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ケアハウス居住者の体操教室への参加・継続要因 Factors related to participation in an exercise

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Academic year: 2022

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【課程内】

博士(人間科学)学位論文 概要書

ケアハウス居住者の体操教室への参加・継続要因 Factors related to participation in an exercise

program for care house residents

2008年 7月

早稲田大学大学院 人間科学研究科 トンプソン 雅子

Thompson Masako

研究指導教員: 中村 好男 教授

(2)

わが国の高齢化率のスピードは, 世界でも類を見ないほどめざましく, 高齢社会の多様な 課題に最も適した施策が早急に求められている. 高齢者の健康寿命の延伸や生活の質

(QOL)の向上が大きな課題であり, 高齢者の生きがいと健康づくりを推進するための組織づ くりや, 高齢者の社会活動を推進するための施策が必要とされている.

高齢者の身体活動維持・増進の効果検証について多くの研究がなされ, その重要性が示 されてきたが, 今後の課題として予想されるのは, 近年の高齢者の転居などによる環境の変 化と高齢者の健康との関連が挙げられる. 従来高齢期は家族と同居し, 介護は家族から受け ることが当たり前の家族形態から, 近年の少子高齢社会の影響から家族形態も変化しつつあ り, 高齢期を社会福祉制度等の援助を受けながら暮らす独居の高齢者が増加している. 65 歳 以上のひとり暮らし高齢者は, 2006 年は全国で 410 万人である. そして近未来において, 団 塊の世代の定年退職を契機として, 高齢期の安定した生活を求めて, 医療・福祉サービスの 高い水準の自治体への居住移動が予想されるが, 医療・福祉サービスと連携した老人ホーム への転居移動者の増加も予想される. そして, 転居による環境の変化は, 高齢者の身体活動 にも大きな影響を及ぼす.

今後団塊の世代による高齢者が増加し本格的な高齢社会の到来を背景として, 高齢者の 自立した生活の確保を前提とし, ケアにも配慮した高齢者居住施設の利用者が増す事が予 想される. 高齢者居住施設へ転居するきっかけは, 心身の衰えを感じ将来への自立した生 活への不安を抱える者や身寄りのない者が多いため, 高齢施設に居住する高齢者の生きが いや健康づくりも介護予防の施策として重要な課題と考える.

高齢者の社会参加の一環として, 身体活動増進のための運動教室や転倒予防教室など介 護予防に向けた事業が行なわれ、その効果が多くの先行研究で報告されている. しかし運動 教室などに参加した者の身体的・精神的な効果が報告されているが, それらの対象者は自ら の健康への意識が高く, 従って身体活動増進にも積極的な者が多い. しかし、本来の介護予 防の身体活動促進のターゲット層である不活動である者は参加しない場合が多いと推測され,

(3)

真の意味での介護予防の施策が対象の高齢者に反映されない事が考えられる. 先行研究は, 高齢者の社会参加に関しての参加促進・阻害要因の検討を, 環境要因・施設要因を踏まえて 検討する必要性を述べている.

そこで, 先行研究から高齢者の身体活動の増進または身体機能の改善を目的に実施され た運動教室で得られた知見, また高齢者の生きがいづくりとしての運動教室をはじめとする社 会活動への参加・不参加の要因を検討した. そして今後利用者の増加が予想される高齢者 居住施設の環境・組織要因と居住者の身体状況および活動について介護予防と高齢者居住 施設の視点から, それらの課題に関する先行研究を挙げて現状を把握し問題点を明らかに することを企図した.

本研究は, 虚弱高齢者(自立者, 要支援, 要介護 1~2)が居住する高齢者居住施設(ケア ハウス)の環境要因・組織要因を基に, 居住者の介護予防の身体活動増進を目的に体操プロ グラムの開発を行い, 体操教室への参加促進・阻害要因の検討および継続的参加の身体 的・精神的効果について検討した.

結果は, 体操教室への参加促進要因はプログラムの内容が関与し, 虚弱高齢者にとって は運動強度の低い楽なプログラムが好まれること, そして参加を阻害する要因は身体活動レ ベルが低いこと, そして居住者間の人間関係の悪化が明らかとなった. その他に居住年数が 長くなると, 活動に参加しなくなる傾向がみられた. 今後居住者の社会活動の参加・不参加の 要因を考慮し, 高齢者の身体活動推進のための施策を検討することが重要であると考える.

介護予防の施策として, 高齢者の環境要因を考慮した社会参加しやすい教室の雰囲気づ くりなどの再検討が必要であり、身体状況を考慮したプログラム内容の検討が重要と思われる.

そして参加を阻害する要因は, 居住年数が長くなると活動へ参加しなくなる傾向があり、参加 したくなるような魅力あるプログラムの構築の必要性と, 参加者の人間関係に対しては体操教 室を運営するにあたり, 指導者と居住者間の交流の場を持ち運営上の意見交換等をすること が必要と思われる.

参照

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