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最近一ヶ年間の硫安問題-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

政府は硫安輸出入許可に閲する農林、商工両省令を、昭和六年十二月八日の官報をもつて公布し、同日をもつ

て施行する寄となつ食。初めには内外硫安協定問題と外安不雷靡資課税問題とがあり、餞いて英嘱硫安と三井、

嘉との協高嶺があり、更に硫安輸入制限問雷が招現し、右省令公布に至る迄の約;年間は、東邦硫安に周

り最も多事多難の時であつた。なほ共後に於ても硫安問題紛糾する研があつたが、之等の諸問題に就き其経過を

左に記して見たいと思ふ。

−内外硫安協定問題

筆者が先に本誌第六番︵昭六︶第姦に於て報脅せる如く、世界窒素肥料竺九二七年来生産過剰となり、叫 九三〇年八月にはバリーに於て所謂世界窒素肥料協定︵︹○コく2コぎコ計﹁−i喜st−訂derVaNO−2︶が成立した。而し

て綻釆本邦市場に於ける硫安の大牢は之を外安が占め、英樹のブラン三ンド及猫逸のハーアーレンス術計取

扱によるものが其大部分であつたが、右協建成立後に於ては之等英猫硫安の為に、内園硫安は益々塵迫を蒙るに

最近鵬ケ年間の硫安開腹

最近一ケ年間の硫安問題

椎 名 七

○⊥九︶ 三七

(2)

〇二〇︶ 三八

膚克巻 第こ戟

重ったのである。即昭和五年末に於ける本邦市場に封する外安費拇値段は、∵トン小袋入六拾瓦園、撒物茄拾六 七囲となり、之は四年の平均資出値段百蓼拾就囲に比し六拾七園二二年の平均値段百参拾九園に比し七拾四囲、 喪に五割の暴落に雷るのである。之が馬に本邦硫安嘗業者は途に英猫硫安と固際カルテルを作る事に決意し、同 年末具牌的の決定を見、超えて昭和六年︼月二十日記名調印をなす串になつた。其基本的協定内容は次の如き虻 のである。 一協定期間を五ケ年とすること。 一市債を∵トン八拾五囲とすること。 一日本常葉者は硫安を仙切輸出せざること。 山 日本雷光者はカルテルを組披ト、今後毎年二十萬トン︵但し年額五萬トン宛逓減︶を外図例より購入 すること。 然るに右協定は共後昭和六年仙月二十日に至り、左の如き理由による政府の希望があり、其正式調印を延期す る事となつた。 鵬 我団に於ても年々生産額を増加しっ1ある際、輸出を禁止される串は非常なる不利であること。 劇 現在の建値ばTトン七拾武図であるが、之を協定忙よつて八拾華園とすることは、消費者である農民 の負塘を著しく増加する結果となるこ㌢

(3)

義邦の硫安製造工業が放近異常なる進渉をなしつ1あることは、既に前記の本誌に記した朗であるが、今昭和 六年度に就いて見るに、内地五十萬トン、朝鮮及基層各十萬トン、計七十葛トンの預想需要高に勤し、⊥ハ十八筒 先千トンの生産高が橡想されたのである。此時右脇定によつて二十寓トンの硫安を輸入する時ば、勢ひ高率の根 底が避け難く、更に朝鮮窒素肥料、昭和肥料等の愈敢工場設備が完成の上は、海外輸出をも圃らねぼならぬ敗勢 にある時、右協定によつて輸出禁止の束縛を受けることは、本邦硫安営業者に取って最も苦痛とする所であり、 賓際協定其ものには反到はないが、英傑件に就ては各敵兵諭があつたのである。 先佗本邦硫安営業者は昭和先年∬月、外囲硫安ダンピングと認むペきもの1勢が漸次猛烈となるに及び、外閥 硫安に勤し不常廉要関税法を適用されん苓を政府に陳述する朗があつたが、 に其後内外硫安協定を決定するに至ったものであるり 次に右協定により硫安一トンが七拾就凰より八拾五固に吊上げられるものとすれぼ、内地消費高五十萬トンⅥ 倒し贋に六百五拾萬園、朝鮮及甚潤の各十萬トンを加ふれば九百拾常囲の農村負婚が加重されることゝなり、疲 弊困悠せる農村に取り此負柊加重は決して粍祀すべきで凌い。 斯の如く右協定には、生産者、消費者共償不利とする桝大なるものがあり、政府は遂に干渉するに至つたので ある。 遼寧叫ケ年間ゐ虚壌問題 ︵山二こ 三九

