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剛性を考慮した能動型磁気軸受の制振制御

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Academic year: 2021

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剛性を考慮した能動型磁気軸受の制振制御

2015SC066森岡直己 指導教員:陳幹

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はじめに

本研究では,制御対象として電磁石の吸引力を利用し ロータを支持する能動型磁気軸受を扱う.磁気軸受は, 電 磁石の吸引力によって回転体を磁気浮上させることで, 回 転体に非接触な支持をする軸受である. そのため摩擦によ る部品の消耗が少なくなり, 潤滑油が不必要となる利点を もつ[1]. しかし, その一方で電磁石によって発生する力が 非線形な特性をもつため, ロータを浮上させる際にぶれて しまうことがある.これが回転する際に残留振動や共振を 生じる原因となる.本研究では,ロータの剛性に着目して, バイアス電流を変化させる剛性切換[2]による制振の原理 を用いて,振動を制振することを目標にする.そこに新たに 入力電流を抑えるために反復学習制御(ILC)[3]を加えて シミュレーションを行い提案法の効果を確認した.

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モデリング

本研究では制御対象として,電磁石の吸引力を利用し ロータを支持する能動型磁気軸受を扱う. 本研究で扱う磁 気軸受はアクチュエータである4 組の電磁石と4 個の位 置センサから構成されており,ラジアル2方向の位置制御 を行うことが出来る. ロータの概略図を図1[4]に示す. 図1 ロータの概略図 各パラメータの表を表1に示す. ロータの運動方程式を式(1)-(4)に示す. m¨y = flh+ frh (1) m¨z = flv+ frv− mg (2) Jyψ =¨ −lmflh+ lmfrh (3) Jyθ = l¨ mflv− lmfrv (4) 表1 パラメータ パラメータ  記号 平衡からの摂動ポイント gj[m] 電磁石の吸引力 fj[N] ロータの質量 m[kg] ロータの回転速度 ω[rad/s] 重心から端までの距離 lm[m] X軸のモーメント Jx[Nm] Y軸のモーメント Jy[Nm] センサと平衡状態のロータとの距離 Go[Nm] 浮上力定数 k 重力加速度 g ここで,位置センサはロータの両端に設置されているた め,ロータの状態変数をそれぞれロータ両端の変位rj(j = lv, rv, lh, rh)に変形する.変形後の式を以下に示す. y =1 2(grh+ glh), z = 1 2(glv+ grv), (5) θ≈ glv− grv 2lm , ψ≈ grh− glh 2lm (6) また,式(1)-(4) において,電磁力fj は式(7) で表現さ れる. fj= km( (Io+ (Ij+ ij))2 (gj− Go)2 (Io− (Ij+ ij))2 (gj+ Go)2 ) (7) ここで,Io,Ij,ijはバイアス電流,定常電流,入力電流を表 す. 式(1)-(7)より状態方程式は式(8),(9)になる. x(t) = [ glv grv glh grh ˙glv ˙grv ˙glh ˙grh ] T (8) u(t) = [ ilv irv ilh irh ] T (9)

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剛性切換制御

ここで文献[2]が提案しており,利用した剛性切換制御器 の制御式を式(10)に示す. Ib= Io+ ∆I 2 πtan −1(qx ˙x) (10) ここでIb はバイアス電流であり, Io は電流の中間値で あり, ∆I は切換幅を決めるパラメータ,qは連続関数によ る切換関数の近似の程度を調整するパラメータである. x はロータの変位, ˙xは速度である. x ˙x > 0の状態はロータ 1

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が外側にぶれているときであり,この場合はバイアス電流 を大きくして,逆の場合は小さくして振動を抑制する.

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反復学習制御

ILCは前のサイクルの入力電流の情報をとりいれて現在 のサイクルの入力電流を抑えるために用いる. 今研究では 文献[3]を参考にして制御則の式を u = Kx + iALC とした.ここでuは入力電流,K はLQ最適制御の制御ゲ イン,xは状態変数であるロータの変位,iALCは反復学習制 御則の式である.iALCを式(11)に示す. iALC,j+1(n) = (1− α)ij(n) + Φej(n) (11) ここでjはサイクルの番号を表しており,nは刻み幅の値,Φ はスカラーの学習ゲイン,αはAMBのモデリングではシ ステムのパラメータが考慮されない場合が多々あるのでロ バスト性を高めるための忘却因子である. ej(n)はシステ ムの目標値と出力の差を表しておりydは目標値,yjは出力 の値で式(12)と求められる. ej(n) = yd(n)− yj(n) (12)

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シミュレーション

LQ最適制御,剛性切換制御, 反復学習制御と組み合わ せてシミュレーションを行った. ロータが左鉛直成分に 0.0001m下降しており,右鉛直成分に0.0001m上昇して おり,左水平成分が 0.0002m左にずれて, 右水平成分が 0.0002m右にずれて停止した状態から行った. 代表して grv,glhの2つの成分の結果を図2,3に示す.緑線がLQ制 御単体,赤線が剛性切換制御,青線が反復学習制御の結果で ある.青線が緑,赤線に比べて早く平衡になっているとわ かる. 図2 右鉛直成分の変位のグラフ

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おわりに

制御性能はLQ最適制御単体よりも かながら早く制御 できており効果を確認できた.今後の課題としてモデルが 鉛直成分と水平成分の力が独立してしまっているため電磁 図3 左水平成分の変位のグラフ 力の吸引力をsin,cosで分解した以下の式(13),(14)を用い て有効性を検証したい. fv= km( gv− Go(gv− Go)2+ gh2 (Io+ (Iv+ iv))2 √ (gv− Go)2+ gh2 2 gv+ Go (gv+ Go)2+ gh2 (Io− (Iv+ iv))2 √ (gv+ Go)2+ gh2 2 +√ gv g2 v+ (gh− Go)2 (Io+ (Ih+ ih))2 √ g2 v+ (gh− Go)2 2 +√ gv g2 v+ (gh+ Go)2 (Io− (Ih+ ih))2 √ g2 v+ (gh+ Go)2 2)(13) fh= km( gh(gv− Go)2+ g2h (Io+ (Iv+ iv))2 √ (gv− Go)2+ g2h 2 +√ gh (gv+ Go)2+ g2h (Io− (Iv+ iv))2 √ (gv+ Go)2+ g2h 2 +√ gh− Go g2 v+ (gh− Go)2 (Io+ (Ih+ ih))2 √ g2 v+ (gh− Go)2 2 gh+ Go g2 v+ (gh+ Go)2 (Io− (Ih+ ih))2 √ g2 v+ (gh+ Go)2 2)(14)

参考文献

[1] 電気学会編,”磁気浮上と磁気軸受,”コロナ社,1993. [2] 水野 毅,Asief JAVED,石野 裕二,高崎 正也, ”吸 引式磁気浮上系における横ずれ方向の制振制御,”日本 機械学会論文集, 83巻, 854号,p.17-00217, 2017. [3] Chao Bi, Dezheng Wu, Quan Jiang and Zhejie Liu,

”Automatic learning control for unbalance compen-sation in active magnetic bearings,” in IEEE Trans-actions on Magnetics, vol. 41, no. 7, pp. 2270-2280, 2005.

[4] Masanori NARITA,”Gain-Scheduled Control of Ac-tive Magnetic Bearing System via Parameter Depen-dent Lyapunov Function,”南山大学大学院 理工学研

究科 2015年度 修士論文要旨集, 機械電子制御工学

専攻.

参照

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