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Microsoft Word - ひずみH20成果報告書_16_2-2_ doc

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226 3.2.2 マルチチャンネル等による海域地殻構造調査 目次 (1) 業務の内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・227 (a) 業務題目 (b) 担当者 (c) 業務の目的 (d) 5ヵ年の年次実施計画 1) 平成20年度 2) 平成21年度 3) 平成22年度 4) 平成23年度 5) 平成24年度 (e) 平成20年度業務目的 (2) 平成20年度の成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・228 (a) 業務の要約 (b) 業務の成果 1) データの収集とデータベースの構築 2) データベースを用いた反射法地震探査データ解釈作業 (c) 結論ならびに今後の課題 (d) 引用文献 (e) 学会等発表実績 (f) 特許出願、ソフトウエア開発、仕様・標準等の策定 (3) 平成21年度業務計画案・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・243

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227 (1) 業務の内容 (a) 業務題目 マルチチャンネル等による海域地殻構造調査 (b) 担当者 所属機関 役職 氏名 メールアドレス 独立行政法人海洋研究開発 グループリーダー 小平 秀一 [email protected] 機構 サブリーダー 高橋 成実 [email protected] 地球内部変動研究センター 技術研究副主任 野 徹雄 [email protected] プレート挙動解析研究プロ グラム (c) 業務の目的 ストリーマーケーブル、海底地震計(OBS)等を用いた反射法・屈折法による海底地殻 構造調査を行う。地殻構造調査は海域と陸域を統合して実施し、ひずみ集中帯の活構造、 断層のイメージング、地震波速度の絶対値等を明らかにする。 (d) 5 ヵ年の年次実施計画 1) 平成20年度:新潟県中越沖地震震源域を中心に、深部構造に着目し既存反射法地震探 査データの再処理を行う。 2) 平成21年度:能登半島沖から佐渡沖の海域で「かいれい」による広域反射法探査を行 う。会津-佐渡沖海陸統合測線では海底地震計 30 台を 5km 間隔で設置し屈折法地震探査デ ータの取得も行う。 3) 平成22年度:佐渡沖から新潟沖の海域で「かいれい」による広域反射法探査を行う。 新潟地震震源域の測線では海底地震計30 台を 5km 間隔で設置し屈折法地震探査データの 取得も行う。 4) 平成23年度:津軽沖の海域で「かいれい」による広域反射法探査を行う。日本海中部 地震震源域では海底地震計30 台を 5km 間隔で設置し屈折法地震探査データの取得も行う。 5) 平成24年度:山形県北西部酒田から新庄盆地東縁にいたる区間と、酒田沖区間で海陸 統合地殻構造探査を行う。また、秋田県北部能代沖から花輪にいたる区間において、同様 の海陸統合地殻構造探査を実施する。それぞれの海域測線では、海底地震計 30 台を 5km 間隔で設置し屈折法地震探査データの取得を行う。また、庄内沖から秋田沖の海域で「か いれい」による広域反射法探査を行う。 (e) 平成20年度業務目的 新潟県中越沖地震震源域を中心に、深部構造に着目し既存反射法地震探査データの再処 理をおこなう。

