奈良教育大学学術リポジトリNEAR
奈良縣に於ける酪農の實態調査
著者 中牟田 正幸
雑誌名 奈良学芸大学紀要
巻 2
号 2
ページ 175‑180
発行年 1953‑03‑25
その他のタイトル On the practical survey of dairy farming in Nara prefecture.
URL http://hdl.handle.net/10105/5144
(17う_)
奈良解に於ける酪農の宴態調費
中 牟 田 正 幸 (畜産学教室)
MasayukiNAKAMUTA:On the practicalsurvrey of dairy farming in Nara prefecture.
ト 緒 音
近年、酪農の発展は全国的に著しいものとなり、奈良矧こ於いても、酪農振興4ケ年計画(昭和 餌〜ゴ9年)を樹立して、その普及を促進し、漸次、乳牛頭数の増加を見るに至った。然しながら、
昭和27年5月現在では、慢下に於ける酪農家戸数は288戸、乳牛頭数は約570頭(成牡牛)、月産乳 量は約1梱り石(奈良願膳諮産詑調査)で、末だ稜々たる二現状であると云わねばならぬ。
この原因は自然的、柾会的及び経済的諸l勾子等に依ることは勿論であるが、就中、願重体とし ての珪家1戸当りの平均耕作反別は約5反で経営脱膜は小さく、革地にも乏しく、然も依然として 耕柾農葉のみに依存する傾向があって、農法は一般に保守的であること等が考えられる。斯様に、
願全体としては保守的盈業を営んでいるが、淀近、進歩的農家は酪農の重要性を痛感して、漸次、
乳牛を経営の中に取り入れる様になり、各:地に散在的とは云え、酪農地帯を形成するに及んでき た。是等の酪農地帯は大部分が大和盆地の周辺部、即ち山隈部及び中間部地帯に散在し、就中、南 葛城都(忍海、葛城、大jE村等)、北葛城郡(新庄町)、高田市等は葛城山及び金剛山を背景とし た一連の酪農地域を形成している。そこで筆者は酪農村として重要と思われる忍海相を始め、各地 の酪盛f路を調査して本醇酪農の現状を知り、且つその在り方に就いて考究することは意嚢あるも
のと信じた。
本調査に当っては、奈良学芸大学津的助教授か御指導を賜わり、また学生小室佳勇者の助力を拙 い、併せて官民各位の御協力を得たことに対して深く謝意を表する攻坊である0
2・調l 蛮 地 の 概 要
(1)気 象 條 件
乳牛が健全なる生活をなし、然も充分たる泌乳能力を発揮する上に、故も重要と考えられる気象 要素は嘉浬、滋度及び再発で、丑等に就いて奈良糖種扉渕快帆こ於けむ址近1ケ年間匿記録を調在
した結果は第.1表に示す通.りである0
第1表 気粗、潟度及び雨量(昭和22−2時の卒均)
\\\\畢衆要素
一日目
竺」し旦多ユ遥
1ち 4.68
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細療測献所の寅画より作成
乳生の最適気温はぺ体に於いて7−1ヨOCと 云かれており、表に示す通り、年中均気温は約 14.JOCであまり商いとは云えぬが、たにしろ年 間に於ける較差が甚だしく、冬季は比較的快適 であるが、夏季に於いては輔盟と多演とが並行 的に変動する巧に、乳牛の生活撥能を低下せし′.
