• 検索結果がありません。

岡 山 醫 學 會 雜 誌

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "岡 山 醫 學 會 雜 誌"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)岡 山 醫 學 會 雜 誌 第69巻2号(第736号) 昭 和32年2月28日. 発 行. 616‑006.. 癌. の. 多. 糖. 類. に. 関. す. る. 6‑07:. 研. 616.. 15‑078. 究. 第1編 癌 組 織 多 糖 類 様 物 質 を 抗 原 とせ る 沈 降 反 応 に よる癌 診 断 法 に 関 す る 研 究 岡山大学医学部津 田外科教 室(主 任:津 田誠次教授) 小. 見. 山. 宏. 〔 昭和32年1月7日. 目. 受稿〕. 次. 第1章. 緒. 言. 第6節. 血 清 稀 釈 法 の応 用. 第2章. 実. 験. 第7節. 補 体 結 合 反応. 第1節. 癌 性 多糖 類 様 物 質 の分 離 法. 第8節. 抗 原 分 離 に関 す る種 々 の試 み. 第2節. 反 応 検 査 手 技 並 に 判定. 第9節. 皮 内 反応 及び 血 清 酸 濁 反応. 第3節. 実験成績. 第10節. 疾 病 の 時 期 と反 応 成 績 との関 係. 第4節. 抗 原 材 料別 に よる反 応 成 績. 第11節. 反応 の 陰 性化. 胎 盤 よ り分離 した 抗 原 に よ る反. 第12節. 抗 原 物 質 の化 学 的 性 状. 附. 第5節. 応成績. 第3章. 総 括 竝 に考 按. 対照実験. 第4章. 結. 論. あ るが,又 そ の一 部,い や か な りの部 分 は医 第1章. 緒. 言. 近 年 癌 の研 究 は か な り進 ん だ が,未 だ 早 期. 師に あ り, Leach及. びRobbing19)の. よ る と,癌 診 断 遅 延 の責 任 の38.6%迄. 調 査に が医師. 切 除 以外 に癌 を治 癒 せ しめ 得 る 方法 は み あ た. にあ り,し か も深 在 性 の癌 で は61.1%が. らな い.近 代 外 科 学 の 進 歩 に よつ て 身体 の 如. の診 断 遅 延 に よる とされ て い る.古. 何 な る部 位 の癌 で も根 治 的 に 切除 し 得 る様 に. 界 中の 医 学者 は癌 の治 療 改 善 に も ま して早 期. なっ たが,こ れ も早 期 診断 な く しては 全 く不. 診 断 に 力 を注 いで 来 た.そ. 可 能 で あ る.し か し 日常 我 々が 接 す る癌 患 者. 異 的 診 断 法が 研 究 され た が,未 だ 真 に特 異的. は あ ま りに もそ の 状 態が 進 行 し てい る もの が. 診 断 法 といわ れ る もの は 殆 ん ど見 当 ら な い.. 多 い,癌 の診 断 の遅 れ る責 任 は 勿 論患 者 に も. 医師. くか ら世. して 各種 の癌 の特. 此 等 の 中で 癌 の特 異 抗 原 乃 至 抗 体 の 存 在 を.

(2) 252. 小. 見. 前 提 と した 免 疫 反 応 に よ る 方 法 は 最 も古 くか. この 細 菌 多糖 類 に ヒン トを 得 て,旺 盛 な増 殖 を 営 む癌 細胞 に も特 異 性 を 有 す る多糖 類が. 降 反 応又 は過 敏 症. 検 査 等 の 方 法 が 行 わ れ て い る. Witebsky13) Lehmann‑Eacius10)等. 14),. は 補 体. 結 合反 応 を試 み た が 実 際的 価 値 は認 め られ な か つ た.過. み られ る.. つ理 論 的 に 興. 証 明 に は 補 体 結 合 反 応,沈. Hirschfeld16),. 宏. の 免 疫 学 的 特 異抗 体 の. ら 行 わ れ て い る もの で あ り,且 味 深 い も の で あ る.癌. 山. 存 在 し,こ れが 癌 診断 に 応 用 出 来 るの では な い か と考 え種 々研 究 した 結 果,癌 組 織 よ り抽 出 した 多糖 類 様 物 質 を 抗原 とす る沈 降反 応に 一 応 の 成果 をみ た .. 敏 症 検 査 も 同 様 で あ る.. 鯖2章. 次 に 先 人 の 行 つ た 癌 の 沈 降 反 応 を み る と,. 第1節. 癌 材 料 で動 物 を 免 疫 して得 た血 清 又 は 癌患 者 血 清 と癌 エ キ ス と の 間 で 行 わ れ た.此. 等 は始. め 殆 ん ど 癌 圧 搾 液 を 抗 原 と し て 使 用 し た が, 何 れ も特 異 的 反 応 と 思 わ れ る も の は 出 来 な か. 〔材. 料〕. 1)手. 術 に よ り切 除 され た新 鮮 な人癌,肉. 腫組織及び癌腹水 2). 1/10 N塩 酸. の 内 に 存在 す る下 級 な蛋 白分 解 産 物 が沈 降原. 3). 40%苛. の 性 質 を 弱 め る 事 が 失 敗 の 原 因 で あ る と 考 え,. 4)純. 純 粋 に癌 の蛋 白を 分 離 して沈 降 反 応 に 用 い一. 5). 応 は 成 功 し た が,こ. 6)ア. こ でLehmann‑Faciusは. れ も反 応 は 弱 く診 断 に 応. 用 され る 迄 に は 到 ら な か つ た.即. ち癌 細 胞 の. 蛋 白成 分 に よる沈 降 反応 に は 先 ず 充分 な期 待 は 出 来 な い.. 験. 癌 性 多糖 類 様 物 質 の分 離 法. 抗 原 材 料. つ た .そ. 実. 性 曹達. 酒精 50%三 塩化 醋酸 セ トン. 〔分 離 法〕 癌 性 多 糖 類様 物 質 の分 離 法 は ワシ ン トン大 学 のJulianelle17)が 葡 萄 球 菌 の多糖 類分 離. 次 い でForssman抗. 原 の研 究 に刺 戟 され て. 癌 の リ ポ イ ドの 研 究 が 行 わ れ,こ. の ものが 癌. 細 胞 の 免 疫 学 的 特 異 性 の 本 態 で あ る と唱 え ら れ た. Lehmann‑Facius11). 12)は 癌 リ ポ イ ドの. 或 る 分 屑 と 癌 患 者 血 清 の オ イ グ ロ ブ リ ン屑 を 合 せ て沈 降 反 応 を 行 い,特 異 的 癌 反 応 と し て 一 応 の 成 功 を み た .中 川,高 杉32)33)は これ に 追. に用 いた 方 法 に 細 谷30)の変 法 を 加味 した もの を用 いた. 1)新. 鮮 な 癌又 は肉 腫 組 織 か ら可 及 的他 の. 組 織 を 除 き秤 量後 乳 鉢 内で 細 切 磨 砕 して 組織 粥 を作 る. 2)こ 100℃. れ に10倍 量 の1/10. N塩 酸 を加 えて. の 重盪 煎 中で15分 間 加熱 し,冷 却 後遠. 加 改 良 を 行 つ て 診 断 的 価 値 の 高 い も の と した. 一 方 沈 降 反 応 は 蛋 白 ,細 菌,リ ポ イ ド等. 心 分 離 し浸 液Iを 得 る.そ の沈 渣 に3倍 量の. の 他 に 含 水 炭 素 に よつ て も行 わ れ る事が 明 ら. IIを 得 る.. か に な り,殊. に近 年細 菌の 多糖 類 の 特 異 性 の. 1/10 N塩 酸 を 加 え て前 と同様 に 操作 して浸液 3)浸. 液I, IIを 合 し, 40%苛. 性 曹達 を滴. 研 究 が 盛 ん に な つ て 来 た.既 に1897年Kraus1). 下 してpH. は 或 る種 の細 菌 の培 養 液 中 に 特 異沈 降作 用 を. 清 に更 に苛 性 曹 達 を 滴 下 して 中和 し,再 び遠. 有 す る 水 溶 性 物 質 が 存 在 す る 事 を 証 明 し た.. 心沈 澱 して上 清 を 得 る.. 1917年Cochez及. びAvery4)は. 肺 炎 菌 に 就. 4)こ. 4.8で 一 度 遠 心 沈 澱 して得 た上. の上 清 を 一 夜 氷室 に 置 き(翌 朝沈 澱. い て そ の 物 質 は 細 菌 が 最 も旺 盛 に 増 殖 す る 時. 物 が 出 来て お れ ば 遠 心沈 澱除 去),動 物膜又. に 産 生せ られ る も ので あ る事 を明 らか に して. は セ ロ フ ァンで2日 間 流 水 中 で 透析 後 約10cc. い る.そ. 迄 濃 縮 す る(次 に 加 え る純 酒精 の節 約 の為).. の 後Heidelberger及. の 研 究 に よ り,そ. びAvery5). 6)7). の物 質 は 多糖 類 で あ る こ と. が 明 ら か に な つ た.我. 国 に 於 て も黒 屋35)36),. 細 谷30)等 の 諸 種 細 菌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究 が. 5)こ. れ に1%の. 割 合 に醋 酸 曹達 を加 え,. 更 に5倍 量 の純 酒 精 を 加 え て一 夜 氷 室に置 い た後 遠 心 分離 した 沈 渣 を蒸 溜 水3ccに. 溶解.

