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今 野 和 夫 ・斎 藤 孝 ・戸 田 金 一

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(1)

精神 薄弱児養護学校 におけ る親へ の 教 育 的 ・援助 的機能 の充実化 の試 み

今 野 和 夫 ・斎 藤 孝 ・戸 田 金 一

ParentEducationinaSchoolforMentallyRetarded Children:AnAttempttoEnrichtheEducationaland HelpingFunctionofaSchoo

l .

KazuoKonno,TakashiSaito,KinichiToda

Ⅰ は じめに

青少 年期 における人間形成 につ いて,意図的計 画的指導を組織化 した学校教育の機能が万能視 さ れかね ない傾 向にあ るが, い うまで もな く社会 教 育およ び家庭教育 の機能 の重視 は変 ることな く存 在 しなければな らない。 この ことは普通児であ ろ うと精 神薄弱児 であ ろ うと

,

これまた変 ることは ないのであ るが, とりわけ後者 に とっての家庭教 育 は次 の点か らして も重要 な意味があ る。

すなわち社会 における教育の機能 に接す る機会 の乏 しさがその一つであ る。その結果,彼 らに と って,学校教育 も同様であ るが,家庭教育のにな う分が重 くなると考 え られ る。 また, もう一点 を 指摘す ると,家庭教育の担 い手で あ る親がわが子 の教育 に当 る力の不足 あ るいは欠如が指摘 されな ければな らない。障害を持つわが子 に対 しての理 性 に立 つ家庭教育 は, はなはだ困難であ る。換言 すれば, わが子 を理性的に捉え られ る ( よ うにな った)親 は, つよい教育力の持 ち主であ るが,千 ど もが幼 く, したが って家庭教育の必要度の高 い 時期に,往 々に して親 の気持 の動揺が見 られ る。

つま りこの ことは,標題 に記 したよ うな親 に対 す る教育力の向上 を図 る余地が十分 に存在 して い ることを物語 っている。 われわれが対象 と した秋 田大学教 育学部附属養護学校 ( 以下附養 とい う) の場合 も例外 ではない。

本研究 の意図

本研究 は 『つ くしんぼ学級』 と名付 け られた附 養 PTA学級 ( 実質 は母親学級)につ いて,その 組織過程 および学級活動 を明 らか にす ることによ って,戟‑の教育 的・援助的機能の充実が図れたか 否かを評価 しよ うとす る もので ある。

附毒 における学校 と親 との連絡 は,学校通信 ( 毎 学期

1

回) ,学部 だよ り ( 毎週 1回

)

,連絡 ノー ト

( 毎 日) によ るはか,月に ユ回 ぐらいの割合で開 催 され るPTA会合の折 の教師 と親 との話合 いな どで行 われ る。 その内容 は,当然本研究主題の機 能 の充実化 にかかわ りを持 つ。先年 までなか った

『つ くしんぼ学級』を特設 したのは,だか ら, い ままで持 ち得 なか った ところの ものを充実化 しよ うとす る点 で 試 み とい う表現 に値 す る。 この点 で は附養の努力 と して,親への教育 的 ・援助的機 能 の い っそ うの充実を図 ろ うと意図す る研究であ る。

課題 の設定

上記の意図を達成す るためには,解決を要す る 問題があ る し, その肯定 的解決策 を求め ることが 期待で もあ る。紙幅の関係で何の説 明を も附 け ら れ ないままであ るが,列挙 してみたい。

1

. PTA学級を組織で きるか。

2.

組織で きた と して も継続で きるか。

3.

問題意識を持 って参加 して くれ るか。

4.

参加者の問題提起 に失望 を与 えない会 の運

(2)

精神薄弱児養護学校における親‑の教育的 ・援助的機能の充実化の試み 宮がはかれ るか。

ここで少 し補足す る。 PTA本来の理想的あ り 方か らは,会員たる親の 自発的学習意欲 に支え ら れて組織 され運営 されてい くべき ものである。 し か し現状では,外か らの刺激を要す る し,運営に も若干の援助 な しには発足で きないと判断 した。

上記

4

項の解決のために,学部教官 ・附養教諭 ・ 同学校長が当初 リー ドを執 るが, この リー ドの漸 進的縮小即会員 自身の リー ドの拡大 こそ究極の前 提 となる目標である。それに至 るまで長 い目でみ て行 くことで会 の発足がなされている。

5.

学校教育 における指導上か ら, ドリル教材 など,時間的不足を持つ ものを家庭で補足す ることは可能か。またその有効 な方法 と して 学校 な らびに家庭での改善あるいは新 しいあ

り方 を生む ことがで きるか。

6.

例えば しつけ方の一致などのよ うに,学校 と家庭 との一貫 した指導を必要 とす るものを 明確化 し,共通の指導法を確立で きるか。

7.

従来の学校側か ら親への一方通行的関係で はな く,親の向上 に伴 う要求の生起を,正 し く学校側が理解 し受容で きるか。

8.