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228 (2) 平成20年度の成果 (a) 業務の要約 平成 20 年度は、新潟県中越沖地震震源域周辺で得られた既存反射法探査データの再解 析による深部構造を把握と、平成 21 年度以降の海域での広域制御震源地震探査の実行計 画立案に資するため、独立行政法人海洋研究開発機構と独立行政法人石油天然ガス・金属 鉱物資源機構(旧石油公団)が過去に取得した反射法探査データを収集し、今後のデータ 解析を鑑みて、必要に応じて再解析も実施し、データベースを作成した。作成したデータ ベースを用いてデータ解釈を実施したが、解釈にあたっては、ODP や基礎試錐による掘削 データを参考にしている。新潟県中越沖地震震源域の浅部地殻構造の特徴は、厚い堆積物 と短縮された非対称な褶曲構造である。堆積層が顕著に厚く分布する海域は、新潟県中越 沖地震震源域を含めた新潟県沖と秋田県沖である。新潟県沖では、断層・褶曲構造の発達 が顕著に確認できる。逆断層が発達し、背斜構造が隣の背斜構造に乗りあがるような短縮 された褶曲構造の分布が明らかになった。同様な構造の特徴は、厚い堆積物を伴う新潟地 震震源域でも確認できているが、基盤深部の構造イメージングが不十分なため、断層下方 の構造が把握できず、今後の大規模地震探査で明らかにすべきである。また、日本海中部 地震震源域では、むしろ堆積層は薄く、音響基盤を切る逆断層は明瞭であるものの、やは り深部イメージングが十分でない。既存データの記録は全般的に音響基盤以深のイメージ ングが不十分であるため、大容量チューンドエアガンアレイと長大ストリーマーケーブル による反射法地震探査断面と海底地震計などを用いた速度構造から、これらの逆断層の深 部の構造イメージングが必要である。 (b) 業務の成果 1) データの収集とデータベースの構築 平成 20 年度は調査を実施しなかったため、日本海東縁海域において、過去に実施した 反射法地震探査データを収集し、デジタル化および再処理して、データベースを構築した。 使用したデータは、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(旧石油公団)が公開 している国内石油・天然ガス基礎調査・基礎物理探査によって取得されたデータと独立行 政法人海洋研究開発機構(旧海洋科学技術センター)が取得したデータである。各々のデー タについての詳細は図 1 の通りである。

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229 図 1 本業務におけるデータベースに使用した反射法地震探査測線図。黒線:KR07-E01 航海(独立行政法人海洋研究開発機構)、灰色線:MCS95 航海(旧海洋科学技術センタ ー)、橙色線:基礎物理探査「大和堆」(旧石油公団)、黄色線:基礎物理探査「西津軽沖 -新潟沖」(旧石油公団)、桃色線:基礎物理探査「佐渡沖南西」(旧石油公団)における 反射法地震探査データ。赤星印:基礎試錐(旧石油公団)、橙色星印:DSDP・ODP の 位置。 ・MCS95 航海(旧海洋科学技術センター)における反射法地震探査データ 科学技術振興調整費による「日本海東縁部の地震発生ポテンシャル評価に関する総合研 究」の一環として、海洋科学技術センターの海洋調査船「かいよう」によって、1995 年 9 月 30 日~10 月 11 日の期間、酒田沖および北海道南西沖で取得したデータである(松本 ほか、1995;仲村ほか、1997)1) 2)。主なデータ取得仕様は表 1 のとおりである。 表 1 MCS95 航海(旧海洋科学技術センター)における反射法地震探査の主なデータ取 得仕様 震源部仕様 総容量 3080cu.in.(酒田沖),600cu.in. or 1540cu.in.(北海 道南西沖) 動作圧力 2000psi(14MPa)

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230 曳航深度 8m 発震点間隔 100m(酒田沖と北海道南西沖の一部),25m or 50m(北海道南西沖の一部) 受振部仕様 チャンネル数 120(酒田沖),12(北海道南西沖) 受振点間隔 25m 曳航深度 12m ケーブル長 3000m(酒田沖),300m(北海道南西沖) 記録部仕様 サンプリングレート 4ms(酒田沖),1ms(北海道南西沖) 記録長 22s(酒田沖),10s or 9s(北海道南西沖) 標準重合数 15(酒田沖),6 or 4(北海道南西沖) 上記の仕様で取得した反射法地震探査のデジタルデータ(SEG-Y データ)に関して、 Stack ,Migration の Poststack データは共にあり、F-X decon 、Bandpass filter や AGC などのS/N 比の向上および空間方向の信号のコヒーレンシーを向上させるデータ処理を実 施し、その結果をデータベースへ登録した。 ・KR07-E01 航海(独立行政法人海洋研究開発機構)における反射法地震探査データ 科学技術振興調整費「重要政策課題への機動的対応の推進」課題の「平成 19 年(2007 年)新潟県中越沖地震に関する緊急調査研究」として、独立行政法人海洋研究開発機構の 深海調査研究船「かいれい」によって、2007 年 8 月 18 日~8 月 28 日の期間、能登半島 沖~新潟県沖において取得したデータである(野ほか、2008)3)。主なデータ取得仕様は 表 2 のとおりである。 表 2 KR07-E01 航海(独立行政法人海洋研究開発機構)における反射法地震探査の主な データ取得仕様 震源部仕様 総容量 12000cu.in. 動作圧力 2000psi(14MPa) 曳航深度 10m 発震点間隔 50m 受振部仕様 チャンネル数 204 受振点間隔 25m 曳航深度 15m ケーブル長 5200m 記録部仕様 サンプリングレート 4ms