(3) 癌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究. 253. て 生 ず る沈 澱物 を遠 心 沈 澱 除去 し て上 清 を 得. 表1 癌 性 多糖 類 様 物 質 の分 離 法. る. 7)こ. の上 清 を2日 間 流 水 中で 透 析 した 後. 濃 縮 す る. 8)こ れ に5倍 量 の ア セ トンを 加え 一 夜 氷 室 に 置 いて 後 遠 心沈 澱 し,こ の沈 渣 を 蒸溜 水 に溶 解 し,更 に ア セ トンを加 え る.此 の 操作 を. 回 反 復 し,最 後 に得 た沈 渣 を 乾燥 し秤 量. す る.こ れ が 癌 性 多糖 類 様 物 質 で あ る. 腹 水 よ り分 離 す る 場 合 に は,腹 水 を先 ず 1/10 N塩 酸 でpH. 3.5と. し, 100℃. 15分 間. 加 熱 し,冷 却 後 浸液 を得 る.そ の 後 の操 作 は 前 と同 様 で あ る.操 作 は 総 べ て 無 菌的 に行 う. 得 られ た 癌性 多糖 類 様 物 質 は通 常 極 め て微 量 で,癌 組 織 原 重量 の約 千分 の一 に相 当す る. 6)の. 三塩 化 醋酸 に よ る除 蛋 白 操作 を反 復. し精 製 す る とき は抗 原 の 反 応 性が 減 弱 す る様 で あ る.こ の操 作 を行 わ な い と きは最 終 物 質 は 原 重量 の約 百 分 の一 に 相 当す る. 得 られた 物 質 を滅 菌 生 理 的 食塩 水 に100〜 10,000倍. に 溶解 し, 0.5%の 割 合 に石 炭 酸 を. 加 えて抗 原 とす るが,こ の 溶 液 は約1ケ. 月以. 上 は使 用 に堪 えな く,反 応 性 の減 弱,偽 反 応 が 現 わ れ る様 で あ る. 第2節. 反 応 検査 手 技並 に 判定. 反 応検 査 は通 常 の沈 降 反応(重. 層法)に. よ. つ て 行 う. 〔検 査 材 料 及 び 器 具〕 1)沈. 降 原:分. 離 して 得 た 多糖 類 様 物 質. を 滅 菌生 理 的 食 塩 水 で100〜10,000倍. に溶 解. し, 0.5%の. も反 応. 割 合 に 石 炭 酸 を 加 え,最. の 現 われ や す い 倍数 の もの を使 用す る. 2)沈. 降 素:早. 朝 空 腹 時 静脈 よ り採 血 分. 離 した血 清 を原 液 の ま ゝ使 用 す る. 3)沈 0.3cm,長 4)硝. 降 反 応 用 細 小 試 験 管:内 さ約6.5cmの. 径約. もの.. 子 毛 細 管 ピペ ッ ト:血. 清用及び抗. 原 用2本. 5)成 して不 溶物 を除 く. 5)の. 操作 は数 回 反 復 す. る. 〔検 査 手技 〕. る. 6)こ. 績 判読 に は 背景 とし て黒 紙 を 使 用 す. の水 溶 液 に50%三 塩 化 醋 酸 を 滴下 し. 細 小 試 験 管 を 傾 け な が ら硝 子毛 細管 ピペ ッ.

(4) 254. 小. 見. 山. 宏. トで血 清 の少 量 を 管 壁 に 沿つ て管 底 に入 れ,. 表2. 次 に別 の ピペ ッ トに 抗 原溶 液 を と り,血 清 の. 悪 性 腫瘍 沈 降 反 応 成 績 (平 均適 中 率86.5%). 上 面 に 近 く管 壁 か ら1滴 静か に 流 して 重 層 せ しめ,抗 原 溶 液 が血 清 と劃 然 と層 を な して 重 つ た の を見 極 め た上,更. に静 か に 抗 原 溶 液 を. 血 清 と略 々同 量 に な る迄 注 加す る. 通 常 は血 清 原 液 を使 用す るが,稀 釈法 を応 用す れ ば 反 応 成 績 が一 層向 上 す る.即 ち血 清 原 液 で は 陰 性 で も稀 釈 血 清 を 使 用 す る場 合 に 陽 性 に 現 わ れ る こ とが あ る.こ の点 につ いて は 後 記 す る. 本 反 応 実 施 に 当つ ては 常 に 抗 原 及 び血 清 対 照 を 用 うる こ とは勿 論 で あ る. 〔判. 定〕. 以上 の 操作 が 終つ て 静 か に 室 温に 放 置 し, と きに は孵 卵 器 に 入 れ て両 液 の接 触 面 に 現 わ れ る変化 を 観 察 す る.通 常2乃 至5時 間 で 判 定 す るが,と. きに 翌 朝 一 層 明確 に 現 わ れ る こ. とが あ る ので,一 夜 置 い て今 一 度 判 定 す る.. に それ 以上 の陽 性 率 を 示 し た.こ れ は抗 原材. 反 応陽 性 の場 合 に は両 液 の境 界 に 白濁 の 環 を 「 生 ず る(癌 陽 性) .強 陽性 の場 合 に は30分 以. 料 とし て の癌,肉 腫,癌 腹 水 の いつ れ の場合. 内 に 白環 を 生 ず る.陰 性 の場 合 は 白 環 は生 じ. は癌 と肉腫 及 び 其他 の悪 性 腫 瘍 との 鑑別 は出. な い(癌 陰性).. 来 ない が,細 胞 増殖 の 旺盛 な組 織 を 有す る患. 第3節. に於 て も同 様 で あ る.従 つ て本 反 応 に よつて. 者 血 清 は 一様 に抗 原に 反応 す る こ とが窺 われ. 実験成績. 岡 山大 学 医 学 部 附 属 病 院 津 田 外科 に 入 院 し. る.悪 性 腫 瘍92例 中陰 性 を 示 した11例 の中10. た 癌 及 び各 種 疾 患 々者 並 び に産 婦 入科 入 院 の. 例 は 癌 で,こ の10例 の癌 は 大 部 分 が根 治 手術. 姙 婦 と健 康者 に 就 て観 察 を 行つ た.癌(胃,. 不 能 の比 較 的 末 期 め 胃癌 で,し か も臨 牀 的に. 直 腸,結 腸,乳 腺,其 他)68例,肉. 癌 の 診 断 可 能 な も の で あ つ た. Lehmann‑. 腫14例,. 其他 の悪 性 腫 瘍(淋 巴 肉 腫,淋 巴肉 芽 腫等). Faciusは 彼 の沈 降 反 応 の研 究 に於 て,悪 液. 10例,計92例.対. 照疾 患 とし て良 性 腫 瘍8例,. 質 状 態 の血 清 に は 不 安 定 グ ロブ リン(Labil. 結 核(肺,骨,其. 他)29例,消. globulin)が 増 加 し,そ れ が 沈 降 素 の反応 力 を 抑制 す る 為 に沈 降 反 応 が 陰性 を示 す こ とが. 化 性 潰 瘍31例,. 喘 息18例,胆. 道 炎 症7例,其. 姙 娠22例,健. 康者26例,計168例. 他 の 疾 患27例, で あ る.病. 多 く,し か も この事 実 は 消化 器 癌 特 に早 期に. 名 は 凡 て 手術 後 に 決 定 せ られ た もの で,特 に. 悪液 質 を 来す 胃癌 に 見 られ,こ れ に 対 し婦 人. 腫 瘍 は 殆 ん ど全 部 組 織 学 的 検査 が行 われ て い. 科 的 癌 は 良好 な成 績 を 示 した と述 べ て い る.. る.. 彼 の 見解 は前 記 の成 績 と も よ く一 致 してい る.. 成 績 は 表2に 示 す 通 りで あ る.癌68例 例 陽 性(85.2%),肉 %),其. 中58. 腫14例 中14例 陽 性(100. 他 の悪 性 腫瘍10例 中9例 陽 性(90%),. 計92例 中81例 陽 性(88.0%),. 11例 陰 性(11.9. 実際 最 良 の成 績 を示 した 肉 腫 及 び其 他 の悪性 腫 瘍 は消 化 器 以外 の部 位 に 発生 した もので あ つ た. 次 い で 対照 疾 患 をみ る と,良 性 腫 瘍8例 中. あ る。 この様 に 癌 に於 て高 度 の陽 性 率. 3例 が 陽性 を 示 した,こ の3例 は何 れ も歯 系. を示 して は い るが,肉 腫 及 び 其他 の 悪性 腫瘍. 嚢腫 で あ る.結 核29例 中9例 の陽 性 は主に肺. %)で.

