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A Study on Autonomous Image Recognition Based on Local Features

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 畠 山 康 博

学 位 論 文 題 名

A Study on Autonomous Image Recognition       Based on Local Features

(局所的特徴に基づく自律的画像認識に関する研究)

学 位 論 文内 容 の 要 旨

    最近,計算機にとって不得意な分野のひとっとして知られている画像認識問題領域で,

  ニューラルネットワークなどを導入してより柔軟に認識を実現することを目指した並列分   散処理に基づく活発な展開があ.る.実問題における画像認識では,与えられる問題領域の   中で陽に利用できる知識は少なく,また問題領域の設定自体も困難な場合が多いことが指   摘されている.このような困難な点を解決すべく,問題に陰に含まれる知識を自律的学習   により獲得,利用できるようなより柔軟性の高い画像認識システムの開発は大きな意義を   持つ.

    一方,これを可能とする画像認識システムは,マンマシンインタフェースの立場からは   エキスパートの持つ先見的知識の利用,問題の表現方法,評価関数の設定法など,対象と   する問題の性質に強く依存して構築される必要がある.以上の認識の下に本研究では,並   列分散処理すなわち局所的特徴抽出に基づぃた画像認識システムの理論構築を試みている.

  一般に,画像認識問題領域の代表的なクラスとして形状認識問題とテクスチャ認識問題が   挙げられる.ここでは各々の局所的特徴に関する議論の上で,その局所的特徴抽出の学習   と階層構造に基づくアーキテクチャを示し,各々のクラスにおける問題の解決を試みてい   る.さらに,実問題として頭部X線CT画像の認識を取り上げ,その診断支援システムの   構築を試みている.

    形状認識問題領域では,英数文字,幾何的形状の線画を対象として位置,歪み,ノイズ   に影響されない認識能カを持っシステムの構築を行なっている.このような能カを実現す るシステムとして,局所的特徴抽出と階層型ネットワークからなるネオコグニトロンが知   られているが.ここでは従来の局所的特徴抽出の数理モデルの性能と学習性についての議   論を通して,その能カを向上させる数理モデルと学習メカニズムを提案している.さらに   ネットワークの階層構造の拡張により,画像中の複数形状を一度のフイードフオワード処   理で認識できる拡張型ネオコグニトロンを提案している.

    テクスチャ認識問題領域では,境界があいまいな複数の領域から構成される濃淡画像を   対象とした新しいセグメンテーション手法を提案している.このクラスにおける問題点は   第一に,識別対象が全体的な構造でとらえられないこと,第二に,適切な境界の決定が困   難とぃう点にある.これらの問題点に対し,局所的特徴の適応度に応じた動的な領域決定   メカニズムを実現するために,生命現象を模倣した細胞分割モデルを提案し,細胞コロニー   の形成過程を通して領域認識システムの構築を行っている.

    最後に具体的応用問題として画像領域のあいまいさと各領域の複雑な構造から困難な認   識課題として知られている頭部X線CT画像認識問題を取り上げ,解剖学的・病理学的考

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察を通して頭部内部の各主要血管に着目した局所的セグメンテーションの方法を提案して いる,本手法が医師の教示により次第に認識能カを向上していく実用的な画像診断支援シ ステムとして構築されていることが実脳画像への適用を通して明らかにされている.

  本論は以下の6章から構成されている・

  第一章では,本論の概要を述べている.

  第二章では,「自律的画像認識」と題して,近年の情報処理分野に見られる自律的シス テムの背景と基本的メカニズムについて概観し,自律的システムとしての性質を議論した うえで,特に画像認識システムに求められる自律性について考察し,本論文で行なう画像 認識へのアプ口ーチの目的とその位置付けを示している.

  第三章では,「拡張型ネオコグニトロン」と題し,まず,従来の関連研究を概観し,及 び提案する拡張型ネオコグニトロンの位置付けを行なっている.次に,形状に対する局所 的特徴抽出関数であるS細胞についてその識別能カと学習の特性が,S細胞のモデルパラ メー夕及び学習対象パターンの性質に強く影響され,強いてはシステム全体の認識能カを 低下させている事実を明らかにしている.この問題点を解決するために,数理モデルにお けるバイアス項の影響を明らかにし,新たに高感度S細胞を提案している,さらに,従来 の競合に基づく教師なし学習に代わり,相互抑制型アルゴリズムを導入し,より詳細な特 徴の学習を可能とする改良型競合学習を提案している.以上を導入した拡張型ネオコグニ トロンについて従来型との比較実験を行ない数字文字識別を例としてその有効性を検証し ている.また,従来型ネオコグニトロンにおける位置非依存性の能カの限界を指摘し,特 徴統合の能力拡大によりこれを克服できることを議論している.この結果,提案する拡張 型ネオコグニトロンでは複数形状の入カに対する識別が可能となることを理論展開してい る.最後に,工学的応用としてロボットビジョンのシミュレーションを行ない,本システ ムが複数の物体の中から目的とする物体を抽出する画像認識能カを有していることを示し ている.

  第四章では,「コロニー形成モデル」と題して,テクスチャ認識に対する新しい手法を 提案している.これは,競合する多種の細胞の適応性と繁殖のメカニズムのモデル化にお いて,濃淡画像領域を細胞が置かれた環境とすることで,領域認識に応用する手法である.