ついには親の要求 は,学校外に向け られ, 例えば社会福祉に関わる活動に発展 した り結 びっいた りす ることが予測 され るが,学校側 の関わ りうる限度 を明確 に しなが らも親 と提 携できるか。

最後者 についてのみ一言加え ると,職場の開拓 や新設要望 は強 いが,附養の親 は行動が伴わない と,精神薄弱者育成会の評を聞 く。将来態度が変 るだろうか。

( 戸田 金一)

方 法 1 . 対 象 者

附養に在籍す る児童 ・生徒の保護者 ( 以下保護 者 とす る)全員 を対象 と した。

保護者の学部別人数の内訳は,小学部1

8

名,中 学部2 0名,高等部32名,合計7 0名である。

2.

母親学級運営の方法

(1

) 運営組織

母親学級の運営組織 は,附養 PTA委員の うち 各学部 1名ずつ計

3

名の母線,附養教官

2

名 ( 校

良 :戸田,斎藤),大学教官

1

名 ( 今野)の合計

6

名の構成である。

なお,運営委員長 は,運営委員の互選によ り, PTA文化部長を兼ねている高等部生徒の母親 と した。

(2)

運営の方法

母親学級の具体的な運営のあ り方 については, 昭和5

75

月1

2

日に第 1回運営委員会を開催 して 次のよ うな事項について確認 した。

原則 と して,毎月 1回程度,学習 テーマや 談話題等を設定 して母親学級を開催す る。

学習す るテーマや内容については,予め母 親の希望を調査 した うえで決定す る。

母親学級の学習内容 については,単 なる学 習活動だけでな く,体育や歌唱などの レク リ

ェ‑ション,談話会,講演,個別相談等を適 宜組み合わせて行 うこととす る。

司会,進行,記録,会場設営,茶菓の準備 等 は,当面, .運営委員が中心になってあたる。

記録及 び広報については,附養教官 ( 斎藤) があたることと し,母親学級の学習内容の概 略は , 「 学習だよ り」と して附養の保護者全員 及 び全教官に配布す る。

経費については,茶菓代 と して毎回,参加 者よ り一人につき

50

円を集金することとした。

3.

記 録

母親学級の活動内容 は,毎回テープ レコーダー を使用 して記録 した。

また, この記録を もとに,活動内容の概略を「 学 習だよ り」 と してま とめた。

Ⅲ 母親学級の活動経過 1 . 事前調査

母親学級で取 り上 げる学習テーマや学習内容 に ついて,保護者全員を対象 と してアンケー ト調査 を実施 した。

この調査では,学習 テーマ として取 り上 げやす い

8

項 目の中か ら選択 させる方法を とった。また,

8

項 目以外に要望す るテーマ等 については, 自由 に記述 させた。

アンケー ト調査の回収数 は,小学部1

8

,中学部

18

,高等部2

4

,合計60 であ り, これは保護者全体 の

85.7%にあたる。

1 79‑

(3)

秋田大学教育学部教育研究所 研究所報第20 19833

調査結果 は表

1

に示 す とお りで あ るが,生 徒の

附養卒業後 の進路 に関す る問題 ,性 に関す る問題, 家庭 内の兄弟 関係,学 習や家事 に関す る問題等, 広範 囲 にわ た って保 護者 が学習 した い とい う要求 を もって い ることが うかがえ る。

また,各学部 の保 護者 によ って,現在か かえて いる問題 の内容 や程度 が異 って いることがわか る。

これ によ ると,小学 部段 階で は,家庭 内の兄弟 関係 を筆頭 に, はめ方 ・しか り方 ・食事 や排他 な ど 児童 の身辺処 理 に関す る問題等 に関心 を示 す保護 者 が多 いよ うに思 われ る。

しか し, 中学部 ・高等 部 にな ると,性 に関す る 問題,進路 の問題,学 習 ・家事 な どが上位 を 占め てお り,生徒 の発達段 階 や学年進行 につれて, 問 題 の所 在 も移行 して い るよ うに思 われ る。

蓑 1 話題等に関するアンケー ト結果

順位 小UJ 中合計 1 進路に関する問題について 4 8 13 25 2 性に関する問題について 3日 or9 h 2 3,芝禦 写兄弟 (姉妹)関係 10 5 5 i20

4 5はめ方 .しか り方について 6 i 6 7 19

5 家事 .学習について 4 6 7 17 6 雷雲し津 金,‑ナ‑など) 4 3 3 10 7 登下校の指導について 5 2 0 I 7 8 禦 i夜尿,失禁など)5 0 1 6 その他・家庭での しつけについて, .親の言 う とをあま

り聞かない子どもについて, .母親が仕事を持 って いる場合の配慮について, .障害児を持つ親 として 最低知 ってお くべきことについて, .地域の子ども たちとの関係について, .くせ (爪をかむなど)を 治すには, .障害の原因について,外国の福祉につ いて, .一人 っ子の場合の育て方, .一般社会との つき合い方 (障害児を持ちなが ら親戚,隣人と上手

活動概要 は以下 の とお りで あ る。

(1)1

日日

① 日時 昭和

575

22

日 午前

9

40

分〜

11 時

場所 附養音楽室

参加者 保護者40名,附養教官2名,大学 教官 1名,合 計43

学習 テーマ 特 にな し

主 な活動 内容

校長 のあ い さつ に続 き,今野が大学教官 の 立 場か ら,家庭における子 どもの しつけ」と題 し,子 ど もに対す る親 の しか り方 とはめ方 の 具体例 な どを中心 に話題提供 した。

