• 検索結果がありません。

薬用植物トコンの不定器官形成による増殖および催吐アルカロイド分析に関する研究 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "薬用植物トコンの不定器官形成による増殖および催吐アルカロイド分析に関する研究 利用統計を見る"

Copied!
77
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

薬用植物トコンの不定器官形成による増殖および催

吐アルカロイド分析に関する研究

著者

磯貝 里子

学位授与大学

東洋大学

取得学位

博士

学位の分野

生命科学

報告番号

甲第200号

学位授与年月日

2008-03-25

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003961/

(2)
(3)

薬用植物トコンの不定器官形成による増殖および

   催吐アルカロイド分析に関する研究

(4)

目次 ●   ・   .   ●

      項項項項項項 項

お 

目略緒本第

 ●◆.●・.・・.◆●・●・.・…  

.●・●◆・  ・ ・ ・・ ・・ ・・・ ・・ ・ ・・・・・ ・・ ・ ・ ・ …   w  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …   1  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …   11

トコンの不定芽形成による効率的増殖法の検討・・…  12

材料および方法・・・・・・・・・・・・…  ◆◆・・13

 植物材料・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  13

 GA3添加培地におけるシュートの培養・・・・・…  13

 GA3処理したシュートの節間切片における不定芽誘導・13

 再生植物体の土壌栽培・・・・・・・・・・・・…  14

 アルカロイドの抽出・・・・・・・・・・・・・…  15

 アルカロイドのHPLC分析・・・・・・・…  ◆・・15

    結果および考察・・・・・・・・・・・・・・・・…  17

     トコンシュートの生育およびアルカロイド含量に

     対するGA3処理の効果・・・・・・・・・・・…  17

 第二項 GA3処理したシュートの節間切片における不定芽形成・21

 第三項 GA3処理したシュートの節間切片から再生した

     シュートのアルカロイド含量・…  ◆・・・…  23

 第四項 土壌栽培した再生個体のアルカロイド含量・・・…  25

第三節 小括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  27

第二章 不定芽形成過程における植物ホルモンレベル・・・…  29

 第一節 材料および方法・・・・・・・・・・・・・・・・…  31

 第一項 植物材料・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  31

(5)

 第二項 節間切片からの不定芽誘導・・・・・・・・・・…  31

 第三項 植物ホルモンの抽出・・・・・・・・・・・・・…  31

   (1)IAA・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  31

   (2)trans−zeatinおよびisopentenyladenosine・・・・・…  32

 第四項 ELISA法による植物ホルモンの定量・・・・・・…  32

第二節 結果および考察・・・・・・・・・・・・・・・・…  35

 第一項 ELISA法によるIAAの分析・・・・・・・・・…  35

 第二項 ELISA法によるtrans−zeatinおよび

     isopentenyladenosineの分析・・・・・・・・・…  38

 第三節 小括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  40

第三章 催吐アルカロイドの新規HPLC分析条件の確立・◆…  41

第一節 材料および方法・・・・・・・・・・・・・・・・…  43

 第一項 材料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  43

 第二項 分取TLCによる抽出したアルカロイドの精製・…  43

 第三項 HPLC分析条件・・・・・・・・・・・・・・・…  43

 第二節 結果および方法・・・・・・・・・・・・・・・・…  45

 第一項 分取TLCにより分画した抽出物のHPLC分析・…  45

 第二項 イオンペアHPLC分析条件の検討・・・・・・・…  48

   (1)有機溶媒・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  48

   (2)カウンターイオン溶液のpH・・・・・・・・・・…  50

   (3)カウンターイオンの種類・・・・・・・・・・・…  52

 第三項 分析カラムの検討・・・・・・・・・・・・・・…  55

(6)

 (3)培養物の微量分析…  ◆… 第五項 小括・・・・・・・・・・… 総括・・・・… 研究業績・・… 謝辞・・…  ◆・ 引用文献・・… ◆    ●    ●    ●    ●    ●    ●    ●    ■    ●    ● ◆   ●   ■   ●   ■   ◆   ■   ●   ●   ●   ● ●    ●    ●    ■    ●   ●    ●    ●    ●    ●    ● ●    ●    ●    ●    ●    ●    ●    ●    ●    ●    ● ・60 ・61 ・62 ・63 ・64 ・65

(7)

略語 NAA:1−naphthaleneacetic acid BA:N6−benzyladenine B5:Gamborg B5 Kin:kinetin MS:Murashige&Skoog HF:phytohormone free WP:Woody Plant 2,4−D:2,4−dichlorophenoxyacetic acid GA3:gibberellin A3 HPLC:high performance liquid chromatography IAA:indole−3−acetic acid ELISA:enzyme−linked immunosorbent assay t−ZR:trans−zeatin riboside IPA:isopentenyladenosine TBS:Tris Buffered Saline CP:cephaeline EM:emetine TLC:thin layer chromatography pentane:sodium l−pentanesulfbnate hexane:sodium 1−hexanesulfonate

(8)

緒言  トコン(Cephaelis ipecacuanha A. Richrad)(Fig.1)は,アカネ科に属する高 さ20∼40cmの低木で,ブラジルの広域,特にマト・グロッソおよびミナス・ ジェライスの暗い湿潤な森林中に見られる1)。根を“吐根”と称し,催吐剤, 去疾剤,アメーバ赤痢の治療薬として用いられている重要な薬用植物である1)。 “吐根”は,欧米では催吐剤として知られているが,日本においては,薬局方 に去疾剤として収載されており,催吐剤としての使用は許可されていなかった ため,近年まで催吐剤としてはあまり知られていなかった2)。“吐根”は,イソ キノリンアルカロイドであるemetine, cephaeline, psycotrine,0−methyl−psycotrine, emetamine等を含有するが,催吐作用を示す主要活性成分はemetineおよび cephaeline(Fig.2)であり,cephaelineはemetineの2倍の強さの催吐作用を持 っと言われている2)。  Cephaelis属植物は,種(リオトコン:Cipecacuanha,カルタゲナトコン: C.acu〃linata)(Fig.3)あるいは産地によってemetineとcephaelineの含有比が 異なる3)。古い生薬学の教科書3)より,種または産地の異なる“吐根”のアル カロイド含量比を示す表を転載した(Table l)。リオ“吐根”はemetineよりも cephaelineを多く含有し,カルタゲナ“吐根”は,リオ“吐根”とは逆に, emetine の方を多く含有することがわかっている3)。さらに,市場品の“吐根”は,そ の原産地および原植物の由来が不明瞭なうえ,品質が一定していないことが報 告されている1)。最も良品とされるブラジル原産のリオ“吐根”は,野生植物 の採取に頼っており,発芽から収穫までに3年もの年月を要するため,その供 給は不安定であり,さらに,生育地であるアマゾン川流域の開発の進行により 入手が困難になっている4)。しかし,日本においても救急医療で用いる吐剤の 必要性が高まり,2002年ll月より,救急病院でトコンシロップが使用される

(9)

ようになり,“吐根”の安定供給が必要となる。ブラジルではトコンは資源植物 に指定されており,その輸出は規制されている。しかし,トコンは熱帯性植物 であるため,日本では開花してもめったに結実しない5)。また,種子は,貯蔵 期間が長くなるにつれ,発芽能が著しく低下することが判っている4)。このた め,増殖は接木法により行なわれているが,品質が均一なトコンを短期間で大 量に得るため,Yoshimatsuらにより植物組織培養による大量増殖法(Fig.4)に ついて研究され,(1)マルチプルシュv・・一一ト形成6),(2)不定根7)および(3)節 間切片からの不定芽形成8)による植物体の増殖方法が報告されている。また, インドの研究者グループからも,(1)マルチプルシュート形成9)や(4)カルス からの植物体再生10)による増殖法が報告されている。以下に,これまでに報告 されている増殖法について簡潔にまとめる。

(10)

Fig.1 トコン(Cephaelis ipecacuanha A. Richard) H3CO   \ノ H3CO OCH3        R=H:cephaeline        R=CH3:emetine        OR Fig.2 Emetineとcephaelineの化学構造式 Bars:lcm      Fig.3 生薬“吐根” A:リオ“吐根”(数珠状の形態が特徴) B:カルタゲナ“吐根”

