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中越地震による長岡高専3号館の被災原因の検討

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Academic year: 2022

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(1)3-160. 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月). 中越地震による長岡高専 3 号館の被災原因の検討. 1.はじめに. 長岡高専. 学生会員 ○桑原 和幸. 長岡高専. 正会員. 尾上 篤生. 3号館付近の地山のコンターである。解析領域は、同. 2004 年の中越地震(10 月 23 日、M6.8)により長岡高専. 図に示した3号館を含む図中のメッシュの範囲で、3. は校舎・寄宿舎・食堂棟など5棟が建替えを要すると. 号館南西角を原点とする領域である。地盤のモデルは、. いう甚大な被害を受けた。特に校舎 3 号館は、旧地山. 地表面から盛土(地下水位以上)、盛土(地下水位以下)、. を切り盛りして造成した複雑な地盤に立地し、地盤の. 旧表土、御山層(地下水位以上)、御山層(地下水位以下)、. 変状とともに校舎が打ち継目のところで切断するとい. 魚沼層(地下水位以上) 、魚沼層(地下水位以下)の 7 層か. う大きな被害を蒙った。本研究では 3 号館の被害メカ. ら成り、標高 45m から標高 68.1m の標高差 23.1m、185m. ニズムを明らかにするために、まず立地地盤の地震時. ×165m の領域を 3 次元で作成した。3 号館のうち、変. 挙動を地震時応答解析によって検討した。. 位した部分は、標高 65m の盤である。図−3に、モデ ルの鳥瞰図を示した。用いた地震波は kik-net 雪氷研究. 2.校舎3号館の被害状況. 所基盤波 EW、NS、UD である。加速度計の北方向とモ. 3号館は、深く入り組んだ旧沢地を含む斜面を、旧. デルの Y 軸とのなす角 33.6 度を考慮して補正し、図-. 地山の切土を用いて埋立てた盛土の上に立地していた。. 4に示す入力地震波形をモデル地盤の下端に入力した。. 図-1 は、地震後の3号館の西側半分を示してるが、南. 減衰比はすべてのモードに対して 0.1 とした。境界条件. 西の角が南側に 77cm 変位し、校舎躯体の接続部分の北. は基盤を完全固定とした。各層の地盤物性値を表-1 に. 側が切断し、26cm 離隔した。さらに南西隅角部のb点. 示す。ここに旧表土は有機質粘性土で、N 値は0と軟. で地盤が 47cm、c点で 59cm 沈下するとともに、地表. 弱である。. 面は校舎から 18cm 移動して校舎との間に V 字型のギャ ップが出来た。また、隅角部のフーチングを支える3 本杭は杭頭が折損し、地盤と共に変位していた。この. Y 43. ことから、地震によって西側部分の地盤が南側にすべ. 44. 45. 38. 37. 46. 40. り、杭を連行して建物を反時計回りに回転して、校舎. 31 25 19 13 7. 32 26 20 14 8. 1. 41. 42. 33 28 27 21 22 15 16 9. 3号館 29 23 17 11. 3. 0m. 50m. 13.50. 二階建 て部分 V1. 三階建て部分. a. 40.00. 6. 100m. 図-2. 解析モデル作成場所. 24.0. 80.00 b点の地盤の沈下 : 0.47 c点の地盤の沈下 : 0.59. 図-1. 12. 5. ボー リング位置. c. 30 24 18. 4. a'. b. 36. 35. 10. 2. 0.26. 0.77 3.00. 48. 34. の切断が生じたと想定される。. 地盤の亀裂 0.18. 47. 39. 地盤変動図. 2.地盤の地震時動的応答解析. Z Y. X. 動的解析は、解析コードSAP2000n を用いて弾性応答 解析を行った。図−2は、高専の敷地を造成する前の -319-. 図-3. モデル全体図. X.

