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景氣循環諸學説の一分類-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

風潮窺循環諮寧詭の一分類

小川房 太 郎

は し が−いち

近時動態経済の研究並に其れに閥聯する経済改発研究の勃興し来れるに伴ひ、景気循環の現象を解剖し其原因

及竣見せんとする著作は種々と硯はれ、欧米の大家にして之れを給ぜざるものなき有様である。然しながら景気

循環の原因に就ては、従氷の思悌諭、に示されたる諸説と北ハに今佃粒々様々の詮があり﹂踵叫するところが何れで

あるか人をして惑はしむる感がある。

従って之等の諸詮を集めて其異同を明かにすることは此方前の研究に於て格別必要である。此宴求を滅すもの

として米甲、、、ネソク大挙ハンセン教授の近著義気循環論f英領建及び現状﹂は十讃の惜値あるものである。此

番は要するに、裳範循環の原因に関する主要なる詮を綜合流叫し、錯雑せる諸詭の中に側道の光明を輿へんとし

たものであつて、彼の意見に依れぼ、山免租封宜してゐる諸詮の間にも意外躍大なる、仙致が存してゐるといふ。

恩赦循環帯解貌の一分類

軽臍研究 彗惑弟四鶴 ︵㌘藍蟹榊︶

︵二九ニ ー

(2)

︵こ九二︶ こ

欝三等 廉四碑

今立に浮出するのは其の第一.馨であつて、景気循環諸塾詮の綜合的分郡を絆みたものである。︵文中︹ ︺は線番の 挿入せしもの︶ ≧くiコH●〓aコS川コーBusiコeSS︷yc訂↓heOry●芽ロeく2−OPゴ2コt andPreseコtSt已usこUN叫一 二 著者の意見では、景気循環詔畢詮に就て山つの分類を作ることは充分可能である、然しながら、其の理論家達 を分類することは大醍に於て危険である。各の論者が月山つの部類の中に入れられてゐる様な、緒論者に就ての 厳格なる分類は、何れの論者も其見解が叫寵的或は二方的であるといふことを意味する。事賛上、景気循環に就 て只叫つの山元的なる証明を伽︵へる論者は少いのである。景気循環は一つの複雑なる現象であつて、其の∵万的 なる詮明は誤りであり或は少くとも偏頗であり不完全である寄は演繹的に殆んど認められ得るのである。しかも 此事は事瞥上此問題を諭ぜる者が大抵充分に承認してゐるのである。諸塾詮は多くの場合に於て相互に排他的で はない、従って又同州の論者が、幾つもの補足的且つ相互に助力してゐる諸拳静の詮明着であると見えてはなら ぬ、といふ本氷の理由は少しもない。従って私は以下の分類に於て同叫の名を二つ或は其以上の項目の下に置く 層に躊躇せなかつたのである。共故に何れの群論家の部顆でも其他のものに関係なく考へることは誤解を生する ことになる。

(3)

∴仮令、厳格︹なる分斯︺に勤してか1る用心をしても、分類が危険であることを著者は充分承知してゐる。同じ

部類の中に置かれてゐる論者の閉にも屡々著しい相違があるー共和違は原著作者そのもの旦革むことに伐ての

み充分に朝敵し得られる。

然し寄寛上、或る論者が此の部類に厳してゐるか或は他の部類に威してゐるかどうかを、吾人は余り頓着して

ゐない。吾人は只論議せられてゐる箪詮の展開に允づさはるのみである。そして、或る嬰詭を展開するに雷って

時々常該部類の中に辛うじて分類され得る諸論者を入れてある、それ埠罫に彼等が其塾詭妄了解するに助けとな

る様なこ4を何か述べてゐるがためである。

景気循環が、近せの二望琴−−技術的諸條件と法律的諸制度とを揮へる近せの経済制度の劇産物−であるこ

とは充分承認された平凡なるこ聖賢である。景気循環は現存の経済赦合の構造・細野諸機能・及び諸過程を考慮

せすしては理解することは明かに出来ない。景気循環は、生産の技術的甜過粗並びに法律的経済的諸制度−−そ れに伐て諸財貨が交換せられ、協力せる諸稜の階級に分配せられる∼と、それ等の人為の制度的なる諸刺職並

びに外界の物質的世界自らが掟供したる諸刺戟に封する人間の感應と、の中た固く根底を持ってゐるのである。

三 景嵐綺墳帝嬰設り一分類 ︵二九三︶ 三

(4)