(4)

本邦には従釆カルテルを止める法律はなかつたのであるが、内外硫安協定に干渉し其調印を中止せしめた政府 は、濃蘭に於て本邦硫安営業者に封⊥、或稼の諒解を由ハヘたものゝ如くであると俸へられたが、一月二十≡日政 府は硫安問題に閲し、不常鹿野審杏委員禽幹事合を開くに至った。 農村の立場を擁護する農林省は、製造業者を擁護する商工省とは意見を異にし、右幹事倉を開くに雷り、商工 省に勤し、﹁寧ろ企業統制法轟の成立をまち、本法によつて通常に吾硫安製造柴者を保護する様にLては如何﹂と の考慮を求めたのである。然るに商工省の主張する朗は、企業統制法実は不日試食に提出するとはいへ、未だ法 制局に於て審議中であり、且同法案の成立を待って直ちに硫安工業の保護救済を行へば、同法案が恰も硫安共著 保護の焉に提出するかの如き誤解を受ける虞もあり、輸入硫安に勤しては不常藤野忙関する規程を邁周するの他 なしといふのであつた。而して農林省も途に、不常廃幣なりや否やを調査するといふ意味に於て、不常應靡藤森 凄員愈幹事倉を開く尋に譲歩するに至った。 此審査委員愈幹事愈は、勝部商工省貿易課反、田中同工政課長︵飯田大蔵省関税識長、野外務省通商局第山課 長、田鹿商工次官、立石商工省貿易局長、石黒農林省農抄局長、山中同肥料課長、稲垣柘務省書記官、及民間側 よ・り野口︵日本窒素肥料︶、高橋︵昭和肥料︶、桝谷︵電気化螢︶、田中︵東日本人造肥料︶、央崎︵住友肥料︶、の諸氏 ■ 第七春 希三波

〓 不普鹿茸課税問題

︵二ニー︶ 四〇

(5)

出席し、調査上の協議をなし、繚いてこ十六日第二国幹軍令を開いてゐる。 此間輸入硫安の放棄憤格は、不常廉愛であると認められ、政府は不常靡貸地を通用する寄に決意、先の内外硫 安協定の日梗である、トン八拾五囲の値段を不常と認め、悲況に沈愉せる農相の立場と嘲般の輿論とを考慮し、 大旗七拾五囲を安富とし、此値段を課税の腰準とする放である旨報道された。︵大阪朝自、二月二手日︶ ㌻トン六拾剋程度の外囲硫安は果して不雷慶安なりや否や、之を決定することは極めて困難であるが、之に参 考となるべき生産費其他に閲し、報道された朗を記して見やう。 第⋮回不常鹿野審査垂良禽幹尊昏に於て、政府側の要求によカなしたる本邦雷光者の説明忙よれば、本邦製造 食紅の大濃の生産費は、トン常り、電力費式拾−怨拾鳳、製造費拾試−拾た固、硫酸費拾式1拾五園、歯業販貸 費五園、荷造費運賃給紙−拾五園、合計六拾愛−八拾凶である。而して先の内外硫安協定憤格八拾五囲も之より 割出されたものであり、叉右生産費は合成法による硫安製造費であつて、石衣窒素法によるものは吏に高くなり 八拾正風なる協定偵格は我雷発着に取り、殆んど利益を見込む事が机釆ぬものであるといはれ、常時英礪硫安の 本邦輸入情格埜ハ拾風見雷であつて英礪本圃に於ては八拾1九拾剋の輝貸借藤であるから、明かに不常靡賛を行 ってゐるものであると俸へられたのである。 第三回外安不雷廉愛審査委員骨幹草魚は二月九日些聞かれてゐるが、何台に報沓された本邦製造合敢の生産費 は、日本窒素肥料、朝鮮窒素肥料及昭和肥料が七拾初凪、住友肥料が八拾就園、大日本人造肥料が八拾五鳳、石 最近ニケ年間の硫安尚題 ︵叫レニ三︶ 田山

