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IL−6刺激により生産される血清アミロイドA はApoEノックアウトマウスのアテローム性動脈硬化症を促進する

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Academic year: 2021

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【背景と目的】 動脈硬化症は,血管の反復性,持続性傷害から 血管内皮細胞の内側にコレステロールが堆積する ことから発症し,心臓血管疾患の主な原因とな る.一方,歯周病は,プラーク中の細菌により引 き起こされ,歯周組織が破壊される慢性炎症性疾 患であり,末梢血でのサイトカイン血症を伴う. 主に疫学的研究結果から,歯周病がアテローム性 動脈硬化症の発症に影響を及ぼす可能性が報告さ れている.我々は以前,歯周病を想定し,マウス の口蓋歯周組織にインターロイキン−6(IL−6) を注入することにより,全身の炎症に影響を及ぼ す急性期反応タンパク質として知られている血清 アミロイド A(SAA)の肝臓での mRNA と,末 梢血中のタンパク濃度が上昇することを報告し た.そこで今回,IL−6によって誘導された SAA が,動脈硬化症易発症マウス(ApoE ノックアウ ト マ ウ ス:ApoE−/− ),あ る い は 野 生 型 マ ウ ス (C57/BL6J マウス)でアテローム性動脈硬化 症を発症,もしくは増加するかどうかを研究し た. 【材料と方法】 50匹 の ApoE−/− (8週 齢,雄 性)と50匹 の 同 週齢の C57/BL6J マウスを用い,さらに,各マ ウスをランダムに IL−6,もしくは PBS 投与の2 群に分けた.IL−6投与群では,0.1%ウシ血清ア ルブミン含有 PBS にて溶解したマウス IL−6を, 腹腔内に3日連続3回注入した.一方,PBS 投 与群では,0.1%ウシ血清アルブミ ン 含 有 PBS のみを腹膜内に IL−6投与群と同様に注入した. 各 群 と も に,投 与 後1日,1,4,8,12週 に 各々5匹ずつ屠殺した.各ステージで採血し,血 中脂質成分を検査した.肝臓での SAAmRNA は リアルタイム PCR 法によって,血清 SAA タン パク濃度は ELISA 法を用いて検出,解析した. また,大動脈を摘出し,大動脈内腔のアテローム 性動脈硬化病変を SudanⅣにて染色し,画像解 析ソフト Image J(ver.1.43,NIH, USA)を用 いて脂肪沈着率を算出,解析した.さらに,動脈 硬化病変部における SAA レセプター(CD36) の発現を免疫組織化学的に検討した. 【結果】 すべての群において経時的に順調な体重増加が みられ,血中の脂質成分では2種のマウス間で有 意差は認められなかった.IL−6投与群は,投与 後12時間をピークに1日まで SAA mRNA 発現レ ベルと血清 SAA タンパク濃度が有意に高値を示 した.脂肪沈着率は,ApoE−/− IL−6投与群が,IL

〔学位論文要旨〕

松本歯学38:161∼162,2012

IL−6刺激により生産される血清アミロイド A は ApoE

ノックアウトマウスのアテローム性動脈硬化症を促進する

窪川

恵太

松本歯科大学 大学院歯学独立研究科 健康増進口腔科学講座

Serum amyloid A released by IL−6 stimulation accelerates atherosclerosis in ApoE knock−out mice.

K

EITA

KUBOKAWA

Department of Oral Health Promotion, Graduate School of Oral Medicine, Matsumoto Dental University

(2)

−6投与後4週以後に有意に増加し,動脈硬化病 変部位における CD36発現も投与後4週より強く 発現した. 【結論】 ApoE−/− マウスにおいて,歯周病のような軽度 の局所慢性炎症により産生された IL−6が,肝臓 での SAA 産生を誘導し,アテローム性動脈硬化 症を亢進することが示唆された. 162 松本歯学 38 2012

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