鋼上路式アーチ橋の線形リダンダンシー解析
CASE STUDY OF LINER REDUNDANCY ANALYSIS FOR STEEL ARCH BRIDGE
藤野明義* ,中野一也**,三木英二***,日向優裕****,加藤修*****,岩崎英治******
Akiyoshi FUJINO, Kazuya NAKANO, Eiji MIKI, Masahiro HIMUKAI, Osamu KATO and Eiji IWASAKI
ABSTRACT This paper presents the results of redundancy analysis about steel arch bridge. This study shows that the bent at 1/4 of arch span have the biggest influence of member damage for an arch bridge. Moreover, this study compares result of 50% live loads with 100% live loads.
KEYWORDS : 鋼アーチ橋,リダンダンシー Steel arch bridge, Redundancy
1.概要
本検討では,鋼上路式アーチ橋の腐食や疲労による損傷事例の多い部位の破断を想定した線形リダ ンダンシー解析により,破断部材発生後の挙動を把握すると共に,同形式橋梁のリダンダンシー評価 方法を考察する。
2.対象橋梁
鋼アーチ橋に対するリダンダンシー評価のケーススタディとし,鋼上路式アーチ橋を対象に,線形 リダンダンシー解析を実施する。対象とする橋梁は,JSSC テクニカルレポート 1)でも解析対象とし ていて各種緒元が整理されているアーチ橋を使用する。対象橋梁の設計条件を表-1に示す。
表-1 対象橋梁の設計条件 橋梁形式 鋼上路式アーチ橋
橋長 173m(アーチ支間長114m,アーチライズ16.87m)
幅員構成 全幅8.2m,車道幅7.0m
舗装形式 アスファルト舗装,舗装厚=70mm
床版形式 鉄筋コンクリート床版,床版厚=220mm,σck=30N/mm2 使用鋼材 SMA490Y,SMA490,SMA400
* (株)横河技術情報 システム部 (〒273-0026 千葉県船橋市山野町47-1)
**修(工) (株)横河技術情報 システム部 (〒273-0026 千葉県船橋市山野町47-1)
***工修 (株)横河ブリッジ 橋梁営業本部鉄構開発製品部(〒273-0026 千葉県船橋市山野町27)
****工修 川田工業(株)橋梁事業部東京技術部設計課(〒114-8562 東京都北区滝野川1-3-11)
*****工学 (株)ニューブリッジ 設計部 (〒103-0006 東京都中央区日本橋人形町3-7-10)
******工博 長岡技術科学大学 環境・建設系(〒920-2188 新潟県長岡市上富岡町1603-1)
第17回 鋼構造と橋に関するシンポジウム論文報告集(2014年8月) 土木学会
表-2 各ケースの最大鉛直たわみ 支柱上端損傷時
CASE*-1
支柱下端損傷時 CASE*-2
CASE1 V1支柱損傷時 - 42.53mm(-1.27 mm増) - 42.98 mm(-1.72 mm増)
CASE2 V2支柱損傷時 - 49.00 mm(-7.58 mm 増) - 47.75 mm(-6.33 mm 増)
CASE3 V3支柱損傷時 - 61.70 mm(-8.68 mm 増) - 61.86 mm(-8.84 mm 増)
CASE4 V4支柱損傷時 - 58.55 mm(-7.56 mm 増) - 58.70 mm(-7.71 mm 増)
CASE5 V5支柱損傷時 - 47.05 mm(-4.96 mm 増) - 47.08 mm(-4.99 mm 増)
3.検討要領
