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は じ め に

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Academic year: 2021

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229

昭和学士会誌 第74巻 第

3

号〔

229

頁,2014

特  集 画像診断 現状と展望

は じ め に

昭和大学医学部放射線医学講座(放射線科学部門)

  後閑 武彦

 現代の医療における画像診断の有用性に関して は誰もが認めることであろう.1895 年に Wilhelm  Conrad Röntgen による X 線発見が放射線診断の幕 開けとなり,CT,MRI の発明以後は加速度的に画 像診断の進歩がみられている.私が昭和大学を卒業 し,放射線科に入局した 1980 年には既に頭部用 CT が導入されていたが,1 枚の断面を撮像するの に約 2 分を要した.続いて最新式の全身用の CT が 導入されたが,それでも 1 枚の断面を撮像するのに 約 20 秒が必要であった.CT で使用される造影剤 はイオン性造影剤であったために嘔気・嘔吐を始め とする副作用の頻度が高く,患者さんには不評で あった.1980 年代後半には 0.5T の MRI が導入さ れたが,撮像時間が長く,画質も満足いくものでは なかった.

 しかし,以後の CT,MRI の進歩は目覚ましいも のがある.CT はヘリカル CT へと変わり,さらには MDCT (multidetector raw CT) へと進化した.現 在では腹部全体を数秒で撮影することも可能であ る.造影剤も非イオン性造影剤に移行し,副作用は 減少し,造影検査がより安全に行えるようになっ た.MRI も装置,撮像法の進歩により,高画質の画 像を比較的短時間で得られるようになった.核医学 においては SPECT 装置,PET 装置の普及が進んだ.

PET装置が普及したのはFDG (fluorodeoxyglucose)

の開発とそれが腫瘍診断に有用であることが認めら れためである.

 臨床医学における IVR(interventional radio logy)

の貢献も忘れてはならない.IVR は放射線診断技術 の治療的応用をした放射線医学であり,数々の治療 に応用されている.画像診断機器,カテーテルなど の進歩と共に発展を続けている分野である.

 画像診断は今後もさらに発展していくことは疑い がないと思われるし,今後どのように進化を遂げて いくのは非常に興味があるところである.今回の特 集では画像診断の現状と展望に関して,核医学を含 む画像診断ならびに IVR に関して昭和大学附属病 院ならびに関連病院でご活躍の放射線科医に御執筆 をお願いした.中枢神経の画像診断は横浜市北部病 院放射線科(現:北里大学放射線科)の浮州龍太郎 准教授,乳腺領域は昭和大学病院放射線科の広瀬正 典准教授,心臓領域は昭和大学病院放射線科の須山 淳平講師,腹部領域は豊洲病院放射線科の長谷川真 准教授,IVR は藤が丘病院放射線科の橋本東児准 教授,核医学・PET は山梨赤十字病院放射線科部 長の武中泰樹先生(横浜市北部病院客員教授)に御 依頼させて頂いた.日常の診療,教育,研究で非常 に御多忙な中,快くお引き受け頂いたことに感謝し たい.この特集が画像診断に対しての理解と興味に 役立つことを願ってやまない.

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