GPS携帯電話とコミュニティサイトによる写真アーカイブ情報の収集手法
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(2) 取り組んできた情報収集の試みについて報 告する。. リエーターなどの専門家によって制作されてい る た め 、非 常 に 見 応 え が あ る 。し か し そ の 反 面 、 サイトを見る市民やエンドユーザから情報を集 める仕組みはない。. 2. デ ィ ジ タ ル ア ー カ イ ブ の 現 状 ディジタルアーカイブと一言で言っても、多. 3. デ ィ ジ タ ル ア ー カ イ ブ の 作 り 方. 種多様なものが存在する。そこで、以下では国. 前述したように、国内のディジタルアーカイ. 内で取り組まれている先行事例を紹介し、ディ. ブのほとんどは専門家によって調査され、年代. ジタルアーカイブの現状を概観する。. や場所、注釈情報などが付加された資料がイン. 博物館や美術館が取り組んでいるディジタ i. ル ア ー カ イ ブ と し て は 、「 東 京 国 立 博 物 館 」 の. ターネット上で公開されている。しかし、イン. Webサ イ ト が 挙 げ ら れ る 。 東 京 国 立 博 物 館 は 明. ターネットという双方向通信を使えば、閲覧者. 治 5 年( 1872 年 )に 、我 が 国 最 初 の 博 物 館 と し. も積極的にディジタルアーカイブの作り手とな. て設立され、日本を中心にした東洋諸国や文化. る可能性がある。このような視点でディジタル. の美術作品、歴史資料、考古遺物などを収集・. アーカイブの構築に取り組んでいる先行研究と. 保管し、調査・研究を重ねて、一般観覧のため. し て 、 斉 藤 ら iv に よ る 地 域 ア ー カ イ ブ 構 築 ツ ー. の 展 示 を 行 っ て い る 。Webサ イ ト で は 、「 館 蔵 品. ル KACHINA CUBE シ ス テ ム が あ る 。 斉 藤 ら は. ギャラリー」として様々な美術作品や考古資料. KACHINA CUBEを 利 用 し て 、特 定 の 地 域 の 住 民. などを地域や年代で検索し、閲覧することがで. 同士が、その地域の歴史や文化に関する物語と. きる。このディジタルアーカイブの特徴は、由. し て の ナ ラ テ ィ ブ を 蓄 積・共 有 で き る よ う に し 、. 来が明確にわかっている貴重な資料が大量にデ. 住民の地域アイデンティティやコミュニティ意. ィジタル化されている点である。. 識を高める活動を行っている。単なる客観的事 実 で は な く 、人 々 の 想 い や イ メ ー ジ が「 物 語 性 」. しかしながら、見たい資料がどのミュージア ムに保存されているのかわからない場合、様々. を持った情報をナラティブと呼び、地域の社会. なミュージアムのディジタルアーカイブを探さ. 文化的な背景や歴史的文脈に沿ったかたちで. なければならない。こういった問題を解決し、. 人 々 の ナ ラ テ ィ ブ を 収 集 す る た め 、 KACHINA. インターネット上での文化の総覧を実現するた. CUBEで は 対 象 と な る 地 域 の 地 図 ( 2 次 元 デ ー. め 、文 化 庁 で は 2004 年 4 月 か ら「 文 化 遺 産 オ ン. タ )に 、「 時 間 」と い う 次 元 を 加 え た 3 次 元 空 間. ラ イ ン 」 ii を 一 般 公 開 し て い る 。「 文 化 遺 産 オ ン. を用いてナラティブを表現している。具体的に. ライン」では、国内の様々な博物館や美術館等. は 、斉 藤 ら は KACHINA CUBEシ ス テ ム を 用 い て. のディジタルアーカイブを促し、共通検索シス. 