ごあいさつ
日本デジタルゲーム学会は、2017 年 9 月 2 日(土)に第 6 回となる夏季研究発表大会を開催
いたします。
本研究発表大会では「デジタルゲーム研究の深化」を共通テーマとして、1 セッションあ
たりの時間をこれまでよりも十分にとり、研究と議論が深まる場を目指します。また、新
たに、PV(Promotion Video)セッションを設け、3 分程度の映像で、研究や作品の発表・紹
介などを行っていただけます。デジタルゲーム研究や開発、ビジネスなどに携わるさまざ
まな方々に参加いただき、交流も深まる場を目指します。
皆様の参加をお待ちしております。
日本デジタルゲーム学会 2017 年 夏季研究発表大会 実行委員会
テーマ:
デジタルゲーム研究の深化
開催日:
2017 年 9 月 2 日(土)
会 場 :
専修大学 生田キャンパス 10 号館 1 階
002小田急線・向ヶ丘遊園駅北口バスロータリー1 番乗り場または 2 番乗り場から乗車約 5 分
「専修大学
120 年記念館前」下車徒歩約 3 分
小田急バス「向ヶ丘遊園駅」→「専修大学
120 年記念館前」
1 番乗り場[向 11][向 12]
2 番乗り場[向 10]
9 時
5 15 25 34 43 53
10 30 50
10 時
3 13 23 33 32 53
20 50
11 時
3 13 23 33 43 54
20 50
12 時
3 12 23 34 44 54
20 50
13 時
3 13 23 33 42 52
20 50
14 時
2 17 25 32 40 47 55
20 50
15 時
2 17 25 32 40 47 55
20 50
16 時
2 10 17 30 42 54
10 30 50
17 時
6 18 30 42 54
10 30 50
小田急バス「専修大学
120 年記念館前」→「向ヶ丘遊園駅」
17 時
00 09 13 24 33 38 50 53
18 時
02 13 15 25 33 38 50 53
19 時
02 13 15 26 33 38 50
20 時
02 03 14 20 26 33 38 53
004日本デジタルゲーム学会
日本デジタルゲーム学会
2017年 夏季研究発表大会プログラム
2017年9月2日(土) 専修大学 専修大学 生田キャンパス 時間 セッション テーマ(座長) 会場 タイトル 発表者 所属 ページ 9:30-15:40 受付 10号館1F 10:00-10:10 オープニング 10102 開会挨拶 会場案内 遠藤雅伸 藤原正仁 研究委員長 大会委員長 VR用ヘッドセット埋め込み型生体計測を目指した 前額脈波計測によるゲーム中の心拍変動計測 および自律神経指標推定の試み 大塚誠也 黒﨑奏澪 小川充洋 帝京大学理工学部情報電子工学科 帝京大学大学院理工学研究科 帝京大学理工学部情報電子工学科 7 プレイヤーの気合を意識したコントローラの制作 原寛徳 木下悠 東京工芸大学 東京工芸大学 11 動的難易度調整の観光産業への応用の可能性 山本訓弘 一般社団法人吉野ビジターズビューロー 15 大学生のゲームプログラミング学習に関する意識 調査から見える課題とその解決 宮西和機 北海道情報大学情報メディア学部情報メディア学科 19 ゲームのように大学講義を設計する事例研究 中田豊久 新潟国際情報大学 23 教育向けプログラミングの調査 川村景吾 フリーランス 27 ゲームエンジンによる、コンピュータに支援 された協働の体験 長久勝 後藤誠 小野憲史 IGDA日本 IGDA日本 IGDA日本 73 プレイヤーがゲームキャラクターを不快に感じる 要素に関する研究 今史明 遠藤雅伸 東京工芸大学芸術学部ゲーム学科 東京工芸大学芸術学部ゲーム学科 77 大学生のゲームプログラミング学習に関する意識 調査から見える課題とその解決 宮西和機 北海道情報大学情報メディア学部情報メディア学科 19 ゲームアーケードの魅力となる要素に関する研究 貴俵啓介 遠藤雅伸 東京工芸大学芸術学部ゲーム学科 東京工芸大学芸術学部ゲーム学科 80 協調性向上を目的としたシリアスゲーム "Line Hitter"の開発と評価 鈴木雄次郎 粟飯原萌 古市昌一 日本大学 日本大学 日本大学 51 ゲームのプレイの魅力となる効果的な要素に 関する研究 高橋尚人 遠藤雅伸 東京工芸大学 東京工芸大学 83 VRを用いた新しい恐怖映像表現の試作と検証 趙博新 岸本好弘 三上浩司 近藤邦雄 東京工科大学大学院バイオ・メディア研究科メディアサイエンス専攻 東京工科大学メディア学部 東京工科大学メディア学部 東京工科大学メディア学部 86 プレイヤーの気合を意識したコントローラの制作 原寛徳 木下悠 東京工芸大学 東京工芸大学 11 ゲームにおいて「戦略性」を感じる要素に関する 研究 金野誠 遠藤雅伸 東京工芸大学芸術学部ゲーム学科 東京工芸大学芸術学部ゲーム学科 89 Webサービスを通したユーザーコメントが ゲーム操作に影響を与えるゲームの可能性と課題 森川悟 宮西和機 斎藤一 広奥暢 前田真人 北海道情報大学情報メディア学部情報メディア学科 北海道情報大学情報メディア学部情報メディア学科 北海道情報大学情報メディア学部情報メディア学科 北海道情報大学情報メディア学部情報メディア学科 電子開発学園メディア教育センター 91 12:10-13:00 昼食休憩 10103 13:00-13:10 記念撮影 10102 13:10-14:00 セッションセッション3 企画セッション 10102 生体計測とデジタルゲーム 小川充洋 帝京大学理工学部情報電子工学科 31 高品質ノベルゲーム開発基盤の提案 長久勝 国立情報学研究所 35 ゲームデザインを改善 ゲームデザインを改善/批評するための 時間構造モデル「ワンダールクス」 岩本岩本 翔 「ゲームデザインの魔導書」編集部 39 不確定版量子三目並べの提案とプレイシステム 開発 冨岡佑成 作田 作田 誠 福岡工業大学大学院工学研究科 福岡工業大学情報工学部 43 シリアスゲーム型教材構築法 シリアスゲーム型教材構築法SGLMのノベルゲー ム開発への適用と評価 粟飯原萌 小林篤史 古市昌一 日本大学大学院生産工学研究科 日本大学大学院生産工学研究科 日本大学生産工学部 47 協調性向上を目的としたシリアスゲーム "Line Hitter"の開発と評価 鈴木雄次郎 粟飯原萌 古市昌一 日本大学 日本大学 日本大学 51 ナラティブ的思考の一解釈に注目した トレーディングカードゲーム要素を用いて ゲーミファイするプログラミング支援の試み 黒﨑奏澪 大塚誠也 小川充洋 帝京大学理工学部情報電子工学科 帝京大学大学院理工学研究科 帝京大学理工学部情報電子工学科 55 音響メディアとしてのデジタルゲーム 尾鼻崇 中部大学 59 乙女ゲームにおける「オトメ」とは何か 小出治都子 尾鼻崇 大阪樟蔭女子大学 中部大学 62 欧米におけるゲーム海賊行為 NARANJO BEJARANO CARLOSGIL GIRON ANDRES
京都コンピュータ学院 京都コンピュータ学院 65 コラボ企画における日本型ゲームの特徴 高橋一友 ムン・ドゥタク 京都大学大学院人間・環境学研究科 京都大学大学院人間・環境学研究科 69 16:50-17:00 クロージング 10102 学生大会奨励賞表彰 閉会挨拶 一小路武安 藤原正仁 プログラム委員長 大会委員長 17:30-19:30 懇親会 ( (PVセッション含) 9号館5F CABIN 15:40-16:40 セッション セッション6 セッション セッション7 10102 10101 10:10-11:30 セッション セッション1 セッション セッション2 セッション セッション4 セッション セッション5 14:10-15:30 11:40-12:10 インタラクティブ セッション 10101 10102 ゲームへの歴史的 アプローチ (七邊信重) ゲームと社会 (小山友介) 10102 10101 ゼミ ゼミ101C ゼミ ゼミ101D ゼミ ゼミ101E ゼミ ゼミ101B ゲームリアリティ (三宅陽一郎) ゲーム教育 (古市昌一) ゲームデザイン (遠藤雅伸) シリアスゲーム (藤本徹) ゼミ ゼミ101A 005
口頭発表
