西条市における被圧地下水の観測
松原 茂*・古本勝弘*
武 政 剛 弘 * ・ 前 田 佳 朗 * *
O b s e r v a t i o n o f t h e F l u c t u a t i o n o f Water Heads and Flowingof t h e A r t e s i a n W e l l s d u e t o T i d e i n S a i j o
,Ehime
,J a p a n .
hy
S h i g e r u M A TSUBARA
( C i v i l E n g i n e e r i n g )
K a t s u h i r o FURUMOTO
( C i v i l E n g i n e e r i n g )
T a k e h i r o T AKEMASA
( C i v i l E n g i n e e r i n g )
Y o s h i r o MAEDA
( N a g a s a k i P r e f e c t u r a l O f f i c e )
I n t h i s paper , t h e o b s e r v e d d a t a concerning with f l u c t u a t i o n s of t h e water h e a d s and flowing o f t h e a r t e s i a n w e l l s due t o t i d e i n S a i j o
,Ehime a r e a n a l y z e d . Making u s e o f t h e r e s u l t s o f t h o s e a n a l y s e s
,t h e a u t h o r s show t h e flow d i r e c t i o n of a r t e s i a n ground water and t h e l e n g t h o f t h e a q u i f e r by t h e unsteady e q u a t i o n f o r a r t e s i a n ground w a t e r .
Moreover
,t h e c o e f f i c i e n t o f l e a k a g e from a q u i f e r which e f f e c t s on t h e s u b s i d e n c e o f t h e l a n d and v a r i o u s c o n s t a n t s o f w e l l s f o r pumping p l a n a r e c a l c u l a t e d .
1) まえがき
地下水は水質的にも水量的にも安定しているため,
古くから重要な水源として利用されてきている. 近 年,都市における水需要の飛躍的な増大に伴い,地下 水の利用量も急激に伸び,時には地下水の過剰揚水が 起り地盤、沈下,水源の枯渇,海岸地帯では地下水の塩 水化等を惹き起こし,社会問題化している.こうした 被害を未然に防ぎかつ地下水を有効に利用するために 昭和55年9月28日受理
*土木工学科 料 長 崎 県 庁
は,地下水の賦存状態を的確に捕らえる調査方法,解 析方法を確立するととが望まれる.本報告による観測 が実施された愛媛県西条市は石槌山系を北に流れ下る 加茂川の扇状地に拓らけた都市であり, 自噴する豊富 な被圧地下水は有名である.
F i g . ‑ 1
に示すように当 地の被圧地下水は西条市街地のほぼ中央部を境とし て,内陸側は加茂川の季節的な流量の変動lとより自噴 量の増減,自l噴帯の拡大,縮小が見られる落差型の被60 西条市における被圧地下水の観測
圧水であり,瀬戸内海側は潮汐の影響を強く受けて自 噴量を増減する荷重型の被圧水となっている1).過去 においては,当地で資源科学研究所の鈴木などにより 工業用水利用の立場から再三調査され,自由,被圧両 地下水について賦存状態,賦存量ぞ水温及び水質につ いての報告がなされている2).また秋葉は農業土木的 な立場から干拓地の地下水研究の手初めとして西条市 をとりあげている3).この報告は前述の荷重型被圧水 の自噴帯に設けられた多数の堀抜井戸について実施さ れた海岸潮汐による噴出量と水頭の変化の観測資料を 基に種々の考察を行なった.
すなわち観測結果を的確に説明し得る被圧地下水層 の構造を推定し,これに対する地下水流の微分方程式 を設定した,この方程式の解を利用して帯水層の内陸 への延長距離を決めている.これは潮汐による被圧水 頭の振動を利用して流向,被圧地下水の酒養地点の推 定に対する簡便法を提案したという点で意味があろ
う.その他,被圧地下水の解析に必要な諸係数の情報 を提供するという意味で,地盤沈下対策などに大きな 意義をもつ係数と考えられる帯水層からの滲出量係 数 さらに揚水計画に対して重要な井戸に固有な常数 を算出している.尚,この報告は著者の一人松原が昭 和29,30年に観測で得ていた資料を再整理し,纒めた
ものである.