解析モデルを図-1に示す。主部材(補剛桁・横桁・縦桁・アーチリブ・支柱・アーチリブ支材・支 柱支材)および2次部材(上横構・アーチ下横構・支柱対傾構)を梁要素でモデル化する。
床版硬化後の状態では,床版をシェル要素でモデル化し,補剛桁と縦桁に併進剛体バネ(回転自由)
で結合する。
荷重は常時(死荷重と活荷重)を考える。床版硬化前の死荷重(床版,地覆)は,補剛桁上に線分 布荷重で載荷し,床版硬化後の死荷重(舗装,高欄)と活荷重は,床版面上に面分布荷重で載荷する。
鋼重は床版硬化前の状態に対し,各部材に線分布荷重で載荷する。
鋼上路式アーチ橋で損傷事例の多い,補剛桁と支柱の接合部と,アーチリブと支柱の接合部の損傷 を想定する。対象橋梁は橋軸方向及び幅員方向に対称な構造なので,図-2に示すようなG2側のV1 支柱からV5支柱までの上下端全10ヶ所について,損傷発生後の挙動を線形リダンダンシー解析で比 較する。
活荷重の載荷位置は,損傷を想定する箇所の支柱の圧縮軸力が最大になる位置とし,損傷前の健全 状態の解析モデルで各支柱軸力の影響線を算出した上で載荷範囲を決定する。
損傷状態の解析では,損傷想定箇所の部材を解析モデルから撤去し,撤去した部材の断面力(死荷 重+活荷重)を解放力として載荷する。
4.解析結果
4.1 変形形状の比較
各ケースの変形形状を損傷前と損傷後で比較する。死荷重による変形分は製作キャンバーに見込ん でいる為,変動荷重分(損傷前は活荷重,損傷後は活荷重+解放力)を比較する。
図-1 解析モデル 図-2 損傷想定箇所
各ケースの最大鉛直たわみを表-2に,V1,V3,V5下端損傷後の変形形状を図-3に示す。
損傷前後の比較結果では,全般的にアーチリブの 鉛直変位には大きな変化は無く,補剛桁と床版の鉛 直変位が損傷後に増加する傾向となっている。
各ケース間で比較すると,V3支柱の損傷時が最 も影響が大きく,上端側損傷時が最大で8.68mm,
下端側損傷時が最大で8.84mm増加した。
4.2 部材耐力照査
損傷後の各部材耐力を確認する。アーチリブと支柱,支柱支材は,軸力と曲げモーメントを同時に 受ける部材として,式(1),式(2)に示す道示Ⅱ2)4.3 の安定照査における許容応力度を降伏応力度とし て算出した式で評価する。
引張:
−
𝜎𝑡𝜎𝑡𝑎
+
𝜎𝑏𝑐𝑦𝜎𝑏𝑎𝑔𝑦
+
𝜎𝑏𝑐𝑧𝜎𝑏𝑎𝑜
≤ 1
式(1)圧縮: 𝜎𝑐
𝜎𝑐𝑎𝑧
+
𝜎𝑏𝑐𝑦𝜎𝑏𝑎𝑔𝑦(1−𝜎𝑒𝑎𝑦𝜎𝑐 )
+
𝜎𝑏𝑐𝑧𝜎𝑏𝑎𝑜(1−𝜎𝑒𝑎𝑧𝜎𝑐 )
≤ 1
式(2)全般的に,損傷を想定した G2 側主構面の反対側主構面の支柱と支柱支材,損傷想定した支柱の両 隣の支柱で部材耐力が厳しくなる結果となった。反対側主構面では,損傷想定箇所の上下の違いに応 じて,部材耐力が厳しくなる箇所も上下に推移するといった傾向があるが,両隣の支柱では,損傷想 定箇所の上下の違いによらず,同一箇所で部材耐力が厳しくなる傾向となっている。
各ケースの耐力超過部材数を表-3に,V1,V3,V5下端損傷後の照査結果を図-4に示す。
V1
V1下端損傷後
V3
V5
V3下端損傷後
V5下端損傷後
最大鉛直たわみ= - 42.98 mm
(損傷前からの増分= 1.72mm)
最大鉛直たわみ= - 61.86 mm
(損傷前からの増分= 8.84mm)
最大鉛直たわみ= -47.08 mm
(損傷前からの増分= 4.99mm)
図-4 部材耐力照査(V1,3,5下端損傷)
損傷想定箇所
(V1下端 ) 赤:耐力照査>1.0(耐力超過)
茶色:耐力照査>0.8
3.20
1.35 1.90
損傷想定箇所
(V3下端 ) 6.13
1.51
1.13 1.93
1.08
1.01
損傷想定箇所
(V5下端 ) 1.17
耐力超過部材数 補剛桁:1部材 支 柱:3部材 支柱支材:1部材
耐力超過部材数 アーチリブ:3部材
支 柱 :2部材 支柱支材:2部材
耐力超過部材数 支柱支材:1部材
図-3 変形形状(V1,3,5下端損傷)
表-3 各ケースの耐力超過部材数 支柱上端損傷時
CASE*-1
