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目 次 まえがき... 1 第 1 章総説 概説 舗装の新設 概要 ライフサイクルコスト 舗装の性能規定化 再生利用 舗装の維持修繕 概要

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道路舗装設計マニュアル(案)

平成30年1月

山口県土木建築部

(2)

目 次

ま え が き ... 1 第 1 章 総 説 ... 2 1 - 1 概 説 ... 2 1 - 2 舗 装 の 新 設 ... 4 1 - 2 - 1 概 要 ... 4 1 - 2 - 2 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト ... 4 1 - 2 - 3 舗 装 の 性 能 規 定 化 ... 5 1 - 2 - 4 再 生 利 用 ... 9 1-3 舗装の維持修繕 ... 10 1 - 3 - 1 概 要 ... 10 1 - 3 - 2 維 持 管 理 水 準 ... 10 1 - 3 - 3 舗 装 の 破 損 ... 12 1 - 3 - 4 路 面 の 調 査 方 法 ... 14 1 - 3 - 5 破 損 原 因 の 調 査 ... 19 1 - 3 - 6 維 持 修 繕 の 計 画 ... 20 1 - 3 - 7 維 持 修 繕 工 法 の 選 定 ... 20 第 2 章 舗 装 の 設 計 ... 23 2 - 1 概 説 ... 23 2 - 1 - 1 舗 装 の 構 成 ... 23 2 - 1 - 2 排 水 施 設 ... 24 2 - 1 - 3 舗 装 設 計 の 流 れ ... 26 2 - 1 - 4 舗 装 種 別 の 選 択 ... 27 2 - 1 - 5 路 面 設 計 と 構 造 設 計 ... 27 2-2 路面設計 ... 28 2 - 2 - 1 路 面 設 計 と は ... 28 2 - 2 - 2 路 面 へ の 要 求 性 能 の 整 理 ... 28 2 - 2 - 3 路 面 設 計 条 件 の 設 定 ... 29 2 - 2 - 4 表 層 材 料 お よ び 表 層 厚 の 決 定 ... 31 2 - 3 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 の 構 造 設 計 ... 36 2 - 3 - 1 設 計 方 法 と 設 計 条 件 ... 36 2 - 3 - 2 設 計 諸 条 件 の 設 定 ... 37 2 - 3 - 3 路 床 の 設 計 ( 設 計 CBR)... 40 2 - 3 - 4 構 築 路 床 ... 44 2 - 3 - 5 TA法による構造設計 ... 46 2 - 3 - 6 舗 装 構 成 の 決 定 ... 46 2 - 3 - 7 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 の 構 造 設 計 例 ... 49 2 - 4 コ ン ク リ ー ト 舗 装 の 構 造 設 計 ... 53 2 - 4 - 1 概 説 ... 53

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2 - 4 - 3 設 計 諸 条 件 の 設 定 ... 55 2 - 4 - 4 路 床 の 評 価 ... 56 2 - 4 - 5 路 盤 の 設 計 ... 56 2 - 4 - 6 コ ン ク リ ー ト 版 厚 の 設 計 ... 59 2 - 5 構 築 路 床 の 設 計 ... 60 2 - 5 - 1 安 定 処 理 工 法 ... 60 2 - 5 - 2 置 換 工 法 ... 62 2 - 6 岩 盤 上 の 舗 装 ... 64 2 - 7 排水性および透水性舗装 ... 66 2-7-1 排水性および透水性舗装の概要 ... 66 2-7-2 排水性および透水性舗装の機能 ... 66 2-7-3 排水性および透水性舗装の適用上の注意事項 ... 66 2-7-4 排水性および透水性舗装の設計 ... 68 2 - 8 歩 道 お よ び 自 転 車 道 等 の 舗 装 ... 71 2-8-1 歩道および自転車道等の性能 ... 71 2-8-2 歩道および自転車道等の舗装設計 ... 72 2 - 9 ブ ロ ッ ク 系 舗 装 ... 75 2-9-1 車道におけるインターロッキングブロック舗装 ... 75 2-9-2 歩道におけるインターロッキングブロック舗装 ... 76 第 3 章 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 の 維 持 修 繕 工 法 ... 77 3 - 1 概 説 ... 77 3 - 2 路 面 維 持 対 策 ... 79 3 - 2 - 1 概 説 ... 79 3 - 2 - 2 応 急 処 置 ... 79 3 - 2 - 3 表 面 処 理 ... 83 3 - 2 - 4 局 部 打 換 え ... 87 3 - 2 - 5 わ だ ち 掘 れ 対 策 ... 89 3 - 3 オ ー バ ー レ イ ... 91 3 - 3 - 1 概 説 ... 91 3 - 3 - 2 工 法 の 選 定 ... 91 3 - 3 - 3 調 査 ・ 設 計 ... 94 3 - 3 - 4 レ ベ リ ン グ ... 97 3 - 3 - 5 切 削 ... 99 3 - 3 - 6 事 前 処 理 ... 99 3 - 3 - 7 オ ー バ ー レ イ の 路 面 設 計 ... 100 3 - 3 - 8 施 工 上 の 注 意 ... 100 3 - 4 打 換 え ... 103 3 - 4 - 1 概 説 ... 103 3 - 4 - 2 工 法 の 選 定 ... 103 3 - 4 - 3 調 査 ・ 設 計 ... 106 3 - 4 - 4 路 上 路 盤 再 生 工 法 ... 107 3 - 4 - 5 路 上 路 盤 安 定 処 理 工 法 ... 115

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3 - 4 - 6 表 層 ( 路 盤 ) は ぎ 取 り 打 換 え ... 118 3 - 5 軟 弱 路 床 対 策 ... 119 3 - 5 - 1 概 説 ... 119 3 - 5 - 2 工 法 の 選 定 ... 121 3 - 5 - 3 調 査 ・ 設 計 ... 122 3 - 5 - 4 路 床 安 定 処 理 工 法 ... 122 3 - 5 - 5 置 換 工 法 ... 127 3 - 5 - 6 し ゃ 断 層 ... 127 第 4 章 コ ン ク リ ー ト 舗 装 の 維 持 修 繕 工 法 ... 128 4 - 1 概 説 ... 128 4 - 2 目 地 お よ び ク ラ ッ ク へ の シ ー ル ... 132 4 - 3 パ ッ チ ン グ ... 132 4 - 4 局 部 打 換 え ... 133 4 - 5 注 入 工 法 ... 134 4 - 6 オ ー バ ー レ イ ... 135 4 - 7 打 換 え ... 137 第 5 章 橋 面 舗 装 の 維 持 修 繕 工 法 ... 138 5 - 1 概 説 ... 138 5 - 2 維 持 工 法 ... 140 5 - 3 修 繕 工 法 ... 141 5 - 4 床 版 防 水 工 ... 142 第 6 章 舗 装 の 設 計 例 ... 147 6 - 1 車 道 舗 装 の 設 計 例 ... 147 6 - 1 - 1 新 設 舗 装 の 設 計 例 ... 147 6 - 1 - 2 オ ー バ ー レ イ に よ る 補 修 の 舗 装 設 計 例 ... 153 6 - 1 - 3 打 換 え に よ る 補 修 の 舗 装 設 計 例 ... 156 6 - 1 - 4 仮 設 道 路 の 舗 装 設 計 例 ... 158 6 - 1 - 5 車 両 乗 入 れ 部 の 舗 装 設 計 例 ... 159 6 - 2 路 床 の 設 計 例 ... 160 6 - 2 - 1 地 点 の CBR の設計例 ... 160 6 - 2 - 2 区 間 の CBR の設計例 ... 162 6 - 2 - 3 凍 上 抑 制 層 の 設 計 例 ... 163 6 - 3 舗 装 設 計 計 算 シ ー ト の 活 用 ... 163 付 録 -1 ··· 特 殊 工 法 一 覧 表 付 録 -2 ··· 各 種 舗 装 試 験 状 況 写 真 付 録 -3 ··· 舗 装 損 傷 状 況 事 例 付 録 -4 ··· 用 語 の 説 明 付 録 -5 ··· 道 路 構 造 令 に お け る 道 路 区 分 付 録 -6 ··· 路 線 の 舗 装 補 修 計 画 に 基 づ く ライフサイクルコストの 算 定 事 例 付 録 -7 ··· 構 築 路 床 の 設 計 ( 凍 上 抑 制 層 )

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《 使 用 に 関 す る 留 意 事 項 》 ◯ 舗装材の記載については、特記のない限り、新材と再生材の区別を行っていない。 ( 再 生 材 に つ い て は 各 種 基 準 に 従 い 積 極 的 な 利 用 を 図 る こ と 。 ) ◯ 橋梁部の新設舗装については、「橋梁設計マニュアル 」等を参照のこと。 ◯ マニュアル記載内容に関し参考図書、通達等が改訂された場合には適宜対応のこと。 ( 内 容 に 関 す る 問 い 合 わ せ 先 ) [ 新 設 舗 装 に 関 す る こ と ] 山 口 県 土 木 建 築 部 道 路 建 設 課 建 設 班 ( 交 通 環 境 G ) TEL:083-933-3705 FAX:083-933-3719 E-mail:a18300@pref.yamaguchi.lg.jp [ 維 持 修 繕 に 関 す る こ と ] 山 口 県 土 木 建 築 部 道 路 整 備 課 整 備 班 ( 維 持 G ) TEL:083-933-3686 FAX:083-933-3689 E-mail:a18200@pref.yamaguchi.lg.jp

