九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
音響場と構造場とが強連成する自動車車室内ロード ノイズのアクティブ構造騒音制御
高松, 吉郎
https://doi.org/10.15017/1807126
出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:Fulltext available.
(様式6-2)
氏 名 高松 吉郎
論 文 名 音響場と構造場とが強連成する自動車車室内ロードノイズのアクテ ィブ構造騒音制御
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 川邊武俊 副 査 九州大学 教授 内山 誠 副 査 九州大学 准教授 杉原 真
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
乗心地の向上やドライバーの疲労低減のために,自動車の車室内はより静穏化されることが望 まれている。車室内騒音の主な成分に,タイヤから車体が加振されることに起因して発生するロ ードノイズがある。ロードノイズを低下させる方法として,吸音材・制振材などを車室内に充填・
張付ける方法があるが,自動車の質量増加を招くので,燃費性能と騒音性能とはトレードオフの 関係になっている。そこで,本論文は,車体質量をほとんど増加させることのない,アクティブ 制御でロードノイズを低減する手法を論じている。
具体的には,関連するアクティブ制御法としては,アクティブノイズキャンセラー,能動振動 制御が提案されているが,ロードノイズは車室内の音響場と車体の構造場とが強く相互作用(強 連成する)し発生することに着目すると,能動的に車室の壁面を振動させ,騒音を低下させるア クティブ構造騒音制御(ASAC)が,原理的に最もロードノイズ低減に効果的であることを明らかに している。ASAC をロードノイズ低減に適用するにあたり,1),ロードノイズの発生過程を数 学モデル化する,2)無限次元の信号である車室内の騒音を有限個の加速度計で推定する観測系 を構成する,3)車室壁を振動させる素子の配置や個数を適正に選択し操作端を構成する,4)
得られたモデル,観測系,操作端に応じた,制御則を設計する,の4課題を設定し,それぞれの 課題を数理的な手法で解決している。結果として構成された制御システムの効果を,計算機シミ ュレーションに加え,車両実験で実証した。
本研究成果は,音響場と構造場とが強連成する自動車車室内ロードノイズのアクティブ構造騒 音制御に関し,制御系の構成法および対応する制御則の設計法を提案し,その有効性を計算機シ ミュレーションと,実機実験の結果から検証しており,非常に価値ある業績と認められる。
最終試験
この論文について,論文調査委員会は,平成 29年2月16日9時30分から九州大学伊都キ ャンパスウェスト 2 号館547室において,高松 吉郎氏及び論文調査委員全員の出席により,
公開による論文の調査及び最終試験を実施した。
論文内容について,高松 吉郎氏は論文調査委員全員の質問に的確にかつ明確な回答を行い,
また,口頭により行われた関連の授業科目等に関する調査についても,論文調査委員を満足させ る回答を行ったので,論文調査委員会は最終試験を合格と認定した。
以上のことから,論文調査委員会は,高松 吉郎氏が博士(工学)の学位を授与されるのに相 応しいと判断した。