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保育者のバーンアウト傾向に及ぼす要因の検討 : コミュニケーションスキルと職場内の人間関係に着目して

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(1)

平成

25年

学位 論文

保育者のバーンア ウ ト傾 向に及ぼす要因の検討

=コ

ミュニケー シ ョンス キル と職場 内の人 間 関係 に着 目して

=

兵庫教育大学大学院修士課程

人間発達教育専攻

幼 年 教 育 コー ス

2︲

(2)

次 問題 と 目的 研 究 方 法

………

4

1.調

査 対 象 お よび調 査 の手続 き

2.調

査 内容 結果 と考察 ….・・ … … … … ・ ・・. … … … … 11

1.各

評定尺度の因子構造

2.各

変数の立場(管理職、中間管理職、保育担 当者)による差の検討

(1)管

理職 との関係 によるス トレッサー (2)中 間管理職 との関係 によるス トレッサー

(3)保

育担 当者 との関係 によるス トレッサー (の コミュニケーシ ョンスキル (ron職場環境

(6)バ

ーンア ウ ト傾向

3.職

場内人間関係ス トレッサー とバー ンアウ ト傾向の相 関関係(立場別)

(1)保

育担当者 の職場内の人間関係 ス トレッサー とバー ンア ウ トfLI向の相 関関係

(2)中

間管理職の職場内の人間関係ス トレッサー とバー ンアウ ト傾向め相 蘭関係

(0管

理職の職場内の人間関係ス トレッサー とバーンア ウ ト傾向の相関関係

④ コミュニケーションスキルとバーンアウト傾向の相関関係

(5)職

場環境とバーンアウト傾向の相関関係

総合考察 ………Ⅲ…………・…¨ 37

1.研

究結果の概要

2.保

育者支援 の方向性 3。 今後 の課題 引用文献 ……… 47 (付録 1)

(3)

問 題 と 目 的 保育者 が保育 をす ることは、子 どもの発達 を支 える上で重要な役割 を担 うこ とである。そ の役割 を担 うには、まず保育者の心身の健康 を守 られることが期待 され、ひいては子 どもの 健全な育成の一助 になる と考 え られ る。 また、無籐(1991)によれば、インフォーマル な教育 の場である幼稚園や保育所では、保育者は対人的な関係の中で教えるとい う形 を取 り、いわ ば共 同生活者 として子 どもや他の保育者 とかかわっていかなければな らない とし、そ こでは 時間割や教室な どによって時間や空間を区切 られ ることな く生活が展開 され るため、保育者 間の相互理解や連携が求 め られ ると述べている。つま り、幼稚園や保 育所は、人間関係 が際 立 って重要になる職場であると考えられ る。 しか し、現実には、採用後

2∼ 3年

で様 々な理由か ら退職 して しま う保育者 も少な くはな い。長年 、筆者 も幼稚園に勤務 してきたが、近年、若手教諭 の退職者や休職者が多い と感 じ ている。学校基本調査か らも、幼稚園の離職率は とても高 く、若年層 に顕著であることが読 み とれ る。退職や休職 に至 る原 因の一つ に、保育者 の職場 は人数が少 な く、多 くの場合女性 ばか りとい う中で、人間関係のス トレスが考えられ る。 そ こで、保育現場 における人間関係の実情を先行研究か ら探つてみ ると、朝倉(1992)も 、 幼稚 園の職場 は比較的少人数で構成 されてお り、女性だけ とい う場合 も多い ことを指摘 して い る。 さらに、男性 よりも女性の方が職場内の人間関係 をス トレス源 として知覚 しやすいこ とか ら、幼稚園ではその傾 向が顕著であろ うと述べている。嶋崎・森(1995)の研究では、ス トレス性 の高い環境が健康 を害す る要因になっているとし、職場内の人間関係 が『 なかよし クラブ的なお付 き合い』である傾 向が強い現状であると述べている。西坂(2002)は、幼稚園 では子 どもの親 、同僚 との関係、大量の仕事など多 くのス トレッサーが想定 されるが、精神 的健康 を害す るのは、子 どもとのかかわ りに直接関係 しない「園内の人間関係 の問題」「仕事 の多 さと時間の欠如」の因子によるものであるとしている。 また、西坂 。岩立(2004)は、幼 稚 園教師がその経験年数(1・

3年

群、4。

9年

群、

10年

群以上に分 けて調査)にかかわ らず人 間関係 の問題 に煩 わ されてい ること、また経験年数 を経 るごとに、異 なるス トレスに も煩わ され ることを示 した。藤原・古市・松岡(2009)の研究では、教師のス トレスに関する探 索的 研 究 と して、性、年代(20代 、

30代

40代

50代

)、 校種(幼・小 。中 。高・特別支援学校) にお ける差異の検討 を行 つている。その中で、幼稚園の特徴 、これは女性の特徴 とも言 える が、「対人関係」の悪 さが、ス トレス反応 に与える影響が大 きい としている。 これは、西坂 。 岩立(2004)の「幼稚園教師がその経験年数にかかわ らず、人間関係の問題に煩わされている」 ことを支持す るものであった としている。池田 。大川(2012)は、ス トレッサーが職務 に対す る精神状態に及ぼす影響について、保育士 と幼稚園教諭の職種別 に検討 してい る。その中で、 保育士 と幼稚園教諭 の結果 を比較 し、幼稚園教諭 は保育士 よ リバー ンア ウ ト傾 向を高 める要 因が多 く、また職場内でのチーム としての共通意識 は、保育士に とつてはス トレス軽減要因 となるが、幼稚園教諭 にとつてはス トレス評価に関与 しなか った。 また、専門職 としての誇 りは職務上のポジテ ィブな精神状態を高める性質のものではない とい う傾向が見 られた。 こ れ らの結果 を、池 田 。大川 は次の よ うに考察 している。「幼稚園教諭が保育士 とは異な り、チ ーム としての連携作業を苦手 としてお り、職場内の人間関係が『 なか よしクラブ的なお付き 合い』である傾 向が強い現状 (嶋崎 。森(1995)を表 している可能性が ある。また、橋本(2003)

(4)

のい う教師の対人ス トレスの一類型である『 対人摩擦』、すなわち『 表面的には うまくいって いるよ うに見えるが、実は内心ス トレスを感 じている対人関係』 とも考えられ る。現状での 幼稚 園教諭 にお ける『職場の共通意識』 とは『 プ ロフェッシ ョナルな協力体制』 とい うより は『 気遣い しつつ保つ対立のない人間関係』に近 く、職務 に対す る精神状態に関与 しなかっ た と推測 される」 としている。 以上の先行研究は、幼稚園におけるものがほ とん どであるが、保育現場の人間関係 が特有 の ものであ り、その中で保育者がス トレスを感 じていることが うかがえる。しか し、「人間関 係 の問題」はス トレッサーの一つ として扱われ、特にそれ を主題に して、保育者か らデータ を収集 し、分析 した研究は見 られない。西坂(2002)は、「本研究か らは人間関係 の問題及び仕 事量の問題その ものを解決す る方法 を述べ ることはできない」と述べ ている。「仕事量の問題」 は解決できな くとも、「人間関係 の問題」は、それ を把握す ることで、保育者支援の在 り方が 見 えて くるのではないだろ うか。 そ こで、本研究においては、職場内の人間関係 に焦点を当て、保育者のバー ンアウ ト傾向 に及 ぼす要因について検討 してい く。 まず、上述の西坂 。岩立(2004)の知見は、この人間関係 の問題は経験年数 を経 るごとに、 異なるス トレスに煩わ されていることを示 している。 このス トレスの差異には、職場 での立 場が反映 してい るのではないか。幼稚園や保育所 の職場は、少人数ではあるが管理職 、中間 管理職 、保育担 当者で構成 されている。それぞれの立場を意識 した コ ミュニケーシ ョンが必 要であろ う。 しか し、先行研究 においては、保育者 の立場 に着 日した研究はない。そ こで、 本研究においては、 この保育者 の立場(管理職、中間管理職 、保育担 当者)毎に、ス トレスと して感 じている内容やバー ンア ウ ト傾 向に及ぼす影響について探ってい く。 また、その立場 に よる違いも比較検討す る。ス トレッサー としては、他の職員か らの過剰 な要求や対立な ど、 人間関係 の問題 を取 り上げる。具体的には、た とえば、保育担 当者は、管理職や 中間管理職、 保育担 当者(同僚)からのス トレッサーをどの程度感 じているのか、またそれ らがバー ンアウ ト傾向 と関連す るのか、また保育担 当者 と中間管理職では管理職か らのス トレッサー認知に ついて、違いが見 られ るのか等について検討する。 次に、保育者 の人間関係 におけるス トレスを軽減す る要因 を探 ってい く。保育者のス トレ スを軽減する要因を先行研究か ら見てい くと、嶋崎 。森(1995)の研究では、対人依存性 、保 育技術 に対す る自信感 、円滑な人間関係能力への 自信感、お よび園内の情緒的支援者保有度 が、健康を維持す る要因になっていることを示 している。 田中(1999)は、子 どもへの否定的 感情 と仕事の多忙感 が蓄積疲労に影響 を及ぼ し、保育者効力感及び職場内でのサポー トがそ れ を軽減す る要因になってい ることを示 している。西坂(2002)は、「園内の人間関係 の問題」 をス トレス と知覚することにハーデ ィネスが影響 を及ぼす ことを示 した。西坂 。岩立(2004) は、幼稚園教師は経験を経 るにつれサポー トネ ッ トワークを構築 してお り、ス トレス状況と うま く付 き合いなが ら教師 として成長 を続 けている可能性 を示唆 している。池 田。大川(2012) は、ス トレッサーが職務 に対す る精神状態に及ぼす影響について、保育士 と幼稚園教諭の職 種別 に検討 してい る。その中で、保育士 と幼稚園教諭 の結果 を比較 し、職場 内でのチー ムと しての共通意識は、保育士に とつてはス トレス軽減要因となるが、幼稚園教諭 にとってはス