日本デジタルゲーム学会 2017 年 夏季研究発表大会 予稿集 Digital Games Research Association JAPAN Proceedings of 2017 Summer Conference
VR 用ヘッドセット埋め込み型生体計測を目指した前額脈波計測による
ゲーム中の心拍変動計測および自律神経指標推定の試み
-(サブタイトル)-
大塚 誠也
ⅰ黒﨑 奏澪
ⅱ小川 充洋
ⅰ ⅰ帝京大学大学院理工学研究科 〒320-8551 栃木県宇都宮市豊郷台 1-1 ⅱ帝京大学理工学部 〒320-8551 栃木県宇都宮市豊郷台 1-1 E-mail: [email protected] 概要 われわれは、ゲームプレイ中の生体計測により、ストレスなどに関連する生体情報を取得し、その解釈を 行うことによって、「ゲームの面白さ」といったものを客観的に判断する指標を得ることを目標に研究を進めてい る。また、その試みの一環として、VR 用ヘッドセット埋め込み型生体計測を目指して前額からの脈波計測を試み ている。今回は、前額脈波計測によるゲーム中の心拍変動計測および自律神経指標推定を行ったので報告する。キーワード 非侵襲生体計測,緑色光電脈波,自律神経指標,Heart Rate Variability,VR 用ヘッドセット,ゲー ムデバイス
1. 背景と目的
本研究では、デジタルゲームの面白さについて評価 し、あるいはその評価によってゲームの設計を支援す ることを目的とし、デジタルゲームプレイ中の生体計 測、計測された生体情報・生体信号の処理と解釈に関 する研究を行う。これまでの研究過程において、従来 開発された既存の生体計測装置のみならず、ゲームを プレイするときに必須のゲームデバイスと親和性の高 い生体計測法を用いて計測することが重要であるとの 知見に至った。本研究では、このような装置の開発の 一例として、VR 用のヘッドマウントディスプレイ装置 に埋設する心拍センサを開発する。また、計測した生 体情報・生体信号から、心拍変動の時間周波数解析を 行い、自律神経指標を得、その解釈を行うことを目標 とする。2. 方法
2.1 ゲーム中の生体計測を実現するシステム VR ゲームをプレイする際には、必然的に VR 用ヘッ ドマウント型ディスプレイを装着することになる。そ のため、ヘッドマウント装置に生体計測装置を埋設で きれば、必ず生体情報を得ることができる。本研究で は光によって脈動を計測する光電脈波計測装置を、ヘ ッドマウント装置への接合を可能とするように設計を 行った。 2.1.1 計測装置 本研究では、額部からの光電脈波計測を行った。光 電脈波(Photoplethysmography、PPG) には、生体透過型 の計測と反射型の計測があるが、センサを一つだけ設 置すればよい反射型計測を採用した。センサの発光部 には表面実装型緑色LED を、受光部には表面実装型フ ォトトランジスタを用い、フォトトランジスタからの 信号を、標準的な増幅器とフィルタから成るアンプ部 [1] によって増幅後、A/D 変換を行ってデジタル化した。 計測プローブ及び装置については、本学会にて既に報 告を行っている [2]。 2.1.2 計測実験 計測用プローブは、額部に接触させ、計測のために ヘッドバンドを用い、ヘッドバンド下にプローブを保 持した。プローブを用いて、額部から光電脈波の導出 が可能であることは検証済みである [2]。今回は、ゲー ム中の計測が良好に行えるかどうかを確認するために、 PlayStation4 版の Minecraft (1) のプレイ中の計測を行っ た。被験者は健常成人男子 1 名であった。実験は、いわゆるリアルタイムアタック (Real Time Attack; RTA) を参考にしたタスク中の計測を行った。また、実験中 のプレイ動画をキャプチャして保存した。
今回のリアルタイムアタックには、以下の条件を設 定した。 A) ゲームモードはサバイバルモード、難易度はハ ード B) プレイ中の最大計測時間は 20 分 C) プレイ前後に被験者は安静状態をとる D) ダイヤを採掘し、チェストにダイヤを入れるま での時間を計測する E) 採掘時は、後のゲーム画面の検証を容易とする ため、松明などの光源を設置・確保する F) 事故によってキャラクターが死亡する可能性の ある採掘法は避ける また今回は、Minecraft のゲーム操作に関するストレ スの評価を検討することを目的としないため、計測実 験の前に上記条件でのリアルタイムアタックを複数回 行い、リアルタイムアタックに慣れてから生体計測実 験を行うものとした。
2.2 Heart Rate Variability と自律神経指標
脈波から、心拍数や不整脈のほかに、交感神経と副交 神経のバランス(自律神経指標)を得ることができる [3]。交感神経は緊張しているときに働き、副交感神経 はリラックスしているときに働く神経である。 2.1.2 解析方法 計測した光電脈波から毎心拍の間隔を計測し、その 揺らぎの低周波数 (Low Frequency、LF) 成分と高周波 数 (High Frequency、HF) 成分を求める。HF 成分は 0.15 ~0.40Hz の、LF 成分は 0.04~0.15Hz のパワースペクト ル成分の総和として算出される。 LF 成分は交感神経の優位時と、副交感神経の優位時に 心拍変動に現れ、HF 成分は副交感神経の優位時にのみ 心拍変動に現れる。交感神経が優位でも副交感神経が 優位でも、LF 成分が現れるため、LF と HF の比をとっ たLF/HF がストレス指標として用いられている[3]。こ の数値が高いと交感神経優位、低い場合は副交感神経 優位を示す。 MATLAB (MathWorks) を用いて心拍変動の周波数成 分解析を行った。まず、元データをLF 成分抽出時は 100 秒、HF 成分抽出時は 26.8 秒ごとのデータに区切った後、 ノイズを除去するために移動平均フィルタをかける。 図1. ゲームプレイ中の心拍時系列の一例. 右図は左図の拡大. 赤破線はノイズが認められた時間を示す. この 例では、計測中の全1564 拍のうち、5 拍程度のノイズを認めた. 008
次に、内挿処理を用いて補間し等間隔時系列に変換後、 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)を行い、 区間ごとのLF 成分と HF 成分を抽出し、各合計値を求 める。その後、代表時間を中央値とし、内挿処理を用 いてLF と HF の各合計値を補間する。そして、HF 合 計値のデータを LF 合計値と同じデータの長さにし、 LF/HF を求める。
3. 結果と考察
生体計測を行わない通常の状態においてリアルタイ ムアタックを行った場合、多くの場合20 分以内でダイ ヤモンド鉱石を発見・取得することができた。本ルー ルにおけるリアルタイムアタックについて、経験を積 んだと判断された後に、生体計測実験を行った。 ゲームプレイ中の生体計測は問題なく遂行すること ができた。生体計測は、ゲームプレイを阻害すること なく行うことが可能であり、リアルタイムアタック実 験においても、プレイ開始20 分以内にダイヤモンド鉱 石を発見・取得できた。ゲームプレイ中の脈波から得 た心拍時系列の一例を図1 に示す。図 1 は、約 20 分間 の計測であるが、プレイ前後に安静をとったため、プ レイ時間は10 分程度である。図 1 の例においては、プ レイ前後の安静期間中を含めて、99.5%以上の脈拍を計 測することが可能であった。 また、図1 に示した心拍時系列から算出した LF, HF およびLF/HF を図 2 に示す。図 2 においては、図 1 で 観られた心拍計測ノイズ部に同期したアーチファクト が観られたが、HF 成分については、ゲームプレイ前の 安静からゲームプレイ開始後にかけて、漸減傾向を得 た。これは、安静状態からゲームプレイ中にかけて、 副交感神経が抑制されたことを示唆するものと考えら れた。今後、被験者と実験数を増やして、自律神経に 関するパラメータとゲームプレイの関係を解析する予 定である。また、そのために、ノイズのさらなる低減 が必要であり、今後、異常データの除去や修正を検討 する。 また、今回の実験では、VR ディスプレイを用いたゲ ームプレイ中の計測を行っていない。今後、実際にVR ディスプレイを用いたゲーム中の計測を行う予定であ る。本実験と比較対照するために、VR 版の Minecraft (2, 3)で実験を行うことを構想している。本実験での計測は 良好であり、VR 版 Minecraft での計測に問題が生ずる ようであれば、Minecraft というゲームに起因するもの でなく、VR 用ディスプレイ装着に起因する可能性が高 図2. ゲームプレイ中の心拍時系列の時間周波数解析の一例. 図 1 の脈波時系列の解析の結果である。心拍計 測のノイズと関係するアーチファクトが観られるが、HF においては、ゲームプレイ前の安静からゲー ムプレイ開始後にかけて、漸減傾向(図中矢印)を得た。 009いものと考えられる。
