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造園家イヴ・ブリュニエの自然観についての考察ー自然と人工の対立の解消と異化作用 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)造園家イヴ ・ ブリュニエの自然観についての考察 自然と人工の対立の解消と異化作用. 樋口 耕介 表1 ブリュニエの主要作品. 1.序. name. place. date. architect. Bijlmermeer. Amsterdam,Netherland. 1986. Rem Koolhaas. Haalemmermeer. Amsterdam,Netherland. 1986. Rem Koolhaas. Melun-Sénart. Melun,France. 1987. Rem Koolhaas. Fondation Cartier. Domaine du Montcel. 1987. Jean Nouvel. Saint-James. Bordeaux,France. 1987-1989. Jean Nouvel. Autoroutes du Sud. Vienne,France. 1988. Jean Nouvel. La Roche-sur-Yon. La Roche-sur-Yon,France. 1988-1990. -. 6年 の キ ャ リ ア の 中 で《Melun-Sénart》や《Euralille》、. Zac Évangile. Paris,France. 1988. -. Waterloo. Waterloo,Belgium. 1989. -. 《Tours》といった大規模な都市計画を含めた 60あま. Museumpark. Rotterdam,Netherland. 1989-1993. Rem Koolhaas. Villa Dall'Ava. Saint-Cloud,France. 1989-1991. Rem Koolhaas. りのプロジェクトに関わっている(表 1)。また、死後わ. Évian-les-Bains. Evian-les-Bains,France. 1989. -. ずか 4年で彼の作品の展覧会が開催され、それにとも. Château Canon la Gaffelière. Saint-Émilion,France. 1989. -. Tours. Tours,France. 1989-1992. Jean Nouvel. Euralille. Lille,France. 1989-1991. Rem Koolhaas. Het Park. Rotterdam,Netherland. 1989. Jean Nouvel. European Patents Office. Hague,Netherland. 1990. 造 園 家 イ ヴ・ ブ リ ュ ニ エ(Yves Brunier, 1962-1991)は、 わずか 29歳の若さで他界したが、1980年代半ばから レム・コールハース(Rem Koolhaas, 1944-)やジャン・ヌー ヴェル(Jean Nouvel, 1945-)といった建築家と協働し、実質. なって作品集が出版された 。 ※1. Berges de La Vilaine. Rennes,France. 1990. Willem Neutelings Frank Roodbeen Dominique Alba. 説明した上で、ブリュニエがダーティ・リアリズム(Dirty. Dax. Dax,France. 1991. Jean Nouvel. Hôtel des Thermes. Dax,France. 1991-1992. Realism, 後述)の特徴を反映して対立的自然観を解消した. Brasschaat. Brasschaat,Belgium. 1991. こと、またそれは 2つの異化作用によって植物の本質. Jean Nouvel Willem Neutelings Stephane Beel Xaveer de Geyter. with Rem Koolhaas. 本研究では、1980年代以前の対立的自然観(後述)を. 的特性を強調するものであることを指摘したい。. with Jean Nouvel. with other Architects. independent. し、対立する価値によって自然を位置づける自然観(以. 自然−人工の対立を解消した自然観は、植物と建築. 下、対立的自然観)を持っていたと考えられる。. 物とを融合する観点からすれば、近年注目される緑化. 内山※ 4や小池※ 5の指摘によれば、1980年代までの造. 建築物に新たな視点を提供すると考えられる。した. 園が、対立的自然観に基づいていたことが窺われるが、. がって、ブリュニエの自然観や手法およびその作用を. それはラ・ヴィレット公園コンペ(1982)の審査過程にお. 具体的に把握し、緑化建築物における可能性を示唆す. ける造園家と建築家との対立※ 6によって裏付けられる。. ることが本研究の目的である。. 3.ブリュニエと対立的自然観の解消. 2.背景となる自然観. 3-1.ブリュニエの手法. セントラルパーク(1857-)の設計者、フレデリック・. 1986年、ブリュニエは OMA に正式に参加し、彼自. ロウ・オルムステッド(Frederick Law Olmsted, 1822-1903)は. 身の製作活動をスタートさせた。ここでは、彼の作品. 急激な都市化がすすむ猥雑な環境から「遠ざかる」ため. にみられる特徴的な 2つの手法を把握する。. の「簡素にして広い、清潔な芝生のオープン・スペー. [植物の虚構性の強調]. ス」として公園を捉えていた 。彼は民主主義の立場に. ブリュニエは主にフォトモンタージュの上にペイン. のっとり、社会的に弱者とされる人々を救済する静穏. トを施すことによって自身の作品を表現していた。ペ. で清潔な場所を都市の内部に設けることが必要である. イントの対象は様々なものに及び、またその作業が実. と主張した。. 際の庭園にも施されている。. ※2. そのため、公園の意義は都市との差異に求められる。. ロッテルダムの《Museumpark》は、4つのゾーンに. セントラルパークにおいて、樹木が周縁に密集して植え. 分節されている。そのうち、入口となるゾーンでは、. られたのは 「敷地周辺が、高い建物で囲まれることを考. リンゴの樹の幹が白く塗られ、地面に敷かれた白砂利. 慮し、緑の障壁でホライズンを確立し、いなかの風景の. とともに真っ白にハレーションを起こす(図 1)。さら. 無限性を周辺樹林帯によって構成」 するためであり、. に、基壇のように持ち上げられた 2つ目のゾーンには、. 公園を横断する道路を立体交差によって隠すのも、公園. 蛍光の黄色に塗られたヤナギが真黒な地面とのコント. 内の環境を維持するためであったと考えられる。. ラストを強めている。ヌーヴェルと協働した 《Autoroutes. ※3. この様に、オルムステッドは都市との差異を強調. du Sud》 では、料金所の前後約4kmにわたって道路脇が 31-1.

