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PTV と 数 値 計 算 を 併 用 し た 流 れ 解析 手法 の開 発

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 登 里 卓 也

学 位 論 文 題 名

PTV と数値計算を併用した流れ解析手法の開発 学位論文内容の要旨

  近年、ピトー管、熟線流速計、レー ザードップラ一流速計に次ぐ新たな流速計として、

画 像処理流速計(Particle Image Velocimetry、PIV)が注目されて いる。PIVは、計測対象 と なる流れの中に目印となる微小なト レーサ粒子を投入し、その可視化画像を解析するこ とで流速分布を得よう とする流速計である。従来からの流れの可視化技術に加え、CCDカメ ラやパーソナルコンピ ュータなどの電子技術、ハード的あるいはソフト的な画像解析技術、

ト レーサ粒子の追跡アルゴリズム、ぬ ど最新の技術と手法を融合することにより発展して き ている。PIVに関する研究は、1980年代初頭にComputer Aided Flow Visualizationとい う内容で始まっており 、海外ではIllinois大学のR.J.Adrian教授らが、国内では東京大学 の 小林教授らが手法の開発や可能性の 検討を行ったのが最初とされている。それ以降、撮 影手法や追跡アルゴリ ズムに関するさまざまな研究が行われ、種々のPIVシステムが構築さ れてきた。取得流速ベ クトルに対する信頼性が向上し、現在では市販されているPIVシステ ム も 存 在 す る こ と か ら 、 実 用 的 計 測 器 と し て 広 く 用 い ら れ つ っ あ る 。   PIVが持つ従来からの流速計にはない最大の特徴 は、多点同時計測が可能であるという点 で ある。理想的には3次元空間に広がる無数の点で、3次元流速ベク卜ルが同時に取得可能 である。また、PIVはピトー管や熱線を必要としな ぃ非接触の計測手法であり、理想的には 流れを乱すことがなく 、本来の流速ベクトルの取得が可能である。PIVが注目されている理 由 は、上記の特徴が示すように、ある 瞬間における流れ場の構造や空間相関を知ることが で きる唯一の実用的手法であるからで ある。例えば、乱流場に対してはTaylerの凍結乱流 の仮説を用いることなく流れ場の3次元構造を解析することが可能となる。だたし実際には、

信 頼性の高い情報を得るために解決す べきさまざまな問題点が、現在もなお多数残されて いる。

  PIV手法に関する従来の研究においては、高精度 で高効率なトレーサ粒子の対応付けアル ゴ リズムの開発に主眼が置かれていた 。これは、卜レーサ粒子の対応付け結果の信頼性が 流 速ベク卜ルの正確さと精度を左右す る要因であると同時に、この処理がコンピュータに よる処理時間の大部分 を占めていたためである。現在までに種々のPIVアルゴリズムが提案 さ れた結果、計測対象となる流れ場に 対する個々の手法の適・不適はあるものの、取得流 速ベクトルに対する信 頼性は全体的に向上してきている。

  しかし、PIVは他の流速計に比べ計測値の信頼性に若干欠けてい るとされる。これは、P IVには特有の計測誤差を発生させる要 因がハード的に含まれているからである。そのーつ が 、トレーサ粒子の流れへの追従性の 問題である。トレーサ粒子の持つ慣性カが影響し追 従性が問題となる場合 には、通常のPIVが行ってい るように、計測値であるトレーサ粒子速 度 を流体粒子速度そのものとしてみな すことができなくなる。これは突発的過誤ベクトル

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を除去するように、周辺の 速度ベクトルから類推して一部分だけを削除することで解決で き る問 題で はな く、 何ら かの 方法 で速 度ベクトルの補正を行 う必要のある問題である。

  次に、取得した速度場が 流れの支配方程式を必ずしも満足していないという問題である。

この問題の主な原因は、粒 子追跡アルゴリズムにある。ほとんどのPIV手法が、輝度値の相 互相関値のピーク値を基準 として速度ベクトルを算出するなど、何らかの形で可視化画像 に対する拘束条件を用いて いる。っまり、流体そのものに対する拘束条件であるNS方程式 や連続の式を用いていない 。よってこの問題を解決するためには、粒子追跡アルゴリズム に流れの支配方程式を組み 込むか、物理的条件を満足するように何らかの手法で得られた 速度場を修正する必要があ る。

  本 研 究 は 上 記 の 二 点 の 問 題 を 解 決 す る こ と を 主 な 目 的 と し て い る 。   第一のトレーサ粒子の追 従性に関する問題に対しては、流体と粒子とのカ学的関係式を アルゴリズムに取り入れ、 トレーサ粒子速度から流速を推定する手法を開発した。この手 法では、非線型確率システ ムに対する状態変数の準最適推定手法である拡張カルマンフィ ルタを採用している。

  第二の速度場の修正に関 する問題に対しては、計測手法であるPIVと計算手法であるCFD を組み合わせたハイブリッ ド手法を開発した。この手法では、CFD手法として移動最小二乗 法 を 用 い た グ リ ッ ド レ ス ス キ ー ム を 採 用 し 、HSMAC法 に よ る 収 束 計 算 を 行 な う 。   本論分は第1章から第6章 まで全6章で構成されている。各章の概要について以下に記す。