支柱下端損傷時 CASE*-2 CASE1
V1支柱損傷時
7部材
(補剛桁1,支柱2,支柱支材4)
5部材
(補剛桁1,支柱3,支柱支材1)
CASE2 V2支柱損傷時
3部材
(支柱1,支柱支材2)
5部材
(アーチリブ1,支柱3,支柱支材1)
CASE3 V3支柱損傷時
7部材
(アーチリブ3,支柱2,支柱支材2)
7部材
(アーチリブ3,支柱2,支柱支材2)
CASE4 V4支柱損傷時
6部材
(アーチリブ3,支柱1,支柱支材2)
6部材
(アーチリブ3,支柱1,支柱支材2)
CASE5 V5支柱損傷時
1部材
(支柱支材1)
1部材
(支柱支材1)
表-4 各ケースの床版作用応力度
(N/mm2) 支柱上端損傷時 支柱下端損傷時
CASE*-1 CASE*-2
引張最大 圧縮最大 引張最大 圧縮最大 CASE1(V1支柱損傷時) 4.0 -3.1 3.9 -2.4 CASE2(V2支柱損傷時) 3.4 -4.7 3.4 -4.1 CASE3(V3支柱損傷時) 3.4 -5.3 3.4 -5.4 CASE4(V4支柱損傷時) 3.1 -5.0 3.1 -5.0 CASE5(V5支柱損傷時) 2.7 -3.0 2.7 -3.0
各ケース間で比較すると,V3損傷時は,両隣の支柱付近のアーチリブも部材耐力超過するなど,耐 力超過部材が広範囲にわたっており,損傷の影響が大きい結果となった。他方,V5損傷時は,耐力超 過部材が隣接支柱支材1部材のみで,損傷の影響が比較的小さい結果となった。
4.3 床版作用応力度
損傷前後の床版作用応力度を比較する。作用応力度は床版上面側の橋軸方向垂直応力度(主桁作用 方向)で評価する。
各ケースの床版作用応力度を表-4 に示す。各ケース,引張応力は 4.0N/mm2 程度,圧縮応力は
5.0N/mm2程度で,床版を損傷するような作用応力は発生していない。
5.活荷重 50%載荷時解析結果
損傷の影響が最も大きかったV3支柱損傷時(CASE3-1,CASE3-2)について,活荷重強度を50%
に低減した解析を実施し,100%の活荷重強度の結果と比較する。
5.1 変形形状の比較
活荷重 100%載荷時と 50%載荷時の変形形状と最大鉛直たわみを図-5 に示す。活荷重 100%載荷
時と50%載荷時の最大鉛直たわみを変形形状は死荷重を含めない変動荷重でのみ評価する為,損傷前
の活荷重 50%載荷では,最大鉛直たわみの 50%程度となったが,損傷後の活荷重 50%載荷の鉛直た
わみ増分量は,活荷重100%載荷の80%程度まで増加する結果となった。
5.2 部材耐力調査
活荷重100%載荷時と50%載荷時の部材耐力照査結果を図-6に示す。活荷重50%載荷の部材耐力
照査結果では,耐力超過する部材数が大幅に減少し,上端損傷時,下端損傷時とも反対側主構面と接 続する支柱支材1部材のみ超過する結果となった。
5.3 床版作用応力
活荷重100%載荷時と50%載荷時の床版応力分布を図-7に示す。活荷重50%載荷の作用応力度に
ついては,引張応力最大値こそ活荷重100%載荷とほぼ同じ値となったが,その発生箇所はP1端支柱 上に限定的で,床版全体に分布する作用応力は大幅に減少する結果となった。
図-5 CASE3変形形状(活荷重100%,50%載荷時)
CASE3(損傷前)
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
最大鉛直たわみ:- 53.02 mm 最大鉛直たわみ:- 26.21 mm
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
CASE3-1(支柱上端損傷時)
V3 V3
最大鉛直たわみ:- 61.70 mm
(- 8.68 mm増)
最大鉛直たわみ:- 33.27 mm
(- 7.06 mm増)
CASE3-2(支柱下端損傷時)
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
