愛知工業大学研究報告
第
1
9
号B
昭 和5
9
年2
8
9
ねじれ振動を伴う建物の弾塑性応答解析
復元力特性の第
2
勾配が応答に及ぼす影響一一
中 村 満 喜 男 @ 小 高 昭 夫
To:
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巴n
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紅 白t
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巴s
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espectrum
1.序 過去の地震による被害報告1)や,建物のねじれ振動に関 する数多くの研究2間より,ねじれ振動に起因すると考え られる地震被害例が多く示されている。しかしながら建 物のねじれ振動性状を示す為のノミラメーターの数が多す ぎる為,その振動性状を統一的に表わすには致っていな いのが研究の現状であると言える。 建物が地震時にねじれ振動を生ずる主な原因は, 1 質量の偏在 2.剛性の偏在 3 強度の偏在 4.地 震動に含まれるねじれ成分 等々と考えられる。1
と2
は偏心距離によって評価され,3
は各部材・各フレ ム の弾塑性状態を考慮する事によって評価される。 4は地 震動が地撃を伝播する事に起因する。わが国では,建物 を設計する際新耐震設計法によって偏心率Re
が1
5
/
1
0
0
以下になる様に指導しており,設計上の要請でやむを得 ずRe
が15%
を越える時は保有水平耐力の検討を義務づ けている。外国にあっては少し考え方に違いがあり,設 計用の偏心距離を次式で与えている九ex=ed
十β.D
こ こでe
d
は動的偏心距離, β は係数,D
は建物の平面寸法 である。e
xが与えられ設計が行われるが,わが国で、はこの あたりの考え方は明らかにされていない。 近年この様なねじれ振動の研究に関してC
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L
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Kan
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K
.
C
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6I等は1
層建物の弾性及び弾塑 性解析を確率論手法を用いて行い,振動数比ω
θ
/
ω
χ
がね じれ振動を分析する上で重要な役割をはたすことを示し ている。山崎川主1
軸偏心にはモ ダノレ解析,2
軸偏心に は確率論手法を用いて2
方向入力が作用する場合の解析 を行い,振動数比 ω。/ωx を 2.0~2.5 以上にする事を提案 している。著者等8聞はねじれ振動をする 1層及び3層建 物の固有値解析より基礎的な振動性状を明らかにすると 共に,エノレセントロ地震NS
成分等3
つの地震波に対す る弾性及び弾塑性応答解析を行い,その最大応答を偏心 距離e
/
ρ
・振動数比ωθ/ωx
.連成のない並進の固有周期T
xについてまとめ,ねじれ振動を抑えるには振動数比を 大きくする事,偏心距離を小さくする事が必要であると の結論を示している。 本論文はねじれ振動が復元力特性の第2剛性(第2勾 配〉によって受ける影響について研究したものである。 この第2剛性は実在の建物にあっては,使用材料と建物 平面の構造要素の配置具合等によって当然変化するもの290 中 村 満 喜 男 @ 小 高 昭 夫 Fj
Transla
七
ion
Mj 図l 多層建物の 振動モデノしRo
七
a
七
lon
図2 1層のB
i
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r
型 復元力特性 である。第2
剛性を第1
剛性で割った無次元の第2
剛性 γをパラメ ターとして導入し結果をまとめている。建 物はねじれ振動の影響の分析が容易て、ある様にl層建物 でしかも1次元の単純モデノレで扱われる。解析結果が多 層建物にも適用できる様に, 1層建物を表わす振動系の パラメータ の数値の範囲はjよく取られている。各種振 動パラメ ターを使って建物をモデノレ化し,E
I
-
C
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t
r
o
19405・12NS成分に対する弾塑性応答解析を行い,若干 の結果を得てその考察を行っている。 以下その方法および結果について順を追って述べる。2
.
