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特別支援教育実践研究センターセミナー報告

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特別支援教育実践研究センターセミナー報告

78

特別支援教育実践研究センターセミナー報告

日 時 平成

2 2

2

2 7

日仕)

講 師 高橋信雄 (愛媛大学教育学部教授) 演 題 人工内耳装用児の現状 と課題

講演要 旨

1.人工内耳の現状

人工内耳は医学的な手術が必要 となる。装用時期 は、

2‑4

歳 もしくは

5 0‑6 5

歳が多 い。人工 内耳の手術 は

1

歳半以降に認 め られてお り、手術 を受ける子 どもは増加 している。手術 を受 けさせ るにはそれな りの決断が必要 となるため、なぜ人工内耳 の手術が必要 なのか、来るべ き日が きた ときに子 どもに きちん

と話せ るように してお くことが大切である。

人工 内耳 は、 音 を信号 に変 え、脳 に伝 え る機械 で、 両側

90dB

以上 の聴覚障害 に対 して適応す ることがで きる。重度の 聴覚障害 には、 コルチ器の有毛細胞が殆 どない、 もしくは細胞 が破壊 されて機能 しないことで、聞こえない とい う事態が発生 してお り、そ こに電極 を挿 して聞こえるようにす るのが人工内 耳である

。1 9 8 0

年代後半か ら日本の臨床知見が始 ま り、その効 果 は絶大であった。今では、

3

年お きに新 しい機器が開発 され てお り、ス ピーチプロセ ッサで も様 々な音声処理方式が取 り入 れ られて進歩 して きている。

人工内耳 を埋め込んでいる子 どもは、で年間約

2 5 0

例である。

最重度の聴覚障害の子 ども (赤 ちゃんの出生数の

0. 02%

の出現 率)のほほ

1 0 0%

近 くが人工内耳 を選択 している。手術 は

2‑

4

歳 に行 うことが多 く、保護者 の 「話 し言葉 を習得 してほ し い」 とい う思 いが反映 されてい る。人工 内耳 を装用す るこ と で、音声言語の習得が一定程度可能 になる。 また、人工内耳の 埋込み時期が早いほ ど、言葉の習得や言葉の聞 き分 けに効果が あることがデー タか ら証明 されている。現在、子 ども達の大半

人工内耳を埋め込んでいる子どもたちの割合は ? 日本における年間手術 敷く全メ1i)‑) 世 界で20万人以上 600

500

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人 工 内耳での達成率

書の書 *がわかる

*並な桝 がわかる

口元をJLれば盲がわかる

状況 や盲tがわかれは せがわかる 状 況や宙4 にFI焦なく

盲がわかる

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壬 J* 事 (%)

は通常学校 に在籍 してお り、残 りの子 ども達 は、聾学校 に在籍 してお り、ほぼ全 ての聾学校 に人工内耳装用児がいる現状であ る。

聞 き取 る力 は、人工 内耳 の電極が働 き、 その信号が脳 に伝 わっていれば音の有無 については

1 00%

わか る状況 にある。 聞 き取 りやす い順番 としては、身近 な環境昔 (イヌの鳴 き声 や 声)、 口元 を見ればわか'る、状況や話題が わかればわか る、状 況や話題 とは関係 な くわか る、 テ レビが わか る、電話 がで き る、である。

しか し、人工内耳 を して も、全ての会話が理解で きているわ けではな く、個人によって状況 は異 なる。

人工内耳 を装用 した子 どもの言語の識別は、音韻 レベルでは

66‑90dB

の聴力 レベ ルの補聴器装用児 とほぼ変 わ らず、単語 レベルでは

66dB

以下の聴力 レベ ルの補聴器装用児 と同程度の 成績 をお さめることがで きている。 このことか ら、音韻 よ り単 語のほうが聞 き取 りやすい とい うことが言 える。 話 し言葉 を聞 くための人工内耳で は、識別率 は

1 00%

にな らないが、 これは 人工 内耳 自体 の周波数分解能が悪 いためである。蛸牛 には

3

万 の聴神経があるが、それを人工内耳の最大で も

2 2

本の電極で刺 激 しているに過 ぎないため、微細 な音の変化 を伝 えられるわけ ではない。入 って くる音の成分 に対応 して電極が刺激 される部 位 は異 なるので、話 し言葉 を聞 き分 けるのに必要 な情報が聴神 経 に伝 え られる。 人工内耳 は、話 し言葉 をコミュニケー シ ョン の手段 として重視す る ところに特徴がある。

聴知覚

: cl 児と HA児と聴力程度との関係

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■ 士のRl竹tや it*≠tの台七ができているからか LnterTtationalCIconference2008よt)

2.

トータル コ ミュニケーシ ョンの併用

聾学校では、 コミュニケー シ ョンモー ドとして手簡 も口話 も 使用す る トー タル コミュニケー シ ョンが多 く行われている。聴 覚障害のある人にとっては、聴覚 に訴 えるよ りも手話のほうが 分か りやすい。それは、手話 は形が明確で残 りやす く理解 しや すいが、音 は瞬間的に消 えるか らである。聴覚 は意図的に使わ ない とそのスキルは向上 しない。聴覚か らの情報 を得 るために 人工内耳 を選択 しているが、それは本人 (子 ども)が選択 した わけではない。手話 を使 うことで聴取能力は向上 しないのでは ないか と言われているが、最終的に聴覚 も使 って コミュニケー シ ョンで きるように してい くことが大切である。手話 を中心 と す る北欧な どの聾学校で も、聴覚活用が試み られていて、手話 も聴覚 も両方 とも使用す ることが盛んに行われている。人工内 耳 も機械 なので故障す ることがあるため、手話 も取得 している ことが好 ましい。言語の処理 システムを 「口話か手話か」 どち らか にす る とい うのではな く、「手話 も口話 も」 と考 えて取 り 組 む ことが必要 となる。学校 としては、手話 の必要 な子 ども

‑ 5 1‑

(2)

特別支援教育実践研究センターセミナー報告

や、聴覚のみで も可能な子 どもにも共通のモー ドとして手話 を 取 り入れることが求め られている。

また、教師は自然に音が聞こえるために、音 をないが しろに しがちである。そのため、昔 にもっと敏感になって指導 を行 う 必要がある。医療の分野で も、聴覚だけで も大丈夫か、そ うで ないか、 どの手法が好 ましいのか、話 し合いの上で見極めてい くことが求め られる。 コミュニケーシ ョンモー ド別のクラスや 学習 グループが必要であ り、そ うした試みが成 されている学校 もある。

3.