(11)

一■■一レ        →   Shoot tip

Leaf segment Multiple shoot   formation

−→

    Transferred

\t°S°il

Internodal segment Adventitious        shoot fbrrnation

 Adventitious    Root    Adventitious root formation  culture shoot tormation Fig.4 これまでに確立されたトコンの再生系の模式図 Table l 種または産地の異なる“吐根”のアルカロイド含量比3)

リオ吐根 ジョホール @吐根 カルタゲナ吐根 Alkaloids ミナス品 マト・グロッソ品 Emetme Ipecamine Hydroipecamine Cephaeline Psycotrine 131 0.53 0.60 0.06 1.00 0.36 0.62 0.05 L62 0.53 0.52 0.05 15∼1.7 1.35 0.6∼0.7    0.25 0.04∼0.06 1.03 0.25 0.46 0.04 0.61 0.22 0.74 0.05 1」3 0.32 0.81 0.06 Tota1 2.50 2.03 2.73 250 2.70 L78 1.62 232

(12)

(1)マルチプルシュート形成6)’9)  通常,茎頂培養により確立された無菌のトコン培養シュート(Fig.5)の頂芽 切片からは1本,節切片を植物ホルモン無添加培地で培養した場合には,2本 の側芽が伸長し,約2本のシュートしか得られない。これに対し,Yoshimatsu らの報告したマルチプルシュート形成法では,トコン培養シュートの節切片を 0.Ol mg/L 1−naphthaleneacetic acid(NAA)および3または5mg/L N6−benzyladenine (BA)添加Gamborg B5(B5)11)固形t音地に植え付け8週間培養iすると,1っ の節切片から約4本のシュートを得ることができる6)。 1cm Fig.5 発根したトコン無菌培養幼植物体  また,Jhaらは,節切片を8mg/L kinetin(Kin),0.05 mg/L NAAおよび200 mg/L adenine添加Murashige&Skoog(MS)12)固形培地にて10∼12週間培養すると, 1切片当たり8∼12個の新しい芽が形成されることを報告している9)。

(13)

(2)不定根切片からの不定芽誘導7)  トコン培養シュートから調製した葉切片(約0.5cm×O.5 cm)をO.5 mg/L NAA 添加MS固形培地に植え付け,暗所で4∼6週間培養すると,葉切片に不定根が

形成される。不定根の根端を切除し,長さ約lCmに切断した切片を

phytohormone free(HF)−B5固形培地に植え付け8週間培養すると,1つの切片に 1または2個の不定芽が形成される(Fig.6)。この方法で再生したシ・・一トは, 個別に培養する際に,不定根切片と形成されたシュートを一一一緒に単離すること により,土壌に定植する際に発根のステップを省くことができる、 Fig.6 不定根切片に形成された不定芽

(14)

(3)節間切片からの不定芽形成8)

 トコン培養シュートの節間から長さ約6mmの切片を調製し, O.Ol mg/LBA 添加Woody Plant(WP)13)固形培地に植え付け培養すると,切片の表面に6個

から13個の不定芽が形成される(Fig.7)。

(15)

(4)カルスからの植物体再生lo)  Routらは,ポット栽培した3∼4年の若いトコン植物体から採取した葉を滅

菌後,調製した切片(3∼4mm)をlmg/L Kinおよび4mg/L

2,4−dichlorophenoxyacetic acid(2,4−D)添加MS固形培地に植え付け4週間培養i してカルスを得た。2.5mg/L Kinおよび1mg/L 2,4−D添加MS固形培地に移植 して,さらに4週間培養し,不定胚形成を誘導した。これをHF−MS固形培地 に移植して,100mgのembryogenic callusから80∼90個体の植物体を得たと報 告している。  しかしながら,著者は報告された論文に従って同様な実験を行った結果,残 念ながら不定胚誘導培地に移植可能なカルスを得ることができなかった。Rout らの方法と異なり,無菌培養シュートの葉を用いたために,カルスを得られな かった可能性がある。

(16)

Table 2 トコンの均一個体の増殖法により1年間に得られるシュートの数 Method Material Phytohormone No. ofshoots Reference Subculture Multiple shootΦ㎜ation Adventitious shoot fbrmation Shoot tip Node Node Internodal segment 0.Olmg/LNAA 30r 5 mg/L BA O.Ol mg/LBA ca.30 ca.240 ca.770 6 6 8  現在,有効なトコンの均一個体の増殖方法のうち,最も増殖効率が高いのは (3)節間切片からの不定芽形成である(Table 2)。しかし,木本植物であるト コンは生育が遅く,増殖の材料となる節間切片が十分に得られるまでには非常 に時間がかかる。第一章では,節間切片からの不定芽形成による増殖法におい て,節間の伸長効果があることが知られているジベレリン(GA3)を用い,そ の効果を検討した。その結果,ジベレリンを用いない従来の増殖法と比較して 約120倍もの高効率の増殖法を確立した。また,本増殖法により再生した個体 のアルカロイド含量に対するGA3の影響はほとんどないことを確認した。  さらに,節間切片に不定芽が形成される際の特徴を2つ見出した。ひとつは, 不定芽が形成される節間切片の部位に極性が認められること,もうひとっは, 先に形成される1∼2本の不定芽が生育すると,遅れて形成される他の不定芽の 生育(伸長)が抑制される傾向があることである。これは,培養系における一 種の頂芽優勢の現象が考えられたことから,内生の植物ホルモン,特に,オー キシンの影響が推定された。そこで,第二章では不定芽形成過程におけるオー キシンおよびサイトカイニンレベルを調査した。オーキシンは,植物体におい て頂芽優勢を生じる原因物質としてよく知られており,また,茎頂部で生産さ れ,基部に向かって移動する極性移動も知られている。サイトカイニンは,芽 の分化に重要な植物ホルモンである。不定芽形成過程におけるオーキシンおよ

(17)

びサイトカイニンレベルの変化を経時的に調査し,節間切片における不定芽形 成と植物ホルモンの関係を明らかにした。  トコンは薬用植物であり,増殖した個体の催吐アルカロイド生産能の評価も 非常に重要である。しかし,前述のようにトコンは生育が遅いため,アルカロ イド分析に必要な量のサンプルが得られるまで,大きく生育させるのに時間が かかっていた。しかし,小さな不定芽の一部分をサンプルとしてアルカロイド 分析を行なうことができれば,その値から大きく生育した幼植物体のアルカロ イド含量が推定できる。微量分析方法が確立されると,増殖個体のアルカロイ ド生産能の評価を早期に行なうことができる。しかし,現在の催吐アルカロイ ドのHPLC分析条件は微量分析に不向きであるため,第三章では,従来のHPLC 分析条件を再検討し,微量の試料で精密に分析できるHPLC分析条件を確立し た。さらに,その分析条件を用いて,節間切片に形成された不定芽の微量分析 を行なった。

(18)
(19)

第一章 トコンの不定芽形成による効率的増殖法の検討

 節間切片からの不定芽形成による増殖法は,これまでに確立されたトコンの 均一個体の増殖法のうち,1つの外植片から最も多くの個体を再生できる方法 である。しかし,トコンは木本植物であるため,in・vitroでは,:増殖に充分な節 間切片を得るには時間がかかる。さらに,培地にNAAおよびBAを添加して得 られたマルチプルシュートは,植物ホルモン無添加で培養したシュ・一一・・トに比べ て,節間が短くなることも判っている6)。  そこで,シュート培養の際に,節間の伸長効果があることがわかっているGA3 を添加し,節間を伸長させて切片を早く大量に得る方法について検討した。本 章では,トコン培養シュートをGA3添加培地で培養したときの生育と,催吐ア ルカロイド含量の変化を調査した。さらに,GA3処理シュートの節間切片から 再生した植物体を1年間ビニルハウス内で栽培し,根のアルカロイド含量を分 析してGA3未処理の節間切片から再生した個体のアルカロイド含量と比較した。  GA3の生理作用は,伸長成長の促進に加え,休眠種子および芽の休眠打破, 発芽促進,花芽形成および開花の促進等が知られている14)。また,多くの植物 に対して果実の着果や肥大を促進することから,農業分野ではブドウの種なし 化に特に利用されている14)。植物組織培養において木本植物にGA3を用いた例 として,増殖用培地で伸長しなかったアカシア(Aeasia・sinuate)をGA3添加培 地に移植し,シュートの伸長に成功したことが報告されている15)。また,最近 ではGA3をインドセンダン(Azadirachta indica A. Juss.)のマルチプルシュート 形成16)に用いた例が報告されている。