(2) 3-160. 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月). 400. 200. 加速度(gal). 3-2. EW NS UD. 300. 図-5 に示す 3 号館南側は、旧地山が東から西に下る 斜面を成している。図中に示した要素 1〜6 の旧地山西. 100. 向き斜面について、図-7 でせん断応力と粘着力を比較. 0 -100. 旧地山西向き斜面. 0. 5. 10. 15. 20. する。すべての要素で地震時のせん断応力は粘着力を. -200. 上回っている。この斜面のドライブ力は 2.3MN、抵抗. -300. 力は 866KNであり、地震時の安全率は 0.374 である。. -400. 西側斜面の自重解析結果も図-7 に併記したが、全て. -500. の要素で粘着力がせん断応力を大きく上回っている。. 時間(sec). 図-4 表-1. 入力地震波. この斜面のドライブ力は 63KN、抵抗力は 866KN であ. 層序と地盤物性値 3. 盛土 盛土 (地下水以下) 旧表土 御山層 御山層 (地下水以下) 魚沼層 魚沼層 (地下水以下). り、常時の安全率は約 14 である。 2. γt(KN/m ) E(KN/m ) 16.17 43894. 4.まとめ. ν 0.33. 16.17. 83114. 0.49. 13.72 16.66. 15023 101744. 0.49 0.33. 16.66. 113984. 0.49. 17.64. 430916. 0.33. 17.64. 482758. 0.49. 長岡高専3号館立地地盤の地震時挙動を三次元動的弾性応 答解析で調べた結果、校舎の南西付近で有機質粘性土から成 る旧表土に沿って、南西向きの地すべりが生じたと考えられ る。校舎が反時計回りに変位し、打ち継目で破断したのは、 このような地盤の地すべりによるものであることが分かった。 V1. 3.解析結果 3-1. 旧地山南向き斜面(Y軸負の方向). y. モデル全体の要素のうち、旧地山表面の深さにおけ る要素の平面図を図-5 に示す。座標原点から、Y 軸の. 1. 1. 負の方向に敷地境界まで達する旧地山南向き斜面に取 った図中1〜17 までの連続する要素について、旧表土. 17. 各要素の下面の勾配と平行な向きのせん断応力τθと、 粘着力を比較した。ここに粘着力はCu=0.33σ’z0で 求まる非排水強度、σ’z0は有効土被り圧力である。図. 3号館. x. 6. 旧地山西向き斜面. 旧地山南向き斜面 Y Z. X. -6 で、常時と地震時のせん断応力と粘着力を比較した。. 図-5. 横軸は、図−5 に示した要素の番号である。同図による. 72kN/m2 と大きく、 粘着力 30kN/m2 の 2.4 倍に達する。 谷部分にあたる要素 17 では、粘着力と同程度の値に留. 80. 応力(KN/m2). と、旧地山の勾配が大きい要素3でせん断応力は. 解析要素番号配置場所 せん断応力 粘着力 自重のみ. 60 40 20 0. まっている。各要素のせん断応力と粘着力に、それぞ. 0. 5. れ要素の幅1mあたりの面積を掛け、旧地山南向き斜 面全長に亘って加えた幅 1m あたりのドライブ力と抵. 図-6 応力(KN/m2). 旧表土で地すべりが発生したと考えられる。図中には、 常時の自重のみによるせん断応力も示したが、全ての. →南. せん断応力 粘着力 自重のみ. 80 60 40 20 0. 図-7 -320-. 20. 0. 要素で粘着力がせん断応力を大きく、ドライブ力は 484kN、安全率は 2.8 であり、当然安定している。. 15. 南北方向のせん断応力と粘着力 100. 抗力を求めた。ドライブ力は 2.7MN、抵抗力は 1.3MN であり、ドライブ力は抵抗力の 2.1 倍に達することから、. 10 要素番号. 2. 4 要素番号. 6. 8. →東. 東西方向のせん断応力と粘着力.

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