(2) 図1 《Museumpark》,入口のゾーン. 図2 《Autoroutes du Sud》. 図3 《Saint-James Hotel》のエントランス. クライン・ブルー に塗りつぶされ、高速道路を走る車. 最優秀となり、コールハースは次選、ヌーヴェルは入. に突然の色彩の目印を提供する事が提案された(図2)。. 選をはたした。当時、ブリュニエはエコール・ド・ペ. ※7. ペイントを施すことは、植物などを自然本来の姿とし. イサージュ(École du paysage)の学生であったが、アシス. てではなく、操作可能な対象としてブリュニエがみてい. タントとしてコールハースのチームに参加していた。. たことを示している。つまり、人工環境内における植物. ダーティ・リアル・アーキテクトの応募案を分析す. の虚構性を認め、それを強調していると考えられる。. ると、ブリュニエと共通する手法、すなわち[植物の. [異質な人工物の混入]. 虚構性の強調]と[異質な人工物の混入]がみられる(図. ブリュニエの提案には、通常ランドスケープ・デザ. 。したがって、彼らとブリュニエは、ある程度共. ※11. 4,5). インには用いられないような異質な材料が用いられ. 通した自然観を持っており、一方でブリュニエにもダー. る。《Museumpark》の 2つ目のゾーンは基壇のように. ティ・リアリズムの傾向があったと推測される。. 持ち上げられているが、その 1つ目のゾーン側の断面. 3-3.同一的自然観. には歪曲した鏡が貼られ、先述したハレーション効果. フレデリック・ジェイムソン(Fredric Jameson, 1934-)は、. をさらに強めている(図 1奥)。基壇の床は土木工事で用. ダーティ・リアリズムの傾向を最初に示した文学とし. いられるようなタールマカダムの真黒なアスファルト. て 19世紀末の自然主義文学を挙げ、その時代には確固. が用いられた。また、《Saint-James Hotel》のエントラ. たる階級間の差異があり、それによって全体性が維持. ンスに敷き詰められたのは、破砕レンガである(図 3)。. されていたこと、しかしダーティ・リアリズムの特徴. 《Autoroutes du Sud》では、岩や灌木、ガラスなど様々. を引き継ぐサイバーパンクとの比較を通してポストモ. なものに金網が覆いかぶさっている。. ダンにおける社会では、階級間における「他者という. 3-2.ダーティ・リアリズム. カテゴリー」が弱体化し、「いまや暗黒の下層社会と高. リアンヌ・ルフェーブル(Liane Lefaivre)は、多くの現代. 級コンドミニアムやロフトの上層社会のあいだにも循. 建築家の作品を論じる際、雑誌『グランタ』においてそ. 環や再循環が可能となった」ことを指摘している※12。. の編集者ビル・ブフォード(Bill Buford, 1954-)が反寓話主. つまり、ポストモダンにおける社会では、高位なもの. 義的で批判的姿勢を示す作家 を表現した「ダーティ・. と低位なものとが相互に置換可能であると言える。. ※8. リアリズム」という言葉を採用した。さらに、ルフェー. この社会的特徴は、自然と人工の価値の差異に根拠. ブルはそうした傾向のある建築家(ダーティ・リアル・アーキ. をおく対立的自然観にも重大な影響を及ぼすと考えら. テクト)を 「産業跡地」や「荒廃したシティセンタ」から学. れる。つまり、植物に伝統的に与えられてきた自然と. ぶ「コンテクスチュアリストの新世代」と位置づけてい る※ 9。つまりダーティ・リアル・アーキテクトは、都 市を美しく清潔な場所と限定する逃避的な姿勢に批判 的である。彼らにとって都市とは、映画『ブレードラ ンナー』(1982)のように、醜悪な現実を含むがゆえに 魅力的な場所となるのだと考えられる。 ルフェーブルはダーティ・リアル・アーキテクトと してバナード・チュミ(Bernard Tschumi, 1944-)や、ブリュ ニエと協働したコールハース、ヌーヴェルなどを挙げ ている※10。ラ・ヴィレット公園コンペでは、チュミが. 図4 異質な工業生産物(ヌーヴェル). 31-2. 図5 植物の虚構性の強調(チュミ).