(20)

第一節 材料および方法 第一項 植物材料  国立医薬品食品衛生研究所 筑波薬用植物栽培試験場より分与された,トコ ンの無菌培養シュートを材料に用いた。HF−B5固形培地(3%ショ糖,0.2%ジ ェルライト(和光純薬),30ml培地/40 mm径試験管),25°C,14時間弱照明下 (10 pEm’2s’i)にて約12週間毎に継代培養し,シュートを維持および増殖した。 第二項 GA3添加培地におけるシュートの培養  HF・・B5固形培地で培養しているシュートを,0.1,0.5およびlmg/Lの濃度で GA3を添加したB5固形培地に移植し,25°C,14時間弱照明下にて4週間培養 した。GA3は, Minisartフィルター(0.2μmボアサイズ;Sartorius社)を用いて 滅菌した各濃度のGA3液を,オートクレープ後の培地に必要量を添加した。培 養2週目から1週間毎にシュートの生育を観察し,写真撮影した。4週目に培 養植物体の葉を収穫し,その新鮮重量を測定した。採取した試料を液体窒素で 凍結し,凍結乾燥後,乾燥重量を測定した。コントロール(GA3未処理)のシ ュートは,HF−B5固形培地にてGA3処理シュートと同条件で4週間培養した。  調製したB5培地(3%ショ糖)は,0.1あるいはlMKOHあるいは0.lMHCI によりpH 5.7に調整後,アルミホイルで蓋をし,オートクレープ(121°C,15 分)で滅菌した。 第三項 GA3処理したシュートの節間切片における不定芽誘導  GA3添加後,4週間培養したトコンシュートの伸長した節間から長さ約6mm の切片を調製し,0.01mg/L BA添加WP固形培地(3%ショ糖,0.2%ジェルラ イト,25ml培地/90 mm径シャーレ)に植え付け,25°C,14時間弱照明下にて 不定芽誘導を行なった。対照区としてHF−B5固形培地で4週間培養したシュー

(21)

トから同様に節間切片を調製し,不定芽誘導を行なった。培養12週間後,節間 切片の表面に形成された不定芽を単離し,HF−B5固形培地に植え付け,さらに 培養12週間後,葉を収穫し,その新鮮重量を測定した。採取した試料を液体窒 素で凍結し,凍結乾燥後,乾燥重量を測定した。 第四項 再生植物体の土壌栽培  HF−B5固形培地で培養した再生シュートの発根を誘導するためにlmg/LIAA 添加B5固形培地に移植し,約8週間培養した。発根した幼植物体を,赤玉土 一砂一腐葉土(5:1:1)の混合土を入れたビニルポットに植え出し(Fig.8A), 透明のプラスチック製のコップを被せて湿度を維持しながら,栽培棚にて25°C, 14時間照明下で順化した(Fig.8B)。栽培3日目にプラスチックコップをずら し,7日目に取り去った。さらに1週間後,順化した幼植物を屋外の日陰に移 し,約3週間栽培後,ビニルハウス内に移した。約2週間後,馴化開始時に用 いたものと同様の混合土を入れた素焼きの植木鉢(5号)に移植し,約4週間 栽培した。植物体を植え付けた鉢をビニルハウス内の地面に鉢の上部約2cmが 土壌表面から出るように埋め込み,さらに,植物体に日光が当たらないよう, 寒冷紗で遮光(75%遮光)して栽培した。約1年間栽培後,植物体を収穫し, 根の新鮮重量を測定した。採取した試料を液体窒素で凍結し,凍結乾燥後,乾 燥重量を測定した。

(22)

2ぺ寸『

      5cm

Fig.8 ビニルポットに植え出したトコン幼植物体  A:栽培1日後の植物体の状態  B:湿度を維持して栽培している状態

5cm

第五項 アルカロイドの抽出  アルカロイドの抽出は,既報2)の方法を一部改変して行なった。凍結乾燥し た培養シュートの葉および栽培植物体の根をガラス製のサンプル管内に取って スパーテルで粉砕し,ネジ付き試験管(7ml)に葉は約1mg,根は約5mgを 精密に秤量した。試料粉末にそれぞれ50あるいは100 plの10%(v/v)アンモ ニア水を加え,スパーテルで良く撹拝した。さらに,各試料に2あるいは3ml のジエチルエーテルを加え,ネジロキャップで栓をした。チューブミキサーで 5分間撹持し,抽出液全量を綿栓ろ過した。ろ液は,窒素ガスで抽出溶媒を濃 縮後,真空ポンプを用いて更に減圧乾固し,抽出試料とした。 第六項 アルカロイドのHPLC分析  アルカロイドのHPLC分析は,既報17)に従って行なった。抽出した試料を100 plのメタノールに溶解し,emetineおよびcephaelineの含量をHPLCで分析した。 HPLC分析条件は,カラム:TSKgel ODS−120A(4.6 i.d.×250 mm,東ソー),移 動層:10mM sodium 1 −heptanesul fonate(pH 4.0)一アセトニトリル(67:33),流 速:1ml/min,カラム温度:40°C,検出波長:285 nm(UV検出器)とした。10mM

(23)

sodium 1−heptanesulfonateのpH調整には,2%(v/v)リン酸水溶液を用いた。

(24)

第二節 結果および考察 第一項 トコンシュー一トの生育およびアルカロイド含量に対する

   GA3処理の効果

 0.5あるいはlmg/LGA3を添加して培養したシュートは,頂芽の真下の節の 下の節間の伸長が観察され,その長さは,未処理シュートの2倍以上であった (Fig.9)0.5 mg/L添加したシュートと1mg/L添加したシュートでは,伸長し た節間の長さは同程度だったが,茎の太さは,1mg/Lの方が若干細くなってい た。ジベレリンは,細胞を縦方向に伸長させることが知られており14),その効 果によるものと考えられた。また,0.1mg/L GA3を添加したシュートでは,節 間の伸長はあまり認められなかった。

(25)

HF

0.1 0.5 1 GA3(mg/L) Bars:lCm       Fig.9 GA3のトコンの節間伸長に対する効果 シュートは各濃度のGA3を添加したB5固形培地にて,25C,14時間 弱照明下で4週間培養した。

(26)

 医薬品として用いられているのは本植物の根の部分であるが,Yoshimatsuら の研究6)で,植物体全体でアルカロイドを合成することが明らかになっている。 また,特に若い葉において含量が高いことも判明しており,上部の新葉のトコ ンアルカロイド含量は,根の含有量に匹敵することを報告している6)。本実験 では,HPLC分析に用いるのに充分な量の根が得られなかったため,アルカロ イドの定量分析に葉を用いた。  GA3添加B5固形培地で4週間培養したシュートの葉のアルカロイド含量を Fig.10に示す。0.5または1.O mg/L GA3を添加して培養した場合, cephaelineの 含量が未処理シュートと比較して,およそ2倍に増加していた。一方,emetine は,GA3を添加した培地では,1/2程度に減少していた。  GA3は,植物の二次代謝に影響を及ぼす例が,アントシアニン,ベタシアニ ン,カロチノイド,アルカロイド,その他有機化合物について報告されている 18)。アルカロイドについては,El−Sayedらがニチニチソウ(Catharanthus roseus) 培養系において,GA3の添加により,テルペノイドインドールアルカロイドで あるajmaliCineの含量が増加したと報告しているが19),トコンアルカロイド生 合成についても,GA3が何らかの影響を与えていると考えられる。

(27)