(5)

「上司か らのサポー ト」はいずれ のス トレス反応 の軽減効果 が認 め られず、「同僚か らのサポ ー ト」はス トレス反応 の軽減効果 が認 め られ た とあ る。「家族・友人 か らのサ ポー ト」 も小 。 中・特別支援 学校 では認 め られ なか ったが、幼稚 園のみで軽 減効果 が認 め られ た。 これ らの 結果 に、幼稚 園 の職務 の特殊性 と人員構成 の相違 が反映 してい る と述 べ られ て い る。 ここまでの議論 か ら、保 育者 のバー ンア ウ ト傾 向 を軽減す る要因 として、保 育者 の専 門職 と しての誇 り、ハ ーデ ィネス、上 司や 同僚 、家族 や友 人か らのサ ポー ト、職 場 内のチー ム と しての共通意識 等 々が挙 げ られ て い る。 これ らの軽減要因の うち、保 育者個人 の能力 として は 「ハ ーデ ィネ ス」(西坂,2002)、 「専門職 としての誇 り」(池田 。大川,2012)が検討 され てき た。 しか し、筆者 の経験 では、 こ うした職 業人 と しての能力や態度以前 に、保 育者 は人 間関 係 を織 りな してい く上 で、「本目手 に共感 して 自分 の意 見を伝 え る」等 、とい った基本的 な能力 で あ る コ ミュニケー シ ョンスキル を備 えてお く必 要 が あるのではない か と考 え る。 さ らに、池 田 。大川 (2012)は 、幼 稚 園 にお け る人 間関係 が 、「プ ロフェ ッシ ョナル な協 力体 制」 とい うよ りは、「気遣 い しつつ保 つ対 立 のない人 間関係 」 となって い る と指摘 して いた。 一方 、冒頭 で述べた よ うに、保 育 とい う仕事の特性 として、保 育者 は共 同生活者 として子 ど もや他 の保 育者 とかかわ つていかな けれ ばな らない。 したが って、「職 場 の共通意識」といっ た フォー マル な関係 の前提 と して、職場 内 に仕事 以外 で も「相談 で き る」「気 楽 に話せ る」と い ったイ ンフォーマル な コ ミュニケー シ ョンが とれ る「職場環境」も必要 ではないだろ うか。 保 育者 のバー ンア ウ ト傾 向の軽減 要因 と して、 この 「職場環境 」 も加 えて検討 す る。 以上 を踏 まえて、本研 究 では、職 場 内の人 間関係 の問題 を、「管理職 、中間管理職 、保 育担 当者 との関係 に よるス トレッサー 」 に分 けて探 り、それ ぞれ の立場 毎 に保 育者 のバー ンア ウ ト傾 向 に どの よ うな影響 を与 え るのか を検討 す る。次 に、「コ ミュニケー シ ョンスキル 」と「職 場環境 」 の

2つ

が、保 育者 のバ ー ンア ウ ト傾 向の軽減 要因 とな るのか につい て も、保 育者の 立場 の違 い を踏 まえて比較検討 を行 う。 さらに、得 られた結果 をも とに、保 育者の支援 の在 り方 を探 ってい きたい。 なお 、本研 究 においては、管理職 、 中間管理職 、保 育担 当者すべ て を含 ん だ総称 を保 育者 と し、管理職 とは園長・所長 等 、 中間管理職 とは副 園長・ 主任 。主幹 等 とす る。 そ して 、保 育現場 で管理職 、中間管理職 以外 で保 育 を担 当 してい る教諭 ・保 育士 を保 育担 当者 と呼ぶ こ とにす る。

(6)

研 究 方 法 保 育者 のバー ンア ウ ト傾 向に 「管理職 、 中間管理職 、保育担 当者 との関係 に よるス トレッ サー」,が、どの よ うな影響 を与 え るか、また、「コ ミュニケー シ ョンス キル」「職 場環境 」が、 バ ー ンア ウ ト傾 向の軽減要因 とな りうるのかについて検討す るために、それ ぞれ を評 定す る 尺度 を用 い、質 問紙 に よる調査 を行 った。 1。 調 査対象者 お よび調査 の手続 き

2013年

3月 下旬∼8月下旬 にか けて、前 もつて各幼稚 園・保 育所 等 に協力 を依頼 し、了解 を得 てか ら、園 。所等 に出向いて質 問紙 を配布 した り、郵送 で配布 した りした。 また 、保育 者個 人 に、直接 協力 を依頼 した。3月 下旬 ∼5月 まで に依頼 した分 につ いて は

2012年

度 につ いて、

6月

以降 に依頼 した分 につ いては

2013年

度 について の回答 を依頼 した。 回収 に 当た つて は、個別 に郵送や手渡 しに よつて回収 した り、それぞれ の園 。所 等でま とめて回収 した りした。配布数 は

250部

、回収総数 は

239部

、回収 率は、

99.6%で

あ る。対 象者 の内訳 は、 Table lの通 りで ある。 注)幼保 一体化 園 とは、保 育所 と幼稚 園の所 管や機 能 は残 した まま、一 体的運 営 を行 って いる 施設 を指す。 Table l 対象者 の内訳 保育担 当者 中間管理職 管 理 職 全保 育者 性 別 (人) 女 性

167

29 30

226

男 性 9 3 1 13 計

176

32 31

239

年 齢 (歳) 平均年齢

32. 7

45. 8

57. 5

37. 5

運 営 (人) 公 立

126

26 26

178

私 立 50 6 5 61 勤務 先 (人) 幼 稚 園

101

19 24

144

保 育 所 67 11 6 84 認 定 こ ども園 7 1 0 8 幼保 一体化 園 1 3

(7)

2.調

査 内容 (1)対象者 の属性 性別 、年齢 、勤務 先 の公私 の別 、幼稚 園・保 育所 。認 定 こ ども園 。幼lk―一体化園 。その他 のいずれ に勤務 してい るかを問 う。 また、職場 での立場 を、管理職(園長・所 長 等)。 中間管 理職(冨1園長・ 副所長・ 主任 ・主幹 等)・ 保 育担 当者(管理職 。中間管理職 以外)のいず れ かを 問 う。 (2)評定尺度 職場 内の人 間関係 ス トレッサー尺度 職 場 内の人 間関係 ス トレス尺度 につ い ては、尺度 を 独 自に作成 した。その際 、以下の尺度 を参 考 に した。①西坂(2002)において作成 され た幼稚 園教 師用 ス トレス評 定尺度 の「園内の人 間関係 の問題 」ス トレッサー

2項

目を抽 出。② 高木・ 田中(2003)の教 師 の職 業 ス トレッサー凡度 の職務 環境 のス トレッサ ー

23項

目か ら「職 場 内 の人 間関係」 に関す る

14項

目を抽 出 した。③ 池 田 。大川(2012)が、保 育園保 育士 と幼稚園 教諭 に共通 の因子構造 を確認 す るた めに、両者 の職 務や職 場環境 に対 す る認 識

33項

目か ら 「職場 内の人間関係」に関す るス トレッサー

6項

目を抽 出 した。④原 田 。中塚 (1990)に おい て作成 され た教師 ス トレス凡度 か ら 「対人 関係 ス トレス」 に関す るス トレッサ ー

8項

目を抽 出 した。 ①②③④ の抽 出 した項 目に筆者 が必要 と考 えた

3項

目(⑤)を加 えて 、「職員 に対す る思い」

3項

目、「干渉 。期待 。要求 」

2項

目、「連携 」

7項

目、「関係 」

11項

目、「評価 」

4項

目、「職 場環境 」

6項

目に分類 、整理 した(Table 2)。 その内、「職 場環境 」 につ いては 、職場 全 体の 問題 で あ るた め、「職場 内の人 間関係 ス トレッサー」 とは切 り離 し、「職場環境 」 として独立 させ た。 以下 の 「Table 6 職場環境 の項 目」 に再掲す る。

(8)

