位相空間の直積・直和と選択公理
alg-d
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2015
年
12
月
26
日
定理 1. 選択公理 ⇐⇒{Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λは位相空間の族で,各λ∈ ΛについてXλ∼= Yλ(同相)とする. このとき ∏ λ∈Λ Xλ ∼= ∏ λ∈Λ Yλである. 証明. (=⇒) Hλ:={f : Xλ −→ Yλ| f は同相写像}と置けば仮定によりHλ ̸= ∅である. 選択公理によって(fλ)λ∈Λ ∈ ∏ λ∈Λ Hλを取る.f : ∏ λ∈Λ Xλ −→ ∏ λ∈Λ Yλ をf ((xλ)λ∈Λ) := (fλ(xλ))λ∈Λ で定めればf は同相写像である. (⇐=) {Xλ}λ∈Λ を非空集合の族とする.まず,各XλがDedekind無限であるとする. ※「集合XがDedekind無限⇐⇒ Xに含まれない元∞に対して|X| = |X ∪{∞}|」 が成り立つ.定義などは有限集合・無限集合の定義を参照. どのXλにも含まれない元∞を一つ取り,Yλ:= Xλ∪ {∞}とする.Xλ, Yλに離散位 相を入れると,|Xλ| = |Yλ|だからXλ∼= Yλである.故に仮定から ∏ λ∈Λ Xλ ∼= ∏ λ∈Λ Yλ̸= ∅ が分かる. Xλ がDedekind無限とは限らないときはZλ := Xλ× N と置く.ZλはDedekind無 限だから,既に示したように ∏ λ∈Λ Zλ̸= ∅である.よって元(⟨xλ, nλ⟩)λ∈Λ ∈ ∏ λ∈Λ Zλ が取 れるが,このとき(xλ)λ∈Λ ∈ ∏ λ∈Λ Xλである. この定理の⇐=の証明ではXλやYλが離散位相である場合しか使っていない.故に次 の系が分かる. 系 2. 次の命題は(ZF上)同値.1. 選択公理 2. {Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λ は集合族で,各λ ∈ Λについて|Xλ| = |Yλ|とする.このと き∏ λ∈Λ Xλ = ∏ λ∈Λ Yλである. 3. {Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λ は離散位相空間の族で,各 λ ∈ ΛについてXλ ∼= Yλとす る.このとき ∏ λ∈Λ Xλ ∼= ∏ λ∈Λ Yλである. 4. {Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λ は距離空間の族で,各λ∈ ΛについてXλ∼= Yλとする.こ のとき ∏ λ∈Λ Xλ∼= ∏ λ∈Λ Yλである. 5. {Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λ は一様空間の族で,各λ∈ ΛについてXλ∼= Yλとする.こ のとき ∏ λ∈Λ Xλ∼= ∏ λ∈Λ Yλである. 定理 3. 選択公理 ⇐⇒{Xλ}λ∈Λ と {Yλ}λ∈Λ はコンパクト Hausdorff 空間の族で,各 λ ∈ Λ について Xλ∼= Yλとする.このとき ∏ λ∈Λ Xλ ∼= ∏ λ∈Λ Yλである. 証明. (=⇒)明らか. (⇐=) {Xλ}λ∈Λ を非空集合の族とする.