(5) 癌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究. 255. 結 核 で あ り,つ い で肋 膜 炎 及 び 肋膜 周 囲膿 瘍. 2例 で あ る.こ. で あ る.消 化 性 潰 瘍31例 中4例 の陽 性例 は胼. 於 て 陰 性 で あ る.以. 胝性 潰 瘍 で あ る.胆 道 炎 症7例 中 陽性 を 呈 し. は168例. た2例 は 黄疽 を伴 う もの で あっ た.黄 疽 血 清. (85.1%)で. で は グ ロブ リン の増 量 をみ る こ とが 多 く,又. あ る.. 混 濁 を来 す こ とが 多 く,従 つ て 非特 異性 を 示 し易 い こ とは他 の各 種 の癌 沈 降 反 応 で も云 わ. れ に 対 し健 康 者 は26例 全 例 に 上 の如 くで 対 照 例 の 総 計. 中 陽 性25例(14.8%),陰 あ つ て,平. 第4節. 性143例. 均 適 中 率 は86.5%で. 抗 原 材 料別 に よる反 応 成 績. 前 記 の 成 績 で は 悪 性 腫 瘍 の 陽 性 率88.0%,. れ て い る.ところで あ る.其 他 の 疾患27例 中 の. 対 照 例 の 陰 性 率85.1%で. 陽性2例 は腹 部 ア クチ ノ ミコー ゼ及 び肝 膿 瘍. 86.5%で. で あ る.対 照 疾 患 で陽 性 を示 した も のは 一 般. あ る が,こ. に慢 性 な 消粍 性 疾 患 乃 至炎 症性 疾 患 が 多 か つ. し て み る と表3の. あ っ た.こ. そ の平 均 適 中 率 は. の成 績 は総 合 的 な もの で. れ を抗 原 分離 に用 い た材 料 別 に 示 様 に な る.. た.姙 娠 の22例 中陽 性 を 示 した も のは僅 か に. 表3. 抗 原 材 料 別 沈 降 反 応 成績. 癌 腹 水 よ り分 離 し た 抗 原 に よ る沈 降 反 応 で は 癌 及 び 其 他 の 悪 性 腫 瘍29例 (86.2%),対. あ る.骨. 例 中 陽 性18例(94.2%),対 例(80.8%),平. 均 適 中 率87.1%.乳. 例(85.7%),対. は 癌 等14例. 癌II(細. 様 癌)で 照19例. 平 均 適 中 率71.7%で. 均 適 中 率97. は 癌 等16例. (附).胎. 盤 よ り分 離 した抗 原 に よる反 応 成績. 細 胞 豊 富 で 増殖 の旺 盛 な 組 織 よ り分 離 した 多 糖 類様 物 質 を抗 原 として 癌 其他 の悪 性 腫 瘍 増殖 旺盛 な組 織 の一 つ で あ る胎 盤 よ り多糖 類. 照. 様 物 質 を 分離 し,同 様 に 沈 降 反 応 を 試 み て は. .1. 如 何 と考 え た.分 離 法 は 成 熟 胎 盤 を1〜2時. 中 陽 性12例. 中 陰 性13例(68.4%), あ る.こ. 離 に 用 い る組織 は細 胞 の多 い 増殖 の強 い も の. 患 者 血清 との 間に 沈 降 反 応 が 行 い 得 る な らば,. 胞 の 多 い単 純. 中 陽 性14例(100%),対. 35例 中 陰 性33例(94.2%),平 癌(膠. 癌I 中 陽 性12. 照35例 中 陰 性33例(94.2%),. 平 均 適 中 率89.8%.乳. (75.0%),対. 中 陰 性24. は 癌 等14例. ない.即 ち この反 応 の実 施 に 当つ て は抗 原 分 が 好 適 で あ る と思 わ れ る.. 肉 腫 で は 癌 等19 照30例. (細 胞 の 少 い 硬 性 癌)で. %.胃. 陽性. 照49例 中 陰 性40例(82.0%),. 平 均 適 中 率84.1%で. 癌)で. 中25例. れ よ り見 て 明 ら. 間 流 水 に て 洗滌 し,含 まれ た 血 液 を 除 去 す る. 以 下 は 癌 組織 の場 合 と同 様 な 方 法 で あ る. 癌 及 び 其他 の悪 性 腫 瘍27例 に於 て 陽 性19例. か な 様 に 抗 原 材 料 の 種 類 に よ り反 応 成 績 が 異. で 陽性 率70.3%,対. つ て い る.乳. 陰 性 率73.3%平. 癌II(単. 純 癌)の. 様 に 細 胞 が豊. 照 疾 患15例 中 陰性11例 で 均 適 中 率71.8%で. あ る.こ. 富 で 増 殖 の 旺 盛 な 組 織 よ り分 離 し た 抗 原 を 使. れ と同 時に 胃癌 組 織 よ り分 離 した 抗 原 で 同 例. 用 し た 場 合 に,癌. に 行 つ た 反応 成 績 は癌 及 び 其他 の悪 性 腫 瘍 の. 率 も,対. 及 び其 他 の悪 性 腫 瘍 の陽 性. 照 例 の 陰 性 率 も高 く,従. 中 率 が 高 い.膠. つ て 診断 適. 様 癌 の様 に 変性 した 組 織 よ り. 得 られ た抗 原 に よつ て は 良 好 な成 績 は 得 られ. 陽 性 率74.0%,対. 照 疾 患 の 陰 性 率93.3%で. 平. 均 適 中 率83.0%で. あつ て,胎 盤 よ り分 離 した. 抗 原 は 胃 癌 組織 よ り分 離 され た そ れ に 比 し稍.

