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インタラクティブ発表

3. 本研究の目的

本研究の目的は、ゲームプレイの魅力となる要素の うち、多くのプレイヤーのゲームプレイ継続に影響を 与える要素の考察である。そのために、アンケートによ る調査を行った。

4. 調査方法

Googleフォームを使用し、「よく遊ぶゲーム」に関す

るアンケートを行った。アンケート項目を以下に示す。

l よく遊んでいるゲームタイトル:自由記述 l どのぐらい遊んでいるか(頻度):択一方式

Ø ほぼ毎日 Ø 週数回 Ø 月数回 Ø 年数回

l いつから遊んでいるか(期間):択一方式 Ø 最近はじめた

Ø 数か月前 Ø 数年前 Ø それ以上前

l 当てはまる要素へのチェック:複数回答 Ø 強く(上手く)なったのが実感できる

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Ø 負けたくない相手がいる Ø 目標がある

Ø 今までにかけたものを無駄にしたくない Ø 交流の場になっている

Ø イベントが多い Ø チームがある l その他の要素:自由記述 l 性別種別:択一方式

Ø 男性 Ø 女性

l 年齢種別:択一方式 Ø 20歳未満 Ø 20代 Ø 30代 Ø 40代 Ø 50歳以上

5. 結果

2017年5月25日より調査を行い、278件の有効回答 を得た。回答者の属性分布を表1に、該当するゲームの プレイ頻度を表2 に、プレイ開始時期を表3 に、当て はまる要素の回答数と母数に対する割合を表4に示す。

表 1 回答者の属性分布 男性 女性 合計 20歳未満 25 3 28

20代 115 25 140 30代 38 13 51 40代 42 10 52

50歳以上 1 6 7

合計 221 57 278

表 2 該当するゲームのプレイ頻度 頻度 回答数

ほぼ毎日 166 週数回 75 月数回 28 年数回 9

合計 278

表 3 該当するゲームの開始時期 期間 回答数 最近はじめた 27

数か月前 34 1 年くらい前 60 数年前 125 それ以上前 32

合計 278

表 4 該当するゲームに当てはまる要素 要素 回答数 割合 上達の実感 184 66%

負けたくない相手 37 13%

目標がある 162 58%

無駄にしたくない 87 31%

交流の場 121 44%

イベントの開催 80 29%

チーム機能 49 17%

ゲームのプレイ頻度については「ほぼ毎日」という回 答が全体の6割、プレイ開始時期については「1年以上 前から継続して遊ぶ」という回答が全体の 7 割以上を 占めた。この結果から、高い頻度で長期間ゲームを遊ん でいるプレイヤーの回答を得たと考えた。

当てはまる要素は「上達の実感」「目標がある」「交流 の場」が上位となった。

6. 考察

自由記述の内容を含めて、要素別に考察を行った。

6.1 上達の実感

上達の実感に該当する主な内容を以下に示す。

l キャラクターが強くなる l ボスに勝った時の達成感

キャラクターの成長や勝てなかった相手に勝利する ことにより、プレイヤーはゲームの上達を実感する。再 び同様の実感を得るためにプレイは継続されると我々 は考えた。

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6.2 目標がある

目標があるに該当する主な内容を以下に示す。

l ストーリーを追いたい l 新しい戦法を試したい

ゲーム進行中の経験から、プレイヤーはゲーム内に 自分の目標を設定する。設定した目標の達成のために プレイは継続されると我々は考えた。

6.3 交流の場

交流の場に該当する主な内容を以下に示す。

l ゲーム内で知り合った人との繋がり l みんなと一緒に遊べる

プレイヤー同士の交流に魅力を感じて、ゲームを交 流の場として利用する。そのゲームを交流の場として 利用するためにプレイは継続されると我々は考えた。

本要素に該当するゲームの中には、ゲーム内にコミ ュニケーション機能を持たないものがあり、プレイヤ ーはゲーム外でも交流しているのではないかと考えら

れる。

7. まとめ

ゲームプレイを継続させるために有効な要素は、上 達が実感できる、目標がある、交流の場になる、である ことが分かった。

これらの要素をゲームに実装することにより、ゲー ムプレイは継続されると我々は考えた。

文 献

[1] 阿部圭一他 (2012). ゲーム依存の現状と対策-個人的 視点と社会的視点から, 社会情報学会(SSI)学会大会研 究発表論文集 2012, 189-194.

[2] 三原聡子他 (2012). インターネット依存に関する我が 国の現状, 第1回インターネット依存国際ワークショッ プ 2016.3.16

<http://www.kurihama-med.jp/tiar/pdf/20120403_no1_workshop_report1.pdf>(2017 年6月26日)

[3] 大野志郎他 (2011). ネット依存の若者たち、21人インタ ビュー調査, 東京大学大学院情報学環情報学研究 調査 研究編, 101-139.