Table 2

職場 内 の人 間関係 ス トレッサー凡度項 目分類 職員 に対す る思い 干渉 。期待・ 要求 無責任 な行 動 をす る こ とが多 い② 保育 に対す る意欲 が感 じられ ない③ 保育者 と して尊敬 しに くい③ 過剰 に期待や要求をされ ることが多い② 自分の仕事 について干渉 され ることが多い② 連 携 関 係 子 どもへの思いを共有 しにくい③ 保育や子 どもについて十分話 し合えない③ 自分の苦手な役割を求められることが多い② 仕事上の調整や分担が うまくいっていない② 意見が一致 しなくて気になることがある④ 職務を果たすのに適切な援助がない場合が多い② 指示が分か りにくい⑤ 誤解 を受けることが多い② 責 め られ る ことが多い② 対立す るこ とが多い② 劣等感 を抱 くことが多い② 自分のことを どう思 っているのか気 になる こ とが多い② コ ミュニケー シ ョンを うま く取れ ないことが 多 い② 意見や反論を言いにくい③ 自分を十分に出せない④ 自分の仕事 。保育の悩みを相談できない④ 人間関係を うまくやっていけないのが悩みで ある④ 嫌なことでも断れない⑤ 職場環境 職場 の中で相談す る相手 がいない① 他 の先生同士の関係 を気 に しな くてはな らない こ とが多い① 職場 の中で上下関係 について とて も気 に しな くて はな らない ことが多い② 職場 の先生 は 自分 と比べ て能力が高い と感 じるこ とが多い② 自分の園はチーム ワー クが とれていない① 仕事以外 の ことは気楽 に話 がで きない⑤ 評 価 自分 の保育 を理 解 され て い ない③ 私 のや って い る こ とを十 分 に評 価 して くれ て いない④ 私はあま り仕事をしていないと思われている ④ 私をあまり支持 していなように感 じる④ 注)表中の①∼⑤は、先に本文で指摘 した先行研究 と対応 している。 調 査 に 当たつて は、上記 の 「職 場 内の人 間関係 ス トレッサー尺度 項 目分類 」表 の文 言 を、 対 象者 が回答 しやす い よ うに、主語(管理職 、 中間管理職 、保 育担 当者)を付 けた り、逆転項 目にす るな ど工夫 を した。 以下 に、職場 内の人間 関係 ス トレッサー の一部 、管理職 の 中間管 理職 との関係 によるス トレッサー項 目を掲載す る(Table 3、 その他 につ いて は付録

1参

照)。 また 、管理職 は中間管理職 と保 育担 当者 との関係 に よるス トレッサー 、中間管理職 は管理職 と保 育担 当者 との関係 に よるス トレッサー 、保育担 当者 は管理職 と中間管理職 と保育担 当者 (同僚)と の関係 に よるス トレッサーについて回答 しない とい けないた め、質問紙の作成 に当 た り、管理職用 は黄色、中間管理職 用 は水色 、保 育担 当者 用 は桃色 と、用紙 の色 で区別 した。

5段

(9)

Table 3 管理職 の中間管理職 との関係 に よるス トレッサー項 目 中間管理職 は、 保育 に対 して意 欲 的 で あ る。(■) (2) 中間管理職 が、無責任 な行動 を とることが多い (3) 中間管理職 は、専門家 として尊敬できる。(*) (4) 中間管理職 か ら過 剰 に期 待 や 要 求 を され る こ とが多 い。 (5) 中間管理職 に、私の仕事について干渉 され ることが多い。 (6) 中間管理職 と子 どもへ の思 い を共有 しや す い。(*) (7) 中間管理職 と保育や子 どもにつ いて十 分話 し合 え る。(*) (8) 中間管理職 か ら私 の苦 手 な役 割 を求 め られ る こ とが多 い。 (9) 中間管理職 と仕 事 上 の調 整 や分 担 が うま くい つて い る。(*) 中間管理職 と意 見 が一 致 しな くて気 にな る こ とが あ る。 中間管理職 は 、職 務 を果 たす 際 に協 力的 で あ る。(オ) 中間管理職 に私 の指 示 が通 りに くい 中間管理職 か ら誤解 を受けることが多い。 中間管理職 に責 め られ る こ とが多 い。 中間管理職 と対 立す る こ とが多 い 中間管理職 に劣 等感 を抱 くこ とが多 い。 中間管理職 が、私の ことを どう思 つてい るか気になることが多い。 中間管理職 とコミュニケー シ ョンが うま く取れ ない ことが多い。 中間管理職 に対 して 、意 見や反論 を言 い に くい。 中間管理職 に対 して、 自分 を十分に出せ る。(') 中間管理職 に仕事や保育の悩み を相談できる。(オ) 中間管理職 と人 間 関係 を上手 くや つてい けないのが悩 み で あ る。 中間管理職 に対 して は、嫌 な こ とで も断 れ ない。 中間管理職 は、私 の保育観 を理解 して くれている。(丼) (25) 中間管理 職 は 、私 のや ってい る こ とを十 分 に評 価 して くれ て い る。(') 中間管理職 か ら私 は あま り仕 事 を してい ない と思 われ てい る。 中間管理職 は 、私 を あま り支持 して い ない よ うに感 じる。 注

)(*)は

逆転項 目であ る。

(10)

コミュニケーシ ョンスキル尺度 藤本 。大坊(2007)の コ ミュニケーシ ョン・ スキル尺度の ENDCORE(簡 易版)を使用 した(Table 4)。 この尺度は、

6つ

のメインスキル(自己統制、表現力、 解読力、自己主張、他者受容 、関係調整)か らな り、

6項

目か らなる。ただ し、項 目検討段階 で対象者が答えやすいよ うに、文言 を付 け加 えて使用 した(Table 5)。 評価尺度 は、「とても そ う思 う」か ら「全 くそ うは思わない」の

5段

階評 定である。 Table 4 ENDCORE(簡易 版) メイ ンス キル 項 目文 自己統制 表現 力 解読 力 自己主 張 他者 受容 関係 調 整 自分 の感 情や 行 動 を うま くコン トロール す る 自分 の考 えや気 持 ちを うま く表 現 す る 相 手 の伝 えた い考 えや気 持 ちを正 しく読 み取 る 自分 の意 見や 立場 を相 手 に受 け入 れ て も らえ る よ うに主 張す る 相 手 を尊 重 して相手 の意 見や立場 を理解 す る 周 囲 の人 間関係 にはた らきか け良好 な状態 に調 整す る

Table 5

コ ミュニケー シ ョンスキル尺度 の項 目 (1) 私 は、 自分 の感情や行 動 を うま くコン トロールす るこ とが できて い る と思 う。 (2) 私 は、 自分 の考 えや気持 ちを うま く表現す るこ とがで きてい る と思 う。 (3) 私 は、相手 の伝 えたい考 えや気持 ちを正 しく読 み取 るこ とがで きてい る と思 う。 (4) 私 は、自分の意見や立場 を相手 に受 け入れて もらえるよ うに主張す ることができてい る と思 う。 (5) 私 は、相手 を尊重 して相手 の意見や 立場 を理解 す るこ とがで きて い る と思 う。 (6) 私 は、周 囲の人間関係 にはた らきか け良好 な状態 に調整 す るこ とがで きて い る と思 う。 職場環境 職場 内の人 間関係 ス トレッサー の分類 、整理 を行 った際 に、職 場 内の人 間 関係 や雰 囲気 な ど、園・所 内の人 間 関係 にお け る「職場環境 」に関す る

6項

目が抽 出 され た(Table

2職

場 内の人間関係 ス トレッサー尺度項 目分類)。 この うち、イ ンフォーマル な関係 を表 す5 項 目を採 用 し、「職場環境 」と命名 して、職場環境 が どの よ うな環境 か を測定 で きるよ うに作 成 した(Table 6)。 評 定尺度 は 「とて もそ う思 う」か ら「全 くそ うは思 わない」までの

5段

階 評 定 で あ る。

Table 6

職場環境 の項 目 職場 の 中で相談す る相 手 がい る。 (2) 他 の先生 同士の関係 を気 に しな くてはな らない ことが多 い。 (3) 職場 の 中で上下関係 について とて も気 に しな くてはな らない こ とが多い。 (4) 自分 の 園 は チー ム ワー クが とれ て い る。 (5) 仕事 以外 の ことで も気 楽 に話 がで き る。

(11)

バー ンア ウ ト尺度 田尾 。久保(1996)の 日本語版バーンア ウ ト尺度 を教師用 に改訂 し た伊藤(2000)の尺度

17項

目に、筆者の経験か ら「まわ りか ら言われたことが、頭か ら離れ

ず苦 しくなることがある」「仕事の ことが気になって、夜 も眠れない ことがある」の

2項

を加 えて、バーンアウ ト尺度 を作成 した(Table 7)。 もともと、田尾 。久保(199つの尺度 は

Maslach&Jackson(1981)の

開発 した Maslach's Burnout lnventory(以 下

MBI)を

基 としてい

る。

MBIは

先行研究の蓄積による信頼性 とともに、心理的ス トレス反応や身体的ス トレス反 応 である「情緒的消耗感」とともに仕事に対す る行動的ス トレス反応である「脱人格化」、「達 成感 の後退」な ど比較的少 ない項 目数で広 くス トレス反応 を捉 える尺度である。しか し、「情 緒的消耗感」「脱人格化」については、田尾 。久保 、伊藤の尺度 と同様 であるが、「達成感の 後退」 については、田尾 。久保 、伊藤では 「個人的達成感」 とポジィテ ィブな気持ちを表 し ている。本研究においても、保育者の内面を表すにも理解 しやすいため、あえて逆転項 目に しないで、田尾 。久保、伊藤の「個人的達成感」を採用 した。評定尺度 は、「いつ もある」か ら「全 くない」までの