V3 V3
最大鉛直たわみ:- 61.86 mm
(- 8.84 mm増)
最大鉛直たわみ:- 33.42 mm
(- 7.21 mm増)
図-6 CASE3部材耐力照査(活荷重100%,50%載荷時)
図-7 CASE3床版応力分布(活荷重100%,50%載荷時)
10.69
損傷想定箇所 活荷重50%載荷
1.08
1.02
1.71 1.81
1.08 1.13 26.08
損傷想定箇所
活荷重100%載荷CASE3-1(支柱上端損傷時)
耐力超過部材数 7部材 アーチリブ:3 支柱:2 支柱支材:2
耐力超過部材数 1部材 支柱支材:1
1.08
1.51 6.13 1.93
1.08 1.13
1.01
損傷想定箇所 活荷重100%載荷
2.66
損傷想定箇所 活荷重50%載荷
CASE3-2(支柱下端損傷時)
耐力超過部材数 7部材 アーチリブ:3 支柱:2 支柱支材:2
耐力超過部材数 1部材 支柱支材:1
赤:耐力超過箇所 , 茶色:応答値 > 部材耐力×0.8
CASE3-1(支柱上端損傷時)
CASE3-2(支柱下端損傷時)
CASE3(損傷前)
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
引張最大= 3.4 N/mm2 圧縮最大= -5.4 N/mm2
引張最大= 3.5 N/mm2 圧縮最大= -3.0 N/mm2 引張最大= 3.4 N/mm2
圧縮最大= -3.4 N/mm2
引張最大= 3.5 N/mm2 圧縮最大= -2.7 N/mm2
引張最大= 3.4 N/mm2 圧縮最大= -5.3N/mm2
引張最大= 3.5 N/mm2 圧縮最大= -2.9 N/mm2
6.まとめ
本検討では,鋼上路式アーチ橋の腐食や疲労による損傷事例の多い部位の破断を想定した線形リダ ンダンシー解析により,破断部材発生後の挙動を検討した。変位増加量や耐力超過箇所の分布から,
アーチ支間1/4 付近の V3支柱の損傷が本橋に与える影響が最も大きいということを明らかにした。
このように,損傷箇所をパラメータとした解析結果を相対的に比較する事で,リダンダンシーを検討 する上で重要なFCM(Fracture Critical Member:崩壊危険部材)を特定する事も可能と考える。
また,最も影響の大きいV3支柱部材損傷時を対象に,活荷重100%載荷時と活荷重50%載荷時の比 較を行った。今後,リダンダンシー解析の際に用いる荷重について,損傷時の衝撃を考慮するかどう か等も含めて検討する必要があると考える。
謝辞
本検討は土木学会平成 25 年度重点研究課題の研究助成を受けて,土木学会 鋼構造委員会 鋼構造 物のリダンダンシーに関する検討小委員会の検討成果の一部を取りまとめたものである。本検討を進 める上で貴重なご意見を頂きました委員の皆様に対し,感謝の意を表します。
参考文献
1) 日本鋼構造協会:ファイバーモデルを用いた鋼橋の動的耐震解析の現状と信頼性向上,JSSCテ クニカルレポートNO.93,2011.2.
2) 道路橋示方書・同解説 Ⅰ共通編 Ⅱ鋼橋編,(社)日本道路協会,2012.3
アーチ橋のケーススタディ
株式会社 横河技術情報 藤野明義
平成26年8月4日
対象橋梁
橋梁形式 鋼上路式アーチ橋
橋長 173m(アーチ支間長114m,アーチライズ16.87m)
幅員構成 全幅8.2m,車道幅7.0m 舗装形式 アスファルト舗装,舗装厚=70mm
床板形式 鉄筋コンクリート床版,床版厚=220mm,σck=30N/mm2 使用鋼材 SMA490Y,SMA490,SMA400
2
解析モデル
主部材:梁要素 床版:シェル要素
可動 可動
ヒンジ
ヒンジ ヒンジ
ヒンジ
3
損傷検討ケース
V1 V2
V3 V4
V5
G1 G2 P1
P2 V6 V7 V8 V9 V10 V11
着目位置 損傷前 支柱上端損傷 支柱下端損傷
V1支柱 CASE1 CASE1-1 CASE1-2