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ま え が き

道 路 舗 装 設 計 マ ニ ュ ア ル は 、 平 成 元 年 に 初 版 が 発 行 さ れ て か ら 、 幾 度 か の 改 訂 を 経 て 現 在 に 至 る ま で 、 山 口 県 に お け る 舗 装 の 参 考 書 と し て 、 発 注 者 ・ 設 計 者 ・ 施 工 者 に お い て さ ま ざ ま な 形 で 活 用 さ れ て い ま す 。 し か し な が ら 、 近 年 の 舗 装 技 術 の 進 歩 に よ り 、 機 能 性 ・ 耐 久 性 に 優 れ た 材 料 や 施 工 性 に 優 れ た 工 法 が 開 発 さ れ 、 ま た 、 景 観 ・ 環 境 へ の 配 慮 や 資 源 の 再 生 化 の 促 進 な ど の 面 に お い て も 実 用 レ ベ ル で の 実 績 が 多 数 報 告 さ れ て い ま す 。 こ う し た 中 、平 成 13 年 に「 舗 装 の 構 造 に 関 す る 技 術 基 準 」が 施 行 さ れ 、舗 装 の 性 能 規 定 化 に 向 け て 、 設 計 や 施 工 の 自 由 度 が 高 く 、 技 術 革 新 や コ ス ト 縮 減 が 図 り や す い 仕 組 み と な っ て き て い ま す 。 と は い え 、 性 能 規 定 化 に 関 す る 課 題 は ま だ ま だ 多 く 、 従 前 の 仕 様 規 定 に よ り 運 用 せ ざ る を 得 な い 場 面 も 多 く 残 っ て い ま す 。 こ う し た 過 渡 期 に お い て 、 舗 装 に 関 す る 指 針 ・ 便 覧 等 も 平 成 18 年 に 改 訂 さ れ 、 山 口 県 の 道 路 舗 装 設 計 マ ニ ュ ア ル も こ う し た 改 訂 を 踏 ま え 、 随 時 、 見 直 し を 行 っ て き た と こ ろ で す が 、 舗 装 を は じ め 道 路 施 設 の 老 朽 化 が 進 む 中 、 よ り 一 層 の ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 縮 減 や 維 持 管 理 費 の 平 準 化 を 図 る こ と が 求 め ら れ て い る と こ ろ で す 。 し か し な が ら、舗 装 の 設 計 期 間 に つ い て は 、 道 路 交 通 や 沿 道 環 境 に 及 ぼ す 舗 装 工 事 の 影 響 、 舗 装 の ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト 等 を 総 合 的 に 勘 案 し て 、 道 路 管 理 者 が 適 宜 設 定 す る こ と に な っ て お り 、 具 体 的 な 検 討 手 法 が 示 さ れ て お ら ず 、 弾 力 的 な 運 用 が 難 し い 状 況 で し た 。 ま た 、 コ ン ク リ ー ト 舗 装 に つ い て は 、 平 成 28 年 3 月 に 「 コ ン ク リ ー ト 舗 装 ガ イ ド ブ ッ ク 2016」 が 発 刊 さ れ て お り 、 今 後 、 コ ン ク リ ー ト 舗 装 の 積 極 的 活 用 を 図 っ て い く 観 点 か ら も 、 設 計 に あ た っ て の 基 本 的 事 項 に つ い て 整 合 を 図 る 必 要 が 生 じ て い ま す 。 こ の よ う な 背 景 か ら 、 こ の 度 、 「 山 口 県 道 路 舗 装 設 計 マ ニ ュ ア ル 」 の う ち 、 舗 装 新 設 編 に つ い て 内 容 の 拡 充 を 行 い ま し た 。 今 回 の 改 定 で は 、 従 来 の 設 計 方 法 を 基 本 と し な が ら も 、 具 体 的 な 検 討 を 行 い 易 い よ う 、 最 新 の 知 見 や 計 算 事 例 を 取 り 入 れ て い ま す 。 特 に 、 舗 装 の ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト 、 コ ン ク リ ー ト 舗 装 の 設 計 な ど に つ い て 内 容 を 充 実 さ せ ま し た 。 当 マ ニ ュ ア ル は 、舗 装 の 基 本 的 な 設 計 が 円 滑 に 行 わ れ る よ う 各 指 針・便 覧 の 要 点 を 抽 出 し 、 掲 載 し て い ま す の で 、 山 口 県 の 舗 装 整 備 事 業 の 円 滑 な 推 進 に ご 活 用 く だ さ い 。 《 舗 装 設 計 マ ニ ュ ア ル の 変 遷 》 ◯ 舗装設計マニュアル初版 ··· 平成 元 年 6 月 ◯ 舗装設計マニュアル改訂版 ··· 平成 7 年 8 月 ◯ 舗装設計マニュアル改訂版〔舗装新設編〕 ··· 平成 20 年 6 月 ◯ 舗装設計マニュアル改訂版〔全編改訂〕 ··· 平成 22 年 3 月 ○ 舗装設計マニュアル改訂版〔舗装新設編〕 ··· 平成 30 年 1 月

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第1章 総 説

1 - 1 概 説 道 路 は 、 最 も 基 本 的 な 社 会 資 本 で あ り 、 国 民 の 日 常 生 活 や 地 域 の 活 力 を 支 え る 根 本 的 な 社 会 基 盤 で あ る 。 こ の う ち 舗 装 は 、 道 路 の 表 面 を 形 成 す る 重 要 な 部 分 で あ り 、 特 に 近 年 は 、 円 滑 な 交 通 の 確 保 や 安 全 で 快 適 な 交 通 機 能 に 加 え て 、 豊 か で 潤 い の あ る 生 活 空 間 の 提 供 、 循 環 型 社 会 の 形 成 、 地 球 環 境 の 保 全 な ど 多 様 な 機 能 が 求 め ら れ て い る 。 ま た 、 近 年 の 技 術 の 多 様 化 に 対 応 す べ く 、 舗 装 に お い て も 性 能 規 定 化 等 に よ り 設 計 の 自 由 度 が 増 し 、 道 路 管 理 者 の 的 確 な 判 断 が 求 め ら れ て き て い る と こ ろ で あ る 。 道 路 管 理 者 は 、 こ れ ら の 社 会 的 要 請 に 対 し て 的 確 な 道 路 建 設 お よ び 適 切 な 維 持 管 理 を 行 う 必 要 が あ る 。 特 に 、 舗 装 は 供 用 後 に お い て 常 に 過 酷 な 環 境 に さ ら さ れ る こ と か ら 、 確 実 に 劣 化 し 供 用 性 が 低 下 す る 。 こ の た め 、 新 設 か ら 維 持 管 理 ま で 一 連 の も の と し て 考 え 、 耐 用 期 間 に 応 じ て 長 期 的 に 経 済 的 な 工 法 の 選 定 を 行 い 、 良 好 な 状 態 の 保 持 に 努 め な け れ ば な ら な い 。 本 書 で は 、 第 1 章 に 舗 装 の 新 設 か ら 維 持 管 理 を ま で を 含 め た 基 本 的 な 考 え 方 を 、 第 2 章 に 舗 装 の 基 本 的 な 設 計 方 法 を 、 第 3 章 か ら 第 5 章 に は 維 持 修 繕 工 法 の 詳 細 な 技 術 基 準 等 を 、 さ ら に 第 6 章 に 代 表 的 な 設 計 事 例 を と り ま と め 、 担 当 者 の 実 務 に 役 立 つ よ う 配 慮 し て い る 。 本 県 の 実 状 に 合 っ た 標 準 的 な 技 術 基 準 や 工 法 選 定 の 基 準 を 示 し て い る た め 、 本 書 の 主 旨 を 十 分 理 解 の 上 、 各 種 基 準 書 等 を 適 用 さ れ た い 。 表-1.1.1 に、本書の作成にあたり参考とした舗装に関する技術 図書を示す。本書に述べて い な い 個 々 の 詳 細 に つ い て は こ れ ら の 図 書 を 参 照 さ れ た い 。

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表-1.1.1 参考図書一覧表 参 考 図 書 名 発 行 年 発 行 所 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 工 事 共 通 仕 様 書 平 成 4 年 12 月 (公社)日本道路協会 舗 装 調 査 ・ 試 験 法 便 覧 平 成 19 年 6 月 (公社)日本道路協会 舗 装 の 構 造 に 関 す る 技 術 基 準 ・ 同 解 説 平 成 13 年 9 月 (公社)日本道路協会 舗 装 設 計 施 工 指 針 平 成 18 年 2 月 (公社)日本道路協会 舗 装 設 計 便 覧 平 成 18 年 2 月 (公社)日本道路協会 舗 装 施 工 便 覧 平 成 18 年 2 月 (公社)日本道路協会 舗 装 再 生 便 覧 平 成 22 年 3 月 (公社)日本道路協会 舗 装 性 能 評 価 法 平 成 25 年 4 月 (公社)日本道路協会 舗 装 性 能 評 価 法 別 冊 平 成 20 年 3 月 (公社)日本道路協会 道 路 維 持 修 繕 要 綱 昭 和 53 年 7 月 (公社)日本道路協会 道 路 橋 床 版 防 水 便 覧 平 成 19 年 3 月 (公社)日本道路協会 環 境 改 善 を 目 指 し た 舗 装 技 術(2004 年度版) 平成 17 年 3 月 (公社)日本道路協会 透 水 性 舗 装 ガ イ ド ブ ッ ク 2007 平 成 19 年 3 月 (公社)日本道路協会 ア ス フ ァ ル ト 混 合 所 便 覧 平 成 8 年 10 月 (公社)日本道路協会 道 路 土 工 要 綱 平 成 21 年 7 月 (公社)日本道路協会 道 路 構 造 令 の 解 説 と 運 用 平 成 27 年 6 月 (公社)日本道路協会 道 路 の 移 動 等 円 滑 化 整 備 ガ イ ド ラ イ ン 平 成 23 年 8 月 (一財)国土技術研究センター 転 圧 コ ン ク リ ー ト 舗 装 技 術 指 針 ( 案 ) 平 成 2 年 10 月 (公社)日本道路協会 コ ン ク リ ー ト 舗 装 ガ イ ド ブ ッ ク 2016 平 成 28 年 3 月 (公社)日本道路協会 コ ン ク リ ー ト 舗 装 に 関 す る 技 術 資 料 平 成 21 年 8 月 (公社)日本道路協会 車 道 用 ポ ー ラ ス コ ン ク リ ー ト 舗 装 設 計 施 工 技 術 資 料 平 成 19 年 10 月 (社)セメント協会 インターロッキングブロック舗 装 設 計 施 工 要 領 平 成 29 年 3 月 (一社)インターロッキングブロック舗装技術協会 ※ 発 行 所 は 平 成 29 年 3 月 時 点 で の 名 称

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1 - 2 舗 装 の 新 設 1 - 2 - 1 概 要 舗 装 の 計 画 と は 、 安 全 、 円 滑 か つ 快 適 な 交 通 を 確 保 す る た め 、 道 路 の 状 況 、 交 通 の 状 況 お よ び 沿 道 の 状 況 を 調 査 し た う え 、 路 面 の 機 能 、 舗 装 の ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト 、 環 境 の 保 全 と 改 善 、 周 辺 施 設 の 管 理 方 針 な ど を 勘 案 し 、 道 路 利 用 者 お よ び 沿 道 住 民 の 多 様 な 要 請 に 応 じ て 適 切 に 舗 装 の 性 能 を 設 定 す る こ と を い う 。 ま た 、 供 用 後 は 適 切 な 維 持 管 理 を 行 い 路 面 の 機 能 保 持 に 努 め 、 舗 装 に 破 損 が 生 じ た 場 合 に は 原 因 を 究 明 し て す み や か に 舗 装 の 維 持 、 修 繕 の 実 施 を 計 画 す る 。 1 - 2 - 2 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト 舗 装 が 存 在 し 、 そ の 性 能 を 一 定 の レ ベ ル 以 上 に 保 持 す る 必 要 が あ る 限 り 、 舗 装 は 建 設 ( 新 設 あ る い は 再 建 設 ) 、 供 用 さ れ 、 交 通 荷 重 な ど に よ り 性 能 が 低 下 し た 場 合 に は 補 修 し 、 さ ら に 補 修 に よ っ て 必 要 な 性 能 ま で 向 上 さ せ る こ と が 期 待 で き な い 場 合 に は 再 び 建 設 ( 舗 装 の 打 換 え ) さ れ る こ と に な る 。 こ の よ う な 舗 装 の 建 設 か ら 次 の 建 設 ま で の 一 連 の 流 れ を 舗 装 の ラ イ フ サ イ ク ル と い い 、 こ れ に 係 わ る 費 用 を ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト (LCC)という。 図-1.2.1 に舗装のライフサイクルとライフサイクルコストの概念、図 -1.2.2 に管理上の目 標 値 の 設 定 の 概 念 を 示 し て い る 。 図-1.2.2 においては、実線が事後保全、破線が予防保全の 概 念 と な る 。 予 防 保 全 に よ り 、 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト 最 小 化 を 図 り つ つ 、 あ る 一 定 レ ベ ル の 舗 装 性 能 を 維 持 で き る こ と を 示 し て い る 。 図-1.2.1 舗装のライフサイクルとライフサイクルコストの概念 図-1.2.2 管理上の目標値の設定の概念 出典:(公社)日本道路協会発行 舗装設計施工指針P.19