(6) 256. 小. 々成 績 が 劣 つ た(表4).し. 見. か し こ ゝに於 て. 山. 宏. 共 通 な る ものが あ る こ とが明 らか に なつ た.. 癌 組 織 と胎 盤 組織 とは抗 原 性 のあ る点 に於 て 表4. 第5節. 胎 盤 よ り分 離 した抗 原 に よ る沈 降 反 応 成績. 対照実験. 対 照 実 験 として非 癌組 織(非 癌 胃 粘膜,線. る こ とに した.そ れ は 多忙 な臨 牀 医 家 で も容 易 に こ の反 応 を検 査 す る こ とが 出 来 る為 と,. り分 離 した抗 原 に よつ て沈 降反 応. 元 来 微 量 に しか 得 られ な い(材 料 とす る組織. を 試 み たが,癌 及 び其 他 の悪性 腫 瘍,対 照 疾. の 原 重 量 の 約百 分 の一 乃 至 千 分 の一)抗 原 の. 患 の全 例に 於 て陰 性 の 結果 をみ た.. 節 約 の 為 で あつ た.し か し この 沈降 反 応 が実. 維 腫等)よ. 第6節. 血 清 稀釈 法 の応 用. この沈 降 反応 が 簡単 に行 え る為 に,通 常 一. 際 に抗 原抗 体 反 応 で あ るな ら ば,既 に 血 清学 が 教 え る様 に 特 定 濃 度 の 抗 原 は一 定 稀 釈 血清. 定 濃度 に 溶 解 した抗 原(抗 原 個 々 に よ りそ の. と最 も よ く反 応 す る こ とを知 らね ば な らない、. 反 応性 に 強 弱 が あ る ので 予め 最 も よ く反 応す. そ こで 緒 方29)の方 法 に準 じて 血清 稀 釈法 を行. る濃 度 に 溶 解 してお いた)と 血 清原 液 を用 い. つ て こ の知 見 に一 致 す る成 績 を 得 た.即 ち 抗. 表5. 血 清 稀釈 法 を応 用 せ る沈 降 反 応. 結 腸 癌. 胃. 癌. 胃. 癌. 肉. 腫. 胃. 癌. 十二指腸潰瘍.

(7) 癌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究. 257. 原 及 び血 清 の濃 度 が 濃 厚 に 過 ぎ た場 合に 反 応 を 欠 く様 な現 象 が しば しば み られ た.適 当 な. 胃 潰 瘍. 沈 降反 応(‑). 健 康 者. 沈 降 反 応(‑). 濃 度の 抗原 と血 清が よ く反 応 す る こ とは 明 ら か で あ る.そ こで従 来 の方 法 で 陰性 に 現 われ た もの も血 清稀 釈 法 を 行 うこ とに よ り陽 性に 出 る ものが み られ た.稀 釈 法 を応 用 すれ ば ζ の 沈降 反 応 の陽 性 率 が 一 層向 上 す る もの と考 え られ る. 第7節 補 体 結合 反 応 この沈 降 反 応 の 免疫 学 的 特 異性 を確 め る為 に は補 体結 合 反応 を行 う必 要が あ る.抗 原 は 胃癌 及 び直 腸 癌 よ り分 離 した1,000倍. (抗 原,胃. の もの. 結 腸 癌. を使 用 した.そ の結 果 補 体 の結 合 は 一般 に微 弱 で,よ うや く5倍 稀 釈 血清 迄(+)を. 癌1000×). 沈 降反 応(+). 示す. に過 ぎ ない.又 補 体 結 合 反応 は 必 ず し も沈 降 反応 と平 行的 に 出 現 せ ず,沈 降 反 応 が陰 性 で も補 体 結 合反 応 の陽性 の こ とが あ り,又 そ の 第8節. 逆 の場 合 もみ られ た.即 ち この 沈 降反 応 の免. 抗 原 分 離 に 関 す る種 々の 試 み. 最 初 に 記 した抗 原 分 離 法 を行 つ て も多 数 の. 疫 学的 特 異性 を 確 め る こ と は 出来 なか つ た. 材 料 を 取 扱 う 中 に は 得 られ た 最 終 物 質 が 殆 ん. (表6).. ど 反 応 を 呈 さ な い 場 含 も あ つ た.そ 表6. 補体結合反応 (抗原,直 腸 癌1000×). 胃. 癌. 沈 降 反 応(+). 充 分 判 明 し な い が,こ 酸,強. の理由は. の分 離 法 で は 加 熱 や 強. ア ル カ リの 添 加 を 行 う の で 有 効 物 質 が. 多 少 の 分 解 を 受 け う る 事 は 想 像 さ れ る.よ. つ. て 反応 性 の一 層 良 好 な抗 原 物 質 を得 よ うと し て 種 々 の 方 法 を 試 み た. 1)塩. 酸 処 理:原. 法 の塩 酸 処 理 に於 て有. 効 含 水炭 素 系 物 質 の 加 水分 解 され る こ とを考. 胃. 癌. 沈 降反 応(‑). え, N/10塩 熱 し,以. 酸 の 量 を 少 く し てpH. 3.5と し て 加. 下 原 法 と 同 様 処 理 し た も の(イ), pH. 5.0と し て 加 熱 し た も の(ロ), pH 加 熱 し た も の(ハ),の3法. 結 腸 癌. 沈降反応(+). 何 れ も 胃 癌(単. 純 癌)で. (イ)は 陽 性 率70.6%,陰 適 中 率74.7%,(ロ)は 78.9%,平. 沈 降 反 応(‑). して. を 行 つ た.材. 料 は. あ る. 性 率78.9%,平. 陽 性 率76.5%,陰. 均 適 中 率77.7%,(ハ)は. 70.6%,陰. 癌性腹膜炎. 5.4と. 性 率78.9%,平. 均 性率 陽性率. 均 適 中 率74 .7%で. あ っ て 良 好 な 結 果 は 得 ら れ な か つ た(表7). 2)加 pH. 熱 時 間 の 延 長:. 5.4と し100℃. で1時. N/10塩. 間 半 加 熱 す る.以. 下 原 法 と大 体 同 様 に 処 理 す る.材 (単 純 癌)で. あ る.. 酸 によ り. 料は乳癌.

(8) 258. 小 表7. 見. 照16例. 中 陰 性13例(81.2%)で. 酸 々 性pH. い:原. 酸 を 加 え 加 熱 後pH. 沈 澱 を 除 去 し た が,こ. 表9. 4)胆. 汁 添 加:胆. pH. あ る(表8).. 加 熱 時 間 延長 の場 合 の反 応 成 績. 4.8で 沈 澱 除 去 を 行 わ な. 法 でN/10塩. 4.8で. 適 中 率88.1%で. 平均. 表8. 3)塩. 宏. 塩 酸 処 理 を 変 え た 場合 の反 応 成 績. 癌 及 び 其 他 の 悪 性 腫 瘍20例 中 陽 性19例(95 %),対. 山. れを行わない も. 4.8に. の で は 陽 性 率72.2〜73.6%,陰 86.6%,平. 性 率80.0〜. 均 適 中 率76.9〜79.4%で. 良 好な成. 績 とは い え な い(表9).. て沈 澱 除 去 を 行 わ な い 場 合 の 反 応 成 績. 汁 の組織 溶解 性 を 応 用. pH. 7.6と. し遠 心 沈 澱 後 上 清 に 純 酒 精 及 び 醋. し て癌 組織 の充 分 な 分 解 を 起 し良質 な抗 原 物. 酸 曹 達 を 加 え て 再 び遠 心 沈 澱 し得 た ものを乾. 質 を 得 る こ とが 出来 る ので は な いか との考 え. 燥 す る.. の も とに 行つた, ① 100℃ ②. 癌 組織粥に少 量の蒸溜水 を加えて. 性 率88.8〜100%,陰. で5分 間 加 熱す 。. 均 適 中 率84.4〜95.0%で,こ. 同量 の胆 汁(手 術 時 採取 し た も の)を. る と,癌. 加 え37℃ ③. こ の分 離 法 に よ り得た 抗 原 に よる成 績 は陽. N/10塩. 酸 でpH. 3.5と し100℃. 25分. 間 加 熱 後 遠 心 沈 澱 し, ④. 上 清 に40%苛 性 曹 達 を 滴 下 して 中 和 し. あ つ て 胃 癌 よ り分 離 した の. 分 離 法 は 原 法 に 比 し て 稍 々 優 秀 で あ る と考 え. られ る(表10).. 上 清 を2日 間流 水 中で透 析 した 後 濃縮. す る.. 5)加. 熱 操作 を行 わ ず,三 塩 化 醋 酸 にて除. 蛋 白を行 う:. ⑥3倍 量 の純 酒 精 及 び 醋 酸 曹 達 を 加 え 遠 心 沈 澱 を 蒸 溜 水 に溶 解 しN/10塩. ① N/10塩. 沈 澱 す. ⑦. 照 例72例 中 陰 性62例(86.1%),. 平 均 適 中 率88,5%で. 抗 原 と し て は 可 成 り良 好 な 成 績 で あ り,こ. 沈 澱 を 遠 心 除 去す. ⑤. れ を 総 合 して み. 及 び 其 他 の 悪 性 腫 瘍46例 中 陽 性42例. (91.0%),対. で12時 間 作 用 させ る.. 性 率80.0〜90.0%,平. 酸で. ②. 癌 組 織 粥 に5倍 酸 でpH. 量 の 蒸溜 水 を 加え. 3.5と して 遠 心 沈 澱す.. 上 清 を 苛 性 曹 達 に てpH. 4.5と し遠心.

