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応用化学専攻 南條 弘樹 HIROKI Nanjyo

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Academic year: 2021

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(1)

南條 弘樹, 1

33

機能化銀三角形ナノプレートの合成とその反応性に関する研究 Studies on synthesis and reactivity for functionalized Ag nanoplates

応用化学専攻 南條 弘樹 HIROKI Nanjyo

【緒言】

PVP保護銀三角形ナノプレートは、鋭いエッジ 構造や極めて平坦な平面など特徴的な形状で構 成されている。また、その形状に対応した特異な 表面プラズモンに由来する吸収帯を持つ。しかし、

化学的安定性に乏しく熱や酸により球形銀ナノ 粒子に変換されてしまう。そのため、その特異な 性質が失われてしまうという問題がある。一方、

貴金属に自己組織化単分子膜(SAM)を化学吸着さ せる研究が盛んに行われるようになってきた。

SAM とは自己組織化によって形成される単分子 膜であり、結合基、スペーサー鎖、機能性頭部基 から構成されている。この中の機能性頭部基を 様々な分子に交換することで多種多様な機能を 発現する。そこで、本研究ではPVP保護銀三角形 ナノプレートの酸耐性を向上させるために、11- メルカプトウンデシルヒドロキノン(HQ)を化学 吸 着 さ せ る こ と に よ っ て 、

機 能 化

銀 三 角 形

(Ag:HQ)の合成を行った。合成されたAg:HQの特

性評価と酸耐性評価を行った。

【実験】

1. Ag:HQ

の合成

硝酸銀とポリビニルピロリドン(PVP)のエタノ ール混合溶液を光還元することによって PVP 保 護銀三角形ナノプレート(Ag:PVP)を得た。ここ に HQのエタノール溶液を加え 24時間冷暗所に 静置した後、遠心分離を行った。生成した沈殿を 洗浄し試料を得た。こうして得た Ag:HQ をエタ ノールに分散させ、紫外可視分光光度計、FT-IR による測定を行った。次に、同試料をコロジオン 銅グリッドに3 μL滴下し、STEMによる分析を行

行った。次に、同試料をコロジオン銅グリッドに 3 μL滴下し、STEMによる分析を行った。

2. Ag:HQ

の酸耐性評価

Ag:HQ

に水で希釈した HCl を加え pH=1.0 とし た。そうして得られた溶液の色変化を観察し、

吸収スペクトル測定を行った。また、比較とし て同様の実験を Ag:PVP においても行った。

3. Ag:HQ

CV

測定

得られた Ag:HQ をアセトニトリルに分散させ

CV 測定を行った。作用極、対極、参照極、電 解質にはそれぞれグラッシーカーボン、白金、

Ag/AgNO

3

、TBAPF

6を用いた。

【結果及び考察】

1. Ag:HQ

の合成

混合して得られた沈殿はエタノール、アセト ニトリルに分散性を示した。図 1 に

Ag:HQ

の STEM 像を示す。この像から挿入図には銀三角 形ナノプレート

が含まれていることが見て取れ る。

また、図に示した吸収スペクトルにおいて は 3 つの特徴的な吸収ピークが観察されている。

0 0.5 1

200 500 800 1100 1400

吸光度

波長 / nm

図1. Ag :HQのSTEM像と吸収スペクトル

(2)

南條 弘樹, 2

実線矢印で示した 330 nm,500 nm 以降に見られ

るピークはそれぞれ銀三角形の表面プラズン に由来した吸収ピークである。点線矢印で示し た 295 nm 付近に見られる吸収ピークは HQ 由 来の吸収ピークである。よって、吸収スペクト ルにおいて銀三角形との両方が存在している ことが確認できた。また、得られた試料の IR スペクトルを測定したところ HQ に見られる SH 由来のピークが欠損していることが確認さ れた。このことから銀ナノプレートと HQ が硫 黄結合している可能性が示唆された。さらに得 られた上澄み溶液から約 9 %の HQ が銀と反応 していると分かった。

2. Ag:HQ

の酸耐性評価

図 2 に各銀三角形ナノプレートに塩酸を加え た時の結果を示す。この図から

Ag:HQ の系は 200 時間経過した後でも半分弱程の吸光度を維持 していることが分かる。これは、銀三角形表面を 保護しているHQのヒドロキシ基が優先的に酸化 され、銀が分解されにくくなったためであると考 えられる。

Ag:PVP の系は 30 分程で吸光度が消 失していることが見て取れる。これは、酸によ って銀が分解されたためだと考えられる。

3 Ag:HQ

のサイクリックボルタンメトリー

3. Ag:HQ

のサイクリックボルタンメトリー 図 3 に CV の測定結果を示す。この図から HQ と T のピークが観察された。これらのピークは それぞれヒドロキノン、チオール由来のピーク であると示唆される。また、Ag:HQ の CV 曲線 は HQ のピークが低電位側に大きくシフトする ことが分かった。これは銀に HQ を付加するこ とによりシフトが起こったと考えられる。銀に HQ が化学吸着することによって酸化が起こり やすくなっている。

【結論】

Ag:HQを合成することに成功した。また、PVP

保護銀三角形ナノプレートに比べて非常に酸耐 性が上がることが分かった。

【対外発表リスト】

1) 南條弘樹, 西田直樹, 田中秀樹, イオン移動 度研究会, ポスター, 千葉, 2014

2)

Nanjyo. H, Nishida. N and Tanaka. H: ISSPIC17, ポスター, Hakata, Japan, September, 2015.

3)

南條弘樹, 岩井謙, 木下直哉, 西田直樹, 田中 秀樹: 日本化学会第 95 回春季年会, 口頭, 千葉, 2015年3月.

0 0.5 1

0 100 200 300

吸光度

時間 / h Ag PVP Ag HQ

-10 0 10 20 30 40 50

0 0.5 1 1.5

Current / μA

Potential / V vs. Fc

+

/ Fc Ag HQ HQ HQ

図 2. 各銀三角形ナノプレートの酸添加時間に対 する吸収スペクトル変化

T

参照

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