4. 結言
ゲームデバイスと親和性の高い生体計測法の開発を 試み、その例として、VR 用のヘッドマウントディスプ レイ装置に埋設可能な心拍センサを開発した。心拍セ ンサによって計測する前額から脈波を安定して計測可 能かどうかを検証し、少なくとも20 分程度の計測が可 能であることを示す結果を得た。また、計測した生体 情報・生体信号から、脈派間隔の時間周波数解析を行 い、自律神経指標の取得を試みた。 謝 辞 本稿で述べられた研究結果および議論の一部は、JSPS 科研費 15H02798 の助成を受けたものです。 文 献[1] J. G. Webster and J. W. Clark (2010) Medical
Instrumentation: Application and Design. Wiley, pp.
372–374. [2] 大塚誠也, 黒﨑奏澪, 小川充洋 (2017). ゲームデ バイスと親和性の高い生体計測の試み, 日本デジ タルゲーム学会 2016 年度年次大会予稿集 138- 141. [3] 日本自律神経学会編 (2015) 自律神経機能検査・第 5 版. 文光堂, 2015. ゲーム
(1) 『Minecraft: PlayStation 4 Edition 』, Mojang , 4J Studios, 2014
(2) 『Minecraft: Windows 10 Edition』,Microsoft,2015 (3) 『Minecraft Gear VR』Mojang,2016
Attempt of heart rate variability analysis by using gaming VR headset
embedded photoplethysmography.
-(Subtitle)-
Seiya OHTSUKA
ⅰKanami KUROSAKI
ⅱand Mitsuhiro OGAWA, Ph.D.
ⅱⅰGraduate School of Science and Engineering, Teikyo University 1-1 Toyosato-Dai, Utusnomiya, 320-8551 Japan ⅱFaculty of Science and Engineering, Teikyo University 1-1 Toyosato-Dai, Utusnomiya, 320-8551 Japan
E-mail: [email protected]
Abstract For achieving photoplethysmography (PPG)—arterial pulse measurement using light to derive the heart
rate— during VR gaming, we have currently developed PPG sensor system embedded in VR headset. As a preliminary attempt, PPG measurement from forehead during gaming was studied. A healthy male subject played a game; Minecraft and tried to find diamond ore in the Minecraft world as soon as possible. As result, heart rate during gaming could be measured in stable, then, over 99.5% pulse could also be obtained. From the heartrate, heart rate variability was analyzed and autonomic index was tried to estimate by using time-frequency analysis.
Keywords Non-invasive Physiological Measurement, Green PPG, Autonomic Index, Heart Rate Variability, VR Headset,
Game Device
日本デジタルゲーム学会 2017 年 夏季研究発表大会 予稿集 Digital Games Research Association JAPAN Proceedings of 2017 Summer Conference
プレイヤーの気合を意識したコントローラの制作
原 寛徳
ⅰ木下 悠
ⅱⅰ、ⅱ東京工芸大学芸術学部 〒164-8678 東京都中野区本町 2-9-5
E-mail: ⅰ[email protected], ii [email protected]
概要 プレイヤーの気合を反映することを目指したコントローラと、そのコントローラで操作するゲームを制作 した。気合が入ると動きの勢いが良くなるという前提のもと、加速度の変化から気合の有無を判断する。ゲームは フィールド上を移動して多数の敵を撃破し、クリアするまでの時間を競うもので、Unity を用いて制作した。コン トローラには加速度センサーが搭載されており、プレイヤーが気合を入れた動きをすると、必殺技を出すことがで きる。実際にゲームをプレイする場を用意したところ、プレイヤーが操作の際に気合を入れていると感じることも あったが、一方でプレイヤーがセンサーの反応具合を理解した後は、楽にプレイしている場面も見られた。 キーワード コントローラ、センサー、加速度、気合
1. 制作の経緯
ゲームの入力に用いられるコントローラは、一般的 なボタンを用いたものの他に、ボリュームのような特 定の操作に特化したもの、ハンドル型やレバー型とい った現実と操作方法を合わせたものなど、様々なもの が存在する。近年では、加速度センサーに代表される 各種センサーからの信号を入力とするものや、カメラ からの映像と画像処理を用い、人間の動きを入力する ものも珍しくなくなった。 我々は「気合」でゲームのキャラクターがコントロ ールできたら面白いと考えた。気合とは、広辞苑[1]によ ると、「精神を集中して事に当る気勢または掛け声」と され、あるいは大辞林[2]では「あることに精神を集中し てかかるときの気持ちの勢い。また、それを表すかけ 声」となっている。いずれにしても精神を集中すると いう要素が記述されている。 一方で、プレイヤーの実際の精神状態とは別に、周 囲の人が見てプレイヤーの気合を感じることがある。 おそらく表情や動作、場の雰囲気が感じさせると考え られる。この中で動作に注目すると、気合が入ってい るときの動作には、勢いがあることが予想され、加速 度であれば既存のセンサーで取得できる。 そこで我々は、一般的なセンサーでプレイヤーの気 合を感じ取ることができるのではと考えた。勢い良く 動かしたことの認識のみでプレイヤーの気合とリンク できるのか、コントローラとゲームを制作して考えて みたいと思ったのが今回の制作のきっかけである。 コントローラとゲームの内容は大きく関係する。本 稿ではロボットを操縦し、多数の敵を撃破するゲーム にした。多くの男児があこがれを抱く、ロボットを操 縦してヒーローになったような感覚が、自然と気合が 入る状況につながるのではと考えた。2. 制作したコントローラ