V2支柱 CASE2 CASE2-1 CASE2-2
V3支柱 CASE3 CASE3-1 CASE3-2
V4支柱 CASE4 CASE4-1 CASE4-2
V5支柱 CASE5 CASE5-1 CASE5-2
4
荷重条件
5
活荷重 損傷想定箇所の支柱の 圧縮軸力が最大になる位置に載荷 G1側
G2側 p1荷重
(主荷重)
p1荷重
(従荷重)
p2荷重
(主荷重)
p2荷重
(従荷重)
V1
V1損傷時の活荷重載荷位置
死荷重+活荷重
・損傷想定箇所の部材を撤去
・撤去部材の断面力を解放力として載荷 損傷後の解析
変形形状
6 CASE1
(損傷前)
CASE1-1
(支柱上端損傷)
CASE1-2
(支柱下端損傷)
CASE1(V1支柱着目)
V1V1
V1
V1
最大鉛直たわみ= - 41.26 mm
最大鉛直たわみ= - 42.53mm(-1.27 mm増)
最大鉛直たわみ= - 42.98 mm(-1.72 mm増)
変形形状
7
CASE3(V3支柱着目)
CASE3
(損傷前)
CASE3-1
(支柱上端損傷)
CASE3-2
(支柱下端損傷)
最大鉛直たわみ= - 53.02 mm
最大鉛直たわみ= - 61.70mm(-8.68 mm増)
最大鉛直たわみ= - 61.86 mm(-8.84 mm増)
V3
V3
V3
変形形状
8
CASE3(V5支柱着目)
CASE5
(損傷前)
CASE5-1
(支柱上端損傷)
CASE5-2
(支柱下端損傷)
V5
V5
V5
最大鉛直たわみ= - 42.09 mm
最大鉛直たわみ= - 47.05 mm(-4.96 mm増)
最大鉛直たわみ= - 47.08 mm(-4.99 mm増)
変形形状
9
・損傷前後でアーチリブの鉛直変位に大きな変化無し
・補剛桁と床版の鉛直変位が損傷後に増加
・V3支柱の損傷時が最も影響が大きい
部材耐力照査
10
−𝜎𝑡 𝜎𝑡𝑎+𝜎𝑏𝑐𝑦
𝜎𝑏𝑎𝑔𝑦+𝜎𝑏𝑐𝑧 𝜎𝑏𝑎𝑜≤ 1
引張:
𝜎𝑐 𝜎𝑐𝑎𝑧+ 𝜎𝑏𝑐𝑦
𝜎𝑏𝑎𝑔𝑦 1 − 𝜎𝑐 𝜎𝑒𝑎𝑦
+ 𝜎𝑏𝑐𝑧 𝜎𝑏𝑎𝑜 1 −𝜎𝑐
𝜎𝑒𝑎𝑧
圧縮: ≤ 1
道路橋示方書Ⅱ鋼橋編より 照査式
部材耐力照査
11
CASE1(V1支柱着目)
CASE1-1 (支柱上端損傷) CASE1-2 (支柱下端損傷)
1.28 2.66
1.06
1.63 1.10
1.25 1.10 損傷想定箇所
耐力超過部材数 7部材 補剛桁 : 1部材 支柱 : 2部材 支柱支材 : 4部材
耐力超過部材数 5部材 補剛桁 : 1部材 支柱 : 3部材 支柱支材: 1部材
V1 V1
1.02
1.90
3.20
1.12 1.35
損傷想定箇所
青:損傷想定箇所,赤:耐力超過箇所,茶色:応答値 > 部材耐力×0.8
部材耐力照査
12
CASE3(V3支柱着目)
CASE3-1 (支柱上端損傷) CASE3-2 (支柱下端損傷)
V3 V3
青:損傷想定箇所,赤:耐力超過箇所,茶色:応答値 > 部材耐力×0.8 1.08
1.01 1.51
6.13 1.93
1.08 1.13 損傷想定箇所
1.08
1.01 1.51
6.13 1.93
1.13 1.08
損傷想定箇所
耐力超過部材数 7部材 アーチリブ : 3部材 支柱 : 2部材 支柱支材 : 2部材
耐力超過部材数 7部材 アーチリブ : 3部材 支柱 : 2部材 支柱支材: 2部材
部材耐力照査
13
CASE5(V5支柱着目)
CASE5-1 (支柱上端損傷) CASE5-2 (支柱下端損傷)
V5 V5
1.16 1.17
損傷想定箇所 損傷想定箇所
耐力超過部材数 1部材 支柱支材 : 1部材
耐力超過部材数 1部材 支柱支材: 1部材 青:損傷想定箇所,赤:耐力超過箇所,茶色:応答値 > 部材耐力×0.8
床版作用応力度
14
CASE1-2(支柱下端損傷)
CASE3-2(支柱下端損傷)
CASE5-2(支柱下端損傷)
引張最大= 3.9 N/mm2(0.3 N/mm2増)