[4] 深田浩嗣 (2011). ソーシャルゲームはなぜハマるのか,

ソフトバンククリエイティブ

[5] まつもとあつし (2012). ソーシャルゲームのすごい仕 組み, アスキー新書

[6] 週刊ダイヤモンド(2012). 無料ゲームの落とし穴, 週刊 ダイヤモンド 2012/06/02号, pp. 26-31.

Study on the Effective Elements of Attractive Game Playing

Naoto Takahashi

ENODH Masanobu

Faculty of Arts, Tokyo Polytechnic University 2-9-5 Honcho, Nakano-ku, Tokyo, 164-8678 Japan E-mail: g1427046@t-kougei.ac.jp, m.endo@game,t-kougei.ac.jp

Abstract Attractive elements in game playing were already clarified. Due to these elements, players were engaged in a game playing, and sometimes it became a game addiction. On the other hand, the engagement in game playing makes big profits in business. We conducted a survey on “games that usually playing” and analyzed the effective elements to continue game playing.

As a result, three elements “sense of improved”, “goal” and “fields for communication” were obtained.

Keywords Digital games, Game addiction, Engagement, Attractive game playing, Profit

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日本デジタルゲーム学会 2017夏季研究発表大会 予稿集 Digital Games Research Association JAPAN Proceedings of 2017 Summer Conference

VR を用いた恐怖映像効果の持続性の検証

趙博新

i

岸本好弘

ii

三上浩司

iii

近藤邦雄

iv

i東京工科大学大学院 バイオ・メディア研究科 メディアサイエンス専攻

〒192-0914 東京都八王子市片倉町1404−1

ii, iii, iv東京工科大学メディア学部 〒192-0914 東京都八王子市片倉町1404−1

E-mail: ig311701780@edu.teu.ac.jp, ii, iii, iv {kishimotoy, mikami, kondo}@stf.teu.ac.jp

概要 ホラー映画やホラーゲームの恐怖感は、視聴者のコンテンツや表現に対する慣れとともに段々薄まる。し かし、現在はバーチャルリアリティ(以下「VR」)の発達により新しい恐怖表現手法が生まれている。VR は通常 のフラットパネルディスプレイ(以下「FPD」)より現実感が強いため、内容が同じようなものでも、VRでは恐怖 感がより強く、コンテンツや表現に対する慣れに対して効果があると考えられる。そのため同じホラー映像の VR 版とFPD版を作成し視聴比較した。その結果FPD版の映像を見て内容を知った後にVR版の映像を視聴した場合、

内容が同じであっても同様に恐怖を感じていることがわかった。

キーワード ホラー, VR, 心拍数

1. はじめに

ホラー映画やホラーゲームの恐怖感は、視聴者のコ ンテンツや表現に対する慣れとともに段々薄まってい く。一度視聴したり、プレイしたコンテンツを再び閲 覧した場合、内容を知っていたり、表現手法を理解し ているため、恐怖は和らいでしまう。近年、VRの発達 により新しいホラー映像作品やゲーム作品が数多く生 み出されている。VRは通常のディスプレイより臨場感 が強いため、恐怖感が強いと考えられる。そのため、

コンテンツの内容や表現が既知のものであっても、VR では恐怖感を感じると考えた。そこで、同じ内容のホ ラー映像コンテンツを、VR機能を利用するVR版と通 常のFPDでの表示を想定したFPD版の2種類用意した。

FPD 版を見て、内容を知っている視聴者が後に VR 版 を見る視聴者とその逆の順番で見る視聴者のそれぞれ の心拍数を計測する。これらを比較し、VR表現による 恐怖表現に対する慣れの回避と、具体的にそれをもた らした表現について分析する。

2. 先行研究

心理生理学的調査では、顔面筋電図(EMG)[1]、心 拍数[2]、ガルバニック皮膚反応[3]などの生理的測定によ って覚醒などのいくつかの感情状態を客観的に測定で きることが示唆されている。ホラーゲームに関連する

研究では、Blackmore らが、参加者の驚愕反射の筋電図

(EMG)記録を使用して、遊びの影響を探索し、試合 を見ているかどうかを調べている[4]

先行研究でも用いられている、顔面筋電図(EMG)、ガ ルバニック皮膚反応の測定は医者資格を持つ専門家が 伴っている必要があるため、今回は比較的容易に計測 可能な心拍数で測定する。心拍数をもとに、恐怖を感 じている状況を数値化し、2種類のコンテンツを視聴し た順番による心拍数の変化に着目し分析を行う。

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