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231 記録長 13.5s 標準重合数 51

上記の仕様で取得した反射法地震探査のデジタルデータ(SEG-Y データ)に関して、 Stack ,Migration の Poststack データは共にあり、F-X decon 、Bandpass filter や AGC などのS/N 比の向上および空間方向の信号のコヒーレンシーを向上させるデータ処理を実 施し、その結果をデータベースへ登録した。 ・基礎物理探査「大和堆」(石油公団)における反射法地震探査データ 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構で取得されたデータ。石油公団(現独立 行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が昭和 60 年度国内石油・天然ガス基礎調査 基礎物理探査「大和堆」として、調査船「開洋丸」によって、1985 年 5 月 25 日~8 月 7 日の期間、大和堆・大和海盆から金沢沖・西津軽沖にかけて取得されたデータである(石 油公団、1986)4)。主なデータ取得仕様は表 3 のとおりである。 表3 基礎物理探査「大和堆」(石油公団)における反射法地震探査の主なデータ取得仕様 震源部仕様 総容量 2090 cu.in. 動作圧力 2000psi 曳航深度 8m 発震点間隔 25m 受振部仕様 チャンネル数 96 受振点間隔 25m 曳航深度 13~16m ケーブル長 2400m 記録部仕様 サンプリングレート 4ms 記録長 5s 標準重合数 48 上記の仕様で取得した反射法地震探査に関して、約半分の測線で Stack・Migration の どちらか片方または両方のデジタルデータがあるが、SEG-Y フォーマットのデータではな かったため、株式会社地球科学総合研究所へ SEG-Y 形式へのフォーマット変換を発注し た。これらのデータを用いて、Trace header edit、F-X decon 、Bandpass filter や AGC などのS/N 比の向上および空間方向の信号のコヒーレンシーを向上させるデータ処理を実 施し、その結果をデータベースへ登録した。

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232 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構で取得されたデータ。石油公団が昭和 62 年度国内石油・天然ガス基礎調査 基礎物理探査「西津軽沖~新潟沖」として、調査船「開 洋丸」によって、1987 年 5 月 21 日~7 月 14 日、10 月 4 日~11 月 10 日の期間、青森県 津軽半島沖合から富山湾にかけて取得されたデータである(石油公団、1988)5)。主なデ ータ取得仕様は表 4 のとおりである。 表 4 基礎物理探査「西津軽沖~新潟沖」(石油公団)における反射法地震探査の主なデ ータ取得仕様 震源部仕様 総容量 4244cu.in. 動作圧力 2000psi 曳航深度 8m 発震点間隔 25m 受振部仕様 チャンネル数 96 受振点間隔 25m 曳航深度 15m ケーブル長 2400m 記録部仕様 サンプリングレート 4ms 記録長 7s 標準重合数 48 上記の仕様で取得した反射法地震探査に関して、約6 割の測線でデジタルデータ(SEG-Y データ)があり、Stack・Migration のどちらか片方または両方があるが、著しく品質が悪 い(多数のトレース抜けがある等)のデータも存在する。ただし、基礎物理探査「西津軽 沖~新潟沖」は、青森沖から富山沖までの日本海東縁海域をほぼ同一のデータ取得仕様で 万遍なくカバーする非常に重要なデータである。そのため、デジタルデータが存在しない 測線やデータの品質が著しく悪い測線については、株式会社地球科学総合研究所へ紙媒体 の地震探査断面図をスキャン、イメージエディット及びベクトル化して、SEG-Y フォーマ ットのデジタルデータへ変換する作業を発注した。これらのデータを、Trace header edit、 F-X decon 、Bandpass filter 、Time migration や AGC などの S/N 比の向上および空間 方向の信号のコヒーレンシーを向上させるデータ処理を実施し、その結果をデータベース へ登録した。 ・基礎物理探査「佐渡沖南西」(石油公団)における反射法地震探査データ 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構で取得されたデータ。石油公団が平成 13 年 度 国 内 石 油 ・ 天 然 ガ ス 基 礎 調 査 基 礎 物 理 探 査 「 佐 渡 沖 南 西 」 と し て 、 調 査 船 「Geco Angler」によって、2001 年 9 月 15 日~10 月 9 日の期間、佐渡島南西沖にて取得された