(3) いう高位な地位は、ポストモダンにおける社会では絶 対的なものではないと認識される可能性がある。 ブリュニエらの手法には、こうした背景が反映され ていると考えられる。ブリュニエらは植物を擬似的な 自然として扱うのではなく、その虚構性を強調し、ペ. 図6 《Melun-Sénart》の夏(左)と冬(右)の模型写真. イントなどの操作が可能な「表現のための対象物に貶. よる研究 に詳しい。ここで池上はメッセージが異化. める」のであり、混入された異質な人工物とそうした. し美的機能を獲得する条件について考察しているが、. 植物はデザインの上で全て等価なオブジェクトと捉え. 岡田らはこれを①対象変歪:異種コードの対立による. られる。つまり、植物と人工物は排他的な他者ではな. 重層的意味作用(曖昧さ)の発現、②コンテクスト変歪:. く、むしろ同一者であり、したがって自然と人工とい. 異種コードの対立による緊張関係の発現、の 2つの方. う分類法は意味をなさない。. 法に整理している※17。. ※16. 以上より、ブリュニエは自然と人工という分類を解. 4-2 対象変歪による異化作用 前章で述べたように、ブリュニエはペイントと人工. 消し、植物と人工物とを同一に扱う自然観(以下、同一的. 物の混入という 2つの手法を用いていた。以下では、. 自然観)を持っていたと考えられる。. 2つの手法が引き起こす異化作用を指摘する。. 既に述べたように、同一的自然観はダーティ・リア ル・アーキテクトらも共有していたと考えられる。. (a)ペイントによる異化作用. 一方で、コールハースがインタビューに答えたところ. 本来自然のものと捉えられる植物に、人工生産物で. によると、入所当時よりブリュニエは旧来のランドス. ある塗料を塗ることは、「重層的意味作用」を引き起こ. ケープに対し批判的であったこと、彼のラ・ヴィレッ. す。つまり、形態は植物であるが、ペイントされるこ. ト案にブリュニエが少なくない影響を及ぼしたこと、. とでディテールが消去され、本来の自然というアイデ. ラ・ヴィレット公園コンペの時点でブリュニエの自然. ンティティが希薄になるのである。. との関わり方が攻撃的で自然を冒涜し貶めようとす. (b)人工物の混入による異化作用. るかのごとくであったことを語っている※13。したがっ. ブリュニエは同一的自然観に基づき、ランドスケー. て、ブリュニエの同一的自然観はダーティ・リアル・. プの中に異質な人工物を混入する。このとき、植物と. アーキテクトらの影響というよりも彼の潜在的なもの. 人工物は全て等価なオブジェクトとして扱われる。見. だと考えられる。. る者にとって、この異種混在した状態は自然の風景. 4.ブリュニエと異化. であり人工的風景でもあるという点で重層的意味をも. 4-1.異化について. ち、どちらともいえない曖昧な風景として認識される。. ルフェーブルによれば、ダーティ・リアリストは. 両項に共通するのは、対象が自然と人工の 2つのコー. 「異化」という手段によって「現実を批判する」。異化. ドを持ち、その対立によって重層的意味を持つ結果、. とは文学理論家ヴィクトール・シクロフスキー(Viktor. 曖昧なものとして認識される点である。したがって、. Shklovsky, 1893-1984)によって提示された批判的文学作品. ブリュニエの 2つの手法が引き起こす異化作用とは①. の方法論である。それは、「一般認識の知られざる側. 対象変歪に共通するものだと考えられる。. 面をあからさまにすることで、その認識にセンセー. 4-3 コンテクスト変歪による異化作用. ションをあたえること」であり、その結果「ありきたり. 次に、植物が時間の経過によって姿を変える変様に着. の状態を新しい方法で気づかせることによって『意識. 目し、ブリュニエの作品にみられる②コンテクスト変歪. を刺激する』はたらき」を起こすといった批判的方法で. による異化作用を指摘する。 ブリュニエの作品には時間というパラメータが参. あった。. ※14. ルフェーブルは、文学と同様に建築もこの異化に. 入している。例えば《Melun-Sénart》では森(Grove)がデ. よって「現実を批判する際の手段となり得る」と主張す. ザインの対象となったが、2つの森の模型は、ブリュ. る。その方法とは「鎖状フェンス、堆積した産業廃棄. ニエが落葉による夏と冬のヴォリュームの変化に着. 物、駐車場、ガレージ、同じ顔つきの高層ビルなど周. 目していたことを示している(図 6)。また《Saint-James. 辺環境のエレメントを寄せ集め、その世界に同化して. Hotel》は、入口の両脇に立つ柿の木、コトネアスター. しまう」といったものである。. やピラカンサの赤い実、カボチャにくわえ、破砕レン. ※15. 一方、記号学における「言語の異化作用」は、池上に 31-3. ガ、池の鯉、霧といった無数の「点」の集積から成り立っ.