ねじれ振動を伴う建物のモデル化と振動方程式 汎用性を考慮してそテソレ化・振動方程式は多層建物に ついて述べる事にする。建物は質量が各床レベノレに集中 した集中質量系と考えられ,各層ごとの水平変位に対す る復元力特性とねじれ角に対する復元力特性が考えられ る。図1の様に建物は高さ方向に集中質量が離散的に分 布する1次元モデノレとしてモデノレ化される。各層の集中 質量は地震時にX
方向・Y
方向に並進し,。方向に回転 するものとする。各層の復元力特性は図2
の様に並進・ 回転共B
i
-
l
i
n
e
a
r
型の復元力特性を有するものとする。 建物をl次元モデノレて、扱っている為,層ごとの復元力特U
4
e
-
十
一
ゐ
一一ト
十
一
一
図3 z層の降伏変位と降伏凶 転角の関係 性をより正確で複雑な形で取扱う事は意味がなく,復元 力特性の最も基本的とも言えるB
i
-
l
i
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r
特性による応 答性状を概念的に把握する事があらゆる解析に先立って まず必要と考えられる。B
i
-
l
i
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r
特性における第2
剛性 の第1剛性に対する比を無次元第 2間性(第 2勾配)y,と し,本論文は特にγiが地震応答に及ぼす影響について検 討を加えている。実在の建物では並進と回転の降伏変位U
,y '8
,y は各層内においてお互いに影響を及ほし合うと 思われるが,本論文の様にI次元モテソレで建物を扱う限 り正確にこのカップリングを評価する事は不可能であ り,簡単の為に降伏変位U
,y・8
,yは独立でカップりングは ないとして解析を行った。従ってf3jyがあらかじめ決定さ れていなけれはならないが,これは次式によって降伏変 位U
,yより決定されると考えた。。
iy二U
,
y/(e,
+
1
)
(1) ここにふ
I層の降伏回転角 e, 1層の偏心距離 1 : x軸から最も外にあるラ メンまでの距 離 すなわち剛心まわりの降伏回転角は,最も外側の構面 のラーメンが降伏変位U
,yに達すると等価な変位を引起 すに必要な回転角とし,凶3
にその関係を示している。ねじれ振動を伴う建物の弾塑性応答解析
2
9
1
なお図中のCM
は質量中心,CR
は剛心である。 次にねじれ振動を伴う建物の振動方程式は図4を参照 して求められた。地震によって地盤がUg
・
Vg
に変位し, 建物がU.V
に変位し,剛心まわりにO
回転するものと する。ねじれに関する動的な釣合は附心まわりで考えら れている。文献勺こよっては重心まわりでねじれの釣合を とっているものもあるが,弾塑性域まで拡張して応答計 算を行うにはこの方が便利であると考えたからである。 振動方程式は次式で与えられる。[M]iUf
十[
c
]I
U
1
十[K]iUf=-[M]IUol
(2) ~ ~ 十こiUf=iU1
・.UnV1
.
…
Vn
ρ1
8
1
・ ーρ1
8
n
1
TiUol=iUg
.
"
.UgVg
ーVg
p
,
8
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18
,民トTI
;
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R
B
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ρ
1
2
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,
e
y,
2
/
p,
2
十r
n
i
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X
i
2
/
ρ
1
2
[
C
]
減衰マトリックス[
K
]
弾塑性域の復元力を示す剛性マトリックス p,
建物平面の断面2次半径e
y ce
x 偏心距離I
R
θ
岡1
心まわりの回転f
貫性モーメントKx
困 Ky 水平剛性 KRθ 附心まわりのねじれ剛性 減衰マトリックスの評価に関しては簡単の為剛性比例l
型のものを考え,次式で与えられる。[
C
]
ニ2hω1図[
K
]
(
3
)
ここに h 減衰定数 臼1 連 成1
次固有円振動数x
v
Vg
図4 任意時刻における建物の変位状態Z
X
図5 1
層建物解析モデノレ3
.
弾塑性応答解析(数値解析) 解 析 は 図5
に示される様な1
層 建 物 に つ い て 行 わ れ る。目的とする結果のとりまとめに容易である様に地震 入力はx
方向のみの1成分入力とし,偏心距離も y方向 偏心のみを考えx
方向偏心e
x二 Oとする。 この様にするとI
層建物は次の5
つの振動ノミラメ←タ ーによって表わされる。本論文で採用されたパラメータ ーの値が表1に示されている。 1. Tx 連成のない並進の固有周期 2ω
θ
/
白)x 振動数比。連成のないねじれの河閲有振 動数と連成のない並進の円国有振動数の比。この値 が大きくなる程,振動系は並進の剛性に比べて相対 的にねじれ剛性が強くなる事を示す。3
.
m;/m
, 無次元質量で,1
層の質量で無次元化す る事を示している04
.
e
yρ
/
偏 心 距 離 を 建 物 平 面 の 断 面2
次 半 径 で 除 した無次元量。この値が大きい程偏心距離は長い。5
.
y=k
2/k
, 復 元 力 特 性 に お け る 第2
勾 配 の 第1
勾配に対する比。 y二1.0は弾性, y二0.0は完全弾塑2
9
2
中 村 満 喜 男 ・ 小 高 昭 夫 表1 1層建物の弾製性応答解析に用い られる各種パラメ ターとその数値Tx
k
2
/k
!