5段

階評定である。 Table 7 バー ンア ウ ト尺度の項 目 (1) われ を忘れ るほ ど仕事 に熱 中す るこ とが ある。 9 “ こん な仕 事 、 も うや め たい と思 うこ とが あ る。 (3) こまごまと気 くば りす ることが面倒に感 じることがある。 (4) この仕事 は私 の性分 に合 つている と思 うことが ある。 (5) 同僚や子 どもの顔 を見 るの も嫌 にな る ことが あ る。 (6) 自分 の仕事 がつ ま らな く思 えて しかたのない こ とがあ る。 (7) 一 日の仕事 が終わ る と 「や つ と終わ つた」 と感 じるこ とがある。 (8) 出勤前 、職場 に出 るのが嫌 になつて、家 にい たい と思 うことが あ る。 (9) 仕事 を終 えて、今 日は気持 ちの よい 日だつた と思 うこ とがある。 (10) 同僚や子 ども と何 も話 した くな くな るこ とがあ る。 仕事 の結果 は ど うで もよい と思 うこ とがある。 (12) 仕事 の た め に心 に ゆ と りが な くな つ た と感 じる こ とが あ る。 今の仕事 に、心 か ら喜 び を感 じるこ とがある。 (14) 今の仕事 は、私 に とつてあま り意味 がない と思 うこ とが あ る。 仕事 が楽 しくて、知 らない うちに時間 がす ぎ る こ とが あ る。 (16) 体 も気持 ち も疲れ はてた と思 うことが ある。 (17) まわ りか ら言 われ た ことが、頭 か ら離れず苦 しくな る こ とが あ る。 (18) われ なが ら、仕事 を うま くや り終 えた と思 うこ とが あ る。 (19) 仕事 の ことが気 にな って、夜 も眠れ ない ことが あ る。

(12)

(3)調査用 紙 上記 の対象者 の属性 、評 定尺度(職場 内の人間関係 ス トレッサー、コ ミュニ ケー シ ョンスキ ル 、職場環境 、バー ンア ウ ト)に、本研 究 の趣 旨等 を記載 した依頼状 を付 けて調 査用紙 を作成 した(付録 1)。 なお 、「職場 内の人間 関係 ス トレッサー尺度」 の ところで も触 れ たが、全対象 者 が回答 す る 「対象者 の属性 」「職 場環境 」「コ ミュニケー シ ョンス キル 尺度 」「バー ンア ウ ト 尺度 」につ いては 白色用紙 を使 用 し、職場 内 の人間関係 によるス トレッサー尺度 につい て は、 管理職 の回答す る分 は黄 色、 中間管理職 が回答す る分 は水色 、保 育担 当者 が回答す る分 は桃 色 と区別 した。 (4)デー タの解析 「職場 内の人間関係 ス トレッサー尺度」「コ ミュニケー シ ョンスキル尺度」「職場環境 」「バ ー ンア ウ ト尺度 」 について、それ ぞれ の評 定尺度 の信頼性 を確認す るため、因子分析 を行 つ た。 そ の後 、職場 内の人 間関係 に よるス トレッサー 、 コミュニケー シ ョンス キル 、職 場 環境 の認識 、バー ンア ウ ト傾 向につ いて、立場 に よる差 があるか を確認 す るため、一元配置 の分 散 分析 を行 つた。 そ して、バ ー ンア ウ ト傾 向 と職場 内の人 間 関係 に よ るス トレッサー 、 コ ミ ュニケー シ ョンスキル 、職場環境 との間に どのよ うな相関関係 があ るのかを見 るため、 ピア ソンの相 関係 数 を算 出 し、検討 を行 つた。 統計処理 は、

SPSS17.0を

用 いて行 つた。

(13)

結 果 と考 察 1。 各評 定尺度 の因子構 造 職場 内 の人 間 関係 に よるス トレッサー 「管理職 との関係 によるス トレッサー」

27項

目、 「中間管理職 との関係 に よるス トレッサー」

27項

目、「保育担 当者 との関係 に よるス トレッ サー」

27項

目につ いて、それ ぞれ 主因子 法 、プ ロマ ックス回転 に よる因子分析 を行 つた。「管 理職 との関係 に よるス トレッサー」につ いて は中間管理職 と保 育担 当者 、「中間管理職 との関 係 に よるス トレッサー」については管理職 と保 育担 当者 、「保育者 との関係 に よるス トレッサ ー」 はすべての協力者 の評 定値 を分析 の対象 と した。因子数 は固有数

1以

上 を基準 と した。 その結果 、全 ての項 目の因子負荷 量 が。

35以

上 を示 したた め、因子 を構 成す る項 目と した。 因子名 の命名 に当た つては、先行研 究の知 見 (Table 2で整理

)を

参 照 の上 、各因子 に分類 され た項 目の性 質 に着 目し、大学院生 と教員 の協議 に よ り合 意 され た ものを採 用 した。 (1)管理職 との関係 に よるス トレッサー (Table 8) 「管理職 との関係 によるス トレッサー」か らは、4因子 が抽 出 され た。結果 と して、Table

lで

示 した 「職 場 内の人 間関係 ス トレッサ ー尺度項 目分類 」 に、類似 してい た。 第 1因子 を構 成す る項 目には、「私 の こ とを ど う思 つてい るのか気 になる」「私 をあま り支 持 していない よ うに感 じる」 な ど、管理職 との関係 に不信感 を抱 い てい るこ とか ら生 じる多 様 なス トレス反応 が含 まれ てい る。 この こ とか ら、第

1因

子 を 「不信感」 と命 名 した。 第2 因子 は 「保 育や子 どもについて十分話 し合 える(')」 「職務 を果 たす際 に協力的 である(・ )」 「仕 事や保 育 の悩み を相談 で き る(*)」 な ど、管理職 との協力関係 を示す ものに よって構成 されて い る。 これ らは、逆転項 目であることか ら、第

2因

子 を 「連 携 不足」 と命名 した。第 3因子 は 「対 立す るこ とが多い」「責 め られ るこ とが多い」な ど、管理職 と対 立 して い ることが うか が える項 目か ら構成 され てい る。 したが つて、第

3因

子 は 「対 立」 と命名 した。第

4因

子 は 「過剰 に期待や要求 を され る」「自分の苦手 な役割 を求め られ る」な ど、過乗Jな管理職 の要求 を示す項 目で構成 され てい るこ とか ら「過剰 な要求 」 と命名 した。 (2)中間管理職 との関係 に よるス トレッサー (Table 9) 「中間管理職 との関係 に よるス トレッサー」か らも、

4因

子 が抽 出 され た。 第

1因

子 は、 管理職 との関係 に よるス トレッサー と同様 、 中間管理職 との 関係 に不信感 を抱 いてい る こと か ら生 じる多様 なス トレス反応 が含 まれ てい る。 この ことか ら、第

1因

子 を 「不信感 」 と命 名 した。 第

2因

子 も、管理職 との関係 に よるス トレッサー と同様 、 中間管理職 との協力 関係 を示す ものに よつて構 成 され てい るため、「連携 不足 」 と命 名 した。 第

3因

子 は 「自分 を十 分 出せ ない」「子 どもへ の思い を共有 しに くい」 な ど、中間管理職 との関係 の 中で 自分 の居 場所 が ない とい うス トレ ッサー を示す項 目か ら構成 されてい る こ とか ら、「居場所の不在」と 命名 した。 第

4因

子 は 「私 の仕事 につ いて干渉 され るこ とが多 い」「対 立す る ことが多 い」 な ど、中間管理職 と対 立 してい る こ とが うかが える項 目か ら構成 され てい るた め、「対 立」と 命名 した。 「管理職 との関係 によるス トレッサー」との比較 では、「過 剰 な要求」が独立 した因子 とし ては抽 出 されず 、「居場所 の不在 」 とい う新 たな因子 が見出 された。 この ことは、中間管理職

(14)

は仕事 の指示や 監督指 図 をす る立場 とい うよ りは、管理職 や保 育担 当者 に とつて思い を共有 で きる相 手 として求 め られ てい る こ とを反 映 してい るのではないだ ろ うか。 (3)保育担 当者 との関係 に よるス トレッサー (Table 10) 「保育担 当者 との関係 に よるス トレッサー」か らは、

5因

子 が抽 出 され た。第 1因子 は「対 立す る こ とが多 い」「私 の こ とを ど う思 つてい るか気 にな る」 な ど、保 育担 当者 との対 立や、 保育担 当者 との関係 に不信感 を抱 いてい る ことか ら生 じるス トレス反 応 が含 まれ てい るため 「対立 と不信感 」 と命名 した。第

2因

子 は、管理職 。中間管理職 との 関係 に よるス トレッサ ー と同様 、保育担 当者 との協力関係 を示す項 目か ら構成 され ているこ とか ら 「連携不足」 と 命名 した。第

3因

子 は 「自分 の苦手 な役割 を求 め られ るこ とが多い」 な ど、過 剰 な保 育担 当 者 の要求 に よるス トレッサー を示 す項 目で構成 され てい る こ とか ら 「過剰 な要求」 と命名 し た。 第