京都地域の史実等を対象とした「京都ナラティ. テムを持った文化遺産のポータルサイト構築を. ブアーカイブ」の構築に取り組んでおり、その. 目指している。こうした取り組みが進めば、今. 際にナラティブの一例として「新撰組」のエピ. 後は共通検索システムに沿ったかたちでデータ. ソ ー ド を 利 用 し て い る 。「 三 条 大 橋 」「 壬 生 屯. ベースの共通項目の整備などが行われるのでは. 所 」「 池 田 屋 騒 動 」「 新 撰 組 と 大 丸 、 高 島 屋 」 と. ないかと考えられる。. いったシーンが年代の早い順に表示され、一種. また、ディジタルアーカイブを積極的に活用. のドキュメンタリーのように閲覧できる。つま. して地域の魅力を再発見し、情報発信していこ. り KACHINA CUBEで は 、「 新 撰 組 」 の エ ピ ソ ー. うという動きもある。代表的なものに、石川県. ドのように一定の情報が付加され、年代や地域. iii. がある。石川県は、従. などが特定されている資料を再生したり、それ. 来から輪島塗や九谷焼などの伝統工芸の文化資. をもとに人々のナラティブを収集・蓄積する場. 源があり、またデザインや出版・印刷など情報. 合には有効であると考えられる。. の「石川新情報書府」. 産 業 も 盛 ん で あ っ た 。そ の た め 、「 文 化 の ポ ー タ. これまでに取り上げてきた事例は、エンドユ. ルサイト:石川新情報書府」を立ち上げ、地域. ー ザ に 対 し て PC の Web ブ ラ ウ ザ を 使 っ て Web. 特有の文化資源をディジタル技術で保存・継承. サイトやディジタルアーカイブを閲覧できるよ. して、地域の魅力を発信する活動に取り組んで. うにしたものであるが、現在我々が情報を双方. いる。サイトのコンテンツは地域の研究者やク. 向 に や り 取 り で き る の は PC ば か り で は な い 。. −42−. 2.
(3) 近 年 、 携 帯 電 話 に は カ メ ラ や GPSな ど PCに な. 4.3. GPS 携 帯 電 話 による位 置 情 報 の収 集. い機能が付加され、ユーザの身の回りの画像情. 函館の写真資料に付加していきたい情報の. 報や位置情報を収集する最適なツールになりつ. 一つに撮影位置情報が挙げられる。緯度や経度. つ あ る 。上 松 ら v は GPS携 帯 電 話 と Weblogを 組 み. を 測 定 す る 方 法 と し て 、 一 般 的 に GPS( 全 地 球. 合 わ せ て 、個 人 が 撮 っ た 写 真 日 記 な ど を 収 集 し 、. 測位システム)が利用されているが、最近では. それらを位置に基づいて整理して地図上に配置. 携 帯 電 話 に も GPS機 能 が 付 い て お り 、 カ ー ナ ビ. す る 「 場 log シ ス テ ム 」 を 開 発 し た 。 メ ー ル や. と 同 様 に 道 案 内 な ど に 使 わ れ て い る 。 GPSが 付. Weblogを 活 用 し て 、個 人 の 写 真 デ ー タ 等 を 収 集. いている携帯電話は、現状では全体の一部であ. す る 方 法 と し て 参 考 と す る 点 が 多 い が 、 場 log. る が 、政 府 は 携 帯 事 業 者 に 対 し て 2007 年 4 月 か. システムでは収集したデータを特定のディジタ. ら新規販売される第 3 世代携帯電話について. ルアーカイブのために整理し、新たな情報とし. GPS機 能 搭 載 を 義 務 化 す る こ と を 決 め て い る. て再利用する仕組みはない。. vi. こうした将来の技術的動向を考慮し、一般の 地域住民が位置情報を付加できるプラットフォ. 