この話題 を うけて参加者 か ら多 くの質問 や 意見 が出 され た。 この中には,家庭 での着 が えの指導, ことばの不十分 な子 ど もに対す る 手 だて,文字指導 のあ り方 な ど小学部児童 の 母 親か ら出 され た ものが あ ったが, 中 ・高等 部生徒の母親 か らは,子 ど もの発達段 階 をふ まえ た発言 や経験 に基づ くア ドバ イス もみ ら れ た。

初 めての母親学級で あ ったが,過半数 の母 親 の参加が あ り, 本学級 に対 す る関心 が高 い こ とが うかがわれ た。

会 の内容 と して は,大学教官 の話題 を中心 と して, フ リー トーキ ングの形式 を とったた め, ひ とつの話題 に焦点 を絞 ることは難 しか ったよ うに思 われ る。

親か ら出 され た意見等 も,現在 かかえて い る子 ど もの問題 が そのまま提示 されてお り, 関連性 の乏 しい内容 が 目立 った。

しか し,小学部 の母親 の質 問 に対 して, 中 学部 の母親 が,先輩 と して 自分 の経験 を もと に した助言 をす る場面 もあ り,親 同士 の関 わ り合 い もみ られた。

2.母親学級 におけ る活動概要

上述 のよ うな調査結果 を もとに,保 護者 の要 望 の多 い学 習 テ ーマや全体 に共通 す ると思われ る談 話題等 を設定 して,母 親学 級 を開催 した。

今年度 は, 昭和575月か ら11月までの問 に6 回実施 した1回 目か ら6回 目までの母親学級の

(2)2回 目

① 日時 昭和

576

18

日 午前11時

40

分〜

午後1

40

場所 附養会議室

参加者 保護者30名, 附養教官2名,大学 教官1名,合 計33

学 習 テーマ 「家庭 内の兄弟関係について」

主 な活動 内容

(4)

精神薄弱児養護学校 における親‑ の教育的 ・援助 的機能 の充実化の試み 今 回 は,児 童 ・生 徒 (障薯 児 ) とその兄 弟

関係 を テ ーマ に取 り上 げて学 習 した。

学 習会 で は, 主 と して④ 上 の子 が 障害 児 で, 下 の子 が普 通児 の場合 ,⑥ 上 の子 が普 通児 で, 下 の子 が障害児 の場合,㊤ ひ と りっ子 (障害 児 ) の場合 に分 けて話合 いを もった (2)0

蓑 2 兄弟関係をめ ぐり母親から出された経験談 ・ 反省点 (2回母親学級)

a.上が障害のある子,下が普通の子の場合

・下の子がどんどん上の子を追い抜いてい く。そん な時,両方に対 して親の接 し方がむずか しくな っ て くる。特に下の子には,い くら遅れていてもお 兄ちゃんはお兄ちゃんなのだ, と教えないとうま

くいかない。

・いつも兄弟一緒に育ててきた。どこにで も一緒に 連れていった。だか ら,下の子にとって も兄の姿 を常に目に して育 ってきた。そのため,下の子は 素直で,上の子の面倒見がよか った。

・兄が学校に入 り,体力がつき,兄 としての自覚 ・ 自信がつき,下の子に対 して も兄 らしいことを口 では言 うようになった。だが,行動が伴わない。

成長過程における兄のこのような変化が,下の子 に様々な問題を生 じる。すこい兄弟けんかが始ま る。なぐり合いの時は互いにカッカ しているか ら す ぐには止めないで様子をみている。下の子は兄 に対 して手加減 していることが親にも分かるが, 兄は全 く手加減せず。

・母が上の子を叱 っていると,下の子がそれを見て, 母の叱 り方をまねてたたいたりする。叱 り方を教 えてほしい。

b.上が普通の子,下が障害のある子 どもの場合

・親は,上の子に対 して

,

下の子の面倒をみるよう に」と期待 しがち。で も,上の子 も親に甘えたい

・兄は,あまりに下の子の面倒みが良すぎてやさし いので,かえ って心配。大きくなって,兄はその 反動で乱暴にならないか。

・兄弟げんかの場面 もないと成長 しないのでは。す ば しっこさ,要領の良 さ,挑戦心・‑これ らは, 兄弟げんかや互いの競争を通 して作 られる。上の 子 も,親 と同 じく下の子に対 して過保護的であっ たら,成長 しない。

I 「上の子が レベルの低い下の子 と一緒になってけ んかするのはおか しい

」 ,

下の子が怒 って も,上

は相手を しないのがいい」 と親は決めつけがち。

たとえ一方が障害児で も,兄弟げんかは当たり前 のこと,普通のこと‑・‑そのことを親は忘れてい るのでは。上の子はそうでないのに,親だけが, 下の子を低いと決めつけている。

・下の子をはめたり叱 ったりする時は,兄に与える 影響を も同時に配慮する必要がある。下の子を叱 る時は兄のいない所で, しか しはめる時は兄のい る所で‑・‑こんなや り方は,上の子にも好ま しく ない影響を与えるように思 う。