(6)

衣窒素法に守る層気化拳工柴が胃○蓼固であつ七、政府の見る平均生慶費は七拾五固であつた。而して間口の幹 事禽には常発着側よりの出席がなかつたが、営業者側に於ては同日予駁低最高の生蕗費の中間を取り、八拾−八 拾就園をもつて生産費とする寄が安富であると意見の−致を見てるる。︵大朝二月‘二日︶ なほ右幹寄合に報脅された外囲硫安に封する三井、三菱の調査は、二切の緒揖を含み内地渡正常却責慣格は英 圃品丁トン百拾五囲、弼逸品百治療囲∵ァメⅤカ品百〇五囲となつてゐる。 二月十二日のハ﹂ アールンス敢の歯糞によれぼ、七−九月︵日本到着十−十二月︶礪逸硫安の同園農家への 小安備は、窒素劇キロ 及園内運賃む含むから、此七十二べ七ヒをハンブルグ本胎渡しとして換算せぼ六拾武図笠冒、▼現在日本に於け る硫安卸値七拾武図五拾鏡は決して不首藤褒ではないとしてるる。︵大朝二月十四日︶ 然るに二月十凶日衆議院像算第五分科︵商エ︺昏に於ける松型軍二郎氏の質問に封する俵南柏の答掛は、右アー レツス敢畿衰の値段は昨年七月頃の安値であつて、商工省調査による礪逸国内卸偵は叫トン丸拾費個六拾六鏡で あるとしてある。なほ商工省調査による英構図内層出偶格は次の如くである。

掲連取安掲蓬国内相場

舞竜巻 第−二蚊 昭和寅年 七 月 窒素血キロ †ルク ○、七六 硫安一−ン マルク ニハ○、六血 邦侶換算 七七、四〇 円 ハナ二四︶ 四二

(7)

叉前記アーレンス敵襲表に勤し、内地営業者は一月二十日、昨年七月弼逸閣内相場硫安一トン鵬六〇・六; ルク、為替二〇︶・七露マルク、都債換算七七・四〇園と七、之に一切の諸樹を加へ二八・七〓圃が∵トンの硫 最近ニケ年間の硫安問題 昭和五年 六月二五日 七月二三日 八月二〇日 九月二四日 仙○月二二日 〓月二六日 鵬二月三一日 六 年一月 八 月 九 月 仙○月 一山月 二山月 六 年 一 月 仙月一六日

英国硫安英国内相場

○、七入 ○、八〇 〇、八馴 ○、入二 〇、入四 〇、八八 〇、九〇 硫安劇lン 好 意 片 一〇、ニ、○ 固 聞 入、叫九、〇 九、/ 叫、〇 九、三、〇 九、五、〇 九、入、○ 劇六四、八四 則入九、〇六 丁虻仙二八 ㌻七三J一九 丁七七、五二 山八五、九七 劇九〇、〓○ 七九、四四 八州、四七 八二、五〇 入三、五一 入五、五五 入九、六二 九 邦借換算 九九、四五 何 問 八∵ハ、二血 八九、剛一 九〇、〇九 九て〇八 九州、六鵬 円 ︵二二五︶ 四三

(8)