  第1章は本論分の序論であり、PIV手法の開発に関する従来から研究を紹介し、本研究の 動機と目的について述べる 。

  第2章で は、 カル マン フ イル タ型PTV手法 とそ の他 代 表的 なPIV手 法について述べる。

  第3章では、トレーサ粒子の追従性の影響を補正する手法として開発した、拡張カルマン フィルタを用いた速度ベク トルの推定手法について述べる。また、適用例として密度変化 のある流れ場に対する数値 シミュレーション結果について示す。追従性の問題を調べた研 究は多々あるが、その影響 を補正する手法を提案している研究は、筆者らの研究以外には 国内外を問わず皆無と思わ れる。

  第4章では、速度場の修正手法として開発した移動最小二乗法を用いたCFD−PTVハイブリ ッド手法について述べる。 ハイブリッド手法に関する研究は、海外では皆無に近い研究で あるが、国内では他にも行 われている。ハイブリッド手法の可能性と目的を示し、本手法 以外の手法についても紹介 する。

  第5章では、開発したハイブリッド手法の実際の流れ場に対する適用例を示す。対象とし た流れ場は、PIV標準化゜実用化委員会で企画した 標準実験 流れ、自由表面の自励振動 が生じている矩形容器内二 次元非定常流れ、一方が回転し一方が静止している二平行円盤 問内の三次元定常流れであ る。

  第6章は 本論 分の 結諭 で あり 、本 研究 で得 られ た主 要な 結果 につ いてまとめている。

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(3)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

飯田 井上 木谷 小河原

学 位 論 文 題 名

誠一 良紀     勝 加久治

PTV と 数 値 計 算 を 併 用 し た 流 れ 解析 手法 の開 発

  画像 処理流速 計(PIV)は,流れ の瞬時3次元 構造を 把握する ことが可 能な新たな計測器と して 注目され てきて いる.PIVの計 測原理は 流れに投入したトレーサ粒子の軌跡から画像解 析に より速度 ベクト ルを計測 すると いうもの であり, 卜レー サ粒子像 の対応付け手法に関 する 研究が数 多く行 われてきた.にもかかわらずPエVは他の流速計に比ベ計測値の信頼性に 若 干 欠 け て い る と さ れ , 解 決 す べ き さ ま ざ ま な 問 題 点 が 多 数 残 さ れ て い る .   本論 文では, トレー サ粒子の 流れに 対する不 追従か ら生じる 問題と, 得られた流れ場が 必ず しも流れ の支配 方程式を 満足す るわけで はないと いう問 題に着目 し,これらの計測誤 差を 補正する ための ニつの手 法を新 たに提案 すること で,上 記問題の 解決を図っている.

  その 結果、本 論文で は以下の ような 結諭を得 ている ,

  (1)トレ ーサ粒 子の不追 従から 生じる計 測誤差を 補正す る拡張カ ルマンフイルタ型PTV     手法 を開発 した.

  ・こ の手法で は,非 線型確率 システ ムに対す る状態 変数の準 最適推定 手法である拡張カ     ルマ ンフイ ルタを採 用し,流 体と粒 子とのカ 学的関 係式を状 態方程 式に取り入れた.

  ・ こ の 手 法 は , 誤 差 を 含 ん だ 観 測 値 から 流 速 を推 定 す るPIVの 後処 理 手 法で あ る ,   ・ト レーサ粒 子の不追従が顕著な斜め衝撃波を伴う流れ場(数値シミュレーション)に対     し 手 法を 適 用 し, こ の よう な 場 合でも 流れ場の 再構築 が可能で あること を示し た.

(2)流 れ の 支配 方 程 式を 満 足 する よ うにPIVで得ら れた速 度場を修 正するPTV−CFDハイ     ブリ ッド手 法を開発 した.

  ・ 計 測 手 法 と 計 算 手 法 を 組 み 合 わ せ る ハ イ ブ リ ッ ド 化 の 意 義 と 可能 性 を 示し た ,   ・こ の手法で は,情 報の再配 置を行 なうため に移動 最小二乗 法を用い たグリッドレスス     キ ー ムを 採 用 し, 流 速 修正 を 行 なう た め にHSMAC法 を 用 いた 収束計 算を採 用した,

  ・こ の手法は ,計測 値の反映 された 数値解析 結果を 取得する ことを可 能とした新しい流     れ解 析手法 である.

  ・矩 形容器内 二次元定常流れ,自由表面の自励振動を伴う矩形容器内二次元非定常流れ,

    一方 が回転 運動する 平行二円 板問内 の三次元 準定常 流れ,の 三種類 の流れに手法を適     用 し , 速 度 場 と 圧 力 場 の 推 定 を 行 う こ と で 手 法 の 有 用 性 を 示 し た .   以上 のように ,本論 文では, 計測値 を数値計 算を用 いて補正 するシリ ーズ的手法だけで なく ,測定実 験と数 値実験と を併用 した新た なパラレ ル的流 れ解析手 法を提案し,種々の 流れ 場に手法 を適用 すること で、そ のハイブ リッド手 法の意 義や可能 性について検討して いる .このこ とは流 体工学の みなら ず他の学 問分野に おいて も寄与す るところが大きい.

よ っ て, 著 者 は, 北 海 道大 学 博 士( 工学 )の学 位を授与 される 資格ある ものと 認める,

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参照

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