4. ハ コ ロ グ シ ス テ ム を 使 っ た 情 報 収 集. ー ム と し て 、本 研 究 で は GPS 携 帯 電 話 を 利 用 し. 4.1. ハコログシステムのコンセプト. ている。我々は、地域の人々が携帯電話を使っ. 本研究でディジタルアーカイブの対象とす. て昔の写真を閲覧できるように、携帯端末用. るのは、函館の風土や当時の生活を写した絵葉. Web サ イ ト を 制 作 し 、 ユ ー ザ が 選 択 し た 古 い 写. 書や写真などである。これらの写真資料は、目. 真に対して、位置情報を付加できるシステムを. 録におおまかな年代や撮影地域しか書かれてい. 開 発 し た ( 図 1)。. ないため、活用には限界があった。そこで我々. サイトにアクセスすると、画面には函館の昔. は、函館の写真資料にように、出所が明確でな. の写真が数十点表示され、ユーザは場所がわか. く付加情報も少ない郷土資料に対して、その注. りそうな写真を選択する。そして、実際に想定. 釈や位置情報、信頼性情報等を地域の人々から. した場所に行き「位置情報取得ボタン」を押し. 収 集 す る た め に 、GPS 携 帯 電 話 と コ ミ ュ ニ テ ィ. て現在の自分の位置情報を登録する。さらに携. サイトを活用したハコログシステムを開発した。. 帯電話に付いているカメラを使って、その場所. 上 記 で 示 し た KACHINA CUBE シ ス テ ム が 、. の現在の様子を撮影し、メールに添付して送信. 「新撰組」などの具体的で明確なエピソードを. する。一連の動作で、サーバ側に過去の写真資. トリガーとして用意した上で、地域住民の周辺. 料に対応する位置情報と、その場所の現在の写. 的参加を促しているのに対し、本研究で扱う写. 真を蓄積していくことができる。. 真資料は特にシンボリックなものではないため、. 4.4. コミュニティサイトでの情 報 収 集. エピソードや補足説明がほとんどない状態で情 報を集める必要がある。従来の郷土研究の対象. 函館の写真資料は、出所が明確でない写真や. 外であった資料に対して、地域の人々がインフ. 絵葉書などが多いため、おおまかな年代や撮影. ォマントとして情報を提供できる仕組みを作り、. 地域などしかわかっていない。そのため、地域. ディジタルアーカイブとして活用できる状態へ. 住民から写真資料に関する情報を少しでも多く. 整備していくことが本研究の目的である。. 集める仕組みが必要である。. 4.2. ハコログシステムの概 要. りに、過去の写真資料に対しての注釈や補足情. そこで、我々は地域の人々の記憶や知識を頼 ハ コ ロ グ シ ス テ ム は 、GPS 携 帯 電 話 で 閲 覧 で. 報を収集するコミュニティサイトを制作した。. き る 携 帯 端 末 用 Web サ イ ト と 、 PC で 閲 覧 き る. さ ら に 、GPS 携 帯 電 話 を 利 用 し て 集 め た 位 置 情. コミュニティサイトを連携させることによって. 報の信頼性を評価できる仕組みを設け、地域住. 実 現 し て い る 。携 帯 端 末 用 Web サ イ ト を 用 い て. 民が自らの手で付加情報の収集から検証までを. 過去の写真に対する位置情報の収集を行い、コ. 可 能 に す る シ ス テ ム を 開 発 し た ( 図 2)。. ミュニティサイトを利用して注釈情報の収集や. コミュニティサイトでは、ユーザに注釈や補. 位置情報の信頼性を評価する。以下、それぞれ. 足情報を投稿してもらうために、各写真資料に. の機能について説明する。. 対して掲示板を設置した。また、各写真資料に. −43−. 3. 。.
(4) 図 1. 図 2. GPS 携 帯 電 話 を 使 っ た 位 置 情 報 の 付 加. コミュニティサイトを使った情報収集. −44−. 4.