︵★弼逸は世界大磯の賠償金代りに、ハーバー法の特許梯を日本に提供した1め、日下日本に輸入される猫逸硫 安には特許種料が支排はれる。︶

硫安慣格吊上げが問題となるや、農民側を擁護する帝囲農愈及警笛、自由通商協脅等の諸国餞は初めより猛

第七令 弟こ′教 ︵〓〓C 四四 安情緒となり、七拾武園五拾銭は明かに不普廉資であると反駁してゐる。︵大朝二月二十二日︶ 次に両月相場を基とし一切の諮揖を含め計算せるものを記して見やう。 州月本国相場 日本向輸出諸掛 荷 造 費 遂 仔 保険料及辟忽 到着汚水揚、倉入費 遅途中金利六十日分︵年五分︶ 倉敷料及貯蔵中金利 日本内地運昏 坂東手数料 ★牡許料︵一−ンに付二分︶ ヽ d † ∵‖ 合 計 猫逸硫安 九叫、六六 大、五〇 二ニ、四九 、五入 て三五 、八二 ﹁、九.六 三、0〇 三、00 て四〇 三二、〇九 〓二二、七五 【「 英国硫安 九て六仙 四、八三 l三、四九 、七仙 ﹁三五 、八二 叫、九五 こて0〇 三、0〇 二八、九五 山二〇、五六

(9)

烈なる反封をなし、農林省叉常に商工省と反判の立場にあり農民擁護に努めた軍は勿論℡ある。眈に昭和由年に 比し、生舶ば五割五分、米は洞割、小琴二創玄分の低落に遭ひ、金解禁後の不紫蘇探刻化と共に疲弊閣僚共棲忙 達してゐる農村に取り、生産原資の⋮主要素たる肥料の人馬的借上により、負塘加重を蒙る事は賛に由々しき問 題である。 硫安の市債は外安の不常廉貸により甚しく低下し、此優にては自給自足の域に達する我硫安工発は滅亡の他は ないと詭く著があるが、外囲の生産費と日本に於ける安倍とを比較して、果して不常慶安の理由が成立するやは 疑問であり、叉我生産禽敵中にも優良なるものがあつて、現在の市債が果して生産費を割.ってゐるか否かは疑問 やある。叉単に生産費を割ってゐるからといつて、放て之を救済する必要はなく、現時の農村に於ては凡ての生 産物が生産費以下である。一部不良の愈敢は此際寧ろ撃排されるペきものであるとする輿論もあつた。 吹佗外囲硫安の不嘗廃棄は認めるとしrても、萬仙日本が不常廉繋法を適用すれぼ、現に我国が放棄珠張の馬に 努力してゐる輸出品に関しても、相手固から不常顔資関税を課せられる麒もあり、通商上面白からぬ結英を来す とする外務省の反封意向もあつた。 なほ政府は外囲硫安の不常廉賛を認め、大腰⋮トン七拾五固を課税の槙準とする肛であつたが、我営業者中に はなほ政府の鴇示する憤格に不満足なるものがあると思はれる。而して政府は営巣者より、今後七拾五囲以上と せざる旨の一札を取る寄にした模様で卑つたが、馬一首発着の反封に遭ひ、七拾五園以上の慣格を規由する時は ル最近﹂ケ年間ゐ琉婁融感 ︵︼こ七︶ 四五

(10)

農村の窮状は倍加し、英資任は政府が負はねばならぬこと1なる。 斯くして外安の不常廉蛍は之を認むるとしても、不常靡療法適用仕掛しては前記の如く、川園の事柄不利軋る ものがあり、俵商相も途に内外硫安の詔協妃を拗督するより他に解決の途なきものどするに至った。叉英昭常葉 者に於ても、不常廃棄関税を試せられることば故も苦痛であり、Ⅲ米縛る限り譲歩して、再び常共著の協定にょ ノ り解決したき意向であり、商工常局が斡旋の労む取らる1ならば、之に應ずる準備がある旨を述べる研がるつ ねペニ月三日︶。▲こゝに政府は内外硫安滞協定を試みることになり ↓ ∴慣格協定を後退しとして、兜づ輸入硫安の数畳協定をなすこと。 血 液初の協定期間は億づ本年中とし、其後は常時の情勢により更に協定すること。 を大鰐の腹案とし、協定をなさしめる方針と見られるとの報道があり︵大朝l有方日︶、不常廉資法邁欄間趨は彪 が薄くなつた。而して其後英昭硫安常葉着と三井二二発との問に交渉が進められたが、其協定が愈々兵偲化する に及び、政府は既に不嘗靡繋法通用の原因が満城せるものとし、不雷靡資審脊垂員命幹事愈を今後開かぬ事に決 定した。斯くして今回は必ず適用されるものと預想されてゐた不常厳密法も通庸を見す、此法は途に取締規程制 度以来−回も適用されず佗終ったのである。 三 英猶硫安三二井、三菱せの協定 第七−稔 第士魂∵ ︵二一八︶ 四六