C.ひとりっ子の場合

・お客さんや友だちが くるのをいやがる。 自分か ら 行 くのはいい。自分の範囲を守 りたい。わがまま である

・一人で眠れる力が育 っているのに,親の都合でい つまで も抱いて寝ていることもある。

・子どもが大きくなるほど, 自分か ら子 どもを離す のが難 しくなる。

④ ,⑥ の 内容 で は, 中 ・高等 部 の母 親 が失 敗談 や経 験 につ いて積極 的 に紹介 した。㊤ で は, ひ と りっ子 の育 て方 の難 しさな どが 中心 とな った。

これ らの話 題 を うけて,今 野 は 「兄弟 げん か」 の例 をあ げ, 障害児 とその兄弟 の相互 の 成 長及 び親 の接 し方 を中心 と して助 言 した。

今 回 の学 習会 は,PTAス ポー ツ教 室 の終 了後 に昼 食 を と りなが ら開催 したせ い もあ り, 和 やか な雰 囲気 の 中で 進 め られ た。

親 に と って兄弟 に関 す る問題 は,切 実 か つ 長 期 的 な もので あ るせ いか,多 くの意 見 や経 験 を もとに した話題 が 出 たよ うに思 われ る。

(3) 3

回目

日時 昭和577

1 午 前 11時〜午 後 1

場所 附養織 工 室

参加者 保 護者31名, 附養教 官3名, 大学 官 1名, 合 計35

学 習 テ ーマ 「性 に関 す る問題 」

主 な活動 内容

母親 が現 在 か か えて い る性 に関す る問題 や 事例 を紹 介 し合 い, それ に対 して附養 ・大学 教 官 が応答 す る形 式 で進 め た (3)0

‑81→

(5)

秋EEE大学教育学部教育研究所 研究所報第20 19833

3 性をめぐって母親から出された問題 (例)

(3回母親学級)

・この頃,オチンチンが大きくなってきた。それとと もにオシッコのおもらしがなくなった。これら2 の関係をどう理解すればよいか。

・ダウン症の子どもでも,成長につれてオチンチンが 大きくなるのか。

・ 「どうしてお母さんにオチンチンないの」と質問 し たり,オッパイに触れたがるなど,男性と女性との 性的な違いに対する関心が強まってきた。

・オチンチンが大きくなってきたのは喜ぶべきことだ が,勃起すると苦 しそう。ゆるいズボンをはかせて も,ズボンの中へ手を入れて しまう

・人の前で性器を露出しても,恥 しいという意識に乏

・異性への関心が強まってきた。「女」という文字への 関心,ヌー ド写真を集める,バスの中などで若い女 性のそばにいきたかる。

性的欲求をうまく抑えさせるには,どうしたらよい か。

・生理の開始直後,情緒不安定になる。

・幼なじみの異性に対 して,べタッと体を寄せる,辛 スをする。本人同士は本当に純粋。本人からすれば, 友情の表現として女の友達の体に触れる。そのよう な行動が,本人たちを知 らない周囲の人から

,

」として捉えられて しまう。

・女子の場合,大きくなるにつれて性非行の被害者に なる危険が強まる。妊娠できないよう手術する,と いったことも考えられるが‑

マスターベーションについての考え方。

話題で は,異性への関心,第二次性徴,性 に関す ること,性行動 に関す る悩 み,優生 保護法の ことなど幅広 く紹介 された。

なかで も高等部生徒の‑母親か らは,生活 年齢に即 した正 しい異性 との接 し方の必要性 について意見が出 され, それに対す る意見 や 考え も他の保護者 よ り出 された。

これ らの話合 いについて,今野 は子 ど もの 性 をめ ぐる諸問題 に対 して, まず性 に対す る 父母の考え方, しつ け方,父兄の話合 い,協 力の有無が重要 な鍵 を握 っているとい う主 旨 の助言 を した。

今回の学習会 は

, PTA

料理教室の終 了後, 昼食 を とりなが ら開催 した。

学習会で は, 日頃あま り話題 にで きない問 題等 も参加者 の中か ら飛 び出 し,賑やかな雰 囲気で進め られたよ うに思われ る。 しか し, 学部の子 ど もによ って性 に関す る問題の程度 が異 な り,男女 によ って も内容が違 うせいか, 内容 の濃 い学 習会 にはな り得 なか った面 もみ

られた。

(4) 第 4

回 目

日時 昭和579

月21

日 午前930分〜

午後1

時30 分

場所 秋 田市第‑福祉授産所及 び第二福祉 授産所

参加者 保護者

29

名,附養教官

5

名,大学 教官 1名,講師2名,合 計37

学習 テーマ 施設見学一授産所の今後の 方向を探 る

主 な活動 内容

今回の学習会で は

, PTA

文化部で企 画 し た秋 田市福祉授産所の見学 を*心 と して校外 で開催 した。

第二福祉授産所で は,空 ビンの選別整理作 業,罪‑福祉授産所で は, ゴ ミ袋の加工作業 の様子 をそれぞれ見学 した。両授産所 とも附 養の卒業者が多数訓練生 と して作業 してお り, 参加者 は熱心 に見学 して いた。

午後か らは,県精神薄弱者育成会長 と福祉 授産所長 を講師に招 き,講話 を中心 に学習 し た。

講話で は, これまでの精神薄弱者育成会の 活動状況や授産所 の作業等 の概要,今後の福 祉関係の見通 しなどが述べ られ,中学部 ・高 等部の保護者 に とっては有益 な内容であった。