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ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 算 定 方 法 に 確 立 さ れ た も の は な い が 、 舗 装 の ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 算 定 に 用 い る 一 般 的 な 費 用 項 目 は 、 以 下 の 3 つ に 大 別 さ れ る 。 各 費 用 項 目 に お い て 、 代 表 的 な も の を 表-1.2.1 にして示す。ライフサイクルコストの算定 に お い て は 、 必 ず し も こ れ ら す べ て の 項 目 に つ い て 考 慮 す る 必 要 は な い 。 目 的 や 求 め ら れ る 精 度 、 工 事 条 件 、 交 通 条 件 、 沿 道 お よ び 地 域 条 件 等 に よ り 算 定 項 目 を 適 切 に 選 択 し 、 算 定 を 行 う も の と す る 。 表-1.2.1 舗装のライフサイクルコストの費用項目例 分 類 項 目 詳 細 項 目 例 道 路 管 理 者 費 用 調 査 ・ 計 画 費 用 調 査 費 、 設 計 費 建 設 費 用 建 設 費 、 現 場 管 理 費 維 持 管 理 費 用 維 持 費 、 除 雪 費 補 修 費 用 、 再 建 設 費 用 補 修 ・ 再 建 設 費 、 廃 棄 処 分 費 、 現 場 管 理 費 関 連 行 政 費 用 広 報 費 道 路 利 用 者 費 用 車 両 走 行 費 用 燃 料 費 、 車 両 損 耗 費 の 増 加 時 間 損 失 費 用 工 事 車 線 規 制 や 迂 回 に よ る 時 間 損 失 費 用 そ の 他 費 用 事 故 費 用 、 心 理 的 負 担 ( 乗 り 心 地 の 不 快 感 、 渋 滞 の 不 快 感 な ど の ) 費 用 沿 道 お よ び 地 域 社 会 の 費 用 環 境 費 用 騒 音 、 振 動 等 に よ る 沿 道 地 域 等 へ の 影 響 そ の 他 費 用 工 事 に よ る 沿 道 住 民 の 心 理 的 負 担 、 沿 道 事 業 者 の 経 済 損 失 出典:(公社)日本道路協会発行 舗装設計施工指針P.20 1 - 2 - 3 舗 装 の 性 能 規 定 化 舗 装 整 備 事 業 の 効 率 を 向 上 さ せ る た め に 、 舗 装 の 設 計 方 法 、 施 工 方 法 を 限 定 せ ず 、 所 要 の 性 能 を 実 現 で き る 技 術 に 関 し 幅 広 く 検 討 を 行 い 採 用 で き る 方 式 、 す な わ ち 性 能 規 定 発 注 の 普 及 が 進 め ら れ て き て い る 。 舗 装 の 性 能 指 標 は 、 道 路 利 用 者 や 沿 道 住 民 に よ っ て 舗 装 に 要 求 さ れ る さ ま ざ ま な 機 能 に 応 え る た め に 性 能 ご と に 設 定 す る 指 標 の こ と を い う 。 こ の 性 能 指 標 を 定 め る こ と に よ り 、 設 計 ◯ 道路管理者費用 ◯ 道路利用者費用 ◯ 沿道および地域社会の費用 : 建 設 費 用 + 維 持 費 用 + 補 修 ・ 再 建 設 費 用 + そ の 他 の 費 用( 調 査 計 画 費 用 、工 事 関 連 行 政 費 用 ) : 車 両 走 行 費 用 + 時 間 損 失 費 用 + そ の 他 の 費 用 : 環 境 費 用 + そ の 他 の 費 用

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舗 装 の 性 能 指 標 お よ び そ の 値 は 、 舗 装 の 設 計 前 に 、 道 路 の 存 す る 地 域 の 地 質 お よ び 気 象 の 状 況 、 交 通 の 状 況 、 沿 道 の 土 地 利 用 状 況 等 を 勘 案 し て 、 舗 装 が 置 か れ て い る 状 況 ご と に 、 道 路 管 理 者 が 任 意 に 設 定 す る 。 疲 労 破 壊 輪 数 、 塑 性 変 形 輪 数 お よ び 平 た ん 性 は 必 須 の 舗 装 の 性 能 指 標 で あ る 。 ま た 、 排 水 性 ・ 透 水 性 舗 装 の 場 合 、 浸 透 水 量 も 必 須 の 性 能 指 標 で あ る 。 雨 水 を 道 路 の 路 面 下 に 円 滑 に 浸 透 さ せ る こ と が 出 来 る 構 造 と す る 場 合 に は 、 舗 装 の 性 能 指 標 と し て 浸 透 水 量 を 設 定 す る 。 歩 道 に お け る 性 能 指 標 に つ い て は「 2 - 8 歩 道 お よ び 自 転 車 道 等 の 舗 装 」を 参 照 の こ と 。 路面の 機能 路面への具体的なニーズ 路面の要件 舗装の性能 性能指標 安 全 な 交 通の確保 視距内で制動停止できる すべらない すべり抵抗性 すべり抵抗値 車両操縦性がよい ハイドロプレーニング現 象がない わだち掘れが 小さい 塑性変形抵抗性 塑性変形輪数 路面の性能指標 摩耗抵抗性 すり減り量 水はねがない 骨材飛散抵抗性 ねじれ抵抗性 路面の視認性がよい 明るい 明色性 輝度 円 滑 な 交 通の確保 疲労破壊していない ひび割れがない 疲労破壊抵抗性 疲労破壊輪数 舗装構造の 性能指標 快 適 な 交 通の確保 乗り心地がよい 平たんである 平たん性 平たん性 路面の性能指標 荷傷みがしない 水はねがしない 透水する 透水性 浸透水量 路面の性能指標 環 境 の 保 全と改善 沿道等への水はねがない 地下水を涵養する 騒音が小さい 騒音が小さい 騒音低減 騒音値 振動が小さい 振動が小さい 振動低減 振動レベル 路面温度の上昇を抑制す る 路面温度が低い 路面温度低減 路面温度低減値 着 色 部 は 必 須 の 舗 装 の 性 能 指 標 ( 浸 透 水 量 は 排 水 性 ・ 透 水 性 舗 装 の 場 合 ) 図-1.2.3 車道および側帯の舗装における性能指標の例 参考:(公社)日本道路協会発行 舗装設計便覧P.28 性 能 規 定 発 注 は 、 設 計 と 施 工 に 自 由 度 が あ る こ と か ら 、 性 能 の 確 認 ・ 検 査 が で き る も の で あ れ ば 、 実 績 の 有 無 に 関 わ ら ず 新 技 術 を 導 入 し や す い 発 注 方 法 で あ る 。 本 県 の 舗 装 に 関 し て は 、 ま だ 具 体 的 な 性 能 規 定 発 注 に 至 ら な い た め 、 概 略 の 紹 介 に と ど め る が 、 平 成 13 年 6 月に制定され、性能規定化が明確にされた「舗装の構造に関する技術基 準 」 に お い て は 、 従 前 の 仕 様 規 定 の 一 部 が 性 能 指 標 の 値 と 関 連 づ け ら れ た こ と に よ り 、 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 の TA法 も 性 能 規 定 の 一 つ と し て 位 置 づ け ら れ て い る 。 性 能 規 定 発 注 に は 、 以 下 の 利 点 が 考 え ら れ る 。 ① 優れた新技術の採用が可能 ⇒ 公 共 工 事 の 品 質 を 確 保 し た う え で コ ス ト 縮 減 を 図 る こ と が で き る 。 ② 性能を具体的に規定 ⇒ 第 3 者にわかりやすい説明を行うことができる。 · 真 に 必 要 な 性 能 に 対 し て 設 計 施 工 が 行 わ れ る た め 、 無 駄 の な い 投 資 が 可 能 図-1.2.4 は性能規定の概念であり、性能規定の考え方(1)→(2)→(3)と移行する

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性能規定の考え方 (1) 性能規定の考え方 (2) 性 能 規 定 の 考 え 方(3) 完成した舗装の性能 性 能 指 標 で の 規 定 性 能 指 標 で 規 定 性 能 指 標 で 規 定 各層の出来形、品質 厚さ、締固め度等を規定 舗 装 の 種 類 、材 料 、施 工 方 法 を 限 定 せ ず 、舗 装 構 成 と 性 能 確 認 方 法 を 施 工 前 に 決 定 規 定 し な い 施工方法 材料・作業標準等を限定 規 定 し な い 設計方法 TA法 に も と づ い て 仕 様 を 決 定 限 定 し な い 限 定 し な い 従 前 の 仕 様 規 定 の 舗 装 を 、 そ の 有 す る 性 能 で 規 定 す る 。 こ れ に よ り 、 舗 装 ( 工 事 ) の ア カ ウ ン タ ビ リ テ ィ が 向 上 す る 。 発 注 は 仕 様 規 定 発 注 と す る 。 完 成 し た 舗 装 性 能 は 規 定 す る が 、設 計 方 法 や 施 工 方 法 は 限 定 し な い ( 現 地 材 料 、建 設 産 業 お よ び 他 産 業 か ら の 発 生 材 ・ 再 生 資 材 等 の 材 料 の 指 定 、 あ る い は 低 騒 音 型 ・ 低 振 動 型 施 工 機 械 等 の 指 定 は 可 能 ) 。 こ れ に よ り 、新 材 料 お よ び 新 工 法 の 導 入 を 促 進 す る 。 導 入 に あ た り 、 各 層 の 出 来 形 ・ 品 質 に 対 す る 検 査 方 法 を 明 確 に す る 必 要 が あ る 。 完 成 し た 舗 装 の 性 能 の み 規 定 す る が 、各 層 の 出 来 形 、品 質 も 規 定 し な い 。 こ れ に よ り 、設 計 方 法 も 含 め た 新 技 術 の 導 入 を 促 進 す る 。舗 装 の 性 能 指 標 の 施 工 直 後 の 値 だ け で は 性 能 の 確 認 が 不 十 分 で あ る 場 合 に お い て は 、必 要 に 応 じ 、供 用 後 一 定 期 間 を 経 た 時 点 の 値 を 定 め 、性 能 確 認 の 回 数 を 増 や す こ と も あ り 得 る 。 図-1.2.4 性能規定の概念 出典:(公社)日本道路協会発行 舗装設計施工指針P.9