  2.5 う言 b2.0 廿 ) 15盲 8 81.0

§

るo.5

  0.0          0      0.1     0.5      1        GA3 concentration(mg/L) Fig.10 培養シュートの葉のアルカロイド含量に対するGA3の影響 シュートは各濃度のGA3を添加したB5固形培地にて,25℃,14時 間弱照明下で4週間培養した。アルファベットは,p≦0.05における 有意差を示す(Tukey−Kramer)。

(28)

第二項 GA3処理したシュ…一一・トの節間切片における不定芽形成  GA3処理して伸長したシュートの節間を材料として,未処理のものと同等に 不定芽が形成されるかを調査した。Yoshimatsuらは,トコンの不定芽誘導につ いて詳細な実験を行なっており,WP固形培地を用いる場合は0.Ol mg/L BA, WP液体培地には0.1 mg/L BAの添加が最適であると報告している8)。そこで, GA3添加培地で培養したシュートから節間切片を調製し,0.01 mg/L BA添加 WP固形培地に植え付け,不定芽誘導を行なった。培養4週間後, GA3処理シ ュー gから調製したすべての節間切片において不定芽形成が認められた。しか し,GA3処理したシュv・一・・トの節間切片に形成された不定芽数は,未処理の節間 切片に形成された不定芽数と差があり,添加したGA3の濃度が高くなるに伴い, 形成された不定芽数は減少した(Fig.11)。トコンにおいて, GA3は節間切片に おける不定芽形成数に影響を及ぼすことが明らかとなった。しかし,どの実験 区においても,形成された不定芽のうち,伸長したのは1∼2本であった。不定 芽形成数が減少した0.5および1mg/L GA3を添加した節間切片においても,葉 が展開していて高さ約6mmの単離可能な不定芽数はGA3未処理の場合と同程 度であった。  GA3添加シュートから再生したシュートは, GA3未処理の場合と同様に8), HF−B5固形培地に移植すると,容易に発根した。

(29)

盲。日。oΦ。,\。・80壱.這巳o.oZ

20

15 10 5 0 a a b b  0    0.1    0.5    1    GA3 concentration(mg/L) Fig.11節間切片に形成された不定芽数 各濃度のGA3を添加したB5固形培地にて培養したシュートから長さ 約6mmの節間切片を調製し,25℃,14時間弱照明下で4週間培養 した。アルファベットは,p≦o.05における有意差を示す(Tukey− Kramer)。

(30)

第三項 GA3処理したシュートの節間切片から再生したシュートの    アルカロイド含量  トコンのアルカロイド生産能に対するGA3の影響を明らかにするため, GA3 処理シュートの節間切片から再生したシュートのアルカロイド含量を調査した。 第一章 第二節 第一項で述べたように,若い葉のアルカロイド含量を分析す ることにより,その個体の根のアルカロイド含量を推定できる6)。節間切片に 形成された不定芽を単離し,HF−B5固形培地にて培養した。培養3ヶ月後,若 い葉のアルカロイド含量をHPLC分析した(Fig.12)。0.5および1mg/L GA3を 添加して培養したシュートのアルカロイド含量は,未処理シュートよりも高か ったが(Fig.10), GA3処理したシュートの伸長した節間切片から再生したin vitroシュートの葉のアルカロイド含量は,未処理のシュートとほぼ同程度の値 を示した。

(31)

ξ2・5 喜2.o

言L5

§

Ol.0 豆

2

皇0.5司  0.0         0      0」     0.5      1        GA3 concentration(mg/L)  Fig.12 節間切片から再生したシュートの葉のアルカロイド含量 節間切片に形成された不定芽は,単離し,HF−B5固形培地にて25℃, 14時間弱照明下で3ヶ月間培養した。アルファベットは,p≦0.05に おける有意差を示す(Tukey−Kramer)。

(32)

第四項 土壌栽培した再生個体のアルカロイド含量  GA3処理したシュートの節間切片から再生したシュートも,アルカロイド生 産能を有していることが判った。本項では,GA3処理した節間切片から再生し た個体を1年間土壌栽培し(Fig.13),根のアルカロイド含量をHPLC分析した。     Fig.13 1年間土壌栽培した再生植物体 A:未処理シュー一トの節間切片から再生した植物体 B:0.5mg/L GA3処理シュートの節間切片か再生した植物体 C:lmg/LGA3処理シュートの節間切片から再生した植物体  GA3処理シュートの節間切片から再生した個体の根のアルカロイド含量は, 培養シュートの葉と同様に,未処理シュートの節間切片から再生した個体と同 等であった(Fig.14)。また,本実験で得られた含量の値は,これまでの報告17) とほぼ一致していた。このことより,GA3を用いた本方法により増殖した植物 体は,1年間栽培すれば,総アルカロイド含量(cephaelineおよびemetineの合 計)が乾燥重量当たり2%以上となり20),生薬および救急医療用のトコン製剤 の原料として用いることが可能であることが示された。

(33)

  2.5 〔盲 b2.0 唱 )1.5盲

8

91.0

駕o.5 当 く   0.0 ■Cephaeline 口Emetine        0       0.5       1         GA3 concentration(mg/L)  Fig.14 土壌栽培した再生個体の根のアルカロイド含量 検体数は,Omg/LGA3:n=4,0.5およびlmg/LGA3:n=2。

(34)

第三節 小括  0.5mg/LのGA3を添加することにより節間の伸長を促し, GA3を添加しない 従来の培養シュートの2倍以上の数の節間切片を短期間で得ることができる方 法が確立できた。また,このGA3を用いる方法により得られた植物体は,従来 の方法で得られた植物体と同様の形態およびアルカロイド含量を示し,増殖個 体へのGA3の影響はほとんどないと考えられた。  GA3を用いた本増殖法は,より多くのトコン植物体を得ることができる高効 率の増殖システムであり,理論値で,GA3未処理の従来の増殖法と比較してお よそ1年間で120倍もの数の植物体を得ることが可能となる(Fig.15)。 GA3 は植物の伸長生長を促進することはよく知られているが,今回,培養系におい て植物個体の増殖に応用した数少ない例の1つと言える。  この増殖法は,トコン製剤の原料植物体の増殖への寄与と同様に,遺伝子組 換え21)等,さらなるトコンの研究のための無菌培養シュートの提供が期待でき る。

(35)

[Conventional method]

    手孟「に→

一  一  一  一  一  一  一  嘲  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一 [N・w・笛・ien・m・・h・d]「一一一       「巳ノ 一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一  一

→ Rooting→ Plantlets       V         After l year

手一工一z

0.5mg/L  GA3 Fig.15     >120times →Rooting→Plantlets →Rooting→ Plantlets GA3を用いた増殖システムと従来のシステムとの増殖効率の比較

(36)

第二章 不定芽形成過程における植物ホルモンレベル

 通常,トコン培養シュートの頂芽切片および節切片をHF培地で培養した場 合には,1∼2本のシュートしか得ることができない。これに対し,節間切片を 培養すると,1つの切片に6∼13個の不定芽が形成される。 しかし,不定芽が形成される際に極性が認められ(Fig.16A)切片の頂芽側に 不定芽が片寄って形成され,基部側の切断面はカルス化すること,さらに,最 初に節間表面に形成された1∼2本の不定芽が先に大きく生育すると,遅れて形 成された他の不定芽の生育が抑制される傾向があることを見出した(Fig.16B)。 これは,培養系における一種の頂芽優勢の現象であると考えられ,オーキシン の影響が推定された。植物体内において,オーキシンは主に茎頂で生産され, そこから種々の器官に輸送される22)。頂芽優勢はオーキシンの生理作用のひと っで,茎頂部から輸送されたオーキシンが側芽におけるサイトカイニン合成を 抑制して,側芽の生長を抑えていると考えられている23)。植物組織培養におい ては,一般的に種々の植物ホルモンを培地に添加することにより分化をコント ロールする場合が多い。しかし,トコンの節間切片は,植物ホルモン無添加の 場合でもほぼ100%の高頻度で不定芽を形成する。よって,不定芽形成過程に おいて,内在性のホルモンのみを分析することが可能である。Brassica napus24), Dianthus ca・γ・phy〃us25), Gyps・phil・ pani・ul・ta26), Piper c・1・b・inum27), A・egle m・・m・1・S28), F・gUS Syl・ati・a29), F.・ri・nt・liS29), EU・a!yptus gUnnii3°), Ba・・pa m・nniera3 i), P・unus a・ium32), Al・γ・ia P・!ystachya33), C・1・・t・u・ paniculatus34), Kalanchoe blossfeldiana35)の節間切片における不定芽形成が報告されており,こ のうち,1).caryophγ〃us 25), A.〃lar〃ielos 28), B.〃ionniera 3 i),(]−paniculatus 34), K.blossfeldiana 35)は,植物ホルモン無添加培地においても不定芽を形成するこ とが判っている。さらに,K. blossfe ldianaの節間切片に不定芽が形成される