個々の細胞は,細胞核を中心とした物質濃度の拡散過程の仮定に基づき,これを表現する ポテンシャル場を定義することで表現されている.次に,細胞の成長過程をエネルギー場 の設定と細胞膜領域における細胞核方向へのエネルギー運搬により表現する数理モデルを 展開している.さらに,細胞にとっての環境を,画像の領域的特徴に応じたエネルギー吸 収率で定義することで細胞の適応性を定義している.以上により,異なる性質を持つ細胞 が各々の性質に合致する画像中のテクスチャ領域ヘ接近し,その領域中で繁殖していくメ カニズムを実現している.本論文では,提案した多種の細胞の適応と繁殖によるコロニー 形成がセグメンテーションと等価であることを示している.また,テクスチャの分類をコ ロニー形成の反復的試行により行なう手法を考察し議論している.最後に頭部X線CT画 像 の 実 デ ー タ に 基 づ ぃ た 実 験 に よ り 本 手 法 の 有 効 性 を 検 証 し て い る .   第五章では,「頭部X線CT画像のコンピュー夕支援診断」と題して,まず,医用画像 処理の必要性と重要性について議論し,本論文で提案する頭部X線CT画像のコンピュー 夕支援診断システムの目的と位置付けを行い,CT値の特性と脳の解剖学的構造の議論及 び各種の実験から解剖学的構造の切り出しが必要であることを明らかにしている.次に,

局所的な組織構造,病変部分の切り出しを目的として以下の点,すなわち解剖学的に重要 な部位には血管が通っていること,及び血流の異常により病変が現われることに着目し,

血管を基準点(Blood Vessel Probe; BVP)とした局所的セグメンテーション手法を提案して い る.具 体的にBVPはCT値 の高・低吸収域の二種に分類することができ,局所的セグ メンテーションを段階的に行うことによって,効率的な病変部抽出を可能としている.最

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(3)

後に,実データに基づぃた実験を通して頭部X線CT画像の診断支援のための本手法の有 効性が示されている.

  第六章では,本論文全体の総括を述ベ,以上開発した理論と提案した手法が対象問題の 各クラスで有用であることが示されている.

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(4)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

A Study on Autonomous Image Recognition        Based on Local Features

( 局所的特 徴に基づ く自律的画 像認識に関する研究)

  

画像認識システム の利用,問題の表現 必要があり,対象間 ステムの開発が望ま

  

本論文では,識別 空間を適応的に形成 像データの特性に応 題領域に対する方法 領域の複雑な構造か り上げ,実用的な画

  

形状認識問題にお 複数の形状を一度の ンを提案している.

教師あり学習により 応的な獲得機構を提 している.さらに,

の向上を得ている.

が求められているが 合方法を提案してい 能カをロボットビジ

  

テクスチャ認識問 とした新しいセグメ 部分領域の分割と統 ン的な設定が領域分 命現象に見られる細 したセグメンテーシ えで細胞分割の現象 が同一の領域的特徴 胞のコロニー形成過 をコロニー形成の反 二一が領域決定の判 頭 部

X

CT

画 像 の 的応用問題として頭

の構築が実問題に対して行なわれる場合,エキスパートの先見的知識 方法,評価関数の設定法など,対象とする問題の性質に強く依存する 題に陰に含まれる知識を自律的に学習, 利用できるような画像認識シ れている.

対象の局所的特徴を する自律的画像認識 じた

2

種の 問題領域 論を提案している・

ら困難な認識課題と 像診断支援システム いて.対象形状に対 フィ―ドフオワード 従来のネオコグニト 設定されていた.こ 案し,ネットワーク 競合学習の改良を行 また,ロボットビジ

,これに対し,複数 る.以上,本システ ヨンシミュレーショ 題領域では,あいま ンテーション手法を 合を基本的方法論と 割結果を大きく左右 胞の増殖と適応のメ ヨン手法を提案して をモデル化し,っぎ に群を形成するコ口 程がセグメンテーシ 復的試行により行な 断基準であるテクス 実デ―夕に基づいた 部

X

CT

画 像 認 識

学 習 し , シ ス テ ム

, すナょわ 最 後 に 応 し て 知 ら 例 が 示 さ し て 適 応 処 理 で 識 ロ ン は ネ れ に 対 し サ イ ズ を な い,S ヨ ン な ど 対 象 物 の ム の 工 学 ン に よ り い な 複 数 提 案 し て し て い る し て し ま カ ニ ズ ム い る . 本 に 細 胞 単 ニ ― 形 成 ヨ ン と 等 う 新 し い チ ャ 特 徴 実 験 に よ 問 題 を 取

544

ら に こ れ 理 論 構 築 形 状 認 識 問 題 と し て い る 頭 て い る . に ネ ル 卜 す る 能 カ ト ワ ー ク 局 所 的 特 師 な し 学 胞 の 適 応 実 問 題 で 識 を 目 的 応 用 と し の 有 効 性 領 域 を 境 る . 従 来

, 分 割 ・ 問 題 点 が モ デ ル 化 文 で は , に よ る 局 デ ル を 構 で ある‐こ 法 を 考 案 適 応 的 に 本 手 法 の 上 げ , 解

らを基底ベクト を行っている.

問題領域とテク て画像領域のあ 部

X

CT

画 像

獲得する能力,

オ コ グ ニト 口 に強く依存し,

るS細 胞 の 適 き る こ とを 示 要 な 学 習能 力 処 理 の 高速 性 所 的 特 徴の 統 ら の 画 像抽 出 いる.

淡 画 像 を対 象 シ ョ ン 手法 は の ト ッ プグ ウ れ に 対 し, 生 柔 軟 性 を利 用 を 考 慮 した う 基 づ き ,細 胞 ら に , この 細 ス チ ャ の分 類 結 果 , 各コ ロ こ と を 示し , て い る .具 体 的 考 察 を通 し

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(5)

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