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233 データである(石油公団、2003)6)。この調査では、3 次元反射法地震探査と 2 次元反射 法地震探査が実施されたが、今回は 2 次元反射法地震探査を用いた。主なデータ取得仕様 は表 5 のとおりである。 表 5 基礎物理探査「佐渡沖南西」(石油公団)における反射法地震探査の主なデータ取 得仕様 震源部仕様 総容量 2098cu.in. 動作圧力 2000psi 曳航深度 5m 発震点間隔 25m 受振部仕様 チャンネル数 240 受振点間隔 12.5m 曳航深度 6m 最大オフセット 3000m 記録部仕様 サンプリングレート 1ms 記録長 7s 標準重合数 60 上記の仕様で取得した反射法地震探査のデジタルデータ(SEG-Y データ)に関して、 Stack ,Migration の Poststack データは共にあり、Trace header edit、F-X decon 、 Bandpass filter や AGC などの S/N 比の向上および空間方向の信号のコヒーレンシーを向 上させるデータ処理を実施し、その結果をデータベースへ登録した。 ・基礎物理探査「新潟~富山浅海」および「富山沖・北陸~隠岐沖・山陰沖」(石油公団) における反射法地震探査データ 昭和 56 年度国内石油・天然ガス基礎調査 基礎物理探査「富山沖・北陸~隠岐沖・山 陰沖」や平成 2 年度~平成 4 年度国内石油・天然ガス基礎調査 基礎物理探査「新潟~富 山浅海」も本業務の対象海域のデータとして含まれるため、独立行政法人石油天然ガス・ 金属鉱物資源機構からお借りした。ただし、データ処理が完了していないため、現時点で はデータベースへの登録から外している。 反射法地震探査データ以外に、海底地形データ(財団法人日本水路協会の日本近海 30 秒グリッド水深データ、日本近海 200m 間隔等深線データ)、掘削データ(DSDP Site31 Leg299~302、ODP Leg127 Site794~797、ODP Leg128 Site798~799、石油公団国内石 油・天然ガス基礎調査 基礎試錐「西津軽沖」・「最上川沖」・「柏崎沖」・「直江津沖北」・「佐 渡南西沖」)、海洋地質図(スキャニングしてデジタル化する)を収集し、データベース化