(11)

攣琴された英燭硫安と三井、三菱との協定傑件は大腰次の通りである。 叫 英昭製品ば叫切二尭、三菱で引受けること︵従来はプランナモンド及ハーアーレンス酢直営︶ 叫.期限堅ニケ年とし、初年度半濁トン、次年度八馬トン、三年度五濁トンを輸入数畳とすること。 ∵輸入硫安の販茸憤格は市場の成行に従ひ其痔に定める。 −二門地硫安の東洋市場に封する輸出は,日本窒素肥料命赦の諒解の下に、叫軽の紳士的協約により従米 通り白山輸出を認めること。 輸出に関する紳士的協約は秘密としせ具鰭的内容は著表されなかったが、右協定は昨年末成山止せんとした協定 に比較すれば、英猫側に大なる譲歩がある。叉先の協定に於ては硫安∵トン八拾五園とする條項があつた。之は 常時の市債よ,り見れば約就拾園の掃上げとなり、窮乏せる盤村に大なる負塘を加重せしめる畢となる。政府が共 調印に干渉した主原因はこ1にある。然るに今回は斯る確定的憤格に関する協定がない。故に政府の干渉を受け る虞がない。 今回の協定は疑もなく、硫安の放資統f−制を著しく促進させることになる。内地硫安は昨年末釆、殆んど大部分 が三井の﹁芋版費に委ねられてゐたのであるが、右の協定が成立すれば、各部三井、三菱の下に統制的販嚢が行 はれることになり、従来の如き外安正安の脅威がなくなる。従来は英嘱硫安が見越輸入を行つて需要の均衡を乱 し、穿他で貸出したものである?なほ硫安販野に就きこ扉、三菱と内地硫安営業者との間には次の如き協定方法 最近∴ケ年間の鹿妻間艦 ︵〓ニ九︶ 四七

(12)

が考へられた抄である。︵大朝二高二十六日︶

叫 共同阪費愈政の設立

二 共同版賛組合設置

三 革なる中食的な放資協定

右の中叫及二は本年創業の昭和肥料愈敢が仝購聯に封し五、六月渡しで平均六拾武図の安値で七千トン.の賛約

窟をなしたる関係もあつて反封があ少、其他困難な事情もあつて、三井、三菱も結局第二あ方法を日棟にしてゐ

るとの報道があつた。

英礪硫安雷発着と三井、ニ垂との協定に於て、問題となつた例のものは、享井封二重の販野比率を如何に決定

するかの瓢であつた。此決定は督際困難なものであつたが、≡井二判三菱妄る三井の提案に封し、一義之を承

服ぜす、、飽迄封等の比率を主張するのであつた。

斯くて三井封三菱の販資比率決定を待って、形式的調印をなすことになつたのであるが、之娃共役英猫本圃の

那合により遷延されること1なり、其協定は内地硫安の不足とする範園内に於て、ニ葬及三雲約同額の剖嘗︶に

ょり英猫硫安を輸入するといふ暫定的なものとなつたのである。失望ハ月末を以て閥際窒素カルテルが更改され

るととが主原因となつたのであつて、此カルテルの更改を待って、英猫硫安と三井、三菱との協定をiE式に調印 することになつたのである?然るに此協窟も英後、右図際窒素カルテルが智利硝石例の不同意により僅か臍ニケ

発七巻 第二戟

︵〓ニ○︶ 四八

(13)