(37)

際,トコンと同様に極性が認められ,M. Sanikhaniらも,節間切片の基部側か ら頂芽側へのオーキシンの濃度勾配が原因ではないかと述べている35)。  上記の2っの現象は,第一章で述べたGA3添加により伸長した節間を材料に して不定芽誘導を行なった際にも認められた。もし,不定芽が形成される際に 極性がなく節間切片全体に不定芽が形成され,さらに,形成された不定芽がす べて同時に生育すれば,増殖効率はさらに高くなる。そこで,本実験では,ト コンの節間切片における不定芽形成とこれらの植物ホルモンの関係を明らかに するため,節間切片からの不定芽形成過程におけるオーキシン(indole−3−acetic acid;IAA)および不定芽形成に直接関連しているサイトカイニンレベルの変化 を調査した。       Fig.16 節間切片に形成された不定芽 A:不定芽の多くは,頂芽側に片寄って形成される。 B:多くの不定芽が形成されるが(白線内),1∼2本の不定芽が大き く生育すると,他の不定芽の生育が抑制される傾向がある。

(38)

第一節 材料および方法 第一項 植物材料  第一章,第一節,第一項で述べたHF−B5固形培地(3%ショ糖,0.2%ジェル ライト,30ml培地/40 mm径試験管),25°C,14時間弱照明下にて継代培養し ているシュートを材料とした。 第二項 節間切片からの不定芽誘導  HF−B5固形培地で継代培養しているトコンシュートから,長さ約6mmの節 間切片を調製し,第一章,第一節,第三項で述べた方法で不定芽誘導を行なっ た。節間切片の方向(頂芽側および基部側)を揃えて植え付け,シャーレに方 向を明記した。培養後の節間切片は,頂芽側の切断面から3mmを頂芽側,残 りの部分を基部側とし,分割して収穫した。植物ホルモンの分析に用いるまで, −80°Cで保存した。 第三項 植物ホルモンの抽出 (1)IAA  IAAの抽出は, Weilerらの方法36)を一部改変して行なった。収穫した試料約 100mgを液体窒素中で粉砕し,80%メタノールを加えて室温で12∼16時間静 置した。遠心分離後,上清を新しい容器に移し,残渣に80%メタノールを約1 ml加えて超音波処理を行なった。遠心分離後,上清を合わせ,窒素ガスで抽出 溶媒を濃縮し,凍結乾燥機にて乾固した。メタノール200μ1に溶解し,ジアゾ メタンを含むジエチルエーテルを加えて試料中のIAAをメチル化した。窒素ガ スにて溶媒を濃縮,乾固したものを0」MTris−HCIバッファー(pH 7.5)lml に溶解し,ELISA用サンプルとした。

(39)

(2)trans−Zeatin riboside(t−ZR)およびisopentenyladenosine(IPA)  サイトカイニンの抽出は,Dobrevらの方法37)を一部改変して行なった。収穫 した試料約100mgを液体窒素中で粉砕し,メタノールー水一ギ酸(15:4:1) を加えて一30°Cで12∼16時間静置した。遠心分離後,上清全量をSep−Pak†Cl8 カートリッジ(Waters社)でろ過した。ろ液を窒素ガスで濃縮後, l Mギ酸1ml に溶解し,Oasis MCXカートリッジ(Waters社)にアプライした。 l Mギ酸1ml およびメタノール1mlで洗浄後,1.25%アンモニア水でサイトカイニンヌクレ オチドを溶出した。続いてt−ZRおよびIPAを含む1.25%アンモニアin 60%メ タノール溶出液約1.5mlを回収し,窒素ガスで濃縮,乾固した。これをTBSバ ッファー(pH 7.5)1mlに溶解し, ELISA用サンプルとした。 第四項 ELISA法による植物ホルモンの定量  植物ホルモンの定量は,ELISA法により行なった。 IAAにはPhytodetek⑱ IAA Test Kit,サイトカイニンにはPhytodetek⑭ t−ZR Test KitおよびIPA Test Kitを用 いた。各キットのモノクローナル抗体の交さ反応性をTabie・3∼5に示す。

(40)

Table 3 IAAモノ クローナル抗体の交さ反応性38)

Compound Cross・reaCtrivity(%) Compound Cross−reactrivity(%)

lndole−3’asetic acid Indole−3・asetic acid(non−methylated) Indole−3−asetone 【ndole−3・propi[》nic acid Indole−3’butyric acid lndole−3ρacetealdehyde ㎏dole−3’acetoaldehyde(non−methylated) lndole_3●ethanol ㎞dole−3−glyoxylic acid Indole−3句acetonitriie Indole−3−pyruvic acid Indole−3−lactic acid Indole−3−acylic acid lndole^3−aldehyde(non・metbylated) ㎞dole−3−acetamide Indole−3−a㏄tylglycine ㎜・Ω防B⋮㎝⋮㎝−㎜肪∬Ω−の tndole−3−acetylalanine lndole−3−acethylphenylalanine lndole−3−acethyl, Dレaspaltic acid lndole−3・acethyl−myo−inositol−ester(non.methylated) 5−Hydroxindole−3−acetic acid l−Naphthylacetic acid 2−Naphthylacetic acid 2.3−Dichlorophenoxyacetic ac{d :1,4−【)iehloTophenoxyacetie acid 3、5・Dichlorophenoxyacetic acid Phenylacetic acid lmidazoleacetic acid Ur㏄anic acid L・Tryptophan D」Tryptophan    1.5    0.6    0.5    0.2    0.02    0、1    0.03    0.OI    o.Ol Iess thaii O.0|    0.0|    0.Ol    O,05    0.04    0、1 PhytodetekOP IAA’rest Kit lnstructions.▲こり Table 4 t−ZRモノ クu一ナル抗体の交さ反応性39}

Compound Cr()ss−reactrivity(%) Compound Cross−reactrivity(%)

かαη∫−Zeatin riboside Dihydrozeatin Dihydrozeatin riboside cJ∫.Zeatin ribosi也 c輌s−Z泌atln ’rans●Zea白n Zeatin riboside・51・monophosphate Dihydrozeatin riboside−0−glucoside Dihydrozeatin−0−gluooside Zeatin−0・gluooside Zeatin riboside,0.glu◎oside Isopentenyl adenosine Isopentenyl adenine 6−FurfUrylaminopurine

伽臼ロ“u柵咀⋮Ω”。8肪。9㎜

6−n−Hexylaminopurine 6−Benzylarninopurine−9−glucoside 6−Benzylaminopurine’7−glucoside 6−Benzylaminopurine’3−glu◎oside 6・Amino−3’dimethylallylpurine Adenosine Ad㎝ine Guanine Guanosine−5㌧triphosphate Cytosine Cytidine Inosine−5’−triphosphate 6−Piperidino−1−purine     0.2     0,7 1ess than O.01    0.06     0.7 1ess than O,Ol less than O.Ol less than O.01 1ess than O.Ol less than O.01     0    0.Ol less than O.Ol PhytOdetekac’−ZR Test Kit lnstructionsより

(41)

Table 5 IPAモノ クローナル抗体の交さ反応性40)