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234 するためにデータを編集した。 データベース作成においては、「GeoFrame」を用いて実施した。「GeoFrame」は、シ ュルンベルジェ社が提供している地震探査データ・掘削データに関する総合データベース 並びに解釈ソフトウェアであり、海洋研究開発機構では伊豆小笠原海域で実施した大陸棚 調査や南海トラフでのIODP に関するプロジェクトにおける地震探査データのデータベー ス構築およびデータ解釈作業に用いている。今回収集したデータを Data loading するにあ たり、各反射法地震探査データにおける測位情報の編集作業が非常に重要であるため、測 位データの編集作業も実施した。必要な測位情報は、SP No.(あるいは CDP No.)・緯度・ 経度(あるいは UTM Easting, UTM Northing) ・座標系・UTM Zone Number である。測 位情報のデータとそれに対応する反射法地震探査データがそろい、正常に「GeoFrame」 に Data loading ができ、他の測線のデータとの Line tie が確認できた測線のみがデータ ベースへの登録完了となる。登録されたデータベースのイメージは図 2 のとおりである。 図 2 「GeoFrame」を用いて構築したデータベースの表示例。右図が反射法地震探査 測線図(Basemap)。海底地形データは JTOPO30、海岸線データは日本近海 200m 間 隔等深線データを用いている。左図が測線図から選択した(右図の赤線)反射法地震探 査データのイメージ(海洋科学技術センター MCS95 航海 測線 NT95-2)。 2) データベースを用いた反射法地震探査データ解釈作業 1)で構築したデータベースを用いて、能登半島沖から津軽半島沖までの断層・褶曲構造 などの地殻変形構造の特徴を抽出し、Seismic character の比較や Horizon flatting 等を用 いたデータ解釈を実施した。測線ほぼ直上や近辺にある ODP や基礎試錐のサイトや基礎 試錐の報告書で示されている民間の掘削データを参考に Horizon を設定し、空間的な層厚 の把握を実施した。新潟県沖~富山県沖に関しては、基礎試錐「柏崎沖」・「直江津沖北」・ 「佐渡南西沖」の結果をもとに周辺の掘削データを参考にし、山形県~秋田県沖に関して は基礎試錐「最上川沖」の結果をもとに周辺の掘削データを参考にし、秋田県沖~青森県 沖に関しては基礎試錐「西津軽沖」の結果をもとに周辺の掘削データを参考にし、より沖 のデータに関しては ODP Leg125 Site794 の結果をもとにして Horizon を設定した。具体 的な作業事例を図 3 に記す。

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図 3 データベースを用いた反射法地震探査データ解釈作業の一例。海洋科学技術セン ターMCS95 航海 測線 NT95-2 のデータとその西端に位置する ODP Leg125 Site794 の 結果(Tamaki, et al., 1990)7)との対応を確認し、その結果をもとに Horizon を設定し

た例である。

設定した Horizon のうち、多くの測線で設定することができたものの事例は図 4 のとお りである。

図 4 データベースを用いた反射法地震探査データ解釈作業の一例。海底面に関する等 時間断面図(左図)と音響基盤に関する等時間断面図(右図)。

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236 上図をもとに、主な Horizon 間の層厚を計算し、その計算結果をもととして、グリッド データを作成し、コンター図を作成した(図 5)。この図により、日本海東縁における空間 的な層厚の分布を把握した。 図 5 データベースを用いた反射法地震探査データ解釈作業における層厚コンター図 (海底面-音響基盤)の一例と日本海東縁での地震活動との比較(気象庁のデータ(気 象庁、2008)8):1923 年~2007 年)。 上図より新潟県沖や秋田県沖において、音響基盤が深く、堆積層の層厚が厚いことがわ かる。新潟県沖において、堆積層の層厚が厚い部分においては、気象庁の震源データで比 較すると相対的に地震活動の活動度が高い領域に位置するが、秋田県沖に関してはここ約 70 年間の地震活動は相対的に活動度が低い領域である。しかし、秋田県沖の基礎物理探査 「西津軽-新潟沖」測線 N87-9 の結果をみると、堆積層中の非常に明瞭な逆断層・褶曲構 造の発達が確認できる(図6)。測線の西側では、Okamura, et al.(1995)9)などで議論され ている反転テクトニクスによるものと思われる背斜と逆断層の形成が確認できる。それに 対して、東端の厚い堆積盆においては逆断層の発達による変形構造が確認できるが、すべ ての断層が反転テクトニクスによるものかは不明である。なお、堆積層の層厚が厚く、現 在地震活動度が高い新潟県沖の反射法地震探査の結果をみると、断層・褶曲構造の発達が 非常に顕著に確認できる(図 7)。

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237 図6 秋田県沖における反射法地震探査データの一例(石油公団基礎物理探査「西津軽 -新潟沖」)。青線が断層、緑線が音響基盤 Horizon、赤線が船川層上限 Horizon(推定)。 測線近辺の地震活動度は、日本海東縁の中では相対的に低い領域であるが、測線の西端 では、西傾斜の明瞭な逆断層が確認でき、西端の海盆には厚い堆積物が確認でき、断層・ 褶曲構造の発達も確認できる。 図7 能登半島沖~新潟県沖における反射法地震探査データの一例(海洋研究開発機構 KR07-E01 航海 測線 S-2)。青線が断層、緑線が音響基盤 Horizon、赤線が寺泊層上限 Horizon(推定)。測線近辺の地震活動度は、日本海東縁の中では相対的に高い領域であ り、特に測線中央部の褶曲構造(上越海丘)から西側では、東傾斜の断層・褶曲構造の発 達も非常に顕著である。