次の性質を満たすようなDedekind無限集合 K を取ることができる: {Fλ}λ∈Λ が有限集合の族ならばK ̸⊂ ∪ λ∈Λ Fλである. . ..) A := {ℵ |全射Λ× N −→ ℵが存在する} として|K| > sup A となるような整 列順序集合K を取ればよい. このK が条件を満たすことを示すため,有限集合の族{Fλ}λ∈Λ がK ⊂ ∪ λ∈ΛFλ を満たすと仮定する.K = ∪λ∈ΛFλ としてよい.このとき K の整列順序により 各Fλに順序が入る.これを使って Fλ ={x0λ, . . . , x nλ−1 λ }と書くことが出来る.元 a∈ K を一つ取り,写像f : Λ× N −→ Kを f (λ, n) := { xnλ (n < nλのとき) a (それ以外) により定める.この f は明らかに全射である.故に |K| ∈ A となるが,それは |K| > sup Aに矛盾する. 定理1のときと同様,必要ならばXλ× K を考えることにより,|K| ≤ |Xλ|と仮定し ても一般性を失わない.(このときXλはDedekind無限である.) どのXλ にも含まれない異なる二つの元a, bを取る.Yλ := Xλ∪ {a}を離散位相空間
Xλの一点コンパクト化,Zλ:= Xλ∪ {a, b}を離散位相空間Xλ∪ {a}の一点コンパクト 化,とする.即ち,Yλ, Zλの位相を OYλ :=P(Xλ)∪ {O ⊂ Yλ | |Yλ\ O| < ∞} OZλ :=P(Yλ)∪ {O ⊂ Zλ| |Zλ\ O| < ∞} で定める.これにより Yλ, Zλはコンパクト Hausdorff空間で,Yλ ∼= Zλとなる.故に 仮定から同相写像 f : ∏ λ∈Λ Yλ −→ ∏ λ∈Λ Zλ が存在する.z := (a)λ∈Λ ∈ ∏ λ∈Λ Zλ だから f (y) = z となるような y = (yλ)λ∈Λ ∈ ∏ λ∈Λ Yλ が存在する.y ∈ ∏ λ∈Λ Xλ であること を示せば証明が終わる.その為にy /∈ ∏ λ∈Λ Xλ と仮定すると,ある µ ∈ Λが存在して yµ ∈ Yµ\ Xµ = {a},即ちyµ = aである.A := ( ∏ λ̸=µ {yλ} ) × Xµ ⊂ ∏ λ∈Λ Yλ と置く. |A| = |Xµ| ≥ |K| である.y の開近傍 U ⊂ ∏ λ∈Λ Yλ を任意に取ると OYλ の定義から |A \ U| < ∞である.B := f (A)と置けばf が同相写像だから,|B| = |A| ≥ K,かつ zの任意の開近傍V ⊂ ∏ λ∈Λ Zλに対し|B \ V | < ∞が分かる.{a} ⊂ Zλは開集合だから |B \ πλ−1(a)| < ∞である.y /∈ Aだからz = f (y) /∈ B,故に B = B\ {z} = B \ ∩ λ∈Λ πλ−1(a) = ∪ λ∈Λ ( B\ πλ−1(a)). これはK の取り方に反する. 同様のことが,直積を直和に変えても成り立つ. 定理 4. 次の命題は(ZF上)同値. 1. 選択公理 2. {Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λ は位相空間の族で,各λ∈ ΛについてXλ∼= Yλとする.こ のとき ⨿ λ∈Λ Xλ∼= ⨿ λ∈Λ Yλ. 3. {Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λ は距離空間の族で,各λ∈ ΛについてXλ∼= Yλとする.こ のとき ⨿ λ∈Λ Xλ∼= ⨿ λ∈Λ Yλ. 4. {Xλ}λ∈Λ と {Yλ}λ∈Λ はコンパクト Hausdorff 空間の族で,各 λ ∈ Λについて Xλ ∼= Yλとする.このとき ⨿ λ∈Λ Xλ∼= ⨿ λ∈Λ Yλ.