弗三懸 弗四兢. ︵こ九四︶ 四 条気循環諸箪故には、小部類及び細部類を持つところの三つの贋い種類がある。第一に、景気循環は資本家的 経済の一機能であると主張する緒論者がある。此部類は更に亦二つの主要なる箪沢を包含してゐる。兜づ資本家 的経臍を分配の立場より観察して、法律的・経済的諸制度が支配的であり、所得分配の不調整が生産と消費との 均衡を狂はせて生産高の攣勤を生ぜしめる原動力であると信する老がある。現存の法律的・経済的諸制度の下に 遅捧してゐる資本家的経臍は新得分配上の著しき不平等を生ぜしめる。かゝる所得の集中からして、生産婆臭に 投資せられてゐるが如き莫大の財産を蓄積する傾向が起るひ此鮎に於て此の部類の慧胴衣達は、資本家的経臍の 技術的特徴!即ち近世の機械的生産方法が迂回的な時間を資す過程であるといふ寄資∼を認めざるを得ない のである。生産者財 − 即ち生産要具1を兜づ作る事に放て間接に摘発者財が作られる。従つて其虚に消費と 生産、褒満と貯蓄との適督なる銅係といふ問題が持上がる。乍然此の部類の嘩論家達は治療と生産との不調塾が 資本家的生産方法の技術的特徴から教生する事を認めない。彼等は寧ろ現存の資本家的制度の法律的・経済的諸 制度−それに依て生産物が或る方法に伐て分配せられや−1の中に其の不調整を認めるのである。分配過程の 中から滑費不足及過大貯蓄が生するのである。其故に彼等の考では、生産物及び所得の欒動といふ害意は法律的・ 経済的諸制度を欒へて然し資本家的経済む技術的基隠︵迂回的・撥械的なる生産方法︶には手を付けすに置くこと に軌て救済することが出来るっ此部類に属する理論家達の中にはP−ザデール、マルサス、シスモンデイ、マル クス、ジョン・エ・ホブソン及てブーニアティアンが居る。

(5)

第二沢の群論豪速は、景気循環が等しく啓本家的経臍の心機能であると主張し、近せの粧開削度の技術的特徴 に共注意を集中する。捉つて彼等は景気循瑳が除去せられ得るといふ程迄楽観的ではない。徽等は兎に角大部分 近せの生産過程が特に、篭明・新想見・新資琴改善されたる方準増加しっゝある資本蓄痍及び増加しっゝある人 口の如き動的諸勢力の支配を受けるものである限り、景気循環は該過程の性質の避くべからざる叫結英であると 主張する。景気循環は資本家的或は迂回的生産方法を用ひて居る離昏に於ける経臍的進歩の剛械舘であると主張 せられる。此見地からして景気循環は近世赦昏の技術的基礎の申に固く根底を遣いてゐるのである。 此の部類の理論家達が注意を促すのは資本家的粧臍の迂回的な時冊を費消する過程である。彼等に取っては、 景気循拐は要具財 − 生産するに多くの時間を聾し、厳に亦艮時問に宜つて︵消費者財作出の過粗に於て︶機能を 営むところの諸々の撥械。工琴鋳造。舵舶及び其他空軍僻ト1の生産高の奨励から成立ってゐるめである。時間 的要素とか資本家的経済の特徴たる迂回的生産方法とか更に叉、それに従って起るところの諸々の不確かなこと や偶然の串及び判断の侠謬の如きものからして、︹次の様な種々の不納峯即ち︺滑費者財の購買に比較して生産者 財の購阿見に充てられたる金的民所得の割合の不調峯、生産されたる諸要具の分最及び其の購買・違捧の為に川立 てられる貯蓄の分最の不調竪、生産されたる諸嬰典の介意と其れを運抽する為に用立てられる補足的語弊素− 原料及び労働﹂﹂の分蛍との不調塾、近世の制度止於て党づ資本財を生産するといふ聞按的過程に伐て給費者財 廃鉱彷墳誇詳説の︼分娩 ℡︼九弄∀ 五

(6)

