2013 Microchip Technology Inc. DS41632B_JP - p. 1
新周辺モジュール活用のヒントとコツ
はじめに
マイクロチップ社は、小型化と高性能化ならびに使い
やすさと信頼性の向上を目指して常に先進的な製品を
提供しています。フラッシュベースの PIC
®MCU は、
煙検知器等の身近な製品から産業、車載、医療機器ま
で幅広く使われています。
PIC16(L)F150X および PIC10(L)F32X ファミリのデバ
イスが内蔵する構成可能なロジックセル (CLC) の機能
を使うと、PIC MCU アーキテクチャの全ての利点とフ
ラッシュ プログラムメモリの柔軟性を融合できます。
これらを組み合わせて使う事により、リソースを節約
でき、外付け部品も削減できるため、低コストに構成
要素を形成できます。
フラッシュの柔軟性と優れた開発ツール ( 低コスト イ
ンサーキット デバッガ、インサーキット シリアル プ
ログラミング
TM(ICSP
TM)、CLC コンフィグレーショ
ン ツール GUI 等 ) により、これらのデバイスはほとん
どの組み込み制御アプリケーションで理想的にご使用
いただけます。
本書に記載したヒントは、各種のアプリケーションで
CLC 内蔵 PIC MCU を使ってさまざまなデジタルロ
ジック機能を構成するためにお役立ていただけます。
ヒント 1: CWG 自動シャットダウン条
件入力の拡張
PWM アプリケーションでリソースが限られている場
合、ソフトウェアで駆動する以外の自動シャットダウ
ン条件が必要になる事があります。このような場合、
相補波形ジェネレータ (CWG) が備える 2 つの自動
シャットダウン条件入力を使えます。1 つは外部条件
用の CWG1FLT ピン、もう 1 つは構成可能なロジック
セル (CLC) からの出力 (LCxOUT -> LC2OUT) です。特
に、CLC 出力を自動シャットダウン要因として選択す
ると、CLC への全ての入力を CWG の自動シャットダ
ウン条件として使えるので便利です (
図 1
参照 )。
図 1: CWG 自動シャットダウン要因の拡張
PWM1OUT PWM2OUT TMR2=PR2 LFINTOSC TMR0IF TMR1IF ADFRC C1OUT C2OUT CLC2IN0 CLC2IN1 FOSC C1OUT C2OUT CWGFLT pin LC2OUTInput Sources
Clock Sources
CWG
(PIC16(L)F1509)CWG1A
CWG1B
Shutdown Sources
相補波形ジェネレータ (CWG)、構成可能なロジックセル (CLC)、
数値制御オシレータ (NCO) 周辺モジュール活用のヒントとコツ
注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジ ナルの英語版をご参照願います。DS41632B_JP - p. 2 2013 Microchip Technology Inc.
ヒント 2: CWG を使ったハーフブリッ
ジまたはフルブリッジ回路の駆動
ハーフブリッジまたはフルブリッジ モータ回路を駆
動するために多ピン マイクロコントローラは必ずし
も必要ではありません。PWM モジュールと CWG モ
ジュールを組み合わせると、少ピンデバイスでも駆動
できます。
この場合、PWM モジュールから CWG 入力へ適切な
駆動信号を出力するよう PWM モジュールを構成しま
す。さらに、駆動信号とその相補信号を適切なデッド
バンド遅延付きで出力するよう CWG モジュールを構
成します。これらにより、モータ駆動回路へオーバー
ラップのない駆動信号を出力し、貫通電流の発生を防
ぐ事ができます。
図 2
に、CWG を使うフルブリッジ
駆動回路を示します。
図 2: CWG によるフルブリッジ回路の駆動
CWGxB V+ Load CWGxA 2013 Microchip Technology Inc. DS41632B_JP - p. 3
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ヒント 3: 直交デコーダを使った DC
モータの速度と回転方向の計測
モータの速度および / または回転方向を計測するため
に通常はロータリエンコーダを使います。ロータリエ
ンコーダは、モータの回転軸に取り付けた回転部と、
その動きを計測する固定部により構成されます。これ
らによりモータの速度と、必要に応じて回転方向を計
測できます。ロータリエンコーダには各種の方式が存
在しますが、最も一般的に使われるのは光学式です。
光学式ロータリエンコーダはコンピュータ用のボール
式マウスに使われています。エンコーダ ディスクは
モータの回転軸に取り付けます。ディスクには一定間
隔で放射状に多数のスロット ( 細長い穴 ) が開けられ
ています。回転中のディスクのスロットをカウントす
るために LED と光検出器を使います。回転速度は、ス
ロットの回転時に発生するパルスのタイミング ( 周期 )
から求まります。
モータの回転方向を検出するには第 2 のセンサ (LED