(5) 対する位置情報が正確かどうかを評価してもう. 活用して、函館市十字街近辺の写真資料の情報. ために、位置情報と共に送られてきた現在の写. 収集を行った。今回は函館の郷土資料に詳しい. 真を表示させ、投票を行えるようにした。. 函館市総務部市史編さん室、函館市立図書館、 函館市企画部国際課の方々と協力して実験を行 っ た 。実 験 の 流 れ と し て は 、ま ず GPS 携 帯 電 話. 4.5. ハコログシステムのアーキテクチャ ハコログシステムは、クライアントに合わせ. を利用して各写真の位置情報と現在の様子を記. て 携 帯 端 末 用 Web サ イ ト と PC 用 コ ミ ュ ニ テ ィ. 録し、それらのデータをコミュニティサイトに. サイトをそれぞれ表示し、情報の収集・蓄積を. 公開してコメント情報などの収集を行った。そ. 行 う た め の Web ア プ リ ケ ー シ ョ ン サ ー バ と し. の 結 果 、66 枚 の 過 去 の 写 真 資 料 に 対 す る 位 置 情. て 実 装 さ れ て い る ( 図 3)。. 報と現在の写真を記録することができ、またコ ミ ュ ニ テ ィ サ イ ト を 通 じ て 33 件 の 注 釈 情 報 を 収集することができた。以下で、実験のプロセ スを示す。. 5.1. GPS 携 帯 電 話 を活 用 して、位 置 情 報 と 現 在 の様 子 を記 録 する実 験 こ の 実 験 の 目 的 は 、GPS 携 帯 電 話 を 持 っ た 被 験者が市史編さん室の方と一緒に街を歩き、図 4 のような過去の写真資料に対する位置情報と 現在の様子を記録することである。実験では、 あらかじめ市史編さん室の方に、今回情報を集 めたい写真資料を提示し、実際に被験者と歩く 前に過去の写真資料が大体どの場所で撮影され たものなのか見当を付けてもらっておいた。実 験 当 日 は 、GPS 携 帯 電 話 を 持 っ た 被 験 者 1 名 と. 図 3. システムアーキテクチャ. 郷土資料に詳しい 2 名で構成されるチームを 2 組作り、函館市十字街近辺の探索を約 3 時間行. 本 研 究 で は 、携 帯 端 末 用 Web サ イ ト で 登 録 さ. っ た( 図 5)。手 順 と し て は 、ま ず そ れ ぞ れ の チ. れ た 位 置 情 報 を PC 用 Web サ イ ト で 利 用 し 、 ま. ームで市史編さん室の方に見当を付けてもらっ. た PC 用 Web サ イ ト で 収 集 し た コ メ ン ト 情 報 を. た箇所へ移動し、被験者は携帯電話を使ってハ. 携 帯 端 末 用 Web サ イ ト で 閲 覧 す る な ど 、 2 種 類. コログのサイトへアクセスして各写真に対する. のクライアント間で相互にデータベースへアク. 位 置 情 報 を 取 得 す る( 図 6)。さ ら に 、そ の 地 点. セスする仕組みが必要であった。そこで、ハコ. の現在の様子を携帯電話のカメラで撮影し、メ. ログシステムでは、クライアントに各端末の. ールに添付してサーバに送る。この作業を各ポ. Web ブ ラ ウ ザ を 利 用 し 、 サ ー バ サ イ ド で デ ー タ. イントで繰り返し行った。. ベ ー ス の 処 理 結 果 に 応 じ て 動 的 に Web ペ ー ジ を 生 成 で き る よ う に PHP 言 語 を 用 い て シ ス テ ム開発を行った。また、データベースを管理す る DBMS に は 、 MySQL を 用 い て い る 。 今 回 、 実 験 で 用 い た GPS 携 帯 電 話 の 機 種 は 、 au の A5509T と talby で あ る 。ま た 、GPS の 測 地 系 に は日本測地系を指定した。. 5. ハ コ ロ グ を 利 用 し た 運 用 実 験 ハコログシステムの効果と課題を明らかにす. 図 4. るため、本研究では実際にハコログシステムを. −45−. 5. 実験に使った写真資料の一部.