参加者 を対象 に した見学後の ア ンケー トに よ ると,今回初めて福祉授産所 を見学 した者 は過半数 を上回 っていた。 また,附養卒業後 の進路 に授産所 を希望 してい る保護者が約90

%近 くもみ られ,今後の授産所 の設立や作業 内容等 に強 い関心 を もって いることが うかが われた。

また,精神薄弱者育成会長 らの講話 につ い て も,卒業後の今後の方向や成人施設等 の見

(6)

精神薄弱児養護学校 におけ る親‑の教育的 ・援助 的機能 の充実化の試み 通 しを把握 す る うえで有 意 義 な学 習会 で あ っ

た よ うに思 われ る。

(5) 5回 目

① 日時 昭和

5710

20

日 午前1 0時〜午後

1

場所 附養会 議 室

参加者 保 護者26名, 附養教官4名, 大学 教 官 1名,合 計31

学 習 テ ーマ 賢 い母 親 に な るため に‑学 校 か らみ た母 親像‑」

(

主な活動 内容

「学校 側 か ら親 に望 む もの」 と題 して,小 学部 , 中学 郡, 高等 部 の各 教 官 よ り話題 が提 供 され た (4)。

蓑 4 学校か ら母親に望むこと (5回母親学級) 小学部教官より (考え直 してほ しい母親像)

自分の子どもの実態がよくわか っていない。

自分の考えを相手に一方的に押 しつける。

子 どもの指導を学校に任せ っきり。

親の都合で子 どもを休ませたり,登 ・下校 させ る。

学校に対 して,子 どもの実態に合わない要望を 多 く出す。

子 どもに対 して過保護であ り,甘やか しすぎ。

他の母親たちとの協調性がない。

自分の子 どもと他の子どもを比較 してみる。

@ 学校か らの配布物によく目を通 さない。

配布物などを期日まで届けない。

中学部教官より

子 どもの年齢的な成長をよく見すえてほ しい。

・中学生 としてふさわ しい服装 ・持ち物などの配 慮,性的成長に対する配慮など。

壇) 身辺の自立を急いでほ しい。

・更衣たけでな く,買物や食事の手伝いなどでき るだけや らせる。

学校,学級にもっと要望を出 してほ しい。

高等部教官より

過大評価や過小評価を しないで,責の子 どもの 力を知 ってほ しい。表面できているようで,でき ていないことも多い。

② 家庭,戸外を通 して,沢山経験させては しい。

身辺処粗 目言己 買い物・・ 学校で学んでいるこ

とも考慮に入れて,家庭で も根気強 く試みては し い。

進路については,小学部段階より真剣に考えて は しい。最後までやり抜 く力,働 くよろこびなど, 高等部段階か ら身につけさせようとしても遅い。

家ではテ レビが殆 ど。編み物など一緒の活動を 通 して親子の会話をするなど,余暇の在 り方につ いて考えてほ しい。

「この子は, こういうこと無理だ」などと,千 どものマイナス面,欠点を,子どもの前で言わな いでほ しい。

親同士の交流をもっと深めては しい。

性的な面での しつけがなされていない。人の前 で裸ない し下着で平気でいる, といったことがな いように。

小 学部 教 官 は

,

「考 え 直 して ほ しい母 親像 と して,子 ど もの実 態 をよ く知 って ほ しい, 子 ど もの指導 を学 校 に任 せ っき りに しな いで ほ しい,子 ど もに合 わ な い要求 を多 く出 し過 ぎな いで は しいな どの要 望 につ いて提 案 した。

中学部教 官 は

,

「賢 い母 親 に な る ため に

と して,㊦ 子 ど もの年 齢 的 な成 長 を見 す え て ほ しい,① 身 辺 の 自立 を急 いで ほ しい,㊥ 学 校 ・学 級‑ の要 望 を多 く出 して ほ しい とい う

3点 につ いて強調 した。

高等 部教官 は,生 徒 の真 の力 を知 って ほ し い, 多 くの経験 を させて ほ しい,進 路 は小 学 部段 階か ら考 えて は しい な ど7項 目か ら成 る 話題 を提供 した。

これ らの提 案 に対 して,保 護者 か らは, 具 体 的 な指導 に関 す る担任 あ るいは学 部 ‑ の要 望 や意見 が多 く出 され,活 発 な学 習会 とな っ た。

大学 教官 によ る助 言 で は,教 師 との コ ミュ ニケ ー シ ョンを上手 に と り,子 ど もの可能 性 を十 分 に伸 ばす ことが大 切 で あ り, 賢 い母 親 とな るため の条件 の ひ とつで あ る とい う指摘 が な され た。

今 回 は各学 部教 官 の話題 を中心 と して進 め たため,保 護者 に と って はや や受 身 的 な学 習 会 とな って しま ったが, これ まで各学 部 ご と の教 官 の要 望等 は聞 く機会 が なか っただ けに

‑83

(7)