Compound Cross−reactrivity(%) Compound Cross−reaCtrivity (%)

lsopentenyladenosine D口1y(irozeatin Dihydmzeatm nboside ci.s−Zeatln c’ぶ一Zeatin nb◎side ’力ans−Zeatin ’rans−Zeann riboslde iratts−Zea加ribOside−5’・monopbosphate Isopentenyl adenine DihydτozeatirvO−91ucoside Dihydrozeatjn riboside・θ一glucoside Zeatin−()−glucoside Zeatin nb◇side^0−glucoside 6⇒Furfutylarniopurine 6一η吟Hexylaminopurine 6−Benzylaminopu日rine−9−9Iu◎oside 6−Benz)tlaminopし1rine.7’gluooside 6−Benzylaminopurine←3−91ucoside 67Amino−3−di tethylallylpurine    100    0.5    0.7    0,01    0.Ol    O.3    04     0    53.1     0     0     0     0     0 1ess⑰劔0.Ol    O.08     0     0    0.2 Adenme Adenosine Guanine Guanosine−5’−tnphosphate CytOSine Cytidine lnOSine−5㌧trlphosphate GPipendino−1−purtne 4・(2−Ethylhexyamno)−2−methylpyrrolo (2、3一力・pyrimidine 4−lsobutylamin《>2・me血ylpyπolo (2、3・カーpyrimidine 4−Allylammo−2−methylpyπolo (2,3一ば)−pyrirnidine 十(1」−dimethyト3−hydroxy・propylamlno卜pyrimldine 2・methylpyrrolo(2,3・∂トpyrimidine 十(3−Hydroxpropylamino)’2・methylpyrrolo (2、3・力・pyhm▲dine

000000

0.02 less than O.OI 0 0 0 0 0 PhytOdetek’“IPA Test Kit InstTuctions.#り

(42)

第二節 結果および考察 第一項 ELISA法によるIAAの分析  節間切片における不定芽形成過程のIAAレベルの変化を,切片の頂芽側およ び基部側に分け,培養o日目から49日目まで経時的に調査した(Fig.17)。

876543210

(.モ壱£bo§這§5盲gg。乏一 0 7 10   14   21   28   49 (days) Fig.17 不定芽形成過程における節間切片中のIAAの含量と分布  IAAは,不定芽誘導0および7日目では,検出限界以下の値であった。不定 芽の形成が確認され始める誘導10日目から定量可能な量で検出され始め,21 日目に最大値を示した。その後,28日目ではIAA含量は低下しておりその3 週間後の49日目でも同等の値を示したことから,不定芽がある程度大きく生育 すると,IAAの生産が制御されている可能性が示された。  また,節間切片の基部側と比較して,頂芽側でIAAが多く検出された。これ は,節間切片に形成された不定芽を切除せずに節間切片と一緒に収穫および分 析を行なったため,不定芽にて生産されたIAA量が頂芽側の切片のIAA含量 に含まれているためと考えられた。しかし,不定芽誘導49日目の節間切片と形 成された不定芽を分割してIAAの分析を行なった結果,不定芽のIAA含量は

(43)

極微量(検出限界以下)であり,一方,節間切片では頂芽側にIAA分布が片寄 っていた。また,植物体の部位別のIAA濃度がどのようになっているかを調査 するため,葉を切除した培養20週目のトコンシュートを頂芽,茎および根に分 けて収穫し,それぞれIAAの分析を行なった。その結果, IAAは根に多く分布 しており,頂芽のIAA含量は微量で,茎はその中間の値を示した。以上の結果 より,組織の齢と状態によってIAAの移動速度および蓄積量が異なることが推 察された(Fig.18)。植物体においては,下方に根というIAAの輸送先が存在 しており(組織の状態の違い),頂芽で生産されたIAAは根に移動する。節間 切片および形成された不定芽では,不定芽(若い組織)の頂芽で生産されたIAA は直ちに基部側(節間切片)に向かって移動するが,節間切片には根というIAA の輸送先が存在せず,また,不定芽よりも古い組織内でのIAAの移動は若い組 織内での移動速度より遅いのではないかと考えられた。 基部側: 若い頂芽側

 馴

 ぬ

 頂芽側 IAA移動 Fig.18推定されるIAA移動の模式図

(44)

 オーキシンの極性移動に関しては,トコン不定根切片についての報告7)があ る。オーキシン極性移動阻害剤(2,5,5−triiodobenzoic acid;TIBA)を添加した培 地にて培養した不定根切片からの不定芽誘導を行なった結果,不定芽形成が著 しく抑制された。TIBAにより切片に蓄積されたIAAが不定芽形成を阻害して いると考えられ,トコン不定根切片からの不定芽形成において,内生オーキシ ンの極性移動は不可欠であると述べている7)。今後,節間切片においても Yoshimatsuらが行なったTIBAの実験を行なうことにより,オーキシンの極性 移動と不定芽形成の関係を明らかにすることができるであろう。

(45)

第二項 ELISA法によるtrans−zeatin ribosideおよびisopentenyladenosineの分析  サイトカイニンには,シュートの形成を促進する作用があることが知られて おり41),節間切片からの不定芽形成において,サイトカイニンがどのように関 係しているのかを明らかにするため,その濃度レベルと変化を調査した。  Fig.19に,不定芽形成過程の節間切片および形成された不定芽のt−ZR含量 をを経時的に分析した結果を示す。IAAは,不定芽誘導0および7日目では検 出限界以下であったのに対し,t−ZRは,0日目から微量ではあるが定量可能な 値で検出された。7日目には,0.1pmol/mgという微量であるが,急激に増加し ていた。このとき,節間切片の表面は,ドーム状の小さな芽が形成され始めて いる状態であった。また,t−ZRは,基部側よりも頂芽側で多く検出された。  t−ZRは,7日目に約0.l Plnol/mgまで急激に増加した後は,多少の増減はあ るが,49日目までほぼ一定の値を保っていた。

6

}0.4   ・ 壱    ‘, 9 Apical f 竃。.31‘蹴・aL

ξ

e O,2

ξ

ぱ     0   7  10

14

■目目

21    28    49   (days) Fig.19 不定芽形成過程における節間切片中のt−ZRの含量と分布

(46)

 IPAの含量についても,同様に調査した。 t−ZRとは異なり,IPA含量には大 きな変動があり,不定芽誘導14日目に約0.35pmo1/mgの最大値を示した(Fig. 20)。しかし,7日目に急激に増加していたこと,頂芽側で多く検出されたこと はt−ZRと一致しており,これらのことが不定芽形成に重要であることが推察さ れた。  また,本実験では,サイトカイニンはIAAの1/20程度の量しか検出されず, 組織内において,ごく微量のサイトカイニンで劇的な変化が起きていることが 考えられた。  ≦o.4 傷 慧α3 き ξo.2

ξ

§°” ≦ o 一 臼Apical ■Basal

■o

7 10    14    21    28    49   (days) Fig.20 不定芽形成過程における節間切片中のIPAの含量と分布

(47)

第三節 小括  不定芽形成において,誘導7日目にサイトカイニン含量が急激に増加し,こ れが不定芽形成に重要な役割を果たしていることが推察された。形成された不 定芽の茎頂部にて生産されたIAAは,直ちに基部側へ輸送され,節間切片の頂 芽側にIAAが蓄積することが考えられた。  トコンは,植物ホルモン無添加で不定芽を形成するが,頂芽優勢など植物ホ ルモンが関与する現象も認められた。これらの現象に対抗する化学処理や物理 的刺激を施すことにより,切片全体に不定芽が形成され,全ての芽を伸長させ ることができれば,さらに増殖効率が上昇すると考えられる。

(48)

第三章 催吐アルカロイドの新規HPLC分析条件の確立

 トコンは,cephaeline(CP)およびemetine(EM)を主な催吐作用成分とし, 催吐剤,去疾剤等に用いられる重要な薬用植物である。しかし,資源の枯渇が 懸念されることから,前述のように植物組織培養による種々の大量増殖法が確 立され,第一章では,高効率の増殖法を確立した。また,それの方法で得られ た再生植物体のアルカロイド生産能の評価も行なってきた。  木本植物であるトコンは生育が遅く,アルカロイドのHPLC分析に必要な試 料の量が得られるまで大きく生育させるのに非常に時間がかかっていた。しか し,培養系で形成された非常に小さい不定芽のアルカロイド含量から,大きく 生長した再生植物体のアルカロイド含量を推定することができれば,再生個体 のアルカロイド含量を早期に評価することが可能であると考えられる。そのた めには,まず,微量の試料で精密な分析が可能なHPLC分析条件が必要である。