4因

子 は 「私 のや ってい る こ とを十 分 に評価 して くれ てい る(キ )」 「保育観 を理解 して くれ てい る(丼 )」 な ど、相互理解や評価 にかかわ るス トレッサー を示す 項 目で構 成 され て い る。 これ らは逆転項 目で ある こ とか ら 「無理解 」 と命名 した。第 5因子 は 「子 どもへ の思 い を共 有 しに くい」「自分 を十分 出せ ない」 な ど、 中間管理職 との関係 に よるス トレッサー と同様、 保 育担 当者 との関係 の 中で 自分 の居場所 が ない とい うス トレ ッサー を示す項 目か ら構 成 され てい る こ とか ら「居場所 の不在 」 と命名 した。 ここで は、管理職や 中間管理職 との関係 に よるス トレッサーでは抽 出 され なかつた因子 と して 、「無理解 」 とい う新 たなス トレッサー が見 出 され た。本研 究 の調 査対象者 は、保 育担 当 者 が

75%を

占めてい る。 したが つて、同僚 との関係 に よるス トレッサ ー をか な り反映 してい るもの と推察 され る。保 育担 当者 は、同僚 に対 して 「自分 の ことを分 か つて ほ しい、十 分に 評価 して ほ しい」 とい う思 いを抱 いてお り、それ が満 た され ない とス トレス にな るこ とを示 してい るのではないだ ろ うか。

(15)

Table 8 管理職 との関係 に よるス トレッサーの因子 分析結 果

(N=203)

項 目内容 負荷量 不信感 連携 不足 対 立 過剰 な要求 20.管理職 に対 して、 自分 を十分 に出せ る(*) 17.管理職 が、私 の ことを どう思 つてい るか気 になる ことが多い 19.管理職 に対 して、意見や反論 を言 いに くい 27.管理職 は、私 をあま り支持 していない よ うに感 じる 18管理職 とコ ミュニケー シ ョンを うま く取れ ない こ とが多い 16.管理I・lに 劣等感 を抱 くことが多い 26.管理職 か ら私 はあま り仕事 を していない と思われ てい る 24.管理職 は、私 の保育観 を理解 して くれ てい る(*) 23.管理職 に対 しては、嫌 な ことで も断れ ない 25.管理職 は、私のや っていることを十分 に評 価 して くれている(*) 13.管理職 か ら誤解 を受 けることが多い 1.管理職 は、保育 に対 して意欲的であ る(*) 7.管理職 と保育や子 どもについて十分話 し合 える(丼) 3.管理職 は、専門家 と して尊敬 できる(*) 11.管理職 は、職務 を果たす際に協力的であ る(・ ) 21.管理職 に仕事や保育の悩みを相談で きる(*) 2.管理職 が無責任 な行動 を とることが多い 9.管理職 と仕事上の調整や分担 が うま くいっている(') 6.管理職 と子 どもへの思いを共有 しやす い(*) 15管理職 と対立す ることが多い 12管理職 の指示 が分か りに くい 14.管理職 に責 め られ ることが多い 22.管理職 と人間関係 を上手 くや つてい けないのが悩みである 10.管理職 と意見が一致 しな くて気 にな ることがある 4.管理職 か ら過乗1に期待や要求 を され ることが多い 8.管理職 か ら自分の苦手な役割 を求 め られ ることが多い 5管理職 に、私の仕事 について干渉 され ることが多い .854 .784 .696 .683 .612 .599 .594 .588 .554 .537 .501 -―.239 .228

-.239

.057 .286 -―.364 .200 .014 .086 .024 .380 .507

-.004

.077 .319 .224 .025 -―228 .106 .026 .014 -―.197 .016 .438 .076 .412 -―.029 .982 .834 .725 .669 .657 .582 .567 .439 -―.049 .191 -―.012 -―.048 .253

-.011

-―.084 -―.063 ――

.024 -.001

-―.080 .094 -―.133 .243

.231 -.034

.388 -.155

.088 .216

.207 -.015

-―

.002 -.122

-―.338 .437

.020 -.053

.446 .032 -―

.119 -.043

-.212 -.082

.277 .039

.172 -.050

-―

.063 -.123

.326 .223 -―.032 .168 .301 .136

.864 -.072

.606 .131 .526 .094

.509 -.104

.385 .313

-.033 .790

.109 .521 .289 .510 (丼)は逆転 項 目 固有値 13.105 3.024 1.565 1.014 α係 数 0.930 0.905 0.892 0.837 因 子 間相 関 因子 1 因子 2 因子 3 因子 4 因 子

1

因 子 2

-

。468 .468 -.601 .612 .495 ,341 因 子

3

因 子 4 .601 .495 .612 .341 - .610

.610

(16)

-Table 9

中間管理職 との関係 に よるス トレッサーの因子分析結 果

(N=174)

項 目内容 負荷量 不信感 連携 不足 居場 所 の不在 対 立 17.中間管理職が、私の ことをどう思っているか気になることが多い 16.中間管理職 に劣等感 を抱 くことが多い 26.中間管理職か ら私はあま り仕事を していない と思われている 27.中間管理職 は、私 をあま り支持 していないよ うに感 じる 14_中間管理職 に責 め られ ることが多い 23.中間管理職 に対 しては、嫌 な ことで も断れない 22.中間管理職 と人間関係を上手 くやつていけないのが悩みである 19。中間管理職 に対 して、意見や反論 を言いに くい 8中間管理職か ら自分の苦手な役割 を求 め られ ることが多い 18.中間管理職 とコミュニケーシ ョンをうまく取れないことが多い 13.中間管理職か ら誤解 を受 けることが多い 4中間管理職 か ら過剰 に期待や要求 を され ることが多い 7中 間管理職 と保育や子 どもについて十分話 し合 える(■ ) 21.中間管理職 に仕事や保育の悩み を相談 で きる(丼) 1.中間管理職 は、保育 に対 して意欲 的で ある(') 3.中間管理職 は、専門家 として尊敬で きる(・ ) 11.中間管理職 は、職務 を果たす際に協力的である(*) 2.中間管理職 が無責任 な行動 をとることが多い 25中 間管理職は、私のやっていることを十分に評価してくれている(・ ) 24中間管理職 は、私の保育観 を理解 して くれてい る 9中間管理職 と仕事上の調整や分担 が うま くいってい る(*) 20。中間管理職 に対 して、 自分 を十分 に出せ る(*) 6.中間管理職 と子 どもへの思いを共有 しやすい(*) 5中間管理職 に、私 の仕事 について干渉 され ることが多い 15。中間管理職 と対立す ることが多い 12.中間管理職の指示 が分か りに くい 10中間管理職 と意 見が一致 しな くて気 になることがある .871 .802 .758 .753 .739 .715 .691 .664 .660 .648 .631 .515 .043 .013 -―.377 -―.230 .075 -―.158 .413 .442 .213 .297 -―167 .526 .267 .224 .141 ―.217 -―.156 .078 .126 -―.025 -―172 .118 .043 -―.073 .183 .104 -.111 .890 .798 .790 .780 .757 .666 .632 .555 .506 -―.066 .188 -―。179 .212 .351 .376 .010 -.021 -―003 .107 -―.005 -.065 .004 -.084 .062 .235 -―.049 .130 ,163 .005 .160 .055 -―.016 .256 .091 .088 -―.038 .261 .032 .416 -―.042 -.177 .087 -―.148 .046 .093 .154 .158 .024 .043 -―.004 .307 -―.153 -― 。117 -―.199 -―.043 -―.062 .202 .907 -.189 .656 .214 -―.098 .619 .048 .477 -―.013 .472 .008 .423 (*)は逆転 項 目 固有値 12.864 3.181 1.580 1.064 α係 数 0.943 0.917 0.779 0.854 因子 間相 関 因子 1 因子2 因子 3 因子4 因 子

1

因 子 2 - .524 .524 -.272 .268 .443 .477 因 子

3

因 子 4 .272 .443 .268 .477

- .412

.412

(17)

-Table 10

保 育担 当者(同僚)と の関係 に よるス トレッサーの因子 分析結果 鰤

=231)

項 目内容 負荷 量 対立 と不信た 連携 不足 過剰 な要求 無理 解 居場所 の不在 15.保育担 当者 と対 立す る こ とが多 い 14保育担 当者 に責 め られ るこ とが 多 い 13.保育担 当者 か ら誤 解 を受 ける こ とが多 い 18.保育担当者とコミュニケーションをうまく取れないことが多い 16保育担 当者 に劣等感 を抱 くこ とが多 い 27.保育担 当者は、私 をあま り支持 していない よ うに感 じる 22.保育担当者と人間関係を上手くやつていけないのが悩みである 17保育担当者が、私のことをどう思っているか気になることが多い 10:保育担 当者 と意 見が一致 しな くて気 にな ることがあ る 19保育担 当者 に対 して、意 見や反論 を言 い に くい 26.保育担当者から私はあまり仕事をしていないと思われている 1.保育担 当者 は、保 育 に対 して意 欲 的 で あ る(・ ) 3保育担 当者 は、専 門家 と して尊 敬 で き る(*) 2.保育担 当者 が無責任 な行 動 を とる こ とが多 い 11.保育担 当者 は、職 務 を果 たす 際 に協 力 的 で あ る0) 9.保育担当者 と仕事上の調整や分担が うまくいっている←) 12.保育担 当者の指示が分か りに くい、または通 りに くい 7.保育担 当者 と保育や子 どもについて十分話 し合 える(・) 8.保育担当者か ら自分の苦手な役割を求められ ることが多い 4保育担 当者 か ら過剰 に期待や要求 をされ ることが多い 5保育担 当者 に、私 の仕事 について干渉 され ることが多い 23.保 育担 当者 に対 して は、嫌 な こ とで も断 れ ない 25.保育担当者は、私のやつていることを十分に評価してくれている 24.保 育担 当者 は 、私 の保 育観 を理解 して くれ て い る 6.保育担 当者 と子 どもへ の思 い を共有 しや す い(*) 20.保 育担 当者 に対 して、 自分 を十 分 に出せ る(') 21.保 育担 当者 に仕 事 や保 育 の悩 み を相 談 で き る(*) .947 ,748 .730 ,724 .684 .658 .643 .592 .532 .448 .397 -。 188