(9) 癌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究 表10. 沈 澱 し更 に上 清 をpH ③. 上 清 に5gの. 胆汁 添 加 分離 法 に よ る反 応成 績. 6.0と して遠 心沈 澱 す. 三塩 化 醋 酸 を 加 え1時 間. を 加 え て 一 夜 放 置 後 遠 心 沈 澱 し,沈. この分 離 法 に て 得 られ た 抗原 に よ る成 績 は. 6.0と して遠 心 沈 澱す.. 癌 及 び 其 他 の 悪 性 腫 瘍19例 中15例 陽 性(78.9. 上 清 を2日 間 流 水 中 で透 析 し,後40〜. %),対. 50℃ で濃 縮す. ⑤. 均. 加 熱 操作 を加 えな い 場合 の反 応 成 績. る もの で あ る.そ こで本 沈 降 反 応 に 使 用す る. 以上種 々の抗 原 分 離 法 を試 み た が 予 想 とは 相 反 す る 様 な 結 果 も み ら れ,又 向 上 は み られ な か つ た,し. 中 陰 性16例(88.8%),平. あ り大 陶 小 異 の結 果 で あ つ た. (表11).. 割合に醋酸曹達. 表11. 著 しい 成績 の. か し胆 汁 添 加 の 操. 抗 原溶 液 を もつ て 皮 内反 応 を 試 み た.な お 実 施 方法 並 び に判 定 方 法は 松 原 法 に よつ た. 癌 及 び其 他 の 悪 性 腫 瘍 の陽 性 率22.2〜60%,. 作 を 加 え た も の に 梢 々 見 る べ き も の が あ つ た.. 対 照例 の 陰性 率90.9〜100%,平. 皮 内反 応 及 び 血 清酸 濁 反 応. 57.6〜80.0%で. 癌 組 織 よ り抗 原 性 を 有 す る と思 わ れ る 物 質 を抽 出 し,こ. 照 例18例. 適 中 率83.8%で. 同 量 の純 酒 精 と1%の. 第9節. 渣 を 乾燥. す.. 放置後 遠 心沈 澱 し,上 清 を苛 性 曹 達 に てpH ④. 259. れ を 皮 内 に 注 射 して 癌 の 有 無 を. 判 定 せ ん とす る試 み はFreund‑Kaminer2). 均 適 中率. 概 して 沈 降 反 応 の成 績 よ り不. 良 で あ る(表12). 一 方 癌 血 清酸 濁 反 応 は 癌 組 織 よ り蒸 溜 水 で. 3),. 瀬 尾31),砂 田34)其 他 の 人 々 に よ つ て 行 わ れ た. 抽 出 した 抗 原 を使 用 した もの で あ るが,本 沈. が,最. 降 反 応 の 抗 原 を使 用 して み た と ころ,全. 近 松 原37)38)の行 つ た 皮 内 反 応 は 良 好 な. 成 績 を 示 し て い る.こ. れ は 癌 組織 及 び人 胎 盤. 濁 差 を 生 じなか つ た.な お 松 原 の 抗 原 を 用 い. よ り分 離 し た 多 糖 類 を 主 成 分 と す る 抗 原 に よ. 表12. 皮. 内. く溷. て 酸 濁 反 応 を試 み た が,こ れ は89%の 反. 応. 成. 績. 的中率.

(10) 260. 小. 見. 山. 宏. で あ つ て 本沈 降 反 応 の抗 原 との間 に差 異 を認 め た. 第10節. 疾 病 の時 期 と反 応成 績 との関 係. す べ て癌 反 応は それ が 早 期 診断 的 価 値 を有 す るか 否か とい うこ とが 実 地上 最 も待 望 され る と ころ で あ る.本 反 応 検 査例 につ いて 病 歴 を 調 査 した ものを 表 に して み る と表13の 如 く に な る.一 応 自覚 的 症 状 発 現 よ り反 応 検査 迄 の 苦 悩 期 間 に よ り分 類 して み た が,勿 論 これ と疾 患 の進 行 度 とは 必 ず し も一致 す る も ので な い こ とは考 慮 を要 す る.癌 で 反応 陰 性 の も の の中 に は 末 期 の も のが 多 か つ た.し か しす べ て 癌 反 応 は 早 期 診断 が 目的 で あ るか ら,末 表13. 期 で 臨 牀的 に明 らか に 癌 と診 断 し得 る もので は あ ま り意 味 が な く,早 期 の も のに 応 用 され るべ きで あ る と考 え られ る.腫 瘍発 生 よ り何 日,或 は何 ケ 月 で反 応 が 現 わ れ るか とい うこ とは 勿 論 動物 実験 に よ らね ば な らず,臨 牀的 に は か な り困難 な問 題 で あ る と思 う。 検査 症 例 中 確 か に 早 期 に反 応 陽 性 を 現 わ した と思 わ れ る例,又 臨 牀 的 に見 出 し難 い 場所 の癌 を こ の反 応 に よ り診 定 し 得た と思 わ れ るも の もあ つ た.次 に 興味 あ る 例を 記 す と,胃 潰瘍 と診 断 され て 沈 降 反 応 は 陽性 で あ り,手 術 に よ り 潰 瘍 の癌 変 性 を み た もの,又 臨 牀 的 に見 出 し 難 か つ た膵 臓 癌 に 陽 性 反 応 をみ た もの あ り, 発 病 後1ケ 月半 で 来 院 した頸 部 の淋 巴肉腫 で 4種 の抗 原 で反 応 を 検査 し全 部 強 陽 性 を示 し た.こ の事 実 は 又 この 反 応 の早 期 診 断 的価値 を 裏 書す る もの であ ろ う.逆 に この反 応 が何 度 検査 して も陰 性 で あ つ た患 者 が 淋 巴肉腫 の 診断 で 手術 され,頸 腺 結 核,唾 石 症 で あ つた もの が あ り,又 同 様 胆 道 癌 と診断 され て 手術 の結 果 胆嚢 炎 で あつ た も のが あ る こ と等 興味 深 い..