許三食 第四蚊 が生産されるといふ事案から生する不調整、が起つて来る。 五 理論家連の此の部類は更に亦二つの細小部類を含んでゐる、即ち︵こは竣明・蔑見・及び技術的改艮が経済的均 術を破壊する衝動力であると見る人てそして︵二︶は消費者需嬰の攣化を衝動力と見る人々である。 後に明かである如くマルクス、ツーガン︰・パラノフスキー、スピートホツフ、シュムベーター、カツセル、ロ バートリン、アダムス、及び其の他の者が絹者に曝してゐる。︵下文節初茸を見よ︶後者には就中アフタリオンピ グー、カーバー、ゼ・エム・クラーク及びピッカーグイクが屈してゐる。 六 吾人の第二の童画妄る匪分は、景気術環が競辞的交換経済の叫機能であると主張する諸革詭を包含してゐる。 か1る躍臍に於ては販路が時間に於ても蛋聞に於ても遠く陥ってゐる。販路が速く陥って居れば居る程、分薬及 び産米の専門化はご鱒複雑である。それは投機と諸々の危険とが充ちて居る不確かな動播不定の販路である。か 1る経済ノに於ては葦業家連は購爽の結英の預想を根城として生琴借金療働の屁呼原料及び設備の買入を行ふ。 勘定違ひは生する、薫種約となり勝ちの判断の諦観謬は必ず起る。且つ叉、それらの寄は、近世の個人主義的交 ︷二九六︶ 六

(7)

七 最後に景気毎珪は貨幣経済の町税能であるといふ軍紀がある。此の部斯に取って第二け豊嬰婁なることは、生産 の技術的諸過程・分配を支配するところの法律的・経済的摺制度・偶人的なる交換経済及び苗場緒過紐が、貨幣及 信用の機構を通して極能む螢むといふ軍葦である。そして此機構の働きの中に吾人は得環的攣勤現象に関する光 明を求めなけれぼならぬ。近せの経済に於ては琴婁と供給とは貨幣的測定単位に伐て硯はされる。物偶の欒勤は 生産過程及▼び消費自濃の叫結果ではなく、寧ろ諸財貨及勤労に勤して貨幣及び信用を提供することの仙結英であ る。かくて景気毎環の山つの説明は︹次の如きものの中に、即ち︺物偶の欒動の申にへ利潤寧割引歩今銀行の準 備今生産者及び消費者の現金璃高。貸付及び銀行信用の諸関係の申に、費用が安倍に追越される事の中に、利潤 ミツチエル、レスキュール、ア叩′ン・ヤング、フランク、キング及びラブイングトンの名を撃げる事が出来る。 的影轡む奥へる。此の郡斬に恩するところの経臍単著の中にはベヴュサツヂ、マーシャル、ピグー、タウシツグ 間の高度の相互依存が生じ、それが為に叫つの基因に影響するところの何等かの事態は他の詔袋圃に封して累兢 は、生蹄者の各集困をして、二軍路の馬佗、生産の連鎖申の次の薬困に依存せしめることになる。そこに生産者 ってゐる事柄を知らずに行動してゐるわけやある。更に亦、近せの交換経臍に免れない極端なる分業及び専門化 換経済に於て競軍が非常に支配をしてゐることからして狗更地くなる。だからして各商店は他人が同じ商賓でや 層嵐循螢誇攣訊¢山分類 ︵二九七︶ 七

(8)

限界の中に、経常所得.の資本化に射する割合の中に、求められねばならぬ。

此部類に屈する論者の申に、チダラー、ジヂウイツク、ギツフエン、マーシャル、ウイクゼル、フィッシャー

ホートレー、アリン・ヤング、ヴェブレン、レスキふール、ミッチェル、ピグー、レプケ、及びハーンの名を撃

げる事が出来る。

其見解に於て若干の論者は叫方的であり他の緒論者は折衷的である。前者の部獅の中で、大抵の論者は、景気

術環が経酒組細の只一つの特徴に依て根本的忙條件付けられ或は惹起されると共に、椅、他の特有の諸制度が媒

介物の用をなし、その媒介物を通して故初の刺戦が倍達され、叉そうでなけれぽ政和の退勤を阻め、そして弧烈

ならしめる上れふ見解を探つてゐる。﹁資本家的生産派及び交換経臍派﹂埠属する多くの論者は、長泉循環に封す

革質幣経潜の影響に就て此の見解を探る。彼等は景気循環の諸原因が貨幣経済の申に見出され得るといふことを

認めない。然し貨幣鮭臍が、他の諸力に伐て捜されたる諸道動を強烈ならしめるととろの、仙つの條件づける要

素であるか、包そうでなけれぼ叫つの強める嬰警ある革む認あることに豊︵存を持たない。㌢れらの論者は 景範頼環が、貸簡控臍に固有の諸力に伐ては惹起されすして寧ろ景気循環の形及び列壷が貨幣緒制度−﹂それを 通じて近せの粧臍制度が働いてゐるー1に依て探く影響されると信する。其の見解に於て完全竺方的なる論者 弟三食 第四挽 ︵二九人︶ 八

