を用 いた飼育技 法 の改 良 を行 ってい る。最適餌 料系列 の検討 で は,体長
2‑3mmの開口 直後 の仔魚 は,被 甲長
120mm以下の ワム シを選択 的 に摂餌 し,その後 ,体長が
4mmに なる と被 甲長
200mm以上 の ワム シを選択 的 に摂餌 してい た。 この ことか ら量産水槽 で は, 日令
10まで は小 型の
S型 イ ン ドネ シア株 ワム シを, 日令
11以 降は大型の
L型長崎株 ワム シを給餌 した。水 槽 内水 流 の解析 で は,最 も生残 率が高 い通 気量
200ml/分 の水 槽 (
1kl)において,エ アース トー ン上部 の鉛直上昇流 は約
5cm/秒 であ ること, また エ アース トー ンを複数配置す る通気 システムで は複雑 な水流がで き,仔魚 に与 える物 理 的影響 は大 きい こ と等 が推察 された。 この こ とか ら量 産水槽 で は,通気方法 の改善 と通気量 を少 な くす る こ とで,小型で遊 泳力 に乏 しい仔魚 に対 して,物理的 ス トレス をで きるだけ与 えない よ うに した。以上 の飼育技 法 の改 良 に よ り,今年度の 日令
10ま での初期生残率 は約
60%と過去最高の成績であ った
。3.
ウ イルス性 疾病の防除
本種 で は種苗生産, 中間育成 ,お よび養殖時期 を通 して ウ イルス性疾病が発症 す る
。今後 ,安定的 な生産 を行 うため には,各養成段 階での ウ イルス性疾病 の防除対 策が必 要不 可欠であ る
。4.
県内種苗生産機関への技術普及 と養殖場での実用化 試験
現在 , トラフグ,ブ リ等 の種苗生産技術 は,長崎県種苗生産技術研究会 ( 県内
15機 関) を通 して技術普及 に努 めてい る
。本種 において も種苗生産技術 の確立級,本研 究会‑
の技術 移転 を予 定 してい る
。養殖試験 については,五 島の養殖場 お よび水試 にで実施 中であ り,今後 ,事例 を増 や してい きたい。
有明海湾奥部のノ リの生産 と環境 ・
佐賀県有明水産振興 セ ンター 川村 嘉応
まえが き
通称 、 ノ リと呼 ばれてい る生物 は、紅 藻 ウシケノ リ科 、アマ ノ リ属 を指 し、 この中 で ノ リ養殖 に利用 されてい る主要 な種 は スサ ビノリ
(Porphyrayezoensis)、アサ クサ ノ リ
(Porphyratenera)であ る
。この種 は、夏 の間は コ ンコセ リス
(2n)とい う形 を取 って カキ殻等 に穿孔 して過 ご し、秋 になる と殻胞子 を形 成 して これが発芽 し葉状体
(∩)となる
。この葉状体 を利用 す るこ とに よって ノ リ産業が成立 している
。本種 に関す る 生物学 的 な研 究 は、産業 に寄与 す るため葉状体の室 内培 養や野外 での養殖 に よって行 われ、
Drew女 史が コン' =セ リス を発見 し生活史が明 らか になって飛躍 的 に進歩 した。
一方、産業 の面 で も、病気 や育種等 に関す る多 くの研 究が行 われ るこ とによって、現 在、生産金額で年 間約
1,000億 円 とい う大 きな財 を生 み出 してい る
。ここでは生物 としての ノ リとしてで はな く、産業 に寄与 してい るノ リの生育 と環境
ェ 簡 il ‑
について紹介 し、近年の ノ リ養殖の課題 にまで言及 したい。
1.
ノ リの生育 と環境
ノ リは、水温が低 く塩分が高い年 には順調 な生長 を示 し、低塩分 と干出過多 によ り 阻害 される
。また干 出の影響 は、時 間的な長短 よりも干出 される以前 の環境水 の低塩 分条件 によ り強 く表れ、 この度合いは、葉齢が小 さいほ ど顕著である と思われ る
。2
.近年の環境変化
・水温の上昇 一 有明海湾奥部の水温 は ここ約
30年 間 に年平均値で約
1℃上昇 し、近 年 はその傾 向が強い。 ノリの採苗 は
23℃台 になる と行 われるため水温上昇 は、養殖期 間の短縮 になる とともに、病気の多発 に もつ ながっている
。・透明度の上昇 一 透明度 は約
30年 間に約
0.5m上昇 している
。透明度 の上昇 は海水 中 の光量 を上昇 させ ノ リ葉体 の生長 を増大 させ るが珪 藻類の発生 ・増殖 を促進 した りも す る
。・流れの変化 ‑ 流 れの変化 について詳細 は明 らかで はないが、近年 は水位 の上昇が み られ、流向が変化 していることが認 め られている
。したが って、有明海湾奥部 の ノリ養殖 は、気候要因や環境要 因 によって変わ りつつあ ることが うかが える
。3
. ノ リ産業 としての課題 と展望
ノリ産業 は海水 中に支柱 を立て養殖 す ることか ら環境へ影響 を与 えている
。さらに は活性処理や施肥 による環境‑の負荷があげ られる。 一方、 ノ リ養殖 は有明海で
605トンの窒素、
61トンの燐 ( 乾海苔の
N、P 含有率 は各 々
5.0、
0.5%)を回収 している
。最後 に、有明海 は食料 (ノ リ、貝類 、魚類等)生産の場であ りなが ら、環境 が保全 さ れている
。また環境 を守 る ように人が努力 を払 っている
。有明海 はそれぞれの利点 を 最大限 にまでア ップさせ最高の調和 を もって椎持 されている
。この関係 をよ く理解 し、
将来 に活用 してい くことが必要である
。なぜ 晩 秋 の有 明 海 に は豊 富 な栄 養塩 が存 在 す るの か ? 新参者の素朴な疑問
中村 泰男 ( 国立環境研究所)
<私的な序論
>2年前の海苔の色落 ち騒動の さなか、は じめて有明海 を訪れた。その 際手 にいれた有明水産振興 セ ンターのパ ンフ レッ トには、過去 30年 間の有 明海の環 境 デー タが凝縮 されていた。 日 く、「 秋芽 ノリので きる
11月には栄養塩濃度が高 く、
クロロフ ィル量が低 い。そ して、水温が年 間最低 になる
1月末 になって、植物 プラン ク トンが卓越 し、 これ と併行 して栄養塩 は枯 渇す る」。 このパ ンフを眺 め る うちに、
素朴 な疑問が湧 いて きた。 「 植物 プラ ンク トンの成長 は、水温が高い晩秋 に速 やかで、
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