証明. 1 =⇒ 2と2 =⇒ 3と2 =⇒ 4は明らか. (4 =⇒ 1) {Xλ}λ∈Λ を互いに素な非空集合の族とする.定理 3 の証明と同様,Xλ は Dedekind 無限集合としてよい.どの Xλ にも含まれない元 ∞ を一つ取り Yλ := Xλ∪ {∞} と置き,XλとYλ に離散位相を入れる.I := (0, 1] ⊂ Rを半開区間として, 直積位相空間Xλ× I, Yλ× Iを考える.これらは局所コンパクトHausdorff空間である. Xλ∗ とYλ∗ をXλ× IとYλ× I の一点コンパクト化とするとXλ∗とYλ∗は連結なコンパク トHausdorff空間である. . ..) まずXλ× I の一点コンパクト化Xλ∗ の定義を確認する.(Yλ× I についても同 様.) Xλ× I に含まれない元aλを一つ取りXλ∗ := (Xλ× I) ∪ {aλ}と置く.Xλ∗の 位相を OXλ∗ :=OXλ×I∪ Qλ Qλ :={O ∪ {aλ} | O ∈ OXλ×I, (Xλ× I) \ O ⊂ Xλ× I はコンパクト} で定める. まずXλ∗ がコンパクトHausdorff空間であることは簡単に分かる. 次にXλ∗が連結であることを示す.O1, O2 ⊂ Xλ∗を互いに素な開集合でXλ∗ = O1∪ O2を満たすとする.aλ ∈ O1としてよい.O2 ̸= ∅と仮定する.あるx ∈ Xλ, r ∈ I が存在して⟨x, r⟩ ∈ O2 である.すると,I は連結だから{x} × I ⊂ O2である.OX∗ λ の定義から(Xλ× I) \ O1 = O2は(Xλ× I の)コンパクト閉集合であるO2がコンパ クトだから,その閉部分集合{x} × I ⊂ O2もコンパクト.しかし,明らかに{x} × I はコンパクトでないから矛盾する.故にO2 =∅となりXλ∗ の連結性が分かった. λ ∈ Λとする.このときXλ∗ ∼= Yλ∗である. . ..) Xλ がDedekind無限であるから全単射hλ: Xλ −→ Yλ が存在する.このとき gλ := hλ× idI : Xλ× I −→ Yλ× Iとするとgλは同相写像である.Yλ∗\ (Yλ× I) = {bλ}と書いて,fλ: Xλ∗ −→ Yλ∗ を f (y) := { g(x) (x ∈ Xλ× Iのとき) bλ (x = aλのとき) で定めればfλは同相写像である. よって仮定 4 から同相写像 f : ⨿ λ∈Λ Xλ∗ −→ ⨿ λ∈Λ Yλ∗ が存在する.Xλ∗, Yλ∗ はそれぞ
れ ⨿ λ∈Λ Xλ∗, ⨿ λ∈Λ Yλ∗ の連結成分である.故にある写像 h : Λ −→ Λ が存在して,任 意の λ ∈ Λ に対して f (Xλ∗) = Yh(λ)∗ となる.⟨∞, 1⟩ ∈ Yh(λ) × I ⊂ Yh(λ)∗ だから ⟨xλ, rλ⟩ := f−1(⟨∞, 1⟩)と定めると⟨xλ, rλ⟩ ∈ Xλ× Iである. (3 =⇒ 1) 4 =⇒ 1の証明においてXλ∗, Yλ∗の位相を次のように変更すればよい.Xλ∗ の 位相は aλの開近傍系を{Xλ× (0, r) | r ∈ I} ⟨x, r⟩の開近傍系を{{x} × U | r ∈ U ∈ OI} で定める.Yλ∗ についても同様. ※ 系2の条件2の直和バージョン「{Xλ}λ∈Λ と{Yλ}λ∈Λ は集合族で,各λ ∈ Λに ついて|Xλ| = |Yλ|とする.このとき ⨿ λ∈Λ Xλ = ⨿ λ∈Λ Yλである」が選択公理と同 値かどうかは未解決問題であるが,Partition Principleを導くことは知られている. Partition Principleを参照. 定義. (X,O)を位相空間,U ⊂ Oとする. 1. V ⊂ OがU の開細分⇐⇒任意のV ∈ V に対してあるU ∈ U が存在してV ⊂ U となる. 2. U が局所有限⇐⇒任意のx ∈ X に対してあるx ∈ O ∈ Oが存在して|{U ∈ U | U ∩ O ̸= ∅}| < ∞となる. 3. U が点有限⇐⇒任意のx ∈ Xに対して|{U ∈ U | x ∈ U}| < ∞となる. 4. U がshrinkable⇐⇒開被覆{VU}U∈U で,任意のU ∈ U に対して∅ ̸= VU ⊂ U と なるものが存在する. 定義. Xを位相空間とする. 1. X がパラコンパクト⇐⇒ X の開被覆は局所有限な開細分を持つ. 2. X がメタコンパクト⇐⇒ X の開被覆は点有限な開細分を持つ. 3. X がPFCS ⇐⇒ Xの点有限な開被覆はshrinkableである. 定理 5. AMC ⇐⇒パラコンパクト空間の直和はパラコンパクトである. 証明. (=⇒) {Xλ}λ∈Λ をパラコンパクト空間の族としてX := ⨿ λ∈Λ Xλ を直和,U をX の開被覆とする.任意のU ∈ U に対してλ ∈ Λが一意に存在してU ⊂ Xλとなる,と
