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小規模文系大学における学生の主体的な 学修の規程要因について 学生と大学の関わりに着目して

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(1)環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 〔原著論文:審査付〕. 小規模文系大学における学生の主体的な 学修の規程要因について ~学生と大学の関わりに着目して~ 名古屋産業大学大学院環境マネジメント研究科. 山門. 正宜. 愛知学院大学総合政策学部. 石橋. 健一. Analyzing the Factors of Student Independent Learning in a Small Liberal Arts University ~Focusing on the Relationship Between Students and the University~ Masanobu YAMAKADO Nagoya Sangyo University Graduate School of Environment Management Kenichi ISHIBASHI Aichi Gakuin University, Faculty of Policy Studies Abstract: In recent years, it has become clear that higher education is required to raise environmental awareness, and the importance of higher education is increasing. Recently, the importance of fostering an independent learning attitude. has been emphasized in higher education. From the viewpoint of higher education, it has been clarified that the emotions of students improve learning motivation, and in addition, the research on learning motivation and independent learning attitude is increasing. The purpose of this study is to clarify how college commitment, as positioned in university students' emotions, mediates learning motivation and influences their independent learning attitudes. Therefore, we conducted a questionnaire survey and analyzed the students (first-year students, third-year students) in a small liberal arts university. As a result, it was clarified that university commitment mediates learning motivation and influences independent learning attitudes, and shows the adaptability of the model. Keywords: University-Commitment, Learning-Motivation, Independent-LearningAttitude, Path Analysis. 1. 研究背景. 伴い, 排ガス, 廃水, 廃棄物が飛躍的に増大し, かつて 無限と考えられていた大気や水という環境資源が受容. 1950 年から始まった先進国の飛躍的な経済成長に. し浄化し得る能力を超えるまでにいたった. そしてそ. ─ 36 ─.

(2) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). ,畑野 5)による研究が挙げられる. 湯・外山 4)の研究は,. の限界が認識され, 世界各国が, 国連人間環境会議. 4). (1972 年), 国連環境開発会議(1992 年), 世界社会. 大学生を対象に, 一般的個人興味を測定する尺度を作. 開発サミット(1995 年), 国連ミレニアム・サミット. 成し”感情的価値による興味”, ”認知的価値による興味”. (2000), 持続可能な開発のための世界サミット(2002. が緩やかに減少し, ”興味対象関連の知識”が急速に増. 年), 国連持続可能な開発サミット(2015)などの大規. 加することを示している. 畑野 5)による研究は,大学生. 模な地球環境と人類の諸活動との調和に関する会議が. を対象に,自律的な学修動機づけの特徴を測定する, ”. 開催されてきた. これらの会議では, 環境問題と同等. 向上思考”, ”知的好奇心”, ”将来不安”尺度を作成し, 構. に「教育」の重要性が一貫して主張され, 持続可能な開. 造方程式により, 知的好奇心(感情)と向上思考(認知). 発は人々の能力向上なしには達成しえないことが, 確. の 2 尺度が自律的な学習動機づけを構成していること. 認されている. .. 1). を明らかにしている.. 持続可能な開発を実現するために, 国連ミレニア. また, Meyer&Allen6)の組織コミットメントの概念を. ム・サミットで制定された MDGsを前身とし, 新たに. 大学に応用した大学コミットメントが萩原 8)により提. 9 つの目標を加え, 総計 17 つの目標を掲げているのが. 案され, 「大学及び大学に関連する集団に所属してい. 国連持続可能な開発サミットで制定された SDGsで. るという意識」と定義されている. そして大学生を対. ある SDGs の目標として,「質の高い教育をみんなに」. 象にした調査を基に大学コミットメント尺度が作成さ. ある. 特に目標 4. 3 では, 「2030 年までに, すべての. れた. 尺度は”情緒的コミットメント(「大学に通うこ. 人々が男女の区別なく, 手の届く質の高い技術教育・. とは楽しい」など)”, “規範的コミットメント(「親の恩. 職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセス. に報いるためには大学は出ておかなくてはならない」. を得られるようにする. 」と高等教育における学びが. など)”, “存続的コミットメント(「せっかくここまでや. 重要視されており, 質の高い教育と教育への平等なア. ってきたのだから, 大学は卒業しておきたい」)”, “モラ. クセス両方を達成する必要があることが目標とされて. トリアム的コミットメント(「学生という身分が気楽だ. いる. このように環境と共生し, 持続可能な社会を構. から大学にいる」)”の 4 つとなった. このことからも. 築するためには, 高等教育の質, つまり学びの質の向. 大学コミットメントは,「大学に通うことは”楽しい”」. 上が必要とされている.. や,「学生という身分が”気楽”だから大学にいる」など の感情要因で構成されている. したがって, 大学コミ. 2. 研究のねらいと目的. ットメントも学生の大学に対する感情として位置付け ることができる. そして, この大学コミットメントは,. 高等教育における学修の観点から, 学修行動を起こ. 大学生活において発生する様々な場面での感情を対象. す要因となっている学修動機づけが注目されている.. とすることができる点で優れている. 7). なお, 本研究において大学における学修は, 文部科学. また, 感情研究と動機づけ研究については, 鹿毛. 省 2)による「大学での学びの本質は, 講義, 演習, 実験,. が, 学修動機づけの規定因についての研究をレビュー. 実習, 実技等の授業時間とともに, 授業のための事前. し, その展望をまとめている. その中で, 感情研究と. の準備, 事後の展開などの主体的な学びに要する時間. 動機づけ研究がそれぞれ独自の発展を遂げてきたため,. を内在した「単位制」により形成されていることから. 感情要因を動機づけ研究の対象としている研究が少な. 大学での学びを『学修』とする」より, 大学での学びを. いことを述べており, 感情研究と学習動機づけ研究の. 3). によれば, 学修は大学生. 統合に研究発展の可能性があることを指摘している.. の大学での活動の中心であり, 学修に対する動機づけ. これらのことから, 大学生の大学に対する感情として. が, 大学に対する適応に大きな影響を与えることが示. 位置づけることができる大学コミットメントと学修動. されており, 学修動機づけの重要性が説かれている.. 機づけを統合し, 研究することは, 感情研究と動機づ. 「学修」と定義する. 安藤. 大学生の学修動機づけに着目した研究は, 湯・外山. け研究の発展に寄与すること考えられる.. ─ 37 ─.

(3) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 実際, 大学生の大学に対する感情と位置付けられる. 調査で使用した項目は, 大学コミットメント尺度 17. 大学コミットメントと学修動機づけに関する研究は,. 項目(付表 1), 学修動機づけ尺度 14 項目(付表 2),. 安藤 の研究がある. ただし, 安藤 は, 大学コミット. 主体的な学修態度尺度 7 項目(付表 3), 個人属性 21. メントと学修動機づけに対して相関関係の分析のみを. 項目の合計 69 項目であった. 各尺度の一覧表は, 付録. 行っている. 以上のことから本研究は, 大学コミット. を参照.. 3). 3). 本調査は, 2020 年1月愛知県内小規模文系大学のゼ. メントと学修動機づけとの因果関係を明らかにするこ とをねらいとする.. ミナール内にて行った. 大学全入時代となりつつある. 高等教育における学修については, 学修動機づけと. 現在, 高等教育における学力格差が問題視されている.. 同時に, 文部科学省 7)が, 主体性を持ち自ら学ぶ態度. この学力における基礎への寄与という面から今回は小. を醸成する必要があることを提言している. 高等教育. 規模文系大学を対象とした. 小規模大学は, 文部科学. における学修において必要とされている主体的な学修. 省. 5). による定義である収容人数が 4000 名以下の大学. 11). に関する研究では, 畑野 が挙げられる. 畑野は, 大学. を採用し, 文系も, 文部科学省 12)による人文社会系学. 生を対象に調査分析を行い, 大学生の内発的な学修動. 問の定義を採用した. 人文社会系は, 文学, 史学, 文化. 機づけが主体的な学修態度の要因となることを明らか. 人類学, 法学, 経済学の 5 つから構成されており今回. 10). も大学生を対象に調. は, この基準を採用した. そして本研究の調査対象は,. 査分析を行い, 大学生の学修動機づけが主体的な学修. 大学への在籍年数が短く大学へのコミットメントが低. 態度の要因となることを明らかにしており, その重要. いと考えられる1年生と, 在籍年数が長く大学へのコ. 性を明らかにしている. 一方で, 大学コミットメント. ミットメントが高いと考えられる 3 年生とした.. にしている. また, 児玉・中岡. と主体的な学修態度との関係を明らかにした研究はな. 3-2 分析プロセス. い. 以上の既存研究結果より, 学修動機づけと大学コ ミットメントには正の相関があること, 学修動機づけ. 本分析は, 調査で得られた結果を用いて共分散構造. が主体的な学修態度の要因となっていることが明らか. モデルの応用であるパス解析を行い, 因果関係を明ら. になった(図 1).. かにするものである. 具体的には, 調査で得られたデ ータを基に, 基本統計量を算出した後, 探索的因子分 析により, 構成因子を明らかにする. その後, 明らか にされた構成因子間の相関分析を行い, 因子間の相関 関係を明らかにする. 明らかになった相関関係から,. 図 1 既存研究. パス解析による因果関係計測を行い, モデルの妥当性. このことから, 大学コミットメントが学修動機づけ. を検証する. モデルの妥当性を検証した後, 1 年生と 3. の要因となっているとするならば, 大学コミットメン. 年生を比較し, 学年による違いを検証するために比較. トと主体的な学修態度は, 学修動機づけを媒介して影. 研究を行う.. 響を与えていることが考えられる. 同時に, 大学コミ ットメントが主体的な学修態度に影響を与える因果関. 3-3 分析項目. 係が存在することも考えられる. よって本研究は, 大. 今回の分析に用いる調査票の項目は, 1)大学生の大. 学コミットメントが, 主体的な学修態度にどのような. 学との関わりを示す大学コミットメント(17 項目), 2). 影響を与えるかを明らかにすることを目的とする.. 学修の動機づけに関する学修動機づけ(14 項目), 3)自 ら学ぶ態度に関する主体的な学修態度(7 項目), 4)個人. 3. 調査概要及び分析の枠組み. 属性(21 項目)で構成されている. 1)は, 萩原 8) によって作成された大学コミットメン. 3-1 調査概要. ト尺度を基に項目を一部修正した. 構成する尺度は,. ─ 38 ─.

