キャッシュの影響を考慮したリソースサイジングに関する検討
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(2) 情報処理学会第 81 回全国大会. また,分散は次式で求められる. 𝑉𝑉[𝐻𝐻] = 𝐸𝐸[𝐻𝐻 2] − {𝐸𝐸[𝐻𝐻]}2 = (1 − 𝑅𝑅)𝐸𝐸�𝐻𝐻ℎ𝑖𝑖𝑖𝑖 2 � + 𝑅𝑅 𝐸𝐸�𝐻𝐻𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚 2 � − {𝐸𝐸[𝐻𝐻]}2 ⋯ �式 2� 分布𝐻𝐻ℎ𝑖𝑖𝑖𝑖 ・𝐻𝐻𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚 はガンマ分布であることから, 20 20𝑋𝑋 2 ⋯ �式 3� 𝐸𝐸�𝐻𝐻ℎ𝑖𝑖𝑖𝑖 2 � = 2 , 𝐸𝐸�𝐻𝐻𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚𝑚 2 � = 2 𝛽𝛽 𝛽𝛽 となる.(式 1)および(式 3)より,𝑉𝑉[𝐻𝐻]は𝛽𝛽, 𝑋𝑋, 𝑅𝑅 の関数と分かる。さらに,分布𝐻𝐻の変動係数𝑐𝑐𝐻𝐻 も, 𝐸𝐸[𝐻𝐻] ⋯ �式 4� 𝑐𝑐𝐻𝐻 = �𝑉𝑉[𝐻𝐻] より,𝛽𝛽, 𝑋𝑋, 𝑅𝑅 の関数として求められる.よって, 分布𝐻𝐻の変動係数𝑐𝑐𝐻𝐻 を特定するために必要なパラ メータは,𝛽𝛽, 𝑋𝑋, 𝑅𝑅 となる.. 4.3.3 サービス時間分布のパラメータ𝛽𝛽 キャッシュミス率と同時に,十分に低い処理 頻度における平均 CPU 使用率を計測し,処理 1 件 で消費する CPU 時間の平均𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑠𝑠 ]を求めておく(従 来手法と同様であるため,具体的な方法は省略 する).𝑇𝑇𝑠𝑠 は平均サービス時間と見なせるため, (式 1)より、 𝐸𝐸[𝐻𝐻] = 𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑠𝑠 ] 5(1 − 𝑅𝑅 + 𝑋𝑋𝑋𝑋) 𝛽𝛽 = ⋯ �式 5� 𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑠𝑠 ] となり,𝛽𝛽を求めることができる.. 5. 提案モデルを用いたサイジング方法 4 章で求めた𝑐𝑐𝐻𝐻 を M/G/N の近似式に適用するこ とで,CPU の使用量を見積もることができる. 平均待ち時間の近似式として Kimura(1986a)の 4.3. パラメータの計測方法 近似[3]を採用すると,平均 CPU 使用時間𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑅𝑅 ]は, 4.3.1 キャッシュミス率𝑅𝑅 M/M/N に お け る 同 条 件 で の 平 均 待 ち 時 間 を CPU に実装されているパフォーマンスカウンタ 𝐸𝐸[𝑊𝑊(𝑀𝑀)] , 同 様 に M/D/N の 平 均 待 ち 時 間 を からキャッシュミス率を取得することが可能で 𝐸𝐸[𝑊𝑊(𝐷𝐷)]として,以下のように求められる. ある.Linux 系のマシンであれば,perf コマンド 𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑅𝑅 ] = 𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑠𝑠 ] + 𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑤𝑤 ] を用いて,値を取得できる.ただし,仮想環境 1 + 𝑐𝑐𝐻𝐻 2 では,perf コマンドで取得できる値に制限があ = 𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑠𝑠 ] + 2𝑐𝑐𝐻𝐻 2 1 − 𝑐𝑐𝐻𝐻 2 + りキャッシュミス率を取得できないことがある. 𝐸𝐸[𝑊𝑊(𝑀𝑀)] 𝐸𝐸[𝑊𝑊(𝐷𝐷)] まず,以下のコマンドで,取得できる項目を ⋯ �式 6� 出力し,キャッシュミス率に当たる項目の名称 上記𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑅𝑅 ]は,処理要求の到着頻度の関数となる. を確認する. 従って、性能目標で定められた処理要求の到着 # perf list 頻度における𝐸𝐸[𝑇𝑇𝑅𝑅 ]を(式 6)によって算出し,許 確認した名称および計測対象の処理を実行する 容される CPU 使用率と照らし合わせることで,必 コマンドを指定して,キャッシュミス率を計測 要な計算機台数を見積もることができる. する. # perf stat -e <cache-misses> <command> 6. まとめと今後の展望 なお,計測対象は,コマンドでなくプロセス ID 本稿では,キャッシュの影響を受けたサービ で指定することも可能である. ス時間分布を 2 峰型の分布でモデル化した性能モ. 4.3.2 キャッシュ性能係数𝑋𝑋 処理は同等だが,キャッシュミス率の異なる サンプルプログラムを用意し,その計測結果か らキャッシュ性能係数𝑋𝑋を算出する. まず,サンプルプログラムとして,アクセス する要素の順番を変えた配列処理のプログラム を 2 種類用意する.それぞれを実行したときの平 均キャッシュミス率(𝑅𝑅𝐴𝐴 , 𝑅𝑅𝐵𝐵 )および平均処理時 間(𝑇𝑇𝐴𝐴 , 𝑇𝑇𝐵𝐵 )を計測する.キャッシュミスがない 場合の処理時間を𝑇𝑇とすると, 𝑇𝑇𝐴𝐴 = (1 − 𝑅𝑅𝐴𝐴 )𝑇𝑇 + 𝑅𝑅𝐴𝐴 𝑋𝑋𝑋𝑋 𝑇𝑇𝐵𝐵 = (1 − 𝑅𝑅𝐵𝐵 )𝑇𝑇 + 𝑅𝑅𝐵𝐵 𝑋𝑋𝑋𝑋 となるため,計測した𝑇𝑇𝑖𝑖 および𝑅𝑅𝑖𝑖 を代入し連立方 程式を解くことで,キャッシュ性能係数𝑋𝑋が算出 できる.. 1-12. デルを提案するとともに,性能モデルに含まれ るパラメータの計測の方法を示した. 今後は,実機を用いてサイジング精度の評価 を行うとともに,仮想環境での計測方法を検討 する. 参考文献 [1] Brendan Gregg, “詳解 システム・パフォー マンス”, オライリー・ジャパン(2017) [2] 小杉 優等, “大規模 IoT システムにおける計 算機リソースサイジングの研究”, FIT2015 ( 第 14 回 情 報 科 学 技 術 フ ォ ー ラ ム ) (2015). [3] 木村 俊一, “確率光学シリーズ 1 待ち行列の 数理モデル”, 朝倉書店(2016). Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..
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