(
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ωe/ωx
m
i/m!
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P (=y)0
.
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0
.
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.
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.
6
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生 地震動としてE
I
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C
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o1
9
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0
.
5
.
1
2
NS
成分が採用さ れている。地震動の最大加速度は1
0
0
g
a
I
に正規化して用 いられている。計算は最大応答が発生する時刻を考えて, 地震動の始めから1
0
秒間について行われ,時間のきざみ 巾は0
.
0
0
5
秒である。なお数値計算は式(
2
)
を線形加速度法 を用いて解いている。その他必要となる解析モデノレの諸 元は図5に示される 1層建物から次の様に決めた。平面 形状は600cmx
600cm
,層高は400cm
,質量は5
0
k
g
.
s
e
c
'
j
cm
,断面2
次半径ρは500cm
,減衰定数h
は0
.
0
5
(
通常 のRC
構造物を想定〕である。降伏変位U
yは地動最大加 速度1
0
0
g
a
I
が入力した時,振動系が必ず弾塑性状態にな る様次式で与えられる。Uy
二O
.
5x
I
U
I
m
a
x
(
4
)
ここにI
U
l
m
a
x
最 大 加 速 度1
0
0
g
a
I
入力に対する弾 性応答変位の最大値 従って実際の設計業務の中で行われている様に,最大 入力加速度1
0
0
g
a
I
に対し弾性範囲内である様に設計し, 最大入力加速度3
0
0
g
a
I
で弾塑性状態となり,塑性率を検 討すると言う過程とは,本論は入力加速度の与え方が基 本的に違うので結果の考察を行う際には特に注意が必要 である。 なお数値解析はまず第1
Vこ国有値解析が行われ,第2
に弾性応答解析が行われ,第3
に蝉塑性応答解析が行わ れた。第lの固有値解析と第 2の菌性応答解析,第 3の うち完全弾塑性yニ0
.
0
の場合についてはすでに著者等 の文献酬に詳しく示されているので, ここでは本論文の 目的である弾塑性応答解析における第2勾配の影響すな わちγによるパラメトリックな数値計算結果および考 察について次に示す。 4. 結果とその考察 連成のない並進の固有周期Txを横軸にとり,縦軸にそ れぞれの応答の最大値をプロットしたものが図 6~ 図 9 に示されている。それぞれの図の内,一番左の図は縦軸 に並進の最大応答変位I
U
I
m
a
x
をとってプロットした一 種の変位応答スベクトノレて、あり,中左の図は縦軸にねじ れの最大応答角変位│
ρ
.(
)
I
m
a
x
をとってプロツトした 種の角変位応答スベクトノレ,中右の図は縦軸に並進の最 大絶対加速度応答倍率│文十y0I
m
a
x
!
I
y 0I
m
a
x
をとってプ ロットした一種の並進の加速度応答スベク卜ノレ, 番右 の図は縦軸にねじれの最大角加速度I
p.e
I
m
a
x
/
I
y 0I
m
a
x
をとってプロットした一種のねじれ角加速度応答スベク トノレである。図中第2
勾配の大きさがk
2/k
lの数値で示 され,それぞれに対応する応答スベクトノレが折線て、示さ れている。図 6~ 図 9 は振動数比 ω。/ωx=0.8
, 1.5
偏心 距離巴/
p
三0
.
2
,1.0
について示してし、るが,他の組合せの ものに関する図は紙面の都合で省略した。 横軸に偏心距離e
/
ρ
をとって,偏心距離の違いによる 影響をわかり易く示したのが図 10~ 図 12である。図に含 まれるそれぞれ 4 つの図の縦軸の意味は図 6~ 図 9 で示 されたものと同様であり,それぞれの第2
勾配に対応す る応答スベクトノレが折線で、示されている。図は振動数比 ω。
/ωx二o
8
, 1.5
連成のない並進の固有周期Tx=0.4
,2
.