してよい.Uλ :={U ∈ U | U ⊂ Xλ},Aλ := {V | V はUλ の局所有限な開細分}と置 く.Uλ はXλの開被覆でXλがパラコンパクトだから,Aλ ̸= ∅ である.故に{Aλ}λ∈Λ にAMCを適用して,有限集合の族{Fλ}λ∈Λ を∅ ̸= Fλ ⊂ Aλとなるように取ることが 出来る.このときVλ := ∪ W∈Fλ W はUλの局所有限開細分で, ∪ λ∈Λ VλはU の局所有限な 開細分である. (⇐=) {Xλ}λ∈Λ を非空集合の族とする.各Xλ は無限集合としてよい.Xλ に離散位 相を入れてXλ∗ = Xλ∪ {∞λ}を一点コンパクト化とする.Xλ∗ はパラコンパクトだから, 仮定により直和X := ⨿ λ∈Λ Xλ∗もパラコンパクトである. U := {U ⊂ X | ある λ∈ Λ に対してU ⊊ Xλ∗ かつU は∞λ の開近傍} はXの開被覆だから,局所有限な開細分Vが存在する.このときFλ := ∪ ∞λ∈U∈V Xλ\ U は有限集合である. 定理 6. AMC ⇐⇒メタコンパクト空間の直和はメタコンパクトである. 証明. 定理5と同様. 定理 7. AMC ⇐⇒ PFCS空間の直和はPFCSである. 証明. (=⇒) 定理5と同様. (⇐=) {Xλ}λ∈Λ を非空集合の族とする.各Xλは無限集合としてよい.定理5の証明 と同様の構成をすれば,Xλ∗ はPFCS だから仮定よりX もPFCSである.U := {Xλ | λ∈ Λ} ∪ {Xλ∗ | λ ∈ Λ}はX の開被覆だから,開被覆{VU}U∈U で,任意のU ∈ U に対 して∅ ̸= VU ⊂ U となるものが存在する.即ちλ ∈ Λに対して∅ ̸= VXλ ⊂ Xλである. このときVXλ ⊂ Xλは空でない有限集合である. 定理 8. AMC ⇐⇒コンパクトHausdorff空間の直和はパラコンパクトである. 証明. (=⇒) 定理5から明らか. (⇐=) 定理5の証明の Xλ∗ はコンパクトHausdorffである.故に同様にしてAMCが わかる. 定理 9. AMC ⇐⇒コンパクトHausdorff空間の直和はメタコンパクトである. 証明. 定理8と同様.
定理 10. AMC ⇐⇒コンパクトHausdorff空間の直和はPFCSである. 証明. 定理8と同様. 定義. 1. 集合Aに対して∪A := ∪ x∈A xと書く. 2. 集合S が∆-システム ⇐⇒ある集合rが存在して任意のx, y ∈ Sに対して「x̸= y =⇒ x ∩ y = r」. この集合rを根と呼ぶ. 補題 11. nを正整数,S をn元集合からなる無限集合とするとき,ある有限部分集合 r ⊂∪S が存在して任意の正整数kに対してあるT ⊂ S が存在して「|T | = kかつT は rを根とする∆-システム」となる. 証明. nに関する帰納法.n = 1のときはr =∅とすればよい. n > 1のとき.x∈ S とm≥ 0に対して Em(x) := { {x} (m = 0のとき) { y∈ S y ∩ (∪Em−1(x))̸= ∅ } (m > 0のとき) とする.S の同値関係∼を x∼ y ⇐⇒あるm≥ 0が存在してy∈ Em(x) で定める.x ∈ S の属する同値類を[x]で表すことにする.明らかに,[x] ̸= [y]のとき x∩ y = ∅である.よってS/∼が無限集合のときは r =∅とすればよいから,S/∼は有 限集合であるとする.[x] が無限集合となるようなx ∈ S が存在するので,そのような x∈ Sを一つ取る. (i)任意の有限部分集合z ⊂∪[x]に対して,あるy ∈ [x]が存在してy∩ z = ∅となる とき.任意の正整数kに対してあるT ⊂ [x]が存在して「|T | = kかつT は∅を根とする ∆-システム」となる. . ..) k に関する帰納法.k = 1のときは明らか. k > 1のとき.帰納法の仮定によりT ⊂ [x]で「|T | = k − 1かつT は∅を根とする ∆-システム」となるものが存在する.T ={y1,· · · , yk−1}と書く.y1∪ · · · ∪ yk−1 ⊂ ∪ [x]は有限部分集合だから,あるyk ∈ [x]が存在してyk∩ (y1∪ · · · ∪ yk−1) =∅で ある.よってT ∪ {yk}が条件を満たす. 故にr =∅とすればよい.