2)観測と解析
観測場所は加茂川河口の右岸の干拓地でFig,一1に 二重丸で示す地点である.この干拓地内には多数のカ ンガイ尊皇抜井戸が分布し,多量の被圧地下水が自噴 している.観測はこの自噴する井戸において潮汐によ る自噴量と水頭の変動を測定した.第一回目の観測は 昭和29年3月10日から11日にかけて行った.詳細な観
否
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D
Fig.一2 Locations of observation artesian wells.
測井の分布をFigr 2に示す.すなわち海岸線に直角 に内陸に向け一直線上に位置する自噴井のうち比較的 噴出量の多いもののうち5点を選んだ.図中No.1か 月No.5までがそれである.自噴井下の数字はNo.0
(海岸の堤防直下)からの距離を示している.噴出速 度の測定は井戸筒(直径5〜6㎝程度の竹筒)にゴム ホースをかぶせ針金で締め水の漏れをなくしておき,
ホースの[コを噴出孔の口の高さに保って噴出する水を バケツにうけ一定容量(124)の水がたまるに要する時 間をストップウォッチで測って一秒間の噴出量を計算 した.観測は潮汐を考慮して太陰時の2時間(太陽時 2時間4分)おきに行い,潮位も験潮陣を用いて同時 に観測した.この観測値をTable−1に示す. Fig・一3 は各観測井の噴出速度と,潮位の時間的変化をグラフ 化したものである.第二回目の観測は昭和30年3月24
Table−10bserved data in Mar.10−11.1954.
千
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吻不乱樋定
温口口段血
ででτ7㌧落差型自唱希 いしつもやま 〔痢状地).
4イ!Z〃イノ
∠〜zンz22:ン荷望型自計購 し まの 〃ノ 3勇泉
0 { 2km
、一一一、 一島 Uu .叫μ
陶『『 E・
アト\・岬
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)多多
Fig.一1 Conditions of groundwater in Saijo,
Ehime.
time
NO.1 NO.2 NO.3 NO.4 NO.5 tide■・52
1、/sec
潤Dql 0.52 o OI〔}95
皿
13・56 057 089 056 0.5ア OJ85 4.45
16:00 O142 0.71 041 0.41 0
18:〔玖 0ユ6 0.ユ7 0.ユ2 0。]2 一 一 一
20・08 一 一 一 一 一 r 一 一 .一 } 一 一 『 一 一 ・
21 一 一 一 一 一 一 一 一 一 冒 凹 一 一 一 儲
0・16 0.35 0喬3 0.24 OI21
2・20 069
正}・2り 077 0.86 0、自8 053 0
8・32 0.28 057 020 0ユ5 005 2
10136 0.32 0、13 0.19 0ユ8 0,〔〕馳 5.33
ユ2・40 0.60 0.ア5 0
11・鱈 077 0.86 0.45 0.52 0.9
161聡 0.60 0.73 0.鱗 、41 031
sum
6.妬 8.31 丸61 η168 1,5〔殉tO
塁
Q6
oo
. tide 噸麗(工1 φNO,2
。,Nα3
● NO,4 0 翼0、5
玉 書
F
40
o
11β2. 16;00 20:08 0:16 4=24 8:32 12;40 τ6:48
Time
Fig.一3 Fluctuations of flow of the artesian wells and tidal variation in Mar.
10−11.1954.
日から25日にかけて行った.このときの観測点の分布 もFig.一2にあわせて示している.純乎A, B, c,
DおよびEがそれである.二回目は前回と異なり,
井筒にゴム栓をして中央にガラス管を通して被圧水頭 を2時間(太陰時)おきに測定した.なお被圧水頭は流 出口より測定した値である.この観測値をTable−2 とFigド4に示す. Figヂ3を見ると潮位変動に比し て井戸からの噴出速度の変動は位相が若干遅れている が,自噴井相互間では位置がNo.1よりNo.5まで が500批以上離れているにもかかわらず位相の差はほ とんど見られない.これをもう少し詳しくみるために 10日16:00から11日14:44までの観測値を調和分解し た結果をTable−3に示す.ここで海岸潮汐による被 圧水頭変化ξと湧出量の変化ρとの間には野満4)ら によって次の関係が示されている.