と光検出器 ) が必要です。第 2 センサは、出力パルス
の位相が第 1 センサから 90° シフトするよう取り付け
ます。エンコーダ ディスクの回転運動は、2 つの出力
パルスによって直交変調パルス列として表現されま
す。
このアプリケーション例では、PWM モジュールが生成
する信号 ( 外付けポテンショメータを使ってを制御 ) を
CWG に入力する事によりモータ回路を駆動します。
モータが回転するとスロットを刻んだディスクも一
緒に回転し、スロットを通過した LED からの光が 2
つのフォトトランジスタ (A と B) に入射します。光が
フォトトランジスタに入射している時、マイクロコン
トローラの入力ピンでは論理「0」が読み出されます。
フォトトランジスタ B からの入力がマイクロコント
ローラに読み込まれるたびに、入力パルス信号の 1 つ
おきの立ち下がりエッジ間の時間を計算します。この
時間からモータの速度が求まります。フォトトランジ
スタ A はフォトトランジスタ B から 90° シフトしてい
るため、CLC を使ってどちらのフォトトランジスタが
先にターンオンしたのかを判定する事により、モータ
の回転方向を特定できます。
図 3
を参照してください。
図 3: 直交エンコーダの概略図
CWGxA CWG PIC16F1508 MSSP PWM CLC LCD POT CWGxB CircuitDriverM
T1GV
DDV
DD A BDS41632B_JP - p. 4 2013 Microchip Technology Inc.
ヒント 4: CLC と NCO を使ったマン
チェスター デコーディング
EUSART をマンチェスター エンコーディング用に使
える場合、構成可能なロジックセル (CLC) と数値制御
オシレータ(NCO)を使ってマンチェスターコード化さ
れた信号をデコードできます。
このヒントでは、SPI クロック信号から SPI データ信
号を分離するために、4 つの CLC と NCO を使ってマ
ンチェスターコード化された信号をデコードする方法
を紹介します (
図 4
を参照 )。この方法では、4 つの
CLC と 1 つの NCO を内蔵するマイクロコントローラ
(PIC16F1509 等 ) を選ぶ必要があります。CLC1 では、
マンチェスターコード化されたデータ信号を D 形フ
リップフロップに入力します。D 形フリップフロップ
にはコード化された信号から分離したクロック出力信
号を反転して供給します (
図 5
を参照 )。このフリップ
フロップの反転出力をデコードします。CLC2 では、
CLC1 の非反転出力と CLC1 への入力信号 ( コード化
されたデータ信号 ) の間で XOR 演算します (
図 6
を参
照 )。この XOR 出力の立ち上がりエッジのタイミング
で出力データが得られます。この XOR 出力を CLC3
のクロック入力に接続します (
図 7
を参照 )。CLC3 に
は論理 HIGH を入力し、CLC3 の出力を CLC4 へ入力
します。CLC4 では、マイクロコントローラの内部オ
シレータ信号 (F
OSC) と CLC 出力信号および NCO か
らのクロック出力信号の間でそれぞれ AND 演算し、そ
れらの結果を OR 演算します。
CLC4 の出力信号は、NCO アキュムレータへのクロッ
ク入力として使います (
図 8
を参照 )。これによりク
ロック周波数で NCO 出力信号を生成し、データ出力
信号をデコードするために適切なタイミング ( データ
信号の開始と終了 ) が得られます。マンチェスター デ
コーダ信号波形を
図 9
に示します。
図 4: マンチェスター デコーダの概略ブロック図
CLC1
CLC2
CLC3
CLC4
Data Input
Code Reset
Clock Out
Data Output
FOSC D S Q1 R D S Q2 R NCO 2013 Microchip Technology Inc. DS41632B_JP - p. 5
新周辺モジュール活用のヒントとコツ
図 5: CLC1 の構成
DS41632B_JP - p. 6 2013 Microchip Technology Inc.
図 7: CLC3 の構成
2013 Microchip Technology Inc. DS41632B_JP - p. 7
新周辺モジュール活用のヒントとコツ
図 9: マンチェスター デコーダ信号波形
Data Input
Q1
Data Input (xor) Q1
Clock Out
DS41632B_JP - p. 8 2013 Microchip Technology Inc.
参考文献
[1] 構成可能なロジックセル (CLC) コンフィグレーショ
ン ツール ユーザガイド、DS41597、
www.microchip.com
[2] 構成可能なロジックセル (CLC) コンフィグレーショ
ン ツール GUI ソフトウェア、
www.microchip.com
[3] 各デバイスのデータシート、
www.microchip.com
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