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平成24年度 土木学会北海道支部 論文報告集 第69号

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Academic year: 2022

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(1)

橋脚・橋台を模したコンクリート供試体における塩害に関する実験的検討

Experiments on Chloride Induced Deterioration in Concrete Specimen Modelled like Piers and Abutments in Bridges

苫小牧工業高等専門学校 環境都市工学科 ○学生員 藤川篤司 (Atsushi Fujikawa) 苫小牧工業高等専門学校 環境都市工学科 正 員 渡辺暁央 (Akio Watanabe) 苫小牧工業高等専門学校 環境都市工学科 正 員 廣川一巳 (Kazumi Hirokawa)

1.はじめに

本研究は、凍結防止剤によるコンクリートの塩害劣化 に関する研究である。積雪地域では冬期に凍結防止剤が 散布されることにより塩害が発生する。塩害は凍結防止 剤が飛散する箇所あるいは、凍結防止剤を含む路面排水 が、橋脚や橋台の壁面に流出(漏水)する局所的範囲に限 られる。そのため、鉄筋コンクリート構造物の局所的範 囲のみ劣化するため、維持管理の効率が良くない。また、

塩分が供給されている範囲より外側において劣化の進行 が速く、問題視されている。これは、塩分供給範囲の境 界において、コンクリート中の塩分濃度差によるマクロ セル腐食に伴う劣化であると考えられている。しかし、

著者らも、塩分供給側から乾燥側への毛管現象による塩 分移動原因の1つと考えている。すなわち、凍結防止剤 の塩害では、深さ方向の一次元の塩分拡散のみでなく、

二次元の拡散を考慮する必要性があると思われる。

本研究では、橋脚・橋台の凍結防止剤による塩害を模 擬するため、供試体の一部に塩水を定期的に供給させる 実験を行った。塩分の供給範囲の境界における塩化物イ オンの浸透状況を把握し、二次元的な塩分拡散の状況を 把握することを目的とする。

2.実験概要

寸法が高さ 600mm×幅 400mm×厚さ 120mm で、

W/C=55%のコンクリート供試体を打設した。配合を表

1に示す。打設後1週間の湿潤養生を行った後、3ヶ 月間、屋外にシートを覆って放置した。図‐1 に示すよ うに、供試体の型枠脱型面(600mm×400mm の面)の半

分に濃度 3.5%の塩水を流下させる装置を作製した。塩

水の流下頻度は、1 日の塩水流下と 6 日間の放置(室内 での自然乾燥)を繰り返すものとする。

塩水流下実験開始後は、塩水流下停止後に外観観察を 実施するとともに、塩水流下の境界付近での数ヵ所にお いて、JSCE-G 573-2003に従いφ20mm のドリルを使用 して、深さ 0-20mm、20-40mm、40-60mm、60-80mm で 粉末試料を採取し、JIS A 1154に従い塩化物イオン電極 を用いた電位差滴定法による塩分濃度試験を実施した。

なお、塩分浸透の経時変化を比較するために、1 か月お よび3ヶ月での2回の試料採取を行った。採取位置は垂 直方向の位置を変化させず、水平方向の位置を供試体の 下部の方から順に変化させて削孔した。また、削孔後は 補修を行い、削孔を通じて塩分が浸透しないようにした。

表‐1 配合 単位量(kg/m^3)

セメント 水 細骨材 粗骨材 AE減水剤

250 138 817 1189 2.5

W/C (%) s/a (%) スランプ (cm) 空気量(%)

55 41 8 5

図‐1 実験装置概要

3.結果および考察

写真‐1は、塩水流下実験開始から1ヵ月および3ヵ 月経過し塩水流下の停止後、塩水流下境界付近の外観を 示したものである。1 ヵ月間の塩水流下後には、境界線 (点線)より乾燥側に塩水が浸透し濡れていることが分か る。また、濡れている部分と乾燥部分との境界線上に白 華現象が確認された。塩水流下によって生じた濡れの範 囲は、1ヵ月のものより3ヵ月塩水流下を行ったものの 方が、2 倍以上外側(乾燥側)に拡大し、それに伴い白華 現象も移動した。