(11) 癌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究 第11節. 261 表15. 反 応 の 陰性 化. 次 に問 題 とな るの は癌 の根 治 手術 後,こ の 反応 が 早 期 に陰 性 化 す るか否 か で あ る.こ れ は 手術 成 績 判定 の上 に 外 科医 の最 も関 心 の深 い と ころ で あ る. 術後 検 査 した13症 例 に つ い てみ る と表14の 如 くであ り,症 例 が 少 く,又 長 期 に わた る検 表14. 10 〔α〕D. =0. 前 に も記 した様 に三 塩 化 醋 酸 に よる除 蛋 白操 作 を1〜2回. に 止 め てい た 当 初 は反 応 性 が 現. わ れ て い た が,そ の後 この 除 蛋 白 操作 を更 に 反 復 して 精 製 した もので は 反 応性 が著 し く減 弱 す る こ とが わ か つ た.其 の後 三 塩化 醋酸 に よる操 作 を省 略 した が,反 応 性 に 大 した 変化 は無 い様 で あ る.従 つ て この反 応 の抗 原 は純 査が 出来 な かつ た 為 に 確言 は 出来 な い が,こ. 然 た る多 糖 類 の形 で は却 つ て 反 応 性 が低 下 す. の反 応は 根 治 手術 後 相 当 期間 に亙 り陰性 化 し. る様 で あ る.即 ち 多糖 類 に 何 か 蛋 白体 又 は 窒. ない様で あ る.骨 肉 腫 の1例 で は 手術 後39日. 素化 合 物 の結 合 した もの が こ の反 応 の 主 役 を. で,又 直 腸 癌 の1例 で は70日 で 陰 性化 した が,. 演 じて い る と考 え た い.そ れ で こ の抗 原 物質. 結 腸癌 の1例 では4ケ. を 多糖 類 様 物 質 と呼 ん で い る ので あ る.. 月後で もな お 陽性 を示. してい る.従 つ て只 今 の と ころ手 術 後 短時 日 第3章. の間 に手 術 の成 否,再 発 の有 無 を 決 定 す る に は この反 応 は役 立 た な い. 第12節. 総括 竝 に 考按. 免 疫学 方 面 に 於 け る 含 水炭 素 の特 異 性,特. 抗原 物 質 の化 学 的 性 状. に 細 菌 の 多糖 類 が そ の最 も旺盛 に 増殖 す る時. 本 反応 に使 用 す る抗 原 物質 の化 学 的 性 状 を. 期 に 産 生 され,特 異 的 に 沈 降作 用 を有 す る こ. 検 索 した.試 薬 の入 手 難 と抗原 物 質 が 極 め て. とに ヒン トを得 て,旺 盛 な 増殖 を 営む 癌 組 織. 微 量 な こ と等 で 充分 な 化 学 的分 析 は 出来 な か つ た が,そ の1%溶 液 に就 て検 査 した 結 果 は. よ りJulianelleの. 味 した 分離 法 に よ り,多 糖類 様 物 質 を分 離 し,. 表15の 如 くで あ る.こ の 溶液 自体 には 還 元作. これ と癌患 者 血 清 との間 に 沈 降 反 応 を試 み て. 用 も旋 光 性 もな いが, Molisch反. 以 上 の 如 き成績 を得 る こ とが 出 来 た.癌,肉. 応 が 強 陽性. 方 法 に 細 谷 氏 の変 法 を 加. で あ り,又 強酸 に よ る加 水分 解 後Fehling液. 腫,其 他 の 悪性 腫 瘍 患 者 に 於 て92例. を 強 く還 元 す る様 に な る こ とか ら多 糖 類 が 主. (88%)と. 体 を なす こ と は 明 ら か で あ る.併 しBiuret. か し癌 と肉 腫 を鑑 別 す る所 見 は 見 られ な い.. 反 応 も弱 陽 性 を 示す か ら蛋 白体 乃 至 それ に 近. 即 ち癌 組 織 を 抗 原材 料 に用 いた 場 合 で も,肉. い ものが 結 合 して い る こ とが 窺 わ れ る,実 際. 腫 組 織 を 抗 原材 料 に 用 い た場 合 で も同 じで あ. 中81例. か な りの高 率 に 陽 性 を 示 した.し.

(12) 262. 小. 見. 山. 宏. つ た.細 胞 増殖 旺 盛 な 組織 を有 す る患 者 血清. れ な かつ た.し か し この 中に 於 て も胆 汁 の組. は 一 様 に 抗 原 に反 応 す る と考 え られ る.又 乳. 織 溶 解性 を応 用 して 癌 組織 を可 及的 溶 解 し,. 癌 か ら分 離 した 抗 原 に よ り乳癌 以 外 の胃 癌,. 良 質 な抗 原 を 多量 に 得 よ うと した胆 汁 添 加の. 結 腸 癌,直 腸 癌 等 の患 者血 清 とも反 応 は 起 り,. 方 法 で は,平 均 した 成 績 が 得 られ 先 づ優 秀 な. 又 胃 癌 よ り分 離 した 抗 原 に よ り胃 癌 以 外 の各. 抗 原 分離 法 と考 え られ る.. 臓 器 癌患 者 血 清 と も反 応 を 現わ した.即 ち こ. 次 に細 胞 豊 富で 増殖 旺 盛 な組 織 の一 つで あ. の 反 応 には 臓 器 特 異 性 は 無 い 様 で あ る.山. る 胎盤 は この沈 降 反 応 に 如何 な る態 度 を示 す. 本28)は癌 組 織 の食 塩 水 浸 出液 を もつ て 癌 患者. で あ ろ うか と考 え た.胎 盤 よ り原 法 に よ り抗. 血 清 との間 に 蛋 白に よ る沈 降反 応 を 試 み た が,. 原 を 分 離 し,同 様 な方 法 に よ り反 応 を試 み た.. これ に於 ては 臓 器 特 異性 の あ る事 を 述べ て い. 平 均適 中 率71.8%で,癌. る.特 に乳 癌 組 織 浸 出 液は 胃癌 患 者 血 清 には. り稍 々劣 つた が 一 応 期 待 した結 果 を 得 る こ と. よ り分 離 した抗 原 よ. 反 応 し な いか 或 は 甚 だ 弱 い.又 蛋 白に よる沈. が 出 来 た.即 ち胎 盤 か ら分 離 した 多糖 類 様物 ,. 降反 応で は 腫 瘍 組 織 を 煮 沸 した もの の 浸 出液. 質 は悪 性 腫 瘍 のそ れ に 類似 の特 異 的 な性 質 を. と患 者血 清 との反 応 は著 し く弱 くな る と も述. 有 す る もの と思 わ れ る.な お 非 癌 組織 よ り同. べ て い る.此 等 の 点か ら多 糖 類 を 抗 原 とす る. 様 に して分 離 した 物 質 には 全 く反 応性 は 認 め. 反応 と蛋 白を 抗 原 とす る反 応 で は 大 な る差 の. ら れ な か つ た.. さて この沈 降 反 応 が 本 当 に抗 原抗 体反 応 な. あ る こ とが 見 られ ろ. 次 に対 照 例 に 於 ては168例 中143例(85.1%) が陰 性 で, 25例(14.8%)が. ら ば,抗 原 のみ な らず血 清 の稀 釈 を行 つ て も,. 陽 性 を 示 した.. 特定 濃度 の抗 原 は 一 定 稀釈 血 清 と最 も よ く反. この 陽性 を 示 した もの の 中で 特 に 結 核性 疾 患. 応 す る筈 で あ る。 そ の 点 につ い て 検討 した結. が多 かつ た(29例. 果 この知 見 に 一 致 した 成績 をみ,又 原法 に よ. 中9例).其. 他 不 合理 陽性. を 示 した もの は 一 般 に慢 性 な消 耗 性 疾患 乃 至. る よ りも陽性 率 が 向上 す る こ とを 知 つた.既. 炎症 性 疾 患 が 多か つた.. にLehmann‑Faciusが. 以 上 の平 均適 中 率は86.5%と. な り,特 に優. 指摘 して い る様 に 癌患. 者 血 清 内 の沈 降 素 はAntopraezipitinの. 範疇. 秀 な成 績 とは 言 え な いが,こ れ を 抗 原 の材 料. に入 る特 殊 の も ので あ る と共 にそ の 産生 も比. 別 に 見 た 場 合 に,癌 の 中で も特 に 細 胞 が 豊 富. 較 的 微量 に過 ぎ ない.又 患 者 に よ り沈降 素価. で増 殖 の旺 盛 な ものか ら分 離 した 抗 原 を用 い. も沈 降 素 量 も 不定 で あ るか ら,常 に 血清 稀釈. た 場 合 は 悪 性 腫 瘍 の陽 性 率 も対 照 例 の陰 性 率. 法 を応 用 す る のが 適 当 な のか も知 れ な い。従. も高 い(陽 性 率100%,陰. 均. つ て 疑 わ し い例 で 従 来 の 方 法 が陰 性 反応 を 示. ち この反 応 の実 施 に 当つ. した 時 に は 更 に稀 釈 法 を行 つ てみ る必要 が あ. 適 中率97.1%).即. 性 率94.2%,平. ては 抗 原 調 製 に 用 い る組 織 は 細 胞 の 多 い 増殖 の強 い もの が 選 ばれ ね ば な らず,こ の 為 には. る. 次 に 同抗 原 を用 いて 皮 内 反 応 を試 み た.反. 常 に 予 め 組織 学的 検 査(凍 結 切 片 標 本)を 行. 応 は 現 わ れ る が,沈 降 反 応程 で な く,対 照例. つ て 材 料 の 選 択 に適 切 であ る こ とが 望 ま しい.. の 陰 性 率 は 高 い が,陽 性 率 は22〜60%と. 併 し多数 の材 料を 取 扱 う中に は 同様 な 分 離 法. な お 研 究 の 余 地 が あ る.. 低 く,. を 行 つ て も,得 られ た 最 終 物 質 が 殆 ん ど反応. 癌 反 応 は 早 期 診 断的 価 値 が 最 も大 切 で ある. を 呈 さな い場 合 もあ つ た.こ の 理 由 は 充分 判. が,教 室 で 行 つ た 成績 につ い てみ る と相 当早. 明 しなか つた が,分 離 の際,加 熱,強 酸,強 ア. 期 に反 応 が 陽性 に 現 わ れ た も のが あ り,臨 牀. ル カ リの添 加 を行 うので 有 効 物 質 が 多 少 加 水. 的 に見 出 し難 い 癌 を この反 応 に よ り診定 した. 分解 され 得 る こ とは 想 像 され る,そ こで 分 離. も の も あ る,末 期 の癌 に は 反応 が出 に く くな. 法 に種 々 改 良 を試 み た が,予 想 と相 反 す る様. る傾 向 が あ り,概 して早 期 診断 にか な り期待. な結 果 も見 られ,又 著 しい 成 績 の向 上 は 得 ら. が か け られ 得 る と考 え られ る.癌 或 は 其他 の.