2.1 コントローラ全体 制作したコントローラを図 1 に示す。右手用と左手 用に分かれており、役割が異なる。右手用には引き金 がある。大きさに違いはなく、およそ幅15cm、高さ 20cm、 奥行き5.5cm である。重量は電池も含めて右手用が 320g、 左手用が300g である。右手用の方が、センサーと引き 金の機構の分だけ重い。外見は、見ただけで操作方法 が伝わりやすいことと、ロボットを操縦している感覚 になることを意識している。 図 1 作成したコントローラ 011外装は3D プリンタで作られており、材料は PLA 樹 脂である。グリップ部分は木製で、角材の周囲にテニ スラケット用のグリップテープを巻いてある。 2.2 コントローラの内部 右手用コントローラの内部の構造を図2 に示す。左手 用は右手用から引き金と加速度センサーを取り除いた 構造になっている。 アナログスティックは右手用と左手用の両方に搭載 されている。スティックは親指で操作する位置にある。 右手用にはアナログスティックの他に、加速度セン サーと引き金が搭載されている。 引き金を引くと、図 3 のように引き金と連動する板 がフォトインタラプタの間に入り込み、光を遮ること で引き金を引いたことが認識できる。非接触型の機構 のため、引き心地はスプリングで自由に変えられる。 加速度センサーには 3 軸の加速度を取得できるモジ ュールを用いた。MEMS 技術によって小型化された半 導体が搭載されており、各軸最大で±6G までの加速度 を電圧として取り出すことができる。 コントローラは XBee モジュールを用いた無線通信 を行う。XBee モジュールは右手用、左手用の他に PC とUSB で接続された 1 台があり、PC と通信できる。 右手用と左手用の両方のコントローラにマイコンボ ードArduino Pro Mini が搭載されており、各デバイスは マイコンボードに接続されている。 電源は単4 電池 2 本で動作する。昇圧型の DCDC コ ンバータを介して3.3V に変換し、各デバイスに電源を 供給する。 重量のある電池部分は、持ちやすさと置いたときの 安定性から、図 4 のように底面に配置した。蓋はスラ イドさせながら本体にはめ、磁石で固定される。
3. ゲーム
3.1 ゲーム概要 ゲームは自機であるロボットを操作し、空間に配置 されている多数の敵を撃破するもので、Unity で開発し た。ゲーム画面を図 5 に示す。中央手前に表示されて いる球体がロボットであり、奥に見えるその他の球体 が敵である。 敵は的として存在し、攻撃をしてくることはなく、 ロボットと敵は接触してもミスにはならない。180 秒 以内に全ての敵を撃破するとクリアとなり、クリアす るまでの時間でランク付けされる。 3.2 操作方法 右手用のスティックでロボットの前後左右の移動を 行い、左手用のスティックでロボットを回転できる。 引き金を引くと弾を撃つことができ、敵に弾を当て ると撃破することができる。 右手用のコントローラを勢い良く動かすことで、図 6 のように 2 種類の必殺技を出すことができる。 図 5 ゲーム画面 図 3 引き金の構造 図 4 電池収納部分 図 2 コントローラの内部構造(右手用) 012一つは、コントローラを少し手前に引き、勢い良く 前に突き出すことで発動する。ロボットが炎をまとう エフェクトが表示され、通常の移動速度よりも速く一 定時間前進し、ロボットと接触した敵を撃破する。 もう一つは、コントローラを少し右に振り、勢い良 く左に振ることで発動する。ロボットの正面にビーム が発生し、その場で回転することで一定半径内の敵を 撃破する。
4. プレイの様子
プレイの場は、東京工芸大学芸術学部卒業・大学院 修了制作展の会場である。このイベントは一般公開さ れており、開催期間は2017 年 2/24~26 の 3 日間であっ た。会場は学科ごとに分かれ、学科内で作品ごとのブ ースに分かれている。 我々のブースに来場した人は3 日間で 70 人程度であ った。1 人で複数回プレイする人もいた。ブースの雰囲 気を図 7 に示す。来場者の年齢層は広く、小学校低学 年程度の児童から大人まで存在したが、10 代後半から 20 代に見えるあたりが一番多かった。 会場では、興味を持った人に操作方法を一通り説明 し、自由にプレイしてもらった。途中でプレイを中止 することもできる。プレイヤーと話をして感想を聞く ことはあったが、明確なアンケートは実施していない。 ゲームは 180 秒以内に敵を全て撃破できなければク リア失敗となるが、敵は攻撃せず、敵に当たってもミ スにはならないため、ゲームの難易度は高くない。初 めてプレイする場合でも、120 秒程度でクリアしてい ることが多い印象であった。突進する必殺技は、敵を 倒す以外に高速移動の手段としても使えるため、この ゲームに慣れたプレイヤーは必殺技を効果的に使い、 60 秒前後でクリアしていた。 タイムアタック形式のため、一度に多くの敵を倒す ことが有効であり、またクリア時間短縮のために必殺 技を利用することも重要である。敵の配置を考える際、 適度に密集させておくなど、必殺技を使いたくなる工 夫をこらした。プレイヤーも必殺技を積極的に使おう としていたように見えた。コントローラを軽く動かす 程度では必殺技が発動しないしきい値に設定した。自 然と白熱し、周囲から見てプレイヤーの気合を感じら れる状況が発生していた。 一方で、最初は勢い良く動かしていたプレイヤーも、 途中でセンサーの反応具合がわかると、力の加減がわ かって楽にプレイしていた。つまり、必殺技を出して いても気合が入っている動きには見えなくなってしま った。特に複数回プレイしているプレイヤーは、この 傾向が強かった。5. まとめ
我々は気合を意識したコントローラを作成したが、 果たして気合が反映されていたかどうかの科学的な検 証はこれからであり、具体的な方法を検討する必要が ある。例えば、気合という言葉を出さずにプレイする 場を用意し、アンケート調査を実施する。回答の中に 気合という言葉が現れたかどうかを見ることが考えら れる。 慣れたプレイヤーが楽にプレイする点については、 図 7 プレイの様子 図 6 必殺技の出し方 013いたずらにしきい値を高くしても遊びにくくなるため、 他の特徴量と組み合わせることが有効かもしれない。 コントローラのグリップを握る圧力を取得することは、 検討する価値があると考えている。 文 献 [1] 新村出(編) (1998). 広辞苑第五版 岩波書店 [2] 松村明(編) (1995). 大辞林第二版 三省堂
The Controller for Detecting Spirit of a Player
Hironori HARA
ⅰand Haruka KINOSHITA
ⅱⅰ,ii Faculty of Art, Tokyo Polytechnic University 2-9-5 Honcho, Nakanoku, Tokyo, 164-8678 Japan
E-mail: ⅰ[email protected], ⅱ[email protected]
Abstract We created a controller for detecting spirit of a player, and a game to operate with this controller. Based on the premise that the
action is energetic when player has spirit, the controller judges spirit from the change in acceleration. The game competes for the time until all enemy is struck down. This game was made with Unity. An acceleration sensor is mounted on the controller. When a player behave with spirit, special attack is put. When we observed gameplay, the case that player was playing with spirit was seen, and special attack was put. However, after the player understood the reaction of the sensor, gameplay without spirit was also seen.