める−一朝ともたっている。また、両立は年端押■
0〜]tHのmmが適当だと云かれており、豪lこ示 す通り、年間約1,割Hlmmで必ずしも多いとは 思えぬが、粕こ梅門塀は鞘量が多い喝係上、乳 生にとっては好ましい恢件とは考えられないし
、その矧こ後に述べる牛乳の生産に影響を及ぼ している様である0
奈良学大紀要 第2巻筋2号, 1953年(昭和2時)2月1日
(17tミ) 中 牟 H jl三 幸
(2) こし 地 状 況
既に声べた様に、酪農地域は主として大和盆地か周辺部、即ち山間部及び中間部地帯に散在し、土 質は大部分が沖兢戸の砂墟質及び壊賛二L壊で、概して酸度は高くたく、地味は比較的に肥えてい る。従って作物、諌菜及び果樹類等の栽増は盛んで生産高も多く、平均反当牧量として米は約3石、
麦は約2.5石程度である。酪農家1戸当りの経営規模は大部分が8反から1町5反の範囲内にあり、
本確の平均経営呪頃に比較すれば大きく中庸型経営に属している0新地の中で町畑の比率は水閏が 大部分で約85%を−!iめており,水刑の裏作は表が多く、その他に菜種、馬鈴薯等が栽培せられ、ま た畑は流薬類の集約的栽培が行われる他に廿藷の栽培も多い。全般的に京師坤の大消費都市を控え ている関係上、集約的農業を営み、土地の利用度が高く、飼料作物扇竜増は寧ろ経首経済的に不利 であるのだろうか、その作付は殆んど見受けない0然も放牧地及び採草地と称するものもたく、僅 かに山㈲及び畦畔の野草、青草を利用しているに過ぎない0
(3) 酪 農 経 営 事 情
願下に於ける絵患家戸数に対する醗患家戸数は約0.5%(昭27.5.調)で、経営規懐よりみれば大部 分が8反から1町5反までの中庸型農家に属し、零細農家の乳牛飼養は殆んど見受けたい。酪農家1戸 当りの平均餉養頭数は約2両で、普通1〜q頭を飼養し経営規模に梱應した酪豊を営んでいるものが 多いが、中には5−8頭を飼養し、隼専業的経営を行っているものもある。
今、嫁下に放ける唯一の醸造相として発展している忍海相の酪農経営に就いて調査した結果を示 せば第2表の通りである。
節2表 忍海村に於ける酪農経営観横と飼養疎放 (昭27・5・訊)
飼養農家戸数合計( 戸 ︶ 飼養頭数合計 (頭)
飼養戸数割合 (%1 飼哀頭数割合 (%)
・ 1 ノ D A T 8 4
. 1
乱
∠ U
9 27 03 83.1.∴
3 つ ー
l
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0
4
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﹂ 3
′
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本法相に於ける総農家戸数(588戸)に対する酪農家戸数C29戸)は約5%で、表に示す様に、是.
.等の酪農家の経営規模加をみると5−1眼は約62%、10)15反は約31%・また飼養頭数の経営規模別 をみると5′−10励ま的60%、10〜15反は約28%で、この相の酪蔑経営の中心が5〜10戊か経営戸に 大部分おかれ、攻に10−15反の経割燈におかれていることが分る。酪農家1戸当りの飼養頭数は 約3.咽で、かなり大きな経営を行っているが、.是等の乳生む大生は山門部落に集中せられ、その 経営規模に放ハて調査した結果は第3表に示す通りである0
第3表:忍海相字山田部落に於ける酪農経営規模 (昭27・5・調)
l戸当 り の耕作反別
田 畑 計 1町1反 1反4歓 1町2反4歓
1戸当 り の家畜頭数 保畜1頭に対する耕作反別 乳 牛 和 牛 計
4.2頑 0.8頑 5・0頑 約 2反 5畝
奈良!軌こ於ける酪農の実態調査 (177)
本部落の絵戸数は13戸、その中12戸が一氏家で、然も各農家が3〜7頭を飼養している。表に示す枝 に、1戸当りの平均耕作反別は約1町2反、乳牛頭数は約4.2頭である。その結果、家諮1頭に対す る耕作反別は約2.5反の狭少な土地で、然も是等の家諸を飼う粗飼料費瀕としての青草も豊富でな く、後に述べる様に、他より多量の粗飼料(劫と宿藁)を購入しなければ維措出来ぬ現状で、換言 すれば饉営規模に対して余りにも過剰か乳牛を飼養する牛専業的経営をたし、眞の酉抵発展の在り 方から見て桧訂する余地があると考えられる。 斯る経営を行う農家は顆下の各地に於いて度々見 受けられた。