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238 また、日本海東縁において、大きな被害を及ぼした 1983 年日本海中部地震や 1964 年新 潟地震の余震域付近で取得した反射法地震探査データを図 8 と図 9 に示す。1983 年日本 海中部地震余震域付近である図 8 については、堆積層が比較的薄いこともあり、堆積層中 の断層や褶曲構造および基盤構造が明瞭に確認できるが、基盤下の地殻内には明瞭な反射 面が確認されない。また、1964 年新潟地震余震域付近である図 9 においては、厚い堆積 層がイメージングされているが、堆積構造および基盤構造が不明瞭である。図 8 や図 9 に おいて、深部構造のイメージングが明瞭でない原因の1つとして、データ取得仕様上の限 界も考えられる。地震発生は基盤下の地殻内の断層が作用しているケースがほとんどであ ると考えられるため、堆積構造のみならず、基盤構造や基盤下の地殻内のイメージングは 地震発生と地殻構造の関係を探る上でも重要であると考えられる。 図 8 1983 年日本海中部地震余震域付近における反射法地震探査データの一例(海洋 科学技術センターMCS95 航海 測線 NT95-2)。青線が断層、緑線が音響基盤 Horizon。 余震域付近には、東傾斜と思われる断層が作用して形成された堆積構造および基盤構造 が確認できるが、基盤下の地殻内には明瞭な反射面は確認できない。

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239 図 9 1964 年新潟地震余震域付近における反射法地震探査データの一例(石油公団基 礎物理探査「西津軽-新潟沖」)。青線が断層、緑線が音響基盤Horizon。余震域付近に は、断層や褶曲構造の発達は確認できるが、全体的に堆積構造および基盤構造が不明瞭 であり、基盤下の地殻内にも明瞭な反射面は確認できない。 例えば、図 10 は 2007 年新潟県中越沖地震後に取得した反射法地震探査データと余震分 布との比較の結果であるが、地震が発生しているのは音響基盤より下部であり、音響基盤 の上位にある堆積構造を高精度にイメージングすることはもちろんのこと、音響基盤やそ れより下位のイメージングや速度構造の把握が、地震発生と地殻構造の関係を探る上で重 要であることがわかってきている。 図10 2007 年新潟県中越沖地震近傍における反射法地震探査データ(深度断面)と海 陸統合観測による余震分布(Shinohara, et al., 2008)10)との比較。ほとんどの余震が

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240 基盤下に決まっており、基盤の反射面の振幅が相対的に弱くなって来ている部分と震源 分布が対応している可能性が示唆される。 さらに、2007 年新潟県中越沖地震後に「かいれい」が取得した反射法地震探査データは、 日本海東縁全体を覆っている反射法地震探査データである基礎物理探査「西津軽-新潟沖」 のデータや 2003 年に海外の物理探査船によって実施された基礎物理探査「佐渡沖南西」 のデータの比較も可能である(図 11)。この比較の結果、基礎物理探査「西津軽-新潟沖」 のデータは、日本海東縁全体を同じデータ取得仕様で探査しているため、概略的な堆積構 造を把握するに適しているが、震源波形の透過性や周波数帯、受振ケーブルの長さや受振 点間隔の影響により、詳細な堆積構造や基盤構造を把握することができない。基礎物理探 査「佐渡沖南西」のデータは、非常に高精度な反射法地震探査が実施されているため、100Hz くらいまでの非常に詳細な堆積構造を把握することができ、基盤構造を明瞭である。震源 波形の透過性や受振ケーブルの長さの問題をより改善させることによりにより、音響基盤 より下位の構造をイメージングさせることができる可能性が期待できる。2007 年に実施し た「かいれい」による反射法地震探査の結果では、音響基盤付近まで明瞭にイメージング されているが、Tuned array のエアガンシステムではないため、堆積層中のイメージング に関してはよくない。 図 11 新潟県沖(上越海丘付近)における異なるデータ取得仕様による反射法地震探 査データの比較。左図が海洋研究開発機構 KR07-E01 航海 測線 S-2、中央図が石油公 団基礎物理探査「西津軽-新潟沖」、右図が石油公団基礎物理探査「佐渡沖南西」の反 射法地震探査データ。