 CPとEMのHPLCによる同時定量法は,1984年にTeshimaらにより順相カ

ラムを用いた方法が報告され42),さらに1993年に,Yoshimatsuらによって逆 相シリカゲルカラムを用いて改良された分析条件が報告された17)。この条件は, 移動層に10mM sodium 1−heptanesulfonateとアセトニトリルを用いたイオンペ ア法であるが,トコンの根の抽出エキスを分析すると,CPとEMが標準品にお ける保持時間よりも15∼30秒遅れて検出されるという問題点がある(Table 6)。 加えて,これらの化合物のピークはブロードで,ピーク形状は非対称である。 また,日本薬局方十五改正20)に記載されている,移動層の有機溶媒にメタノー ルを用いた分析条件においても,CPおよびEMが標準品よりも8∼16秒遅れて 検出されるうえ,ピーク形状は良好ではない。また,Asanoらが日本薬局方に 記載されている条件を一部改変し,ヒトの血漿および尿中のトコンアルカロイ ドを分析した報告43)においても,標準品の保持時間はCPが11分, EMが16

(49)

分であるのに対し,分析試料中のCPおよびEMの保持時間は,それぞれ7分 および10分であり,標準品と一致していない。  本章では,これまでの催吐アルカロイド分析条件を再検討し,ピーク形状が 良好かつCPおよびEMの保持時間が標準品と試料とで差の小さい,トコン中 の催吐アルカロイドの新規HPLC条件を確立した。さらに,その条件を用いて 節間切片に形成された小さな不定芽のアルカロイド分析を行ない,微量分析の 可能性を検討した。 Table 6 根抽出試料と標準品におけるCPおよびEMの保持時間の違い Retention time(min)

Standard Extract Difference(sec)*

Yoshimatsu   CP   10.79±0.004 &Shimomura1) EM  l5.16±0.006 The Japanese   CP   lO.26±0.011 Phamlacopoeia2)EM  14.03±0.009 ll.00±0.022    12.6±0.027 15.60±0.025    26.1±0.030 10.39±0.012     7.5±0.003 14.31±0.006    16.7±0.003 *Di ffe rence(sec)は,標準品および抽出試料におけるCPおよびEMの 保持時間の差を示す。 1)Yoshimatsu and Shimomura, Phytochemical Analysis(1993) 2)The Japanese Pharmacopoeia XV(2005)

(50)

第一節 材料および方法 第一項 材料  既報10)を一部改変し,トコンの培養不定根からアルカロイドを抽出した。凍 結乾燥した根を乳鉢で粉砕し,約50mgの粉末試料にlmlの10%アンモニア 水を加え,よく撹拝した。さらに30mlのジエチルエーテルを加えて,5分間 抽出し,抽出液全量を綿栓ろ過した。ろ液は1本のサンプルびんに回収し,窒 素ガスで抽出溶媒を濃縮後,真空ポンプを用いて更に減圧乾固した。これを1ml のメタノールに溶解し,100plずつに分割したものを個々に窒素ガスで濃縮, 乾固し,分析まで一20°Cで保存した。  Emetine hydrochlorideは,Sigma社より購入した。Cephaeline hydrochlorideは, Teshimaらの方法30)に従い,トコンの根から単離および精製を行なった。 第二項 分取TLCを用いて抽出したアルカロイドの精製

 試料のHPLC分析におけるCPおよびEMの保持時間が標準品よりも遅れる

要因を明らかにするため,約2gの培養根を,第三章 第一節 第一項で述べ た方法に従って抽出した。適量のメタノールに溶解した不定根の抽出試料を, シリカゲルプレート60F254(MERCK)にスポットし,クロロホルムーメタノ ールー10%アンモニア水(100:10:1)で展開した。アルカロイドは,UVラン プで検出し,UVランプ下で可視できるバンドを個別に回収した。回収したシ リカゲル粉末はそれぞれクロロホルムーメタノール(2:1)で抽出し,窒素ガ スで濃縮,乾固し,使用するまで一20°Cで保存した。 第三項 HPLC分析条件  試料はメタノールに溶解し,5plをHPLC分析に用いた。催吐アルカロイド の分析には,以下のHPLCカラム, TSKgel ODS−120A(250 mm x 4.6 mm i.d.,東

(51)

ソー),CAPCELL PAK C18MGII, ACRおよびUGI20(250 mm×4.6 mm i.d.,資 生堂)を使用した。流速は,CPおよびEMの保持時間およびピーク形状を考慮 し,カラム毎に0.8∼1.2m1/minの範囲で設定した。カラム温度は60°Cとし, 検出は285nm(UV検出器)で行なった。各試料は3回分析し,各化合物の保 持時間およびピークの半値幅は平均値を示した。本実験のデータは,Multi Station LC−8020(東ソー)により算出された。  Yoshimatsuらが報告した条件17)は,カラム:TSKgel ODS−120A,移動層:10 mM sodium l−heptanesulfbnate(2%リン酸水溶液でpH 4.0に調整)一アセトニ トリル(67:33),流速:1.O ml/min,カラム温度:40°Cで再現した。  日本薬局方20)に記載されている条件は,カラム:TSKge10DS−120A,移動層: 20 mM sodium 1−heptanesulfonate(2%酢酸でpH 4.0に調整)一メタノール(50:50), 流速:1.3ml/min,カラム温度:60°Cで再現した。

(52)

第二節 結果および方法 第一項 分取TLCにより分画した抽出物のHPLC分析  トコンの根の抽出試料を分析した際に生じる,CPおよびEMの保持時間の標 準品との差を引き起こす要因は,抽出試料中に含まれている爽雑物であると考 えられる。そこで,根の抽出試料を分取TLCにより分画した。分取TLCで得 られたcPおよびEMに相当するバンド(Fig.21, Fr. 4およびFr. 2)を回収し, それぞれの抽出液をYoshimatsuらの分析条件17)を用いてHPLC分析した(Table 7)。標準品におけるCPおよびEMの保持時間はそれぞれ10.722分および15.099 分であったが,分画していない不定根抽出エキスを分析すると,CPIO.955分, EMは15.388分に溶出され,標準品との保持時間の差はCPで約14秒, EMで 約17秒あった。しかし,この抽出エキスにCPおよびEMの標準品を混合して 分析を行なうと,標準品との保持時間の差は3秒以下と小さな値になった。一 方,分取TLCによって得られたCP画分およびEM画分の保持時間は,標準品 とほぼ一致していたが,これらに他の画分(Fig.21, Frs.1,3および5)の抽 出液を混合してHPLC分析を行なうと,CPおよびEMの保持時間は標準品より も遅くなった(Table 7)。以上の結果から,分析サンプル中のCPまたはEM含 量が低くなると,その化合物の標準品との保持時間の差が出るということがわ かった。保持時間がずれると,それに伴ってピーク面積が増減し,同じ化合物 量でも検量線のピーク面積に一致しなくなる。すると正確な定量ができず,特 に微量分析には大きく影響すると考えられる。よって,抽出試料と標準品との 間で起こるCPおよびEMの保持時間の違いを解消するのは非常に重要であり, これまでのHPLC分析条件の再検討を行なった。

(53)

廿ont Fr.1:un㎞own alkaloids Fr.2:emetine Fr.3:protoemetine Fr.4:cephaeline ,         l ,         , i   iFr.5:rest part ofFrs.1−4       t −一”一’”一@    (others) 0「191n     Fig. 21 トコンの根の抽出エキスの分取TLC模式図 プレート:シリカゲルアルミプレート60F254,展開溶媒:クロロホル ムーメタノールー10%アンモニア水(100:10:1),検出:UVランプ (254nm)。

(54)