人工内耳の効果

耳 を通 してその情報 を処理することをしていかない と、聞 き 取 りの力を伸 ばす ことが難 しくなって しまう。現在は∴聴覚情 報処理能力が向上 したことによって、聴覚入力 と聴覚処理への 質的転換期 となっている。聞こえはよく応答 もよいのだが、内 容の理解 に至 っていなか った り、言葉 の前後の関係 をみ ない で、特定の語嚢だけか ら意味 を判断 して しまう例 もある。人工 内耳装用児だけでな く、様 々な状況や能力の子 どもがいること を忘れてはいけない。

人工内耳の利用は両耳の活用が原則 としてあ り、世界的な流 れ も同様である。 日本では人工内耳の手術 には医療保健が適用 されるが、片耳だけに人工内耳埋込むことが一般的であ り、両 耳の効果 は発揮 され ない。かつて補聴器 は片耳装用が原則で あったの と同 じ道 を辿 っているように思われる。人工内耳だけ では取れない情報 もある。特 に音楽などは昔の高低がわか らな いため、補聴器 を活用す ることも大切である。人工内耳 を装用 す ることで、反対側の耳の聴神経が刺激 されたのか、補聴器装 用時の きこえが改善 されたケース もある。

4.

人工内耳の リハ ビリテーション

人工 内耳の (リ)ハ ビリテ一.シ ョンで は

、QOL

を高め、 自 分の役割 を認識 して生 きてい くことが大切 である。壁 を乗 り 越 えてい く手助 けをす るパー トナー (母親で も誰で もよい) も 必要である。装用者のニーズ としては、話 し言葉の習得 と音の 世界 (音楽、環境音 など)の接点 を作 る七 との活用 を前提 とし て、全面的に豊かに発達す ることが挙げ られる。

実際的な指導 として、聾学校で特別な取 り組みは 「実施 して いない」 とい うのが現状である。 自立活動の中で指導が取 り組 まれているが、

1

1

0分で もよいか ら、聴覚 を活用 した指導 を 行 うことで効果が上がる。聴覚 を通 して情報 を処理する時間を とることで、音や話 し言葉の取 り込みや処理も三広が りが生 じて くる。発達 をふ まえた聴覚か らの入力 を基礎 とす る指導方法 と、両親支援 に取 り組むことが大切である。

子 どもの聴覚学習は、色々な音刺激 を組み合わせた り、取 り 入れた りして、楽 しく意味のある聴覚的経験がで きるように主 体的に取 り組める方法で行 うことが求め られる。右の図でいえ ば、大人は "検出''、 "弁別"、 "識別"、 "理解" を階層的にで き るが、 こどもには難 しい。常 に理解 をベースに進めてい き、子 どもにとって楽 しく、意味のある聴覚的経験 をつんで もらうこ とが大切である。

sTEPS(

ノッテ ィンガムの乳幼児 プログラム)の ように聞こ えをベースに、気づ き、注意、傾聴、理解、発声、話す、 とい

聴 覚 学 習 ‑ 主体 的学 習

会話や言語をベースにする乳幼 児期

こ え を い か し て8 c R

omup?? Tq'down

い く か

従 来 の 辞 JF的モデ ル

STEP S(

ノッティンガムの乳幼児プログラム)

うことを階段状 に進めてい く取 り組み もある。聞こえが育つ過 程 としては、①最適な時期 と聞こえの発達、②注意の集中、③ 情緒的ヨミュニケ‑ションの成立、の

3

点が挙げ られる。

ビデオの事例で、ハ トの紙 を使 って 「ポ ッポ

」 といいなが ら発声の練習 を していた。 は じめは、「●ポ

」だけであったの が、 4回 目ころになると 「ポ ・ポ

」 と変化 していた。

その他、本人の希望で人工内耳の音 を大 きくした時に、脳波 の異常 を誘発 した り、頭痛が した り、視野が歪むなど視覚異常 を訴えたケースがあった。そ ういった場合 は、病院へ行って人 工内耳の電気刺激 レベルの最大値 (Cレベル) を下げて もらう

ことが望 ましい。学校 と病院 と家族 ・社会が連携することが大 切で、情報提供 をしあってほ しい。

現在では、最重度難聴者にとって、人工内耳は一般的な選択 肢の一つ となっている.人工内耳は、不十分 な聴覚の機能を部 分的 に働 かせ る もので、話 し言葉 を聞 くための機械 で しかな い。、人工内耳 を したか らといって健聴の聞こえを取 り戻 して いるわけではな く、軽度か ら中等度の難聴が続いている。補聴 器で実現で きなかったが、人工内耳の持つ可能性 には素晴 らし い ものがある。 さらに、指導 に関わる側 は、家族や外部への説 明責任が問われる時代 になって きている。 こうしたことを前提 に指導に取 り組んでいって もらいたい。

‑ 5 2‑

参照

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C :はい。榎本先生、てるちゃんって実践神学を教えていたんだけど、授