0
の組合せについて示されているが,他の組合せのもの は紙面の都合で省略した。しかしながら考察は数値計算 によって得られた表lの全組合せの結果を見て行われ fこO 図 6~ 図 9 よりそれぞれのスベクトノレについて順に考 祭を行うと次の様になる。 a)変位応答スベクトノレについて 1.スベクトノレの形状は全体的に右上りでT
xlI'1.4
秒 を越えると急激に大きくなる。同じ振動数比を持つ 時は偏心距離が大きい程スベクトノレ値は全体的に小 さくなる傾向がある。2
.
T
xlI'l6
秒より大きい範囲で, スベクトノレ値は第 2勾配の違いによる影響を強く受け,第 2勾配が大 きい程スベクトノレ値が大きくなる傾向がある。3
.
T
xが1.6
秒より小さい範囲で, スベクトノレ値は第 2勾配の遣いによる影響をほとんど受けず,又第 2 勾配の大きさのIJ債にもならず,かなり複雑な様子を 示している。 b)ねじれ角変位応答スベクトノレについて 1.スベクトノレの形状は右上りで,振動数上t
が大きく2
9
3
ねじれ振動を伴う建物の蝉塑性応答解析 e/p =0.2 ω,!l.Jx =0.8 k.lk, ←ー→QO .‘---00.25 ・ 一 一-05 e/p =0.2 ω./W‘
=0.8 _ 0.15 .ー吋1D k"lk, Fー~∞ ← .025 ._.-" 05 ./ρ=02 ~Q7喝・
H 喝1.0 帆llKl 。-0.0・
-'''025 駒 -_.~ 0.5 eJI'=O.2 b一一一司町5 ・_---_・10 3 23
よ Z E 一 芸 ﹃ Z E 一 @ o A 昏一一--<>0.75 -ーー喝1.0 kzlk、
--0.0 _ _ _ 0.25 ..._._ 0.5 ω,/W.=Os 右 E E U M ψ 毘 E 古 q 一 岬f
ω./ω足=0.8 { E U ) 諸亘書 1 .0 2D Tx(sec) 振 動 数 比0
.
8
, 偏 心 距 離0
.
2
の 第2
勾配をパラメーターに示した変位応答スベクトノレ・角変位応答スベクトル・ 加速度応答スベクトノレ・角加速度応答スベクトノレ(
E
I
-
C
e
r
r
仕o1
9
4
0
.
5
.
1
2
NS
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0
0
g
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入力) 2.0 Tx(sec) 0 0'0 1 .0 q 0.0 20 Tx(盟c) 1.0 0.0T
R
抵 ) w 図 6 e/p=1.0 --075 .占日目』・'.0 ω./ω'~=o.8 lulk¥ b一一一oQO・
-
・
025 』一一喝o.s elf=1.0 匂 E τ 角 川 芦 ヒ -g Z X 9 k 志 向 、 -ω./ω,=Q8~
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・
00・
一 ・
田
5 F一一唱05 ./ρ=.10 - 0 7円5.
一
過
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-0.15 "'--"'1.0 ktlk¥ v一一喝0.0 ...--.... 0.25 」 唱0.5 ω./ω民=0.8 ( 胃 ι E U } 量 ヒ- Z 一
ω./Wt=O.8 E D 主 ( E U } 置 き 一 __..../ 針
1 .0 20 Tx(sec) 20 T‘
(sec) 振 動 数 比0
.
8
,偏心距離l.0
の 第2
勾配をパラメーターに示した変位応答スベクトル・角変位応答スベクトノレ・ 加速度応答スベクトル・角加速度応答スベクトノレ(
E
I
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r
t
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NS
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入力) 1 .0 0.0T
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1 .0 od
E
2D Tx(sec) 1 .0 q 00 0.0 図7 ./ρ=02 - 聞 も.・
IQ ω./W.包15 k./k, eー~OO ・一一・025 ←一一・0.5 旬 E ) K 到 ヒ 亘 吉 川 由 ε 一 一 @ 且 A F 1 民 伺 k -d z k g t -・ ﹀ ム ・ 5 'ー一--0.15 ・・1.0 W./Lh=lS k~1 k, 'ー→00 ・ ー ー ・025・
一
一
05 effJ=且2 2 E E U } 高 雇 事 只 一 eIP=a.2 k.lk, 砂一一-00.0 ・-・025 Fー 圃0.5 10 ζ J W E S X 帽 E 吉 一 - - 0 7 5 ・一一一・10 k.lk、
与一一一・00・
・
025 ‘-岨 05 1 .0 振動数比l.5
, 偏 心 距 離0
.