Table 7 CPおよびEMの標準品および分取TLC画分抽出液のHPLC保持時間 Sample Cephaeline       Emetine Rt(min)  Difference(sec)  Rt(min) Difference(sec) Standards       10.722 Total extract      lO.955 Total extract+statndards       lO.830 ④cephaeline        lO.753 ②emetine       一 ④CP+②EM+③protoemetine lO.894 ④CP+②EM+①unknown  10.905 ④CP+②EM+⑤others   lO.925        15.099 13.98        |5.388       17,34 4.86        15.217       7.08 1.86        −      一   一        15.045       −3.24 10.32       15.318     13.14 10.98        15.373       16.44 12.18        15.395       17.76 HPLC分析は, Yoshimatsuらの条件17)を用いて行なった。

(55)

第二項 イオンペアHPLC分析条件の検討 (1)有機溶媒  移動層の有機溶媒には,Yoshimatsuらの方法17)ではアセトニトリルが,日本 薬局方20)ではメタノールが用いられている。これらの条件で標準品および不定 根抽出エキスの分析を行ない,CPおよびEMのピークのテーリングファクター (As)を算出した。 Yoshimatsuらの条件17)では, CPでAs=0.25であったが, 日本薬局方に記載されている条件20)では,CPはAs=0.33とAs=1に近づき, Yoshimatsuらの条件17)で分析した場合より対称なピークとなっていた(Fig. 22)。 そこで,有機溶媒をメタノールと同じアルコール系のエタノV−一一・・ルに換えて分析 を行った結果,EMのAsがo.38となり,よりピークが対称形になった(Fig.22)。 以上の結果から,有機溶媒にエタノールを用い,他の条件の検討を行なった。

(56)

100. 50.

一一一『一一『一

u

10. OO AA・==O.27 50. t_一一..._  蹴□.」 B)MeOH(The Japanese Phamacopoeia)       CP 10.00 ’‘一”一一““””−P   cLli    l    t    !  ■i 20.00 |   100. 但v 1 C)EtOH       CP ch.1

EM

i  5α00「

堰o

      As=0.33     As=0.38 x Fig.22 10.00  ,画20.00 ・ 有機溶媒が異なる条件におけるCPおよびEM標準品のHPLCクロマトグラム および各ピークのテーリングファクター(As) A:Yoshimatsu and Shimomura, Phytochemical Analysis(1993) B:The Japanese Pharmacopoeia XV(2005) C:カラム;TSKgel ODS−120A(東ソー),移動相;20 mM sodium  1−heptanesulfonate(2%酢酸でpH 4.0に調整)一エタノール(65:35),  流速:1.O ml/min,カラム温度;60°C,検出波長;285 nm

(57)

(2)カウンターイオン溶液のpH  カウンターイオン溶液のpHを調整する試薬として, Yoshimatsuら17)は2% リン酸水溶液を使用し,日本薬局方20)では酢酸が採用されている。リン酸を用 いた方が酢酸を用いた場合よりも化合物の分離が良好であり,また,ピークの 半値幅が小さいことから,ピークがシャープであることが判った(Fig、 23)。こ の結果より,以後の実験ではカウンターイオン溶液のpH調整に2%リン酸水 溶液を使用した。

5050505050

44332211

︵8・・三ヨ毛= ● ●

● ● ●

●●

●EM

●CP    standard      extract      standard      extract       2%CH3COOH       2%H3PO4  Fig.23 cPおよびEMピークの半値幅に対するpH調整試薬の影響 移動層:10mM sodium 1−heptanesulfonate(pH 4.0)一アセトニトリル (67133),流速:1.O ml/min,カラム温度:40°C,検出波長:285 nm。

(58)

 20mM sodium 1−heptanesulfbnate水溶液のpHを2%リン酸水溶液で3.0,3.5 および4.0に調整し,ピークの半値幅に対する影響を調査した。  pH 3.5において,抽出試料におけるCPおよびEMピークの半値幅は標準品 におけるピークの半値幅とほぼ同等で,安定した分析を行なうことができると 判明した(Fig.24)。以後の実験において,カウンターイオン溶液のpHは3.5 とした。 ハU く∨ 0  く∨ 0 3 ︹∠ ︹∠ ーエ ー

5 

0 ︵8・・︶エも言出患 ●● ●● ●● ●● ●● ●●

●EM

●CP       STD   Extract  STD   Extract  STD   Extract         pH 3.O        pH 3.5        pH 4.O Fig.24 CPおよびEMピークの半値幅に対するNa l−heptanesulfonateのpHの影響    移動層:20mM sodium l−heptanesulfonate一エタノール(65:35),流    速:1.O ml/min,カラム温度:60°C,検出波長:285 nm。

(59)

(3)カウンターイオンの種類  催吐アルカロイドのHPLC分析に最適なカウンターイオンを決定するため, 20mMの濃度, pH 3.5で調製した種々のカウンターイオン溶液をエタノールと 混合し,HPLC分析を行なった。 CPの保持時間が10.7∼13.5分の範囲になるよ う混合比および流速を調節した。Sodium 1 −heptanesul fo nate水溶液とエタノー ルの混合液を用いた際に,検出された未知化合物数が6で最も多く,不定根抽 出試料中の化合物の分離が最も良好であった(Fig.25)。加えて,標準品および 抽出試料におけるCPおよびEMピークの半値幅がほぼ一致しており,安定し た分析を行なうことができた(Fig.26)。 1。ooo〔   .       _一一   。如  A)Pentane       s         cp         I50CO      l       EM  −…’・一鳥・・.∴e..・。, |。。。。pv      。hl  C)Heptane      6  1        CP 6000−      r

コ(⊃re 8もぷ

      Fig.25  ポ  1 Bl ’A6.ahe    51而l

s・c・1  9P

L≦)会○も…一謝

100co蜻@      eh l   D)Octane      4          CP Go oo

   4⊇=昼劉.㌔譜

       トコン不定根抽出試料のHPLCクロマトグラム 各クロマトグラムの右上の数字は,検出された未知化合物数を表す。 赤丸は,検出された未知化合物のピークを示す。カラム:TSKgel ODS−120A(東ソー),カウンターイオン:A)pentane;sodium 1−pentanesulfonate, B)hexane;sodium 1−hexanesulfonate, C)heptane;

(60)

︵。旦工壱言出邸=

050く︼0

3︵∠︹∠11▲

く∨0

●●

●●

●●

●● ●● ●● ●● ●●

●EM

●CP      STD  Extract STD  Extract STD  Extract STD  Extract       pentane      hexane      heptane       octane Fig.26 CPおよびEMピークの半値幅に対するカウンターイオンの影響  カラム:TSKge10DS・120A(東ソー),カウンターイオン:A)pentane;  sodium I−pentanesulfbnate, B)hexane;sodium 1 −hexanesul fonate, C)  heptane;sodium 1−heptanesulfonate, D)octane;sodium i−octanesulfonate,  移動層:A)pentane−EtOH(75:25), B)hexane−EtOH(70:30), C)heptane,  D)octane−EtOH(65:35)流速:A)pentane;0.8 m1/min,他B−D;1.O  ml/min,カラム温度:60°C,検出波長:285 nm。

参照

関連したドキュメント

振動流中および一様 流中に没水 した小口径の直立 円柱周辺の3次 元流体場 に関する数値解析 を行った.円 柱高 さの違いに よる流況および底面せん断力

12―1 法第 12 条において準用する定率法第 20 条の 3 及び令第 37 条において 準用する定率法施行令第 61 条の 2 の規定の適用については、定率法基本通達 20 の 3―1、20 の 3―2

This product controls annual and perennial weeds listed on this label prior to planting or emergence of corn, cotton, rice, sorghum and soybeans, and following the harvest of any

ピアノの学習を取り入れる際に必ず提起される

さらに体育・スポーツ政策の研究と実践に寄与 することを目的として、研究者を中心に運営され る日本体育・ スポーツ政策学会は、2007 年 12 月

Abstract: This paper describes a study about a vapor compression heat pump cycle simulation for buildings.. Efficiency improvement of an air conditioner is important from

№3 の 3 か所において、№3 において現況において環境基準を上回っている場所でございま した。ですので、№3 においては騒音レベルの増加が、昼間で

We measured the variation of brain blood quantity (Oxy-Hb, Deoxy-Hb and Total-Hb) in the temporal lobes using the NIRS when the tasks of the memories were presented to the sub-