長崎広域行政計画 ( 平成 1 3 年〜平成 1 7 年)策定のための 社会基盤施設の現状 と課題
高 橋 和 雄 * ・中 村 聖 三 * 松 木 理 ‑ **
I n ve s t i ga t i o no nPr e s e n tSi t ua t i o nsa ndPr o bl e m o fl nf r a s t mc t ur e s t oMa kePl a no fNa ga s a kil n t e gr a t e dAd mi ni s t r a t i o no f
La r geRe gi o n ( 2 0 01 ‑2 0 0 4 )
by
Ka z u oTAKAHAS HI *,S h o z oNAKAMURA*a n dRi i c h i MATS UKI **
Thepl a no fNa ga s a kii nt e gr a t e da dmi ni s t r a t i ono fl a r ger e gl O nWa sr e ne we di n2 0 0 0.I mpr o ve me nt o fi nf r as t mc t ur e sa ndl i vi nge nvi r o nme nt swe r ei nve s t i ga t e dbyt hea ut hor s . I nt hi spa pe r , t hepr e s e nts i t u‑
a t i ona ndpr o bl e msoft r a ns por t a t i onne t wor ks ,l a ndus e,i nf o m a t i onf ac i l i t i e s , r i ve randwa t e rr e s o ur c e s , di s as t e rpr e ve nt i onf ac i l i t i e s ,hous l ngI mpr o ve me nt ,gr e e nS pa c e, Wa t e rS uppl y,uni ve r s a ldes i gn,a ndf i r e f i ght i nga ndf i r s ta i df ac i l i t i e sa r edi s c us s e d.Fi na l l y,f unda me nt a lpo l i c yi ss ho wn.
1. まえが き
長崎地域広域市町村圏協議 会は,長崎市 を中核 とす る 1 市 1 0 町 ( 長与町,時津町,琴海町,大瀬戸町,外 海町,香焼町,伊王島町,高島町,野母崎町,三和町) を圏域 とし,圏域の一体的発展のため振興整備計画 を 共 同 して作成 し,その実施に関す る連絡調整 を 目的 と して昭和48年 4月に設置 された広域行政の協議体であ る。長崎地域広域市町村圏協議会では,協議会結成時 の昭和48年 ,昭和55 年,昭和61 年 お よび平成 8年の 4 次にわた り広域行政圏計画を策定 して きた。
第 4 次長 崎地域 広域 行政 圏計画 日 は ,21 世 紀 初 頭 に向けての時代潮流の方 向性 を見極め,本圏域の もつ 自然的,歴 史的 および社会経済的な特性 を最大限に活 か して地域のア イデンテ ィテ ィの確立 に努め,地域住 民の豊 かで 決適 な生活 を実現す るために,広域行政 と
して取 り組 むべ き目標 とこれを達成す るために,必要
な施策 を策定 す るものであ った。平成 1 2 年 には,平成 1 3 年 〜1 7 年 にかけての長崎地域広域行政圏計画の基本 計画書 2 )が策定 された。著者 らは,快 適 ・安 全 ・清 潔な生活圏作 りの施策の一部 を担 当 した。具体的には, 広域交通 ネ ッ トワー ク,土地利用,高度情報化,河川 ・ 水資源,防 災対策 ,住環境 ,公園 ・緑地,ユニバーサ ルデザ インお よび消防 ・防災の現状 と課題 を明 らかに し,施策の方針 を示 した。本論文では,以上の ような 施策の策定 に向けての現状 と課題 ,施策の方針 につい ての著者 らの素案 を示す。
2. 広域交通 ネ ッ トワーク
長崎市 を中心 とす る広域交通体系は, 一般国道34号, 2 0 2 号 ,2 06 号 お よび 49 9 号 を道路交通軸 とし, J R 長 崎本線 を含めた広域幹線交通網 に よ り周辺市町村か ら 長崎市に対す る求心的 ネ ットワー クを形成 している。
平成 1 3 年 1 0 月2 6 日受理
*社会開発工学科 ( De par t me nto fCi vi lEngi ne e r i ng)
**大学院博士前期課程環境 システム工学専攻 ( Gr adua t eSt ude nt , De pa r t me ntofEnvi r onme nt a lSys t e ms
Engi ne e r i ng)
1 5 8 高橋 和雄 ・中村 聖三 ・松木 理‑
道路 の整備 はかな りの ピ ッチで進 め られつつあ るが ( 秦 ‑ 1 , 2) ,幹線道路 は地形的特性 な どの理 由に よ り環状線や副線 に乏 しいため,道路網のネ ッ トワー ク形成が急務 になっている。本圏域 は半島 ・離 島域の ため,長崎市周辺の町において も幹線道路の容量が不 足 し,交通混雑が 日常的に生 じている。 また,都心部 においては,都市計画道路の整備が必要で,南北交通 や斜面市街地の交通 を支 える必要 があ る。特 に,高齢 化 が著 しい斜面市街地 の交通対策 は大 きな課題 であ る。 また,周辺市町村のベ ットタウニ /化 に伴 って人 口 の ドーナツ化が進み,地形的な制約 か ら様 々な都市機 能 とともに交通網 が狭隆 な都市部 に集 中 してい るた め,道路交通の輪換,道路周辺環境 な どの弊害が生 じ, 産業や生活な どの支障 をきた している。 さらに,離 島