-.010

.070 .226

-.013

.457 .094 .058

-.101

.262 .074 .104 .001 -―.100 .288

-.218

.158 -―023 .097 .117 -―.266 .019 .054

-.310

.306 -―.077 .066 .806 ,704 .688 .581 .576 .532 .510 .071 .231 -―.022

-.231

.141 .232 .178 -―.244 .267 ――.134 .204 .016

-.071

.066

-.226

-.017

.141 .046 .262 .092

-.041

-.142

.059

-.012

.174 .084 .141 .769 .719 .632 .550 -―.096 .024 .028 -―.055 .049 ――

.275 -.010

-―。128 .039 -―.045 .065 ,069 .098

.096 -.119

.344 -.010

.202 .067 .146 -.005 -―

.023 -.013

.241 .066

.279 -.032

.185 -。 133 .129 .105 -―.129 .036 .196 -.060 .178 -.006 -―.171 -.064 .175 .042 -―

.050 -.051

-―.165 .048 -―

.036 -.014

.214 -.008

.807 -.075

.738 -.069

-.149 .792

.000 .787 .409 .415 (丼)は逆転 項 目 固有値 10.150 3.540 1.600 1.409 1.204 α係 数 0.916 0.862 0.779 0.871 0.737 因子 間相 関 因子 1 因子 2 因子 3 因子 4 因子 5 因 子

1

因 子 2 - .313 .313 -.668 .176 .479 .360 .371 .410 因 子

3

因 子

4

因 子 5 .668 .479 .371 .176 .360 .410 - .350 .192 .350 - .397 .192 .397

(18)

-コ ミュニケー シ ョンスキル

(Table ll)コ

ミュニケー シ ョンスキル 尺度

6項

目につ いて、 主成 分分析 を行 った結果 、負荷 量 はいずれ の項 目も

.74以

上 とな り、

1個

の成 分が抽 出 され た。 寄 与率 は

58.4%で

あつた。 ゆえに、 この

6項

目は一次元構造 で あ るこ とが確認 され た。 α係 数 か らも信頼性 が確認 され た(α =0.855)。 Table ll コ ミュニケー シ ョンスキル について主成分分析

(N=239)

項 目内容 負荷 量 2.自 分 の考 えや気持 ちを うま く表現す るこ とがで きる 6.周囲 の人 間関係 に働 きか け良好 な状態 に調整す る ことがで きる 3.相手 の伝 えたい考 えや気持 ちを正 しく読 み取 る こ とがで き る 4.自分の意見や立場を相手に受け入れてもらえるように主張することができる 5.相手 を尊重 して相手 の意 見や 立場 を理解 す るこ とがで き る 1.自分 の感 情や行動 を うま くコン トロールす る こ とができ る .782 .782 .776 .758 .744 .742 固有値 3.506 α係 数 0.855

(19)

職 場環境

(Table 12)

「職場環境」

5項

目につ いて、主 因子法 、 プ ロマ ックス回転 によ る因子 分析 を行 った。その結果 、

2因

子 を抽 出 した。すべ ての項 目にお いて0.49以上 の負荷 量 を示 した。各 因子 は、α係 数 か らも信頼性 が確認 され た と判 断 した(第 1因子 :α =0.731、 第

2因

子 :α =0.817)。 第 1因子 は、「仕事以外 の こ とで も気楽 に話 がで き る」「職 場 の中で相談す る相手が い る」、 「自分 の園はチー ム ワー クが とれ てい る」 な ど、保育者が職場 内で、安心 して 自分 を出せ る 良好 な人 間関係 にあるこ とを示す項 目か ら構成 され てい る。 したが つて、第 1因子 を 「気安 い関係 」 と命名 した。第

2因

子 は、「職場 の 中で上 下関係 につ いて とて も気 に しな くて はな らない こ とが多 い」「他 の先生 同士 の関係 を気 に しな くては な らない こ とが多 い」な ど、職場 内の人間 関係 が ギ クシャ ク して い るこ とで、保 育者 が気 を遣 ってい る こ とを示 す項 目か ら構 成 され てい る。 したが つて、第

2因

子 を 「気遣 う関係」 と命名 した。 Table 12 職場 環境 につ いて因子 分析結果

(N=239)

項 目内容 負荷 量 気安い関係

気遣 う関係 6.仕 事 以 外 の こ とで も気 楽 に話 が で き る 1.職場 の 中で相談 す る相手 が い る 5。自分 の園 はチー ム ワー クが とれ てい る 3.職場 の中で上下関係 について とて も気 に しな くてはな らない ことが多い 2.他 の先 生 同士 の 関係 を気 に しな くて は な らない こ とが多 い .965 .605 .490 -―.023 -―.001 .046 .015 -―.152 .856 .799 固有 値 2.549 1 115 α係 数 0.731 0.817 因子 間相 関 因子 1 因子 2 因 子 1 -―。451 因 子 2

-.451

バ ー ンア ウ ト傾 向

(Table 13)

バー ンア ウ ト尺度

19項

目につ い て、池 田 。大川(2012) の先行研究 にな らつて

3因

子構 造 を仮 定 し、主因子 法 、プ ロマ ックス回転 に よる因子 分析 を 行 つた。その結果 、各因子 は0.38以上 の負 荷量 を示 した。各 因子 の α係数 か らも信頼性 が確 認 され た と判断 した(第

1因

子 :α =0.878、 第

2因

子 :α =0.790、 第

3因

子 :α =0,763)。 池 田 らの知 見 とほぼ一致 す る結果 で あ り、解釈 可能性 か らこの分析 結 果 を採 用 した。 第 1因子 は、「今 の仕事 は、私 に とって あま り意 味がない と思 うこ とがあ る」「自分 の仕事 がつ ま らな く思 えて しかた のない こ とが あ る」 な ど

8項

目で 、仕事 が 「自分 」 に とって意味 の ない ものに感 じられ るよ うなス トレス反応 を示 していることか ら、「脱人格化」と命名 した。 第

2因

子 は、「まわ りか ら言 われ た ことが、頭 か ら離れず苦 しくな る こ とが あ る」「体 も気持 ち も疲れ果 てた と思 うこ とが あ る」 な ど

5項

目で、疲 労感 や無力感 等 に よる身lA 的 。心理的 ス トレス反応 を示 してい る。 したがつて、 これ らを 「情緒的消耗感 」 と命名 した。第 3因子 は、「仕事 を終 えて、今 日は気持 ちの よい 日だつた と思 うこ とが あ る」「今 の仕事 に、心 か ら 喜 び を感 じることがあ る」 な ど

6項

目で、仕事 に対す る満 足感 や充実感 を表 してい る。 した

(20)

がって、これ らを 「個人的達成感」 と命名 した。 Table 13 バー ンア ウ ト傾 向についての因子分析結果

(N=234)

項 目内容 負荷 量 脱 人格 子ヒ 情緒 的消耗感 個人的達成感 14今の仕 事 は、私 に とって あま り意 味がない と思 うこ とが あ る 11.仕事 の結 果 は ど うで もよい と思 うこ とが あ る 6.自分 の仕 事 がつ ま らな く思 えて しか たの ない こ とが あ る 8.出勤前 、職場 に出 るのが嫌 にな って 、家 にい た い と思 うこ とが あ る 3.こま ごま と気 くば りす る こ とが面倒 に感 じる こ とが あ る 2.こん な仕事 、 も うや めた い と思 うこ とが あ る 10.同僚 や 子 ども と何 も話 した くな くな る こ とが あ る 5.同僚 や子 どもの顔 を見 るの も嫌 にな る こ とが あ る 17.まわ りか ら言 われ た こ とが 、頭 か ら離れ ず苦 しくな る こ とが あ る 12.仕事 の た め に心 に ゆ と りが な くな つた と感 じる こ とが あ る 19.仕事 の こ とが気 に な つて 、夜 も眠れ ない こ とが あ る 16.体も気持 ち も疲 れ はてた と思 うこ とが あ る 7.一日の仕 事 が終 わ る と 「や つ と終 わ つた」 と感 じる こ とが あ る 9.仕事 を終 えて 、今 日は気 持 ちの よい 日だ つた と思 うこ とが あ る 4.この仕 事 は私 の性 分 に合 ってい る と思 うことが あ る 18.われ なが ら、仕 事 を うま くや り終 えた と思 うこ とが あ る 13.今の仕事 に、心 か ら喜 び を感 じるこ とがあ る 1.われ を忘れ るほ ど仕事 に熱 中す る こ とが あ る 15.仕事 が楽 しくて 、知 らない うちに時 間 がす ぎ る こ とが あ る .969 .751 .627 .567 .540 .404 .402 .382 -。 233 .111

-.036

.156 .267 -―.078 .011 .287

-.404

.140 -―.435 ―.109 ,167 -.096 .083 -.051 -。 121 .260 -.028 .242 -.043 .347 -.068 .362 .168 .361 -.051

.826 -.102

.663 .033 .654 .084.