100
曾 冨 重5σ 琴
ρ=cαξ=σαメ)/ρ9 (1)
ここに,αは堀抜井戸の断面積,Cは各井戸に特
Table−20bserved data in Mar.24−25.1955.
time
AB
CD
E temp14;00 C皿Q8.7 33.9 33.0 19.0 18.6 。C P2.0 16;oタ _14,6 _10.4 _14.8 _22.0 一23.0 11.0 τ8ρ8 一38.6 一26.9 一25.0 一34.1 一25.8 11.0・
20;12 一1.0 『0.0 一16.5 14.0 30.0 ㌔噌_ _
22;16 72.0 87.0 101.5 82.5 100.5 8.0 0;20 81.0 87.5 89.2 71.0 80.0 5.7
224 36.8 39.4 36.8 24.8 28.2 5.6 4;28 14.5 一8.5 一12,5 一20.0 18.5 6.3 6;32 一33.2 一21.0 一20.2 一29.4 一23.0 7.5 8;36 層¶5.0 32.2 41.1 21.1 42.0 10.8
1α40 71.8 87.5 98.0 79.0 96.0 14.6
12344 73.8 83.5 85.5 69.0 78.5 14.0
14348 24.0 ●
Q95
25.5 15.6 15.8 12.00 o A
● B o C o D 嘱ンE
14;00 1ao8 22コ6 Z譲覧 632
1α40 !磁8 71鵬
Figゼー4 Variations of water head of artesian wells and tide in Mar.24−25.1955.
有な常数である.資料解析に際し第一回の観測では測 定の対象が噴出量ρであり,しかも水頭が地表下に なっているときは噴出量はないので零としている.さ らに現地においてほとんど同じ地点に作られた竹筒井 戸でも,通常新らしく作られたものの方が噴出速度が 大きく,しかも竹筒井戸ゆえ井戸断面積も一様でなく 井戸相互間で断面積αと常数Cには若千の差異が見 られる.しかしながら干潮時付近では各井戸とも噴出 量は零に近い値を取っているため水頭が地表下の時
(最千潮時)の噴出量を零とすることは,調和分解し た結果に顕著な影響をおよぼすとは考えられなく,結 果より水頭変化の位相を議論することは妥当であると 考える.その上各井戸におけるα,Cの値も後述する ように平均値のまわりに均等に分布する程度の差異と して結果を(1)式に用いて水頭の振出を議論することは 可能であると認めた上でTable−3を見ると,1位相に ついては太陰一日項,半日項の両者共,噴出井戸の位 相が潮汐のそれより明確に遅れているのがわかる.し かしながら井戸相互間での海岸からの距離による位相 の差異はみられない.振巾については,海岸より遠く なるにつれて急激な歯偏ではないが徐々に小さくなっ ている.このような事実を解釈するためにFigr 5の ような簡単な地下構造を想定してみる.すなわち海岸 付近では被圧帯水層の傾斜は一般に緩やかである冷 ら,簡単のために上下の不透水層と被圧帯水層との境 界面は水平と仮定し,被圧帯水層が海に向って開口し
Fig.一5 Model of confined ground water(1).
62 西条市における被圧地下水の観測
ている.そして上部不透層を貫ぬく多数の堀抜井戸に よって被圧水が地上に噴出している.今FigF 5に示 すように座標原点を開口部にとり,被圧帯水層の下面 にκ軸をとり,それより鉛直上向きに9軸をとる.