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( 参 考 )性 能 規 定 に 関 す る 基 準・指 針 等 の 流 れ 舗 装 の 構 造 に 関 す る 技 術 基 準( 平 成 13 年 6 月) 道 路 構 造 令( 平 成15 年 7 月) 舗 装 設 計 施 工 指 針 ( 平 成 18 年 2 月) 舗 装 設 計 便 覧 ( 平 成 18 年 2 月) 舗 装 技 術 の 進 歩 や 多 様 化 従 来 の 仕 様 規 定 で は 対 応 困難 舗 装 施 工 便 覧 ( 平 成 18 年 2 月) 舗 装 性 能 評 価 法 ( 平 成 18 年 1 月) 舗 装 設 計 施 工 指 針 ( 平 成 13 年 12 月) 舗 装 施 工 便 覧 ( 平 成 13 年 12 月) 性 能 規 定 化 を 取 り 巻 く 状 況 変 化 へ の 対 応 舗 装 の 性 能 規 定 化 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 要 綱 ( 平 成 4 年 12 月) 従 前 の 仕 様 規 定 性 能 規 定 化 を 基 軸 と す る 舗 装 の 枠 組

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1 - 2 - 4 再 生 利 用 循 環 型 社 会 資 本 の 形 成 を 目 指 す 観 点 か ら 、 舗 装 発 生 材 の 再 生 利 用 と 適 正 処 分 は 重 要 な 課 題 で あ る 。 し た が っ て 、 材 料 選 定 の 際 な ど に は 、 使 用 材 料 が 再 生 利 用 可 能 で あ る か ど う か を 確 認 す る と と も に 、 発 生 材 の 利 用 促 進 に 努 め る こ と が 大 切 で あ る 。 各 種 発 生 材 の 再 生 利 用 の 方 法 に は 種 々 の も の が あ る が 、 主 な 発 生 材 と 代 表 的 な 再 生 利 用 方 法 を 表-1.2.2 に示す。 表-1.2.2 主な発生材と代表的な再生利用方法 発 生 分 野 発 生 材 の 種 類 代 表 的 な 再 生 利 用 方 法 舗 装 ア ス フ ァ ル ト ・ コ ン ク リ ー ト 塊 再 生 加 熱 ア ス フ ァ ル ト 混 合 物( プ ラ ン ト 再 生 舗 装 工 法 ) 同 上 ( 路 上 表 層 再 生 工 法 ) 同 上 + 路 盤 材 再 生 路 盤 材 ( プ ラ ン ト 再 生 舗 装 工 法 ) 同 上 ( 路 上 路 盤 再 生 工 法 ) 軟 弱 路 床 土 構 築 路 床 ( 路 床 安 定 処 理 工 法 ) 建 設 分 野 (舗装以外) コ ン ク リ ー ト 塊 再 生 路 盤 材 ( プ ラ ン ト 再 生 舗 装 工 法 ) 建 設 発 生 土 構 築 路 床 ( 盛 土 材 ) 路 盤 材 ( 低 品 位 の 場 合 は 安 定 処 理 を 行 う ) 建 設 汚 泥 構 築 路 床 ( 盛 土 材 ) ( 通 常 、 安 定 処 理 を 行 う ) 他 産 業 各 種 ス ラ グ 路 盤 材 、 骨 材 ( ア ス フ ァ ル ト 混 合 物 用 、 各 種 ブ ロ ッ ク 用 ) タ イ ヤ 、 ガ ラ ス 、 陶 磁 器 な ど 特 殊 骨 材 ( ア ス フ ァ ル ト 混 合 物 用 ) 骨 材 ( 各 種 ブ ロ ッ ク 用 ) 木 片 、 樹 皮 な ど 歩 道 お よ び 自 転 車 道 等 の 舗 装 用 混 入 材 ( 注 ) 研 究 開 発 中 の も の も 含 む ( 平 成 17 年 12 月現在) 出典:(公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針 P.23 舗 装 新 設 時 に 使 用 す る 再 生 舗 装 材 に は 、 以 下 の も の が あ る 。 ○ 再生クラッシャラン(下層路盤材) 路 盤 発 生 材 、 ア ス フ ァ ル ト コ ン ク リ ー ト 発 生 材 ま た は セ メ ン ト コ ン ク リ ー ト 発 生 材 な ど か ら 製 造 さ れ た 再 生 骨 材 や 、 グ リ ズ リ フ ィ ー ダ を 通 過 し た 材 料 等 を 、 単 独 も し く は こ れ ら を 混 合 し た も の 、 お よ び 必 要 に 応 じ て 補 足 材 を 加 え た も の 。 ○ 再生加熱アスファルト混合物(表層・基層材) ア ス フ ァ ル ト コ ン ク リ ー ト 再 生 骨 材 に 所 要 の 品 質 が 得 ら れ る よ う に 必 要 に 応 じ て 再 生 用 添 加 剤 、 新 ア ス フ ァ ル ト お よ び 新 規 骨 材 を 加 え て 加 熱 混 合 し た も の 。 な お 、再 生 ク ラ ッ シ ャ ラ ン 、再 生 加 熱 ア ス フ ァ ル ト 混 合 物 の 取 扱 い に つ い て は 別 途 通 達( 平 成 27 年 6 月 12 日付け平 27 技術管理第 236 号の 1「建設副産物及び再生資源の取扱いにつ い て ( 通 知 ) 」 ) に よ り 定 め ら れ て い る 。 再 生 材 の 利 用 は 、「 建 設 工 事 に 係 る 資 材 の 再 資 源 化 等 に 関 す る 法 律( 建 設 リ サ イ ク ル 法 )」 や 「 国 等 に よ る 環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 等 に 関 す る 法 律 ( グ リ ー ン 購 入 法 ) 」 に 掲 げ ら れ た

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1-3 舗装の維持修繕 1 - 3 - 1 概 要 舗 装 の 性 能 は 供 用 に 伴 い 低 下 す る も の で あ り 、 路 面 の 性 能 や 舗 装 自 体 の 強 度 が あ る 程 度 低 下 し た 段 階 で 維 持 ・ 修 繕 を 実 施 す る 。 維 持 ・ 修 繕 の 実 施 に 際 し て は 、 舗 装 の 状 態 を 適 時 に 調 査 し 、 的 確 に 把 握 す る こ と が 大 切 で あ り 、 こ の 調 査 結 果 に も と づ き 破 損 の 原 因 を 特 定 し 、 適 切 で 効 果 的 な 維 持 ・ 修 繕 工 法 を 選 定 し 、 実 施 す る 。 (公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針 P.32 一 連 の 流 れ を 図-1.3.1 に示す。 図-1.3.1 性能の低下と修繕の関係 (公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針 P.33 維 持 は 、 路 面 の 性 能 を 回 復 さ せ る こ と を 目 的 と し て お り 、 あ わ せ て 舗 装 の 構 造 的 な 強 度 低 下 を 遅 延 さ せ る 効 果 も 期 待 で き る 。 し た が っ て 、 舗 装 の 構 造 的 な 強 度 が 低 下 し て い な い と 判 断 さ れ る 場 合 は 、 ま ず 維 持 に よ り 路 面 の 性 能 の 回 復 を 図 る こ と が 長 期 的 に は 経 済 的 で あ る 。 (公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針 P.32 1 - 3 - 2 維 持 管 理 水 準 県 内 道 路 を す べ て 同 じ 水 準 で 維 持 管 理 す る こ と は 、 道 路 の 重 要 度 あ る い は 予 算 的 に 見 て 必 ず し も 適 切 で は な い 。 し た が っ て 、 道 路 の 種 別 、 交 通 量 、 道 路 利 用 状 況 、 沿 道 生 活 環 境 お よ び 維 持 修 繕 工 事 の 難 易 度 を 勘 案 し て 、道 路 の 維 持 管 理 に お け る 重 要 度 を 4 ランクに分類し、さらに重要度に応じ た 維 持 管 理 水 準 を 設 定 し て そ の 水 準 を 維 持 す る も の と す る 。 道 路 施 設 維 持 管 理 計 画 に お け る 舗 装 維 持 管 理 の 基 本 方 針 ( 案 ) に よ る と 、 道 路 の 種 別 と 交 通 量 に よ る 重 要 度 ラ ン ク と 管 理 水 準 は 表-1.3.1、表-1.3.2 に示すとおりであるが、道路の管理体制や予算規模により見直しもあ る と 思 わ れ る 。

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維 持 管 理 水 準 に は 、 路 面 の 供 用 性 評 価 指 数 と し て MCI が用いられている。 MCI については「1-3-4 路面の調査方法」を参照のこと。 表-1.3.1 道路の重要度ランク (簡易舗装) (L交通) N1~N3 (A交通) N4 (B交通) N5 (C・D交通)N6・N7 Ⅰ 国 道 地方道(10,000台/日以上) Ⅱ 国 道 地方道 (10,000台/日未満) 地方道 (3,000台/日以上) Ⅲ (改良済) 地方道 地方道 (3,000台/日未満) Ⅳ 国 道 国 道 (未改良) 地方道 (未改良) 地方道 〔注1〕道路施設維持管理計画の方針に従い、舗装設計便覧(H18.2)とアスファルト舗装要綱(H4.12) における交通量区分を併記している。 〔注2〕交通量区分については、「2-3 アスファルト舗装の構造設計」を参照のこと。 〔注3〕簡易舗装とは、「簡易舗装要綱」を基準とした比較的簡易な舗装構造である。 表-1.3.2 舗装維持修繕の基本方針(案) 重 要 度 ラ ン ク 基 本 的 考 え 方 実 質 管 理 水 準 最 低 水 準 Ⅰ , Ⅱ ライフサイクルコスト(LCC) の最小化を図る予防保全を行う。 MCI=3.5 or 3.0 でオーバーレイ MCI= 3.5 N5~N7(B・ C・ D 交 通 ) or MCI= 3.0 N4(A 交 通 ) 最 低 限 MCI≧ 2.0 を 確 保 Ⅲ LCC の最小化を図る予防保全を行 う。 MCI=3.0 でオーバーレイ MCI= 3.0 N1~N4(L・ A 交 通 ) Ⅳ 部分的補修(パッチ処理等)によ る舗装の延命化を基本とし、供用 限界に至った時点で、オーバーレ イまたは打換えを行う(事後保 全)。 MCI= 2.0 現 在 の 補 修 単 価・ 劣 化 曲 線 設 定 に お い て 、LCC 最 小 化 と な る MCI の 値 と 補 修 工 法 の 組 合 せ は 、MCI= 3.5( or3.0) 時 点 で の オ ー バ ー レ イ で あ る 。し か し な が ら 、今 後 、補 修 単 価・劣 化 曲 線 設 定 の 時 点 修 正 が 行 わ れ る と 、 実 質 管 理 水 準 も 見 直 し を 行 う 可 能 性 が あ る 。 交通量区分 重要度ランク〔 注 1 ,2 〕 〔 注 3 〕