(6) また、各写真に緯度・経度が付加されたこと により、民間の地図検索サイトを利用して写真 の撮影場所を地図上に表示することができよう になった。これを活用して、コミュニティサイ トで写真の撮影方向を 8 方位で入力できる仕組 、. みを作り、記録できるようにした。この実験で は 、 GPS 携 帯 電 話 を 利 用 し た 実 験 で 現 在 の 様 子 を撮影した被験者が撮影方向の入力を行った。. 5.3. 実 験 結 果 GPS 携 帯 電 話 を 利 用 し た 実 験 で は 、約 3 時 間 の 探 索 活 動 で 、写 真 資 料 66 点 に 対 し て 緯 度・経. 図 5. 写真の場所を探索している様子. 度を収集し、現在の様子を撮影することができ た。 また、コミュニティサイトを利用した実験で は 、位 置 情 報 が 付 加 さ れ た 写 真 資 料 66 点 に 対 し て 、3 日 間 で 33 件 の コ メ ン ト 情 報 を 収 集 す る こ と が で き た( 図 8)。項 目 分 け し た「 年 代 」や「 対 象物」への記入は少ないが、コメント内容の文 中にそれらが含まれいる場合が多い。 写真の撮影方向については、位置情報が付加 さ れ た 写 真 資 料 66 点 全 て に 登 録 す る こ と が で きた。 今回の実験では、1 枚の写真資料に対して、 現 在 の 写 真 は 1、2 枚 し か 投 稿 さ れ て い な か っ た ため、どの写真が一番正確であるのかを量る信. 図 6. GPS 携 帯 電 話 の 操 作 画 面. 頼性情報は収集できなかった。. 5.2. コ ミ ュ ニ テ ィ サ イ ト を 使 っ て 、 注 釈 情 報 と. 6. 考 察. 写 真 の撮 影 方 向 を記 録 する実 験. 我々が提案するハコログシステムを活用した. コミュニティサイトの目的は、地域の人々に. 2 つ の 実 験 を 通 じ て 、函 館 の 写 真 資 料 66 点 に 対. 図 4 のような写真資料を公開し、説明文やエピ. する位置情報と現在の様子、その撮影方向を記. ソードなどを投稿できる仕組みを作って、様々. 録 す る こ と が で き 、33 件 の コ メ ン ト 情 報 を 収 集. な注釈情報を浅く広く収集していくことにある。. す る こ と が で き た 。 地 域 の 人 々 が PC や 携 帯 電. 今回は、我々にとってハコログシステムを使. 話を使って注釈情報や位置情報を登録し、アー. った初めての実験であり、動作実験も含めたも. カ イ ブ 情 報 を 収 集・蓄 積 し て い く 仕 組 み と し て 、. のであったため、広く一般的には公開せず、市. ハコログシステムは一定の効果があると考えら. 史編さん室や図書館の方々に協力してもらい、. れる。. 注釈情報の収集を 3 日間行った。. 今回の実験で、コミュニティサイトを利用し. コ ミ ュ ニ テ ィ サ イ ト で は 、GPS 携 帯 電 話 を 使. た情報収集は、郷土史の専門家にとっても、組. った実験で位置情報と現在の様子を記録できた. 織を横断して情報を共有できたり、記録できた. 写 真 資 料 66 点 を 公 開 し 、昔 の 写 真 と 比 べ る こ と. りする点で、有効であることがわかった。. が で き る よ う に し た( 図 7)。こ れ ら の 写 真 に 対. また、コミュニティサイトを利用すれば、特. し て 、「 年 代 」「 対 象 物 」「 コ メ ン ト タ イ ト ル 」. 別なコピュータリテラシーを必要とせず、広く. 「コメント内容」の 4 項目を入力できるように. 一般の人々の協力を求めるのにも有効である。. し、注釈情報の収集を行った。. −46−. 6.
(7) 図 7. 昔の写真と現在の様子を並べて表示しているコミュニティサイトの画面. 図 8. 収集したコメント情報を表示しているコミュニティサイトの画面. −47−. 7.