(4) ている。しかし、それらの点は同時に与えられるので はなく、その変様によってそれぞれが時間差を持ちな がら景観を形成している(図 3)。 実際にブリュニエが用いた植物をみると、一年を通 した変化が周到に計算されていることがわかる。ま た、ブリュニエは花、果実、葉を部分的に抽出したド ローイングを多用している(図 7)。花、果実、葉は開花、. 図7 《Tours》,花,果実,葉の部分的なドローイング. 結実、落葉という具合に植物の変様を強く表す部分で. る要素をオブジェクトとして扱う。それは、群ではな. ある。したがって、ブリュニエにとってこれらが示す. く個としての植物への着目である。したがって、屋上. 植物の変様は、デザインの上で重要な位置にあったと. 庭園のように建築物に自然の場所をもうけるという視. 考えられる。. 点ではなく、自然の無限性に反して植物を断片化し、. 植物の変様は我々が日常的に目にする現象である。. 建築のプログラム上の操作可能な一因子として他の. しかしブリュニエの庭園において、このような花、果. 因子と等価に扱うことができる。しかし、植物の因子. 実、葉といった「生きた点」は、前節でみた非日常的な. を他の因子と同質として同化するのではなく、変様に. 異化された植物や風景の中で生み出される。したがっ. よる生きた因子として異化し建築に取り込むことが重. て、植物の変様という現実的コードと異化された植物. 要である。ヌーヴェルやドミニク・ペロー(Dominique. や風景という逸脱したコンテクストの非現実的コード. Perrault, 1953-)も植物を生きた因子として捉える視点に. の対立が緊張関係を引き起こし、その結果、植物が生. 着目しているが、そこでは、植物の変様が建築に時間. きていることを見る者に再度認識させると考えられ. 軸の変化を与え、さらには「建築の構成を変化させて. る。例えば《Autoroutes du Sud》で金網によって絡みと. いく」可能性が示唆されている※ 18。. られた種々多様な材料の中にはザイフリボクの木が含. 近年では建築物の緑化の観点から、人工環境内の植. まれており、初春には小さな真白い花が、クライン・. 物に関する理解が深まりつつあるが、こうした知識や. ブルーの一面のキャンバスの中に浮かび上がるのであ. 技術を、自然の象徴=緑へと記号化するのではなく、. る。これは②コンテクスト変歪による異化と共通する. 植物の本質的特徴=変様へと結びつけることで、建築. 作用であると言える。. に日々の変化をもたらすことができるように思う。. このようにして、ブリュニエは見る者の認識を植物と その外部にではなく、植物自身の内部へと向かわせるの である。つまり、①対象変歪による異化作用によって、 植物が持つ自然の記号としての役割を曖昧化し、②コン テクスト変歪によって、生きているという自律的で本質 的特性を 「新しい方法で気づかせる」 のだと考えられる。 5.結 以上より、本研究では次の 2点を結論とする。 1)ブリュニエには[植物の虚構性の強調]と[異質 な人工物の混入]という2つの特徴的手法がみら れるが、これは自然−人工の対立を解消した同一 的自然観に基づくものであり、ポストモダンの社 会的特徴が反映されている。 2)ブリュニエの2つの手法は①対象変歪による異化 作用によって植物や風景を曖昧化し、さらに植物 の変様が引き起こす②コンテクスト変歪による異 化作用によって、植物が生きていることを見る者 に再認識させる。 ブリュニエの示した同一的自然観は、植物を擬似的 な自然として人工物と対立させるのではなく、あらゆ 31-4. [註釈] ※ 1. ブリュニエの展覧会は 1996 年にボルドーの arc en réve centre d architecture で 催され,併せて参考文献(1)が出版された.※2.参考文献(6)より.※3.参考文献(10)より.※ 4. 参考文献 (10) より , 内山は 1975 年当時までオルムステッドのコンセプトからほとん ど進歩が見られないと述べている . ※ 5. 参考文献 (11) より , 小池はセントラルパーク以 来造園が人工的「構築の象徴の裏返し」として「都市を写す『鏡』であり続けた」と述べて フランス画家) いる.