得 る もの も多か ったよ うに思われ る。

(6)6日日

日時 昭和5711

17日 午前10時〜12

場所 附養会議室

参加者 保護者21名,附養教官2名, 大学 教官1名,合 計24

学 習 テーマ 「よ りよい学校 を作 るために

‑親 か らみた学校‑」

主 な活動 内容

前回 とは逆 に今 回 は 「保 護者 か ら学校‑ の 要望」 とい うテーマの もとに学 習会 を開 いた。

校長 (戸 田)が初 めに,保護者 の ア ンケー トを もとに学校 に期待 す る要望 や意見等 を学 部別 に紹介 したが (5),その後,保護者 か ら次 のよ うな意見 ・要望が補足 され た。㊦学 校 と親 が同一 の 目標の もとに指導す ることの 重要性,⑦ 担任 との個別 的 な話合 いの必要性

とその もち方,㊥ 親 同士 の交流 のあ り方 な ど, 学校 と保護者 との連携 の仕方 が中心話題 とな

った。

最後 に,今野が アメ リカにお け る全 障害児 教育法 の例 を紹介 しなが ら,親 同士 の学 び方, 学校へ の親 の関わ り方 につ いて助言 を し,会 を閉 じた。

学校 に対す る親 の要求 や要望 を中心 と して, 学校へ の関 わ り方 につ いて話 し合 いが深 め ら れ た学 習会 で あ ったよ うに思 われ る。しか し, 学部 の子 ど もの実態 によ って親 の要 望等 も異 な ってお り, ひ とつの話題 に焦点 を絞 って学 習を進 めて い くこ とが十分 にで きなか ったよ

うに思 われ る。

5 親が学校に期待すること,要望

(別の機会になされたアンケー トの結果より) 小学部より

o子ども一人一人に対する指導の計画や見通 しにつ いて,熟知させてほしい。それを知 らないと,協 力 しようにもできない。

。附属校の特性を生か して,附属中学校 ・小学校と も交流 してはしい。

。家庭的ムー ドの学校に感謝 しつつも, もっと厳 し さやつ らさを教えてほ しい。

o教育実習が多 くて子どもの気持が乱れる。

。言葉や数を,教科ことに教えては しい。

o下校時問を遅 くして,学校にいる時間を長 くして ほしい,など。

中学部より

。本当に身についた物として言葉が使えるように, 一人一人の話 し合いの場や発表の場を設けてはし い。

o教科の先生か らも,子どものできること,家庭で も指導できることを家庭に知 らせてほしい。

o子どもの力のなさを強調 した言葉を,親に向けて 言わないでほ しい。

oもっと宿泊できる行事を作ってほしい。

。体を動かす時間を,今まで以上に作 ってほしい。

o漢字 もとり入れて指導 してほしい。 「ひ らがなさ えできないのにま して漢字は」といった考え方は, どうなのか。子どもの周囲には漢字が沢山ある, など。

高等部より

。一年のうちに進路を定め,進路にあった指導を し てほしい。

。先生に要求を出 しても,応 じてもらえない。

o宿泊訓練,健常児との交流学習を してはしい。

。学生などに,月 1回 くらい,野外活動の指導を し てもらえないか。

。家庭通信‑・鳩目か く書いて下さることに感謝 しつ つも,親としてどうしたらよいのか,途方にくれ ることがある,など。

3.活 動 の まとめ

第 6回 目の母親学級終 了後 ,保護者全 員 を対象 と して,今 回実施 した学 習活動 の 内容 や今後 の方 向等 につ いて ア ンケー ト調査 を行 った。

調査 した内容 は次 の とお りで あ る。

参考 に な った母 親学級

母 親学 級 に参加 で きなか った人 の理 由

母親学 級 に参加 した人 の感想等

今後, 取 り上 げて ほ しい内容 や要望等 ア ンケ ー ト調査の回収数 は42で あ り,保護者全 体 の60%にあ た る もので あ る。

項 目ご とに結果 をみてみ ると次 の よ うにな る。

(1)参考 にな った母親学級

6回実施 した母親学 級 の うち,第4回 目14名 , 5回 目12名で あ り, 他 は2‑ 3名で あ った。 4 回 目の施設見学 は,児童 ・生徒 の進路 に関す るテ

‑84‑

(8)

精神薄弱児養護学校における親への教育的 ・援助的機能の充実化の試み

‑マで もあ り,授産所の見学及 び精神薄弱者育成 会長の講話等が参考 にな ったよ うに思われ る。

また,第

5

回 目は 「 学校か ら親‑望む もの」 と い う学習 テーマであ ったが,三学部教官による話 題提供 とそれに基づ く意見交換等が好評だ ったよ

うに考え られ る。

(2)

母親学級 に参加で きなか った人の理由 調査で は

9

名の保護者か ら回答があ った。主 な 理由 と しては,仕事を もっているため

6

名,都合 がつかない

2

名,遠距離のため

1

名であ った。

9

名中

8

名までが高等部生徒の保護者であ り, 平 日は仕事等のため参加で きないことを考慮す る と,今後,休 日等に校外で母親学級を開催す るな どの方法 も考え られ る。

(3)