乳牛の毒力利明であるが、大部分の酪農家に於いては別に役諸として和牛を飼い、乳牛を使役し ている者は少ない。各地に於ける個別的な聴取に依ると、蔑賓期の乳牛使役は著しく乳量を減じ、
殆んど搾乳Fl摘ぬ状態であるが、大体1週間経ると元通 に恢復する様である。
3・乳 牛 の 体 型
飼養せらかている乳牛は大部分がホルスタイン及びその難敵で、雑種の系矧こ就いては明かでた い。産地は主として北海道が多く、静岡、三重頻等瑚折であるe測定した乳牛は忍海、朝和付及び 奈良市等に飼養せられている威年型牝牛100頭を任意に選んだ。勿論、測定頭数が不充分で確言は出 水ぬが、大体の傾向を知る資料にたると思う(現在、願内に飼養せられる威牝牛の大部分に就いて 測定中で、生物統計学的に纏めて後日発表の予定)。本職では、是等の各部位の平均値、標準偏差、
変異系数等に就いてのみ報告するが、その結果は鐸4表に示す通りである0 第4表 乳 牛 の 体 型 (昭27・5調)
表に示す測定値を−大正未明に佐々木済綱博士が八丈島のホルスタイン執こ就いて測定せられた ものと比較すれば、体葛約6cm、+宇部雷約2.5cm、体長的5cm、胸囲約5cm、胸幅約2m、陶深 約2cm、隈角幅約4cmの差があいJ、型で容積に乏しい。然も測定せし100国中に血統登録を有するも
のは17頭で、その中に佐々木博士の数値に達するものは僅か2頚に過ぎなかった。この仰向は我国に 飼養せられている乳牛町大部分に就いても云えるのでは孜いかと考えられる。この炉内は乳牛自身 の素質が貧弱であることは勿論だが、立地條件及び飼養管理等に影響しているものと考えられる。
4・繁 殖 及 び 飼 養 管 理
Cl)繁殖概況
近年、人工授精が盛んに行われる様にたったが、依然として!日米の自然交尾を望む者があり、
人工授精の実施程度は70′−80%である。租牡牛は煉穐番場及び豪轟保鮮朋に朝貢せられ、史等から 搾取した精液は総べて人工授精の需要にあてゝいるが、また一一方では民間にも繋養L自然交尾に使
(178) 中 辛 打I 正 幸
用している。願としては描産行政の−一つとして摩秀な軽牡牛を導入すること及び豪轟保健所の設備 と技術員の増加等を計画することに依って乳牛の改良埴殖並びに衛生方面等に力を注いでいる0
各県家の交配状況を調査したところ、分娩後の交配は3ケ月後で、概ね4ノー5月及び9−10月が大部 分で同じ比率になっておるが、∵般に受胎率悪く、受胎迄の授精回数は普通2−3回で甚だしい時は 7 8回に及ぶこともあり、中には分娩後6′−10ケ月もそのま1の状態にあるものを見受けることが ある。生産せられた境は分娩後、直ちに家讃商人に販賛せられる傾向があり、あまり解下に於いて 育成せられることが少ない馬に、達家は常に先進酪農願から威牝牛を導入して搾乳する現状で酪農 発展上考慮すべきととである。
(2)飼 料 事 情
粗飼料は年間を通じて主に精義のみに依存し、年間1頭当りの消費蛍(敷藁も含む).は1200−15 00貰程度で、たゞ夏季の義軍及び秋季の甘藷蔓が利用せられているに過ぎぬ。冬季に放ける粗飼料 としての野乾燥の製造はたく、またサイロの設備は殆んどたく、従って練飼料に困っているが、少 量の山間の青草及び自家生産の読英類等を利用して補ろてレ、る。普通1〜咽の飼養丑豪では自給の 宿黄及び帯革の給輿で大した不自由はしていないが、経営規模に比較して飼養頭数の多い渡豪では どうしても自給の粗飼料をもっては維持胡来す、例えば忍海相山田部落の各盈豪に於いては、年間 を通じて1〜2町程度佐相藁を1戊に付.2,000円の割合で購入している0然して、是等の盈家と無 讃農家との問に於いて、稽藁と厩肥との交換は行われていない椋である。