(4) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 4-1 調査結果. 大学への情緒的愛着から大学に所属するコミットメン. 本調査は, 大学コミットメントが, 主体的な学修態. トである「情緒的コミットメント(4 項目)」, 親や友 人への義理・自分の規範に基づき大学に所属するコミ. 度にどのような影響を与えるかを明らかにするため大. ットメントである「規範的コミットメント(5 項目)」,. 学コミットメント尺度, 学修動機づけ尺度, 主体的な. 大学に残る方が, ほかの選択より社会的に有利だから. 学修態度尺度の 3 つの尺度を使用した. また回答者の. 大学に所属するコミットメントである「存続的コミッ. 属性を把握するため, 個人属性の質問項目を設定した.. トメント(4 項目)」, 社会人としての義務と責任を猶. 3 つの尺度は, 因子分析を行うために, 個人属性は, 統. 予されている期間であるモラトリアムを享受するため. 計から回答者の傾向を把握するためにそれぞれ使用し. に大学に所属するコミットメントである「モラトリア. た. 以下に一覧表を付する(表 1). 表 1 調査項目の目的と分析用途. ム的コミットメント(4 項目)」の 4 つの尺度で構成さ れている. 回答は, 各項目に対し, 1. あてはまらない,. 項⽬名. 2. あまりあてはまらない, 3. どちらともいえない, 4.. ⼤学コミットメント尺度 学修動機づけ尺度. ややあてはまる, 5. あてはまるの 5 段階で行うよう求. 主体的な. めた.. 学修態度尺度. 2)は, 安藤 3) によって作成された学生の大学におけ. 個⼈属性. る学修動機づけ尺度を採用した. この学修動機づけ尺. ⽬的. 利⽤した分析. 3因⼦間の因果関. 因⼦分析. 係を明らかにする. 相関分析. ため. パス解析. 学年間の差異を計. 統計. 測するため. パス解析. 度は, Ryan&Deci13)の自己決定理論に基づき作成され. 調査の結果, アンケート回収率は, 293 票中 227 票が. ている. 自己決定理論とは, 内発的動機づけの概念を. 回収され, 77%となった. 特徴的な項目は, 学年は, (1. 発展させたものであり, 内発的動機づけと外発的動機. 年生)が 52%, (3 年生)が 48%とほぼ均等な割合を示し. づけを自己決定の程度という連続体上で統合してとら. た. 高校 3 年間を勉強と勉強以外に大別し, どのよう. える理論である. 内容は, 明らかに外的なものによっ. に過ごしたかを割合にして回答した項目は, (勉強 10:. て行動が生起する外的調整, 内的な自己や自尊心と関. 勉強以外 0) と(勉強 9:勉強以外 1)がともに 0%, (勉強. 連した圧力によって動機づけられる取入れ的調整, 個. 8:勉強以外 2) と(勉強 7:勉強以外 3)がともに 2%, (勉強. 人的に重要であるとか価値があると受け取られたとき. 6:勉強以外 4)が 5%, (勉強 5:勉強以外 5)と(勉強 4:勉. に行動が生起する同一化的調整, そして活動そのもの. 強以外 6)がともに 9%, (勉強 3:勉強以外 7) と(勉強 2:. に対する興味や関心によって行動する内発的調整の 4. 勉強以外 8)と (勉強 1:勉強以外 9)の 3 項目が 21%,. 種類の調整を測定する尺度から構成されている. 項目. (勉強 1.5:勉強以外 8.5)が 1%, (勉強 0:勉強以外 10)が. 数は, 外的調整, 取入れ的調整, 内発的調整が 3 項目,. 9%と勉強以外を中心に過ごした学生が多いことが分. 同一化的調整が 5 項目の合計 14 項目で構成されてい. かった. 大学生活において最優先されるものについて. る. 回答は, 各項目に対し大学コミットメント尺度と. 回答した項目では, (勉強第一)が 9%, (クラブ第一)が. 同様に, 5 段階で行うよう求めた.. 19%, (趣味第一)が 14%, (豊かな人間関係)が 9%, (資格. によって作成された主体的な学修態度. 取得第一)が 5%, (アルバイト・貯金)が 18%, (何事もほ. の測定尺度を採用した. これは, 単位や卒業のためだ. どほどに)が 14%, (何となく)が 11%と, 勉強以外への. けでなく, 自らの成長のために授業や授業で出される. 優先度が高い学生が多いことが分かった.. 3)は, 畑野. 5). 課題に主体的に取り組もうとする学修態度である. 項 目数は, 7 項目で構成され, 回答は各項目に対し大学コ. 4-2 分析項目の基本統計量. ミットメント尺度と同様に 5 段階で行うよう求めた.. 分布に特徴がある項目は, 学修動機づけ尺度におけ る内発的調整の質問項目である「勉強することが楽し いから」が平均値 2. 42 と低い値を示した. 加えて外的. 4. 結果と考察. 調整の質問項目である「勉強しないと不安だから」が. ─ 39 ─.

