 標1
授 業 計画オ リエ ン テー
ショ ン母性 看 護 学 概 論小テ ス ト
・
母性看 護 学援 助論の授業計 画につ い て理 解できる。
・
母性 看 護 学概 論の内容につ い て想起できる。
2
母性 看 護 学 概 論の ま と め・
小 テス トの結 果を 踏 まえ,
母性看護
学概論で学ん だ内容 につ いて確認 で き る。 3
〈妊 娠 期の看 護〉 妊 娠 メ カニ ズム
妊 娠 期の身 体 的
,
心 理・
社 会 的 特 徴・
妊 娠の成り立 ちにつ い て理解で きる・
妊娠に伴 う身体 的,
心 理 的,
社 会 的変 化や特徴を理 解で きる。
授 業 計
画
4
胎 児の発 育・
発達妊娠 経 過の判 断に 必 要 な情 報
・
胎 児の発 育,
発 達につ い て理 解できる。
・
妊娠 経過 の 判断に 必要な情 報につ い て 理解できる。 5
妊婦の健 康 診 査妊 娠 期の健 康 課題へ の援 助
・
妊 婦の健 康 診 査の必 要 性 と 内 容 につ いて理 解でき る。 6
妊娠期 に予測 さ れ る 問 題 と援 助・
マ イ ナー
トラブル と その援 助につ い て理解 する。
7
妊 娠 期に予測さ れる問題と援 助・
妊 娠 期における正 常からの逸 脱と その援 助につ い て理解 する。
8
〈分 娩 期の看 護 〉分 娩の メカニ ズム
・
分 娩の3
要 素と正常な分 娩 経 過につ いて理解 する。
N工 工