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博士学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博士学位論文内容の要旨

氏 名 大脇

オオワキ

由樹

ヨ シ キ

所 属 人間健康科学研究科 人間健康科学専攻 学 位 の 種 類 博士(放射線学)

学 位 記 番 号 健博 第

164

号 学位授与の日付 平成

31

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第1項該当

学 位 論 文 題 名 骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん治療における

Ra-223 SPECT

の確立と治療効果予測に関する研究

論 文 審 査 委 員 主査 准教授 井上 一雅 委員 教 授 福士 政広

委員 准教授 中原 理紀(慶應義塾大学)

【論文の内容の要旨】

塩化ラジウム(Ra-223)を用いた

α

線内照射療法(以下、「Ra-223治療」という)は骨転 移を有する去勢抵抗性前立腺がん(Castration-resistant prostate cancer:CRPC)患者に対して 生命予後を延長させる効果があるとされる。しかしながら、

Ra-223治療を受けた患者全員の

予後が延長する訳ではない。高額な治療費および副作用の点を考慮すると、

Ra-223治療の効

果が期待できる患者群を選別し治療することは、臨床的および経済的に大きな影響をもた らすと考えられる。

Ra-223治療によって生体内に投与されたRa-223は骨転移巣に集積し照射されるが、その照

射量はその病巣へのRa-223集積量に依存する。したがって、その集積を可視化することは治 療効果を予測するうえで重要である。実際、海外の研究グループを中心に、ガンマカメラ 装置を用いて生体内のRa-223 集積分布をイメージングする試みがなされてきた。しかし、

これまでの研究はすべて平面像(planar像)での評価であった。一般的にplanar像では散在 する転移巣への集積を個別にかつ定量的に解析することは困難である。一方、断層撮像

(Single photon emission computed tomography:SPECT)を行うと病変ベースの解析が可能だ が、Ra-223 の投与放射能量は少なく、また、Ra-223および娘核種から放出される

γ

線の放 出割合が非常に少ないことから、SPECTでは評価可能な画質にならないと考えられていた。

本研究では、骨転移巣のRa-223集積を定量的に解析することが可能になるためのSPECT 収集条件を基礎的実験で解明するとともに、

CRPC患者にRa-223 SPECTを施行して骨転移巣

の半定量評価の妥当性を評価した。さらにRa-223 SPECTを用いたRa-223治療効果予測の可 能性についても検討を行った。

基礎的実験では、

Ra-223のエネルギースペクトルを解析するとともに、様々な画像評価フ

(2)

博士学位論文内容の要旨

ァントムにRa-223を封入しSPECT 撮像を行った。

Ra-223

が放射壊変に伴って放出する高エ ネルギーγ 線と収集コリメータとの相互作用によって生じる鉛の特性X 線に着目し、それ を画質向上につなげるべく最も効果的な収集条件は、高エネルギーコリメータを使用する

ことと、

84 keV ± 20 %のエネルギーウィンドウで収集を行うことであると判明した。また、

自作の人体模擬ファントムを用いた実験では、

Ra-223

が腸管に排泄されるためにplanar像で は腰椎の定量的評価が不正確になる一方、SPECTでは正しく評価できることを証明した。

臨床研究では、同意が得られたCRPC 患者10例について、ほぼ同時期に施行されたRa-223

SPECTと骨転移診断用放射性医薬品であるTc-99m HMDPを用いたSPECTの画像を比較した

ところ、評価可能骨転移(36病変)におけるRa-223集積の半定量値とTc-99m HMDP集積の 半定量値に良好な相関が得られた。よって、基礎的実験で求めたSPECT収集条件で得られ た人体Ra-223 SPECT画像において、計測される骨転移巣のRa-223集積値は信頼性が高いと 考えられた。さらに、同意が得られた6 名のCRPC 患者に対し、

Ra-223治療開始時のRa-223 SPECTとRa-223治療前後のTc-99m HMDP SPECTを定量的に比較したところ、評価可能骨転

移(18病変)におけるRa-223集積の半定量値と、治療前後のTc-99m HMDP集積減少率に一 定の相関があることがわかった。すなわち、骨転移巣へのRa-223集積量が高いほどTc-99m

HMDP集積が治療により低下しており、Ra-223集積量が治療効果を予測する因子となる可能

性が示唆された。

なお、本臨床研究は、慶應義塾大学医学部倫理委員会(承認番号:20160203、

20160397)

および首都大学東京倫理委員会(18002)を得て実施した。

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