.585 -.005

.389 .040

-.055 .625

-.179 .598

-.257 .562

.158 .562 .208 .553 .152 .466 固有値 7.297 1.796 1.457 α係 数 0.878 0.790 0.763 因子 間相 関 因 子 1 因子 2 因子 3 因 子 1 .631 -―.557 因 子

2

因 子 3 .631 -.557

-

――.464

.464

(21)

-2.各

変数 の立場(管理職、中間管理職、保育担当者)による差の検討 管理職 。中間管理職 。保育担 当者 との関係 によるス トレッサー、 コ ミュニケーシ ョンスキ ル 、職場環境の認識、バー ンア ウ ト傾 向について、立場(管理職、中間管理職 、保育担 当者) による差があるかを確認す るため、一元配置の分散分析 を行 つた。従属変数 は、各評定尺度 を構成す る因子の因子得点である。因子得点 として、各因子 に含まれ る項 目の平均値 を算出 した。下位検定には、BonferrOni法 を用いた。 (1)管 理職 との関係 によるス トレッサー (Table 14) 管理職 との関係 によるス トレッサーにおいて、「不信感」「連携不足」「対立」については、 保 育担 当者 の方が中間管理職 よ り高い ことが示 された。保育担 当者 の方が、管理職 との関係 に よるス トレッサーを強 く感 じていることが うかがえる。その理由 として、管理職 との心理 的距離が中間管理職 との距離 よ りも、保育担 当者 が大 きい ことがあるのではないだろ うか。 その距離が、ス トレッサーの要因になっていると考 えられ る。 Table 14立場 毎 の管理職 との 関係 に よるス トレッサー

(N=207)

N

平均値 標準偏差

F値

下位検定 不信 感 保育担当者

(D 175 2.428

中間管理職

6) 32 2.102

0.779

4.911**

0.670

a>b

連携 不足 保 育担 当者

(D 175 2.307

中間管理職

lb) 32 1.914

6.864** a>b

0.789 0.724 対 立 保育担 当者

(a)175 2.074

中間管理職

6) 32 1.763

4.082**

a>b

0.834 0.598 過 剰 な要求 保育担 当者

(a)175

中間管理職

6) 32

0.888 0.037 0.677 2.385 2.417 注

)**は

p<.01で有意 で あ る こ とを示 してい る。

(22)

(2)中間管理職 との関係 に よるス トレッサー (Table 15) 中間管理職 との関係 に よるス トレッサー において、「不信感 」「連携 不足」「対 立」につ いて は、保 育担 当者 の方 が管理職 よ りも高い。 これ は、上記 の管理職 との関係 に よるもの と同 じ よ うな こ とが言 え ると思 われ る。「居場所 の不在」は管理職 の方が保 育担 当者 よ り高 くなつて い る。この因子 は 「自分 を十分 に出せ ない」「子 どもへの思 い を共有 しに くい」といった項 目 か らな つてい る。 管理職 と中間管理職 との距離が近 い分、 自分 を出せ な くて、互いに気 を遣 い合 つているこ とが うかがえる。 また、中間管理職 は実際 に保育 を行 つてい ることが多 く、 同 じ役割 を担 う保 育担 当者 の方 が、子 どもへ の思 い を共有 しやす いのではないだ ろ うか。 Table 15 立場 毎 の 中間管理職 との関係 に よるス トレッサー

(N=180)

N

平均値 標準偏差

F値

下位検定 不信感 保 育担 当者

(a)150 2.229 0.774

12.176**

管理職

(c) 30 1.706 0.606

a>c

連携 不足 保育担 当者

(D

管理職(c) 0     0 5     3 2.439 2.081 0.789 0.676

5.377**

a>c

居 場所 の不在 保 育担 当者(a) 管理職(c) 0.970

74.434** c)>a

O.870 0     0 2.320 3.967 対 立 2.148 1.750 0.808 0.553 保 育担 当者(a) 管理職(c) 0     0 5     3

6.653**

a>c

)**は

p<.olで有意 で あ る こ とを示 してい る。

(23)

(3)保育担 当者 との関係 に よるス トレッサー (Table 16) 保 育担 当者 との関係 に よるス トレッサー において 、「対立 と不信感 」は保育担 当者の方 が管 理職 よ り高い。 ともに仕 事 をす る仲 間 と しての保 育担 当者 同士(同僚)と の関係 の中で対 立や 不信感 が ある場合 、保 育担 当者 が悩 んでい る ことが うかが え る。「過剰 な要求」は保育担 当者 。 中間管理職 の方 が管理職 よ り高 くな ってい る。 管理職 に とつては、そ もそ も立場 が違 うため に、保 育担 当者 か らの過 剰 な要求や干渉 を受 けるこ とが少 ない もの と考 え られ る。一方 、保 育担 当者 。中間管理職 は、 ともに保 育 を進 め る仲 間 か らの過 剰 な要求や干渉 は、ス トレッサ ー として強 く受 け取 られ るのではないだ ろ うか。「居場所 の不在」については、管理職 の方が 保 育担 当者 ・ 中間管理職 よ り高 くな つてい る。 この理 由につ いては、上記 の通 り、 中間管理 職 と保 育担 当者 は、実質保育 を進 めてい く仲 間 と しての関係 で もあ り、同 じ仲 間 とい う意識 も持 ちやす い と考 え られ る。 その こ とで、管理職 と中間管理職 。保 育担 当者 との間に心理的 距離 が生 じてお り、結果 に反 映 したのでは ないだ ろ うか。 この こ とは、幼稚 園・保育所 にお け る特徴 的 な人 間関係 で もあ る と言 える。 小 。中学校 な どで は、中間管理職 で ある教頭 は、 管理職 の補佐役 としての任務 が主流 で、管理職 と しての権 限 が与 え られ てい る。幼稚 園・保 育所 にお いては、 中間管理職 で あ る主任 は管理職 と しての権 限がな く、園長 ・所長 の補佐役 で もあ るが、実質的 には保 育担 当者 と共 に保育 を進 め る立場 にあ る。 したが つて、職 場 の中 で の リー ダー は、管理職一人 とい う構 図 にな ってい る と考 え られ る。

Table 16

立場毎の保育担 当者 との関係 によるス トレッサー

(N=235)

N

平均値 標準偏差

F値

下位検定 対立 と不信感 保 育担 当者

(D 173

中間管理職

lb) 32

管理職

(c) 30

2.043 1.956 1.612 0.670 0.534 0.412

5.887** a>c

連携 不足 保 育担 当者

(D 173

中間管理職

lb) 32

管理職

0 30

0.652 0.563 0.242 0.568 2.135 2.219 2.157 過 剰 な要 求 保育担 当者

(D

中間管理職

6)

管理職⑥ 173 32 30 1.968 1.930 1.533 0.655 0.586 0.463 6.207** a,b〕 >c 無理解 保育担 当者

(a)173

中間管理職

6) 32

管理職

(0 30

2.590 0.821 2.578 0.926 2.350 0.684 1.103 居 場所 の不在 保 育担 当者

(a)173

中間管理職

0 32

管理職

(c) 30

0.754

0.655 56.547** c)>a,b

O.485 2.095 2.188 3.589 注

)**は

p<.01で有意 で あ るこ とを示 してい る。

(24)

(の コ ミュニケー シ ョンスキル (Table 17) 「コ ミュニケー シ ョンスキル」 については、保育担 当者 よ り管理職 。中間管理職の方 が高 い ことが示 され た。森 田(2012)は 、「コ ミュニケー シ ョン能力(スキル)は、 も ともと誰 にで も 備 わ ってい る ものであ る。 そ して、い くつ かのポイ ン トに気 を配 り、 自分 で意識 し、訂1練し てい けば 、誰 で も向上 させ るこ とがで き る」 と、著書の中で述べてい る。 また、スキル 向上 のための トレー ニ ングプ ログラムや スキル を測定す る尺度 の開発 が続 け られ てい る(中村 。木 村,2011)。 この結果 にお いて も原 因の一つ として、管理職 の平均年齢 は57.5歳、中間管理職 の平均年齢 は45.8歳、保 育担 当者 の平均 年齢 は32.7歳で あ り、年齢 に よる意識や経験 の違 いが考 え られ る。 また、管理職 。中間管理職 は保 育担 当者 に比べて勤務年数 も多 く、職場内 の人間関係 の中で様 々な経験 を通 して、 コ ミュニケーシ ョン能力が鍛 え られ 向上 して きた と も考 え られ る。 一方 、管理職や 中間管理職 が仕事 を長年続 けるこ とがで きたの は、 も ともと コ ミュニケー シ ョン能力 が高いためで あるか もしれ ない。 いずれ に して も、保 育担 当者 より 管理職 や 中間管理職 の方 が、 コ ミュニ ケー シ ョンス キルが高い こ とは、納得 で きる結果 であ る と言 え る。 Table 17 立場毎 の コ ミュニ ケー シ ョンスキル