母親学級 に対す る感想等

回答のあ った主 な ものを列挙 してみ ると次のよ うになる。

㊦ 多 くの母親 との交流ができた。

先輩の母親の意見を聞 くことがで きて参考 にな った。

子 ど もに対す る接 し方 や配慮 について考え させ られた。

㊤ 各学部の話題がわか り,よか った。

㊥ 施設見学を して参考 にな った。

㊧ 母親学級に参加 して視野が広 くな った。

多 くの話を聞き,気持が明 るくな った。

⑦ 大学教官等の話が参考 にな った。

母親 の学習す る場が得 られてよか った。

また,不満や要望等 については次のよ うな点が あげ られた。

㊦ 質問に対 して適切な応答がなか った。

教官の話 を もっと聞きたい。

先輩の母親の参加が少 な く, いろいろな意 見を聞 くことがで きないのが残念である。

このよ うに得 られた回答か らは,母親学級 に参 加 して良か った, プ ラスにな った との意見が多 く

出されたよ うに思われ る。

(4)

今後取 り上 げては しい内容 ・要望等 これについては,㊦施設見学,⑦読書会,㊥卒 業後の将来 に関す る講話,㊤身近な問題について 先輩の話を聞 く , ㊥他校 との交流 などが,保護者 か ら出され た。

今回テーマ として取 り上げた内容や新 しい分野, あ るいは新 しい企画などについての要望等があ り, 来年度以降の学習会 に生かせ るものが出されたよ

うに思われ る。

(斎藤 孝)

まとめにかえて

以上,本研究 においては,つ くしんぼ学級の組 績過程, これまで

6

回実施 された学級活動の内容 などを記 しなが ら,親への教育的 ・援助的機能の 充実化 に向けて養護学校でなされているひとつの 試みを紹介 した。 その中では,つ くしんぼ学級が, 親への教育的 ・援助的機能 とい う点で,従来の

P

TAや教師一人一人の努力のみによ っては実現 し 得 ない大 きな力を有 して いることが,明 らかにさ れた。また,親 自 らが,時には教師役 とな り,時 には聞き役 とな りつつ,経験 に基づ きなが ら相互 に学習 し合 い,育 ち合 う力を有 していることが, 明 らかにされた。

養護学校教育の義務制実施以降,その在 り方 を め ぐり様 々な視点よ り検討が試み られている。 た とえば,中山

(1979)(

日は,養護学校入学者の重 度化 ・重複化 といった傾 向 との関連で,重度 ・重 複障害児の学習権 を保障す るための総合養護学校 の新設 ・整備の必要性を強調 している。一方, ア メ リカにおいては,1

975

年に成立 した 「 全障害児 教育法」により,障害児個々人に応 じた教育 目標の 確立 と達成 ( 個別教育計画 :

IndividualizedEdu‑

cationProgram)のために親 と密接 な連携を保つ

ことが,学校 に義務づけ られている。その詳細 に ついて(

2)

ここで言及す ることは しないが,Kar

nes

(1980)(3

)紘,親 を学校教育に積極的に‑子 ども の教育 プ ログラムの作成時は もちろん,それの実 施に際 して も‑関与 させ ることの必要性について, その理論的根拠を提起 している

(4

) 。以下 に, それ らを簡単にま とめて紹介 しよ う。

( 1) 親 は,障害児教育の制度的改善にとり,直接 的な力を有 している。

(2)

授業料を支払 う以上,子 どもの教育の中味 ・ 方法に対 して,親が発言権を有す るのは当然であ

る。

(3)

健常児の親よ りも長期にわたって子 どもへの 責任を持 ち続 けねばな らないので,障害児の親は, よ り豊富 な養育 ・教育的力量を必要 とす る。

(4)

親が教師ない し補助者 と して教育 に関与 させ られた場合, クラス担任 は, データの収集,よ り 困難 な障害児への

1

1

での指導に,よ り多 くの

‑ 85‑

(9)

秋田大学教育学部教育研究所 研究所報第

20 1983

3

月 時間を当て ることがで きる

( 5) 障害児教育への親の関与 は,他の兄弟 に対 して も望 ま しい影響を及 ぼす。

(6

) 子 ど もは, 自分の母親や教師以外の多 くの 大人 と関わ る経験 を持つ ことがで きる。

( 7) 学級で学ん だ ことが家庭で保持 ・一般化 ・ 応用 され る上で,親の力 は大 きい。

(8)

親 は,子 ど もの ことを一番 よ く知 って いる。

それゆえ,個別教育 プ ログラムの立案 に際 して も, 重要 な情報を提供 して くれ る。

(9)

親 は,学校 と家庭 との連携の確立 に役立つ。

子 ど もの諸要求が一貫 して充 たされ る環境 の創造 とい う点で,連携 は欠かせない。

a O ) 学校での授業 内容 の中には,親の才能,鍾 験が役立 つ ものがあ る。

( l l ) 親 の関与 は,子 ど もの学習 を大 いに促進 さ せ る。

アメ リカ独 自の障害児教育史の流れの中で生 ま れた 「 全障害児教育法」 な らびにその理念 を,戟 が国の障害児教育,そのひ とつの現場 と しての養 護学校 においてそのまま模倣 的に実施 しよ うとす ることには,様 々な問題や困難が存す る。 た とえ ば, アメ リカで な されている個別教育計画の立案

・実施 との関連で, ‑行動主義的人間観,教育観, 学習観 のみが重視 されて いないか, とい った疑問 が存 す る。 とはいえ,学校 と家庭,教師 と親 との 連携の強化 ・確立 とい った側面 は,今後養護学校 の在 り方 を考えて い く上で,無視 されてはな らな い と考え る。