Keywords Game Controller,Sensor,Acceleration,Spirit
日本デジタルゲーム学会 2017 年 夏季研究発表大会 予稿集 Digital Games Research Association JAPAN Proceedings of 2017 Summer Conference
動的難易度調整を使った推理ゲームの観光産業への応用に関する提案
山本 訓弘
一般社団法人吉野ビジターズビューロー 〒639-3111 奈良県吉野町上市 77-1 E-mail: [email protected] 概要 近年、推理ゲームとまち歩きを組み合わせ「体験型推理ゲーム」として観光まちづくりに活用している自 治体が見られる。しかし、推理ゲームは一度プレイして正解が判るとリプレイされることがない。 これでは観光資源というコンテンツが消費されることになり、リピーターには繋がらない問題がある。 そこで本研究は動的難易度調整を利用して、参加者のレベルに合わせたコンテンツを用意することを提案した。 この手法によって、リピーターの増加が見込めると本研究は考えた。 キーワード ゲームデザイン, ゲーミフィケーション, シリアスゲーム, 観光産業1. はじめに
現在、我が国は各地域が自律的で持続的な社会を創 生できることを目的として、地方創生の政策のもと、 地方創生推進交付金をはじめとした数多くの施策を展 開している[1]。中でも観光分野においては自然環境や文 化、史跡などを活用して新しい観光関連産業の創出を 行い、域外からの消費の獲得という面で大きく期待を されている[2]。 本研究の目的は、観光産業においてデジタルゲーム の制作の場面で用いられているゲームデザイン、特に 難易度調整の技術を用いて、観光産業への適用の考察 ある。2. 先行研究
デジタルエンタテインメントの技術を用いた観光コ ンテンツはAR 技術を利用した観光地図や、VR 技術を 用いた歴史遺産の再現などハードウェアを利用したも のは観光の現場で活用されている。それに対し、デジ タルエンタテインメント分野のゲームデザインの活用 はあまり見かけることがない。デジタルゲーム分野の 先行研究においては、Henry Lowood (2016)が 1970 年代 から1990 年代におけるビデオゲームにおける難易度調 整について動的難易度調整の概念を整理している[3]。ま た遠藤(2017)はプレイヤーの選択を伴う難易度調整 と、プレイヤーが明確な選択を行わない動的難易度調 整について整理を行っている。本研究ではこれらの先 行研究を踏まえ、どのような適応が可能かを考察す るものである。遠藤(2017)はデジタルゲームにおけ るプレイヤーが選択する難易度バイパスを「ミスバイ パス」「コンティニュー」「コース分岐やワープ」「面セ レクト」に分類し、それに対するプレイヤーの行動に よる難易度調整「動的難易度調整(Dynamic Difficulty Adjustment)」についての効果と限界についての整理を 行っている[4]。「ミスバイパス」はプレイヤーがミスを した場合、その後の復帰点よりの難易度を一時的に低 くする方法である。『カイの冒険』(1)において、プレイ ヤーが接触して消える障害物はこれにあたる。「コンテ ィニュー」はゲームを途中からリスタートする方法で あり、プレイヤーの意思でコンティニューを行うか行 わないかの判断を委ねるものである。「コース分岐や ワープ」は予め分岐をユーザーに選ばせることにより 難易度を変更する方法である。『ダライアス』(2)による コース分岐はこれにあたる。「面セレクト」はプレイヤ ーが面選択により難易度を選ばせる方法である。『ロッ クマン』(3)におけるボスの攻略順序もこれにあたる。 これに対し、動的難易度調整は近年の FPS~1980 年 代より使われている[3]。プレイ内容からプレイヤーのス キルレベルをコンピュータが判別して,それに合わせ て難易度をゲーム中に自動的に調整する方法である。 『ゼビウス』(4)においてはプレイヤーが敵の破壊数に応 じて、敵の出現パターンを調整するという機能を実装 していた。015
3. 本研究の手法
3.1 本研究の手法 本研究では奈良県吉野町における、観光産業振興の 一貫として、近畿大学建築学部寺川ゼミ有志による「上 市まちあるき推理ゲーム(仮)」(以下、上市推理ゲー ム)への難易度調整の技術の適用を試みるものである。 推理ゲームの特徴としては、ユーザーに対して謎解 きをしながら限定された空間を歩き、そこに隠された 謎を解いてゲームをクリア(脱出など)するものであ る。特徴としては、実際に身体を動かし、同時に参加 しているプレイヤーと一緒に謎を解くという楽しみが あり、口コミによるプロモーション効果による地域へ の来客効果が期待できる。その一方、一度、謎解きを 行うと、再度同じゲームを遊ばない傾向が強く、この 部分において、難易度調整の技術の適用を提案する。 3.2 観光産業の概要 観光産業を構成するものは観光庁の観光産業のイメ ージによると旅行サービス、運輸、宿泊、観光資源・ 娯楽施設と分類を行っている。 図 1 観光庁による観光産業のイメージ 近年では ICT を利用した宿泊予約サービスや Airbnb やUber に代表されるシェアリングビジネスも観光産業 であり、広い産業分野である。本研究で扱う「まち歩 き推理ゲーム」は観光産業の中でも観光資源、娯楽施 設に分類されるものであり、施設を持たないソフトサ ービスである。 3.3 観光産業における動的難易度導入の可能性 観光産業においては、近年、これまで観光資源とし ては気付かれていなかった地域資源を活用し、体験 型・交流型の要素を取り入れた旅行の形態である。活 用する観光資源に応じて、エコツーリズム、グリーン ツーリズム、ヘルスツーリズム、産業観光等があげら れる[5]。「まち歩き推理ゲーム」はエコツーリズムや産 業観光と組み合わせることで、地域住民が参加する場 合は地域への理解が深まる効果、 スポーツや自然を活用したツーリズムであれば季節 の変化が再訪の動機づけとなり、健康を目的としたも のは、来訪者の健康促進が動機づけとなる。それに対 し、推理ゲームやスタンプラリー、御朱印帳などのコ ンテンツを用いたツーリズムの場合、再訪の動機づけ をコンテンツに組み込む必要が有るのではないかと考 えられる。本研究では来訪者に再訪動機を与えるため にゲーミフィケーションの活用を提案する。ゲーミフ ィケーションとは「ゲームの考え方やデザイン・メカ ニクスなどの要素を、ゲーム以外の社会的な活動やサ ービスに利用すること」と定義されている[6]。ゲーミフ ィケーションの手法、とりわけゲームデザインのおけ る動的難易度調整の活用はアクティビティを伴う観光 事業においては、適応可能性が高いと仮定する。4. 推理ゲームにおける動的難易度調整適用
の可能性
4.1 観光資源学習における推理ゲームの効果 加藤(2015)らは観光資源学習において宮城県仙台 市において推理ゲームの企画と実証を行っている[7]。そ の際に推理ゲームを用いたメリットとして、次の項目 をあげた。(1) 観光地に付加価値を与え,その場所への 訪問価値を高める効果、(2) 観光地への滞在時間を長 くする効果、(3) 普段より注意深く観察することで, 普段の観光では気づきにくい魅力に気づかせる効果。 アンケート結果から訪問価値を高める効果、観光客 誘致ができる可能性について期待できるとあったが、 幅広い年齢層に対応できるか、再訪動機があるかにつ 016いては検証されていなかった。 4.1 推理ゲームの動的難易度調整の提案 本研究では小学生から大人までの幅広い年齢層に対 応や、再訪(リプレイ)機会を実現するために、動的 難易度調整の実装し、参加者のレベルに合わせたコン テンツを用意することを提案する。 デジタルゲームにおける動的難易度調整 プレイ前 プレイ中 プレイ後 「面セレクト」 「ミスバイパス」 「コンティニュー」 「コース分岐やワープ」 上市推理ゲームへの実装 プレイ前 プレイ中 プレイ後 年齢別コース チェックポイントでの分岐 再プレイ時の評価 ヒント提示の多段階化 図 2 動的難易度調整の推理ゲームへの実装 実装手法として動的難易度調整で使用される要素を プレイ前、プレイ中、プレイ後に整理し、それらの場 面に応じた実装を企画提案する。具体的な実装内容は 以下の通りである。 プレイ前 年齢別コース ・コース別プレイキットを作成 ・同じ解答の出題方式の変更 チェックポイントでの分岐 ・解答に応じた分岐の設定 ・ポイント制を導入した分岐 ヒント提示の多段階化 ・問題のバリエーション化 ・問題のレベル分け プレイ後 再プレイ時の評価 ・再訪を促す企画 プレイ中 図 3 動的難易度調整の企画案