(5) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 平均値 2. 30, 「他人に勉強しろと言われるから」が平. 表 2 全体の大学コミットメント尺度の因子負荷量. 均値 2. 27, 「勉強しないと親がうるさいから」が平均. Ⅰ 11.将来を考えると, 大学は出ておきたい.. Ⅱ. Ⅲ. Ⅳ. .94. .07. -.02. -.21. .79. .03. .00. -.07. .75. .08. -.05. -.05. .65. .00. .21. -.09. 6.保護者のことを考えると, 大学は辞められない.. .61. -.14. -.06. .25. 5.大学を途中で辞めること は,許されない.. .52. -.06. -.13. .36. 17.大卒だと世間体が良い.. .40. .05. .23. .14. くここまでやってきたのだから, 大学は卒業しておき. 3.大学の雰囲気が好きだ.. .00. .88. .02. .01. たい」が平均値 4. 28, 「将来を考えると, 大学は出て. 4.大学のキャンパスは 居心地がいい.. -.03. .84. .03. -.03. 2.大学は自分にとって 大切な居場所である.. .05. .70. -.05. .19. 値 2. 27 と低い値を示した. 一方, 学修動機づけ尺度に. 10.せっかくここまでやって きたのだから,大学は 卒業しておきたい. 12.大卒であることが, 後の人生に役立つと思う. 13.この大学で自分が やりたいことができなくて も,卒業はしておきたい.. おける同一化的調整の質問項目である「自身のために なると思う」が平均値 3. 94 と高い値を示した. 他にも, 規範的コミットメントの質問項目である「大学を途中 で辞めることは, 許されない」が平均値 3. 85,「保護者 のことを考えると, 大学は辞められない」が平均値 4. 10, 存続的コミットメントの質問項目である「せっか. おきたい」が平均値 4. 24, 「大卒であることが, 後の 人生に役立つと思う」が平均値 4. 10, 「この大学で自. 1.大学に通うことは楽しい.. .07. .68. -.05. -.01. 分がやりたいことができなくても, 卒業はしておきた. 15.今すぐ働くのは嫌だから 大学にいる.. -.02. -.07. .88. -.02. い」が平均値 4. 04 とそれぞれ高い値を示した.. 14.学生という身分が気楽 だから大学にいる.. -.07. .01. .74. .11. 16.自分が将来何をやりたい かわからないので,大学に 在学している.. .19. .02. .56. -.03. 8.大学の先生の期待を裏切 ることになるので,大学は 辞められない.. -.14. .07. .01. .79. -.05. .12. .10. .76. 4-3 因子分析 因子分析の結果を全サンプル(以下全体), 1 年生のみ. 7.友人を裏切ることになる ので,大学は辞められない. 9.私が今大学を辞めたら, 罪悪感を感じるであろう.. で構成されるサンプル(以下 1 年生), 3 年生のみで構成 されるサンプル(以下 3 年生)ごとに分け説明を行う.. 因子間相関. (1)因子分析(全体). Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ. まず, 全体の因子分析の結果を記述する. 大学コミ ットメント尺度 17 項目に対し主因子法, プロマック. .31 Ⅰ ―. -.11. -.03. .58. Ⅱ -.01 ―. Ⅲ .12 .01 ―. Ⅳ .43 .36 -.05 ―. 分の規範に基づき大学に所属し続ける内容であるため,. ス回転で因子分析を行った. 結果, 固有値 1. 28, 累積. 「規範的コミットメント」 と命名した. そして, いずれ. 値 66. 71%で 4 因子解を採用した. 回転後の因子負荷. か 1 つの因子にのみ. 40 以上の負荷を示すという基準. 量を表 2 に示す. 第 1 因子は, 「11. 将来を考えると,. に従って下位尺度項目を決定した. その結果, 将来思. 大学を出ておきたい. 」などの項目が高い因子負荷を. 考的コミットメント尺度は 7 項目, 情緒的コミットメ. 示した. これらは, 大学卒業や卒業後の将来, 在学へ. ント尺度は 4 項目, モラトリアム的コミットメント尺. の責任のことを考える内容であることから, 「将来思. 度と規範的コミットメント尺度が 3 項目からそれぞれ. 考的コミットメント」 因子と命名した. 第 2 因子は,「3.. 構成されることが明らかになった. 各下位尺度のα係. 大学の雰囲気が好きだ. 」などの項目が高い因子負荷. 数を算出したところ, それぞれ 0. 85, 0. 87, 0. 76, 0. 76. を示した. これらは, 学生の大学に対する愛着に関す. となり尺度の信頼性が確認された.. る内容であることから, 「情緒的コミットメント」因子. 続いて, 学修動機づけ尺度 14 項目についても主因. と命名した. 第 3 因子は, 「15. 今すぐ働くのは嫌だか. 子法, プロマックス回転で因子分析を行った. 結果,. ら大学に居る」などの項目が高い因子負荷を示した.. 固有値 1. 29, 累積値 64. 08%で 3 因子解を採用した.. これらは, モラトリアムを享受することに関する内容. 回転後の因子負荷量を表 3 に示す. 第 1 因子は, 「4.. であるため, 「モラトリアム的コミットメント」因子と. 自分のためになると思うから. 」などの項目が高い因. 名付けた. 第 4 因子は, 「8. 大学の先生を裏切ること. 子負荷を示した. これらは, 学修の重要性により動機. になるので, 大学は辞められない. 」などの項目が高い. づけられているという内容であるため 「同一化的調整」. 因子負荷を示した. これらは, 教員や友人への義理・自. ─ 40 ─.

(6) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 表 4 全体の主体的な学修態度尺度の因子負荷量. 表 3 全体の学修動機づけ尺度の因子負荷量 Ⅰ. Ⅱ. Ⅰ. Ⅲ. Ⅱ. *. 4.自分のためになると 思うから.. 4.単位さえもらえばよいという 気持ちで授業に出る.. . 8 3 -.15 -.08. .89. -.08. .60. .12. .57. -.10. .46. .10. -.17. .71. .05. .65. .21. .55. *. 3.勉強するべき大切な 内容だと思うから.. . 7 6 -.02. 5.今勉強しておかないと あとで困ると思うから.. .71. 1.勉強内容が将来役に立つと 思うから.. . 6 4 -.12. .16. 2.希望する職業に 必要だから.. . 5 4 -.08. .16. 13.他人に勉強しろと 言われるから.. -.12. 12.勉強しないと教師に しかられるから. 14.勉強しないと 親がうるさいから.. .00 -.16. 1.レポートや課題は,ただ提出 すればいいという気分で仕上げ ることが多い.. .04. .05 -.09. *. 3.レポートや課題には最小限の 努力で取り組む . * 7. 授業はただぼうっと 聞いている. 6.プレゼンテーションの際, 何を質問されても大丈夫なよう に調べる. 5.授業には,意欲的に参加する.. . 9 5 -.03. 2.課されたレポートや課題を 少しでも良いものに仕上げよう と努力する.. . 7 8 -.03 .73. .05. 因子間相関. Ⅰ Ⅱ. Ⅰ ―. Ⅱ .44. 6.授業の内容が楽しいから.. -.01 -.04. .86. 7.勉強することが 楽しいから.. -.05. .17. .75. 8.新しい知識を得るのが 楽しいから.. .07 -.14. .61. どの項目が高い因子負荷を示した. これらは, 全て逆. 11.勉強しないと不安だから.. .45. .45 -.02. 転項目であったが逆転した際の, 統計量における平均. 9.良い成績を取りたいから.. .30. .26. .29. 値が, 項目 4 が 2. 36, 項目 3 と 7 がともに 2. 66, 項目. 10.学生なので,勉強するのが あたりまえだから.. .40. .41 -.08. 1 が 2. 43 と低い値を算出したことから, 「学修に対す. 因子間相関. Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. る意識不足」尺度と命名した. 第 2 因子は, 「6. プレ. Ⅰ. ―. .33. .59. ゼンテーションの際, 何を質問されても大丈夫なよう. ―. .35 ―. に調べる. 」 などの項目が高い因子負荷を示した. これ. Ⅱ Ⅲ. ―. (注)*は逆転項目を表す.. らは学修に対して自らが行動するという内容から「主. 因子と命名した. 第 2 因子は, 「13. 他人に勉強しろと 言われるから. 」などの項目が高い因子負荷を示した.. 体的学修態度」尺度と命名した. そして, いずれか 1 つ. これらは, 外的な圧力によって学修していることから. の因子にのみ. 40 以上の負荷を示すという基準に従っ. 「外的調整」因子と命名した. 第 3 因子には, 「6. 授. て下位尺度項目を決定した. その結果, 学修に対する. 業の内容が楽しいから」などの項目が高い因子負荷を. 意識不足尺度は 4 項目, 主体的学修態度尺度がそれぞ. 示した. これらは, 学修そのものが楽しいという内容. れ 3 項目から構成されることが明らかになった. 各下. から「内発的調整」因子と命名した. そして, いずれか. 位尺度のα係数を算出したところ, それぞれ 0. 72, 0.. 1 つの因子にのみ. 40 以上の負荷を示すという基準に. 68 となり尺度の信頼性が確認された.. 従って下位尺度項目を決定した. その結果, 同一化的. (2)因子分析(1 年生) 次に 1 年生の因子分析の結果を記述する. 大学コミ. 調整尺度は 5 項目, 外的調整尺度と内発的調整尺度が それぞれ3 項目から構成されることが明らかになった.. ットメント尺度 17 項目に対し主因子法, プロマック. 各下位尺度のα係数を算出したところ, それぞれ 0. 83,. ス回転で因子分析を行った. 結果, 固有値 1. 35, 累積 値 70. 46%で 4 因子解を採用した. 回転後の因子負荷. 0. 85, 0. 77 となり尺度の信頼性が確認された. 最後に主体的な学修態度尺度 7 項目についても主因. 量を付表 4 に示す. 第 1 因子は, 「11. 将来を考えると,. 子法, プロマックス回転で因子分析を行った. 結果,. 大学を出ておきたい. 」などの項目が高い因子負荷を. 固有値 1. 34, 累積値 58. 74%で 2 因子解を採用した.. 示した. これらは, 大学卒業や卒業後の将来, 在学へ. 回転後の因子負荷量を表 4 に示す. 第 1 因子は, 「4.. の責任のことを考える内容であることから, 「将来思 考的コミットメント」 因子と命名した. 第 2 因子は,「3.. 単位さえもらえばよいという気持ちで授業に出る」な. 大学の雰囲気が好きだ. 」などの項目が高い因子負荷. ─ 41 ─.

