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Academic year: 2021

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博士後期課程用

(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

氏 名 入江 由紀 印

(学位論文のタイトル)

Health-related Quality of Life and Potential Barriers to Adequate Nutrit ion among Japanese Hemodialysis Patients

日本の血液透析患者の健康に関する生活の質と適切な栄養を阻害する潜在的要因

(学位論文の要旨)

患者における適切な栄養を阻害する潜在的阻害要因(潜在的阻害要因)の有病率は次の とおりであった;栄養知識不足(47.2%)、食欲不振(33.3%)、胃腸症状(27.8%)、咀嚼 困難(25.0%)、嚥下困難(5.6%)。患者の約半数が栄養知識が不足していたが、参加者 の77.8%が男性であり、男性患者の67.9%が自分の食事を用意していなかった。女性の方 が栄養知識が高いことが知られているため、このように、男性であるがゆえに食事を自分 で準備しないことが、栄養知識に影響を与えた可能性が高い。

本研究では、参加者の47.2%が栄養知識が不足しており、これは米国(42.6%)の値と 似ている一方、イラン(84.7%)より低い。教育と栄養知識は米国の研究と本研究で似た ような結果になったが、イランの研究においては患者の教育レベルが低く、栄養知識の不 足している患者が多かった。

先行研究では、血清アルブミンレベルよりも、QOLを評価することのほうが、患者の予後 を予測するには感度が良く、低QOL値は入院および死亡などの重篤な状態に関連することを 発見した。本研究では、潜在的阻害要因が1個以上存在することは、KDQOLサブスケールの 低スコアと有意に関連していることが分かった。これは、これらの潜在的要因を持つこと がQOL低下の初期段階を反映することを示している可能性がある。

それぞれの潜在的な阻害要因がQOLに及ぼす影響を検討したところ、咀嚼困難は、年齢調 整前の6つのKDQOLサブスケールスコアのスコア低下と有意に関連していたが、年齢調整後 においてもなお、3つのサブスケールスコアと関連していた。さらに、胃腸症状は2つのKD QOLサブスケールスコアと関連していたが、咀嚼困難・胃腸症状以外の他の潜在的な阻害要 因はどのサブスケールスコアとも関連していなかった。これらの結果は、咀嚼困難はQOL に最も大きな影響を与える潜在的な阻害要因であることを示唆している。さらに、過去の イランの研究では、咀嚼が患者の臨床的栄養状態に影響を与えたと報告されており、咀嚼 困難はQOLと低栄養の両方を予測することが可能であることが示唆されている。このような 意味で、咀嚼は、認知障害、意図しない体重減少、死亡に関連しているため、高齢者にと っては非常に重要である。さらにHDを受けている患者は、免疫抑制、腎性骨形成異常に関 係する口腔の問題や、水分摂取制限がある。これは、咀嚼が困難な患者が、噛みにくい食

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博士後期課程用

べ物の摂取を減らし、エネルギー不足や栄養不均衡の原因となる理由である。

過去の研究では、咀嚼困難と心理的な問題との間に密接な関係があることが確認されて いる。例えば、過去の日本の研究において、咀嚼困難は、人生には生きる価値がないとい う感覚と密接に関連していた。私たちの結果もまた、咀嚼困難と心理的問題との間に重要 な関係があることを示唆しており、“日常役割機能(精神)”サブスケールにおいて関連が あった(p = 0.004)。日本国民健康栄養調査では、咀嚼困難でない人は60-69歳の75.0%、

70-79歳の62.9%であり、低栄養は70歳以上かつ咀嚼困難であることと関連していた。さら に、HDを受けている患者の歯科衛生は、一般の人々よりも悪い。したがってHDを受ける高 齢患者は、低栄養および心理的問題を防ぐためにも、口腔の問題に注意を払う必要がある。

本研究では、潜在的な阻害要因を有する患者とそうでない患者との間で血清アルブミン レベルに差はなかった。一方で、潜在的な阻害要因と臨床的パラメーターとの間の関係は、

過去の観察研究および介入研究で確認されているが、これまで潜在的な阻害要因とQOLとの 関係に関するエビデンスはほとんどない。本研究では、いくつかの潜在的阻害要因がQOL と密接に関連していることを明らかにした。これは潜在的阻害要因がQOLに大きな影響を及 ぼす可能性があることを示唆している。潜在的な阻害要因の特定により、患者またはその 介護者はこれらの要因を克服することができる。しかし、我々の所見を確認し、潜在的な 阻害要因がQOLや臨床パラメーターに大きな影響を及ぼすかどうかを判断するためには、さ らなる研究が必要である。

本研究の患者は外来で治療されており、高齢にもかかわらず独立して暮らすことができ ており、郊外で暮す介護を受けていない患者を代表しているといえる。先進国では人口が 高齢化していることが一般的であるが、たとえ独立して生活していたとしても、HDを受け る患者の潜在的阻害要因とQOLには関係があることが本研究によって示唆された。従って本 研究の結果は、潜在的な阻害要因の評価と管理が患者のより良いQOLに寄与することを研究 することの重要性を示唆している。

参照

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