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1 - 3 - 3 舗 装 の 破 損 舗 装 の 破 損 は 、 舗 装 の 表 層 部 分 の み 維 持 修 繕 を 行 え ば よ い も の と 、 舗 装 構 造 全 体 の 修 繕 が 必 要 な も の と に 分 け ら れ 、 次 の よ う に 分 類 さ れ る 。 ① 主として路面性状に関する破損 ② 主として構造に関する破損 ① と ② は 互 い に 関 連 し て お り 、 一 概 に は 分 け 難 い が 、 ① の 破 損 は 主 と し て 供 用 性 の み に 関 す る も の で 、 路 面 の 走 行 性 や 交 通 の 安 全 性 、 快 適 性 、 舗 装 に 起 因 す る 沿 道 環 境 を 直 接 的 に 阻 害 し 、 や が て は 舗 装 の 耐 久 性 や 構 造 の 機 能 を 損 な う も の を い い 、 路 面 の 局 部 的 な ひ び 割 れ 、 変 形 、 摩 耗 な ど が こ れ に 相 当 す る 。 ② の 破 損 は 、 ① の 破 損 が 進 行 し た も の が 多 い が 、 舗 装 の 耐 久 性 や 構 造 を 直 接 に 阻 害 し 、 供 用 性 の 低 下 、 沿 道 環 境 の 阻 害 に つ な が る も の で 、 全 面 的 な 亀 甲 状 ひ び 割 れ や コ ン ク リ ー ト 版 の 全 厚 に わ た る ひ び 割 れ な ど が こ れ に 相 当 す る 。 舗 装 の 破 損 と 種 類 と 原 因 に つ い て は 、 第 3 章 か ら 第 5 章 の 概 説 で 記 述 し て い る が 、 こ こ で は ア ス フ ァ ル ト 舗 装 の 主 な 破 損 メ カ ニ ズ ム の 概 略 を 表-1.3.3 に示すので、現地に応じた舗装 材 科 の 選 定 や 破 損 状 況 に 応 じ た 維 持 修 繕 を 行 う た め の 参 考 に さ れ た い 。 な お 、 舗 装 の 破 損 は 、 複 数 の 原 因 に よ り 発 生 す る と と も に 、 一 度 発 生 す る と 加 速 的 に 進 行 す る の で 、 日 常 の 路 面 観 察 や 適 時 適 切 な 維 持 管 理 が 必 要 で あ る 。

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表-1.3.3 アスファルト舗装の破損メカニズム 破損の種類 破損原因メカニズム ひ び 割 れ 一般的ひび割れ アスファルト混合物の不良、また路床路盤の支持 力不足箇所に荷重(走行タイヤ)がかかると、混 合物の下面に引張り歪みを生じ、その下面よりク ラックが発生する。 ある大きさの引張り歪みを、ある回数以上繰り返 すとクラックを発生する。 線状ひび割れ 走行タイヤの外側10~20cmの箇所(混合物の表 面)に引張り歪みを生じ、その箇所に表面よりク ラックが発生する。 一般的に重交通路線で硬いアスファルト混合物 の場合に発生しやすい。 リフレクション クラック 下層の目地やクラック部が走行タイヤにより変 位(動き)し、それによってアスファルト混合物 にせん断歪み等を生じ、その箇所に下面よりクラ ックが発生する。 横 断 凹 凸 ( わ だ ち 掘 れ ) 沈 下 路床路盤の支持力不足箇所に荷重(走行タイヤ) がかかると、路盤が沈下し、それに連れてアスフ ァルト混合物も沈下する。当然その部分にはクラ ックが発生している。 流 動 供用(走行タイヤ)することによりアスファルト 混合物が圧密され、アスファルト混合物の空隙が だんだん無くなり、最終的には、アスファルト混 合物自体が流動する。 重交通路線でアスファルト混合物が適切でない 場合、発生する。 縦 断 凹 凸 平たん性不良 走行タイヤがブレーキをかける等、アスファルト 混合物に頻繁にある大きさ以上の力を加えると、 縦断方向に波を生じる。1箇所発生すると連鎖し て前方に波が発達する。 アスファルト混合物の不良、路床路盤の不安定、 プライム・タックコートの不良等の箇所で坂道や

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1 - 3 - 4 路 面 の 調 査 方 法 (1) 路面調査・測定法 舗 装 路 面 の 調 査 は 路 面 の 状 態( 路 面 の 有 す る 性 能 )を 定 量 的 に 把 握 す る た め の も の で あ る 。 一 般 に 、 ひ び 割 れ 、 わ だ ち 掘 れ 、 縦 断 方 向 凹 凸 ( 平 た ん 性 ) 、 浸 透 水 量 、 騒 音 値 、 す べ り 抵 抗 値 等 が 対 象 と な る 。 こ の う ち 、 平 た ん 性 と 浸 透 水 量 、 騒 音 値 お よ び す べ り 抵 抗 値 の 詳 細 は 舗 装 性 能 評 価 法(注)を 、そ の 他 に つ い て は 舗 装 調 査・試 験 法 便 覧 を 参 照 の こ と 。以 下 、主 な 破 損 の 調 査 、 測 定 法 に つ い て 簡 単 に 説 明 す る 。 (公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針 P.35 (注)舗装性能評価法は 原則として施工直後の性能指標の値を確認するためのものである が 、 上 記 項 目 に つ い て は 供 用 中 に お い て も 適 用 。 1 ) ひび割れ ひ び 割 れ の 度 合 は 、 そ の 程 度 と 広 が り で 評 価 す る の が 基 本 で あ る が 、 一 般 的 に 、 広 が り に の み 着 目 し た ひ び 割 れ 率 ( コ ン ク リ ー ト 舗 装 の 場 合 は ひ び 割 れ 度 ) で 表 し て い る 。 測 定 法 は 、 ス ケ ッ チ に よ る 方 法 と 自 動 測 定 車 ( 写 真 連 続 撮 影 ) に よ る 方 法 と が あ り 、 一 般 に 調 査 対 象 区 間 の 単 位 長 を 100m 程度として集計することが望ましい。 ま た ひ び 割 れ の 状 態 が よ り 長 い 区 間 に わ た っ て 一 様 と み な せ る 場 合 に は 、 そ れ 以 上 の 長 さ ご と に 集 計 し て も よ い 。 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 に お け る ひ び 割 れ 率 の 計 算 例 を 図-1.3.2 に示す。 ※ 線 状 ひ び 割 れ は1メ ッ シ ュ 当 た り 0.15m2に 換 算 。 具 体 的 な 計 算 手 法 に つ い て は 、 舗 装 調 査 ・ 試 験 法 便 覧 を 参 照 の こ と 。 図-1.3.2 アスファルト舗装におけるひび割れ率の計算例 コ ン ク リ ー ト 舗 装 に お け る ひ び 割 れ 度 に つ い て は 、「 第 4 章 コンクリート舗装の維持 修 繕 工 法 」 を 参 照 の こ と 。 面 状 ひ び 割 れ 面 積 線 状 ひ び 割 れ 面 積

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2 ) わだち掘れ量 わ だ ち 掘 れ 量 の 測 定 は 調 査 対 象 区 間 を サ ン プ リ ン グ し て 約 20m の間隔で各断面のわだ ち 深 さ の 最 大 値 を 測 定 す る 。 測 定 の 方 法 に は 、 直 線 定 規 ま た は 水 糸 に よ る 方 法 と 横 断 方 向 プ ロ フ ィ ル メ ー タ ー に よ る 方 法 、 わ だ ち 掘 れ 自 動 測 定 車 に よ る 方 法 と が あ り 、 図-1.3.3 に し た が っ て わ だ ち 掘 れ 量 Dl、D2を mm 単位で測定し、この Dl、D2の う ち 大 き い 方 の 値 を 測 定 断 面 の わ だ ち 掘 れ 量 D とする。 図-1.3.3 わだち掘れ量の測定位置 (公社)日本道路協会発行 舗装調査・試験法便覧 P.〔1〕-171 3 ) 縦断方向凹凸量(平たん性) 路 面 の 縦 断 方 向 の 凹 凸 は 足 付 き 直 読 式 凹 凸 測 定 機 、3m プロフィルメーターや縦断凹凸 自 動 測 定 車 を 用 い て 測 定 し 、 調 査 区 間 の 測 定 値 の 標 準 偏 差 を も っ て 凹 凸 量 と し て い る 。 (2) 路面性状の自動測定 近 年 、ひ び 割 れ 、わ だ ち 掘 れ 、縦 断 方 向 凹 凸 量 の 3 路面特性測定用の路面性状自動測定車 が 実 用 化 さ れ て い る 。こ れ ら は 、路 面 性 状 測 定 の 省 力 化 、高 速 化 を 目 的 に 開 発 さ れ た も の で 、 車 載 式 で 通 常 の 走 行 速 度 で の 測 定 が 行 え 、 交 通 へ の 障 害 も 最 小 限 に 抑 え る こ と が で き る 。 現 在 、 使 用 さ れ て い る 路 面 性 状 自 動 測 定 装 置 の 概 要 を 表-1.3.4 に示す。