このような地下構造に対しては被圧弾性透水層の理論 により非定常被圧地下水の微分方程式として次のもの を得る.今任意の時刻Z,場所κにおいて被圧層に加 わる外圧をζ,被圧層内の地下水圧の平均状態よりの 増加量をρとすると5)
÷(ρ一θζ)一K・欝一の
ここに,θ=α/{α十(1一λ)γ十λβ},
K2=T/8=ゐ/{α+(1一λ)幽γ+λβ}
62=αo/Dρ{α+(1一λ)γ+λβ}
一わ。/Dρ9{α+(1一λ)γ+λβ},
T=(ゐ/μ)ρgD=た1D ε=ρgD{α+(1一λ)γ+λβ}
で結ばれる.各記号の名称は以下に記す.
β;被圧水の圧縮率
ρ;被圧水の密度 縮率 μ;被圧水の粘性係数
γ;土粒子の圧縮率 g;重力加速度
た;
[L2コ)6)
(2)
α;被圧帯水層の垂直圧
λ;被圧帯水層の間隙率 D;被圧帯水層の厚さ
(本質的透水係数)(intrinsic permeabillty
ゐ、;透水係数(hydraulic conductivity[L/T])
T;透水量係数(transmissibility)
ε;貯溜係数(coefficient of storage)
そして無数の堀抜井戸のため被圧水が地上へ噴出して いるとき,噴出量を層全体におしなべて,これが平均 的に上部の不透層より単位時間,単位面積当り滲出し ていると考え,この量を滲出質量とした時は被圧水圧 に,滲出量とした時は被圧水頭にそれぞれ比例すると して前者の比例定数をαo,後者をう。とする.被圧帯 水層が受ける外圧ζの変化としては,被圧層上部の 自由地下水位の変動,気圧の変化等による荷重変動が 考えられるが,今は被圧水の圧力変動ρに比してそ れらは小さいとして
釜一・ (3)
とする.そして(2)式を解くに当って,被圧層が海に開 口し,その点で被圧水の圧力は海水の静水圧に等しい とし,また被圧層の遠端は開放減圧状態でありそこで も水位の変動が存在すると考える.すなわち境界条件 を次のように表わす.
;二1職1じ一δ1} (4)
②式を㈲,(4)式の条件の下に解いて次の解を得る.
∫ ρ=
sinh2解11 cos2η11十cosh2η111 s三n2η11 >く〔{sinh〃311 cosπ11 sinh鯛1(1一κ)cos 1(1一κ)
十cosh吻11 sinη11
×cosh〃21 (1一κ)sinπ1(1一κ)}sin σ1 十{一cosh挽11 sinη11 sinh吻1(1一κ)
×COSκ1(1一κ)
十sinh解11 cosη11
×cosh〃τ1 (1一κ)sinη1(1一κ)}COSσ1 〕 十 9
sinh2卿21 cos27z21十cosh2〃221 sin2π21 ×〔{sinh〃221 cos麗21 sinh〃z2κcosη2κ 十cosh〃!21 sinη21
×COSh・初2κSinη2κ}Sin(σ2ε一δ)
+{一cosh〃〜21 sinη21 sinh〃22κcosπ2κ 十sinh御21 cosη21
×coshη!2κsinπ2κ}cos(σ2オーδ)〕
(5)
こ.こに
画瑚一K(翅1十痂1)一±{ゾ研穿+解 +ガ陣辱一伊}
ゾ一一K(卿2十2η2)一±{陣+ず+解
+葎+穿一弓
⑤,(6)式に前述の観測結果の適用を試みる
(6)
西条市の 場合,堀抜井戸が数多く存在し,地上へ多量の被圧水 の噴出が考えられるたあ相対的にゐ2は大きな値を取 ると考えられるゆえ,㈲式において64に対してσi2,
σ22を無視すると
神輿嘱/T}
となり,⑤式はつぎのようになる.
ρ一A童。温1{f・i・h翅(1一・)・i・・、 ・ +・・i・h鱗・i・(・・ 一δ)}
(71
(8)
被圧帯水層が無限に内陸に延びている場合には1=・・
でg=0として⑧式は次のように簡単な式になる.