年にして決裂し、其結果各国共猛烈なるダンピング戦を開始するに恵りし窺、形勢観望の状態となつてしまつた。

四 硫安喩入制限問題

国際窒素協定の決裂と共に各開共猛烈なるダン.ビング哉を開始したのであるが、若し此僅七進めぼ、本邦には 英猫硫安以外にもオランダ、ペル乳−物等も流入する廃があり、之が馬に内地常発者は英弼硫安と雲井、三菱と の協定交渉と離れて、翰入硫安に対する閥務凰課又は輸入許可制虔を設ける楼常用に要望するに至った。 欧州に於ては国際窒素協定決裂後、各開輸入防止に躍起となり、ドイツは既に禁止的輸入関税賦課をなし、俳の 輸入許可制度、オランダの関税引上等の問題相次で起り、ポーランドは英閻に向つてダンピングを断行し、之に 封し英囲は硫安トン嘗り九傍十志掌り二攣竺ハ修十意に、更に五渉十志に値下げしたと俸へられた。︵大朝八月十 九日︶斯くて比較的進歩の遅い東洋方面へのダンピングは益々盛んとなり、途に八月下旬英猫硫安もこ芽、三愛 への安値を袋入鐸出五拾八固と決定するに至つた。常時日本窒素合計の穿値は各地レ,−ル六拾囲見常であつガが 斯る前傾は未だ甘て見ざる安値であつて、内地営巣着に取っては重く採算制れのものであるとのことであつた。 本邦の合成法及石衣窒東法忙よる硫安製造発着は、預てより窒素協議愈を開き外囲硫安封統覚を協議中であつ たが、本邦窒素工兼の環状は、既に自給自足の域に達し、共生産能力は既に胃萬トンを爽破し居ること、外囲の 現状は他観硫安輸入に封し許可制む採用したものが多く、叉日併通商があり、小項目の除外を除き、輸入の禁止 最顔〓ケ年間の硫安問麓 ︵二ここ、画九

(14)

第七巻 第こ既

︵二二二︶ 五〇

又は制限によつて、双互の通商を妨げざるべきことを約してあるから、輸入許可制を採用する把因馳があるとす

る潜もあるが、眈に傍観自身が此制度を採用してゐる以上、日本としても之が資施に差支ないであらうこと等よ

り、本邦としては輸入免許制む探用するのが最も通常なりと

は輸入許可制により、不普利益を貪らんとするものであるとの高よりの非難があるかも知れぬから、夫に供へ

る馬硫安の慣格決定を政府常局の裁定に重ねること1し、九月四日の協議倉は此制度を政府に話柄する請椙昏豪

議決した。其趣旨は、歓洲窒素愈議は決裂し、爽、蘭開園を除く各闘は何れも輸入許可別乃至禁止闘森㌃より、

自閉窒素工菜の保護を筒つてゐるが、本邦としこは今日追付等外囲品輸入の防止籠も講ぜられてゐない。右につ

き許可制を貰施すれぼ、年〓憶四千萬園に及ぶ窒素肥料の輸入は大部分之を防過し得るのみならす、之により本

邦斯業の安定、確立を見得るから常局に於て情緒の決窟樺と併せ右制度探用につき考慮ありたい、といふのであ

った。︵中外九月五日︶

斯くて内地硫安製造業着は政府雷局・転封し、猛運動を蹟けてゐたが、十月二す開かれた関係各省禽議は左記の

意見の′一致を見、直ちに法制局に於て立案に着争した。

.L 外観硫撃を輸入せんとするもりは、其輸入憤格及数量、輸出鱒等を明記し、太織大臣に申請して其の

許可を受けしむること。

二 大戯大臣は右の事情に本づいて、之を許可すべきか否かを委員愈に諮問し、共答申を得て決定すること

(15)