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241 平成 21 年度以降に用いる深海調査研究船「かいれい」のマルチチャンネル反射法地 震探査システムは、平成 20 年にエアガンシステムおよびストリーマーケーブルを中心 に改良を実施した。新「かいれい」のマルチチャンネル反射法地震探査システムを用 いた平成 20 年度の反射法地震探査においては、平成 19 年度まで使用していた旧「か いれい」マルチチャンネル反射法地震探査反射法地震探査システムより高精度化され たことが確認されている(海洋研究開発機構、2008)11)(図12)。 図 12 海洋研究開発機構深海調査研究船「かいれい」における現在のマルチチャンネ ル反射法地震探査システムの概要。2008 年にシステムをバージョンアップした。 (c) 結論ならびに今後の課題 ・能登半島沖から津軽半島沖までの地殻変形構造の特徴を抽出するために、既存反射法地 震探査データを収集し、再処理して、ソフトウェア(GeoFrame)を用いてデータベース 化した。 ・堆積構造から推定される構造発達と断層・褶曲の形成について検討するために、褶曲構 造・断層分布の把握や掘削データから代表的なhorizon を解釈し、変形構造の特徴の概略 を把握した。 ・平成21 年度は、能登半島沖~新潟県沖の MCS・OBS による地殻構造探査を実施し、よ り高精度なイメージングを行い、ひずみ集中帯における変形構造の研究を進捗させる。 (d) 引用文献 1) 松本剛,笠原敬司,平田賢治,一北岳夫,フィリップ・ジャービス,西澤あずさ,倉 本真一,仲村明子,伊藤弘志,二宮悟,伊藤敦夫,青木美澄,片山鍵,内田真人,仁平孝 夫,池田十四生,石川浩司,浦木重伸,木村大輔,澤田次郎,寺山文男,村田義彦,小林 和男,堀田宏,木下肇:プレート収束域における海底下深部構造-MCS95 調査航海成果速 報,JAMSTEC 深海研究,12,pp.45-64,1995.

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242 2) 仲 村 明 子 , 倉 本 真 一 , 松 本 剛 , 木 村 政 昭 : 日 本 海 盆 の 音 響 的 堆 積 構 造 と 地 質 構 造 , JAMSTEC 深海研究,13,pp. 615-658,1997. 3) 野徹雄、高橋成実、小平秀一、尾鼻浩一郎、瀧澤薫、金田義行:反射法地震探査デー タから見る新潟県中越沖における変形構造,日本地球惑星科学連合大会,T229-P002,2008. 4) 石油公団:昭和60 年度国内石油天然ガス基礎調査基礎物理探査「大和堆」調査報告書, 46p,1986. 5) 石油公団:昭和62 年度国内石油天然ガス基礎調査海上基礎物理探査「西津軽~新潟沖」 調査報告書,44p,1988. 6) 石油公団:平成13 年度国内石油・天然ガス基礎調査基礎物理探査「佐渡沖南西」調査 報告書,48p,2003.

7) Tamaki, K., Pisciotto, K., Allan, J., et al.: Proc. ODP, Init. Repts., 127: College, 844p, 1990.

8) 気象庁:地震年報DVD-ROM 版,19,2008.

9) Okamura, Y., M. Watanabe, R. Morijiri, and M. Satoh : Rifting and basin inversion in the eastern margin of the Japan Sea, The Island Arc, 4, 166-181, 1995.

