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半たわみ性舗装用セメントミルクの諸性状と特殊箇所への適用事例

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Academic year: 2022

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半たわみ性舗装用セメントミルクの諸性状と特殊箇所への適用事例

秩父コンクリート工業㈱ 正会員 ○清水 進 前田道路㈱ 市岡 孝夫 世紀東急工業㈱ 岩岡 宏美 大林道路㈱ 正会員 鈴木 徹

本文は,半たわみ性舗装に使用する浸透用セメントミルクの使用材料、特に流動化剤(高性能減水剤+その 他助剤)の添加による強度特性の変化および特殊な箇所での適用を意図した浸透用セメントミルクの特性につ いて報告するものである。

1.目的

半たわみ性舗装は、昭和 50 年頃から重交通路線や交差点内などを中心として、主に重荷重が加わる箇所に 適用されてきた。使用される浸透用セメントミルクに求められる性状は、開粒度アスコン内に充分に充填でき ること、充填後に所要の強度を発現することなどであり、舗装施工便覧において表-1に示す性状が規定され ている。一般に、浸透用セメントミルクの充填性は、Pロートによる流動性試験によって表され、浸透用セメ ントミルクの強度は、曲げ強度あるいは圧縮強度により表されるが、この流動性と強度は、相反する関係にあ るため、流動性を確保しつつ、強度を確保することが課題となっている。

一方、半たわみ性舗装の普及にともなって、これまで施工が難しかった急勾配箇所や十分に振動を与えるこ とができない狭隘箇所、さらには一層の浸透厚さが 10cm を超えるような箇所においても適用されるに至って

いる。 表-1 浸透用セメントの標準的な性状

項 目 性状 試験方法

フロー値(P ロート) 秒 10~14 舗装調査・試験法便覧 5-3-7

圧縮強度(7 日養生)

N/㎜2 9.8~29.4 JIS R 5201 曲げ強度(7 日養生)

N/㎜2 2.0 以上 舗装調査・試験法便覧 5-3-8

本論では、このような現状を踏まえ、浸透用セメン トミルクの流動性と強度特性の関係を明らかにすると ともに、適用箇所ごとの浸透用セメントミルクの特性 について報告するものである。

2.検討概要

練混ぜ水量による調整

9 10 11 12 13 14 15

35 40 45 50 55 60 65 70

添加水量 (%)

(秒)

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

(3時) (N/mm2) フロー値

曲げ強度

ロー

浸透用セメントミルクの流動性を左右する因子と してまず考えられるのが「練り混ぜ水量」と「流動 化剤」の2種類である。今回この2種類の因子につ いて検討を行った。使用するセメントミルクは、超 速硬セメントをベースに骨材や再乳化型粉末樹脂等 を混入し、硬化時間を3時間に調整したものを基本 配合とした。基本配合では流動化剤を無添加とした。

最初に、基本配合に添加する水量を段階的に変化さ せた場合の流動性と強度特性を評価した。次に練り 混ぜ水量を一定とし、基本配合に流動化剤を段階的 に添加した場合の流動性と強度特性を評価した。最 後に特殊箇所へ適用するための検討を行い規定され ている性状

図-1 添加水量とフロー値および曲げ強度の関係

と比較した。

キーワード 半たわみ性舗装用セメントミルク,流動化剤,強度特性,急勾配,無振動

連絡先 〒366-0812 埼玉県深谷市折之口 1340 秩父コンクリート工業㈱ カラーセメント事業部開発部 TEL 048-573-5901

5-047 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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3.検討結果

図-1は、練混ぜ水量を変化させた場合の浸透用 セメントミルクのフロー値と曲げ強度の関係を示し たものである。図から、練混ぜ水量を増加させると、

フロー値は、大幅に改善される一方で曲げ強度も比 例して低下していく傾向にあることが分かる。

初期強度の向上につながっているものと考えられる。

流動化剤による調整

9 10 11 12 13 14 15

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

流動化剤添加率 (%)

(秒)

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

(3時) (N/mm2) フロー値

曲げ強度 練混ぜ水量:46%

  ロー

図-2は、練混ぜ水量を一定として流動化剤の添 加率を変化させた場合のフロー値と曲げ強度の関係 を示したものである。図から、流動化剤を添加する ことにより、練混ぜ水量を変化させた場合とは異な り、フロー値は向上するにも関わらず、曲げ強度の 低下は見られず、むしろ増加する傾向にあることが

かる。

これは、従来方法では、練混ぜ水量を増加させる

ことにより、水セメント比が増加するために強度が低下するのに対して、流動化剤を用いた場合には、セメン トミルク中のセメントの分散性が向上するため、逆に

図-2 流動化剤添加率と

フロー値および曲げ強度の関係

なお、表-2は、これまでに開発してきた特殊な箇所への適用を意図した浸透用セメントミルクの概要を示 したものである。これらいずれの浸透用セメントミルクも現行のフロー値の規格を満足してはいないが、これ までの施工実績において充填性、耐久性の面で問題のないことを確認している。

表-2 特殊箇所への適用事例と浸透用セメントミルクの性状

適用箇所 現 状 ミルクの要求性能 フロー値 ミルクの特徴

厚層施工

(舗装厚 10 ㎝)

無振動施工 高温注入(80℃程度)

充填不足によ り半た わみ性舗装本来の性 能が発揮できない場 合がある

より高流動が必要とされる 8.5~9.5 秒

材料分離等を起こさず、ま た同程度の物性は保持し たまま高流動とする。

急勾配(6~8%)

勾配の下側へミルク が流れ出し施工が困

チキソトロピーが必要とされる 9~10 秒

振動等により力を加えると 流動性が増し注入性が良 好となる。

港コンテナヤード クレーンの走行に耐

えられない 流動性と高強度が必要とされる 9~11 秒

流動性を損なわず、W/C を低減 する事 で強度 を上 げる。

圧縮強度:35~45MPa

4.まとめ

従来は、流動性(フロー値)と耐久性(曲げ強度)は相反する関係であったことから、フロー値の下限値を 規定することによって、セメントミルクの耐久性(曲げ強度)を確保しようとしていたと考えられる。しかし 現在では各種の流動化剤を用いることにより、流動性を確保しつつ、耐久性の向上を図ることができるように なったため、フロー値の下限値を規定する重要性はなくなったものと考えられる。

このフロー値の規格を見直すことにより、これまで適用が難しかった急勾配箇所・狭隘箇所および厚層施工 への対応など特殊な箇所への適用が可能となるものと考えられる。

最後に、本検討に際して、多大なるご協力・ご助言を頂きました竹中道路㈱国松様、日本道路㈱川崎様、㈱

ガイアート T・K 大谷様に謝意を表します。

5-047 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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参照

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