2
の 第2
勾配をパラメーターに示した変位応答スベクトル・角変位応答スベクトノレ・ 加 速 度 応 答 ス ベ ク ト ル ・ 角 加 速 度 応 答 ス ベ ク ト ル(
E
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トー~Q75 』一一一・1D {EU)K 密主主 2,0 T" (sec) 振動数比1.5
,偏心距離1.0
の第2
勾配をパラメーターに示した変位応答スベクトノレ・角変位応答スベクトノレ・ 加速度応答スベクトル・角加速度応答スベクトル(El
-
C
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o 0.0 20 Tx(sec) 1 .0 屯 ODo
h
20 T...(sec) 1 .0 00 図 9 ベクトノレ値は0.2~2.0 の値を有する。折線はおおむ ね第2
勾配の大きさの順になっている。2
.
スベクトノレ値は全体的に振動数比が小さい程大き な値を有する傾向がある。しかし偏心距離の大きさ には依存性があまり見られない。3
.
第2
勾配の違いによるスベクトノレ値の差はTxiJ;0
.
4
秒で一番大きく,T
xが大きくなるとだんだん小 さくなる傾向がある。又T
xiJ;1.6
秒以上の範闘でス ベクトノレ値はほぼ一定となる。 図 10~ 図 13 よりそれぞれのスベクトノレについて順に考 察を行うと次の様になる。 a)変位応答スベクトノレについて 1.同じ振動数比に対しT
xが大きくなるとスベクト ノレ値も全体的に大きくなる。2
.
第2
勾配の違いによってスベクトノレ値が異なる影 響は全体的にT
xが大きい程顕著であり,偏心距離が 大きい程大きくなる傾向がある。又スベクトノレ値は 偏心距離の違いによって,必ずしも第2
勾配の大き さの順になる事はなく複雑な様相を呈している。T
x が短い場合, スベクトノレ値は偏心距離の影響をほと んど受けないし,第2勾配の違いによる影響もほと んど現れない。3
.
注意すべきは,振動数比が大きく,T
xが長く,偏 心距離が大きい時,第2
勾配の違いによりスベクト ノレ値が大きく変動する事である。 b)ねじれ角変位応答スベクトノレについて1
.
変位応答スベクトノレと同様,同じ振動数比に対しT
xが大きい程スベクトノレ値は全体的に大きくなっ ている。又特に弾性応答に対して考察された9)様に, 蝉塑性応答に対してもスベクトノレ形状は横軸e
/
p
なるとスベクトノレ債はT
xの全範屈でかなり小さく なる。又当然の事ではあるがスベクトノレ値は偏心距 離が大きい程全体的に大きくなる。2
.
振動数比が0
,8
,偏心距離が0
.
2
の時,スベクトノレ 債 はT
xの全範囲で第2
勾配の大きさの順になって いる。しかレ他の振動数比,偏心距離の組合せに対 して,その様なきれいな関係は見られない。3
第2
勾配の違いによってスベクトノレ値の異なる影 響は Tx iJ;1. 2~ 1. 4秒より大きい範囲で大きく現わ れ,その範囲では第2
勾配の大きさの順にスベクト ノレ値も大きいと言える。T
xiJ;1.2秒 以 下 で は 第2勾 配の影響も小さく,スベクトノレ値は必ずしも第2勾 配の順にはならない。4
第2
勾配の違いによってスベクトノレ値が異なる影 響は振動数比が小さく,偏心距離が大きくT
xが大 きい場合に顕著である事がわかる。 c)並進の加速度応答スベクトノレについて1
.
スベクトノレの形状はおおむね右下りの折線であ り,スベクトノレ値は2.0~4.0 の範囲にある。振動数 比と偏心距離によってスベクトノレ値の大きさはほと んど変らない。2
.
第2
勾配の違いによってスベクトノレ値が異なる影 響 は 偏 心 距 離 が0
.
2
でT
xが1.2
秒 よ り 小 さ い 範 囲 で 顕著に現われる。又その範囲でスベクトノレ値は第2
勾配の大きさの順に大きい。3
.