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表-1.3.4 路面性状自動測定装置の概要 測定項目 装 置 の 概 要 ひ び 割 れ ①走行しながら照明用ハロゲンランプとスリットカメラを用いて路面を撮影することに より路面のひび割れを透視撮影する。 ②走行しながらレーザー光線を照射し、特殊ビデオを用いて路面を撮影することにより 路面のひび割れを透視撮影する。 ③走行しながらスチールカメラを用いて路面を撮影することにより路面のひび割れを連 続撮影する。 わだち掘れ ①走行しながら路面横断方向にレーザー光線を照射し、これを固体素子テレビカメラで 撮影することにより路面の横断形状を測定する。 ②走行しながら路面横断方向に直線の暗映像を投影し、これをカメラで撮影することに より路面の横断形状を測定する。 ③走行しながら路面横断方向に多数の光線を投光し、これを固体素子テレビカメラまた は通常のテレビカメラで撮影することにより路面の横断形状を測定する。 縦断方向の 凹凸 (平たん性) ①走行しながら車両に取付けたレーザー変位計を用いて路面との距離を計測することに より路面の縦断凹凸を測定する。 ②走行しながら車両に取付けた加速度計とわだち掘れ自動測定装置の一部を用いて路面 との距離を計測することにより路面の縦断凹凸を測定する。 ③走行しながら第5輪に取付けた加速度計を用いて路面との距離を計測することにより 路面の縦断凹凸を測定する。 (参考)路面性状測定車に搭載されたレーザー変位計、および加速時計などからの出力から乗り心地 の指標であるIRI(国際ラフネス指数)を算出する方法が開発されている。 (公社)日本道路協会発行 舗装性能評価法P.46 (3) 路面の評価 舗 装 の 調 査 に よ っ て 求 め ら れ た デ ー タ を も と に 舗 装 の 評 価 が 行 わ れ る 。 舗 装 の 評 価 は 支 持 力 、 乗 り 心 地 、 路 面 損 傷 、 す べ り 抵 抗 に 分 け て 考 え る こ と が で き る 。 定 期 的 な デ ー タ の 収 集 に よ っ て 、 評 価 指 標 の 系 時 的 変 化 ( 供 用 性 ) を 予 測 す る こ と が 可 能 に な る 。 こ こ で 、 支 持 力 は た わ み 量 を も と に し た 評 価 、 乗 り 心 地 は 縦 断 方 向 の 凹 凸 が 主 な 要 因 と な っ て 定 ま る 利 用 者 の 主 観 評 価 、 路 面 損 傷 は ひ び 割 れ や わ だ ち 掘 れ 等 表 面 的 な 損 傷 の 評 価 指 標 で あ る 。 舗 装 の 総 合 評 価 指 標 と し て は AASHO ( ア メ リ カ 全 州 道 路 運 輸 行 政 官 協 会 ) の PSI ( Present Serviceability Index)もあるが、路面損傷の各要因を維持修繕の必要性という観念から総合 し て 求 め た MCI(Maintenance Control Index)という指標を利用する。

な お 、MCI の指標は、主として国道等の主要な道路で使用し、次の式(1)~(4)で算出され (10 点満点の減点方式)、MCI~MCI2の う ち 最 小 値 を 利 用 す る 。 MCI = 10-1.48C0.3-0.29D0.7-0.47σ0.2 ・・・・・(1) MCI0 = 10-1.51C0.3-0.3D0.7 ・・・・・・・・・・・・・・・・(2) MCIl = 10-2.23C0.3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) MCI2 = 10-0.54D0.7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) ここに、MCI :維持管理指数 MCI0 :ひび割れ率、わだち掘れ量から求めた指数 MCI1 :ひび割れ率から求めた指数 MCI2 :わだち掘れ量から求めた指数 C :ひび割れ率(%) D :最大わだち掘れ量の平均値(mm)(注) σ :縦断方向凹凸量の標準偏差値〔=平たん性〕(mm) 〔注〕D:最大わだち掘れ量の平均値とは、調査区間を20mピッチに分割し、各測点毎に最 大わだち掘れ量を求める。そして、この最大わだち掘れ量を平均したものが最大わだ

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図-1.3.4 わだち掘れ量の計算事例 〔例〕 測  点  距離(m) 測点番号(No.) 最大わだち掘れ量 (cm) 最大わだち掘れ量 の平均値(cm) 最大わだち掘れ量の平均値をNo.0~No.5、No.5~No.8に分けて求める場合 No.8 0 1 2 3 4 5 6 7 8

No.4 No.5 No.6 No.7 No.0 No.1 No.2 No.3

≒ 3.6 (cm) 3.0 (cm) = 2.95 ≒ D ( 100~160) = = 3.5+4.5+3.6+2.5+4.0+3.6 6 3.6+2.1+3.5+2.6 4 2.1 3.5 = 2.6 3.6(cm) 3.0(cm) 3.62 0 20 D ( 0~100) 調査区間  160mの場合 3.5 4.5 3.6 2.5 4.0 3.6 40 60 160 0 L=160m 160 80 100 120 140

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(4) 路面性状調査 計 画 的 な 舗 装 の 維 持 管 理 を 実 施 す る た め に は 、 定 期 的 に 路 面 の 状 態 を 点 検 す る こ と が 必 要 と な る 。 舗 装 維 持 管 理 の 基 本 方 針 ( 案 ) で は 、 路 面 性 状 調 査 ( M C I 調 査 ) に よ り 点 検 す る こ と と さ れ て お り 、路 線 の 重 要 度 に 応 じ て 機 械 式 あ る い は 簡 易 な 目 視 調 査 に よ り 点 検 を 行 う 。 重 要 度 ラ ン ク に 応 じ た 点 検 手 法 を 以 下 に 示 す 。 Ⅰ ・ Ⅱ ラ ン ク : 精 度 の 高 い 機 械 式 M C I 調 査 Ⅲ ・ Ⅳ ラ ン ク : 目 視 に よ る M C I 調 査 な お 、 点 検 結 果 に つ い て は 、 デ ー タ ー ベ ー ス 等 で 一 元 的 に 管 理 し 、 計 画 的 な 維 持 修 繕 計 画 の 策 定 お よ び 遂 行 に 役 立 て ら れ る 。 ひ び 割 れ 率 お よ び わ だ ち 掘 れ 量 と M C I の 関 係 を 、 表-1.3.5MCI簡易表に示した ので、 M C I を 算 出 す る 際 の 目 安 と し て 利 用 さ れ た い 。 表-1.3.5 MCI簡易表 C(%) D(㎜) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 0 10.00 6.39 5.55 4.98 4.52 4.14 3.81 3.52 3.26 3.01 2.79 2.58 2.38 2.20 2.02 1.86 1.70 5 8.33 7.62 5.55 4.98 4.52 4.14 3.81 3.52 3.26 3.01 2.79 2.58 2.38 2.20 2.02 1.86 1.70 10 7.29 7.83 5.48 4.98 4.52 4.14 3.81 3.52 3.26 3.01 2.79 2.58 2.38 2.20 2.02 1.86 1.70 15 6.41 8.02 4.99 4.60 4.29 4.04 3.81 3.52 3.26 3.01 2.79 2.58 2.38 2.20 2.02 1.86 1.70 20 5.60 8.20 4.54 4.15 3.85 3.59 3.37 3.17 2.99 2.83 2.67 2.53 2.38 2.20 2.02 1.86 1.70 25 4.86 8.37 4.13 3.74 3.44 3.18 2.96 2.76 2.58 2.41 2.26 2.12 1.99 1.86 1.74 1.63 1.52 30 4.16 8.54 3.74 3.35 3.05 2.79 2.57 2.37 2.19 2.02 1.87 1.73 1.60 1.47 1.35 1.24 1.13 35 3.50 8.70 3.37 2.98 2.68 2.42 2.20 2.00 1.82 1.66 1.50 1.36 1.23 1.10 0.98 0.87 0.76 40 2.86 8.87 2.86 2.63 2.32 2.07 1.84 1.64 1.47 1.30 1.15 1.01 0.87 0.75 0.63 0.52 0.41 45 2.24 9.05 2.24 2.24 1.98 1.73 1.50 1.30 1.12 0.96 0.81 0.67 0.53 0.41 0.29 0.18 0.07 50 1.65 9.23 1.65 1.65 1.65 1.40 1.17 0.97 0.79 0.63 0.48 0.34 0.20 0.08 -0.04 -0.15 -0.26 〔 注 1 〕 「C」はひび割れ率(%)、「D」は最大わだち掘れ量の平均値(mm)である。 なお、この表では平たん性(縦横方向凹凸量の標準偏差)を考慮していない。

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1 - 3 - 5 破 損 原 因 の 調 査 舗 装 の 破 損 原 因 の 調 査 は 、 非 破 壊 調 査 ま た は 開 削 調 査 な ど に よ り 行 う も の で あ る 。 調 査 を 行 う 時 期 に つ い て は 、 表-1.3.6 を目安に実施する。 表-1.3.6 非破壊調査や開削調査を行うひび割れ状況の目安 舗 装 の 種 類 舗 装 の 存 す る 場 所 ひ び 割 れ の 状 況 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 主 要 幹 線 道 路 ひ び 割 れ 率 10(%) 幹 線 道 路 ひ び 割 れ 率 15(%) そ の 他 ひ び 割 れ 率 20(%) コ ン ク リ ー ト 舗 装 す べ て の 箇 所 ひ び 割 れ 度 10(cm/m2) 〔 注 1 〕 表 中 の 値 は 、 維 持 、 修 繕 の 要 否 判 断 を 行 う た め の も の で は な い 。 〔 注 2 〕ひ び 割 れ 率:調 査 対 象 面 積 に 対 す る ひ び 割 れ の 生 じ て い る 箇 所 の 面 積 比 ひ び 割 れ 度 : 調 査 対 象 面 積 に 対 す る ひ び 割 れ の 長 さ の 比 (公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針P.34、 舗装 設 計便 覧 P.90 (1) 非破壊調査 非 破 壊 調 査 に は 、 た わ み 量 に よ る 方 法 、 弾 性 波 に よ る 伝 播 速 度 測 定 に よ る 方 法 、 地 中 レ ー ダ に よ る 方 法 な ど が あ る 。 最 も 一 般 的 な も の は た わ み 量 に よ る 方 法 で あ る 。 こ の 方 法 は 、 舗 装 の 構 造 的 な 安 定 性 を 評 価 す る 有 効 な 方 法 で あ り 、 舗 装 の 寿 命 を 予 測 で き る ば か り で な く 、 破 壊 原 因 の 解 明 や 修 繕 工 法 の 選 定 に 役 立 ち 、 さ ら に オ ー バ ー レ イ 厚 の 設 計 に も 利 用 で き る 。 た わ み 量 の 測 定 は 、 従 来 か ら ベ ン ケ ル マ ン ビ ー ム が 用 い ら れ て い る が 、 最 近 で は FWD(フ ォ ー リ ン グ ウ ェ イ ト デ フ レ ク ト メ ー タ ) な ど の 動 的 な た わ み 測 定 装 置 が 導 入 さ れ て い る 。 FWD は舗装構造の解析が 可能であり、測定したたわみにより、舗装全体の支持力や路床の 支 持 力 、 残 存 等 値 換 算 厚 の 算 定 も 可 能 で あ る 。 (2) 開削調査 開 削 調 査 は 、 舗 装 の 破 損 原 因 の 究 明 な ど 、 舗 装 構 造 の 状 況 を 部 分 的 に 詳 細 に 調 査 す る の に 適 し て い る 。 開 削 調 査 で は 、 舗 装 構 成 層 の 変 形 状 況 や 深 さ 方 向 の ひ び 割 れ 状 況 を 観 察 、 測 定 し た り 、 路 床 、 路 盤 の 支 持 力 を 直 接 測 定 し た り す る 。 (公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針 P.37