ρ=∫θκメ》(一κ》δ0/T)sinσ1 (9)
(9)式は被圧水の水圧変化の振巾はκの増加に伴い指 数法則に従っそ減少するが,位相の遅れはなく潮汐と 同時に変化することを示している.しかしTable−3 に示すように,観測値:の調和分解の結果は太陰一日 項,半日項について各井戸はほぼ同位相であるが,潮
Table−3 Harmonic analysis of observed data in Mar.10−11.1954.
tide NOj NO.2 NO,3 Nα4 NK).5.
amplitude cmn.1奴 secnlユ98 0,229 0,ユD9 0.皿5 0.0⑱
diurnaし
@ term Phase 勢02ア 31,均62 28。玄γ 31,瑠2 230菟, コ〕。自69
emトdiurna[
@ term
amplitud6 0598 0.ヨ〕3 038鞠 02ユ5 02【2 0
Phase 1,48 臓〜。51 工弱。25「 129。〔B 工弧。〔}ア「 澱38
びd逼)d亜㍉a(建
暮
歌
83Q 20
10
5 o
o
9 o
θ
Sea surface
7欝
Impervi。us layer
100 200 300 400 500國 600
Distance from shore(m)
Fig.一7 Relationship between distance from shore and 100ρ9Q/af.
ロごらニリでドリハワコロなごつどヒさと
誤麟鰻鞭㎞(1)
・ず Imp・・vi・us t・y・・
Fig.一6 Model of confined ground water(2).
汐の位相からは著しく遅れている,これを説明するた めにさらに次のような地下構造を考えてみる.すなわ ちFig.一6のように被圧帯水層(Dが直接海に開口し ないで別の透水層を通して海水と連なり,この透水層
(:皿)では地下水は被圧されないと考えれば,潮汐によ る自由地下水の理論より透水層(丑)の右端は左端に比 して水圧変動は振巾が小さく位相が遅れた振動を行な うことになり,Fig.一5の原点。をFig.一6の(1),
(∬)との境界に移してκ瓢0での地下水の圧力振動を 境界条件として適用すれば,被圧帯水層(工)では⑨式 が成立して井戸相互間では位相遅れがなくしかも潮汐 に対しては位相が遅れる状態を説明することが出来 る.しかしこの観測資料のみでは透水層(皿)の諸量を 決定することはできないので定性的な説明のみに止め
る.次に(1)式と(9)式より
9=oα(∫/ρ9)θκメ)(一κ》「667クi})sin σ1 (10)
両辺の対数をとり(両辺に100を乗じる)
㊥一b・(10警ρ)一㎞・(…C)一2.1。3・傷
を得る.(11)式を用いて . (11)
Table−3の半日項について.解析を行なう。井戸の直 径を6cηとし//ρ9=59.8cηとしてNo.1からNo.、5 までの各井戸について(100ρgρ/ガ)を計算し,距 離κとの関係をFigr 7に示す.⑳式中の。の値 は各井戸で異なりその個々の値は知り得ないが,もし eの値が5個の観測井で,ある平均値のまわりに均等 に分布していると仮定するならば,最小二乗法で直線 を引くことにより
吻一 ラ一・…23(が)
を得る.この吻の値は(2}式の説明でふれたように被 圧層からの漏水量および被圧帯水層の構造などによっ て決定される定数で,同じ土地で大きな井戸を沢山堀 れば初の値は大きくなる,このことは⑨式から内陸 に入るにつれて被圧層の圧力変化の減衰が早くなるこ とを意味している.・昭和44年3月.の.通産省の調査報 告7)によると観測地点の地層は主どして砂層,粘土層
om
10
20
30
40
(D !(2)
Sand
=二・堂。・:、・.