T
xiJ;1.0
秒を越える範囲でスベクトノレ値はいずれ の振動数比,偏心距離に対しても第2
勾配の影響を 受けない。 d)ねじれ角加速度応答スベクトノレについて1
.
スベクトノレの形状は緩な右下りの折線であり, ス2
9
5
ねじれ振動を伴う建物の弾塑性応答解析 kolk、 。一一--00.0 一一-IJ0.75 --- -Q 025 ... 1.0 '一-.05「~4J/β判。|o
口
o
O~2 O.~ 日 6oH1b OD D h 0 4 0 6 口B 1 b o D o t 4 0 6 0 B 1 b D D D 2 0 A 0 6 0 8 1 0e ρ e / ρ e / ρ e i f t辰動数上七0.8,固有周期0.4 の第 2 勾配をパラメーターに示した変位応答スベクトノ~ .角変位応答スベクトノレ@ 加速度応答スヘクトノレ G角加速度応答スベクトノレ (横軸は偏心距離) ωo/Wx=O.8 T}(=O.~ --0.75 ~・ 10 k./k、 伊一一一。00 ・ - - < 0025 b 随0.5 3 2 ( 刀 ゆ と M a E 一 。 ﹀ 一 -x d w E 一 。 民 一 話 巨 主 主 の 正 一 。 ﹀ 会 一 T)<=0.4 k,lk, e一一--<>0.0 ←一--<l075 。一一一・025 ・ ‘10 竃一一一一厄05
ω
a/Wx,"O.8 ( 古 川 ﹄ E U ) 話 E 否 丸 一 ω。/ω.=0.8 T.=0.4 k.lk, ト一一一。00 か一一--<>0.75 。ー。0.25 ..._---. 1.0 唱 →05 ( E υ ) 4 t 吉 ↑ 図1
0
T)(=2.0 ω1Io/(J",=0.8{ j l
l
振動数比0.8,固有周期2.0の第2勾配をノミラメータ に 示 し た 変 位 応 答 ス ベ ク ト ノL・角変位応答スベクトノレ@ k,lk、 伊ー...-.-00,0 島一一-Q0.75 Q----.Q 0.25 ・←。1.0 F 一 喝0.5 ωa/W",=Q,8 T)(=2.0 k.!k, 0ー-0.0 酢ー----<10.75 O_____Q 0.25 ・ .1.0 温 三0.5 叫./(山=0.8 h=2.0 k,/k, b一一一。0.0 - -0.75 。 o025・ .
¥.0 ト--.05 ω。
/ω.=08 T.=2.0 1,/、民、 。ーー←-000 Q-一一-<>0.75 g一一。025 ・ . 10 F 留05 ( ℃ 巴 ) X 型 炉 ﹄ 一 三 一 、 話 E 一 唱 、 一 つ ら 4 E -O ﹀ 一 、 訴 と ﹂ 一 点 + × 一 ω,
/ωx=1.5 Tx=0.4 - - Q J 5 ・・1.0 k.lk, '一一一。00・
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Z E τ ﹀ て れ E 高 弘 一 図 11 ω./C心x=1.5 T)( =0.4 10 T)(=0.4 ω./ω)(=.15 k,/k、 'ー一--00.0 - - 0フB a一一___00.25 ~ 一一一・10-
賞
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I 0OD 0 1 2 D G d 5 0 8 1 b Eb d 2 d 4 0 1 B G I B - 1 h o b o } 0 4 口6 0.8 .110 o~o O~2 O~4 O~6 0.18 1.0
elP elf elρ elf
t
辰動数上ヒ1.5
,固有周期0.4の第2
勾 配 を パ ラ メ タ に示した変位応答スベクトノし@角変位応答スベクトノし@ 加速度応答スベクトノレー角加速度応答スベクトノし 〔横軸は偏心距離) 叫e/Wx=1.5 T~=O.4 bfk, 炉ー~00 - -075 0・
025 ...._--.1-0 vー 普0' 図12夫 昭 満 喜 男 ・ 小 高 村 中
2
9
6
T.=2.0 ト 一 一 - 00.75 ・・1.0ω
.JCu.=1.5 k./-
k,・
0
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0・一
・
025 ト_._x0.5 T:x=2,O k./k,
-0.0 - 0 .フ5 0---_・025 .,.--・1.0 留 一 一 稲 田 叫.