(7) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). を示した. これらは, 学生の大学に対する愛着に関す. 最後に主体的な学修態度尺度 7 項目についても主因. る内容であることから, 「情緒的コミットメント」因子. 子法, プロマックス回転で因子分析を行った. 結果,. と命名した. 第 3 因子は, 「15. 今すぐ働くのは嫌だか. 固有値 1. 60, 累積値 60. 98%で 2 因子解を採用した.. ら大学に居る」などの項目が高い因子負荷を示した.. 回転後の因子負荷量を付表 6 に示す. 第 1 因子は, 「2.. これらは, モラトリアムを享受することに関する内容. 課されたレポートや課題を少しでも良いものに仕上げ. であるため, 「モラトリアム的コミットメント」因子と. ようと努力する」などの項目が高い因子負荷を示した.. 名付けた. 第 4 因子は, 「8. 大学の先生を裏切ること. これらは, 学修に対して自らが行動するという内容か. になるので, 大学は辞められない. 」などの項目が高い. ら「主体的学修態度」尺度と命名した. 第 2 因子は,「4.. 因子負荷を示した. これらは, 教員や友人への義理・自. 単位さえもらえればよいという気持ちで授業に出る. 」. 分の規範に基づき大学に所属し続ける内容であるため,. などの項目が高い因子負荷を示した. これらは, 全て. 「規範的コミットメント」 と命名した. そして, いずれ. 逆転項目であったが, 統計量における平均値が, 項目. か 1 つの因子にのみ. 40 以上の負荷を示すという基準. 4 が 2. 47, 項目 3 が 2. 77, 項目 7 がともに 2. 73, 項目. に従って下位尺度項目を決定した. その結果, 将来思. 1 が 2. 46 と低い値を算出し, 全て逆転項目による意味. 考的コミットメント尺度は 7 項目, 情緒的コミットメ. の反転が行われていたことから, 「学修に対する意識. ント尺度は 4 項目, モラトリアム的コミットメント尺. 不足」尺度と命名した. そして, いずれか 1 つの因子に. 度と規範的コミットメント尺度が 3 項目からそれぞれ. のみ. 40 以上の負荷を示すという基準に従って下位尺. 構成されることが明らかになった. 各下位尺度のα係. 度項目を決定した. その結果主体的学修態度尺度が 3. 数を算出したところ, それぞれ 0. 89, 0. 89, 0. 76, 0. 78. 項目, 学修に対する意識不足尺度が 4 項目から構成さ. となり尺度の信頼性が確認された.. れることがそれぞれ明らかになった. 各下位尺度のα. 続いて, 学修動機づけ尺度 14 項目についても主因. 係数を算出したところ, それぞれ 0. 74, 0. 70 となり尺. 子法, プロマックス回転で因子分析を行った. 結果,. 度の信頼性が確認された. 固有値 1. 39, 累積値 66. 32%で 3 因子解を採用した.. (3)因子分析(3 年生). 回転後の因子負荷量を付表 5 に示す. 第 1 因子は,「3.. 次に 3 年生の因子分析の結果を記述する. 大学コミ. 勉強するべき大切な内容だと思うから. 」などの項目. ットメント尺度 17 項目に対し主因子法, プロマック. が高い因子負荷を示した. これらは, 学修の重要性に. ス回転で因子分析を行った. 結果, 固有値 1. 13, 累積. より動機づけられているという内容であるため「同一. 値 65. 04%で 4 因子解を採用した. 回転後の因子負荷. 化的調整」因子と命名した. 第 2 因子は,「13. 他人に. 量を付表 7 に示す. 第 1 因子は, 「10. せっかくここ. 勉強しろと言われるから. 」などの項目が高い因子負. までやってきたのだから, 大学は卒業しておきたい. 」. 荷を示した. これらは, 外的な圧力によって学修して. などの項目が高い因子負荷を示した. これらは, 大学. いることから「外的調整」因子と命名した. 第 3 因子. に残る方がほかの選択より社会的に有利であるから大. には, 「6. 授業の内容が楽しいから」などの項目が高. 学に所属する内容であることから, 「存続的コミット. い因子負荷を示した. これらは, 学修そのものが楽し. メント」因子と命名した. 第 2 因子は, 「3. 大学の雰. いという内容から「内発的調整」因子と命名した. そし. 囲気が好きだ. 」などの項目が高い因子負荷を示した.. て, いずれか 1 つの因子にのみ. 40 以上の負荷を示す. これらは, 学生の大学に対する愛着に関する内容であ. という基準に従って下位尺度項目を決定した. その結. ることから, 「情緒的コミットメント」因子と命名し. 果, 同一化的調整尺度は 5 項目, 外的調整尺度と内発. た. 第 3 因子は,「7. 友人を裏切ることになるので,大学. 的調整尺度がそれぞれ 3 項目から構成されることが明. は辞められない」などの項目が高い因子負荷を示した.. らかになった. 各下位尺度のα係数を算出したところ,. これらは, 教員や友人への義理・自分の規範に基づき. それぞれ 0. 87, 0. 86, 0. 78 となり尺度の信頼性が確認. 大学に所属し続ける内容であるため, 「規範的コミッ. された.. トメント」と命名した. 第 4 因子は, 「15. 今すぐ働く. ─ 42 ─.

(8) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). のは嫌だから大学にいる. 」などの項目が高い因子負. を除き, 逆転項目であったが, 統計量における平均値. 荷を示した. これらは, モラトリアムを享受すること. が, 項目 4 が 2. 26, 項目 1 が 2. 39, 項目 3 が 2. 53, 項. に関する内容であるため, 「モラトリアム的コミット. 目 7 が 2. 59, と低い値を算出し, 項目 2 を除く逆転項. メント」 因子と名付けた. そして, いずれか 1 つの因子. 目による意味の反転が行われていたことから, 「学修. にのみ. 40 以上の負荷を示すという基準に従って下位. に対する意識不足」尺度と命名した. なお, 項目 2 の平. 尺度項目を決定した. その結果, 存続的コミットメン. 均値は, 3. 14 であった. 第 2 因子は, 「6. プレゼンテー. ト尺度, 情緒的コミットメント尺度, 規範的コミット. ションの際, 何を質問されても大丈夫なように調べ. メント尺度がそれぞれ 4 項目, モラトリアム的コミッ. る. 」と「5. 授業には, 意欲的に参加する」の 2 項目. トメント尺度が 3 項目から構成されることが明らかに. が高い因子負荷を示した. これらは, 学修に対して自. なった. 各下位尺度のα係数を算出したところ, それ. らが行動するという内容から「主体的学修態度」尺度. ぞれ 0. 78, 0. 85, 0. 77, 0. 77 となり尺度の信頼性が確認. と命名した. そして, いずれか 1 つの因子にのみ. 40 以. された.. 上の負荷を示すという基準に従って下位尺度項目を決. 続いて, 学修動機づけ尺度 14 項目についても主因. 定した. その結果学修に対する意識不足尺度が 5 項目,. 子法, プロマックス回転で因子分析を行った. 結果,. 主体的学修態度尺度が 2 項目から構成されることがそ. 固有値 1. 24, 累積値 59. 55%で 3 因子解を採用した.. れぞれ明らかになった. 各下位尺度のα係数を算出し. 回転後の因子負荷量を付表 8 に示す. なお共通性が 1. たところ, それぞれ 0. 77, 0. 56 となった. 主体的学修. を超えるため, 質問項目 13 は分析から除外した. 第 1. 態度尺度のα係数が 0. 56 となったが, 今回は全体と 1. 因子は, 「4. 自分のためになると思うから. 」などの項. 年との分析結果との整合性をとることと, 安藤3)が 0.. 目が高い因子負荷を示した. これらは, 学修の重要性. 59 で尺度を採用したことを基準とし, 分析を進めた.. により動機づけられているという内容であるため「同 一化的調整」因子と命名した. 第 2 因子は, 「12. 勉強. 4-4 尺度相関. しないと教師にしかられるから」などの項目が高い因. 大学コミットメントと学修動機づけ, 並びに主体的. 子負荷を示した. これらは, 外的な圧力によって学修. な学修態度との関連を検討するために, 下位尺度間相. していることから「外的調整」因子と命名した. 第 3 因. 関係数を算出した.. 子には, 「6. 授業の内容が楽しいから」などの項目が. (1)相関分析(全体) 全サンプルの因子分析に対して, 相関分析を実施し. 高い因子負荷を示した. これらは, 学修そのものが楽. た. 結果を表 5 に示す.. しいという内容から「内発的調整」因子と命名した. そ して, いずれか 1 つの因子にのみ. 40 以上の負荷を示. 学修動機づけ内では, 全ての調整間に有意な正の相. すという基準に従って下位尺度項目を決定した. その. 関が認められた. 本来であれば, 距離の近い調整間に. 結果, 同一化的調整尺度は 4 項目, 外的調整尺度が 5. は正の相関が見られ, 距離の遠い調整間では無相関,. 項目, 内発的調整尺度が 3 項目から構成されることが. もしくは負の相関が示される単純構造が仮定されてい. 明らかになった. 各下位尺度のα係数を算出したとこ. る. しかし, 本研究は, 探索的因子分析を行ったため,. ろ, それぞれ 0. 77, 0. 75, 0. 75 となり尺度の信頼性が確. 相関分析に使用された因子も既存研究とは異なるもの. 認された.. となった. そのため既存研究と異なり, 正の相関が尺. 最後に主体的な学修態度尺度 7 項目についても主因. 度内すべてに表れたと考えられる. 学修動機づけと主. 子法, プロマックス回転で因子分析を行った. 結果,. 体的な学修態度との間では, 同一化的調整と内発的調. 固有値 1. 20, 累積値 58. 91%で 2 因子解を採用した.. 整が学修に対する意識不足と主体的学修態度に有意な. 回転後の因子負荷量を付表 9 に示す. 第 1 因子は, 「4.. 正の相関を示している. これは, 学修の価値の内在化. 単位さえもらえばよいという気持ちで授業に出る」な. と自発的な学修動機が, 学修への意識を改善し, 自ら. どの項目が高い因子負荷を示した. これらは, 項目 2. 学修を行うことに関連があると考えられる. 一方, 外. ─ 43 ─.