ところで,障害児 を持つ親‑の教育 は,一般 に, 児童相談所,福祉 セ ンター,大学内の教育相談室, 病院 とい った治療機関で,比較的充実 した形で行 われている。 もちろん その形態 は,子 ど もの治療 の際 に母親 と治療者が形式ぼ らず に会話 を交わす 程度 の ものか ら,集団討議,子 ど もの治療への参 価,講義, レク リェ‑ シ ョンなどを導入 しなが ら, 親の意識,養育態度,教育力などを意図的に改善・

向上 させよ うとす る ものまで

t5)(6)(7

) ,様 々で あ る。特 に後者 においては,比較的同年齢層,同一 障害の子 ど もを持つ母親 に対 して,定期的にな さ れ る場合が多 い。 また, そ こで は,事前 に作 られ た評価尺度 に依拠 して,子 ど もの見方,子 ど もと の接 し方, 自己意識,情緒的安定度 など一定の側 面か ら,親の変化 を客観 的に把握す ることが重視

されて いる

一方,佐賀大学 附属養護学校 においては,過一 回

,40

分程度の時間枠で,小学部低学年の児童 と 母親,教師, ボ ランテ ィア学生 らによ る親子集団 活動 「 親子で遊 ぼ う」が,試み られている

。(81(9)

我 々のつ くしんは学級は,従来か ら存 す るPTA の組織 を土台に,小学部,中学部,高等部を含め た全学的な取 り組 み と して展開 されて きた。今後 は,基本的に現在の学級の形式の継続 ・充実化 を 図 りなが ら,同時に,小学郡,中学部,高等部そ れぞれの独 自の母親学級 を設立 ・運営 ・交流 して い くことも,必要 なので はないか と考 え る。小学 部の母親達 に とり,性教育,就職 とい ったテーマ は,確かに将来必ず直面す る問題 と して重要であ るが,当面抱 えている主要 な悩み,問題 とは言 い 難 い。 一方 , 高等 部 の母 親 達 に と って,排湛 ・ 洗 面 の しつ け,兄弟 関係 とい った テ ーマ は,過 去 に重要 で あ ったが, 当面 抱 えて い る主要 な悩 み, 問題 とは言 い難 い。「当面」抱えている共通の 問題 や悩 みにつ いて,教師,母親達が意見や経験 を出 し合 いなが ら徹底的 に相互学習をす るための 機会 と して,学部 ごとの母親学級 は不可欠 とも言 えよ うo また,学部 E :との少人数の母親学級 な ら ば,佐賀大学附属養護学校の試みのよ うな形で, あ るいは もっと積極的に,授業 内容の展開に直接 役立 ち うるよ うな形で,母親が子 ど も達 と関わ る 道が拓 けるので はないか と思われ る。今後の課題

と して,追求 したい。

最後 に,筆者 らの試行錯誤の試みに,快 く協力 して下 さって いる秋 田大学 附属養護学校 の保護者 の皆 さんに,心か ら感謝の意 を表 します。

( 今野 和夫)

引 用文 献

( 1 ) 中山文雄 :重度 ・重複障害児の学習権保障に関する 一考察 ( 1 ) ‑ 総合養護学校の必要性一 岩手大学教 育学部教育年報

,39,Pp.ll‑29,1979.

(2)

瀬尾政雄 :米国の障害児教育における個別教育計画

(IndlVlduallZedEducationProgram)

に関する考 察 日本特殊教育学研究

,20,2,Pp.17‑29,1982.

(3)Karnes,M.a.& Lee,R.C.:InvolvlngParents lntheEducatlOnOfThelrHandicapped Chlld‑

ren:AnEssentialComponentofanExemplary Program.InFlne,M.∫.(eds)Handbook on ParentEducation.AcademlCPress,1980.

(10)

精神 薄弱 児養 護学校 におけ る親‑ の教育 的 ・援助 的機能 の充実化 の試み

(4)同上書 pp.202‑204.

(5)鎌田文聡,高畑 隆 :重度 ・重複障害幼児の親援助

・指導に関する一研究‑ 比較的非指示的でかつ集団 討議形式を中心 とした援助 ・指導の効果の分析を通 し て‑ 岩手大学教育学部研究年報,38,Pp.121‑138, 1978.

(6)海塚敏郎,船津守久,山下 勲 :ダウン症児の治療 教育

( Ⅵ Ⅰ

)‑ 親の会 の活動 ‑ 日本特殊教育学会第 18回大会発表論文集,Pp.4‑5,1980.

(7) 伏見泰子,豊沢由紀子,中島ゆ り子,山口正子,良 沢泰子 :ことばの遅れを主訴にもつ幼児の母子集団指

導の試み Ⅱ‑ 母親の変化を中心に‑ 日本特殊教育 学会第17回大会発表論文集,Pp.148‑149,1979.

(8)飯盛邦利,深川美砂子,真田英雄 :親子集団活動に よる親への教育的アプローチ‑ 養護学校場面を中心 に して (その1)‑ 日本特殊教育学会第19回大会発 表論文集,Pp.170‑171,1981.

(9)深川美砂子,飯盛邦利,真田英雄 :親子集団活動に よる親‑の教育的アプローチ‑ 養護学校場面を中心 に して (その2)‑ 日本特殊教育学会第19回大会発 表論文集,Pp.172‑173,1981.

‑ 87‑

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