5. 展望と課題
5.1 展望 本研究は、平成29 年 11 月 4 日に行われる「ふるさ と元気吉野まつり」のイベントの一部としての企画し ている推理ゲームへの動的難易度調整実装に向けた試 みを提案するものである。平成29 年 7 月 29 日にプレ イベントとしてのゲーム実演を予定しており、予稿作 成時点では、その結果を掲載することはできなかった が、プレイベントの実施および、アンケートの集計を 踏まえて口頭発表時において、検証結果の報告を行い たい。 7月29日 まち歩き推理ゲーム プレイベント 8月中旬 プレイベントフィードバック 8月中旬~10月末 まち歩き推理ゲーム制作 11月4日 まち歩き推理ゲーム 本番 図 4 今後のスケジュール 5.2 課題 本研究は「上市推理ゲーム」の中間結果を発表する にとどまることが課題である。2017 年 11 月に行われる 本番の結果とその後のユーザーアンケートを集計から、 参画意識や来訪意識がどのように変化するかを引き続 き研究を行い、次の機会に発表を行いたいと思う。 文 献 [1] 地方創生推進交付金制度要綱 <http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/souseikoufu kin.html>( 2017 年 7 月 10 日) [2] 平成 28 年版観光白書(2016). 観光庁 pp. 1.[3] Henry Lowood (2016). Debugging Game History. MIT Press [4] 遠藤雅伸 (2017) 「ちょうどいい」と感じる難易度調整 <http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/game-interesting-kna ck/0005 >( 2017 年 7 月 10 日) [5] ニューツーリズムの振興 観光庁 <http://www.mlit.go.jp/kankocho/page05_000044.html >( 2017 年 7 月 10 日) [6] 井上明人 (2012). 「ゲーミフィケーション―<ゲーム> がビジネスを変える」NHK 出版 [7] 加藤 祥基(2015). 観光資源学習のための体験型謎解き ゲームの企画と実証 ゲーム (1) 『カイの冒険』,ナムコ,1988.(FC) (2) 『ダライアス』,タイトー,1986.(AC) (3) 『ロックマン』,カプコン,1987.(FC) (4) 『ゼビウス』,ナムコ,1983.(AC) 017
Proposal of Detective Games for Tourism based on Dynamic Difficulty
Adjustment.
YAMAMOTO Kunihiro
Yoshino Visitors Bureau 77-1,Kamiichi,Yoshino-cho,Nara,639-3111 Japan E-mail: [email protected]
Abstract In recent years, the number of regions that aim to develop communities by using "Experience-based Detective Games" .However, once the Detective Games is played and the correct answer is known, it will not be replayed. In this case, the contents called Tourism Resources will be consumed, there is a problem that cannot be connected to repeaters. Therefore, this research proposed using Dynamic Difficulty Adjustment to prepare content suitable for participant level. This research thought that this method can increase the number of repeaters.
Keywords Game Design, Serious Games, Gamification, Tourism Industries.
日本デジタルゲーム学会 2017 年 夏季研究発表大会 予稿集 Digital Games Research Association JAPAN Proceedings of 2017 Summer Conference
大学生のゲームプログラミング学習に関する意識調査から見える課題
宮西 和機
北海道情報大学情報メディア学部 〒096-0832 北海道江別市西野幌 59-2 E-mail: [email protected] 概要 北海道情報大学の学生に対してゲームプログラミングの学習と自信に関する意識調査を実施した。その結 果、ゲームプログラミングに対して自信を持つ者は、教育課程以外でのプログラミング学習経験者が多いことがわ かった。また、プログラミングに対して自信が無いために、ゲームプランナー(ゲームデザイナー)を目指すとい う消極的な志望職種の選択をするケースも見られた。 キーワード 大学生,ゲームプログラミング学習,意識調査1. はじめに
日本におけるゲーム文化を維持または繁栄させるた めには、ゲーム開発者を育てていくことは重要である。 日本国内には、ゲーム開発者を育てることを目的とし た大学や専門学校の学科、専攻、コースが存在し、日 本におけるゲーム文化の維持、繁栄に貢献している。 しかし、学生によってはゲーム開発者になることを希 望しながらも、学ぶ意欲を失い、その希望を叶えるこ とを諦めてしまうケースが散見される。 北海道江別市にある北海道情報大学では、情報メデ ィア学部情報メディア学科にゲームプログラミングコ ースが存在し、ゲーム開発者になることを希望して入 学してくる学生がいる。そこで、北海道情報大学をモ デルとして、ゲーム開発に関わる職種のうち、ゲーム プログラマーを目指す大学生のゲームプログラミング 学習についての意識調査アンケートを実施した。2. 目的
本研究の目的は、ゲームプログラミングを学習する 大学生のうち、自信喪失に至っている学生にどのよう な傾向があり、その原因が何かを特定するというもの である。3. 調査方法
北海道情報大学の学生に対し、主に以下の項目につ いて質問するアンケートを実施する。 (1)学年、所属学科、所属専攻、選択コース (2)プログラミング経験について (a)教育課程でプログラミングに触れた経験 (b)教育課程以外でプログラミングに触れた経験 (3)ゲームプログラミングを学んだ経験について (3)ゲームプログラミング学習に対する意欲 (4)将来希望する職種 (6)ゲームプランナー(ゲームデザイナー)を志望する 者の志望理由とプログラマーを目指す可能性につい て (5)ゲームプログラミングに対する自信 (6)ゲームプログラミングに自信が無い場合、その理 由 アンケートの結果から、ゲームプログラミングに対 して自信が無いケースについて、その原因の分析を行 う。4. 結果