10)Shinohara, M., Kanazawa, T., Yamada, T., Nakahigashi, K., Sakai, S., Hino, R., Murai, Y., Yamazaki, A., Obana, K., Ito, Y., Iwakiri, K., Miura, R., Machida, Y., Mochizuki, K., Uehira, K., Tahara, M., Kuwano, A., Amamiya, S., Kodaira, S., Takanami, T., Kaneda, Y., and Iwasaki, T. : Precise aftershock distribution of the 2007 Chuetsu-oki Earthquake obtained by using an ocean bottom seismometer network, Earth, Planets and Space, Volume 60, pp. 1121-1126, 2008.

11)海洋研究開発機構:海底下の未知の構造を探る 新しい構造探査システムを開発,Blue Earth,93,pp.28-29,2008. (e) 学会等発表実績 学会等における口頭・ポスター発表 発表成果(発表題 目、口頭・ポスタ ー発表の別) 発表者氏名 発表場所 (学会等名) 発表時期 国際・国 内の別 2007 年新潟県中 越沖地震震源域 付近における反 射法地震探査 野徹雄, 高橋成実, 三浦誠 一, 小平秀一, 金田義行, 酒 井俊朗, 武田智吉, 本田道 紀, 土山滋郎, 川中卓, 河合 展夫, 川崎慎治 2008 年日本地 震学会秋季大会 2008 年 11 月 24 日 国内 巨 大 地 震 発 生 に 関 わ る 構 造 要 因 と 地 震 発 生 サ イ クルモデル 金田義行, 小平秀一, 藤江 剛, 尾鼻浩一郎, 仲西理子, 堀高峰, 光井能麻, 野徹雄, 高橋成実 平成20 年度地 震・火山噴火予 知研究成果報告 シンポジウム 2009 年 3 月3 日 国内 2007 年新潟県 野 徹雄, 高橋 成実, 三浦 Blue Earth '09 2009 年 3 国内

(18)

243 中越沖地震震源 域における反射 法地震探査 誠一, 小平 秀一, 金田 義 行, 酒井 俊朗, 武田 智吉, 本田 道紀, 土山 滋郎, 川中 卓, 河合 展夫, 川崎 慎治 月12 日 学会誌・雑誌等における論文掲載 なし マスコミ等における報道・掲載 なし (f) 特許出願、ソフトウェア開発、仕様・標準等の策定 1) 特許出願 なし 2) ソフトウェア開発 なし 3) 仕様・標準等の策定 なし (3) 平成21年度業務計画案 平成 21 年度は、7 月~8 月に能登半島沖から佐渡沖の海域で深海調査研究船「かいれい」 による計 12 測線で反射法地震探査を行い、そのうちの 1 測線では東京大学地震研究所が 実施する会津-佐渡沖測線から延長する形で海陸統合測線として実施し、8 月に海洋調査船 「かいよう」によって海底地震計 30 台を 5km 間隔で設置し屈折法地震探査データの取得 も行う(図 13)。 平成 20 年度に高精度化された「かいれい」のマルチチャンネル反射法地震探査のデー タと「かいよう」で実施する海底地震計による屈折法地震探査データを用いて、データ処 理・解析作業を実施し、能登半島沖から佐渡沖の海域における反射法イメージングと速度 構造を把握する。それらのデータを用いて、大和海盆から日本海東縁ひずみ集中帯にかけ ての地殻構造・断層のイメージングについての検討を実施し、変形構造の発達に関する研 究を実施する。

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図 13 左図:海洋研究開発機構が平成 21 年度~平成 24 年度までに実施する予定の測 線図。右図:平成 21 年度に実施予定の地震探査測線図。黒線が反射法地震探査測線、 赤丸が海底地震計の設置予定点、黒太線が東京大学地震研究所と共同で実施する海陸統 合探査測線。

図 4  データベースを用いた反射法地震探査データ解釈作業の一例。海底面に関する等 時間断面図(左図)と音響基盤に関する等時間断面図(右図)。
図 13  左図:海洋研究開発機構が平成 21 年度~平成 24 年度までに実施する予定の測 線図。右図:平成 21 年度に実施予定の地震探査測線図。黒線が反射法地震探査測線、 赤丸が海底地震計の設置予定点、黒太線が東京大学地震研究所と共同で実施する海陸統 合探査測線。

参照

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