(9) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 表 5 全サンプルの尺度間相関分析結果 同一化的調整 尺度得点 外的調整 尺度得点 内発的調整 尺度得点 主体的学修態度 尺度得点 学修に対する意 識不足尺度得点 将来思考的 コミットメント 尺度得点 情緒的 コミットメント 尺度得点 モラトリアム的 コミットメント 尺度得点 規範的 コミットメント 尺度得点. 規範的 モラトリアム的 情緒的 学修に対する 将来思考的 内発的調整 主体的学修態 意識不足尺度 コミットメント コミットメント コミットメント コミットメント 尺度得点 度尺度得点 尺度得点 尺度得点 尺度得点 得点 尺度得点. 同一化的調 整尺度得点. 外的調整 尺度得点. ―. .139*. .494**. ―. .225**. -.154*. .224**. ―. .211**. .501**. ―. .356** ―. .136*. .491**. .351**. .183**. M. SD. .204**. .06. .08. .171**. .178**. .243**. 6.84 3.29. .06. .355**. -.02. .213**. 8.57 2.64. -.10. .13. -.139*. .00. .183**. .428**. .08. .237**. 9.19 2.44. ―. .06. .173**. .452**. 28.07 5.53. ―. -.01. .362**. 10.99 3.83. ―. .02. 10.03 3.12. ―. 18.24 3.86. 10.11 3.13. 9.24 3.32. **  p  < .01 * p < .05. 的調整が学修に対する意識不足に有意な負の相関を,. 内発的調整と情緒的コミットメント, 規範的コミット. 主体的学修態度に対して有意な正の相関を与えている.. メントとの相関は, 「授業の内容が楽しい」 「勉強する. この時の学修に対する意識不足の値が上昇することの. ことが楽しい」などの要素をもつ内発的調整が, 「大学. 捉え方は, 値が高くなることにより, 意識が改善する. は大切な居場所である」 「大学に通うことは楽しい」と. と捉える. このことから, 親や教員からの発言などの. 情緒的コミットメントと類似の要素を持つことと,. 外的な影響は,学生の学修行動を生起させるが, 学修に. 「大学の先生を裏切ることになるので, 大学は辞めら. 対する意識は低下させてしまうということが考えられ. れない. 」 「友人を裏切ることになるので, 大学を辞め. る.. られない. 」と自身の学修の支えとなっている人たち. 学修動機づけと大学コミットメントとの間では, 同. に関する項目との関連性から生起したと考えられる.. 一化的調整がモラトリアム的コミットメントを除く 3. 主体的な学修態度内では, 学修に対する意識不足が. 種類のコミットメントと有意な正の相関を, 外的調整. 主体的学修態度と有意な正の相関を示した. これは,. が将来思考的コミットメントを除く 3 種類のコミット. 学修に対する意識不足が解消することにより, 自ら学. メントと有意な正の相関を示した. 内発的調整は, 情. ぶ態度が醸成されることを示唆していると考えられる.. 緒的コミットメントと規範的コミットメントの2つの. 主体的な学修態度と大学コミットメントとの間では,. コミットメントに対して有意な正の相関を示した. 同. 学修に対する意識不足がモラトリアム的コミットメン. 一化的調整は, 学修の持つ価値の自身への内在化であ. トと有意な負の相関を示し, 主体的学修態度がモラト. り, 将来思考的・規範的・内発的コミットメントはそれ. リアム的コミットメントを除く3種類のコミットメン. ぞれ, 在学することの価値の内在化, 大学での学修を. トと有意な正の相関を示した. 学修に対する意識不足. 通した教員や友人などの関係性, 学修も含めた大学に. とモラトリアム的コミットメントは, 学修に対する意. 対する愛着と, 学修と学修を構成する物事に対して関. 識不足が改善されることが, 大学に在学する意味が見. わることから, 正の相関があることが示された. 外的. いだせない状態, すなわちモラトリアム的思考を脱却. 調整は, 自分ではない外部からの学修動機づけである. し, 学修への価値を理解することから関連が示唆され. が, モラトリアム的コミットメントは, 大学に居るこ. た. 一方, 主体的学修態度とモラトリアム的コミット. とに明確な意味を見出させていないことを表す. これ. メントを除く3種類のコミットメントは, 主体的学修. らは, どちらも価値を自分の中に見出せないという点. 態度の大学において自ら学ぶという姿勢が, 将来思考. から相関を示したと考えられる. 一方, 情緒的コミッ. 的コミットメントにおける将来を見据えて大学に関わ. トメント, 規範的コミットメントとの正の相関は, 友. ること, 情緒的コミットメントにおける大学に対する. 人, 教員, 保護者との関りから生起したと考えられる.. 愛着, 規範的コミットメントにおける教員, 友人とと. ─ 44 ─.

(10) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). もに学修するという関係からそれぞれ相関が表れるこ. 主体的な学修態度内では, 学修に対する意識不足. とが示唆された.. が主体的学修態度と有意な正の相関を示した. これは,. 大学コミットメント内では, 将来思考的コミットメ. 学修に対する意識不足が解消することにより, 自ら学. ントが, モラトリアム的コミットメント, 規範的コミ. ぶ態度が醸成されることを示唆していると考えられる.. ットメントと, 情緒的コミットメントが規範的コミッ. 主体的な学修態度と大学コミットメントとの間では,. トメントとそれぞれ有意な正の相関を示した. 将来思. 学修に対する意識不足がモラトリアム的コミットメン. 考的コミットメントは, 大学卒業や卒業後の将来, 在. トと有意な負の相関を示し, 主体的学修態度が情緒的. 学への責任のことを考え大学と関わることである. 対. コミットメントと有意な正の相関を示した. この中で. して, モラトリアム的コミットメントは, 大学生であ. も主体的学修態度と情緒的コミットメントの正の相関. る状態を享受するために大学に関わることであるので,. は, 大学との情緒的な関わりが主体的な学修態度を醸. 大学を卒業する, あるいは辞めることを考えると当然,. 成することが示唆される結果となった.. 大学生であることの恩恵は享受できなくなるので相関. 大学コミットメント内では, 規範的コミットメン. が発生したと考えられる. また規範的コミットメント. トが, 将来思考的コミットメントと情緒的コミットメ. との相関は, 将来を考え大学に関わることと規範を守. ントにそれぞれ有意な正の相関を示した. これは, 大. るため大学に関わることと目的は異なるが, どちらも. 学に留まるべき理由と大学に対する愛着が学生自身の. 辞められない, 続けるという共通点を持つため相関を. 規範と関係していることが示された.. 示したと考えられる.. (3)相関分析(3 年生). (2)相関分析(1 年生). 全サンプルの因子分析に対して, 相関分析を実施 した. 結果を付表 11 に示す.. 全サンプルの因子分析に対して, 相関分析を実施 した. 結果を付表 10 に示す.. 学修動機づけ内では, 全ての調整内で有意な正の. 学修動機づけ内では, 同一化的調整と内発的調整. 相関を示した. これは, 学年が上がり, 外部から自身. が有意な正の相関を示した. この二つは, 学習の価値. への学修動機づけの落とし込みが出来ていることが考. の内在化と学修への興味関心という近似の概念である. えられる. 学修動機づけと主体的な学修態度との間で. ため相関が示されたと考えられる. 学修動機づけと主. は, 学修動機づけ全体が主体的学修態度に有意な正の. 体的な学修態度との間では, 学修動機づけ全体が主体. 相関を示した. これは, 学修動機づけを構成する全て. 的学修態度に有意な正の相関を示した. これは, 学修. の概念が, 学修への意識を改善し, 自ら学修を行うこ. 動機づけを構成する全ての概念が, 学修への意識を改. との示唆となったことが考えられる. 一方, 学修に対. 善し, 自ら学修を行うことの示唆となったことが考え. する意識不足尺度では, 内発的調整が有意な正の相関. られる. 一方, 学修に対する意識不足では, 外的調整. を示した. これは, 学修への興味関心が学修に対する. が有意な負の相関を, 内発的調整が有意な正の相関を. 意識不足を改善することが示唆される結果となった.. それぞれ示した. これは, 外部からの影響が学修に対. 学修動機づけと大学コミットメントとの間では, 同一. する意識不足を引き起こし, 学修への興味関心が学修. 化的調整が存続的コミットメントと規範的コミットメ. に対する意識不足を改善することがそれぞれ示唆され. ントに有意な正の相関を, 外的調整が情緒的コミット. る結果となった. 学修動機づけと大学コミットメント. メントと規範的コミットメントに有意な正の相関を示. との間では, 同一化的調整が将来思考的コミットメン. し, 内発的調整は, 情緒的コミットメントのみに有意. トと情緒的コミットメントに有意な正の相関を, 外的. な正の相関を示した. 特に注目すべきは, 外的調整が. 調整がモラトリアム的コミットメントと規範的コミッ. 情緒的コミットメントと有意な正の相関を持つ部分で. トメントに有意な正の相関を示し, 内発的調整は, 情. ある. これは, 外部からの学修動機づけが大学との愛. 緒的コミットメントと規範的コミットメントの2つの. 着との関連を示すものであり, 小規模大学における学. コミットメントに対して有意な正の相関を示した.. 生へのサポートがこの相関の要因であることが考えら. ─ 45 ─.

