(前回質問) ・「日本料理」とは家庭料理から懐石料理まで様々なものが考えられるが,「日 本料理」の定義や範囲はどのようなものを考えているのか。また,「日本料 理」を学ぶ研修機関として,居酒屋から料亭,ホテル等まで様々なものが考 えられるが,どのような機関を想定しているのか。現在,研修を行っている 機関があれば,名称を具体的に示されたい。また,現在研修を行っている以 外の機関で研修を実施する予定があれば,当該機関の名称等を明らかにされ たい。 (京都市回答) 本総合特区提案においては,「日本料理の世界無形文化遺産登録に向けた提 案書」(京都府・特定非営利活動法人日本料理アカデミー)における日本料理 の定義「会席料理」(下記参照)に準拠し,仏寺の宗教的料理や茶の湯の席で の料理という食文化の中心である京都ならではの取組を進めたいと考えてい る。 そのため,研修機関としては,会席料理を提供可能な料亭・旅館を想定して いる。現在,特定非営利活動法人日本料理アカデミーの理事長・村田吉弘氏が 主人を務める料亭「菊乃井」において,在留資格「文化活動」で外国人料理人 を受け入れ,厨房研修を実施しているが,今後,日本料理アカデミーの会員と なっている料亭等に限り受け入れることを想定している。 (再質問) ・「日本料理アカデミーの会員となっている料亭等」を具体的に明らかにされ たい。また,日本料理アカデミーの会員となる資格や要件を示されたい。ま た,日本料理アカデミーの会員であれば、全て研修機関となれるとの理解か。 会席料理を提供可能な料亭・旅館に限る場合には、当該要件をどのように判 断するのか示されたい。 ・会員となるには,以下の条件を備えた 25 歳以上の個人で,料理業界関係者あ るいは研究者であることを原則としている。 (1) この法人の目的及び事業について正しく理解していること。 (2) 本会の活動に協力できるものであること (3) 営利目的に利用しないこと (4) 所定の入会金および年会費を納めること。 ・日本料理アカデミーには,例えば,菊乃井,瓢亭,京都吉兆,たん熊,美濃 吉など約 40 の料亭・旅館が会員となっているが,会員であれば即,研修機関 となれるものとは考えていない。 ・会員である料亭等の中から日本料理アカデミーや京都市地域活性化総合特別 区域協議会が,適切な研修実施体制や外国人受入体制が整っている料亭等を
選定するものとする。選定の具体的な要件は,今後検討していく必要がある が,懐石料理等の提供実績,営業年数,指導員の有無,研修実施計画の有無, などを想定している。 (前回質問) ・「料理長・副料理長クラス,及びそれに準じる能力・実務経験を有する者, あるいは出身国において影響力のある料理人を想定」とあるが,外国人料理 人の能力,実務経験についてどのように認定するのか。当該外国人料理人の 出身国においてその能力を担保する資格等が存在するのか。 ・どのような研修計画を考えているのか。「単純作業を行うような外国人労働 者の受入を目的としたものではない」とのことであるが,飲食店における研 修であれば,皿洗い,ホールでの接客等の雑用が研修内容に含まれるおそれ がある。そのような単純作業が研修内容に含まれないようにするために,ど のような措置を講じる予定か。また,1年以上の研修期間が必要とのことで あるが,研修計画の内容は1年以上の研修が必要であることを明らかにされ たい。 ・研修が単純労働を行うようなものではなく,専門的な技術を身につけるもの といいうるためには,当該研修の水準が客観的に明らかである必要があるが, 当該外国人が研修修了後に我が国において習得した日本料理の技能のレベル をどのように判断するのか。例えば,京都市において,日本料理の習得に関 する基準や認証制度等を設ける予定があるのか。 ・外国人料理人が我が国で生活する際に住居の確保等が必要となってくるが, どのようにおこなうのか。 ・外国人料理人について,母国に帰国後,我が国で習得した技術を活かすこと と思われるが,出身国において和食店等に勤務する予定があるか。 (京都市回答) 日本料理アカデミーでは,平成 17 年度から,海外のトップシェフに日本料理 の技術や歴史,背景となる文化に触れ,理解を深めてもらうことを目的として, 「日本料理フェローシップ事業」を実施している。本事業では,京都の老舗料 亭での厨房研修をはじめ、野菜農家や味噌・豆腐の生産現場の視察,茶道研修 など多彩なプログラムを提供している。 今回の提案においては,外国人料理人が母国に帰国後,本格的な日本料理を 提供できるよう,現在実施している日本料理フェローシップの内容を大幅に充 実させて研修計画を策定することを想定している。同時に,現状の研修期間は 約 10 日間と極めて短期間であるため,外国人料理人が日本料理や日本文化に対 する理解・認識を十分に深めるとともに,必要な技術を習得することができる よう,研修期間も更に充実させたいと考えている。