・ソ=い. o ■ F・∵≒
署浴E:、碧・ Sand with Si[t
㌔、;3離06、σ.◎■
A、●・言凝 e…≧ぐち;:
♪上
∴●.・、ら・,シ
,S
≠獅п@wiモh Cla
、覧 く ご 」.簗
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・ 一 ц黶
@ 一
黶uA一 鱒
ァ一@ 鱒
x斜7鱒
la @ .鵤
旧veUy Sand
ら縄1
;δ.。くゴゆ魯
ig.一8 Generalized graphic logs at and 2 in Fig.一1。
oints 1
64 西条市における被圧地下水の観測
および砂礫層から構成されている.Fig.一1中の×印 地点の地質柱状図をFig.一87)に示す.10〜20ηの深 さにシルトおよび粘土層が存在し,被圧層上部の不透 層を形成している.その下部に被圧帯水層として砂礫 層が20〜30窩の厚さで存在する.そこで被圧帯水層の 厚さをD=25?πとし,透水係数をた1=3.8×10 1cη/
∫θ66)とすると60=5.01×10『7(∫ε6−1)となる.また C=15.84(〃伽4)となる.野満博士は別府のいくつ かの井戸の水位を人工的に調節することにより0の 値が0.1〜70(〃伽 1)の間に散在することを示してい る.吉川8)は別府の21カ所の観測より》60/T=0.005
(〃2F1), C=3.7(癬π一1)を得ている.第二回目の観 測は被圧地下水の流動方向を潮汐による被圧水頭の振 動を利用して求めようとしたものである.この目的の ために自噴井』,B, C, DおよびEを十文三型に 選定した.各自噴井の水頭ならびに潮位の変動を調和
Table−4 Harmonic analysis of observed data in Mar.24−25.1955.
A
『禽』29
58.7田
工ア8。王
分解したものをTable−4に示す.これによると太陰 半日項についてはE を除く他の自噴井では潮汐に対 して6。15 〜17。36 の位相の遅れがある (15。は62 分).これに対してはFig.一6の地下構造を考えれば 説明がつく.そしてFigr 5のような地下構造を考え 漏水が多い時,前述の境界条件(4)式で遠端のκ=1で は開放圧不状態で変動が見られないと仮定する.すな わちg=0,とすれば,(8)式は
ρ一 撃縁挙・1『κ)・inσμ (12
となる.この式は野満らによってもすでに求められて いる9》.(12式によると地下水流の流れを遡るにつれて 被圧地下水の潮汐による振回の変化は次第に減少して κ=1で振巾は零になる.そこでTable−4の半日項の 振巾をみると・4,Dの値はほぼ等しく, C, Eの値
もほぼ等しい.さらに1望,Dつぎに.8,つづいて qEと次第に振回が増加しているので被圧地下水め 流れは・4D,一CEの線に直角な方向(Fig.一2の矢印 の方向)に向っていると考えられる.この方向は南か ら北であり西条市南方で山脈が東西方向に走っている ことに加え,前述の通産省の調査による静水位等高線 図からも大体妥当な推論のように思われる.そこで一
回目の観測値を用いて②〜(11)式において展開されてい る一連の考察における同軸は,海岸に直角に内陸に 向けて考えたものである.しかしながら二回目の観測 より地下水の流血はそれとは異なり約30度の角度をな して矢印の方向に流れていることが推定された.それ ゆえα1)式を用いての解の算定において流れに沿って 補正された距離を用いて計算をしてみると,Cの値に おいては差異は見られず,〃2については
翅十皇一・…265(パ)
と若千大きめの値となる.この初の値における差は Fig.一7を画く時の。の値における仮定などを考慮す ると,許容範囲の誤差と考えられる.それゆえ流向の 変化による詳細な再検討はここでは割愛する.次に被 圧帯水層の長さ1を推定するためにFig.一2に示すよ うにBを通ってオD,OE両線に直角な線を引きこ
れと!望D,CEとの交点を(F),(G)とすれば(F),
および(G)の水頭の振巾はそれぞれ・4,DおよびC,
Eのそれと等しいと考えられるから,これらの様子を グラフにするとFig.一9が得られる. 2の値があまり 大きくないときは圃式の振動項についてその振巾は
_65
E
&溜 豊 彰 塁 ち 曼
3
五ε,
く
60 8
O . 500 Horにonta覧distance(m)
Fig.一9 Relationship between horizontal dista−
nce and ampliude of water head.