三 外囲硫安の輸入を許可すべきや否やを諮問すべき委員愈は之を大蔵大臣の管帽下に置き、外野大戚、

農林、商工各省の関係官及営業者等より委員を選定すること。

四 右の趣旨に本づいて取急ぎ法制局に於て法規及官制む立暴し、成案を得次第な竺應関係官命議を開

いで寮議し、椙式に之を決定した上閣議に土柱すること。

本邦の硫安製造業者の要望により生れ出でたる輸入制限制度に封しては、先の不常壁異説税問題の璧ロの如くー

消費者側は勿鱒猛烈な反封をなし、農林省又初めより極力反封する朗であり、其蜜施には種々困難があつた。怒

る豊ハ後商工、農林両省の諒解があり、叉従来は輸入制限に関してのみ考慮されてゐたが、軍に輸入を統制し、

閉産品の統制並に閥内販貸借格に閲し、政府が無開輿なる時は、閣内の需給調節上非常な困難に陥り、良民は肥

料発着の馬膠争に市偵の吊上げに愈ひ、非常に不利の立瘍に立つ虞あ少とし、輸入制限と同時に輸出制限並に国

内賛個別阻もなす必嬰があるとする、農林省の力説もあつて、左の如き意見の姦を見た。︵十方五旦

鵬 ▲硫安の輸入制限を農林、商工両省の省令で出すこと。

二 団円席硫安の璧貝を制限する鶉、国内産硫安の輸出も制限し、園内販吏偶の最高及最低慣格を法律で

決定すること。此慣格評定に関する委員禽は内閣に於て審議すること。

なほ右最高梗準憤格は本邦生産者中、比較的優良なる脅敢のエ葛生産費に諸経費を加算したるものを

通常とし、暫定的省令により規定し、釆試合に法律案を鴇出して協賛を得ること。

最近血ケ年間の硫安問題 ︵▲〓ニニC 五山

(16)

︵鵬三讐 革一

第七笹 第二渋

三 輸入を許すべき敦盛の評定腋、憤格に関する法律の試合通過後、閲係官酪の他に常葉者、消費者を加 へた委員倉に於て行ふこと8 右の中第二は其後制案するに雷り、政府は垂良禽に諮問して基準憤裕を択定し、数盈調節により右慣格の椎祷 をなすこと1欒盟Lた。 なほ肥料年度を八月一日より翌年七月三十一日迄とし、硫安の製遵業者は、同年度毎月の製造預定数畳を毎年 七月三十言迄に、叉硫安移出の計喜ある者は、移田の見込数畳及橡定時親を毎年七月=手首迄に、夫々農林 及商工両大臣に届け出づること\した。 斯くして政府は硫安の輸出及輸入許可に閲すろ農林及商工省令を、十二月八日の官報を以て公布し、同日を以 て施行することゝなつた。 次に朝鮮に関してはヾ十二月十日附朝鮮総督府令第百五王統︵昭、七二月十八日官報︶を以て、叉轟潤忙 関しては、十二月二十五日附姦濁鯉督府令︵昭、七、一月二十三日官報︶を以て公布されてゐる。 今回の制度は重く本邦硫安製造業者の要望正より生れ出でたものであるが、之により文治費寄倒にも安富な慣 格を決定し得るものとなつね。 次吃問題となるべきものは、硫安の基準慣格を如何に決定す′ペきか、及此偵格維持の馬行ふべき硫安数量調箇 に紺し玲移入額む如何に決定すべきかである。︵輸移出に放て吟雷分間趨にはならぬ︶

(17)

右の中基準慣格に関しては、右農林、商工両省令公布以前劇部新聞紙上に費表された研があり、各生産食紅の 生産費調べを基礎に、農林、商工弼普局問に詳細なる調査を重ねた特異、大軍ハ拾蓼固を誉冒し、更に農林省 例より六拾風詮出で、天龍六拾園に決定する模様であつた︵大朝十一月二十七日︶。之に封し各製造倉敢は常初の 期待全く外れて不満を抱き、関係昏敢の昏含む開き協議した結果、基準慣格を七拾閲見雷に決定する棟政府に要 望すること1した。然るに畠林濫局は営巣者の態度を非常に遺憾とL、農民の馬飽迄之を固守する必要があると なし、次の如く強硬に反封してゐる。即各合計が政府に劃して提出した生産費調節を基礎として、政府に於て査 定したるエ坂別生産費は大日本人造肥料富山工場の五拾七閲が比較的高僧であつて、他は大腰夫以下であるから 六拾風の基準憤格は決して不雷でない。而かも酋発着は最初政府に勤し、斯柴安定の属に内地常給調節上輸入防 遥の法規制蜃を希望し、慣格に就ては決して自己の利益を望まないこと堅言明して釆たのである。然るに今日に 至り、旗民の立場を何等考慮せす、たゞ自己の利益のみを望んで、政府決定の慣格欒更を要望運動することは賛 に遺憾であり同意出来ぬものである。︵大朝十二月二日︶ 硫安管理に閲し政府の諮掛磯朋となる硫安委員倉委員に就ては、十二月七日の閣議に於て次の如く決定した。 即政府側よ少は、合長として内閣書記官長、委員食費呂として、︵資源局長官︶宇佐美勝夫、︵外務省通商局長︶ 武官敏彦、︵大蔵省主税局長︶青木得三、︵轟林次官︶線材虞一郎、︵農林省農務局長︶石黒息篤、︵農事試験場痩師︶ 安藤贋太郎、︵商工次官︶田島膠太郎、︵商工省工務局長︶菅野信次、︵同貿易局長︶川久保修曹、︵拓路次官︶堀切拳 愚痴ニケ年間の硫督問題 / ︵︼三五︶ 五≡