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1 - 3 - 6 維 持 修 繕 の 計 画 維 持 修 繕 は 路 面 の 破 損 状 況 は も と よ り 、 交 通 量 、 道 路 の 重 要 度 さ ら に 現 場 の 緊 急 性 等 を 総 合 的 に 検 討 し て 、 施 工 の 時 期 や 工 法 を 判 断 し な け れ ば な ら な い 。 維 持 修 繕 は 、 そ の 目 的 か ら 維 持 工 法 と 修 繕 工 法 と に 大 別 さ れ る 。 (1) 維持工法 維 持 工 法 は 、 舗 装 の 破 損 を 根 本 的 に 修 理 す る も の で は な く 、 あ く ま で も 応 急 的 な 修 理 に よ る 交 通 障 害 の 回 避 や 、 供 用 性 の 維 持 を 目 的 と す る も の で あ る 。 応 急 的 に 行 う も の と し て は 、 局 部 的 に 発 生 し た ポ ッ ト ホ ー ル へ の パ ッ チ ン グ 工 法 や 、 ジ ョ イ ン ト の 開 き や ひ び 割 れ へ の シ ー ル 材 注 入 工 法 等 が こ れ に あ た る 。 供 用 性 の 維 持 に つ い て は 、 主 に 予 防 的 な 維 持 と し て 、 舗 装 構 造 の 破 壊 に 至 ら な い ひ び 割 れ に 対 す る 表 面 処 理 工 法 や シ ー ル 材 注 入 工 法 、 わ だ ち 掘 れ 対 策 な ど が あ た る 。 予 防 的 維 持 は 、 舗 装 の 構 造 と し て の 性 能 に 大 き な 変 化 が 現 れ る 前 に 行 う も の で あ り 、 修 繕 ま で の 期 間 延 長 、 舗 装 の 供 用 性 向 上 、 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 低 減 な ど 有 効 な 対 策 で あ る 。 (2) 修繕工法 修 繕 工 法 は 、 路 面 の 性 能 や 舗 装 の 性 能 が 低 下 し 、 維 持 工 法 で は 不 経 済 も し く は 十 分 な 回 復 効 果 が 期 待 で き な い 場 合 に 実 施 す る も の で あ り 、 舗 装 構 造 の 強 化 や 品 質 の 改 善 を 行 い 、 供 用 性 の 回 復 と 舗 装 の 寿 命 を の ば す こ と を 目 的 と す る も の で あ る 。 修 繕 工 法 と し て は 、 オ ー バ ー レ イ 工 法 や 打 換 え 工 法 が こ れ に あ た る 。 1 - 3 - 7 維 持 修 繕 工 法 の 選 定 (1) 維持修繕工法 維 持 修 繕 工 法 の 選 定 は 、 既 設 舗 装 の 構 造 や 破 損 原 因 、 破 損 の 範 囲 、 道 路 の 重 要 度 、 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト 、 従 来 の 経 験 等 を 総 合 的 に 判 断 し て 行 う 。 維 持 修 繕 工 法 に は 、 現 場 の 諸 条 件 に よ り 、 新 設 と 同 様 の 設 計 ・ 施 工 方 法 に よ る も の や 、 独 自 の 材 料 ・ 工 法 、 経 験 に も と づ く も の な ど 多 数 の 工 法 が あ る 。 そ の 適 用 に あ た っ て は 、 第 3 章 以 降 に 記 載 す る 各 工 法 の 目 的 や 考 え 方 を 十 分 理 解 の う え 、 的 確 に 選 定 し 設 計 を 行 う も の と す る 。 本 書 で 扱 う 維 持 修 繕 工 法 の 一 覧 は 、 表-1.3.7 に示すとおりである。 (2) 維持修繕工法選定上の留意点 1 ) 破 損 の 面 的 な 規 模 を 把 握 し 、 局 部 的 な 破 損 か 広 範 囲 な 破 損 か を 見 極 め 、 そ の 範 囲 に 応 じ た 工 法 を 選 定 す る 。 局 部 的 な 破 損 で あ っ て も 、 そ れ が 広 範 囲 な 破 損 に 進 展 す る 可 能 性 が あ る 場 合 は 、 予 防 的 な 補 修 を 選 定 す る 。 2 ) 破 損 の 進 行 状 況 お よ び 気 象 条 件 等 を 考 慮 し 、 適 切 な 補 修 時 期 を 選 定 す る 。 3 ) 流 動 に よ る わ だ ち 掘 れ が 大 き い 場 合 は 、 そ の 原 因 と な っ て い る 層 を 除 去 し な い で オ ー バ ー レ イ 工 法 を 行 う と 再 び 流 動 化 す る 可 能 性 が 高 い の で 、 表 層 ・ 基 層 打 換 え 工 法 等 を 選 定 す る 。 ま た 、 過 去 の 補 修 履 歴 な ど か ら 流 動 に よ る わ だ ち 掘 れ が 著 し い 箇 所 で は 、 耐 流 動 性 の

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4 ) ひ び 割 れ の 程 度 が 大 き い 場 合 は 、 路 床 ・ 路 盤 の 破 損 の 可 能 性 が 高 い の で 、 オ ー バ ー レ イ 工 法 よ り も 打 換 え 工 法 を 選 定 す る 。 5 ) 路 盤 の た わ み が 大 き い 場 合 は 、 路 床 ・ 路 盤 に 破 損 が 生 じ て い る と 考 え ら れ る た め 、 安 易 に オ ー バ ー レ イ 工 法 を 選 定 せ ず に 、 路 床 ・ 路 盤 の 調 査 を 行 い 、 そ の 状 況 に よ っ て 打 換 え 工 法 を 選 定 す る 。 6 ) 補 修 に あ た っ て は 、 舗 装 発 生 材 を 極 力 少 な く す る こ と が 望 ま し い 。 こ れ に は 、 発 生 材 を 少 な く す る 工 法 の 選 定 が 必 要 で あ る が 、 発 生 材 を 有 効 活 用 す る 再 生 工 法 の 選 定 も 含 め て 補 修 工 法 の 選 定 を す る 。 表-1.3.7 維持修繕工法の一覧表 維 持 修 繕 工 法 適 用 区 分 本 文 中 の ページ番 号 工 法 分 類 工 法 ・ 材 料 等 維 持 修繕 路 面 維 持 対 策 応 急 処 置 パ ッ チ ン グ 、 ク ラ ッ ク シ ー ル ○ 81 表 面 処 理 ( 薄 層 舗 装 ) フ ォ グ シ ー ル 、シ ー ル コ ー ト 、ア ー マ ー コ ー ト 、 ス ラ リ ー シ ー ル 、 カ ー ペ ッ ト コ ー ト 、 マ ス チ ッ ク シ ー ル 、 樹 脂 系 表 面 処 理 ○ 84 局 部 打 換 え 路 盤 打 換 え ○ 87 わ だ ち 掘 れ 対 策 こぶ取り切削、レールパッチング ○ 89 オ ー バ ー レ イ ( 事 前 処 理 ) オ ー バ ー レ イ 、 薄 層 オ ー バ ー レ イ 、 切 削 + オ ー バ ー レ イ 、 事 前 処 理 + オ ー バ ー レ イ ( ク ラ ッ ク 抑 制 シ ー ト 、 シ ト ネ 層 、 マ ス チ ッ ク シ ー ル ) 、 路 上 表 層 再 生 工 法 ○ ○ 91 打 換 え 路 上 路 盤 再 生 セ メ ン ト 安 定 処 理 、 セ メ ン ト ・ 瀝 青 安 定 処 理 ○ 107 路 上 路 盤 安 定 処 理 セ メ ン ト 安 定 処 理 、 セ メ ン ト ・ 瀝 青 安 定 処 理 ○ 115 は ぎ 取 り 打 換 え 表層はぎ取り、路盤はぎ取り ○ 118 軟 弱 路 床 対 策 路 床 安 定 処 理 石 灰 安 定 処 理 、 セ メ ン ト 安 定 処 理 ◎ 122 置 換 え 良 質 土 、 砕 石 ◎ 127 し ゃ 断 層 砂 ( サ ン ド イ ッ チ 工 法 参 照 ) ◎ 127 コ ン ク リ ー ト 舗 装 の 維 持 修 繕 目 地 、 ク ラ ッ ク シ ー ル 、 パ ッ チ ン グ 、 局 部 打 換 え ○ 130 注 入 工 法 ○ 134 事 前 処 理 + オ ー バ ー レ イ 、 打 換 え ○ 135 橋 面 舗 装 の 維 持 修 繕 パ ッ チ ン グ 、 シ ー ル 填 充 、 表 面 処 理 ○ 140 オ ー バ ー レ イ 、 切 削 オ ー バ ー レ イ 、 打 換 え ○ ○ 141 床 版 防 水 工 ○ ◎ 142 〔 注 〕 適 用 区 分 の 修 繕 欄 に お け る ◎ の 工 法 は 、 新 設 に お い て も 適 用 可 能 で あ る 。 維 持 修 繕 を 行 う 判 断 基 準 や 選 定 基 準 の 詳 細 は 、第 3 章 以 降 に 記 載 す る 各 工 法 の 項 に よ る が 、 全 体 的 な 工 法 選 定 の フ ロ ー チ ャ ー ト は 図-1.3.5 に示すとおりである。

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図-1.3.5 維持修繕工法選定フローチャート Ⅳ ラ ン ク 応 急 処 置 必 要 に 応 じ 表 面 処 理 等 打 換 え オ ー バ ー レ イ 打 換 え オ ー バ ー レ イ 表 面 処 理 打 換 え 長 期 的 経 済 性 MCI≦ 2.0 (C 率 ≧70%) MCI≦ 3.5 N5,N6,N7 (B,C,D 交 通 ) N1,N2,N3,N4 (L,A 交 通 ) 簡 易 舗 装 MCI≦ 3.0 MCI≦ 3.0 MCI≦ 4.0 改 良 計 画 有 り MCI≦ 4.5 (C 率 ≧35%) MCI≦ 3.5 Ⅰ ラ ン ク Ⅱ ラ ン ク Ⅲ ラ ン ク 既 設 舗 装 応 急 性 危 険 性 改 良 計 画 有 り Yes No Yes No Yes No No No Yes Yes Yes No No Yes