※6.参考文献(8)より.※7.Klein BlueとはYves Klein(1928-1962, の開発した染料である.※8.ブフォードはそうした作家として,レイモンド・カーヴァー , ジェイン・アン・フィリップス , トビアス・ウォルフを挙げている . 彼らは 20 世紀後期 の日常生活の「下腹」と呼ぶ汚れた現実を描き出そうとしている . ※ 9. ルフェーブルは コンテクスチュアリズムの起因として 1960 年代にロバート・ヴェンチューリ , デニス・ スコット・ブラウン , スティーブン・イゼノーによって『Learning from LasVegas』が出 版されたことを指摘している . ※ 10. その他にもナイジェル・コーツ , ハンス・コルホッ フ , ラウリッズ・オートナー , カーレル・ウェーバー , シー・クリスティアンス , ザハ・ ハディド , 西欧以外では , フランク・ゲーリー , ラース・レラップ , モルフォシスを挙げ ている . ※ 11. 例えば ,[植物の虚構性の強調]チュミの樹木は幾何学的ラインをもつ 6 つの並木であるが , アンソニー・ヴィドラーはそれをあらゆる意味とも結びつかない 「うつろな記号」であると指摘する . つまり樹木は主な空間を定義づけることに専念す る「点」である .[異質な人工物の混入]チュミの真っ赤なフォリー , コールハースのモン ドリアンカラーの施設 , ヌーヴェルの工業生産物 , これらは断片化され , 離散的に配置さ れる . ※ 12. 参考文献 (3) より . ※ 13. 参考文献 (1) より . ※ 14. 参考文献 (2) より . ※ 15. 参 考文献(2)より.※16.参考文献(12).※17.参考文献(13)より.コードとはメッセージの「伝 達において用いられる記号とその意味 , および記号の結合の仕方についての規定」. ※ 18. ヌーヴェルに関しては参考文献 (9) に掲載されている『ルイジアナ・マニフェスト』 を参照されたい . 引用は参考文献 (7) よりペローの発言 . [参考文献] (1)Yves Brunier -landscape architecture paysagiste-:M.Jacques,Birkhauser,1996 (2)Liane Lefaivre:Dirty Realism in Europian Architecture Today,Design Book Review no.17,1989  (邦題:ヨーロッパ現代建築のダーティ・リアリズム,岡田哲史 = 訳,10+1 no.1, INAX 出版,1994) (3)Fredric Jameson:Demographies of the Anonymous,Anyone,NTT 出版,1997  (邦題:匿名者たちのデモグラフィ,後藤和彦 = 訳) (4) 槻橋修:観測者のランドスケープ,10+1 no.9,INAX 出版,1997 (5) 片木篤:フレデリック・ロウ・オルムステッドと辺境の変容,10+1 no.1,INAX出版,1994 (6) 水口憲人:都市の位相 (3) Ⅱ . 都市と自然,立命館法学 no.4,2005 (7) 松田逹:転移する自然 ドミニク・ペローにおける自然,ランドスケープ批評宣言, INAX 出版,2002 (8) 磯崎新:なぜ日本勢は振わなかったのか,建築文化 1983 年 6 月号,1983 (9)a+u 2006 年 4 月臨時増刊,エーアンドユー,2006 (10) 内山正雄:近代都市公園の発生と展開に関する研究ーニューヨーク・セントラル・ パークのデザインについてー,造園雑誌 40 巻 1 号,1976 (11) 小池孝幸:ラ・ヴィレット公園,建築文化 2000 年 11 月号,彰国社,2000 (12) 池上嘉彦:記号論への招待,岩波新書 258,岩波書店,1984 (13) 岡田昌彰・アンドレアヤニッキー・中村良夫:異化概念によるテクノスケープの 解釈に関する研究,平成 9 年度 日本造園学会研究発表論文集,社団法人日本造園 学会,1997.

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