(ii)ある有限部分集合 z ⊂ ∪[x]が存在して,任意のy ∈ [x]に対して y∩ z ̸= ∅とな るとき.w ⊂ z でU := {y ∈ [x] | y ∩ z = w}が無限集合となるものを取る.([x] が無 限集合だからこのようなw は存在する.) |w| ≥ 1である.A := {y \ w | y ∈ U}と置 く.wの取り方から,Aは(n− |w|)元集合からなる集合である.故に帰納法の仮定から, r0 ⊂ ∪ Aが取れる. r := r0 ∪ w とする.正整数 k を取る.r0 の取り方から,ある B ⊂ A が存在して 「|B| = kかつBはr0 を根とする∆-システム」となる.よってT :={b ∪ w | b ∈ B}と 置けば「|T | = kかつT はrを根とする∆-システム」である. 補題 12. A を有限集合からなる無限集合として,k は非負整数,x は∪Aの有限部分 集合を動くとする.D(x) := {a ∈ A | a ∩ x = ∅}と置く.A は「ある k, x に対して |D(x)| ≤ k」を満たすとして n0 := min{ n > 0 |あるx, kが存在して|x| = nかつ|D(x)| ≤ k } と置き, k0 ∈ { k ≥ 0 |あるxが存在して|x| = n0かつ|D(x)| ≤ k } を一つ取る.このときS :={x ⊂∪A | |x| = n0, |D(x)| ≤ k0}は有限集合である. 証明. S が無限集合であると仮定する.S に補題11を適用してr ⊂∪S を得る.明らか に|r| < n0 であり,またn0 の最小性からD(r)は無限集合である.T ⊂ S をrを根とす る∆-システムとするとき任意のa ∈ D(r)に対して{x∈ T | x ∩ a ̸= ∅} ≤ |a|である. . ..) x1,· · · , xm ∈ {x ∈ T | x ∩ a ̸= ∅}を互いに異なる元とする.T の取り方から i̸= j に対してxi∩ xj = rである.故にx1 \ r, · · · , xm\ rは互いに素である.一方 b∈ D(r)だからb∩ r = ∅となる.よって(xi\ r) ∩ a = xi∩ a ̸= ∅である.従って ((x1\ r) ∩ a) ∪ · · · ∪ ((xm\ r) ∩ a) ⊂ bからm≤ |a|でなければならない. 異なるk0 個の元a1,· · · , ak0 ∈ D(r)を取る. k0 ∪ i=1 {x ∈ T | x ∩ ai ̸= ∅} ≤ k0 ∑ i=1 |ai| =: M である.N > 0を任意に取る.r の取り方により,ある T ⊂ S が存在して「|T | = M +NかつT はrを根とする∆-システム」とできる.T′ := T\∪k0 i=1{x ∈ T | x∩ai ̸= ∅} と置けば|T′| ≥ N である.a0 ∈ D(r) \ {a1,· · · , ak0}を一つ取る. 任意のx∈ T′を取る.任意の1≤ i ≤ k0に対してx∩ai =∅となる.またx∈ T′ ⊂ S だから |D(x)| ≤ k0 であり,a∩ x = ∅ となる a ∈ Aは高々 k0 個しかない.よって a0∩ x ̸= ∅でなければならない.x ∈ T′ は任意だったから,T′ ⊂ {x ∈ T | a0∩ x ̸= ∅}
である.故にN ≤ |T′| ≤{x ∈ T | x ∩ a0 ̸= ∅} ≤ |a0|となる.N > 0は任意だったか らa0 が無限集合となり矛盾する. 定義. Xを位相空間とする. 