(a) 1ヵ月後 (b) 3ヵ月後 写真‐1 塩水流下境界付近の外観 600mm

400mm 塩 水 流 下

ポンプアップ

塩水流下

塩水流下

↓ 塩水流下境界

塩水流下境界

平成24年度 土木学会北海道支部 論文報告集 第69号

E-26

(2)

図‐2は、塩水流下による塩化物イオン濃度浸透実験 の結果を示したものである。塩水流下を繰り返すことに より、0-20mmの範囲内で塩化物イオンが蓄積されて いることが確認される。塩水流下境界内側と塩水流下部 においては塩化物イオンの浸透量はほぼ変わらない。ま た、深さ20mmより深いところにおいては、ほとんど塩 化物イオンは浸透していないことが分かる。一方、塩水 流下境界外側においては、20mmより深いところでも浸 透量は多く、1ヵ月よりも3ヵ月の方が浸透量が多いこと が顕著に表れている。鋼材の腐食は、外部から内部コン クリート中へ塩化物イオンの浸透が発生する場合、単位 体積当たり1.2-2.4㎏/m3程度から、鋼材の腐食が始まる とされている。塩水流下境界外側では、40-60mmの範 囲で1.2㎏/m3を超えており、かぶりがその範囲で設計さ れた構造物は、3ヶ月の塩水流下のサイクルで、鋼材の 腐食が深度に達し構造物に影響を与える可能性がある。

また、表層(0-20mm)付近でのデータは、浸透量が非常 に多くなっている。この要因として考えられることは、

本実験で試料の採取を行う際に、写真‐1にある白華現 象によって生成された白華を除去しなかったため、つま り、単に供試体表面に付着した塩分が多く、試料採取の 際にこの塩分が混入したことが原因と判断される。

これらのことから、塩水が流出している範囲内では塩 化物イオンの浸透量はほとんど変化せず、塩水流下境界 外側のみ多く浸透しているので、凍結防止剤を含む水が 流出(漏水)した場合でも同様の結果が得られると予想さ れる。しかし、実際の橋脚や橋台では夏期に雨水が流出 している。この現象によりコンクリート構造物の表面に 付着している塩分や、含有されている塩分を溶出させる 効果があるかどうかを調査し、塩化物イオンの浸透状況 がどのようになっているかを検討する必要があると考え る。

4.まとめ

(1) 塩水を流下させた場合、1回の流下後からすぐに白 華現象は見られた。その後も濡れの範囲は徐々に拡大し ていき、白華現象もそれに伴い外側(乾燥側)に移動した。

白華そのものも幅広く、厚みのあるものへと変化してい た。

(2) 塩水流下による塩化物イオンの浸透量は、塩水流 下部と塩水流下境界内側ではほぼ同じであった。一方、

塩水流下境界外側では白華が発生している表面の部分だ けでなく、20mm-40mm の深さでも塩化物イオンが多 く浸透していることが確認された。

[参考文献]

1) 青山實伸:現場技術者のための塩害対策ノート、

pp.20、2012

2) 渡辺暁央、小保田剛規、河野成弘:凍結防止剤によ る下部工の塩化物イオンの浸透性に関する考察、コ ンクリート工学年次論文集、Vol.30、No.1、pp.741- 746、2008

◎:試料採取位置 (a)塩水流下境界外側 (b)塩水流下境界内側

(c)塩水流下部

図-2 塩化物イオン濃度試験結果 塩水流下

↑ (c)

○←(b) (a)→○

白華現象→

平成24年度 土木学会北海道支部 論文報告集 第69号

参照

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[r]

Establishing Deterioration Models for Local Roads in Australia, Transportation Research Record, No. 6) Brad, H.J., and Michael, J.D.: Geographic Information Systems