(11) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). なり, . 90 以上を示すとモデルの適合度が高いとされ. れる.. る GFI, AGFI がそれぞれ. 98 . 95 となった. また. 05 以. 主体的な学修態度内では, 1 年生と同様に学修に対 する意識不足が主体的学修態度と有意な正の相関を示. 下を示すとモデルの適合度が高いとされる RMS EA. した. 主体的な学修態度と大学コミットメントとの間. が. 03 で高いモデル適合率が示された. モデルの内容. では, 学修に対する意識不足が情緒的コミットメント. は, 大学コミットメントである将来思考的コミットメ. と有意な正の相関を示し, 主体的学修態度が情緒的コ. ント, 情緒的コミットメントが内発的調整, 同一化的. ミットメントと規範的コミットメントと有意な正の相. 調整に影響を及ぼすこと. また, モラトリアム的コミ. 関を示した. この中でも主体的学修態度, 学修に対す. ットメントと規範的コミットメントが外的調整に影響. る意識不足と情緒的コミットメントの正の相関は, 大. を与えることがそれぞれ明らかになった. 加えて将来. 学との情緒的な関わりが主体的な学修態度を醸成し,. 思考的コミットメントと情緒的コミットメントの2つ. 学修に対する意識不足を改善することが示唆される結. のコミットメントが, 主体的学修態度へ影響を与える. 果となった.. ことが明らかになった. 外的調整, 同一化的調整, 内. 大学コミットメント内では, 規範的コミットメン. 発的調整の3つからなる学修動機づけ尺度は, 外的調. トが, 情緒的コミットメントにそれぞれ有意な正の相. 整から, 同一化的調整, 内発的調整に影響を及ぼすこ. 関を示し, 存続的コミットメントが, モラトリアム的. とも確認された. そして, 学修動機づけ尺度から主体. コミットメントと規範的コミットメントと有意な正の. 的な学修態度尺度へは, 全ての因子が影響を与えてお. 相関を示した. これは大学に在学し続ける理由が, モ. り, 外的調整から主体的な学修態度尺度の下位尺度で. ラトリアムを享受することと, 自身の規範に則るとい. ある主体的学修態度尺度へは, 他人からの影響により. う 2 面性を持つことが示唆される結果となった.. 学修をすること, また学修に対する意識不足尺度へは, 他人に自身の学修に対して言及されることによって学. 4-5 パス解析. 修意欲がなくなることを表していると考えられる. ま. 以上の相関結果から, 共分散構造分析を応用したパ. た内発的調整から主体的学修態度尺度へは, 自らの学. ス解析によるモデル検証を行う. なお, 分析プロセス. 修への興味関心が高まることによって自ら学修する態. は, 相関分析の結果を元に, パス図を作成し分析を実. 度を醸成していることが分かる. 同時に, 学修に対す. 施. この結果で示された係数から有意なパスを選別し. る興味関心が向上することによって, 学修に対する意. 修正, 最後に結果内の修正指数に表示されるパスを参. 識不足も改善することが明らかになった. そして学修. 考にし, モデル適合度を高めたパス図を作成した.. に対する意識不足を改善することにより, 主体的学修. (1)パス解析(全体). 態度も向上することが明らかになった.. 作成したパス図を図 2 に示す(拡大図:付図 1). パス. (2)パス解析(1 年生) 続いて 1 年生におけるパス解析結果を記載する. 結. 解析によるモデル適合の結果は, カイ二乗値が. 28 と. 果は図 3(拡大図:付図 2)のようになった. パス解析によ. 図 3 1 年生パス図. 図 2 全体パス図. ─ 46 ─.

(12) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). るモデル適合の結果は, カイ二乗値が. 39, GFI, AGFI. 全体に共通する点としては, 情緒的コミットメント. がそれぞれ. 96 . 92 となり, RMSEA が. 03 で高いモデ. が学修動機づけと主体的な学修態度に対し, 有意な因. ル適合率が示された. 大きな特徴としては, まず外的. 果関係を示していることと, 学修に対する意識不足が. 調整から内発的調整へのパスが繋がっていないことが. 主体的学修態度に対し因果関係を結んでいることが明. 挙げられる. 外的調整から同一化的調整及び, 内発的. らかとなった. 情緒的コミットメントが影響を与えて. 調整へのパスが存在しないということは, 他人から言. いる項目は, 外的調整, 同一化的調整, 内発的調整, 主. われた学修の価値を自身で理解できていないことが考. 体的学修態度である. すなわち, 学生の大学に対する. えられる. 次にモラトリアム的コミットメントから学. 感情が, 学修の動機づけと主体的な学修態度の醸成を. 修に対する意識不足に対して因果関係が存在すること. 促すことが明らかとなった. 学修に対する意識不足が. が挙げられる. 学生の持つモラトリアム的な考え, 関. 主体的学修態度に影響を与える理由は, 学修に対する. わり方が, 学修に対する意識不足を引き起こしている. 意識の持ち方, あるいは捉え方が改善されることによ. ことが明らかになった.. って, 主体的学修態度が醸成されることが明らかとな. (3)パス解析(3 年生). った. この要因は, 学年ごとで内容は異なるが, 主に. 続いて 3 年生におけるパス解析結果を記載する. 結. 学修に対する意識の変化により, 主体的な学修態度が. 果は図 4(拡大図:付図 3)のようになった. パス解析によ. 変化することが今回の分析結果より明らかになった. 次に 1 年生のみのサンプルと 3 年生のみのサンプル のパス解析結果を比較し相違点を明らかにする. 大き な点は, 学修動機づけ尺度における外的調整から, 同 一化的調整並びに, 内発的調整への因果関係の有無と, 外的調整から主体的な学修態度尺度群への因果関係の 存在である. 1 年生時は, 外的調整から同一化的調整, 内発的調整へのパスが存在しないということは, 他人 から言われた学修の価値を自身で理解できていないこ とが考えられる. 加えて, 他人から言われることによ り, 自分から学修しなければならないことに気づくと. 図 4 3 年生パス図. 同時に他人から学修について言及されると学修への意. るモデル適合の結果は, カイ二乗値が. 54, GFI, AGFI. 識不足が促進されることが明らかになった. 3 年生時. がそれぞれ. 96,. 92 となり, RMSEA が. 00 で高いモデ. は, 1 年生と比較すると, 他人から言われたことなどが. ル適合率が示された. 大きな特徴としては, 学修動機. 学修の動機となる外的調整が, 同一化的調整, 内発的. づけ尺度における外的調整から, 同一化的調整並びに,. 調整へと影響を与えていることが特徴として挙げられ. 内発的調整への因果関係が存在することと, 外的調整. る. これは, 他人から言及された学修の価値を自身で. から主体的な学修態度尺度群への因果関係が存在しな. 理解したことで表れる因果関係である. つまり, 学年. いことである. この二つの大きな因果関係は, 共通し. が上がることによって, 他人から言われた学修の価値. て, 外的要因である教員や保護者などから受けた影響. などを受け止めて, 自身のものにできることが明らか. を一度自身で理解する, つまり価値の内在化を行って. となった. 加えて, 外的調整から主体的な学修態度尺. いることが分かる. このことから, 学生の学修価値の. 度群への影響が存在しない. これは, 他人から言及さ. 内在化により, 学修が深化することが示唆された.. れたことをまず自分自身が理解し, 学修の価値を見出 す能力が身についたためと考えられる.. 5. 考察. また,構成する因子内容が, 既存研究. 3)6)8). と異なるこ. とも明らかになった. 主な違いは, 大学コミットメン. ─ 47 ─.