アンケートは Google フォームを利用して作成し、北 海道情報大学の Web ポータルに、回答を呼びかける情 報を掲載した。2017 年 6 月 7 日から 6 月 21 日までの 15 日間、アンケートの回答を受け付けた。その結果、 学生 116 名から回答が得られた。 4.1 教育課程でのプログラミング経験とゲームプ ログラミングの自信 アンケートでは、ゲームプログラミングに対する自 信について「自信がある」「やや自信がある」「どちら とも言えない」「あまり自信がない」「自信がない」の 5 つから評価してもらう形式とした。それぞれの自信の 019度合いごとで、小中高または大学の教育課程でのプロ グラミング学習の経験の有無の比率は図1のようにな った。 自信がある場合も自信が無い場合も、同程度の割合 で教育課程でのプログラミング学習経験がある結果と なり、教育課程でのプログラミング学習の経験が、ゲ ームプログラミングの自信に必ずしも繋がらないこと が伺える。 図1 ゲームプログラミングの自信の度合いごとの 教育課程でのプログラミング学習の経験の有無の比率 4.2 教育課程以外でのプログラミング学習の経験 とゲームプログラミングの自信 教育課程以外でのプログラミング学習、つまり独学 や趣味でのプログラミングを学習の経験の有無につい てのゲームプログラミングの自信の度合いごとの比率 は図2のようになった。 ゲームプログラミングの自信がある場合、教育課程 以外のプログラミング学習経験がある割合が多いとい う結果となった。この結果から、教育課程以外でのプ ログラミング学習の経験とゲームプログラミングの自 信が関連していることが伺える。 4.3 消極的な理由からゲームプランナー(ゲームデ ザイナー)を志望するケース アンケートでは、志望する職種についても調査した。 ゲームプランナー(ゲームデザイナー)を志望する者 のうち、ゲーム開発に関わる職種の中でプログラミン グやグラフィックデザインなどの技能の自信が無いこ とから、消極的にゲームプランナー(ゲームデザイナ ー)を志望しているケースがあるかを調査した。 アンケートでは、ゲームプランナー(ゲームデザイ ナー)を明確に志望する者9名のうち、ゲームプラン ナー(ゲームデザイナー)を志望する理由として当て はまるものを複数選択で回答してもらい、その結果は、 表1のようになった。 図2 ゲームプログラミングの自信の度合いごとの教 育課程以外のプログラミング学習の経験の有無の比率 表1 ゲームプランナー(ゲームデザイナー)を志望 する理由ごとの人数と割合 理由 人数(割合) ゲームの内容を考えることが好きなため 9 (100%) ゲームで遊ぶことが好きなため 8 (88.9%) ゲームの内容を考えることに自信がある ため 5 (55.6%) ゲーム業界に入りたいが、プログラミン グや絵を描くことなどが苦手なため 4 (44.4%) ゲーム業界に入りたいが、ゲームプラン ナー(ゲームデザイン)の仕事は、プログ ラミングや絵を描くことよりも簡単だと 思ったため 0 (0%) ゲームの内容を考えることに自信がある、またはそ れが好きなためという積極的な理由の割合が多くあり つつも、ゲーム業界を志望しているが、プログラミン 020
グや絵を描くことが苦手なためという消極的な理由か らゲームプランナー(ゲームデザイナー)を志望する ケースが半数近くを占めた。 4.4 ゲームプランナー(ゲームデザイナー)を志望 する者がゲームプログラマーを目指す可能性 ゲームプランナー(ゲームデザイナー)を志望する 者 9 名に「もしプログラミングが出来るようになれば、 ゲームプログラマーを目指したいですか?」という質 問へ「当てはまる」から「当てはまらない」の5段階 で回答をもらい、その度合いごとの人数の結果は図5 のようになった。グラフの横軸は、プログラミングが 出来るようになった場合にゲームプログラマーを目指 したいかどうかの度合いである。 図5 ゲームプランナー(ゲームデザイナー)志望学 生がプログラミングを出来るようになった場合、どの 程度ゲームプログラマーを志望するか ゲームプランナー(ゲームデザイナー)を明確に志 望する学生のうち半数近くが、プログラミングが出来 るようになればゲームプログラマーを目指したいとい う意志を持っている。 4.5 志望職種がゲームプログラマーかゲームプラ ンナー(ゲームデザイナー)で迷っている理由 志望職種のうち「ゲームプログラマーかゲームプラ ンナー(ゲームデザイナー)で迷っている」と回答し た者 13 名に対し、その理由として当てはまるものを複 数選択で回答してもらい、その結果は表2のようにな った。 単純に自らの将来の方向性について迷っているケー スが大半であったが、半数近くが「ゲームプログラマ ーを目指したいが、プログラミングに自信がない」こ とを理由にしていることがわかった。 表2 志望動機がゲームプログラマーかゲームプラン ナー(ゲームデザイナー)で迷っている理由 理由 人数(割合) プログラミングを頑張るかゲームの企画を 考えることを頑張るかの方向性で迷ってい るため 11 (84.6%) ゲームプログラマーを目指したいが、プロ グラミングに自信が無いため 6 (46.2%) 給与面で差があるのではないかと心配して いるため 2 (15.4%) 4.6 ゲームプログラミングに対する自信がない理 由 ゲームプログラミングに対する自信の度合いで「自 信がない」または「あまり自信がない」と回答した者 81 名に対し、その理由として当てはまるものを複数選 択で回答してもらい、その結果は表3のようになった。 表3 ゲームプログラミングに対する自信がない理由 ごとの人数と割合 理由 人数(割合) プログラミングを学んでいる途中であるた め 50 (61.7%) プログラミングを学ぶ時間が少ないため 35 (43.2%) プログラミングの学び方がわからないため 22 (27.2%) 大学の科目でプログラミングを学んだが、 わからなかったため 19 (23.5%) 自分はプログラミングに向いていないと考 えているため 17 (21%) 021
ゲームプログラミングに対する自信がない理由とし て「プログラミングを学んでいる途中であるため」「プ ログラミングを学ぶ時間が少ないため」というものが 全体として多く現れているが、それに次いで「プログ ラミングの学び方がわからないため」「学んだが、わか らなかった」という理由が 2 割から 3 割ほどの割合で 挙がっている。
5. まとめ
ゲームプログラミングを学ぶ大学生のうち、ゲーム プログラミングに対する自信を持つ者は、教育課程以 外でのプログラミング学習の経験者が多いという傾向 があることがわかった。また、ゲーム開発に関わる職 種への志望がありながらも、プログラミングの自信の 無さからゲームプランナー(ゲームデザイナー)を志 望するケースがあり、ゲームプランナー(ゲームデザ イナー)を志望する者のうち、プログラミング技能を 身につけることができればゲームプログラマーを志望 したいというケースが半数近くいることがわかった。 さらに、ゲームプログラミングに自信が無い者のう ち、その理由を「学んでいる途中であるため」「学ぶ時 間が少ないため」としている者が大半であったが「プ ログラミングの学び方がわからない」「学んだが、わか らなかった」を理由としている者も次いでいることが わかった。6. 考察
今回の調査結果により、ゲームプログラマーになる こと、またはゲーム開発ができるようになることを希 望しながらも、プログラミング技能の習得に関する問 題により、その希望を叶えることを諦めるケースが少 なからずあることがわかった。 また、教育機関によるプログラミング教育が、十分な 自信を与えるほどの質を持って提供できていない可能 性も伺える。7. 課題
今回は、北海道情報大学の学生を対象に調査したた め、全国的な傾向は違うものになる可能性がある。ま た、プログラミング学習行為の内容については踏み込 んでいないため、学習行為の問題を特定できておらず、 ゲームプログラミング学習特有の問題についての調査 も余地を残している。Issues emerging from results of consciousness survey about university students'
game programming learning
Kazuki MIYANISHI
Faculty of Information Media, Hokkaido Information University Nishi nopporo 59-2, Ebetsu, Hokkaido, 069-8585 Japan
E-mail: [email protected]
Abstract We conducted a consciousness survey about game programming learning for Hokkaido Information
University students. As a result, those who have confidence in game programming found that there are many people who have experienced programming learning outside the curriculum. Also, because there is no confidence in programming, there were cases in which passive aspiration occupation was chosen as aiming for a game designer.