(8) が記憶を共有しているコレクションを対象に実. 今後の課題としては、今回の実験のように郷. 験を行う予定である。. 土資料に詳しい人だけでなく、より多くの人々 からも浅く広く情報を収集できるようするため、. ハコログシステムのように、地域の人々が自. 提示する写真資料を分析の困難さによって分け、. 宅 の PC や 携 帯 電 話 を 利 用 し て 、 ア ー カ イ ブ 情. いくつかのコミュニティを用意する必要がある. 報の提供に積極的に参加できる仕組みは、函館. と考える。今回の実験で用いた写真資料は、年. だけに限らず、多くの地域で有効に働くと考え. 代が大正や明治のものが多かったため、一般の. る。こうした観点から、ハコログシステムをさ. 人が場所を判断するのは困難であった。このよ. らに使いやすくデザインし、地域のコミュニテ. うな資料については、郷土資料の知識を持った. ィを含めた情報提供の仕組み作りに取り組んで. 専門家のコミュニティで情報を付加してもらい、. いきたい。. 逆に昭和に入ってから撮影された写真資料など. 謝辞. は、一般のコミュニティで扱ってもらうような. 本 研 究 を 進 め る に あ た っ て 、函 館 市 総 務 部 市. 工夫が必要である。. 史編さん室、函館市立図書館、函館市企画部国. ま た 、郷 土 資 料 に 詳 し い 人 が い な い 場 合 で も 、 一 般 の 人 が 写 真 資 料 の 場 所 を 探 し て GPS 携 帯. 際課の方々には、実験に参加いただき、貴重な. 電話を使って位置情報を付加できるようにする. コメントをいただいた。ここに感謝の意を表し. ため、場所を知っている人がコミュニティサイ. たい。. トで位置を指定できるような仕組みが必要であ る 。図 9 は GPS 携 帯 電 話 を 利 用 し た 実 験 で 、市 史編さん室の方が事前に写真資料の場所を調べ i. 東 京 国 立 博 物 館 , http://www.tnm.go.jp/ 文化遺産オンライン, http://bunka.nii.ac.jp/jp/ iii 石川新情報書府, http://shofu.pref.ishikawa.jp/ iv 斉 藤 進 也 , 稲 葉 光 行:協 調 的 な ナ ラ テ ィ ブ の 蓄積による地域アーカイブ構築に関する研究, 情報処理学会シンポジウムシリーズ, 人文科学 と コ ン ピ ュ ー タ シ ン ポ ジ ウ ム 論 文 集 Vol.2004, No.17, pp.107-114(2004) v 上松大輝, 徳永徹郎, 沼晃介, 大向一輝, 武 田 英 明 : 場 log-位 置 情 報 に 基 づ く 情 報 整 理 シ ス テ ム -, 情 報 処 理 学 会 シ ン ポ ジ ウ ム シ リ ー ズ , イ ン タ ラ ク シ ョ ン 2004 論 文 集 Vol.2004, No.5, pp.73-74(2004) vi 総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科 会 緊 急 通 報 機 能 等 高 度 化 委 員 会 :「 携 帯 電 話 か らの緊急通報における発信者位置情報通知機能 に 係 る 技 術 的 条 件 」 に つ い て の 報 告 書 案 , 2004 年 5 月, http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040517_ 3.html. て作ってくれた地図である。撮影ポイントから. ii. 線を引いて、写真番号と撮影方向の矢印が記入 してある。こうした地図を利用して探索を行え ば、地域の一般の人々でも写真の場所を見つけ て位置情報を付加することができるようになる。 このような仕組みを実装するためには、ハコロ グ シ ス テ ム に GIS を 組 み 込 み 、実 際 に 探 索 を 行 う前の写真資料に対して予測される位置情報を 付加できるようにしなければならない。. 図 9. 撮影地点と撮影方向を示した地図. 7. ま と め 今回の実験でわかったことを踏まえ、今度の 実験では、昭和後半の写真のように多くの市民. −48−. 8.
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