(13) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). トにおいては, 既存研究における存続的コミットメン. 的な学修態度の醸成は, 変化が目まぐるしい現代にお. トが, 将来思考的コミットメントに変化していたこと.. いて必要とされるものである. そして, 環境と共生し,. これは, 大学に在籍するという選択が他の選択よりも. 持続可能な社会を実現するための目標である SDGs に. よいからという大学への関わり方が, 将来のために大. おける目標 4. 3 では, 「2030 年までに, すべての人々. 学に在籍するという関わり方に変容したものと考えら. が男女の区別なく, 手の届く質の高い技術教育・職業. れる. 次に学修動機づけにおいて, 既存研究では, , 内. 教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得. 的な自己や自尊心と関連した圧力によって動機づけら. られるようにする. 」とされていた. この目標 4. 3 に対. れる取入れ的調整が因子として確認できなかったこと. し本研究は, 大学生の主体的な学修態度向上の観点か. が挙げられる. これは, 同一化的調整ととらえ方が近. ら, 「質の高い高等教育」に対し寄与するものと考えら. しいため同列の因子となったことが考えられる. また,. れる.. 教員を主とした他者との繋がりが, 大学に対する愛着,. 6. 結論. 並びに外的要因から生起する学修動機づけを介し, 主 体的な学修態度へと影響を与えることが明らかとなっ. 本稿では, 愛知県内小規模文系大学の学生を対象に,. た. これらの結果は, 今回の調査対象が, 小規模文系 大学を対象にしたものであること, 並びに探索的因子. 大学コミットメントが, 学修動機づけを媒介し, 主体. 分析を実施したことに起因することが考えられる. こ. 的な学修態度にどのような影響を与えるかを明らかに. れは, 既存研究の尺度の普遍性に言及する結果ともな. することを目的として, 学生全体, 1 年生, 3 年生別に. った. 小規模大学と大規模大学との差異については,. 調査と因子分析, 因子相関分析, パス解析を実施した.. 教員一人に対する学生の割合が違いの一つとして考え. その結果, 全体に共通するパスとして, 「情緒的コ. られる. これは, 教員と学生間のコミュニケーション. ミットメント」から「主体的学修態度」への正のパ. の頻度にも影響があると考えられる. その結果, 全体. ス, 「同一化的調整」から「内発的調整」への正のパ. のパス図において, 「大学の先生の期待を裏切ること. ス, 「内発的調整」から「主体的学修態度」と「学修. になるので, 大学は辞められない」が高い因子負荷量. に対する意識不足」への正のパス,「学修に対する意. を持つ規範的コミットメントが外的調整へと影響を与. 識不足」から「主体的学修態度」への正のパスが抽出. え, 学修の価値を内在化し, 主体的な学修態度の向上. された. 大学コミットメントから学修動機づけに共通. につながったと考えられる. また, 全てのパス図にお. して影響を与えるパスは, 「将来を考えると, 大学は. ける規範的コミットメントと情緒的コミットメントの. 出ておきたい」が高い負荷量を示す「将来思考的コミ. 共変関係を示すパス図も, 教員の存在が学生の大学へ. ットメント」と「せっかくここまでやってきたのだか. の愛着を高めていることが考えられる. このモデルを,. ら,大学は卒業しておきたい」が高い因子負荷量を示. 大規模大学, 中規模大学に適応した場合, 教員との関. す「存続的コミットメント」の二つが「同一化的調. りが薄くなり大学への愛着は低下することが考えられ. 整」への正のパスを抽出した. このことから, 大学コ. る. しかし, 規範的コミットメントの構成因子には,. ミットメントが, 学修動機づけを媒介し, 主体的な学. 「保護者」や「友人」からの期待を裏切りたくないか. 修態度を向上することが明らかとなった.. ら大学を辞めないという項目も存在するため, 学生と. 今後の課題は, 本モデルは, 個人属性統計の結果か. 最も関りのある他者との繋がりが外的調整や情緒的コ. ら, 勉強以外に注力する学生を対象とし分析を行った. ミットメントを通して, 主体的な学修態度に影響を与. 結果であるため, 個人属性の異なる大学に対し調査分. えることが考えられる. このことからも本モデルは,. 析を行い, モデルの普遍性の検討と精緻化を実施する. 他大学に対しても一般化が可能であると考えられる.. 必要が挙げられる. また, 学修動機づけ, 並びに主体 的な学修態度へと影響を与える大学コミットメント. 今回得られた結果は, 大学生の大学への関わり方が. が, どのような理由で生起するかを明らかにする必要. 主体的な学修態度へ影響を与えることであった. 主体. ─ 48 ─.

(14) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). があるのと同時に, 環境意識に対する尺度を用意し,. 2/1360007.htm, 2020 年 10 月 10 日アクセス. 本モデルで向上することが明らかとなった主体的な学. 12)文部科学省. 修態度が, 環境意識へどのような影響を与えるかを明. b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/008/siryo/attach/1341779.html.. らかにする必要がある.. 2020 年 10 月 10 日アクセス.. 人 文 社 会 系 , https://www.mext.go.jp/. 13)Ryan,R. M. and Deci,E. L. (2000):Self-determination Theory 引用文献. and the Facilitation of Intrinsic Motivation, Social Development,. 1)北村友人・佐藤真久・佐藤学(2019):SDGs 時代の教育:すべ. and Well-being. American Psychologist, Vol.55, pp.68-78. ての人に質の高い学びの機会を,学文社 2)中央教育審議会(2012):新たな未来を築くための大学教育. 著者連絡先 山門 正宜 〒488-8711 愛知県尾張旭市新居町山の田 3255-5 名古屋産業大学院環境マネジメント研究科 E-mail: [email protected] 2020 年 8 月 4 日受付 2020 年 12 月 23 日受理 ©日本環境共生学会(JAHES) 2020. の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育 成 す る 大 学 へ ~ ( 答 申 ) , https://www.mext.go.jp/b_menu/ shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1325047.htm, 2020 年 10 月 9 日 アクセス. 3)安藤史高(2005):大学コミットメントと自立性欲求・学習動 機づけとの関連,一宮女子短期大学紀要,第 44 集,pp.91-99 4)湯立・外山美樹(2016):大学生における専攻している分野へ の興味の変化様態-大学生用学習分野への興味尺度を作成し て-, 教育心理学研究, Vol.64, No.2, pp.212-227 5)畑野快(2013):大学生の内発的動機づけが自己調整学習方 略を媒介して主体的な学習態度に及ぼす影響,日本教育工学 会論文誌,Vol.37(Suppl.), pp.81-84 6)Meyer, J. P. and Allen, N. J. (1991):A Three-component Conceptualization. of. Organizational. Commitment,. Human. Resource Management Review Vol.1, No.1, pp.61-89 7)鹿毛雅治(2018):学習動機づけ研究の動向と展望,The Annual Report of Educational Psychology in Japan,Vol.57, pp.155170 8)萩原俊彦(2003):大学コミットメント尺度作成の試み-大学 コミットメントと大学生活の関係-,日本社会心理学会第 44 回大会発表論集, pp.352-353 9)教育再生実行会議(2013):これからの大学教育などの在り 方 に つ い て ( 第 三 次 提 言 ), https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ kyouikusaisei/pdf/dai3_1.pdf, 2020 年 10 月 9 日アクセス 10)児玉真樹子・中岡希美子(2018) :動機づけが自己調整学 習方略を媒介して主体的な学習態度に及ぼす影響 : 内発的 動機づけと同一化的動機づけに着目して,広島大学大学院教 育学研究科紀要. 第一部, 学習開発関連領域 Vol.67, pp.1-8 11)文部科学省(2015):平成 28 年度以降の定員管理に係る私 立大学等経常費補助金の取扱について(通知), https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/00. ─ 49 ─.