濃辱飼細ま殆んどが麟入飼料に依存する傾向があり、青刈作物及び飼料作物の栽増はたく・たゞ 表£統制撤廃に伴って自給か麦及び甘藷等卑賎乗せす・その麦ゝ飼料として棚1し、飼料の購入費 を観的している者が多くなってきた。購入飼料か主たるものは鑑、大麦駄犬豆粕、ビート、パル プ、澱粉粕等であるが、本願に於いては特に豆膵粕の利用が多い。
(3)飼 養 管 理 泣
各鹿家に依って異たり一概に云えぬが、飼養管理の優劣の如何に依って生乳の生産に影響すると ころ大きく、これらに就いての知識と技術の習得に精励し、各柾C飼料を合理的且つ経済的に配合 して飼養棟準に適合した給興を行い、然も年間を通じて朱糞の均一を計っている様であるが、また 一方では購入飼料の節減のみを計り、卦一節津で廉債な のしみを興えている者も少くたレ、。飼料 給輿の実際としては維持飼料に粗飼料、生産飼糾こ濃厚飼料をあて1、生乳1升に付、怒1升とい う常法である。この他に、コ:コイカル及び食塩等を適量に添加しているが、故近蛋白質資源として 尿素の利用が叫ばれながら、これを利川している者は全く見受けなかった○これに就いての普及及 び奨勤に当っては、何等かの対策が必要きたいかと考えられる。
管且状況に就いては、大体に於いて役福か管理と天蓋はたいが、旧聞地醜盈村と新興醜豊村との F帥こ於いては明かに差異があり、前者の場合では、牛舎か設計に於いても専業的讃禽構造をなし、
採光、換気等は艮好で能率的且つ衛生的で、然も年会の掃除及び年休の手入等は良くゆきとゞいて るが、後者の場合では是等に反して良好でたく改善ん金地が多い。雷L牛は年間を通じて牛舎内かみ いに紫養し戸外に出して速効を行っている者が少ない。
5.牛乳の生産及び版資状祝
(1) 壷 乳 状 況
牛乳の生産は立地的、経済的及び技術的諸膝件等に左右せられるところ大きく、現在飼養せられてい る乳牛では豊富な乳量を購持することノ耕一来ない0 この事は既Jこ述べた様に、杢般的に乳牛の体型 が小さく且つ容禎に乏しいことが考えられる。然しながら、この数年間に於いて乳量は、漸次、増加
奈良煤に於ける酪農の実態調査 (179)
の傾向にあり、調査した範囲内では盛乳期1頭当りの乳立は普通18〜封kgのもむが故も多く、中に は40短以上のものもいた様である0敷期は各個体に依り異なるが、概して中等虎で努る。
忍海酪盈都合に於ける故近5ヶ年冊の集撃L葺及び年制1頭当りの裂果に就いて調査した結凪は競 う表及び第6表に示す通りである。
賂5衷 忍海酪県組合に於ける隼及び月別の集乳量.(石)
2 1 2 1 3 4 】5 i 6 I 7
√ l l l 抑
F
1
9 F
一
1
2
2
3
9
′ 0 7 つ ん 2
∩
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′ D 一 U 3 4 4 7
︵
∠ 8
計
第6表:忍腐蘭農組合に於ける年間1或当りの卒均乳竜
別
乳
表に示す様に、昭和23年1月の集乱発は僅か的出石ごあるが、昭和27年5月では約265石で約1坤告 の集乳量を示し、また乳年1頭当りの年間乳量は、昭和2呵三16.4石、昭和26年22.2石で、その差5.8石
という著しい増加を示し、本酪農組合の発展を如実に証明している。この理由ま最近飼養頭数が著 しく塘加したことは勿論であるが、飼料事情わ好輔と先進酢貴慮から優秀な乳隼を導入し資質の向 上を計ったことl同時に、各酪農家の飼養技術と衛生知識の習得に依るものと考えられる。1
在学LC季宵的変動に就いて、個別的な鑑取に依ると、夏季に於ける高湿と多瀬との矧こ数年の生 活機能を低下せしめ、大体10 15%か減少を示している様で、また−・故に6月は濃紫隅と梅雨とが 頚なって乳量の低下を来す大きた原因にもたってレ、る。
(2) 坂 東 状 況
各酪農家に於いて生産せら1した′博Lは各酪農組合を通じて放資せられ、その販路は願内で消費せ られる1け乳と大阪の明治及び森永乳業会社にflLち荷せられる原料聖とがある0握内で滑費せらJlる′主 祭は殆んどが高温殺菌で、低湿殺菌は行われていない。今、願下に放ける牛乳生産量及び利和状況 に就いての調査結剰 第7表に示す通りである。
第7表 昭和25年度に於ける榛下の牛乳生産量及び利用状況 (軍位は石)
二ir」と
759[8,289