(9)

は仮令有っても少いのである。景気循環に朗する限り、何等かの他の要素︵固守してゐる要素以外の︶が何等かの 結果を持つことを認めない者は少いのである。 ︵註こ 守写urSp致hOff㌔Kriseコ︸︸HaコdwO−叶e−b宍h計rStaa訪wisseコSChafteコ︵芯Nごー≦、PP・芯・ざ00ナ∞N参照 多くの論者は共見解に於て折衷的又は多元的である。彼等は原因となる甜安来を近世の制度の幾つもの特性に 求めねぼならぬと主張する。彼等は叫定の諸特性のみが濁り支配的であつて、他の諸特性は英文配的特性の影響 を畢に節足し、加勢し或は欒史するものであるとは認めない。原因となる評力は仙元的であるよりも寧ろ多元的 或は少くとも二元的であると考へられてゐる。 尭 問題となれる特性が若し存在せないならば景気循環は消滅するであらうかといふ問題を聞ふ事によって、∵万 的論者と多元的論者とは区別せられるであらう。例へば貨簡経済が威除されたならば、景気循環は消滅するであ らうと信する論者達は其見解た於て明かに∵万的或は叫兎的である。各種の涯に屈してゐるところの比絞的叫方 的な論者の例は﹁資本家的分配派﹂のホプリン、﹁資本家的生産派﹂の第叫の小部類のスピートホツフ、同派の第二 の小部類のアフタリオン、﹁交換経済紙﹂のペグエリツジ及び﹁貨簡総柄派﹂のホーJ−﹁一レーである。 二元的並びに多元的論者の例は﹁交換紋所波及び貸簡経消滅﹂に屈するレスキふール、﹁資本家的生産波及び貨幣 景嵐循輩諦嬰況の︼分甑 ︵二九九︶ 九

(10)

弟三食 第四坊

︵三〇〇︶一〇 経済派﹂に屈するカツセル、﹁資本家的生成波及び交換経潜流﹂に廃するゼ主ム・クラークT資本家約分配派及び

資本家的生産涯﹂に屈するマルクス、簸後にウェスレー・ミッチェル、クウシツグ、アリン・ヤング並にピグーの

如く贋く折衷的であつて﹁資本家的生産浜﹂、﹁交換経済波﹂及び﹁貨幣経由振﹂に伐て力詮せられたる諸要素に重き

を置く人々である。多くの他の論者も撃げることが出来るが、以上の者は賛例となるであらう。

■㌧⋮世

それら警の沃は次の瓦章に論ぜられる。次に浮るものは、上に簡単㌃ぺ雪諸宗の蒜警蔓︵掘︶ ︵註∵︶ 啓元の分類は、ゼポンスやムーアの牧謹楯環詮を特別なる一部類として食めて居ない。然しながら、

彼等め設は禰環的欒化の原因を近世の経済的制度の物質的基礎に見出す諸詮と共に第瓦章に於て考察せら

れる。自然の賜物の諸攣動が本来且又自然に景気循環を生じないことは勿論明かである。只だ自然の恩恵

のかゝる諸欒動の衝撃が、交換制虔並に貨幣制度を伴へる近世の資本家的制度の複雑なる械構に向けられ

る限り、英詔欒動が場合に俵て、景気翼動を起さしめたり、成ほ欒吏したりするのである。然し此詮に就

て別の⋮分類をして差寛がないであらうといふ事を著者は否定せない、然し左様な分類をする寄が有用で

あるとは考へなかった。

て﹁資本家的経済﹂諸派

(11)

イ、紫蘇循環の原因としての資本家的分配組職 ロ、景気術環の原因としての資本家的生産過程 叫、経済的均衡を妨害する衝動要素としての畿明・蔑見及び改革 二、控麿的均衡を妨害する衝動要素としての消費者需要の欒動 二、﹁交換経臍﹂派 三、﹁貸簡鮮臍﹂諸派 イ、利手歩合・利細見込率及び物慣水準の相互関係 ロ、原憤と償格・利潤限界及び資本化の相互摘係 恩威術頃諦学説の︼分域 ︵三〇一︶ ︼一

参照

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三〇.

経済学の祖アダム ・ スミス (一七二三〜一七九〇年) の学問体系は、 人間の本質 (良心 ・ 幸福 ・ 倫理など)

〔付記〕

十四 スチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法 十五 エチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法

一 六〇四 ・一五 CC( 第 三類の 非原産 材料を 使用す る場合 には、 当該 非原産 材料の それぞ

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