(15) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 付録 付表 表 1大学コミットメントにおける質問項目 大学コミットメントにおける質問項目 尺度名. 付表 4 1 年生の大学コミットメント尺度の因子負荷量 Ⅰ. 質問項⽬ 1.⼤学に通うことは楽しい. 2.⼤学は⾃分にとって⼤切な居場所である. 3.⼤学の雰囲気が好きだ. 4.⼤学のキャンパスは居⼼地がいい. 5.⼤学を途中で辞めることは,許されない. 6.保護者のことを考えると,⼤学は辞められない. 7.友⼈を裏切ることになるので,⼤学は辞められない.. ⼤学 コミットメント. 8.⼤学の先⽣の期待を裏切ることになるので,⼤学は辞められない. 9.私が今⼤学を辞めたら,罪悪感を感じるであろう. 10.せっかくここまでやってきたのだから,⼤学は卒業しておきたい. 11.将来を考えると,⼤学は出ておきたい. 12.⼤卒であることが,後の⼈⽣に役⽴つと思う. 13.この⼤学で⾃分がやりたいことができなくても,卒業はしておきたい. 14.学⽣という⾝分が気楽だから⼤学にいる. 15.今すぐ働くのは嫌だから⼤学にいる. 17.⼤卒だと世間体が良い.. 1.勉強内容が将来役に⽴つと思うから. 2.希望する職業に必要だから. 3.勉強するべき⼤切な内容だと思うから. 4.⾃分のためになると思うから. 5.今勉強しておかないとあとで困ると思うから. 6.授業の内容が楽しいから. 7.勉強することが楽しいから. 8.新しい知識を得るのが楽しいから. 9.良い成績を取りたいから. 10.学⽣なので,勉強するのがあたりまえだから. 11.勉強しないと不安だから.. .93. .08 -.04 -.14. 12.大卒であることが,後の 人生に役立つと思う. 10.せっかくここまでや ってきたのだから,大学は 卒業しておきたい. 13.この大学で自分がやり たいことができなくても, 卒業はしておきたい. 6.保護者のことを考える と,大学は辞められない. 5.大学を途中で辞めること は,許されない. 17.大卒だと世間体が良い.. .82. .05 -.05 -.07. .75. .07. .05 -.01. .72. .05. .26 -.15. Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ. 12.勉強しないと教師にしかられるから. 13.他⼈に勉強しろと⾔われるから. 14.勉強しないと親がうるさいから.. 付表 3 主体的な学修態度における質問項目 質問項⽬ 1.レポートや課題は,ただ提出すればいいという 気分で仕上げることが多い. 2.課されたレポートや課題を少しでも良いものに 仕上げようと努⼒する. 主体的な学修態度. 11.将来を考えると, 大学は出ておきたい.. 4.大学のキャンパスは 居心地がいい. 2.大学は自分にとって大切 な居場所である. 15.今すぐ働くのは嫌だか ら大学にいる. 14.学生という身分が気楽 だから大学にいる. 16.自分が将来何をやりた いかわからないので,大学 に在学している. 8.大学の先生の期待を 裏切ることになるので, 大学は辞められない. 7.友人を裏切ることになる ので,大学は辞められない. 9.私が今大学を辞めたら, 罪悪感を感じるであろう. 因子間相関. 質問項⽬. 尺度名. Ⅳ. .71 -.07 -.04. .12. .62 -.08 -.26. .33. 3.大学の雰囲気が好きだ.. 付表 2 学修動機づけにおける質問項目. 学修動機づけ. Ⅲ. .53 -.09 .14 .16 -.08 .84 .02 .14 1.大学に通うことは楽しい. .10 .81 -.08 -.15. 16.⾃分が将来何をやりたいかわからないので,⼤学に在学している.. 尺度名. Ⅱ. 3.課題には最⼩限の努⼒で取り組む . 4.単位さえもらえばよいという気持ちで授業に出る. 5.授業には,意欲的に参加する. 6.プレゼンテーションの際,何を質問されても ⼤丈夫なように調べる. 7.授業はただぼうっと聞いている.. ─ 50 ─. .80 -.01. .12. .79. .02. .00. .02 -.05. .88. .04. .75. .16. -.08 .11. -.13. .05. .23 -.07. .55 -.13. -.10. .02. .01. .85. .08. .12. .12. .70. .39 -.08 -.01. .51. Ⅰ ―. Ⅱ Ⅲ Ⅳ .11 .04 .37 ― -.03 .42 .03 ― ―.

(16) 環境共生Vol.37 No.1(2021.3)__________________________________________Journal of Human and Environmental Symbiosis Vol.37 No.1(Mar. 2021). 付表 5 1 年生の学修動機づけ尺度の因子負荷量 Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. 3.勉 強す るべき 大切 な 内容 だと 思うか ら.. .90. -.05. -.07. 5.今 勉強 してお かな いと あと で困 ると思 うか ら.. .76. .03. -.03. 4.自 分の ために なる と 思う から . 2.希 望す る職業 に必 要 だか ら. 1.勉 強内 容が将 来役 に 立つ と思 うから .. .73. -.10. .06. .70. -.09. .06. .59. -.19. .24. 13.他 人に 勉強 しろと 言わ れる から.. -.12. .91. .01. 14.勉 強し ない と親が うる さい から.. -.20. .82. .11. 12.勉 強し ない と教師 に しか られ るから . 6.授 業の 内容が 楽し いか ら. 7.勉 強す ること が 楽し いか ら. 8.新 しい 知識を 得る のが 楽し いか ら. 10.学 生な ので ,勉強 する のが あた りまえ だか ら. 11.勉 強し ない と 不安 だか ら. 9.良 い成 績を取 りた い から. .03. .73. -.03. -.03. .03. .86. -.02. .15. .72. .18. -.13. .60. .52. .43. -.14. .50. .44. -.07. .36. .29. .28. 因子 間相 関. Ⅰ. Ⅰ. ―. Ⅱ Ⅲ. Ⅱ. Ⅰ 2.課されたレポートや課題を 少しでも良いものに仕上げよう と努力する. 6.プレゼンテーションの際, 何を質問されても大丈夫 なように調べる. 5.授業には,意欲的に参加する.. .68 -.12. 4.単位さえもらえばよいという 気持ちで授業に出る.. *. 3.レポートや課題には 最小限の努力で取り組む . * 7. 授業はただぼうっと 聞いている. * 1.レポートや課題は,ただ提出 すればいいという気分で仕上げ ることが多い.. Ⅰ Ⅱ. .53. .67. .06. .01. .93. -.22. .59. .06. .48. .31. .45. Ⅰ ―. 因子間相関. .17 ―. Ⅱ. .78 -.03. *. Ⅲ. .29 ―. 付表 6 1 年生の主体的な学修態度尺度の因子負荷量. Ⅱ .34 ―. (注)*は逆転項目を表す.. 付表 8 3 年生の学修動機づけ尺度の因子負荷量. Ⅰ. 付表 7 3 年生の大学コミットメント尺度の因子負荷量 Ⅰ 10.せっかくここまで や ってきたのだから,大 学は 卒業しておきたい. 11.将来を考えると, 大学は出ておきたい . 13.この大学で自分が やり たいことができなく ても, 卒業はしておきたい . 12.大卒であることが ,後の 人生に役立つと思う . 3.大学の雰囲気が好 きだ. 4.大学のキャンパス は 居心地がいい. 2.大学は自分にとっ て大切 な居場所である. 1.大学に通うことは 楽しい. 7.友人を裏切ること になる ので,大学は辞められ ない. 8.大学の先生の期待 を 裏切ることになるの で, 大学は辞められない . 9.私が今大学を辞め たら, 罪悪感を感じるであ ろう. 5.大学を途中で辞め ること は,許されない. 15.今すぐ働くのは嫌 だか ら大学にいる. 14.学生という身分が 気楽 だから大学にいる. 16.自分が将来何をや りた いかわからないので ,大学 に在学している. 6.保護者のことを考 える と,大学は辞められな い. 17.大卒だと世間体が 良い. 因子 間相関. Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ. Ⅱ. Ⅲ. Ⅳ. .99. .09 -.19 -.12. .81. .04 -.13. .05. .57. -.02 -.04. .16. .49. .04. .08. .91. -.07 -.03. .12. .04. .03. .84. -.13. -.04. .66. -.03. .57. .14. .04. -.19. .10. .78. .07. -.12. .13. .69. -.03. .24 -.12. .65. -.08. .36 -.08. .49. .02. -.09 -.13 -.11. .88. .04. .36 -.07. .01 -.01. .01. .69. .15. .07. .63. .14. .50 -.19. .42 -.04. 4.自分のためになると 思うから. 3.勉強するべき大切な 内容だと思うから. 1.勉強内容が将来役に 立つと思うから. 5.今勉強しておかないと あとで困ると思うから. 12.勉強しないと教師に しかられるから. 10.学生なので,勉強する のがあたりまえだから. 11.勉強しないと 不安だから. 14.勉強しないと親が うるさいから. 9.良い成績を取りたい から 6.授業の内容が 楽しいから. 7.勉強することが 楽しいから. 8.新しい知識を得るのが 楽しいから. 2.希望する職業に必要 だから.. .23 .13 .23 .34 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ -.22 .38 .25 ― .27 .06 ― -.07 ― ―. ─ 51 ─. Ⅱ. Ⅲ. .89. -.17. -.10. .63. -.06. .23. .63. .09. .07. .52. .14. -.07. -.14. .71. .01. .18. .68. -.22. .32. .57. -.06. -.23. .55. .10. .18. .47. .15. .05. -.05. .86. -.06. .38. .59. -.05. -.03. .56. .38. -.17. .41. Ⅱ .45 ―. Ⅲ .54 .54 ―. 因子間相関. Ⅰ. Ⅰ Ⅱ Ⅲ. ―.

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