地盤改良体 地盤改良体 地盤改良体
地盤改良体を を を を利用 利用 利用 利用した した した した
EBEBEBEBアンカー アンカー アンカー アンカーの の の の設計 設計 設計 設計と と と と施工 施工 施工 施工について について について について( ( (その ( その その2 その 2 2) 2 ) ) )
鉄建建設 正会員 ○西村 知晃 JR東日本 正会員 桑原 清 パシフィックコンサルタンツ 正会員 松枝 修平
鉄建建設 正会員 神野 雄三
1 1 1
1....はじめにはじめにはじめにはじめに
汐留地区の再開発事業に伴い、在来線 6 線(京浜 東北上下線、山の手線内・外廻り線、東海道上下線)
及び新幹線上下線(高架橋構造)下を横断する区街 4 号線が計画されており、筆者らは、JR 東日本部分の 線路下横断工(JES 函体)およびその施工のために必 要となる立坑の設計および施工を行っている。
図 1 に仮設計画の全体図を示す。JR 東海側立坑掘 削の工程との関係から、発進立坑坑口側の山留め壁 の支保形式は 1、2 段をタイロッド、3、4 段を EB ア ンカーで計画した。EBアンカーとは地中に球根状 に定着体を膨らませ周面の摩擦力で引張力に抵抗す る拡孔型アンカーで、比較的軟弱な地盤(N 値 10 程 度)にも定着可能なものである。しかし今回の地盤 は N 値 0 の超軟弱地盤であることから、必要な引抜 抵抗力が得られないことが想定されたため、地盤改 良体(コラム)を造成しEBアンカーの球根状定着 部を改良体に引掛ける(定着する)ことで引張抵抗 力を確保することとした。
ただ、上述のようなアンカー形式の事例は非常に 稀であることから、設計上必要な引張力(支保工反 力)を確保できるか施工箇所近傍において施工実験 を行い、その後本施工を行った。試験施工結果につ いては(その1)で述べ、ここでは本施工の結果に ついて報告する。
2 2 2
2....EBEBEBEB アンカーアンカーアンカーのアンカーのの設計の設計設計設計
下記に挙げる改良体の配置の制約条件から、図 1 のように改良体は立坑掘削による緩み範囲内に位置 しており、EBアンカーの改良体は底面の摩擦力の みで支保工反力に抵抗するように設計を行った。
① JES函体の推進のために改良体を函体内に 収める必要がある。
② EBアンカーの設置角度を基本的に 5°以上と
キーワード グラウンドアンカー,EB アンカー,山留め壁,地盤改良
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1、2段目:タイロッド 3、4段目:EBアンカー
(a) (a) (a)(a)断面図断面図断面図断面図
11m
発進立
坑
到達立
坑
発進立坑
到達立
坑
12m 27m
浜松町方
新橋方 30m
(b) (b) (b)(b)平面図平面図平面図平面図 図図図
図1 1 1 1 仮設全体図仮設全体図仮設全体図仮設全体図
(水平方向の力のつり合い)
Pd=1/Fs・Wtanφ≧R 改良体
Pd W
Wtanφ EBアンカー
Pd:設計引張力 R:支保工反力 W:改良体の重量 φ:砂の内部摩擦角 Fs:安全率(=1.3)
図図
図図2222 EB EB EB EBアンカーアンカーのアンカーアンカーののの設計設計設計(設計((模式図(模式図模式図)模式図)) )
設計 アンカー力
許容 アンカー力
Fs=1.3
極限 アンカー力
Fs=1.0 3段目アンカー 227 kN 240 kN 312 kN 4段目アンカー 124 kN 157 kN 204 kN
表 表 表
表1 1 1 1 改良体改良体の改良体改良体のの安定の安定安定から安定からから求から求求まる求まるまる設計まる設計設計アンカー設計アンカーアンカー力アンカー力力力
3-423 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)
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する。
設計アンカー力の算出結果を、表 1 に示す。
3 3 3
3....EBEBEBEB アンカーアンカーアンカーのアンカーのの本の本本本施工施工施工施工ののの結果の結果結果および結果およびおよびおよび考察考察考察考察
(1)計測結果
図 3 に本施工での計測器の配置を示す。図 4、図 5 に計測結果を示す。図 5 は、最浅部を不動点として 整理した結果である。
図 4 に示すように、EB アンカーに作用した軸力は、
初期プレロードを設計最大反力の 80%~100%作用さ せたこともあり、掘削に伴い設計反力を上回る軸力 値を示した。一方、図 5 に示すように、地盤改良体 には大きな変位は見られず安定していた。また、仮 土留め壁にも大きな変状が発生せずに掘削を完了し た。
(2)考察
改良体に発生した変位は、改良体の水平支持力算 出に用いた底面の地盤せん断ばねのみを考慮した場 合に求まる計算変位量 5mm~7mm に比べて、小さい値 を示した。また、回転変位も生じているが、改良体
には水平方向地盤ばねが有効に作用していて、アン カー体定着位置が鉛直方向で偏芯していることによ る影響と考えられる。水平方向地盤ばねを全面有効 として、改良体底面のせん断ばね値との算術和で計 算した地盤ばね値に対して求められる変位量は、
1.6mm~2.5mm となり、概ね計測値に一致した。
4 44
4....おわりにおわりにおわりにおわりに
本書では、EB アンカーのアンカー体定着部に地盤 改良体を造成してアンカーの引張力に抵抗するよう に計画・設計された仮土留め工の施工結果について 報告した。
今後、一般的なアンカー体が定着できないような 軟弱な地盤や、都市部における狭隘地等におけるグ ラウンドアンカー工法採用において、今回の形式に よる方法も有効と考える。
図図
図図4444 アンカーアンカーアンカーアンカー軸力結果軸力結果軸力結果軸力結果
図図
図図5555 改良体変位結果改良体変位結果改良体変位結果改良体変位結果(((掘削完了時(掘削完了時掘削完了時)掘削完了時)) ) 4段目用改良体変位
0 1 2 3 4 5 6 7 8
-1 0 1 2 3
変位量(mm)
深度(m)
新橋方 4段目 浜松町方 4段目 3段目用改良体変位
0 1 2 3 4 5 6 7 8
-1 0 1 2 3
変位量(mm)
深度(m)
新橋方 3段目 浜松町方 3段目
アンカー頭部軸力
0 50 100 150 200 250 300
2005/8/23 2005/8/30 2005/9/6 2005/9/13 2005/9/20 2005/9/27
軸力 (kN)
浜松町方 3段目 浜松町方 4段目 新橋方 3段目 新橋方 4段目
3次掘削
最終掘削 赤:設計
変位方向
変位方向 アンカー頭部
軸力計測
改良体 変位計測
図 図図
図33 33 計測位置図計測位置図 計測位置図計測位置図 (b)(b)
(b)(b)断面図断面図断面図断面図
浜松町方 新橋方
発進立坑
(a) (a)(a) (a)平面図平面図平面図平面図
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