!li鵠11一κ)÷!(午κ) α3}
となるゆえ,κが増加するにつれて振巾は直線的に減 少してゆくものとみなせばκ一1なる点を求めるには
F五g・一9の各点を通る直線の勾配を求めて,これから 振巾が零になる点を決定すればよい.Figr 9では直 線勾配はほぼ(1.4±0.2)×一4となるから,κ一1すな わち被圧帯水層の上流端はB点より
60.5(㎝)÷{(1.4±0.2)×10−4}=(4.4±1)(Km)
ほど南方に存在することになる.そして振巾は南にゆ くにつれて100窩につき1〜1.5㎝程減少している.
昭和48年頃より行なわれている西条市役所の調査にお いてもこの推定した地点付近において,加茂川の流量 と自噴井の水位の間に強い正の相関が報告されてお り,地下水の亡命点についてのこの推定は大体妥当の ように思われる.
5)結 び
本報告解析に用いた資料は昭和29〜30年に行なわれ た観測によるものである.それゆえ現在の西条市の現 状に適合するものであるかどうか一抹の疑問が生ずる ものであるが,海岸地下水の見地から潮汐変動によっ て生ずる被圧地下水の噴出量,被圧水頭の変動を解析 し,その現象を的確に説明できる地下構造を考えるこ とにより,地下水の流動方向,帯水層の長さすなわち 地下水の酒罪源を探る簡便法を確立することが出来 た.その他,.地盤沈下,塩水侵入などに影響をおよぼ すところの井戸による湧出量係数ならびに取水計画 に対して井戸を堀る場合,必要水量を確保するに要す る井戸断面積の算定の基になる井戸の固有係数なども 算出した.この値は他の報告に見られる識量に照合し ても大体満足すべき結果であった.そして以上の事柄 を潮汐振動という自然現象を最:大限利用して解析した 所に本報告あ意義があるものと考える.最後に筆者ら が昭和55年7月下旬に当時の観測地を訪れた際,土地 改良事務所や西条市役所の人々からの聞きとり調査に よると,当時この西条干拓地には1個の井戸で60アー
ルの水田をカンガイする能力がある堀抜井戸が数百個 くらい分布していたといわれる.現在はカンガイ施設 が完備して堀抜井戸水によるカンガイ利用は被圧水の 水温の低さもあり利用されてないのが現状である.し かしながら現在でも当時の観測現場は当時とかわらず 水田地帯であり潮汐変動にともなって湧出する井戸が 存在していることが確認された.そこで筆者らはこれ らの井戸を利用して,今後新しい境界条件のもとで観 測を行ない,昭和40年代あたりから行なわれている西 条における一連の地下水調査資料を参考にして新たに 海岸被圧地下水の挙動についての考察を行ないたい所 存である.本論文作成にあたり一連の資料を提供して いただいた西条市役所企画事業課の方々に感謝の意を 表します。
4)参考文献
1)村下敏夫;地下水学要論p.21〜22
2)資源科学研究所彙報;西條平野の地下水(第1
報) 1957.9
3) 秋葉満寿次;干拓地の地下水に関する研究,農 業土木研究,第2巻,第2号
4,5,8)石原藤次郎,本間仁;応用水理学中∬
p.309〜317
6) Jacob Bear;Dynamics of flu五ds in porous media. p.132−133
7) 通商産業省,四国通商産業局;愛媛県道前地区 地下水利用適正化調査報告書 昭和44年3月 9)野満隆治;海岸地下水の研究(その1),日本 学術会議報告,第10巻,第3号628(1935)
10) Hunter Rouse;Engineering Hydraulics. P.
326−333
11)小平吉男;三角級数の応用p・457〜460 12)前田佳朗;西条市における被圧地下水の観測値 の解析 長大工学部修士論文,1979.3