においては交通アクセスが容易でな く,経済活動のみ な らず消防 ・医療活動の障害 となっている。
今後 とも本圏域 では,「長崎県幹線道路協議会」や
「 長崎都市圏パー ソン トリップ調査」 において策定 さ れた21 世紀を展望 した総合的な都市交通のマスタープ ランに基づ く交通体系を確立 してい くことが求め られ る。高速道路や地域高規格道路 か らなる都市間 ・都市 計画道路,バ イパスな どの都市 内交通網の整備,公共 交通な ど輸送体系の整備,駐車場, ター ミナルな どの 主要交通関連施設の計画的な配置な どが必要である。
また,道路交通が十分でない本圏域の交通対策 とし て,通勤,通学の足 としてバ ス,鉄道,路面電車な ど の交通体系を整備 し,バ ス運行の定時性 を確保するた めの運行システムの確立,公共交通空 自地域の解消が 必要であ る。路面電車は市民の足 として,さらに観光 都市 としての魅 力を高め る役割 を果た してお り,今後 も路線の延長,サービスの向上の促進 を図る必要があ る。
さ らに,公共交通体系 としてバ ス,鉄道,路面電串, タクシー と自動車交通の役割を分担 しなが ら,公共交 通機関 としてネ ッ トワー ク としての整備 をすることが 必要である。た とえば,パー クアン ドライ ド,交通結 節点の円滑化,乗換券の発行 ,バ ス共通 IC な ど各機 関の協 力 と連携 した取組 みがな されなければな らな い。 また, 自動車騒音や 自動車排気ガス( 二酸化窒素) の環境基準 も長崎市街地 では十分 に満足 されていない 地点 もみ られ る。 この ように,環境面か らもパー クア ン ドライ ド,モーダルシフ トな どの交通需要マネージ メン トな どの ソフ ト対策や低騒音の舗装の敷設な どの 対策が望まれている。なお,道路利用者のニーズは車 中心 か ら人中心に移行 し,安心 して暮せ る生活空間 と
しての整備が求め られている。歩道のバ リアフ リー化
な どの整備が必要 とされる。
また,鉄道は広域交通の役割 とともに,市街地や通 勤圏の拡大 に伴 う近距離輸送の需要 も高いので,関連 施設の充実やサービスの向上,他の交通機関 との連結 強化な どを図 る必要がある。九州新幹線長崎ルー ト建 設は,国土の均衡あ る発展 と九州地方の一体的浮揚 を 図ることが期待 され るため,早期着工 を 目指 した取組
表 ‑ 1 圏域内の国 ・県道別改良率
( 平成1 2 年 4 月) 路線名 実延長 改良済延長 改良率
( m ) ( m ) ( % ) 国 道 34 号 1 8, 1 74. 0 1 8, 1 7 4. 0 1 00. 0 国 道 202 号 62, 747. 8 58, 211. 6 92. 8 国 道 206 号 29, 5 04. 2 29, 504. 2 1 00. 0 国 道 207 号 1 8, 622. 8 1 4, 861. 8 79. 8 国 道 251 .号 7, 734. 4 6, 055. 0 78. 3 国 道 324 号 7, 577. 2 7, 577. 2 1 00. 0 国 道 499 号 28, 7 60. 5 25, 349. 2 88. 1 大 瀬 戸 西 彼 線 9, 01 2. 7 8, 734. 7 96. 9 長 崎 畝 刈 線 7, 7 58. 3 7, 758. 3 1 00. 0 香 焼 江 川 線 6, 387. 2 4, 82 4. 7 75. 5 長 崎 多 良 見 線 9, 040. 6 9, 040. 6 1 00. 0 野 母 崎 宿 線 46, 823. 9 30, 1 59. 5 64. 4 東 長 崎 長 与 線 1 3, 624. 0 1 2, 1 44. 9 89. 1 神 ノ浦港長浦線 1 5, 687. 6 8, 577. 7 5 4. 7 道 ノ尾停車場線 485. 0 0. 0
0 .0長 崎 式 見 港 線 1 3, 555. 6 l l, 42 0 . 4 84. 3 長 与 大 橋 町 線 5, 1 62. 9 5, 1 62. 9 1 00. 0 長崎漁港村松線 6, 939. 8 1, 500. 7 21. 6 伊 王 . 島 線 2, 270. 0 1, 606. 8 70. 8 南 島 線 3, 081. 7 1, 737. 2 56. 4 奥 ノ 平 時 津 線 1 7, 2 41. 7 ll, 697. 7 67. 9 深 堀 三 和 線 6, 582. 8 2, 481. 0 37. 7 肩 山 公 園 線 1 4, 71 3. 9 502. 6 3. 4 昭 和 馬 町 線 6, 860. 4 6, 860 . 4 1 00. 0 神 ノ島飽 ノ浦線 2, 708. 7 208. 7 7. 7 小 ケ倉 田 上 線 2, 957. 0 2, 957. 0 1 00. 0 樺 島 港 脇 岬 線 1, 398. 8 1, 044. 3 7 4. 7 形 上 宮 浦 港 線 2, 9 85. 4 2, 985. 4 1 00. 0
資料 :「平成 1 2 年度道路現況表」
表 ‑2 都市計画道路の整備状況
都 市 名 路線数 計画延長 ( m) 改良延長 施工済 ( m) 未施工 延 ( m) 改良率 長 ( %) 長 崎 市 6 0 1 56, 1 7 0 93, 97962, 1 91 60. 2 時 津 町 1 0 1 8, 93 0 7, 969 1 0, 961 42. 1 長 与 町 1 5 1 3, 63 0 7, 550 6, 08 0 55. 4 香 焼 町 2 4, 480 895 3, 5 85 2 0. 0 伊王島町 1 2, 259 2, 259 0 1 00. 0
三 和 町 3 4, 340 0 4, 34 0 0. 0
琴 海 町 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑
合