1. X がT4 空間 ⇐⇒互いに素な閉集合 E, F ⊂ X に対して,ある開集合U, V ⊂ X が存在して E ⊂ U, F ⊂ V, U ∩ V = ∅となる 2. X がU-空間 ⇐⇒互いに素な閉集合E, F ⊂ X に対してある連続関数f : X −→ [0, 1]が存在し てf|E = 0, f|F = 1となる. 3. X がT-空間 ⇐⇒ F ⊂ X を閉集合,f : F −→ [0, 1]を連続関数とするとき,ある連続関数 f : X−→ [0, 1]が存在してf|F = f となる. 4. X がcollectionwise Hausdorff ⇐⇒ F ⊂ Xが離散閉集合ならば,X の互いに素な開集合の族{Ux}x∈F が存在し て,x∈ F に対してx∈ Uxとなる. 5. X がcollectionwise T4 ⇐⇒ {Fλ}λ∈Λ がX の互いに素な閉集合の族ならば,X の互いに素な開集合の族 {Uλ}λ∈Λが存在して,λ∈ Λに対してFλ⊂ Uλとなる. 命題 13. 1. T-空間はU-空間である. 2. U-空間はT4 空間である. 3. パラコンパクトHausdorff空間はT4空間である. 4. 選択公理=⇒ T4 空間はU-空間である.(Urysohnの補題) 5. 選択公理=⇒ T4 空間はT-空間である.(Tietzeの拡張定理) ※ 即ち,選択公理の下ではT4 空間,U-空間,T-空間は同一の概念である.また「T4 空間=⇒ U-空間」や「T4空間=⇒ T-空間」はZFでは証明できないことが知られて いる.[3] 定理 14. 次の命題は(ZF上)同値. 1. AMC 2. T-空間の直和はT-空間である.
3. T-空間の直和はU-空間である. 4. T-空間の直和はT4 空間である. 5. U-空間の直和はU-空間である. 6. U-空間の直和はT4空間である. 7. T4空間の直和はT4 空間である. 8. パラコンパクトHausdorff空間の直和はT4 空間である.
9. collectionwise Hausdorff空間の直和はcollectionwise Hausdorffである.
10. collectionwise T4空間の直和はcollectionwise T4 である. 11. collectionwise T4空間の直和はT4 空間である. 証明. 2=⇒3,3=⇒4,5=⇒6,6=⇒4,8=⇒7,7=⇒6,10=⇒11は明らかだから,1=⇒2, 1=⇒5,1=⇒8,4=⇒1と1=⇒9,9=⇒1と1=⇒10,11=⇒1を示せばよい. (1 =⇒ 2) {(Xλ,Oλ)}λ∈Λ をT-空間の族としてX := ⨿ λ∈Λ Xλとする.F ⊂ X を閉集 合,f : F −→ [0, 1]を連続写像とする.Fλ:= F ∩ Xλ, fλ := f|Fλ とすれば,Xλが T-空間であることから Aλ:={g : Xλ−→ [0, 1] | g|Fλ = fλ} は空でない.{Aλ}λ∈Λ にAMCを適用して空でない有限集合Bλ ⊂ Aλ を得る.このと き連続関数f : X −→ [0, 1]をx∈ Xλに対してf (x) := max{g(x) | g ∈ Bλ}で定めれば f|F = f である. (4 =⇒ 1) {Xλ}λ∈Λ を非空集合の族とする.各Xλ は無限集合としても一般性を失わ ない.P0 fin(Xλ) :={F ⊂ Xλ| 0 < |F | < ∞}として Mλ := { ⟨A, B⟩ A, B ⊂ Pfin0 (Xλ), A, B ̸= ∅ 任意のF ∈ Aと任意のG∈ Bに対してF ∩ G ̸= ∅ } と定義する.このときfλ: Mλ−→ Pfin0 (Xλ)となる写像の族(fλ)λ∈Λ が存在する. . ..) ⟨A, B⟩ ∈ Mλ とする.まず A が無限集合だとする.(A に補題 12 を適用す る.) G ∈ B に対して G∩∪A は∪A の有限部分集合であり,Mλ の定義から |D(G ∩∪A)| ≤ 0を満たす.よって n0 := min{ n > 0 |あるx, kが存在して|x| = nかつ|D(x)| ≤ k } が存在する. k0 := min{ k ≥ 0 |あるxが存在して|x| = n0かつ|D(x)| ≤ k }