3,142 5,137 4,510 637
一 一 −− ̄ ̄  ̄ l  ̄ ̄− − 一
備考:奈良鯨庶畜産課の資料による。
表に示す様に、照下に於ける平均月産乳量は約690石、その中に囁内治費が約60%、大阪えの移出乳 は約40%空、多量の牛乳が煤外に出荷せられている。この矧こ煤内に於ける1人当りの年間消費量
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は約6.4合で、甚だ僅少なることが分る。然しながら牛乳生産量も年と共に増加し−昭和27年5月の願 内生産量は約1,000石で、その中に願内消費が64tI 650石、願外移出は350〜360石となっている。移 軋牛乳であるが、是等の酪農紐.合と会社との問に於いて飼料の斡旋及び酪農技術の指導等の契約を 結んでいるわけでたく、たゞ商品の取引きをたしているに過ぎ尤い。元私本願は京阪面か大泊費都 市を路え、然も交通の便に喪変れている関係上、牛乳の販路は極め て有利で、本願酪農の脾瑚生に 就いて最と眞剣に研究するところ多々あるものと信する。各酪盈組合から大阪の市場までの出荷所 要時間は約1−2時間か範囲軸こあり、大部分の組合はオート三輪車で輸送している。こ1で考えな
くてはたらぬ事は、夏季に於ける高温の際に牛乳の醸造に時間的制限が蔽いしので牛乳の新鮮庇を 保持することである。恕海酪農組合に於ける牛乳放資状況を調査したところ、昭和27年5月の1円の 封二亨L童は約9石、その中の約2石は組合で処理し放資しているが、残りの約7石は大阪の明治乳葉 会敵に=荷している。醸造法はオート三輪車で所要時制約2時間である。販茸慣格(昭和27年5月現 尭)は1升に付、揖閏(但し脂肪率3.2%)で脂肪率0.1%増減に付、坤拍=減せられている。輸送費 は生産者側か負担で1升に付、5円で差し引き60円の実収入である。他の酪出組合に於いても同様の 取引をたしているが、統べて森永敦薯会祀と契約し汁脱している。
6・結 語
以上、奈良癌に放ける主なる酪農地帯に就いて立地條件、経営状況、塑ノ主の体型、繁殖及び飼養 管理概況、生乳の生産及び版茸状況等を調査して、その概要を述べた。今、それらを要約すれば次 の様に云えるだろう。
(1)願下に放ける主たる四把地帯は甫高城郡(忍海、素城、大jE付等)、北葛城郡(新郎け)、高 田市等で葛城山、金剛山等を背景とした一連の酪釦胞域を形成しているが、就中、忍海相は願下に 放ける唯一の酪農基地として駈展し注目に値する。
(2)本願の農薬は垂加勺に排種農業かみに依存する傾向が強く、然も農家1戸当りの経営規模は約 5反で小さく、粗飼料資源も乏しく、あまり期待は持てぬだろう0飼養頭数は普通経営規模に相應 しているが、中には経営規模に比較して頭数が多く、一種の搾取的経営を行っている地域も存在 し、酪豊発展の眞の在り方として考究する必要がある。.
(3)飼養せられている乳ノトは各般坤こ小型で容積に乏しく、従って泌乳能力は高く放く、乳明も中 等鹿であるが、忍海酪農組合に於ける昭和26年度の1頭当り年制乳量は約22.2石でかなりの成耗を示
している。
(4)飼養管理法は大体に於いて搾乳葉音に準じ、濃厚飼料に依存する傾向が強い0粗飼料の資源が 乏しいので止む得ぬが、将来飼料作物の我増に就いて研究し経営の合理化を計るべきである。
(J)人工授精の普及及び施設が完備していたい鶴か、人工授精の冥施は70−80%程度である。乳牛 の改良増殖上優秀な種壮年を導入し、早急に完全たる実施を必要とするだろう。全般的に繁殖技術
は良好とは云えない。
(6)解下に徽ける月産乳量は約1,000石で、その中60−70%が願内にて消費せられ、従って1人当 りの年間消費量は甚だ板々たるもので、顆民の保健上から見ても酪珪振興の必要性が考えられる。
斯様に、本願酪農の現状は甚だ微々たるものであるが、本願は京阪軸の大酒費都市を控え、牛乳 の販路は極めて有利な立場にある事係上、盈業煤として酪農の進路は可成炉大きく展開される余地 が多々あるものと信じ、これが発展の矧こ、眞剣に対策を研究することは非常に意義搾し′、ものと痛
▼
感する次第である。