日本人が日本料理の調理人を目指す場合,一般的には,調理師専門学校で 1 ~2 年の間基礎的知識・技術を学んだ後,料亭等で働きながら学び続けること になる。日本人でも一人前になるには 10 年程度がかかると言われているところ であり,基礎的な調理技術を身に着けた外国人調理人であっても,1 年の研修 期間では上記目的を達成するには不十分と考えられる。 なお,外国人料理人に対して,必ず帰国後に出身国で和食店等に勤務するこ とを求めることは困難と考えているが,日本料理以外の料理に従事する場合で も,本研修の成果を発揮してもらうことで,日本文化の海外への発信に多いに 寄与するものと考えており,世界無形文化遺産登録に向けた取組の趣旨とも合 致する。 (再質問) 以下の質問についての御回答がないことから,回答いただきたい。 ・「料理長・副料理長クラス,及びそれに準じる能力・実務経験を有する者, あるいは出身国において影響力のある料理人を想定」とあるが,外国人料理 人の能力,実務経験についてどのように認定するのか。当該外国人料理人の 出身国においてその能力を担保する資格等が存在するのか。 →当該質問は研修を行う料理人が皿洗い等の雑用に従事するものではなく, 専門的・技術的労働者であることを担保するうえで重要な事項であると考 えており,この点についての御回答がない場合,これ以上の検討は困難で ある。なお,今回特区で受け入れようとしている対象者が,「日本料理フ ェローシップ事業」の「海外のトップシェフ」と同レベルの者であるなら ば,同事業における「海外のトップシェフ」かどうかの判断について,具 体的にどのような基準でなされているのか,お聞かせ願いたい。 ・本事業における外国人料理人の能力,実務経験についての基準は,次のよ うなものを予定している。 世界の優良店(ミシュランガイド☆1つ以上・ゴーミオ 17 点以上、Worlds of Restaurant 50 掲載店)に3年以上勤め、かつシェフの推薦状をもつもの。 又は、京都調理師専門学校において資格試験を実施し、通過したもの。 ・なお,本事業で受入を想定している外国人は,「日本料理フェローシップ 事業」における「海外のトップシェフ」の基準とは異なるものである。 ・どのような研修計画を考えているのか。「単純作業を行うような外国人労働 者の受入れを目的としたものではない」とのことであるが,飲食店における 研修であれば,皿洗い,ホールでの接客等の雑用が研修内容に含まれるおそ れがある。そのような単純作業が研修内容に含まれないようにするために, どのような措置を講じる予定か。また,1年以上の研修期間が必要とのこと であるが,研修計画の内容は1年以上の研修が必要であることを明らかにさ
れたい。 →御回答では,「現在実施している日本料理フェローシップの内容を大幅に 充実させて研修計画を策定」するとしているが,具体的にどのような研修 内容を考えており,何ゆえ1年以上の研修が必要であるかの根拠が明確で はない。研修対象者は海外のトップシェフであるとされており,調理師専 門学校を卒業したばかりの者とはおのずと研修内容は異なると考えられ る。例えば,調理師専門学校を卒業したばかりの者であれば,当初は厨房 での雑用に従事する可能性も多分にあるものと考えられるが,海外のトッ プシェフがそのような雑用に従事しつつ研修を行うことは考えにくい。ま たそのような単純労働を行う研修内容であれば,我が国で研修を行う必要 性は乏しく,特例を認める余地はないと考えている。また,単純作業が研 修内容に含まれないように担保するための措置についても言及がない。 ・日本料理フェローシップ事業では,京都の老舗料亭での厨房研修,野菜農 家や味噌・豆腐の生産現場の視察,茶道研修など多彩なプログラムを提供 している。 ・フェローシップ事業は,日本料理の技術や歴史,背景となる文化に触れ, 理解を深めてもらうことを目的に約 10 日間で実施しているものであるが, 本国において本格的な日本料理を提供できるよう専門的な技術をしっかり と身に着けてもらうためには,より長期の厨房研修が必要であることから, 1年以上の研修期間が必要と考えている。 ・現在,外国人調理人を非就労の在留資格「文化活動」で受け入れている料 亭においては,調理法別に必要となる調理技術の習得に加え,調理用具類 の取扱・保管方法や,陶器・磁器・漆器・ガラス器など器の種類ごとの用 途や取扱・保管方法,食材調達の基本知識,テーブル・部屋のしつらえな どの空間コーディネイトなど,日本料理の提供に必要な技術や知識を習得 してもらうため,多岐にわたる研修プログラムを提供しているところであ り,この料亭では日本料理の提供に関する研修を 1 年間で実施している(就 労ではないので労働関係法令に関する研修は含まない)。 ・こうした多岐にわたる内容に習熟するには 1 年以上の期間が必要であるこ とは,日本料理店で働く日本人料理人でも長期間を要することをもっても 明らかである。また,旬の食材やそれに適した器・しつらえなど季節感を とりわけ重視する日本料理においては,四季を一巡する研修を行うことは 最低限の条件であり、日本料理の基礎的な技術や知識を習得するだけでも, 最低でも年間を通した研修が必要となる。 ・なお,文化活動で外国人料理人を受入れ,非就労の研修を行うに当たって は,給料が支払えず外国人の生活費の確保が困難,労災保険の適用がない
などの課題があることから,規制の特例措置により働きながら学ぶことを 可能とする必要があるものである。 ・また,今回の提案事業は,日本料理の技術習得・日本文化の理解促進を目 的としたものであるため,厨房研修では当然ながら調理実習が中心となる。 その中で,皿洗い等の単純作業に専ら従事させることがないよう,研修計 画を策定し,地域協議会等で確認するとともに,研修の実施段階において も,受入団体の役職員による訪問指導,監査,相談体制の確保など技能実 習制度に準じた形でチェック体制を整える。 ・研修が単純労働を行うようなものではなく,専門的な技術を身につけるもの といいうるためには,当該研修の水準が客観的に明らかである必要があるが, 当該外国人が研修修了後に我が国において習得した日本料理の技能のレベル をどのように判断するのか。例えば,京都市において,日本料理の習得に関 する基準や認証制度等を設ける予定があるのか。 →研修期間が一年以上必要である理由とも関連するが,「必要な技術を習得 することができるよう,研修期間も更に充実させたい」と回答していると ころ,必要な技術とはどのような技術か。研修により当該必要な技術を習 得したことをどのように判断するのか。客観的な目標(値)を設定し,当 該目標(値)を達成したことを客観的に図ることが可能か。 ・外国人の習得技術の評価については,日本料理アカデミーが実施している 「日本料理コンペティション事業(次世代の料理人の育成などを目指すコ ンクール)」の活用や,日本料理アカデミーのパートナーシップ校である 京都調理師専門学校での資格試験の実施などにより,到達技術・知識のレ ベルを評価することが可能である。 ・外国人料理人が我が国で生活する際に住居の確保等が必要となってくるが, どのようにおこなうのか。 ・受入店が担保する。 (前回質問) 入国管理局としては,専門性があると認められない人材が働きながら学ぶ というような形での就労を認める場合,低賃金労働者として扱われるといっ た弊害が生じたり,料理の修業という名目でありながら実際は単純労働に従 事するという偽装滞在を助長するおそれがあるため,京都市において、これ らの懸念を排除するために検討している実施体制を具体的に示されたい。 また,技能実習制度の利用のハードルが高いとのことであるが,京都市か らの回答で示された課題については,打ち合わせにおいて回答したところで
ある。これ以外に具体的に出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の 基準を定める省令及び出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の技能実 習の項の下欄に規定する団体の要件を定める省令等関係省令に規定されてい る基準のうち,障害となっている条項を示されたい。 (京都市回答) 実施体制:京都市地域活性化総合特別区域協議会の構成団体である日本料理 アカデミーが外国人料理人の受入団体となり,日本料理アカデミー会員の料 亭・旅館において厨房研修を実施する。厨房研修以外のプログラムについては, 主に日本料理アカデミーが実施する。 加えて,京都市地域活性化総合特別区域協議会において事業の進捗管理・評 価を行い,また京都市・京都府の行政機関が必要な支援を行うことにより,懸 念されている事態が生じないような実施体制を確保する。 障害条項:出入国管理及び難民認定法第 7 条第 1 項第 2 号の基準を定める省 令においては,日本語,本邦での生活一般に関する知識等の講習に研修時間の 6 分の 1 以上を充てなければならない,かつ当該講習を技能等の習得活動を実施 する前に行う必要があるとされていることから,日本料理の習得に必要な実習 期間を十分には確保できない恐れがある。 