圧縮最大= -2.4 N/mm2(-0.1 N/mm2増)
引張最大= 3.4 N/mm2(0.0 N/mm2増)
圧縮最大= -5.4 N/mm2(-2.0 N/mm2増)
引張最大= 2.7 N/mm2(0.0 N/mm2増)
圧縮最大= -3.0 N/mm2(-0.4 N/mm2増)
床版を損傷するような作用応力は発生していない
解析結果まとめ
15 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
CASE1
(V1支柱損傷時)
CASE2
(V2支柱損傷時)
CASE3
(V3支柱損傷時)
CASE4
(V4支柱損傷時)
CASE5
(V5支柱損傷時)
鉛直変位増加量( mm )
耐力超過部材数
支柱上端損傷時 耐力超過部材数
支柱下端損傷時 耐力超過部材数
支柱上端損傷後 鉛直変位増加量
支柱下端損傷後 鉛直変位増加量
V3損傷時の影響が最も大きい
活荷重50%載荷時解析
16
損傷の影響が最大=V3支柱損傷時
活荷重強度50% 活荷重強度100%
V3支柱損傷時
(CASE3-1, CASE3-2)で
解析結果の比較を行う
変形形状の比較(活荷重100%, 50%)
17 CASE3
(損傷前)
CASE3-1
(支柱上端損傷)
CASE3-2
(支柱下端損傷)
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷 V3
V3
V3
V3
V3
V3 最大鉛直たわみ= - 61.70 mm
(- 8.68 mm増)
最大鉛直たわみ= - 33.27 mm
(- 7.06 mm増)
最大鉛直たわみ= - 61.86 mm
(- 8.84 mm増)
最大鉛直たわみ= - 33.42 mm
(- 7.21 mm増)
最大鉛直たわみ= - 53.02 mm 最大鉛直たわみ= - 26.21 mm
最大鉛直たわみの増分量 活荷重100%時の8割程度
部材耐力照査(活荷重100%, 50%)
18 活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
CASE3-1
(支柱上端損傷)
CASE3-2
(支柱下端損傷)
1.02 1.08
1.71
26.08 1.81
1.08 1.13
1.01 1.08
1.51
6.13 1.93
1.08 1.13 耐力超過部材数 7部材
アーチリブ:3 支柱:2 支柱支材:2
10.69
損傷想定箇所
耐力超過部材数 1部材 支柱支材:1
損傷想定箇所
耐力超過部材数 7部材 アーチリブ:3 支柱:2 支柱支材:2
耐力超過部材数 1部材 支柱支材:1
損傷想定箇所
損傷想定箇所 2.66
耐力超過部材が大幅に減少
青:損傷想定箇所,赤:耐力超過箇所,茶色:応答値 > 部材耐力×0.8
床版作用応力
19 引張最大= 3.4 N/mm2(0.0 N/mm2増)
圧縮最大= -5.4 N/mm2(-2.0 N/mm2増)
引張最大= 3.5 N/mm2(0.0 N/mm2増)
圧縮最大= -3.0 N/mm2(-0.3 N/mm2増)
引張最大= 3.4 N/mm2(0.0 N/mm2増)
圧縮最大= -5.3 N/mm2(-1.9 N/mm2増)
引張最大= 3.5 N/mm2(0.0 N/mm2増)
圧縮最大= -2.9 N/mm2(-0.2 N/mm2増)
引張最大= 3.4 N/mm2 圧縮最大= -3.4 N/mm2
引張最大= 3.5 N/mm2 圧縮最大= -2.7 N/mm2
CASE3-1
(支柱上端損傷)
CASE3-2
(支柱下端損傷)
CASE3
(損傷前)
活荷重100%載荷 活荷重50%載荷
・引張応力最大値は,活荷重100%載荷とほぼ同じ
・床版全体に分布する作用応力は大幅に減少
まとめ
20
V3支柱の損傷が本橋に与える影響が最も大きい
このように
FCM(Fracture Critical Member:崩壊危険部材)を 特定する事も可能