(N=239)

N

平均値 標準偏差

F値

下位検定 コ ミュニケー シ ョンス キル 保 育担 当者

(a)176 3.174 0.590

中間管理職

G) 32 3.443 0.535

管理職

(c) 31 3.560 0.545

7.700** c,b)>a 注

)**は

p<.01で有意 で あ るこ とを示 してい る。 (5)職場 環境 (Table 18) 職場環境 につ いては、「気安 い関係 」「気遣 う関係 」 の どち らの因子 につ いて も、管理職 、 中間管理職 、保 育担 当者 との差 が認 め られ なか つた。職場 の雰囲気 を どの よ うに感 じてい る のか は、立場 に関係 な く同 じよ うに察知 してい る とい うことであ り、職員 の共通理解 しやす い部分 である と考 え られ る。 したがって、職場内の人間関係 が よい場合 は、全職員が居 心地 の よい職場 になつてい る と言 える。反対 に、人間関係 が上手 くいつていない場合は、全職員 が居 心地 の悪 い職場環境 にな ってい る とい うことである。 この ことか ら、職場 内の人 間関係 の改善が、いかに大切 かが うかが える。

Table 18

立場毎の職場環境の認識

"=238)

N

平 均値 標準偏差

F値

下位検定 気安 い関係 保 育担 当者

(a)175 3.598 0.787

中間管理職

6) 32 3.792 0.585

管理職

(c) 31 3.613 0.756

0.884 保 育担 当者

(a)175 3.123 1.006

中間管理 職

(b) 32 3.016 0.893

気遣 う関係 0.164

(25)

(6)バー ンア ウ ト傾 向 (Table 19) バ ー ンア ウ ト傾 向の うち、「脱人格│ヒ」 と 「情 緒 的消耗感 」 につ い て は、差 が見 られ なか った。一方 、「個人的達成感 」については、保育担 当者 よ り管理職の方 が高 くな ってい る。保 育担 当者 も中間管理職 も管理職 も仕事 が嫌 になった り、心理 的 。身 体 的 にス トレスを抱 えて いた りす るのは変 わ らない。 しか し、仕事 に対す る意欲や情熱 な どは、経験 の積み重 ね の中 で よ り強 く、深 くな る もので あ る。 管理職 は、保 育 の現場 で生 き残 って きた数 少 ない人 であ り、仕事 に対 しての 自信や誇 りも持 つてい る と考 え られ る。 それ に比 べ 、保 育担 当者 は 保育 につ いての悩 み を抱 え、仕 事 に も慣 れ ない な ど、仕 事 に対 して不安 が あった りして、仕 事 に や りがいや達成感 な どを相対的 に持 ちに くい のでは ないだ ろ うか。

Table 19

立場毎のバーンアウト傾向

(N=230

N

平均値 標準偏差

F値

下位検定 保育担 当者

(D 175 2.136 0.663

脱人格化

中間管理職

6) 32 2.106 0.553 0.842

-管理職

(c) 31 1.977 0.499

保 育担 当者

(a)175 3.098 0.744

情緒的消耗感

中間管理職

6) 32 3.194 0.646 0.368

-管理職

(c) 31 3.045 0.555

保育担 当者

(a)175 3.016 0.533 .

個人的達成感

中間管理職

6) 32 3.234 0.632 4.949** c>a

管理職

(c) 31 3.296 0.494

)**は

p<.01で有意 で あ るこ とを示 している。

(26)

3.職

場 内の人 間 関係 ス トレッサー とバ ー ンア ウ ト傾 向の相 関関係(立場別) ここで は、職 場 での立場別 に、職場 内の人間関係 に よるス トレッサーがバ ー ンア ウ ト傾向 に、 どの よ うに影響 してい るのか を検討 してい く。 (1)保育担 当者 の職場 内の人間関係 ス トレッサー とバー ンア ウ ト傾 向の相 関関係 ① 管理職 との関係 に よるス トレッサー とバー ンア ウ ト傾 向 (Table 20) 管理職 との関係 に よるス トレッサー が 、保育担 当者 のバー ンア ウ ト傾 向 に どの よ うな影 響 を与 え るのか を見 てい く。 管理職 との関係 に よるス トレッサー と して、「不信感」11項 目、「連携 不足」

8項

目、「対立」

5項

目、「過剰 な要求」

3項

目の平均評 定値 を算 出 した。 その上 で、バー ンア ウ ト傾 向 との相 関 をみ るた め、 ピア ソンの相 関係 数 を算 出 した。 その結果 、保 育担 当者 の管理職 との関係 にお け る「不信感 」「連携 不足」「対 立」「過 剰 な 要求」のいずれ のス トレッサー も、「脱 人格化 」や 「情緒 的 消耗感 」 との間 に、有意 な正の 相 関が認 め られ た。 いずれ も、0.3以上 の 中程度 以上 の相 関で あ る。 また、「不信感 」「連携 不足 」「対立」「過剰 な要求」のいずれ のス トレッサ ー も、「個 人的 達成感 」 との間に、有意 な負 の相 関が認 め られ た。「不信感 」は

-0.292と

中程度の相 関で あ るが、それ以外 の係数 はやや低 い。 以上 の結果か ら、管理職 との関係 に よるス トレッサー は、いずれ の因子 も 「脱人格化」 と 「情緒的消耗感 」 に影 響 を与 える。 この こ とか ら、保育担 当者 は管理職 に影響 を受 けや す い こ とが示唆 され た。管理職 と対 立 し、不信感 を抱 き、過度 な要 求 を受 け、協力 し合 え ない場 合 、保育担 当者 は仕事 が ど うで もよ くな り、疲れ果 てる と考 え られ る。 また、同様 に、管理職 との関係 におい てス トレッサー が高い場 合 、保育担 当者の仕 事に 対す る喜びや 充実感 、達成感 な どが損 なわれ る と考 え られ る。 特 に、保 育担 当者 は管理職 との関係 に よるス トレッサー と 「脱 人格化」 との相関係 数 が 「不信感」(.541)、 「連携不足」(.499)、 「対立」(.566)、 「過剰 な要求」(.562)と高 く、「情緒 的消耗感 」や 「個人的達成感 」 と比べ て も高 くな つてい る。 この こ とは、保 育担 当者 が、 管理職 との関係 に よるス トレッサー が高 い と、即仕事 を辞 めたい と思 つた り、 ど うで もよ くなった りす る傾 向が うかが え る。

Table 20

管理職 との関係 に よるス トレッサー とバー ンア ウ ト傾 向 の相 関

(N=174)

不信感 相 関係 数 連携不足

対立 過剰 な要 求 脱人格化 情緒 的消耗感 個人 的達成感

.541**

.455**

.292**

.499** .566**

.321** .450**

.173*

―.172*

.562**

.454**

.242**

)**は

p<.01、

*は

p<.05で有意 で あ る ことを示 してい る。

Table 2  職場 内 の人 間関係 ス トレッサー凡度項 目分類 職員 に対す る思い 干渉 。期待・ 要求 無責任 な行 動 をす る こ とが多 い② 保育 に対す る意欲 が感 じられ ない③ 保育者 と して尊敬 しに くい③ 過剰 に期待や要求をされ ることが多い② 自分の仕事 について干渉 され ることが多い② 連 携 関 係 子 どもへの思いを共有 しにくい③ 保育や子 どもについて十分話 し合えない③ 自分の苦手な役割を求められることが多い② 仕事上の調整や分担が うまくいっていない②
Table 3  管理職 の中間管理職 との関係 に よるス トレッサー項 目 中間管理職 は、 保育 に対 して意 欲 的 で あ る。 (■) (2) 中間管理職 が、無責任 な行動 を とることが多い (3) 中間管理職 は、専門家 として尊敬できる。 (*) (4) 中間管理職 か ら過 剰 に期 待 や 要 求 を され る こ とが多 い。 (5) 中間管理職 に、私の仕事について干渉 され ることが多い。 (6) 中間管理職 と子 どもへ の思 い を共有 しや す い。 (*) (7) 中間
Table 8  管理職 との関係 に よるス トレッサーの因子 分析結 果  (N=203) 項 目内容 負荷量 不信感    連携 不足 対 立 過剰 な要求 20.管 理職 に対 して、 自分 を十分 に出せ る (*) 17.管 理職 が、私 の ことを どう思 つてい るか気 になる ことが多い 19.管 理職 に対 して、意見や反論 を言 いに くい 27.管 理職 は、私 をあま り支持 していない よ うに感 じる 18管 理職 とコ ミュニケー シ ョンを うま く取れ ない こ とが多い
Table 9  中間管理職 との関係 に よるス トレッサーの因子分析結 果  (N=174) 項 目内容 負荷量 不信感    連携 不足    居場 所 の不在 対 立 17.中 間管理職が、私の ことをどう思っているか気になることが多い 16.中 間管理職 に劣等感 を抱 くことが多い 26.中 間管理職か ら私はあま り仕事を していない と思われている 27.中 間管理職 は、私 をあま り支持 していないよ うに感 じる 14̲中 間管理職 に責 め られ ることが多い 23.中 間管理職 に
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