とすれば,補題 12によりS := {x ⊂ ∪A | |x| = n0, |D(x)| ≤ k0}は有限集合で ある. そ こ で fλ(A, B) := { ∪ A (Aが有限集合のとき) ∪ S (Aが無限集合のとき) と す れ ば fλ(A, B) ∈ P0 fin(Xλ)である. aλ:=⟨0, Xλ⟩, bλ:=⟨1, Xλ⟩としてYλ:={aλ, bλ} ∪ Pfin0 (Xλ)と置く.F ∈ Pfin0 (Xλ) に対してF↑ :={G ∈ Pfin0 (Xλ)| F ⊂ G}, F∗ :={G ∈ Pfin0 (Xλ) | F ∩ G ̸= ∅}とする. Yλの開集合U ⊂ Yλを次の二条件を満たすものとして定める. (1) aλ ∈ U ならばあるF ∈ Pfin0 (Xλ)が存在してF↑ ⊂ U (2) bλ∈ U ならばあるF ∈ Pfin0 (Xλ)が存在してF∗ ⊂ U すると各YλはT-空間である. . ..) まずYλが位相空間であることを示す. (i)明らかに∅とYλは開集合である. (ii) 開集合の和集合も明らかに開である. (iii) U, V を開集合とする.aλ ∈ U ∩ V とする.このときaλ ∈ U, aλ ∈ V であ る.よってあるFU, FV ∈ Pfin0 (Xλ)が存在してFU↑ ⊂ U, FV↑ ⊂ V となる.このとき F := FU ∪ FV と置けば明らかにF↑ ⊂ U ∩ V である.故にU ∩ V は開集合の定義 (1)を満たす.(2)についても同様である. 以上によりYλは位相空間である. YλがT-空間であることを示すため,A ⊂ Yλ を閉集合,f : A −→ [0, 1]を連続写 像とする.Yλの位相の定義から,y̸= aλ, bλのとき{y} ⊂ Yλが開であることに注意 し,f : Yλ −→ [0, 1]を以下のように定義すればよい. (i) aλ, bλ∈ A/ のとき. f (y) := { f (y) (y ∈ Aのとき) 0 (y /∈ Aのとき) と定義すればf は連続である. (ii) aλ, bλ∈ Aのとき.
開近傍U ∋ aλ, V ∋ bλ, U ∩ V = ∅を取り f (y) := f (y) (y ∈ Aのとき) f (aλ) (y ∈ U \ Aのとき) f (bλ) (y ∈ V \ Aのとき) 0 (それ以外のとき) と定義すればf は連続である. (iii) aλ∈ A, bλ ∈ A/ のとき. 開近傍U ∋ aλ, V ∋ bλ, U ∩ V = ∅, V ∩ A = ∅を取り f (y) := f (y) (y∈ Aのとき) f (aλ) (y∈ U \ Aのとき) 0 (それ以外のとき) と定義すればf は連続である. (iv) aλ ∈ A, b/ λ∈ Aのとき. (iii)と同様. Y := ⨿ λ∈Λ Yλと置く.仮定によりY はT4空間である.A := {aλ | λ ∈ Λ}, B := {bλ| λ∈ Λ}とすればこれらはY の閉集合で互いに素である.故にU ⊃ A, V ⊃ B, U∩V = ∅ となる開集合 U, V が存在する.Aλ := {F ∈ Pfin0 (Xλ) | F↑ ⊂ U}, Bλ := {F ∈ P0 fin(Xλ) | F∗ ⊂ V } と置くとAλ̸= ∅, Bλ ̸= ∅で,任意のF ∈ Aλと任意のG ∈ Bλに 対してF ∩ G ̸= ∅となる. . ..) F ∩ G = ∅とするとF ∈ G∗ である.よってF↑∩ G∗ ̸= ∅となりU ∩ V = ∅に 矛盾する. 故に⟨Aλ,Bλ⟩ ∈ Mλである.そこでFλ := fλ(Aλ,Bλ)と置けばよい. (1 =⇒ 5) 1=⇒2と同様. (1 =⇒ 7) {(Xλ,Oλ)}λ∈Λ をT4 空間の族としてX := ⨿ λ∈Λ Xλとする.E, F ⊂ X を 互いに素な閉集合とする.Eλ := E ∩ Xλ, Fλ := F ∩ Xλと置けばこれらはXλ の互い に素な閉集合.よってXλがT4だから Aλ:={⟨U, V ⟩ ∈ Oλ× Oλ| U ⊃ Eλ, V ⊃ Fλ, U ∩ V = ∅} は空でない.{Aλ}λ∈Λ にAMCを適用して空でない有限集合Bλ ⊂ Aλ を得る.このと