(13) 癌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究. 263. 悪性 腫 瘍 の切 除 後 の 予後 と関 係 あ りと思 わ れ. わ れ る も の で は な い 様 で あ る(Muller8),. る反 応 の 陰性 化 に 就 ては,切 除 後 相 当長 期 間. Laidlaw. に亙 り陰性 化 しな い様 で,予 後 の 判定 には 役. は 本反 応 の特 異 性 を 実証 す る こ とが 出 来 な か. 立 たな い様 で あ る.. つ た.し か し一 方 本 反応 が対 照 の結 核 そ の他. さて使 用 した 抗原 物 質 の充 分 な化 学 的 分 析. &. Dudley9)).即. ち補 体 結 合 反応 で. 炎症 性 疾 患 に も陽性 に 出 る場 合 のあ る こ とは,. は 出来 なか つ た が, Molisch反 応 強 陽 性,水. 炎症 性 疾 患 々者 血 清 中に も癌 の場 合 と共通 な. 解 後Fehling液. を 強 く還 元 し, Biuret反 応. あ る種 の反 応 因 子 が あ る ので は な い か と も推. 陽性 で,多 糖 類 が主 体 を 成 し,蛋 白体 乃 至 そ. 測 され,従 つ て 本 反 応 は 癌 に対 し真 に 特 異 的. れ に近 い ものが 結 合 して い る事 は明 らか で あ. 反 応 で あ る とは 言 い 切れ な い様 で もあ る.. る.而 して三 塩化 醋 酸 に よ る除蛋 白操 作 を繰. さて 次 に なお 考 慮 され ね ば な らな い 問 題 が. 返 えす と反 応 性 が減 弱 す る事 か ら考 え て,抗 ・ 原 の本 質 は多 糖 類 と蛋 白体 の結 合 した もの で. 残 つ て い る.そ れ は仮 に この反 応 が 免 疫 学 的. なけれ ば な ら ない様 で あ る.. 特 異性 反 応 と して も,抗 原 と して 特 異 沈 降作 用 を 呈す る もの は 多糖 類 であ ろ うか,換 言 す. 次 に この沈 降 反 応 の本 態 は何 で あ ろ うか.. れ ば癌 細 胞 内に 今 迄何 人 も触 れ て い な い特 異. 元 来癌 患 者で は 一面 には 腫 瘍 細 胞 の崩 壊 産 物. 性 多糖 類 が 実 際 に あ る の だ ろ うか とい うこ と. に よ り,他 面 には 患 者 自体 の新 陳 代謝 の変 化. で あ る.従 来 癌 細 胞 の 蛋 白成 分 を抗 原 として. に よ り,そ の血 清 の性 状 に変 化 が 起 り得 る も. 行 わ れ た沈 降反 応 は 極 め て微 弱 な も ので あ つ. ので あ る.従 つ て 従 来癌 診 断 のた め に発 表 さ. た.癌 エ キ スで 免 疫 した 血 清 を 用 いた 場 合 で. れ た反応 の多 くは,こ の血 清 の性 状 の変化 に. も同様 で あつ た,強 い抗 原稀 釈 では 多 くは 反. 基 く現象 で あ つ て特 異 な 反応 で な い と云 わ れ. 応 が 現わ れ な か つ た,こ れ に対 し本 反 応 で は. て いる.本 反 応 もや は り血清 の不 安定 に よる. 適 当 な抗 原 を 用 い た 場合 には,免. 、 非特 異性 反 応 で あ ろ うか,又 果 し て期 待 す る. ら な くて も抗 原 の10,000倍 稀 釈 で もな お 反 応. 様 な免疫 学 的特 異反 応 で あ ろ うか.現 在 これ. が 現わ れ,又 血 清 稀釈 法 に於 て も よ く反 応 が. に就 ては 不 明で あ るが, (1)適. 当な抗 原 を用. 現 われ た.勿 論 百 万 倍稀 釈 で もなお 沈 降 反 応. 照 の 陰 性 率 の極 め. を 呈す る細 菌 の 多糖 類抗 原 に 比す べ く もな い. も. い た とき は 癌 の 陽 性 率,対 で 高 い こ と, (2) Kahn反. 応 と 反 対 にLabil. 疫処 置 に よ. が,今 度 新 し く分 離 した 癌性 抗 原 は確 か に そ. globulinの 増 量 す る末 期 の 癌 で は 反 応 が 陰 性. の強 さに於 て 従 来 の もの とは 異 つ て い る.こ. に 現 わ れ,む. の差 異 は 本 反 応 の抗 原 が 蛋 白 で な く多糖 類 で. し ろ 早 期 の 癌 に 陽 性 に 出 る こ と,. 即 ち 血 清 の 不 安 定 状 態 の 進 行 と関 係 の な い こ. あ ろ うとい うこ とに 帰 した い.こ の抗 原 物 質. と, (3)原. に は微 量 の蛋 白体 乃 至 そ れ に 近 い もの が含 ま. 血 清 で は 陰 性 を 示 した も の も 血 清. 稀 釈 法 の 応 用 に よ り陽 性 に 出 る こ と等 よ り,. れ て い る こ とは 前 記 した が,以 上 の点 か ら こ. この 反 応 は 免 疫 学 的 特 異 反 応 の 様 に も 考 え ら. の もの の反 応 出 現 に果 す 役 割 は 余 り大 した も. れ る.こ. ので な か ろ う.. れ を 更 に確 め る た め に補 体 結 合 反 応. を 行 つ た.併 1,000倍. し補 体 の 結 合 も一般に微弱で. 抗 原 で た か だ か5倍. を 示 す に 過 ぎ な か つ た.又. 沈 降 反 応 陰性 で も. 結. 論. 細 菌 の 多糖 類 の免 疫 学 的 特 異 性 に ヒ ン トを. その逆. 得 て,細 胞 豊 富 で 増 殖 旺 盛 な 癌 組 織 よ り多 糖. 実細 菌多 糖 類 の場 合. 類 様物 質 を 分離 し,こ れ を 抗 原 として 患 者 血. 補 体 結 合 反 応 の 陽 性 の こ と も あ り,又 の 場 合 も認 め ら れ た ,事. 第4章. 稀 釈 血 清 迄(+). で も沈 降反 応 と補 体 結 合 反応 が 同 時 に 凡 て が. 清 との 間 に 沈降 反 応 を 行 い,癌,其. 陽 性 に 出 る と は 限 ら な い し(Klopstock. 腫 瘍 の 診 断 を下 し得 る こ とが わ か つ た.し か. Vercellone18),. Avery. &. Tillett15)),又. &. 他 の悪 性. 皮膚. もそ の 成績 は極 め て 良好 で あ る.又 こ の反 応. 反 応 も これ 等 両 反 応 と は 必 ず し も一 致 し て 現. は 免 疫 学 的 特 異反 応 と考 えた く,従 つ て 癌 細.

