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不確かな危険とともにいかに生きるか 芝宮 尚樹

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Academic year: 2021

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Ⅱ . ポスターセッションの部

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G-06

核の危険を「飼い慣らす」ラ・アーグ再処理工場の作業員たち : 不確かな危険とともにいかに生きるか

芝宮 尚樹(東京大学大学院総合文化研究科/ IHS 修士課程 1 年)

 人新世と呼ばれる今日の世界を特徴づける事象の一つに、災害があります。

気候変動や環境汚染、原発事故、あるいは科学的に発生が予想されている地 震や津波などは、21 世紀を生きる人類が直面している大きな課題です。例え ばここ東京でも、30 年以内に 70%の確率でマグニチュード 7 の首都直下地 震が起こると予測され、対策を講じることが呼びかけられています。しかし、

こうした予測や呼びかけに対して、私たちはそれを自分たちの生活にひきつ けてリアルなものとしてイメージすることができているでしょうか。そこに は、頭では理解できてもなかなか腑に落ちないという、不確かさあるいは分 からなさといったようなものがあるように思われます。

 それでは、このような不確かな危険を取り扱うに際して、私たちはいかな る選択肢をもっているでしょうか。一つにはリスク・マネジメントと呼ばれ る手法があります。危険の不確かさを確率で表されたリスクという数字に還 元してコントロールしつくそうとする方法です。はたしてこの方法は、先ほ ど述べたような不確かさを完全に解消するでしょうか。一方で、端的に危険 を無視するというやり方もあるでしょう。しかし、テレビやインターネット に氾濫する災害の不気味なイメージを、排除することはもはや容易ではない ように思われます。おそらく個人としても、そして社会としても必要なこと というのは、この二つの選択肢の間、すなわち不確かな危険と「ともに」あ るような方法なのではないでしょうか。

 そこで今回のポスター発表では、Françoise Zonabend という人類学者が フィールドワークを行なって執筆した『核半島』を参照しながら、こうした 不確かな危険とともにあるあり方の一つの例として、ラ・アーグ再処理工 場というフランスの原子力施設で働いている作業員たちの実践を分析しまし た。原子力という目に見えない危険のそばで働き続けている作業員たちが実 践しているある種の工夫のようなもの、核の危険を「飼い慣らす」技法は、

人新世における重要な学びを提供しているでしょう。

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