また,技能実習 2 号ロへの移行に際しては,一定の技能を習得していること を認定するための公的評価システムが必要となるが,その構築は非常に困難で あると考えている。 (再質問) ・日本料理アカデミーは特定非営利活動法人であるとのことであるが,研修に 要する費用はどのように支出するのか。京都市等において予算措置等を講ず る予定があるか。 当会には「日本料理の普及活動」に賛同する協賛企業が多数あり、必要経費 を補助することは可能。 ・研修を受ける外国人料理人を海外においてどのように募集するのか。 日本料理フェローシップ事業で招聘したシェフの推薦,海外の調理関係機関 からの紹介など。現時点において、海外より日本料理を学びたいと願う多数 の希望がある。要件緩和を得られれば、希望者より条件を満たす者を受け入 れたい。 その条件は,前述したとおり,世界の優良店(ミシュランガイド☆1つ以上・ ゴーミオ 17 点以上、Worlds of Restaurant 50 掲載店)に3年以上勤め、かつシ ェフの推薦状をもつもの。また、京都調理師専門学校において資格試験を実 施し、通過したもの。 ・申請に係る研修を行う外国人料理人が何らかの金銭(保証金,実費等)を負
担する予定はあるのか。 保証金等の徴収を予定するものではないが,外国人には,母国からの往復交 通費,及び滞在中の自身の必要経費等を負担してもらう(住居費・食費を除 く)。 ・研修期間中は実習実施機関と研修を行う外国人料理人との間で雇用契約を結 ぶこととなると考えられるが,研修期間中に支払われるおおよその給与額は どの程度か。 京都労働局の定める最低賃金法に従い支払う。 日本語,本邦での生活一般に関する知識等の講習を実施することが難しいと のことであるが日本料理の研修であることから,日本語,本邦での生活一般 に関する知識等の講習は不可欠であると考えられるところ,これらの研修に 宛てる時間が多すぎるとの意見は理解しがたい。日本料理の修習のためどの 程度の日本語等の知識が必要で,その研修にどの程度の時間があれば足りる と考えているのか。 基本的に英語の対応もするが,調理・交流等に当たっての必要最小限の日本 語能力は不可欠と考えている。「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」 においては,「技能実習の遂行や日常生活に不自由しないレベルに達するこ とが望まれる」とされているが,日本語ができなければ日本料理の技能習得 や日本文化の理解はできないというものではないと考える。仮に技能実習制 度に準じた事業を実施するとして,1 年のうち 2 箇月程度を講習に充てる必要 があるかは疑問である。 なお,外国人料理人が労働者として扱われる以上,労働基準法令や入管法令 の講習は実習に従事する前に行われる必要があると考える。その一方で,調 理・交流等に当たっての必要最小限の日本語能力については,実習実施前に 2 箇月程度を座学に当てるといった技能実習制度にならった手法によらずと も,現在,外国人料理人を文化活動で受け入れている料亭での研修のように, 日々の調理や生活の場において習得可能である。 ・実習実施機関あたりの研修を行う外国人料理人の人数はどの程度か。 料亭等の規模や指導員などの受入態勢にもよるが,1~2 名程度の尐人数での 受入を想定している。 ・実習実施機関において,長時間労働,労働災害,賃金不払い等の労働関係法 令違反,又は人権侵害事案が起こった場合の対応として,日本料理アカデミ ー及び京都市においてどのような措置をとることを考えているか。 不正行為を行った実施機関における研修を中止するとともに,一定期間受入 れを停止し,再発防止に必要な改善措置を講じるよう要請する。また,他の 実施機関において同様の事態が起こらないよう注意喚起を図るなど,適切な
対応を行う。なお,日本料理アカデミーおよび地域協議会において、定期的 に管理監督を行う。 ・一定の技能を習得していることを認定するための公的評価システムの構築が 非常に困難とあるが,その理由は何か。(日本料理アカデミーは既に日本料 理コンペティション事業を実施していると承知している。)京都市或いは京 都市地域活性化総合特別区域協議会において一定の技能を習得していること を認定する評価の仕組を整えることは考えていないのか。 外国人の習得技術の評価については,日本料理アカデミーが実施している「日 本料理コンペティション事業(次世代の料理人の育成などを目指すコンクー ル)」の活用や,日本料理アカデミーのパートナーシップ校である京都調理 師専門学校での資格試験の実施などにより,到達技術・知識のレベルを評価 することが可能である。