/
ω
10;=1.5 ω./lAh=1.5 Tx=2..0 トー---a0.75 b ーー・1.0 k./kl -→00 ・----....U2S 奮ーー‘ 05 トー---00.75 齢 ー ~ .10w
.
/
w
民=1.5 T .=2.0 k./k、
←ー→ 0.0・
-
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025 ト ー . 05z
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E
3
・ 判 一 官 官 E 4 2 玉 @ 目 、 一 O B J D∞
E 2 E 4 0 S O B J 振動数比1.5
,固有周期2
.
0
の第2
匂配をパラメーターに示した変位応答スベクトノレ・角変位応答スベクトノレ・ 加速度応答スベクトル・角加速度応答スベクトノレ (横軸は偏心距離) Q l d謀 議 孟 同
0.8 .10 e/p Os 0.4 02 q 00 日6o
.
0.2 ロD 図1
3
2
勾配に対する値と異なる現象がT
xの小さい範囲 で見受けられる。スベクトノレ値はおおむね第2
勾配 の大きさの順になっている。 全体を通じて言える事は,ねじれ振動における第2
勾 配の影響と言う点にまとを絞って言うと次の様になる。 振動数比ωθ/ωx
が小さくて,連成のない並進の国有周期T
xが大きい時に第2
勾配の影響が応答に強く現われ,建 物全体の持つ復元力特性の第 2勾配が注意深く適切に評 価されなければならない事が明らかとなった。 本研究はねじれを伴う建物の振動現象がわりと多くの 構造・振動パラメーターによって変動する事をふまえ, 実際の地震災害に対して最も重要な要素の一つである復 元力特性の第 2勾配の大きさが並進とねじれの振動の最 大応答値に及ぼす影響を明らかにしたものである。復元 力特性の第 2勾配が実際の建物ではどの程度の値を取り 得るのかは,建物を構成する材料或いは建物の耐震要素 〔柱・耐力壁等々〉の平面配置具合によって大きく支配 されると考えられ,建物別ごとに適切に見積られるべき 量であると考えられる。本論はその様な量を一つのパラ メーターとして扱い,第 2勾配を弾性から完全弾塑性に 致る5
つのポイントに分け,それぞれについて応答解析 を行い結果をまとめ,現象全体の考察を行い,第 2勾配 の評価が応答に重要な影響を及ぼす場合について指摘し た。 謝辞 本研究は昭和5
7
年度修士論文「ねじれ振動を伴う建物 の弾塑性応答解析」磯貝哲也をもとに解析され,使用し3
.
むすび に対し極大値をとる傾向を示している。2
.
T
xが小さい値に対し,第2
勾配の違いによるスベ クトノレ値の差はほとんど見られない。T
xが大きくな ると,振動数比が小さい値に対して,偏心距離の全 範囲で第2
勾配の違いによるスベクトノレ値の差が非 常に大きい事は特に注意を要する。 3.スベクトノレ債はおおむね第2勾配の大きさの11慎に なっている事がわかる。 c) 並進の加速度応答スベクトノレについて 1.振動数比が小さくT
xが小さい図1
0
において,第2
勾配の違いによってスベクトノレ値が異る影響が強 く現われている。又偏心距離が0.4より大きい範囲と 小さい範囲で,スベクトノレ値は第2勾配の小さい11頂 と大きい11煩となって,まったく逆になっている。さ らに完全弾塑性の場合のみが他の第2
勾配に対する スベクトノレ値と全く異る値をとる現象がT
xが小さ い持に見られる。これらの事実は履歴による減衰効 果が複雑にからみ合っていると考えられる。2
.
T
xが大きい時,スベクトノレ値は偏心距離によって ほとんど変化せず一定であり,第 2勾配の違いによ ってスベクトノレ値が異る影響も見られない。 d)ねじれ角加速度応答スベクトノレについて1
.
スベクトノレ値は同じ振動数比に対しT
xが小さい 程全体的に大きい値となる。又スベクトノレ値は{扇心 距離に対して極大値をとる傾向が見られ,特に振動 数比が小さくT
x
i
l
'
小さい場合にこの現象は顕著で ある。2
.
第2
勾配の違いによってスベクトノレ値が異なる影 響は振動数比が小さい程,T
x
i
l
'
短い程顕著に現われ る。又完全弾塑性の場合のみスベクトノレ値が他の第ねじれ振動を伴う建物の弾塑性応答解析