きUλ := ∩ ⟨U,V ⟩∈Bλ U,Vλ := ∩ ⟨U,V ⟩∈Bλ V とすればEλ ⊂ Uλ,Fλ⊂ Vλ,Uλ∩ Vλ =∅で ある.そこでU := ∪ λ∈Λ Uλ∈ O, V := ∪ λ∈Λ Vλ∈ O とすれば明らかに U ⊃ E, V ⊃ F, U ∩ V = ∅. 故にX はT4 である. (9 =⇒ 1) 4=⇒1の証明で定義したYλはcollectionwise Hausdorffである.故に仮定 11からY := ⨿ λ∈Λ Yλはcollectionwise Hausdorffとなる.A, B ⊂ Y は離散閉集合とな るから,4=⇒1と同様にしてAMCを示すことができる. (11 =⇒ 1) 4=⇒1の証明で定義したYλはcollectionwise T4 である.故に仮定11か らY := ⨿ λ∈Λ YλはT4 空間となり,4=⇒1と同様にしてAMCを示すことができる. 命題 15. 可算選択公理⇐⇒コンパクトな空間の可算直和はLindel¨ofである. 証明. (=⇒) 明らか. (⇐=) {Xn}n∈N を非空集合の族とする.離散位相空間 ∪ n∈N Xn の一点コンパクト化を X ={∞}∪∪ n∈N Xnとする.Xはコンパクトだから,仮定よりX⊔N = X⊔{0}⊔{1}⊔· · · はLindel¨ofである.{X} ∪ {{n, x} | n ∈ N, x ∈ Xn}はX∪ Nの開被覆だから,可算部 分被覆{Un | n ∈ N}が存在する.n∈ Nに対してn∗ := min{m ∈ N | n ∈ Um}として Un∗ ={n, xn}と書けば(xn)n∈N ∈ ∏ n∈N Xnである. 定理 16. 選択公理 ⇐⇒コンパクトな空間の直積は Lindel¨of である,かつコンパクトな空間の可算直和は Lindel¨ofである. 証明. (=⇒) 明らか. (⇐=) 選択公理が成り立たないと仮定する.非空集合の族{Xλ}λ∈Λ で ∏ λ∈Λ Xλ = ∅と なるものが存在する.各Xλに密着位相を入れて直和Yλ := Xλ∪ {∞}を考える.Yλ は コンパクトだから仮定によりY := ∏ λ∈Λ YλはLindel¨of となる.πλ: Y −→ Yλ を標準射 影とすると,∏ λ∈Λ Xλ =∅だから{πλ−1(∞) | λ ∈ Λ}はY の開被覆である.Y がLindel¨of だから,可算部分集合 Γ ⊂ Λが存在して{πλ−1(∞) | λ ∈ Γ}がY の開被覆となる.こ
のとき ∏
λ∈Γ
Xλ = ∅であるが,一方命題 15より可算選択公理が成立するから,矛盾す
る.
参考文献
[1] Paul Howard, Kyriakos Keremedis, Herman Rubin and Jean E. Rubin, Disjoint Unions of Topological Spaces and Choice, Math. Log. Quart. 44 (1998), 493–508, http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/malq.19980440408/
[2] Horst Herrlich and Kyriakos Keremedis, Topological sums and products in ZF-set theory, Topology and its Applications 156 (2009), 1994–1999, http://www. sciencedirect.com/science/article/pii/S0166864109000960
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