(14) 264. 小. 見. 山. 宏. 胞 中 に も免 疫 学 的 特 異性 の 多糖 類 様 物 質 が存. 田教 授竝 に 砂 田助教 授 に 深 甚 の謝 意 を 表す る.な お. 在 す る と認 めた い 点 が あ る が,未 だ 実 証 され. 種 々有 益 な御 教 示 を 賜つ た 本 学生 化 学 激 室清 水学長,. るに 到 つ て いな い.癌. 数野 広 大 教授,衛 生 学教 室 緒 方教 授,大 川広 大教授,. と肉 腫,其 他 の悪 性 腫. 瘍 との 鑑別 は出 来 な い が,早 期 診 断 的 価値 は 認 めて も よい.こ の反 応 で は術 後 早 期 に 手術 成 績 の 判定 には 役 立 た な い様 で あ る.. 細 菌学 教 室 村 上教 授 竝 に抗 原分 離 に御 懇 切 な御援助 を 辱 うした 生 化学 激 室 清 水 助教 授 に感 謝 す る. 又 本 研 究 は 文部 省科 学研 究 費 に よ つた.こ こに記 して感 謝の 意 を表 す.. この研 究 は未 だ 完 成 され た もので は な い が, 血 清 学 的 に,又 実 地 診 断上 に従 来 と異つ た 新 し い問 題 を 提供 した もの と信ず る.. (本論 文 の 要 旨は 昭 和22年6月 会竝 に 昭 和23年5月. 第57回 岡 山 医学会総. 第48回 日本 外 科学 会 総 会に於て. 発表 した.). 擱筆に臨み不断の御指導と御校閲 を賜れ る恩師津. 参 1) Kraus,. 考. 文. R.: W. K. W. 10 (1897). 2) Freund,. E.. & Kaminer,. G... 135,. W. K. W. 23. (1910); 24 (1911); 25 (1912): 26 (1913) 3) Freund, E. & Kaminer, G.: W. K. W. 210 (1931) 4) Cochez, A. R. & Avery, O. T. J. Exp. Heidelberger,. 21) Bing, Kl.. . T... 40 (1924),. J. Exp.. 42 (1925). J. Exp. Med. 42 (1925) M., Kendall,. 11) Lehmann-Facius 12) Lehmann-Facius (1932) 13) Witebsky: 14) Witebsky. Kl.. & Klendshoj. W.. 9 (1932);. 11. 62 (1929). W. etc.;. Kl.. W. 9. (1936) 17) Julianelle,. L. A. & Wieghand,. Exp. Med. 62 (1935); 18) Klopstock. & Vereellene. 42 (1925). Burns. J.. K.. Exp.. Med.. & Horsfall,. Beitr.. 64 (1936) F. L.:. J.. Exp.. 64 (1936). 24) Trawinski:. Z. Immunitatsforsch.. 25) Kossjakow,. P.N... 90 (1937). Z. Immunitatsforsch.. 99. (1941) P.. Pathogen. 27) Micheel, charide. & Seiffert,. W.:. Microorganismen. F.:. Chemie. Handb.. d.. 3, 1 (1930). d. Zucker. & Polysac. (1930). 28). 山 本:日. 外 誌,. 29). 緒 方:細. 菌 学 雑 誌,. 30). 細 谷:東. 京 医 事 新 誌,. 3083号(昭13年). 31). 瀬 尾:東. 京 医 事 新 誌,. 3033号(昭12年). 32). 中 川:日. 内 誌,. 27巻,. 33). 中 川,高. 杉:東. 京 医 事 新 誌,. 34). 砂 田:岡. 山 医 学 会 雑 誌,. 35). 黒 屋,川. 19回,. 2号(大7年) 375号,昭2年.. 7号(昭14年). C. W.. J.. 64 (1936) Z. Immunitats. forsch. 88 (1936) 19) Leach, J. E. & Robbing, G. F.:. J. A. M. A.. 上. 2859号(昭14年). 59,. 17(昭20年). 血 清 免 疫 学 雑 誌,. 3巻,. (昭17年). J. Exp. Med. 72. J. Exp. Med. 49 (1929). L., Halber,. Med.. G.:. Kl. W. 9 (1930). Z. Immunitatsforsch.. (1940) 15) Avery & Tillett: 16) Hirschfeld,. & Toda. B. F.:. 26) Uhlenhuth,. 46 (1926); 48 (1926); 51 (1927); 56 (1928). Exp.. 160 (1934). 23) Goodner,. F. E. & Schepp,. H. W.: J. Exp. Med. 64 (1936) 8) Muller Proc. Soc. Exp. Biol. & Med. 22 (1925) 9) Laidlaw & Dudley. Brit. J. Exp. Med. 6 (1925) 10) Lehmann-Facius, H.. Z. Immunitatsforsch.. J.. & Marangos,. Chin. 22) Chow,. M,, Goebel, W. F. & Avery, O. 7) Heidelberger,. R. C.:. M.. Med.. M. & Avery, O. T... Med. 38 (1923); 6) Heidelberger,. No. 1 (1947). 20) Lancefield,. Med. 26 (1917) 5). 献. 36). 黒屋. 37). 松 原:日. 日本 医 学 及 健 康 保 険, 本 医 事 新 報,. 38). 松 原:綜. 合 医 学,. 39). 津 田:医. 学,. 40). 藤 井:生. 化 学 実 験 法(昭20年). 41). 柿 内:生. 化 学 提 要(1933). 42). 柿 内:実. 験 生 化 学(1928). 43). 中 村:細. 菌 学 血 清 学 検 査 法(昭13年). 44). 高 畑:生. 物 化 学 分 析(1927). 3巻,. 3327号(昭18年). 1202号(昭21年). 4巻,. 18号(昭22年). 5号(昭22年). 3号.

(15) 癌 の 多 糖 類 に 関 す る 研 究. Studies Part. 1:. Study. applying. on the. Polysaccharide. on Diagnosis. of Cancer. Polysaccharide-like Cancerous. of Cancer with. Precipitation. Substances. Tissue. 265. as the. isolated. Reaction from. Antigen.. By Hiroshi. Komiyama. 2nd Surgical Department, Okayama University (Director: Prof. Seiji Tsuda). Medical Sohool. Getting a hint from immunologic specificity of bacterial polysaccharide, the author, with Julianelle's method modified by Hosoya, isolated the polysaccharide-like substance from cell abundant and actively proliferous cancerous tissue, and applying it as antigen to patient serum in the precipitation reaction, got the following good results in diagnosis of cancer and other malignant tumors. 1) Obtained diagnosis rates are as follows : the positive results in case of patients with cancer, sarcoma and other malignant tumors ¥¥¥¥¥¥ 88%; the negative results in case of patients of benign lesions¥¥¥¥¥¥85.1%; the average hitting rate in total cases¥¥¥¥¥¥86.5%. However, the differential diagnosis between cancer and sarcoma is impossible. 2) Cancerous tissue applied as antigen, when it is abundant in cells and increasing actively, shows better precipitation reaction (71.7-97.1%). Precipitation reaction by the antigen isolated from a ripe pracenta shows the result of 71.8%. While, the antigen isolated from non-cancerous tissue shows no reaction. 3) Substance of antigen consists mostly of polysaccharide, very small quantity of pro tein or protein-like substance being mixed in. 4) The antigen isolated from cancerous tissue by an improved method of resolution with bile, shows a successful result. 5) The application of serum-diluting method makes better result, but this does not agree with the results of complement fixation reaction and skin test. Though the true cha racter of this precipitation reaction is unknown at present, it seems to be something like an immunologic specific reaction. 6) Above mentioned reaction is found to be pretty much available in early diagnosis, while it is of no avail in prognostic judgment. (author's abstract).

(16)

参照

関連したドキュメント

and ODA, T.: Electron microscopic observations on the ribonucleic acid molecules of linear structure in Rous sarcoma virus-induced mouse ascites sarcoma cells.

Uemura; Zur normalen undpathologischenAnatomie der Glandulapinealis des

Today, in regard to the cause of paralysisagitans,various theorieshave been advanced, for instance, symptomatic disordertheory according which thisdiseaseis caused by senile

Isolation and characterization of xyloglucans from cell walls of cucumber, mung bean sprouts, and pumpkin - - The cell wall polysaccharides of cucumber, mung bean sprouts, and

Conclusion: It was not perceived that there was a parallel relationship between the tuberculin test and the precipitin reaction with the polysaccharide fraction isolated from

room.A  discussion  on  the  way  the  SC  and  teacherʼs  collaborate  has  just  began.This  paper  aims  to  present  a  method  for  SCʼs  and  teachers 

The critical temperature (T c ) at which the consistency changed sharply depended on the sodium chloride concentration, namely, T c increased with the salt concentration. The

[r]