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視覚情報処理とウェーブレット (偏微分方程式と時間周波数解析)

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Academic year: 2021

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144

視覚情報処理とウェーブレット

東京大学・大学院数理科学研究科 新井仁之 (Hitoshi Arai)

Graduate School

of

Mathematical

Sciences,

The

University

of

Tokyo

視覚情報がどのように脳内で処理されているかは, 現在も不明な部分 が多い. 錯視はこの謎を解く有力な手がかりの一つと考えられている

.

日 常の経験上, われわれの視覚情報処理システムは眼からの限られた情報 から生存に必要な特徴を有効に抽出していることがわかる. 錯視はこの 特徴の抽出の副産物として現れるものといえよう. したがって, 錯視の 発生のメカニズムを調べることは, われわれの脳内て視覚情報がとのよ うに処理されているかを理解することにつながっている. そのため錯視 発生のメカニズムの研究は

100

年以上も前から多くの研究者により行わ れてきた. またその研究方法もいろいろあり, たとえば次のものがある

:

心理学的な方法, 神経生理学によるもの, ニューラルネットワーク, フイ ルタリング

etc

この講演ては, 双直交ウェーブレットに基つ$\langle$

MOD

版多重解像度解 析に, 筆者が考案した非線形処理を加えた新しいシステムを用いて行っ た錯視の研究結果を報告した. 神経生理学において,

Vl

野における単純細胞が帯域制限フイルタの役 割を果たすことが知られている. この事実ならひに網膜地図, カラム構 造の既知の性質から, 本講演ては網膜からVl野においてウエーブレット による多重解像度解析が行われていると考え, さらにいくつかの統合的 な処理を数理化し, それを取り入れることにより, 網膜からVl 野におけ る視覚の非線形情報処理のシステムを設計した. 今回提唱する非線形シ ステムにより, 網膜から脳のVl 野て生すると考えられる錯視の多くに対 数理解析研究所講究録 1385 巻 2004 年 144-145

(2)

145

して,

その発生メカニズムの統一的かっ数学的な説明とコンピューター

.

シミュレーションを与えることがてきた

.

たとえば,

Hernam

格子,

Wolfe

現象, Spillman 現象, 各種のマッハ. バンド, 単純な明暗の錯視

, ならひにその非線形的な側面

,

Todorovic

錯視, カフェ. ウォール錯視 などてある. 本講演ては, このシミュレーション結果を提示しながら

,

視の発生の問題について数学的な分析を行った

.

さらに,

われわれのシステムにょるいくっかの自然な画像に対する出

力から, このシステムは

“画像の強調すべきところを強調し,

鮮鋭化すべきところ

を鮮鋭化する画像処理システム

になっていると思われる

. これは視覚を模倣することにょって得られた

副産物的な特性である

参照

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