Yes Yes Yes

No No No

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第2章 舗装の設計

2 - 1 概 説 2 - 1 - 1 舗 装 の 構 成 舗 装 は 、 交 通 荷 重 に 耐 え る 厚 さ を 持 ち 、 表 層 か ら 路 盤 ま で の 各 層 が 力 学 的 に つ り 合 い の と れ た 構 成 で な け れ ば な ら な い 。 舗 装 の 厚 さ や 各 層 の 構 成 は 、 交 通 量 、 路 床 土 の 設 計 CBR を基に設計するが施工性や経済 性 を 考 慮 す る こ と が 重 要 で あ る 。 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 は 一 般 に 、 表 層 、 基 層 と 路 盤 か ら な り 、 路 床 上 に 構 築 さ れ る 。 コ ン ク リ ー ト 舗 装 は 一 般 に 、 コ ン ク リ ー ト 版 と 路 盤 か ら な り 、 路 床 上 に 築 造 さ れ る が 、 路 盤 の 最 上 部 に ア ス フ ァ ル ト 中 間 層 を 設 け る こ と も あ る 。 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 及 び コ ン ク リ ー ト 舗 装 に 関 す る 基 本 的 な 構 成 を 図-2.1.1 に示す。 表層 舗 装 基層 上層路盤 路 盤 下層路盤 構築路床 路 床 路床(原地盤) 路体 < ア ス フ ァ ル ト 舗 装 各 層 の 名 称 > コンクリート版 舗 装 アスファルト中間層 上層路盤 下層路盤 構築路床 路床(原地盤) 路体 < コ ン ク リ ー ト 舗 装 各 層 の 名 称 > 図-2.1.1 舗装の構成 出 典 : (公社)日本道路協会発行 舗 装 設 計 施 工 指 針 P.48、 49 1) 表 層 表 層 の 役 割 は 、 舗 装 の 最 上 部 に あ っ て 、 交 通 の 安 全 性 、 快 適 性 な ど の 路 面 の 機 能 を 確 保 す る こ と に あ る 。 表 層 は 、 路 面 の 機 能 に 関 連 す る 塑 性 変 形 輪 数 、 平 た ん 性 、 浸 透 水 量 な ど の 舗 装 の 性 能 指 標 の 値 を 一 定 の 水 準 に 確 保 す る 必 要 が あ る 。 ま た 、 コ ン ク リ ー ト 舗 装 の 場 合 は 、 コ ン ク リ ー ト 版 の 表 面 が 路 面 と な り 、 表 層 の 役 割 を 果 た す 。 2) 基 層 基 層 の 役 割 は 、 路 盤 の 不 陸 を 整 正 し 、 表 層 に 加 わ る 交 通 荷 重 を 路 盤 に 均 等 に 分 散 さ せ る こ と で あ る 。 基 層 に は 設 計 期 間 に わ た っ て 表 層 を 支 え る 十 分 な 安 定 性 、 路 盤 の た わ み に 追 従 で き る 十 分 な た わ み 性 な ど が 求 め ら れ る 。 基 層 が 2 層 以 上 と な る 場 合 、 最 下 層 を 基 層 と 路 盤 路 床

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3) コンクリート版 コ ン ク リ ー ト 版 の 役 割 は 、交 通 荷 重 を 支 持 し 、路 盤 以 下 に 荷 重 を 分 散 さ せ る こ と で あ る 。 コ ン ク リ ー ト 版 に は 、 疲 労 破 壊 抵 抗 性 が 求 め ら れ る 。 ま た 、 別 途 表 層 を 設 け な い コ ン ク リ ー ト 版 に は 平 た ん 性 な ど の 路 面 と し て の 性 能 も 求 め ら れ る 。さ ら に 、コ ン ク リ ー ト 版 は 、 連 続 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 版 を 除 い て 、 温 度 変 化 や 乾 燥 収 縮 に よ る 応 力 を 低 減 す る た め に 適 当 な 間 隔 に 目 地 を 設 け る 。 4) 路 盤 路 盤 の 役 割 は 、 表 層 お よ び 基 層 に 均 一 な 支 持 基 盤 を 与 え る と と も に 、 上 層 か ら 伝 え ら れ た 交 通 荷 重 を 分 散 し て 路 床 に 伝 達 す る こ と で あ る 。 さ ら に 、 路 盤 に は 、 舗 装 の 設 計 期 間 に わ た っ て 路 床 の 軟 弱 化 や 凍 上 の 抑 制 な ど 、 構 造 的 な 耐 久 性 が 求 め ら れ る 。 ま た 、 路 盤 は 力 学 的 だ け で は な く 経 済 的 に も 釣 り 合 い の と れ た 構 成 と す る た め に 、 通 常 、 上 層 路 盤 と 下 層 路 盤 に 分 け る 。 ① 上層路盤 路 盤 を 2 種類以上の層で構成するときの上部の層。 砕石等の強度の大きい良質な 材 料 を 用 い 、 粒 度 調 整 、 セ メ ン ト 安 定 処 理 、 石 灰 安 定 処 理 、 瀝 青 安 定 処 理 、 セ メ ン ト ・ 瀝 青 安 定 処 理 な ど の 各 工 法 に よ り 施 工 す る 。 ② 下層路盤 路 盤 を 2 種類以上の層で構成するときの下部の層。 上部の層に比べて作用する応 力 が 小 さ い の で 、 経 済 性 を 考 慮 し て ク ラ ッ シ ャ ラ ン を 用 い る 。 セ メ ン ト 安 定 処 理 、 石 灰 安 定 処 理 を 用 い る 場 合 も あ る 。 5) 路 床 舗 装 の 支 持 層 と し て 構 造 計 算 上 取 り 扱 う 層 の こ と を 路 床 と い い 、そ の 下 部 を 路 体 と い う 。 路 床 の 厚 さ は 1 m を 標 準 と す る 。 ま た 、 原 地 盤 を 改 良 す る 場 合 、 そ の 改 良 し た 層 を 構 築 路 床 と い い 、 構 築 路 床 を 含 め た 路 盤 よ り 下 1 m の 層 を 路 床 と い う 。 6) 構築路床 構 築 路 床 の 役 割 は 、 路 床 ( 原 地 盤 ) 、 路 体 ( 原 地 盤 ) に 交 通 荷 重 を 均 一 に 分 散 す る こ と で あ る 。 構 築 路 床 は 、 寒 冷 地 に お け る 路 床 の 凍 結 融 解 の 影 響 緩 和 、 道 路 占 用 埋 設 物 件 へ の 交 通 荷 重 の 影 響 緩 和 お よ び 舗 装 の 設 計 、 施 工 の 効 率 性 向 上 な ど を 目 的 に 、 路 床 ( 原 地 盤 ) と 一 体 と な っ て 均 一 な 支 持 力 を 有 す る よ う に 、 路 床 を 改 良 し た も の で あ る 。 2 - 1 - 2 排 水 施 設 舗 装 に 要 求 さ れ る 性 能 は 、 排 水 施 設 の 設 置 を 前 提 と し た 舗 装 の 設 計 に よ り 確 保 さ れ る 。 排 水 施 設 が 不 備 な 場 合 は 、 舗 装 破 壊 の 原 因 と な る の で 排 水 施 設 は 舗 装 設 計 と 同 時 に 設 計 す る 。 1 ) 排水の区分 舗 装 か ら の 排 水 方 法 は 主 と し て 表 面 排 水 と 地 下 排 水 が あ る 。 舗 装 に 影 響 を 及 ぼ す の り 面 か ら の 排 水 に も 十 分 対 処 す る 。

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排 水 施 設 の 詳 細 は 「 道 路 土 工 要 綱 」 を 参 照 す る こ と 。 図-2.1.2 道路排水の概要 出 典 : (公社)日本道路協会発行 道 路 土 工 要 綱P.102 2 ) 表面排水 路 面 の 滞 水 は 道 路 利 用 者 の 安 全 性 な ど を 著 し く 損 な う こ と か ら 、 降 雨 な ど に 伴 う 表 面 水 を 路 側 に 設 け た 側 溝 な ど へ 排 水 を 行 う た め に 集 水 ま す を 追 加 す る な ど 排 水 に 十 分 配 慮 す る こ と が 重 要 で あ る 。 排 水 を 容 易 に す る た め の 路 面 の 横 断 勾 配 は 1.5~2.0%とする。 3 ) 地下排水 舗 装 内 に 滞 留 す る 水 は 、 路 床 お よ び 路 盤 の 軟 弱 化 、 ひ い て は 舗 装 の 支 持 力 低 下 を 招 く お そ れ が あ る 。 し た が っ て 、 路 床 お よ び 路 盤 か ら の 排 水 を 目 的 と し て 地 下 排 水 を 施 し 、 地 下 水 位 を 低 下 さ せ る と と も に 、 道 路 に 隣 接 す る 地 帯 か ら の 浸 入 水 を 遮 断 す る 。 4 ) のり面排水 盛 土 お よ び 切 土 の り 面 に お け る の り 面 排 水 処 理 工 、 切 土 の り 面 に お け る 湧 水 処 理 工 は 、 地 象 に よ っ て は そ の 不 備 が 舗 装 破 壊 の 原 因 と な る こ と も あ る の で 、 地 下 排 水 と の 併 用 も 含 め て 舗 装 の 設 計 と 並 行 し て 設 計 を 行 う 。

表 -1.1.1  参 考 図 書 一 覧 表  参 考 図 書 名  発 行 年 発 行 所  ア ス フ ァ ル ト 舗 装 工 事 共 通 仕 様 書  平 成   4 年 12 月  (公 社 )日 本 道 路 協 会 舗 装 調 査 ・ 試 験 法 便 覧 平 成 19 年  6 月 (公 社 )日 本 道 路 協 会 舗 装 の 構 造 に 関 す る 技 術 基 準 ・ 同 解 説  平 成 13 年   9 月  (公 社 )日 本 道 路 協 会 舗 装 設 計 施 工 指 針 平 成 1
表 -1.3.4  路 面 性 状 自 動 測 定 装 置 の 概 要 測定項目  装      置      の      概      要  ひ び 割 れ ①走行しながら照明用ハロゲンランプとスリットカメラを用いて路面を撮影することに より路面のひび割れを透視撮影する。  ②走行しながらレーザー光線を照射し、特殊ビデオを用いて路面を撮影することにより 路面のひび割れを透視撮影する。  ③走行しながらスチールカメラを用いて路面を撮影することにより路面のひび割れを連 続撮影する。 わだち掘れ  ①走行しな
表 -2.2.6  改質アスファルトの種類と使用目的の目安  種  類 ポリマー改質アスファルト セミブローンアスファ ルト  硬質アスフⅠ型 Ⅱ型Ⅲ型 H型 ァルト付加記号 Ⅲ型―W  Ⅲ型―WF  H 型―F  混合物機能 適用混合物 主な  適用箇所 密粒度、細粒度、粗粒度等の混合物に用いる。 Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型は主にポリマーの添加量が異なる。 ポーラスアスファルト混 合物に用いられる、ポリマーの添加量が多い改質アスファルト。  密粒度や粗粒度混合物に用いられる、塑性変形抵抗性を改良したアスファルト グ
表 -2.3.6  表 層 と 基 層 を 加 え た 最 小 厚 さ 普 通 道 路 ( 標 準 荷 重 49kN)  交 通 量 区 分 舗 装 計 画 交 通 量  ( 台 /日 ・ 方 向 )  表 層 と 基 層 を 加 え た最 小 厚 さ (cm)  N 7 3,000 以 上 20  (15)  N 6 1,000 以 上 3,000 未 満 15  (10)  N 5 250 以 上 1,000 未 満 10  ( 5)  N 4 100 以 上 250 未 満 5    N 3 40 以
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参照

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