Keywords University students, Game programming learning, consciousness survey
日本デジタルゲーム学会 2017 年 夏季研究発表大会 予稿集 Digital Games Research Association JAPAN Proceedings of 2017 Summer Conference
ゲームのように大学講義を設計する事例研究
中田 豊久
ⅰ ⅰ新潟国際情報大学 情報文化学部 情報システム学科 E-mail: ⅰ[email protected] 概要 ゲーミフィケーションの事例には、成功例だけでなく失敗例も多く報告されている。その失敗例の特徴は、 ゲーム要素を闇雲に追加してしまうことにある。そこで本研究では、再設計という立場に立ち、大学講義を例とし て実施した事例を示す。その結果から、現時点のゲーム化された授業では、ユーザの不満足を解消することはでき ても、成績を向上させることはできないことが明らかとなった。 キーワード ゲーム設計、大学講義、ゲーミフィケーション1. ゲーミフィケーションと大学講義
ゲーミフィケーションとは、「ゲーム以外の活動を強 化するためのゲームコンポーネントの使用1」[1][2]と定義 される。よく利用されるゲームコンポーネントとして は、ポイント、リーダーボード(ランキング)、バッジ、 ストーリー、ゴール、サブゴール、フィードバック、 進捗、クエストなどがある[3]。さらに、Hamari ら[3]は、 次のようにゲーミフィケーションをモデル化している。 意欲のアフォーダンス → 心理的の変化 → 振る舞いの変化 このゲーミフィケーションを教育に応用しようとす る取り組みがある。Quest to Learn[4][5]では、学校全体を ゲームフィールドとして再定義し、学生はゲームをク リアするように課題に取り組む。対象は、中高校生で ある。一方、大学講義を対象とした O’Donovan ら[6]の 研究もある。Farzan ら[7]は、履修する講義を推薦するシ ステムにゲームの要素を付加している。これらの取り 組みには、成果が見られる一方、課題も見えてきてい る。Farzan ら[7]の講義推薦システムでは、本来システム の設計者が意図した期待されるユーザの振る舞いとは 異なる行動を、ゲーム要素によって強化してしまうこ とを指摘している。このような現象をBretzke ら[8]は、 ゲーミングと名付けて同様に指摘している。またCheng ら[9]は、表彰は限定的に行った方が良いとしている。多1 原文: the use of game component to enhance non-game activities すぎる表彰は、システムの設計者が望まないユーザの 行動をも強化してしまうからである。 ここで、失敗する例を考察する。その原因は「ゲー ムコンポーネントを"追加"する」という考え方にある。 例えば大学講義として考えたとき、講義は、ゲーミフ ィケーションを適用しなくても行われている。すでに ある活動に、ゲームコンポーネントを「付加」すると、 それが例え成功したとしても、例えばその講義が持っ ていた問題点をゲームの力で隠してしまったのかもし れない。まずは、ゲーミフィケーションを適用する活 動自体を、しっかりと分析する必要がある。
2. 研究目的と期待される効果
本研究の目的は、大学講義をゲームとして再設計する ことである。そして期待される効果は、学生の成績が 向上する、ではなく、学生の参加意欲が高まる、とす る。参加意欲は、学生がすべての受講した講義につい て回答する授業評価アンケートを使用する。これは、 Hamari ら[3]の示したゲーミフィケーションモデルの第 一段階である「心理的な変化」が起こるかどうかを評 価対象とすることである。3. 大学講義の再設計
大学講義を表 1 のように、ゲームとしての視点で再 設計を行った[10]。他の様々な授業設計技法との違いは、 「対戦相手」をまず想定することである。また「意味 ある遊び」としてすべての授業内活動が、ゴールに直 結するようにすることである。 023表1 講義の再設計に使用したゲーム要素 指示型講義 ゲーム化された講義 対戦相 手 明確に定義されてい ない。 ゲームシステムとの 対戦とする。 ゴール 暗黙的に単位取得が 目的である。 明示的に単位取得を ゴールとする。 サブゴ ール 定義されず。 小テストをサブゴー ルとする。 意味あ る遊び 学んだことがテスト にでないことがある ため、意味が無いと感 じる気もある。 すべての学ぶことは 小テストに、すべての 小テストは最終テス トに反映される。 フィー ドバッ ク 定義されず。 毎回の授業後に現在 の保有得点をフィー ドバックする。 ポイン ト 定義されず。 ポイントはそのまま 成績になる。
4. 実験
表2 ゲーム化された 2 つの講義 講義名 情報論理 人工知能 学習内容 命 題 論 理 、 述 語 論 理、離散数学 論 理 ベ ー ス の 人 工 知能 受講者数 100 - 300 50 - 100 学年 1 年 3 年 期間 1 回の講義は 90 分、週に 1 度、16 週で構 成される。 講師 この論文の著者が1 名で担当する。ティー チングアシスタントはいない。 表2 に示す 2 つの授業において、従来の指示型の授 業と、ゲーム化として再設計した授業との比較を行っ た。その結果を表 3 に示す。指示型として実施された 2008 年から 2011 年度までと、ゲーム化された 2012 年 から2014 年度までを比較すると、授業評価アンケート については、改善されたことが統計的優位として認め られる。一方、学生のテストの成績は、向上していな い。そしてそれぞれの詳細は、図1 から図 4 に示して いる。授業評価アンケートは、その年によって全体の 傾向が変わることがあるため、評価に使用した指標は、 同じ学期に実施した他の授業科目との相対的な差を用 いている。成績は、全学生の成績を0-1 の間に標準化し てプロットしている。5. 評価と考察
授業評価アンケートは、研究の評価として妥当では ないという意見がある。例えば、Dr. Fox 効果[11]と呼ば れる、講師が役者のように、より魅力的な話し方、見 せ方をすれば、学習内容が貧弱であっても授業評価は 上がるという研究報告がある。しかしこれは、Marsh ら [12]によって否定されている。受講する人が「何かを学 び取りたい」という目的がある場合には、Dr. Fox 効果 は発生しないとしている。講義は、学ぶ目的、または 単位取得という目的が学生にはあるため、Dr. Fox 効果 は発生しないと考えられる。 テ ス ト の 成 績 が 向 上 し な か っ た と い う 結 果 は 、 O’Donovan ら[6]の報告と一致している。そしてテストの 成績は向上しなかったに、授業評価は良くなっている とは、Herzberg [13]が提唱した衛生要因を改善したとみ ることができる。衛生要因とは、不満の要因を除去す ることであり、Herzberg によれば、不満が解消しても さらにその先の勉強をするという動機にはつながらな いとしている。学生の成績を上げるためには、古くか ら知られている学習時間の増加(Academic Learning Time[14])がやはり重要である。6. ゲーミフィケーションからリアリフィケ
ーションへ
本研究では、ゲームのように大学講義を再設計する 事例について示し、他の研究の成果と比較しながら、 その功罪について論じた。 今後は、リアリフィケーションという考えによって 講義を改善し続けていきたいと考えている。リアリフ ィケーションとは、ゲーミフィケーションがゲーム化 ならば、現実化である。例えばアクションゲームは、 ユーザのボタンを押すスキルが向上することをゲーム デザインの中に取り入れている。このボタンスキルを 024勉強のような現実社会で直接的に役立つことに置き換 えることがリアリフィケーションである。そしてリア リフィケーションによるゲームが面白くなれば、必然 的に学生は、学ぶことができるとなる。 謝辞 本研究の一部は、公益財団法人中山隼雄科学技術文化 財団の平成 28 年度 研究助成(A-1)の助成を受けたもの です。 表3 指示ベースとゲーム化された授業の授業評価アンケートとテストスコアの比較 図1 論理学講義の授業評価アンケート結果 図2 人工知能講義の授業評価アンケート結果 図3 論理学講義のテスト成績 図 4 人工知能講義のテスト成績 025