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︵二三ハ︶ 五四 第七令 弟 二渋 次郎、︵朝鮮絶督府殖産局長︶渡迫忍、︵基因放督府殖産局長︶植田俊曹氏等命ぜられ、民間側より牧野息箪、央作 集成、戚川永充、藤原鋭次郎、野口運、森臨池氏等嘱託せられた。

五 金蒋禁止後の硫安

硫安輸出入制限令公布忠時の硫安市債は、一トン約六拾園であつたが、其後金再禁止断行により市慣昂騰し八 拾風見雷となつた。こ1に於て農林省に於ては∵既に馬替下落により、自然的に硫安輸入は制限される状態とな り、鞭て制限令によらずとも、制限の目的は達せられ、叉内地硫安製造発着も之により、十分保護の恩意を受け る様になれる故、硫安の輸出入は自由になすべしとの見解の下に、商工省た封して交渉する研があり、之に別し て後者は飽迄制限令を有効忙活用すべしとの態度を維持してゐるが︵大朝劃月十六日︶、帝閣員倉は前者に、内地 襲進発者は後者に夫々加塘し.硫安問題捻又々紛糾する朗があり、叉全開遣府斯盈合長禽議も、既に制限令公布 の理由は重く滑滅するものとの理由に・ナり、二月∵日硫安輸入制限令の柑臍要望を決議するに至った。 次匿硫安輸出入制限令公布後の輸入に就ては、右制限令を公布以前に輸入契約をなし、未だ輸入せざりし外囲 硫安九萬トンに就き、輸入商を初め東西肥料商が、雷局に封し輸入許可運動をなし、帝閥農禽並に全閉道府解放 令長倉議の賓行委員に於ても輸入許可を陳述せるに封L、製造昏敵側の窒素協議禽は輸入許可に抱濃度勤をなし、 商工省も輸入許可には難色を見せてゐたが、十二、r、二月稽爽約の川萬八千トンを限り、許可された。其大部

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分は英昭硫安であつて、許可された相手方は、アーレンス、プランナモンド、三井、三菱共他の輸入商である。 ︵大朝二月十二百︶ 更竺一芽物産の要請により、二月中旬四千トンの硫安輸入を許可してゐるが、前回と共に硫 安委員合に諮らす、農林、商工嗣大臣の政清的解決によつて決定されてゐる。然し乍ら今後硫安の輸入に就ては 必ずや硫安委員に諮り決定されるべく、英行勤忙就ては興味ある報道があるものと思ふ。 ﹂ 以上硫安に関する諸問題の概衷の鮭過を主として新聞報道に本づき報償トたのであるが、之によつて多少なり とも硫安に関して、興味を持ち、今後の硫安界に注意を向けられる読者があるならば、聾者の叉満足とする朗で ある。なほ図際窒素協定は僅かに叫ケ年にして決裂したのであるが、智利は窃かに国際窒素協定再建運動に取り か∼つてゐる、と聞く。・若し叉此協定が再び成立するに至る時、我硫安界は、如何なる動きを見せるであらうか、 叉興味ある問題たるを失はぬ。︵了︶ 最近凧ケ年間の硫安問題 ︵ニュ七︶ 五五

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